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かつて 我々が持っていたはずの 民主的な議論の技術を再発見しなくてはならない
(拍手) 現在行われている議論といえば ケーブルテレビで 大声で叫んでいる シーンが思い浮かぶだけだろう あるいは 議会での思想のぶつけ合いだ
一つ 提案したい
最近行われている議論を思い出してみよう 健康保険問題 金融街のボーナスや救済措置について 貧富の差や 差別是正措置 あるいは同性婚について
これらの議論の表面下に 存在するのは 誰もが感情的になる問題であるが 道徳哲学に関する 大きな問題 あるいは 正義に関する大きな問題である
しかし 政治における 道徳哲学の大きな問題に対して
議論したり 考えを明確にしたり 弁護することは 滅多にない そこで今日は
議論をしてみたいと思う まず最初に 正義と道徳における これらの問題について著した 有名な哲学者を取り上げよう 古代ギリシャのアリストテレスに ついて紹介したいと思う 彼の正義に関する論理を紹介した後で 議論を行い アリストテレスの考えが 今日の問題を検討 議論する上で 有用であるかどうか確かめよう
レクチャーを始めるけど いいかな
アリストテレスによれば 正義とは 受けるに値するものを人々に与えることである
そう これがレクチャーだ
それは検討するまでもない
本当の問題は 誰が 何を なぜ手にするに値するのかを 議論することから始まる
フルートを例にしよう
フルートを配る場合
最も良いフルートは誰が手にすべきだろうか?
意見を聞きたい どうだろう?
誰が最良のフルートを得るべきだろう?
その場で発言して構わない
サンデル:ランダム つまり くじ引きだね
または 最初にホールに飛び込んだ人がもらうとか
他には?
(観客:フルートが一番上手な人) サンデル:一番上手な人 (観客:一番下手な人は) サンデル:下手な人だって?
一番上手な人だと思う人は?
理由は?
そう それがアリストテレスの答えなのだ
しかし さらに難しい問題は
今 手をあげた人は どうして一番上手な人が 最良のフルートを手にすべきと考えたのだろうか?
ピーター:全体の利益を最大化できるから
サンデル:全体の利益の最大化
上手な人が最良のフルートを手にすれば 良い音楽が聴けるはずだ
名前はピーター?(観客:ピーター) サンデル:よろしい
良い説明だ
ひどい音楽を聴かされるより 美しい音楽を聴く方が幸せになれる
しかし ピーター アリストテレスは 君のその説明には賛成しない
そうだ
アリストテレスは 違った説明をしている なぜ 一番上手な演奏者が最良のフルートを持つべきか
アリストテレスは言う フルートが存在しているのは 上手く演奏されるためである
アリストテレスは 物の分配を 論理的に説明するためには 物が存在する目的 あるいは 社会活動の目的を 論理的に説明したり 議論することが必要であると言う ここでは演奏が目的である
大事なことは 演奏の本質とは 良い音楽を創造することであり
我々が それから恩恵を得るとしても
それは 偶然の副産物に過ぎないのだ 正義について考えるとき アリストテレスによれば 我々が真に考えねばならないことは 問題となっている活動の本質であり 賞賛され 賛美され 評価される 性質についてである
一番上手な演奏者が 最良のフルートを手にすべき理由の一つは その演奏が私たちを幸せにするから というだけではない 評価し 賞賛する ためである
フルートを誰に渡すかという問題は 取るに足りない問題のように思える
次に 正義に関する議論の 現代的な問題に移ろう
ゴルフに関する問題だ
数年前 ケイシー=マーティンが ご存じだろうか
彼は一流のゴルファーだったが 障害を持っていた
循環系の問題で 足に障害があった そのため コースを歩くことが
非常に困難だった ケガをする危険性もあった PGA
プロゴルフ協会に対して PGAトーナメントで カートの使用を認めるよう求めた 答えは「ノー」
「不公正な優位性を与えてしまう」という理由だ
彼は裁判所へ訴え 信じられないかもしれないが 最高裁まで進んだ 単にカートの問題なのにだ しかし 法律では 障害者に対しては 便宜が図られねばならないとされている そして その便宜は その活動の本質を 変えてしまってはならない
彼は言った 「私は一流のゴルファーであり
競技に参加したいと考えている
ただ ホールからホールへの移動に
カートを必要としているだけだ」 あなたが最高裁の裁判官だったと
考えてみて欲しい このケースの正義はどうあるべきか
決めなければならないと考えてみて欲しい ケイシー=マーティンにはカートを使う権利があると
考える人はどれくらい いるだろうか? あるいは 権利はないと考える方はどうだろう?
では 投票してみましょう 手をあげて
ケイシー=マーティンに賛成の人は?
では 彼に反対の人は?
結構 うまく意見が分かれた
ケイシー=マーティンがカートを 使用することを認めないという人で その理由を説明できる人はいるだろうか?
手をあげて マイクを渡しますから
どのような理由だろう?
(観客:不公平な優位性だからです) サンデル:カートに乗ることが 不公平な優位性であるということだね
カートの使用を認めない人の ほとんどは この不公平な優位性について
懸念しているのだと思う カートの使用が認められるべきだとする人の
意見はどうだろうか?
どのような反論があるだろう?
どうぞ 観客:カートはゴルフの一部ではありません
サンデル:名前は? (観客:チャーリーです) サンデル:チャーリーは 誰かから反論があるかもしれないので チャーリーにマイクを
では チャーリー なぜカートの使用を認めるべきなのだろうか?
チャーリー:カートはゴルフの一部ではないからです
サンデル:ホールからホールへと歩くことについては?
チャーリー:関係ないと思います ゴルフの一部ではありません
サンデル:コースを歩くのはゴルフの一部ではない?
チャーリー:一部ではないと思います
サンデル:よろしい チャーリー そのままで
チャーリーに反論は?
チャーリーに反論したい人は?
意見をどうぞ
観客:持久力もゴルフの非常に重要な一部だと思います ホールの間を歩くこともそうです
サンデル:全てのホールを歩くことが
ゴルフの一部だということだろうか? (観客:そうです) サンデル:名前は? (観客:ウォレンです) サンデル:ウォレンだね
チャーリー ウォレンの意見をどう思う?
チャーリー:意見は変わりません
サンデル:ウォレン、ゴルフはするかい?
ウォレン:いいえ
チャーリー:私はします (サンデル:だろうね) (拍手) ご存じのように 興味深いことだが
下級審での審理において 著名なゴルファーが 証言のために呼ばれた
コースを歩くことはゴルフの本質なのだろうか?
ジャック=ニコラウスやアーノルド=パーマーが呼ばれた
彼らは何を発言しただろうか?
その通り ウォレンと同意見だった
つまり コースを歩くことは 激しい運動である
疲労という要素もゴルフの重要な一部である
だから カートの使用は ゴルフを根本から変えてしまう という意見であったのだ
ここで ひとつ 興味深いことがある その前に 最高裁について話しておこう
最高裁は 判決を下した
どういった判決だったろうか?
ケイシー=マーティンに カートの使用を認めるべきだという判決だった
判決は7対2だった
興味深いことは 最高裁の判決も 我々がここで行った議論も ゴルフの本質的な要素とは 何であるかということに 基づいて この事案で何が正しいか 正義なのかを 議論したということだ
そして最高裁の判事は この問題に正面から取り組んだ
多数派の意見として スティーブンス判事は ゴルフの歴史について多くの書物にあたり ゴルフの本質的な要素とは 非常に小さいボールを ある位置から ホールまで 少ない打数で移動することであり 歩くことは本質ではなく 付随的要素でしかない と述べた
二人の反対があったが 一人はスカリア判事であった
彼はカートの使用を認めず 興味深い反論をしている
彼の意見が興味深いのは 多数派の意見の根本を成す アリストテレス的な前提を否定している点である
彼は言う ゴルフのようなスポーツの 本質的な要素を決定することはできない
彼の言葉を引用しよう
「何かが本質的であるとは 通常 それが何かの目的を達成するために 不可欠であるということである
しかし 気晴らしという以外の目的がない ということがスポーツの本質なのであり それこそが 生産的活動と スポーツを分けるものである 恣意的に決められている スポーツのルールのいずれが 本質的であると決めることはできない」
これがスカリア判事の 多数派の意見である アリストテレス的な前提への反論である
スカリア判事の意見には 疑問点が 二つある
これは本当のスポーツファンの発言ではない ということ
もしスポーツのルールが 恣意的に決められており 我々が賞賛するに値すると考える 美徳や卓越性といったものを 生じさせるために存在するのではない と考えるのであれば 試合の結果に興味を持つことはないだろう
また 別の観点からも この考えには疑念がある
表面上は カートの使用に関する議論は 公平さに関する議論のように見える 何が不公平な優位性であるのか
しかし公平さだけが問題なのであれば 簡単で明快な解決方法があるはずだ
それは何だろうか?(観客:みんながカートを使用する) 全てのプレイヤーにカートの使用を 認める
そうすれば 公平さに関する問題はなくなる
しかし 誰もがカートを使った場合 ケイシー=マーティンのみに許可した場合よりも おそらく さらに 受け入れ難い問題が 著名ゴルファーや PGAにのしかかることになる
なぜだろうか?
なぜなら カートの使用についての議論で 問題となっているのは ゴルフの本質についてだけではなく どのような運動能力が 賞賛され 評価されるに 値するのか という問題だ
要点をできるだけ 控え目に言っておこう ゴルファーは この競技の スポーツとしての地位を気にしている
走ったり 跳んだりはしないし ボールは静止している
もしゴルフが カートに乗っていてもできるスポーツだとしたら 他の真に優れたアスリートに対して 我々が示している賞賛や評価を 著名なゴルファーにも 示すことは 難しいのではないだろうか
ゴルフの場合も フルートの場合と同様 正義が何を求めているか という問題に答えることは 次のような問題を的確に捉えなければ 容易なことではないのである 「問題となっている 活動の本質は何か その活動における どういった性質や どういった卓越性が 名誉や評価を受けるに値するのか?」
最後の例題へ移ろう 現代の政治的議論において大きな問題となっている 同性婚について話そう 伝統的な結婚 つまり男性と女性による結婚のみを 政府は認めるべきだと考える人がいる その一方で 同性婚についても
認めるべきだと考える人もいる 最初の政策を選ぶ人は どれくらいいるだろうか? 伝統的な結婚のみを認めるべきだと考える人は?
では 二番目の政策 同性婚を認める立場の人は?
では こう表現してみよう 我々は 正義や道徳に対する どのような考え方を根拠に 結婚を議論しているのであろうか?
同性婚に反対する人は 結婚の目的について 基本的には 繁殖であると言う それこそが 結婚を素晴らしいもの
評価され 奨励されるものとしているのだ と 一方で同性婚を擁護する人は それを否定する 繁殖だけが結婚の目的ではない 生涯にわたる 相互の 愛情に溢れた献身はどうなるのだ?
それこそが 結婚というものではないのだろうか
つまり フルートでも ゴルフカートでも そして 同性婚のような 非常に難しい問題についても アリストテレスは指摘している
社会制度の目的や 活動のどのような性質が 賞賛と評価の対象となるのかについて 十分な議論がなされた後でなければ
正義についての議論を行うことはできない 個々のケースから離れて これらの問題が 米国において 政治的議論の内容を改善し 質を高めようとする上で どのように役立つか考えよう 世界でも同じことが言える
政治における道徳的な問題に あまり直接的に取り組むと それは不一致を作りだし 不寛容や抑圧を作り出す と考える傾向が 我々にはある
だから 日常生活に持ち込まれた 道徳や宗教的信念については 身をかわすか 無視しておく方が良いと考える
しかし私は これまでの議論によって その反対の結論が導き出せると考える より相互に尊敬しうる ようになるためには 人々が社会生活の中に 持ち込んだ道徳的信念に対して 正面から取り組むべきであり 人々に対して その深い道徳的信念を 政治とは関係ないとするよう 求めるべきではないと考える
私はこれこそが 民主的議論の技術を 復活させる方法であると考えるのです
ありがとうございました
(拍手) ありがとう
(拍手) ありがとう
(拍手) ありがとうございます
ありがとう ありがとう
クリス
クリス ありがとう
クリス=アンダーソン:フルートからゴルフ 同性婚の問題まで 見事に関連付けてくれましたね
あなたは公開教育のパイオニアですが
あの素晴らしいレクチャーシリーズを発端に
次にはどのような展望を抱かれていますか?
サンデル:やってみたいことがあります
公共の問題に関して学生たちが持ち 激しく対立する道徳的信条が 教室での私たちの 議論の対象となります
これを一般の生活全体にまで広げたいと思っています
つまり私の夢は オンラインで視聴可能となっている 私のレクチャーシリーズのように 公開のテレビシリーズを作成し 世界中の人に無料で公開することです 中国やインド アフリカなど世界中の 教育機関や大学と 提携することも視野に入れ 市民教育の 向上を図り 豪華版の民主的議論を 成立させたいと思います
クリス:つまり いずれは 生放送 リアルタイムで 中国やインドの人々に参加してもらって
このような議論や質疑を行いたいということでしょうか? サンデル:そうです ここでも ロングビーチで1,500人が参加できました ハーバードの教室では 約1,000人の学生が出席しています
非常に大きな道徳的信条に関する問題と 真剣に取り組み 考えたり 議論をしたり 文化的な差異を調査し テレビ中継を使って 北京やムンバイ ケンブリッジやマサチューセッツにいる 学生たちを結び 世界的な教室を作る
というのは 興味深いことではありませんか? それが私の夢なのです
(拍手) クリス:あなたの考えに 賛同される方が大勢いると思います
サンデル:ありがとう (サンデル:ありがとう) | We need to rediscover the lost art of democratic argument.
If you think about the arguments we have, most of the time it's shouting matches on cable television, ideological food fights on the floor of Congress.
I have a suggestion.
Look at all the arguments we have these days over health care, over bonuses and bailouts on Wall Street, over the gap between rich and poor, over affirmative action and same-sex marriage.
Lying just beneath the surface of those arguments, with passions raging on all sides, are big questions of moral philosophy, big questions of justice.
But we too rarely those big moral questions in our politics.
So what I would like to do today is have something of a discussion.
First, let me take a famous philosopher who wrote about those questions of justice and morality, give you a very short lecture on Aristotle of ancient Athens, Aristotle's theory of justice, and then have a discussion here to see whether Aristotle's ideas actually inform the way we think and argue about questions today.
So, are you ready for the lecture?
According to Aristotle, justice means giving people what they deserve.
That's it; that's the lecture.
Now, you may say, well, that's obvious enough.
The real questions begin when it comes to arguing about who deserves what and why.
Take the example of flutes.
Suppose we're distributing flutes.
Who should get the best ones?
Let's see what people -- What would you say?
Who should get the best flute?
You can just call it out.
Michael Sandel: At random. You would do it by lottery.
Or by the first person to rush into the hall to get them.
Who else?
MS: The best flute players. MS: The worst flute players.
How many say the best flute players?
Why?
Actually, that was Aristotle's answer too.
But here's a harder question.
Why do you think, those of you who voted this way, that the best flutes should go to the best flute players?
Peter: The greatest benefit to all.
MS: The greatest benefit to all.
if the best flutes should go to the best flute players.
That's Peter? MS: All right.
Well, it's a good reason.
We'll all be better off if good music is played rather than terrible music.
But Peter, Aristotle doesn't agree with you that that's the reason.
That's all right.
Aristotle had a different reason for saying the best flutes should go to the best flute players.
He said, that's what flutes are for -- to be played well.
just distribution of a thing, we have to reason about, and sometimes argue about, the purpose of the thing, or the social activity -- in this case, musical performance.
And the point, the essential nature, of musical performance is to produce excellent music.
that we'll all benefit.
But when we think about justice, Aristotle says, what we really need to think about is the essential nature of the activity in question and the qualities that are worth honoring and admiring and recognizing.
One of the reasons that the best flute players should get the best flutes is that musical performance is not only to make the rest of us happy, but to honor and recognize the excellence of the best musicians.
Now, flutes may seem ... the distribution of flutes may seem a trivial case.
Let's take a contemporary example of the dispute about justice.
It had to do with golf.
Casey Martin -- a few years ago, Casey Martin -- did any of you hear about him?
He was a very good golfer, but he had a disability.
He had a bad leg, a circulatory problem, for him to walk the course.
In fact, it carried risk of injury.
He asked the PGA, the Professional Golfers' Association, for permission to use a golf cart in the PGA tournaments.
Now that would give you an unfair advantage."
He sued, and his case went all the way to the Supreme Court, believe it or not, the case over the golf cart, because the law says that the disabled must be accommodated, provided the accommodation does not change the essential nature of the activity.
He says, "I'm a great golfer.
I want to compete.
to get from one hole to the next."
Suppose you were on the Supreme Court.
Suppose you were deciding the justice of this case.
How many here would say that Casey Martin does have a right to use a golf cart?
And how many say, no, he doesn't?
All right, let's take a poll, show of hands.
How many would rule in favor of Casey Martin?
And how many would not? How many would say he doesn't?
All right, we have a good division of opinion here.
grant Casey Martin the right to a golf cart, what would be your reason?
Raise your hand, and we'll try to get you a microphone.
What would be your reason?
MS: It would be an unfair advantage if he gets to ride in a golf cart.
I imagine most of you who would not give him the golf cart worry about an unfair advantage.
What about those of you who say he should be given a golf cart?
How would you answer the objection?
Yes, all right.
Audience: The cart's not part of the game.
MS: What's your name? MS: Charlie says -- We'll get Charlie a microphone in case someone wants to reply.
Tell us, Charlie, why would you say he should be able to use a golf cart?
Charlie: The cart's not part of the game.
MS: But what about walking from hole to hole?
Charlie: It doesn't matter; it's not part of the game.
MS: Walking the course is not part of the game of golf?
Charlie: Not in my book, it isn't.
MS: All right. Stay there, Charlie.
Who has an answer for Charlie?
All right, who has an answer for Charlie?
What would you say?
Audience: The endurance element is a very important part of the game, walking all those holes.
MS: Walking all those holes?
That's part of the game of golf? MS: What's your name? MS: Warren.
Charlie, what do you say to Warren?
Charley: I'll stick to my original thesis.
MS: Warren, are you a golfer?
Warren: I am not a golfer.
Charley: And I am. You know, it's interesting.
In the case, in the lower court, they brought in golfing greats to testify on this very issue.
Is walking the course essential to the game?
And they brought in Jack Nicklaus and Arnold Palmer.
And what do you suppose they all said?
Yes. They agreed with Warren.
They said, yes, walking the course is strenuous physical exercise.
The fatigue factor is an important part of golf.
And so it would change the fundamental nature of the game to give him the golf cart.
Now, notice, something interesting -- Well, I should tell you about the Supreme Court first.
The Supreme Court decided.
What do you suppose they said?
They said yes, that Casey Martin must be provided a golf cart.
Seven to two, they ruled.
What was interesting about their ruling and about the discussion we've just had is that the discussion about the right, the justice, of the matter depended on figuring out what is the essential nature of golf.
And the Supreme Court justices wrestled with that question.
And Justice Stevens, writing for the majority, said he had read all about the history of golf, and the essential point of the game is to get very small ball from one place into a hole in as few strokes as possible, and that walking was not essential, but incidental.
Now, there were two dissenters, one of whom was Justice Scalia.
He wouldn't have granted the cart, and he had a very interesting dissent.
It's interesting because he rejected the Aristotelian premise underlying the majority's opinion.
He said it's not possible to determine the essential nature of a game like golf.
Here's how he put it.
"To say that something is essential is ordinarily to say that it is necessary to the achievement of a certain object.
But since it is the very nature of a game to have no object except amusement, that is, what distinguishes games from productive activity, it is quite impossible to say that any of a game's arbitrary rules is essential."
So there you have Justice Scalia taking on the Aristotelian premise of the majority's opinion.
Justice Scalia's opinion is questionable for two reasons.
First, no real sports fan would talk that way.
If we had thought that the rules of the sports we care about are merely arbitrary, rather than designed to call forth the virtues and the excellences that we think are worthy of admiring, we wouldn't care about the outcome of the game.
It's also objectionable on a second ground.
On the face of it, it seemed to be -- this debate about the golf cart -- an argument about fairness, what's an unfair advantage.
But if fairness were the only thing at stake, there would have been an easy and obvious solution.
What would it be? Let everyone ride in a golf cart if they want to.
Then the fairness objection goes away.
But letting everyone ride in a cart would have been, I suspect, more anathema to the golfing greats and to the PGA, even than making an exception for Casey Martin.
Why?
Because what was at stake in the dispute over the golf cart was not only the essential nature of golf, but, relatedly, the question: What abilities are worthy of honor and recognition as athletic talents?
Let me put the point as delicately as possible: Golfers are a little sensitive about the athletic status of their game.
After all, there's no running or jumping, and the ball stands still.
So if golfing is the kind of game that can be played while riding around in a golf cart, it would be hard to confer on the golfing greats the status that we confer, the honor and recognition that goes to truly great athletes.
that with golf, as with flutes, it's hard to decide the question of what justice requires, without grappling with the question, "What is the essential nature of the activity in question, and what qualities, what excellences connected with that activity, are worthy of honor and recognition?"
Let's take a final example that's prominent in contemporary political debate: same-sex marriage. There are those who favor state recognition only of traditional marriage between one man and one woman, and there are those who favor state recognition of same-sex marriage.
How many here favor the first policy: the state should recognize traditional marriage only?
And how many favor the second, same-sex marriage?
Now, put it this way: What ways of thinking about justice and morality underlie the arguments we have over marriage?
The opponents of same-sex marriage say that the purpose of marriage, and that's what's worthy of honoring and recognizing and encouraging.
And the defenders of same-sex marriage say no, procreation is not the only purpose of marriage; what about a lifelong, mutual, loving commitment?
That's really what marriage is about.
So with flutes, with golf carts, and even with a fiercely contested question like same-sex marriage, Aristotle has a point.
without first arguing about the purpose of social institutions and about what qualities are worthy of honor and recognition.
So let's step back from these cases and see how they shed light on the way we might improve, elevate, the terms of political discourse in the United States, and for that matter, around the world.
There is a tendency to think that if we engage too directly with moral questions in politics, that's a recipe for disagreement, and for that matter, a recipe for intolerance and coercion.
So better to shy away from, the moral and the religious convictions that people bring to civic life.
It seems to me that our discussion reflects the opposite, that a better way to mutual respect is to engage directly with the moral convictions citizens bring to public life, rather than to require that people leave their deepest moral convictions outside politics before they enter.
That, it seems to me, is a way to begin to restore the art of democratic argument.
Thank you very much.
Thank you.
Thank you.
Thank you very much.
Thanks. Thank you.
Chris.
Thanks, Chris.
Chris Anderson: From flutes to golf courses to same-sex marriage -- that was a genius link.
Now look, you're a pioneer of open education.
Your lecture series was one of the first to do it big.
What's your vision for the next phase of this?
MS: Well, I think that it is possible.
In the classroom, we have arguments on some of the most fiercely held moral convictions that students have about big public questions.
And I think we can do that in public life more generally.
And so my real dream would be to take the public television series that we've created of the course -- it's available now, online, free for everyone anywhere in the world -- at universities in China, in India, in Africa, around the world, to try to promote civic education and also a richer kind of democratic debate.
CA: So you picture, at some point, live, in real time, but with people from China and India joining in?
MS: Right. We did a little bit of it here with 1,500 people in Long Beach, and we do it in a classroom at Harvard with about 1,000 students.
Wouldn't it be interesting to take this way of thinking and arguing, engaging seriously with big moral questions, exploring cultural differences and connect through a live video hookup, students in Beijing and Mumbai and in Cambridge, Massachusetts and create a global classroom.
That's what I would love to do.
CA: So, I would imagine that there are a lot of people who would love to join you in that endeavor.
Michael Sandel. Thank you so much. | {
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翌日は早朝からフレンセンにマンゴルトの調査を任せ、俺自身は王城で勤務だ。いつから学園に行ってないんだっけ。もう諦めて魔王が倒されてから復学するしかないだろうな。
それにしても今日はシュンツェルとノイラートとも話をすることになるはずだったんだが。
「ヴェルナー・ファン・ツェアフェルトです」
「ヴェルナー卿が参られました」
衛兵に到着を伝えると彼らが室内に声をかけて許可を受けてから扉を開く。手順は手順だがいつもの事ではある。
「王太子殿下、ヴェルナー・ファン・ツェアフェルト、参りました」
「ご苦労。楽にしてくれ」
ヒュベルトゥス王太子殿下のお呼び出しである。他の用件なんか後回しにするしかない。宮仕えの辛いところだ。
しかも室内には先客としてセイファート将爵までいらっしゃる。
「いえ、皆様の働きあってのことです」
実際一番面倒なことは将爵やエンゲルベルト伯爵がやってたわけだしな。肉体労働は偵察の
「将爵から聞いた。あの布陣計画は卿の発案だったそうだな。見事な献策だった」
「発案は確かにそうですが自分ではあれをこなす自信はありません」
謙遜でもなんでもなく事実だ。一〇〇〇〇人を超える兵士を指揮するとか無理。年齢的にもだし
中の人間
むしろ前世のあやふやな記憶から出た計画を実戦レベルに落とし込んだ王太子と幕僚団がすげぇと思う。
「卿は謙虚だな」
謙虚じゃないんだけどなと思いつつ苦笑いで済ませる。あまり否定し続けるのも相手の面子をつぶすことになるんでこの辺りは対応が難しい。
王太子殿下もそれ以上は突っ込んでこなかった。話が変わる。
「伯爵家から献上された武器は実によいな。皆驚いていた。あれが適正価格で購入できるのであればすぐにでも数を揃えたい」
「それはギルドの方にお願いいたしたく思います」
丸投げ。だが王太子はややこっちを探るような視線を向けてくる。
「よいのか? 伯爵家を通せば伯爵家にも利益があるだろう」
「あまりそのような利益は必要としていないと思いますので」
まず王都の将兵にきっちり高性能の装備を充実させてほしいというのが最優先だからな。間に貴族家が入って中抜きすればその分余計に予算がかかる。大体、難民対策とかで予算が出ているんだから他のところは絞りたいだろうし。
それに中抜きすれば確かに伯爵家にも利益は出る。だがそれはマゼルが魔王を斃すまでのいわばバブルだ。ゲームのエンディンググラフィックで外見が変わっていなかったことを考えると、長くてせいぜい二だろう。
短期的に儲かるだけでこの武器売買に注力するのは長期的には下策。それにここで伯爵家だけが儲けでもしたら今まで国に武器を卸していた商業ギルドや商隊を任せたビアステッド商会の印象が悪くなるしな。
長期的に考えれば餅は餅屋に任せた方がいいと思う。父の考えは解らんが。
「卿も気になっているだろうが、難民の方は一応落ち着いてはいる。水道橋の方の工事もまずまず順調だ。渇水期までには間に合うだろう」
「それは何よりです」
唐突に話が変わった。しかしひと月程度しか経ってないのに凄いな。魔術師隊もフル稼働したらしいが。流石王都の技術者団。
「しかし、別の問題もある。難民たちをどこで受け入れるのかという問題もだが」
「どうやって貴族領に移動させるのか、と言う問題も発生してきておってな」
ここで王太子に続いて将爵が口を開く。軍事部門の将爵がここにいるのはその移送計画の件もあったからか。
「将爵や卿が王都を離れている間に状況が変わったのだ。特に魔物の分布が変わってきている」
「各貴族家も難民を受け入れる金があれば自領の防備に回したい、と言いだす家も増えてきておるのじゃよ」
あー。まあわからなくもない。どうしたって不安定要素であることは確かだしな。何度でも確認するべきだが基本的に難民保護は予算が出ていくだけの存在でもある。少なくとも当面は。
「しかし、王都でずっと預かるわけにもいかないでしょう」
「現状では荷物でしかないな」
「戦時国債でも発行するしかないのかな」
「何かねそれは」
いかん、口に出てたらしい。将爵の疑問に思わず冷や汗をかいたが、別に悪意とか咎める意図はないようだ。本心から聞いたことない言葉に不思議そうな顔をしている、ように見える。
この一月ばかりの間に将爵が食えない人物だということはよく理解できたしな。聞いたことがあっても知らんふりをしてるのかもしれん。だがまあそれはそれとして。
「あー、えーとですね」
「別に怒りはしない、言ってみたまえ」
王太子殿下からも促されて逃げ道なくしました。とは言え徴税システムとか社会情勢とか基本の経済力とかが全然違うんだよな。そのまま導入できるはずもない。ついでに言うと債券とか有価証券なんて言葉も多分通じない。
ものすごく大雑把に説明するしかないか。
「簡単に言えば借金するようなものです。国が」
「国が借金?」
「借金と言うと言い方は悪いですが。金銭を出す側は借用書の金額分、国に金銭を預け、それに即した利子だけを定期的に受け取る。数年ぐらい後に元本の返済を受けるというやり方です」
ざっくりとした説明......って言うか前世の国債だって詳細に説明できるほど俺は詳しくない。むしろ第二次ポエニ戦争当時のローマが発行した戦時国債の方がよほど記憶にある。
だが逆に言えばハンニバルとやりあってた紀元前のローマに同じようなものがあったんだから、似たようなシステムは導入できるんじゃないかと思わなくもない。
とにかく大雑把ではあるが国債の基本部分を説明した。殿下と将爵が軽く唸る。
「突拍子もないが斬新でもあるな。それとも逆か?」
「......逆の方が正しいかもしれません」
皮肉ではない。この世界ではたぶん斬新すぎて突拍子もないという方が正しいだろう。将爵が口をはさむ。
「しかし原資が保証されておらぬと信用もされぬであろう」
「そうですね。なので発行時には返済の裏付けになる税も合わせて創設する必要もあるでしょう」
ついでに言うとちゃんと満期が来たら返さないといけない。一度でも伸ばすと信用問題になる。所詮と言うかここは中世に近い社会だ。権力を振りかざして棒引きすることは可能だが、それをやってしまえば二度と信用されなくなるだろう。そうなれば今度は民衆からの不信はそのまま統治上の問題になる。
......本当にそうか? この世界は前世とは違う。なにせどこからともなく
危険生物
が湧いて出てくる世界だ。極論を言えば「魔物からは守ってやるから権力者の存在を認めろ」と主張することで悪政がそのまままかり通ることもあり得る。魔物が中世風の政治体制を支えているという見方すらできるのか。
妙に引っかかった。そういえば前魔王の頃に古代王国が滅びた事になっているが、古代王国は滅んでも人類が滅亡したわけじゃない。なんで人類滅亡と言う結果になっていないんだ? ゲーム世界だから設定だけとか
考え込みそうになったが目の前にいるのは王太子殿下と将爵と言う目上も目上の存在だ。無理やり意識を引き戻す。ちょうど将爵が口を開いた。
「民から批判は出そうだの」
「あ、ええ。購入できる対象を限定せず、税金分も後で返ってくると信じさせる必要はあります。ただ、魔王に負ければ何も残りません」
国滅びて山河あり。負ければ死ぬのは確かだしと内心思った俺が最後に言った言葉はかなり露骨だったかもしれないが、将爵と殿下の顔は驚くほど引き締まった。
「なるほど。確かに卿の言う通りじゃ。あのトライオット難民の姿を見たものは国が新しい税を創設することも不満であっても納得するであろうな」
あれ?
「国債とやらは突拍子もないが、何もしなければ我が国の民もああなる、という言い方には確かに説得力がある。どのみち魔軍との戦いには資金が必要なのは事実だ。難民の印象が強い今が良い機会なのかもしれん」
いや、そういう意味ではなかったんですが。なんかとんでもない方向に誤解されたっぽい。 | I told Frenssen to investigate Mangold this morning, while I went to the palace. How long have I been absent from the academy? I guess I have to accept the fact that I’m going to return to the academy after the Demon King is defeated.
If not because of the sudden summon from the palace, I should’ve been in a meeting with Neurath and Schunzel.
“I am Welner von Zeavert.”
“Sir Welner has arrived.”
After I informed the guards of my arrival, they announced it to the room. After that, I was given permission to enter and the guard opened the door.
“Your Highness, I, Welner von Zeavert, have arrived.”
“Thank you. Please be at ease.”
His Highness the Crown Prince Hubertus has summoned me so I have to postpone all of my plans for today. This is the harsh part of working for the court.
Duke Seyfart is also present in the room.
“No, it is all thanks to everyone’s hard work.”
It’s true. The difficult jobs were being taken care of by Duke Seyfart and Count Engelbert, while the physically demanding jobs like scouting and fighting with the demons were being taken care of by the scouts and the adventurers. In that sense, it was all thanks to everyone’s efforts.
“The duke had told me that the battle plan was your idea. It was a brilliant plan.”
“The idea might be brilliant, but I do not think I can execute the plan by myself.”
I’m not trying to be humble. For me to command more than , soldiers is out of the question. I never even commanded tens of people in my past life, let alone 0,000. I did command some people in the Stampede but that was because I was desperate.
If anything, I was amazed that the Crown Prince and the military officers were able to implement the plan that was based on my vague memory on an actual battlefield.
“Sir is quite humble.”
I said to myself with a wry smile. It would be rude if I kept denying His Highness’ words. Really, dealing with this kind of situation is tiring.
Thankfully, His Highness didn’t press the issue any further. He shifted the subject of our conversation.
“The weapons presented by the Zeavert’s house are excellent. Everyone was astonished. If those can be purchased at a moderate price, I would like to acquire a number of them right away.”
“That is something you ought to talk with the guild, Your Highness”
Yup. I decided to shift the responsibility to the guild, but the Crown Prince threw me a probing gaze.
“Are you fine with that? The Zeavert house will profit if I buy the equipment via them.”
“I doubt my house would need such a profit.”
My priority is to ensure that all military personnels in the capital are equipped with high quality equipment. My house will need to arrange more funds if the kingdom decides to buy the equipment via us. However, we have already spent a lot of money for the refugee escort mission, so we need to properly manage our liquid funds.
It’s true that my house will gain profit if the kingdom decided to buy equipment via us, but that’s an economic bubble. We will be able to gain profit only until Mazell defeats the demon king, about 2-3 years according to the game. After that, the bubble will burst.
In short, it’s bad for our economy in the long run. Moreover, doing this will sour my house’s relationship with the Commerce Guild and the Bierstedt Company.
For the long term, I believe leaving this to the specialists will be better. I don’t know about Father’s opinion though.
“Ah, and about the refugees, things have settled down for now. The construction of the aqueduct is also progressing satisfactorily. The aqueduct should be able to operate before the dry season comes.”
“That is fortunate for us.”
The topic changed suddenly. The fact that the royal family did this much in just a month is really impressive. Apparently, this is the result of the kingdom using the royal mages to their limit. As expected, the engineers in the capital are quite capable.
“But we have another issue. We don’t know where we should move the refugees.”
“And we also don’t know how to transport them.”
Said the Crown Prince, followed by the Duke. I think this transportation problem must be the reason why a military man like the Duke is here.
“While the Duke and you were away from the capital, the circumstances around the kingdom changed. The most prevalent change is the fact that the appearance rate of the demons has increased.”
“An increasing number of the nobility are saying that if they have enough money to take care of the refugees, they would rather spend it on defence of their own territories.”
Ah. Well, that’s understandable. After all, accepting refugees into your own territory is risky. You need to keep spending money to take care of the refugees until they are able to take care of themselves.
“Nevertheless, We can’t simply shelter them in the capital forever.”
“That is right since for now, the refugees are just baggages”
“We might need to issue a loan for a war fund.”
“What do you mean?”
Crap, I said that out loud. The Duke’s question made me break out in cold sweats. But it seems like the duke has no intention to blame me or anything, he is genuinely curious.
Over the past month I’ve come to know him, I understand that the Duke is a sly person. Maybe he knew the meaning of my words, but feigned ignorance. But well, so be it.
“Ah, about that...”
“I am not angry, just say it.”
The Crown Prince’s urge eliminates my possible escape route. Even if I want to explain it, The tax collection system, social circumstances, and basic economic power of this world is completely different from my previous world. I don’t think words like
securities
even existed in this world.
My only choice is to use a really simple term to explain it.
“To put it simply, the country will be going into a debt.”
“The country will take debt?”
“The word debt might be a little off putting, but it simply means that the country will issue a loan agreement to individuals or groups. For the first few years, the country only needs to pay the interest.”
I explain it in a simple way but to tell you the truth, I also don’t really know the details on how government bonds work. I can remember more about wartime bonds issued by Rome in the Punic War compared to the government bonds.
Now that I think about it, even in the BCE, Rome had a similar system of bonds so I guess introducing this system to this medieval world is fine.
At any rate, I have introduced a really basic system of governmental bonds here. His Highness and the Duke let out a light sigh.
“Your idea is crazy but it’s quite novel. No, maybe it’s better to say that your idea is novel but quite crazy?”
“... I think the latter is more correct.”
I don’t think they are being cynical. The notion of bonds in this world is probably too novel to the point it can be called crazy.
“However, if we can’t secure the source of funds to repay the debt, no one will lend us any money.”
“That is right. That is when the country issued this loan agreement, the country will need to increase taxes so it can pay the interest.”
To top it all off, the loan must be returned when the expiration date hits. Extending it even once would lead to a credibility dispute. This is after all a society that is akin to the Middle Ages. It is feasible to throw one’s weight around, but once that is done, credibility will never be gained again. When that turns out to be the reality, the distrust from the people will straight away develop into a ruling concern.
Really? Will that happen? This world has demons so it’s possible for a country to say
Does that mean it’s possible for a country’s existence to be sustained by demons?
Come to think about it, the ancient kingdom was destroyed by the demon king in the past yet the entire humanity wasn’t exterminated, but why? Maybe because this world was a game so the game developer didn’t really think that through? Or is there another important reason?
I almost became lost in my thoughts again but since I was in front of the Crown Prince and the Duke I forcibly pulled my focus back. Then, the Duke started to speak.
“The public will criticize us, right?”
“Ah yes. It’s necessary for us to convince the people that we will be able to return the tax to its original amount, without limiting what the citizens can buy. However, if we lose to the Demon King, we will have nothing left.”
Humans cannot beat natural disasters. The last words I said might be too brazen but that’s my real thought. For some reason, The Crown Prince and the Duke tensed with surprise when they heard my words.
“I see. Indeed, you are right. The sight of those Triot refugees will convince anyone that we need to raise the taxes.”
Huh?
“The idea to put the country into a debt is crazy but the fact that if we do nothing our country might end up like Triot is a convincing reason to implement your crazy idea. It’s also true that we need more money to fight with the demon army. The sight of Triot’s refugees still remains vivid in people’s minds, so this is the best time to implement your idea.”
No, that’s not my meaning. It seems like I just created a huge misunderstanding. | {
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確かに、これまで多くのラテンアメリカの指導者達がチャベスをなだめ、コントロールしようと試み、一様に失敗してきた。しかし、もし再び挑戦しないのならば、その代償は極めて高くつくだろう。前回、革命の指導者達が1980年代の中央アメリカで合衆国と正面からぶつかった時には、全員が敗れた。いま、石油マネーに首まで浸かった指導者によって仕組まれた南半球の分裂・混乱は、いかに大きな損害を招くかを証明するだろう。 | The last time revolutionary leaders confronted the US head-on, in Central America during the 1980’s, everyone lost. A new split up and down the hemisphere, engineered by a leader awash in oil money, would prove far more disastrous. | {
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「おおっ、こりゃあ凄いな......」
「領主様のお屋敷があるぐらいですからねーこれでももう夕方なので多少少ないぐらいですよ」
クヌキハッピィの中に入った俺はまず最初に大通りにひしめく大量の人間とその人間たちが出す様々な音を感じて圧倒された。
しかもリオの言い方から察するに朝や昼ごろならばもっと人が多いようなので森と街の差はやはりでかいのだなぁ......と、思う。
「どうしました?」
俺は大量の人間を見て気づいたことがある。
どうやらこの世界には前世で俺が認識していた人間以外にも人間として扱われる種族が他にも居るようだ。
と言うのも先程から俺が認識する所の人間に加えて時折だが妙に耳が長くて色白な人間、少し背が低くて色黒な人間、体の所々に鱗の様な物が見て取れる上に尻尾が生えている人間、背中から小さいが翼を生やした人間が居るからだ。
アレだな。流石は異世界だ。とりあえず普通の人間をヒューマン、耳長をエルフ、色黒をドワーフ、鱗をリザードマン、翼をバードマンと呼んでおこう。たぶん、大きくは間違ってない。
ちなみに俺の目には外見的な特徴を抜きにしてもはっきりとそれぞれの種族が見て取れている。
と言うのもヒューマンは別の色が僅かに混じってはいるが基本的には無色透明な魔力であるのに対してエルフは緑、ドワーフは赤、リザードマンは青、バードマンは黄色の魔力をはっきりと分かるレベルで纏っているからだ。
ついでに言うとヒューマン以外の種族の方が基本的に纏っている魔力の量が多い気もするな。
は個の力が劣る分集団の力で勝るって言う奴だろう。多分だけど。
「パンプキンさん?」
「ん?ああすまない。久しぶりにこれだけの人間を見たんでついな」
「本当に大変だったんですねぇ......」
いかんいかん。つい考察に耽っていたらリオに心配されてしまった。
それにしてもものファンタジーの定番、異種族嫌いってのはこの街の様子を見る限りでは縁遠いみたいだな。
まあ、もしかしたら目に見えない所で色々ある可能性はあるが、その辺については追々調べればいいか。
「リオ。とりあえず毛皮とか換金できる場所はあるか?あるならまずはそこに案内してもらいたいんだが」
「分かりました。そう言う事なら協会に案内しますね。こっちです」
と言うわけでとりあえずリオにお金を返したり各種物資の購入費を捻出する為に換金場所へと案内してもらう。
道を歩いていたら時折何だあれ?と言った感じの視線をぶつけられたりもしたがそれはスルーしておく。
どうせこの頭が目立つだけだろ!
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「ここが協会です」
「へー」
俺たちは弓と剣を組み合わせた看板が掛けられている一軒の大きな建物の前に来ていた。
建物には如何にも冒険者ですと言った風体の人間から、見るからに戦う力など無さそうな子供や老人、女性まで様々な人間が出入りを繰り返している。空気としては全体的に落ち着きつつも慌ただしい、されど物騒ではないと言った感じか。
ふうむ。てっきり荒くれ共の集う場と言ったイメージを持っていたが、考えてみれば一般人からの依頼とかも受けるのにそんな雰囲気じゃ商売あがったりだもんな。なら、こういう雰囲気にもなるか。
「協会なら依頼と言う形で大抵の物は買い取ってもらえますから、ここならきっと大丈夫です」
「買取には登録とか必要になるんじゃないのか?」
「確かに登録の必要はありますけど登録だけなら無料です。それに協会の登録書って簡単に言っちゃえば身分証明書の様な物でしかありませんので、犯罪歴とか何度も依頼をすっぽかすような真似をしなければ誰でも登録できますし」
つまり俺がイメージしているようなギルドとかそう言った物と言うよりは凄く温い基準さえ満たせば誰でも利用できる相互互助組合ってところなのか、この協会って言うのは。
なるほど確かにここなら南瓜の俺でも問題なさそうだ。
「それじゃあ入りましょうか」
「お......むん!」
そして俺とリオは協会の中に入って行き、そして入った瞬間に何処からか殺気の様な物をぶつけられたのでとりあえずリオが気絶しない程度に魔力で周囲を威圧してやる。
「パ、パンプキンさん!?」
「心配すんな。出力は抑えてるし、方向も絞ってる」
「そ、そう言う問題じゃありませんって!?ほら職員の皆さんが怯えてるじゃないですか!!?」
「ふっふっふ。文句なら俺に殺気を向けている奴に言うがいい」
そう言いながら俺は殺気の出元であろう複数の人間に目線を向ける。
言っておくが先に殺気をぶつけてきたのは向こうだからな。ここで退く気は無いぞ。
で、しばらくそうやっていたら殆どの殺気は俺の魔力に呑まれる形で収まっていき、呑まれた奴は微妙に腰砕けになる。
ふん。だらしない。
そして残ったのは......
「ふむ。ゴヘイから南瓜頭の人間(?)がこちらに来ると聞いていたのだが予想以上の化け物の様じゃな」
お偉いさんっぽい爺さんと、何人かの周囲よりも明らかに大量の魔力を保有している人間だった。
魔力の総量は......表面を見た限りでは俺よりは少ない感じか。
まあ、表面上の魔力量なんていくらでも誤魔化せるから当てにはならんけど。
「お前さん用件は?」
爺さんが殺気を抑えながらこっちに近づいてきたので、俺も魔力の放出を止めてから背中の荷物を出す。
と言うか爺さん殺気を抑えたら途端にすげえ落ち着く感じの魔力を出し始めたな。いや、魔力じゃなくて空気と言うべきか。
「素材の買い取りだな。後は協会への登録とかも出来れば頼みたい」
「ふむ。そう言う事なら奥で話をしようかの」
「了解した」
爺さんが協会の奥の方を指差しながらそんな事を言ったため、俺は頷く事で了承の意を返す。
「あっ、はい。私も......」
「リオ。お主は依頼を済ませて早くおっかさんの所に行ってやれ」
「え?でも......」
「心配しなくてもこの爺さんなら信用できるから安心しろ。後、金は後で返す」
「そ、それじゃあ失礼します」
リオが何人もの人間が並んでいるカウンターの方に走っていく。
「さて、それじゃあじっくり語り合うとするかの」
そして俺は周囲の視線を一身に集めつつ爺さんに促されるがままに奥の部屋へと向かった。 | “Whoa, this is impressive...”
“It’s the mansion of the territory lord and it’s already evening, so there are only a couple of people here.”
After entering Kunukihappy, Pumpkin was first overwhelmed by the abundance of humans on the main street and the various sounds they produced.
Furthermore, from what Rio mentioned, it seemed that there were more people in the morning or around noon, so the difference between the forest and the town was significant after all.
“What’s wrong?”
Pumpkin noticed something when he watched the mass of human beings.
There were apparently other races of humans in this world besides the ones he had recognized in his past life.
In addition to the humans that he has recognized from before, there may occasionally be a human with strangely long ears and pale skin, a slightly shorter and darker human, a human with scales on some parts of their body and a tail, as well as a human with small wings sprouting from their back.
This is another world, after all. At any rate, I’ll call the ordinary humans “humans,” the long-eared “elves,” the dark-skinned “dwarves,” the scaled “lizardmen,” and the winged “birdmen.” I am probably not far in the wrong.
Incidentally, even without external characteristics, Pumpkin’s eyes can distinguish each race distinctly.
Although there was a subtle mixture of other colors in the human’s magic, it was basically colorless and transparent, whereas the elves were clad in green, dwarves in red, lizardmen in blue, and birdmen in yellow at a clearly discernible level.
To add to that, he felt that races other than humans were basically imbued with a greater amount of magic power.
Well, it is a standard feature of fantasy in a sense. The human race is superior in collective power because of their inferior individual power probably.
“Pumpkin-san?”
“Hmm? Oh, excuse me. I haven’t seen this many humans in a while.”
“It must have been a real struggle for you...”
Oh, no. I was so lost in thought that Rio was getting worried about me.
However, the other common trait of fantasy, namely xenophobia, seemed to be absent from this town.
There may be a lot of things at work in the shadows, but that can be investigated in due course.
“Rio. Is there a place where I can exchange furs for cash? If so, I’d like you to take me there first.”
“I understand. In that case, I’ll take you to the Association. It is over here.”
So, for the time being, Pumpkin asked Rio for guidance to the money exchange place for the purpose of repaying Rio’s money and raising money for purchasing various supplies.
While walking along the road, Pumpkin occasionally received glances from the other side of the road, as if to say, “What the hell is that?” but he brushed it off.
This head of mine is simply too conspicuous anyway!
“Here’s the Association.”
“Heh.”
After several minutes of walking with Rio leading the way, they arrived in front of a large building with a signboard that featured a combination of a bow and a sword.
In the building, a wide range of people was coming and going, ranging from those who had the appearance of adventurers to those who looked like they lacked fighting abilities, such as children, old men, and women. Overall, the atmosphere was calm but not too hectic, yet not too dangerous.
Although Pumpkin had an impression that it was a gathering place for rowdy people, on second thought, it would be poor for business if it had such an atmosphere when receiving requests from the general public. So, he supposed this was the kind of atmosphere to be expected.
“Since the Association can buy most things in the form of a request, you should be in good hands here.”
“Don’t they require registration to buy things?”
“It is true that registration is required, but it is free of charge. Besides, the Association’s registration form is just like an identification document, so anyone without a criminal record or a history of repeatedly neglecting requests may register.”
That would mean that rather than a guild or a similar thing as Pumpkin imagined it to be, this Association would be a mutual aid organization available to anyone who met very lenient criteria.
I see. Indeed, it seems that even I, a pumpkin, would pose no problem here.
“Shall we go in then?”
“Oh... mun!”
The moment they entered, Pumpkin was struck by something like a bloodlust from somewhere, so for the time being, he used his magic power to intimidate the people around him to the extent that they did not pass out.
“P-Pumpkin-san!?”
“Don’t worry. I’ve got the output of my magic power under control, and I’ve focused it in the right direction.”
“T-That’s not what I’m talking about! See how frightened the staff are!!?”
“Fufufu. If anyone has a complaint, tell it to the person who’s aiming the bloodlust at me.”
While saying that, he turned his attention to several people who might have been the source of the bloodlust.
For your information, it was they who first attacked me with bloodlust. I have no intention of retreating from here.
After doing so for a while, most of the bloodlust was subsided by Pumpkin’s magic power, and those who were engulfed were slightly collapsing.
Hmm. How sloppy.
And all that remained was...
“Hmm. Gohei told me that a pumpkin-headed human (?) was coming this way but you seem to be a monster beyond my expectations.”
It was an old man who looked to be a high-ranking figure and a human who apparently possessed a greater amount of magic power than some of the people around him.
His total amount of magic power is... less than mine as far as I can tell from the surface.
Well, the amount of magic on the surface can be deceiving, so I wouldn’t trust it.
“What business do you seek?”
As the old man approached Pumpkin, suppressing his bloodlust, Pumpkin stopped releasing his magic power and took out the luggage on his back.
Once the old man restrained his bloodlust, he immediately began to emit magic power that made people feel extremely at ease. No, maybe it should be called “atmosphere” instead of magic power.
“I am here to sell some materials. After that, I’d like to ask for registration with the Association, if possible.”
“Hmm. If that’s the case, let’s discuss it in the back.”
“I understand.”
When the old man spoke this to him, pointing towards the back of the Association, Pumpkin nodded his head to indicate his approval.
“Oh, yes. Me too...”
“Rio. You should finish your request and go to your mother’s quickly.”
“What? But...”
“Don’t worry, you can trust this old man. I’ll pay your money back later.”
“T-Then, let me be excused.”
Rio ran to the counter where several people were lined up.
“Now then, let’s have a long talk.”
With all eyes on him, Pumpkin made his way to the back of the room.
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考えてみればおかしな話だった。
『畏れの洞窟』からたしかに感じられた濃密な魔力。あれは間違いなく『
そして程なくして空から急降下してきた『炎翼狼』。よく考えてみれば、あの場所からはるか上空へと移動したにしては気配がなさ過ぎである。
なんせただ落下するのとは違い、上空へと上がるためには翼を動かさなければならない。それも『炎翼狼』の翼は魔力でできた炎。羽ばたくごとに、魔力を消費するはずなのだ。魔法使いであるルカや魔力の気配に敏感なメルクが気付かないはずがない。
つまり、『炎翼狼』は最初かいたのだ。
そして失敗に終わったとしても、一体を倒して緊張感が解けたところで、洞窟に残っていたもう一体が隙を突く。
魔物が考えるにしては巧妙な戦術だが、『炎翼狼』は知を用いて群れを統率するとして有名だ。彼らにとってはこの作戦が当然の帰結だったのかもしれない。
問題なのは、冒険者パーティーやメルクが、『炎翼狼』に対しての認識があるいは警戒が足りていなかったことだろう。
である可能性を考慮していなかったのだ。
「ヨナヒムっ!」
斜面を駆け下りる『炎翼狼』が真っ先に目指すのは、地面に座り込んだままのヨナヒムだ。いくら勇者の弟子でありたしかな剣技を持っている彼とは言え、この状態で襲われてはひとたまりもないだろう。
距離が離れ、どうすることもできないエレアが顔を覆って悲鳴を上げる。
そして一瞬で『炎翼狼』はヨナヒムに迫り――。
「――っ! 重いなっ!」
鋭い牙を剥きだしにして振るわれた右前足は、だがメルクの木の棒によって防がれていた。
「メルクさんっ?」
救われた形となったヨナヒムが、信じられないと言った顔で素っ頓狂な声を出す。その声に思わず力が抜けかけるが、メルクは魔力で強化した身体で必死に『炎翼狼』を押し返す。
『ガウゥっ!』
右前足を木の棒で抑えつけられていた『炎翼狼』は、首を伸ばして鋭い牙をメルクの首元に突き立てた。
「メルクっ!」
無理やり後退させられた『炎翼狼』は、驚いたように大口を開ける。そして
『炎翼狼』の犬歯が、ものの見事に砕けていた。
「め、メルクさん、大丈夫か?」
『炎翼狼』どころではなかったのか、ヨナヒムがひどく心配した表情でメルクの方へと近寄ってきて首元を覗き込んでくる。
そして傷一つない柔肌を見て驚愕した顔となった。
「これは......」
えるな、問題ない」
少々痛む肩の辺りを擦りながら、メルクはできるだけそれを表情に出さないように言い切った。
ここでもし、ルカのような魔法使いがメルクの魔力を調べていたら、彼女の全身を覆う硬化された魔力に気付いたかもしれない。
そして彼女が持つ木の棒にも、同様な魔力が施されている事に気付いたかもしれない。
今のメルクは身体中と木の棒を硬化した魔力で包み、まるで丈夫な鎧を纏っているかのように保護しているのだ。
少なくとも、『炎翼狼』の牙から身を守り、なおかつ相手の牙を折るぐらいには頑丈な防御だった。
だが、ルカもエレアも位置的にメルクが噛まれたことには気づいていないようだ。離れていた場所から急いで駆け付けてきて、襲われかけたヨナヒムの無事を確かめている。
「よ、ヨナヒム。大丈夫?」
「無事か、金づ......ヨナヒム」
「お、俺は大丈夫だが......」
声を掛けられたヨナヒムは、二人を見ることもなく『炎翼狼』に向かって歩き出したメルクに釘付けになっていた。
「メルクっ! 何をやってるんだっ! 俺たちが相手をするから、今すぐ下がるんだっ!」
「あ、馬鹿っ! さっきはまぐれで防いだみたいだけど、次は死ぬわよ? 下がりなさい」
ヨナヒムの声に気付いたエレアも怒鳴り声で命令してくる。しかし、メルクは引く気はなかった。
なんせ、これはチャンスなのだから。
見れば、ヨナヒムはもう限界だ。
立っているのがやっとの有様で、メルクの身を案じている今だって足がガクガクと震えている。歩くことはできても走ることすらできないだろう。
エレアとて、一人で『炎翼狼』を相手取るのは難しいはずだ。先ほど倒せたのは、あくまでもヨナヒムとエレア、二人で力を合わせて戦ったからに過ぎない。『
おそらく、こちらを無言で見つめているルカには分かっているはずだ。
少なくとも、現れたもう一体の『炎翼狼』を倒すのは、『暴火の一撃』だけでは不可能であることに。
彼女の魔力とて、山に入る前と比べれの一を下回っている。エレアと共闘したところで、火属性が得意なルカでは火属性耐性のある『炎翼狼』の相手は厳しいだろう。
(そこで、満を持しての俺の出番だな)
冒険者パーティーが勝てない状況で勝ってこそ、里長たちに認められると言うもの。幸い、ヨナヒムは相手の手柄を横取りするような性格には見えない。メルクが倒しても素直にそれを認め、里の者たちに
「こい、犬っころ。お前がくたばるまで遊んでやる」
メルクは威勢のいいことを言って、自分自身に気合を入れた。
この戦いで、メルクの今後が決まろうとしていた。 | When one thought about it, it really was strange.
The Cave of Horror had emitted an unmistakably dense layer of Mana. And the owner of that Mana had certainly been a Ghezo Velche.
The Ghezo Velche, however, had dropped from the skies on the group not long after they had arrived at the cave’s area. When one considered it, it had left far too few indications as it moved from the cave to the sky.
After all, unlike when descending a slope, the Ghezo Velche would have to fly using its wings. The Ghezo Velche’s wings, on the other hand, were formed of Mana. They would undoubtedly consume Mana with each flap. This would indicate that the magician Luka, as well as Merc, who was sensitive to the presence of Mana, would be unable to miss it.
As a result, the group determined that there were two Ghezo Velche to begin with.
While the first attracted Jonahim and the other’s attention to the Cave of Horror, the other attacked them. Even if the second Ghezo Velche’s attack failed, the first Ghezo Velche would seize the opportunity to attack the group while their guards were down.
It was difficult to think that Magic Beasts could devise such a plan, but the Magic Beasts in question were none other than the Ghezo Velche, which were renowned for their ability to command a group. This was perhaps the most logical strategy for the Ghezo Velche.
The true issue arose from the adventurers’ party and Merc’s lack of caution when dealing with the Ghezo Velche.
After all, neither of them had considered the notion that they would be a pair of Ghezo Velche.
“Jonahim!”
The Ghezo Velche hurtling down the slope was aiming directly for Jonahim, who was seated. Even Jonahim, the Hero’s disciple and a superb swordsman, would be helpless in this situation.
Elea, who was far away, could only scream and cover her face.
And then just as the Ghezo Velche was about to reach Jonahim...
“...! So heavy!”
Merc’s wooden stick blocked the Ghezo Velche’s right front foot, which had its claws bared.
“Miss Merc?”
Jonahim just stood there staring at her, speechless. Merc calmed for a brief moment after hearing that Jonahim was safe, but she quickly pushed the Ghezo Velche away with her body, which had been covered by a layer of hardened Mana.
The Ghezo Velche stretched out its neck and bit Merc’s neck as its right front leg was forced back by the wooden stick.
“Urgh!”
“Merc!”
The shocked Ghezo Velche opened its massive mouth in disbelief. As it did so, it displayed its sword-like canines, which had now been miserably crushed.
They had truly been brilliantly shattered.
“M-Miss Merc... Are you okay?”
Jonahim didn’t seem to notice the Ghezo Velche as he approached Merc and attempted to examine her neck.
He was surprised, though, when he couldn’t find a scratch on her smooth, light skin.
“This is...”
“Don’t let your guard down! This is nothing.”
Merc said, caressing her slightly sore shoulder and attempting to hide her discomfort.
If Luka checked Merc right now, she’d discover that Merc had wrapped her entire body with hardened Mana.
She’d also realize she’d done the same thing with her wooden stick.
The Mana that encased Merc’s entire body and weapon served as a form of protective armor.
It was sturdy enough to defend Merc from the Ghezo Velche’s claws and teeth while also shattering them.
Luka and Elea both ran to Jonahim’s aid, trying to see if he was okay. They hadn’t noticed Merc being bitten until now, most likely due to their restricted perspective.
“J-Jonahim! Are you alright?”
“Are you alright, my mone... Jonahim?”
“I’m fine but...”
Jonahim said, indifferent to both of them and instead focusing on Merc, who had begun heading towards the Ghezo Velche.
“Merc! What do you think you’re doing?! We’ll take it down so come back here!”
“He’s right, you idiot! You appear to have blocked its first attack by chance, but if you go now, you will die! Come back!”
Jonahim and Elea both yelled angrily at Merc. Merc, on the other hand, had no intention of returning.
After all, this was her chance.
Jonahim had already reached his limit.
Despite his concern for Merc, he was barely standing and his legs were wobbling. He could barely walk, let alone run.
Elea was no exception. She couldn’t possibly take on the Ghezo Velche by herself. Only because she and Jonahim collaborated had they been able to take down the first one. In addition, she was unable to demonstrate the Liquid-Ignition Spear’s full potential.
Most likely, only Luka, who was silently watching, was aware of all of this.
She was aware they wouldn’t be able to defeat the recently arrived Ghezo Velche with just Blazing Impact’s strength.
Luka’s Mana was also a third of what it had been when she initially arrived at the mountain. Luka specialized in fire magic, thus even if she paired up with Elea, the Ghezo Velche’s Fire Resistance would make it difficult for her to accomplish much.
And this is where I come in!
Merc believed that if she could triumph in a circumstance where even the adventurer’s party had failed, the chief would be impressed with her. Fortunately for her, Jonahim didn’t look to be the type of person who would take credit for someone else’s accomplishments. Jonahim would likely admit Merc’s victory over the Ghezo Velche and even spread the news to the rest of the village.
“Come, pup. I’ll play with you!”
After pumping herself up, Merc took on her stance.
This fight would most likely determine her fate. | {
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とても緊張していました 私が初めて投票した、あのアル・ゴアと同じステージに立って
それから -- そして私は緊張していました それに クリスがステージの脇で座っていたのも知りませんでしたし 別の緊張の種です
しかし私はそこで自分の家族のことを
私の父や祖父のことを、曾祖父のことを 考え始めました そして 私の血に流れる Ted の存在に気がつきました -- それが私 -- それが私の成分だと思って下さい
それで私は誰なのでしょうか?
クリスが既に言った様に、私は夫と会社を始めました
今では全世界で125人になりました
本を開いてみれば 私がショックを受けた
これを目にするでしょう
過去のグラフなどを使った素晴らしいプレゼンテーションを見て 私も好印象を与える為に 私も動くグラフを作ってみました そして私のメイクアップについて話す事にしました
この奇妙なことに加えて これが私のサイエンススライドです 数学
そしてこれは科学 遺伝についてです
こちらは私の祖母で、ここから私の口が生まれました
それで 私はブロガーで、それはここにいる殆どの人達にとって
様々な意味を持っているはずです クリプトナイトの鍵について聞いた事もあるかと思います ブロガーがボールペンを使ってクリプトナイト社の鍵を 壊せると言って大騒ぎになりました
その話は広がり、クリプトナイト社は鍵を調整する必要に迫られました そして消費者を安心させる為に その事を広報しなければなりませんでした
ラザーゲイト事件について聞いた方もいるかも知れません それはブロガーたちが 111 という数字の後ろの 'th" が古いタイプライターではなく Word で 書かれたものだと気がついた結果起こりました
ブロガーはその事を公表したり 公にする為に多大な力を注ぎました
ブログって怖い これを見てあなたはそう思います
私もそう思いますし、私だって怖いです ここで断言します – ブログはひどいものです フレンドリーなものではありません
しかしブログの中には ニュースや広告メディアの読み方を変えたりするものもあります
これが良い例です これらの人々は数千から数百万人の読者に 影響を及ぼしています そしてそれは凄く重要なことです
ハリケーンが来ているときも MSNBCでは彼らのブログにてハリケーンについて頻繁に 情報を更新していました それは
ブログツールの使いやすさによるものです
私の友人は デジタル機器 -- 記録装置についての ブログを持っていて
広告を設ける事だけで、オレゴンにいる 家族を養って行くだけの収入を得ています
今では彼はそれだけをして、それは ブログにより可能になったことです
Interplast のようなものもあります
これは一般の人達と医師により 構成される組織で、発展途上国に行き形成外科を 必要としている人にそれを施すことをしています
それで口蓋裂で苦しんでいる子供は必要な手術を受け、
その話を記録します 素晴らしいことです
私にはそこまでの思いやりはありません
自分の事を話す事にします それが私 -- ブロガー -- です
私は常に1つのことに関してのエキスパートになろうと考えてきました そして私はこの人物のエキスパートです そしてその事について書く事にしました
そして 私のブログについて簡単に言うと : 2001年に始まりました 私は23歳でした 私はデザイナーをしていたのですが そこまで刺激を受ける事ができず
仕事に満足していませんでした
大学では英文学を専攻しました それを活用することは全くできませんでしたが
書く事は恋しかったのです それでブログを書き始める事にしました そしてこのような小話を作り始めました
これは私が11歳の頃のキャンプでの経験を絵にしたもので どうやって YMCA キャンプ -- クリスチャンキャンプ -- に行ったのか 簡単に言ってしまえば、私は終わり頃に 友人にとても嫌われ 土手に隠れていました 彼らに見つかる事無く 捜索隊を送ったのですが、そこで私が崖から飛び降りたりして 自殺したら良いのに というのを聞いてしまいました
それで -- 笑っても大丈夫ですよ これが私なのです
これが私に起こった事
私がブログを書き始めた頃これが私のゴールでした 私はそれに気がついて言いました 私は世界での有名人には ならない しかしインターネットでの有名人にはなれる
そしてゴールを定めました 賞を受ける、と言いました 今まで生きてきて賞を貰ったことはありませんでしたから
そしてこの賞を取ると言いました South by Southwest Weblog アワードです
そして私は受賞しました 読者を獲得し 何万人もの人に自分の人生を読まれることになりました
バンジョーについてのポストを書きました
バンジョーを買いたいという ポストを書きました -- 300ドルするバンジョーで、高価なものです
私は楽器を演奏しませんし 音楽についても全く知りません
音楽が好きで、バンジョーが好きなのです 多分スティーヴ・マーティンの演奏を聴いて これなら私もできると言ったのでしょう そして
夫に「ベン、バンジョーを買っても良いかしら?」 彼は「No」
私の夫ですが これが私のとても魅力的な夫で 魅力的ということで賞を取ったこともあります
彼が言うには 「バンジョーは買えないよ、これは
楽器を買って集めている君の父親みたいじゃないか」
そして私はどれだけ 彼に怒っているかについてポストを書きました 彼がどんな暴君なのか、バンジョーを買わせてくれないのですから
私を知っている人達はこの冗談を理解しました メーナはこういう風に人々をネタにジョークを言うのだと
ここでのジョークは彼が暴君では無く 私に自分のドレスアップをさせてくれて その写真を私のブログで公開させてくれる程 愛情溢れる優しい人なのかということなのですから
-- 彼がこの写真を今日この場で使うと知ってたら 殺されていたでしょうね
重要なことは、私はこのポストを書き、私の友人はそれを読んで 彼らは、メーナがくだらない物を欲しがってくだらない事を しているという、新しいポストを書いたと思ったのです
しかし私は別の人々からメールを貰いました 「なんてこと、あなたの夫はとんでもないろくでなしよ
1年で彼はどれだけのお金をビールに使うの
そのお金でバンジョーを買う事ができるよ
別の口座を作ったらどうなの?」
私は17歳の頃から彼と一緒にいます -- 別々の口座を持った事はありません
彼らは「口座を分けて
自分のお金も、彼のお金も使いなさい」と言いました
他の人は「彼と別れなさい」と言いました
それで 彼らは一体誰なのか?
そしてなぜこれを読んでいるのか?
そして気がつきました:別にこう言う人達に読まれたい訳じゃない
一般的な観衆に向かって書きたくは無いのです
そして私は自分のブログを少しずつ閉じていきました
もうこれを書き続けたくは無いと思ったのです
少しずつ 個人的なこともたまには書きました
このポストは今日がアインシュタインの日だからです
喉を詰まらせると思います、これは私の最初のペットで 2年前に亡くなったからです
そして「普通の生活を書かない」というのを中断することにしました 彼女の追悼をしたかったからです とにかく
こう言う種類の個人的な話なのです あなたは政治やメディア、 ゴシップなどについてのブログを読むでしょう そういうことも書かれていますが、私が書きたいのは もっと個人的なことで私が興味を持つもの それが私なのです
ノーマン・ロックウェルについて読んでみると、芸術批評家が ノーマン・ロックウェルは芸術ではない
ノーマン・ロックウェルの絵はリビングルームや トイレの中に掛けられている、そしてそれは 高尚な芸術と呼ばれる様なものではない
そして私はこれが我々人間にとって最も 重要な事だと思うのです
こうした事が我々の共感を生むのです ブログと言うと高尚な芸術の様なブログを考えるかも知れません 聖書を題材にした歴史画のようなものです そしてこういうものを見ます
こう言うものが私の興味をひくのです : 単に話をする人達
そして1つの話は オーディンという名前の赤ちゃんに関するものでした
彼の父親はブロガーで
ある日ブログを書く様になりました 彼の妻が25週目で赤ちゃんを 生んだ時
彼はそのことを全く予期していませんでした
その日は普通の日で -- 次の日は地獄でした
この赤ちゃんは500グラムに満たず
オーディンは毎日記録されました
毎日写真を撮られ、1日目、2日目
9日目にして無呼吸状態について語り始め 39日目には肺炎にかかりました
この赤ちゃんはとても小さく 私はこんなに こんなにも -- 不安になる写真を見たことが ありませんでした 心からこみ上げる不安です
あなたは、まさにそこで起こっている事を読んでいるのです 55日目には皆が読んでいました 彼は呼吸不全と心不全を患っていて それは衰えを見せていました、何が起きるのか分かりません
しかしその後症状は良くなり 96日目には家に帰りました
そしてこのポストを見るのです
これは新聞や雑誌で見る様なものではありません しかしこれはこの人が感じている事なのです 皆この事に関して興奮していました
28コメント そこまで多くの人に読まれていた訳ではありません しかし28人にとっては重要だったのです
今日、彼は健康な乳児です このブログを読んだ人なら -- Snowdeal.org が彼の父親のブログなのですが -- 彼はまだ写真を撮っています 親子の絆があるからです 病院から受けたとても良い治療のおかげで、 彼の身体は現在標準的な水準に達していると思います
ブログですが
それが何なのでしょうか?このような事は前にも聞いたことがあるはずです
WELL コミュニティーについても話しましたし こう言う事に関してもオンラインの歴史の中では
話されてきました しかしブログというのは1つの進化であると私は考えます それが我々が今日いるところなのです
これはあなたがどういう人間なのかの記録であり、あなたの人格なのです
グーグルの検索窓にてメーナ・トロットとは何か訊くでしょう
そしてこのようなものを見つけ、幸せになるか不幸になるか
しかしあなたはブログも見つけるでしょう そしてそれは人々が日々記録している事 -- 同じトピックである必要はありませんが、彼らが興味を持っている事なのです
世界がこのパネルのようにフラットになっていると言われています 私はとても楽観的です ブログの事を考えると、いつも皆に思いを伝えたいと思うのです
何万人、何千万人、何億人という人々に
中国に進出していますし、そこにいたいと考えています しかし大勢の人々はブログを書く為の アクセスすら持っていません
しかし100ドルPCなどは素晴らしい事です、なぜなら ブログの為のソフトウェアはシンプルなものだからです
時流に乗り、根気を持つ事で、我々は 成功した会社を作りました、しかしそれは単純なことなのです ロケットサイエンスではありません
考えてみると凄い事だと思います
それで ブログによる人生の記録は 非常に重要なことだと思います
この講演は私の Ted に関するスライドで始めました 私はこのスライドを加えなければなりませんでした、なぜなら これを見せた途端に、私の母親 -- 母はこのデッキを見て 彼女は私のブログを読んでますから -- こう言うでしょう「何故私の写真がないの?」
それが私の母なのです これで知っている人は全て揃った事になります
しかしこれはおおむね 私の直系の家族を拡大したものに すぎません
先ほどノーマン・ロックウェルの絵を見せました これは私が育ちながら見たもので 常に見ていました
これらの繋がりを見ながら何時間も過ごしました 「あら一番上にいる小さい子は赤毛で、 そこにいる最初の家族と同じね」と言うのです
このような小さなことです、これは
科学ではありませんが、私にとっては 我々がどのように進化して、どのように祖先を辿るのか 興味を持つのに十分でした
そしてそれは常に私に影響を与え
私はこの記録、この -- Grabowski という -- 私の旧姓なのですが、 1910年の国勢調査を持っています シオドアがあり、
これが私の持っているもの全てです 誰かの
事実を持っているのです 彼らの生年月日や年齢 彼らが英語を話せれば、どのような家事をこなしたのか それだけです 私が彼らについて知っているのはそれだけなのです
悲しい事です 5世代遡ると
それで終わりなのです 私の母方には何が起こったのかすら分かりません 彼女はキューバから来ていて、そこまで多くのものはありませんから
この為に私は公文書館で時間を費やす必要がありました -- だから私の夫は聖人なのです 私がワシントンアーカイブで座りながらこういうものを探しながら ただ座っている時に 今はオンラインなのですが
彼は最後までそこにいたのです
このような記録があり これは私の曾曾祖母です
これは私のたった1つの写真で そして
ブログでできることを考えてみると; 人々が100ドルPCを使って 彼らがどのような人間なのか個人的な話を 共有することを考えてみると これは凄い事です
私が大きな影響を受けたもう1つの写真 一連の写真は、アルゼンチンの男性と その妻が行ったこのプロジェクトです
彼は自分の家族を毎日撮影し、 76年から 20、なんてこと私は77 --
29年?29年の間
ここで私が掲載しなかったグラフに関する冗談があるのですが 式がいくつも書かれていて、私はそれで100まで足し算できれば それが私のスキルというわけです
それでここで人々は年を重ねて行きます これが最新、もしくは去年のもの
自分を振り返るのに使えるとても強力なものです
私の家族にもこのようなものがあったらと思います
いつの日か 私の子供、もしくは私の孫が -- もしかしたら私の曾孫が もしも子供を持てばの話ですが -- 私のすること -- 私がどのような人間だったのか
考えるでしょう、そこで私はとてもナルシストなことをします 私はブロガーです -- 私にとってこれは凄い事です なぜなら毎日の時間を記録するからです
私は毎日自分の写真を撮ります -- 去年からこういうことをしています -- 自分を毎日毎日
そして、写真は同じものです これは同じ人物です
数人の人しかこれを見ません ここにいる人達の為に書いているのではありません
今は見せていますが、もしも本当に 公開されたら気が狂うと思います
恐らく4人ぐらいの人間がこれを見ているのでしょう そして彼らは -- 更新してないでしょう -- と言います
恐らく他の人達に更新していないと言われる事になると思います
しかしこれは凄いことです、過去の日に戻る事ができるからです 2005年の4月に戻って この日何をしていたのか?それを見る事で知る事ができます
この視覚的なきっかけが何をするのにも重要なのです
そして写りの悪い写真もありますし それも載せています
すぐに思い出します: 私はドイツにいて -- 日帰り旅行をしなければならなくて
私は気分が悪くて、ホテルの部屋にいて そして私はそこにいたく無かった こういうことが分かるのです
常に笑顔でいるのではありません 今はちょっと進歩していてこんな顔もできます
私の運転免許証には これと同じ顔が載ってます これはかなり動揺させられます しかしこれは本当に重要なことです
私が最後に 本当に話したい話はこれです おそらくこれは私がしている中で 最も重要なことだからです
恐らく喉を詰まらせると思います、この話をするときはそうなりがちなのです
それで、この女性は 彼女の名前はエマといい、彼女は我々の TypePad という サービスを使うブロガーでした 彼女はベータテスターでした
我々が始めたころから彼女は関わっていて 100人程いる中で --
彼女は自分のがんについて書きました
彼女はいつも書き続け 皆がそれを読むようになりました、まだそこまでブログはありませんでしたから 皆を把握することができたのです
彼女はいつものように書いていたのですが、 少しの間姿を消しました そして彼女の妹が来て、エマが
亡くなった事を告げました 彼女と話をした
サポートスタッフは皆 -- とても感情的になっていました それは会社にとってとても大変な1日でした
そしてそれは それは私がブログがどれほど我々の関係に 影響を与えるか、そして世界がどれほどフラットになっているか 気がついた瞬間でした
この女性は英国にいて 彼女は そこで彼女は自分自身について、何をしていたのか 語っていたのです
しかし本当に我々に影響を与えた大きな事は 彼女の妹が私に連絡を取り、 このブログについてこう書いたことです -- エマの人生の最後の数ヶ月で、ブログを書いていたことは 恐らく彼女の人生で最高に良かった事だ、と 人と話すことができ、何が起こっているのか共有することができ、 コメントを書いたり受け取ったりすることができる
凄い事です 我々が その手助けして、ブログを書く事が 彼女にとって心地よいもので、 ブログが怖いものである必要は無く、 常にブログの発作に苦しまなくて良く 我々がオープンで人々に話しかけるのを
助けられるというのを知ったのは 凄い事です
そして私は彼女のブログを プリント -- いえPDFファイルを彼女の家族に送りました そして彼らはそれを彼女の告別式に配布しました 彼女の死亡告知以外にも 彼らは彼女のブログについて話ました それは彼女の人生の大きな一部だったからです
とても大きなことです
これは彼女の遺産で 私が思うに 私がここであなた方に言いたい事は ブログについて考えて下さい、それが何なのか あなたがブログについて知っていたこと、思っていた事を考えてみて、 実際にやってみるのです なぜならそれは 本当に我々の人生を変えるものなのですから
ありがとう | Being on the same stage as Al Gore, who was the first person I ever voted for.
And -- So I was getting pretty nervous and, you know, I didn't know that Chris sits on the stage, and that's more nerve-racking.
But then I started thinking about my family.
I started thinking about my father and my grandfather and my great-grandfather, and I realized that I had all of these Teds going through my bloodstream -- that I had to consider this "my element."
So, who am I?
Chris kind of mentioned I started a company with my husband.
We have about 125 people internationally.
If you looked in the book, you saw this ...
which I really was appalled by.
And because I wanted to impress you all with slides, since I saw the great presentations yesterday with graphs, I made a graph that moves, and I talk about the makeup of me.
So, besides this freakish thing, this is my science slide.
This is math, and this is science, this is genetics.
This is my grandmother, and this is where I get this mouth.
So -- I'm a blogger, which, probably, to a lot of you, means different things.
You may have heard about the Kryptonite lock brouhaha, where a blogger talked about how you hack or break into a Kryptonite lock using a ballpoint pen, and it spread all over.
Kryptonite had to adjust the lock, and they had to address it to avoid too many customer concerns.
You may have heard about Rathergate, which was basically the result of bloggers realizing that the "th" in 111 is not typeset on an old typewriter; it's on Word.
Bloggers exposed this, or they worked hard to expose this.
You know, blogs are scary. This is what you see.
I see this, and I'm sure scared -- I swear on stage -- shitless about blogs, because this is not something that's friendly.
But there are blogs that are changing the way we read news and consume media, and these are great examples.
These people are reaching thousands, if not millions, of readers, and that's incredibly important.
During the hurricane, you had MSNBC posting about the hurricane on their blog, updating it frequently.
This was possible because of the easy nature of blogging tools.
You have my friend, who has a blog on PVRs, personal recorders.
He makes enough money just by running ads, to support his family up in Oregon.
That's all he does now, and this is something that blogs have made possible.
And then you have something like this, which is Interplast.
It's a wonderful organization of people and doctors who go to developing nations to offer plastic surgery to those who need it.
Children with cleft palates get it, and they document their story.
This is wonderful.
I am not that caring.
I talk about myself. That's what I am. I'm a blogger.
I have always decided that I was going to be an expert on one thing, and I am an expert on this person, and so I write about it.
So, the short story about my blog: it started in 2001, I was 23. I wasn't happy with my job, because I was a designer, but I wasn't being really stimulated.
I was an English major in college.
I didn't have any use for it, but I missed writing.
So, I started to write a blog and I started to create things like these little stories.
This was an illustration about my camp experience when I was 11 years old, and how I went to a YMCA camp, Christian camp, and basically by the end, I had made my friends hate me so much that I hid in a bunk, They couldn't find me, they sent a search party, and I overheard people saying they wish I had killed myself -- jumped off Bible Peak.
You can laugh, this is OK. This is me.
This is what happened to me.
And when I started my blog, it was really this one goal -- I said, "I am not going to be famous to the world, but I could be famous to people on the Internet."
And I set a goal. I said, "I'm going to win an award," because I had never won an award in my entire life.
And I said, "I'm going to win the South by Southwest Weblog award."
And I won it -- I reached all of these people, and I had tens of thousands of people reading about my life every day.
And then I wrote a post about a banjo.
about wanting to buy a banjo -- a $300 banjo, which is a lot of money.
And I don't play instruments; I don't know anything about music.
I like music, and I like banjos, and I think I probably heard Steve Martin playing, and I said, "I could do that."
And I said to my husband, "Ben, can I buy a banjo?" And he's like, "No."
And my husband -- this is my husband, who is very hot -- he won an award for being hot.
He told me, "You cannot buy a banjo.
You're just like your dad," who collects instruments.
And I wrote a post about how I was so mad at him, he was such a tyrant -- he would not let me buy this banjo.
And those people who know me understood my joke -- this is Mena, this is how I make a joke at people.
Because the joke in this is that this person is not a tyrant, this person is so loving and so sweet that he lets me dress him up and post pictures of him to my blog.
And if he knew I was showing this right now -- I put this in today -- he would kill me.
But the thing was, my friends read it, and they're like, "Oh, that Mena, she wrote a post about wanting a stupid thing and being stupid."
But I got emails from people that said, "Oh my God, your husband is such an asshole.
How much money does he spend on beer in a year?
You could take that money and buy your banjo.
Why don't you open a separate account?"
I've been with him since I was 17, we've never had a separate bank account.
They said, "Separate your bank account.
Spend your money; spend his money, that's it."
And then I got people saying, "Leave him."
I was like, "OK, what? Who are these people?
And why are they reading this?"
And I realized: I don't want to reach these people.
I don't want to write for this public audience.
And I started to kill my blog slowly.
I'm like, I don't want to write this anymore.
Slowly and slowly -- And I did tell personal stories from time to time.
I wrote this one, and I put this up because of Einstein today.
I'm going to get choked up, because this is my first pet, and she passed away two years ago.
And I decided to break from, "I don't really write about my public life," because I wanted to give her a little memorial.
But anyways, it's these sorts of personal stories -- You know, you read the blogs about politics or about media, and gossip and all these things. These are out there, but it's more of the personal that interests me, and this is who I am.
You see Norman Rockwell, and you have art critics say, "Norman Rockwell is not art.
Norman Rockwell hangs in living rooms and bathrooms, and this is not something to be considered high art."
And I think this is one of the most important things to us as humans.
These things resonate with us, and, if you think about blogs, you think of high art blogs, the history paintings about, you know, all the biblical stories, and then you have this.
These are the blogs that interest me: the people that just tell stories.
One story is about this baby, and his name is Odin.
His father was a blogger.
And he was writing his blog one day, and his wife gave birth to her baby at 25 weeks.
And he never expected this.
One day, it was normal; the next day, it was hell.
And this is a one-pound baby.
So Odin was documented every single day.
Pictures were taken every day: day one, day two ...
You have day nine -- they're talking about his apnea; day 39 -- he gets pneumonia.
His baby is so small, and I've never encountered such a -- just -- a disturbing image, but just so heartfelt.
And you're reading this as it happens, so on day 55, everybody reads that he's having failures: breathing failures and heart failures, and it's slowing down, and you don't know what to expect.
But then it gets better. Day 96, he goes home.
And you see this post.
That's not something you're going to see in a paper or magazine but this is something this person feels, and people are excited about it -- 28 comments.
That's not a huge amount of people reading, but 28 people matter.
And today, he is a healthy baby, who, if you read his blog -- it's snowdeal.org, his father's blog -- he is taking pictures of him still, because he is still his son and he is, I think, at his age level right now because he had received such great treatment from the hospital.
So, blogs.
So what? You've probably heard these things before.
We talked about the WELL, and about all these sorts of things throughout our online history.
But I think blogs are basically just an evolution, and that's where we are today.
It's this record of who you are, your persona.
You have your Google search, where you say, "What is Mena Trott?"
And then you find these things and you're happy or unhappy.
But then you also find people's blogs, and those are the records of people that are writing daily -- not necessarily about the same topic, but things that interest them.
And we talk about the world flattens, being in this panel, and I am very optimistic -- whenever I think about blogs, I'm like, "We've got to reach all these people."
Hundreds of millions and billions of people.
We're getting into China, we want to be there, but there are so many people that won't have the access to write a blog.
But to see something like the $100 computer is amazing, because blogging software is simple.
We have a successful company because of timing, and because of perseverance, but it's simple stuff -- it's not rocket science.
And so, that's an amazing thing to consider.
So -- the life record of a blog is something that I find incredibly important.
And we started with a slide of my Teds, and I had to add this slide, because I knew the minute I showed this, my mom -- my mom will see this, because she does read my blog and she'll say, "Why wasn't there a picture of me?"
This is my mom. So, I have all the people that I know of.
But this is basically the extent of the family that I know in terms of my direct line.
I showed a Norman Rockwell painting before, and this one, I grew up with, looking at constantly.
I would spend hours looking at the connections, saying, "Oh, the little kid up at the top has red hair; so does that first generation up there."
And it's just these little things.
This is not science, but this was enough for me to be really interested in how we have evolved and how we can trace our line.
So that has always influenced me.
I have this record, this 1910 census, of another Grabowski -- that's my maiden name -- and there's a Theodore, because there's always a Theodore.
This is all I have, a couple of facts about somebody.
I have their date of birth, their age, what they did in their household, if they spoke English, and that's it, that's all I know of these people.
And it's pretty sad, because I only go back five generations, and that's it.
I don't even know what happens on my mom's side, because she's from Cuba and I don't have that many things.
Just doing this, I spent time in the archives -- that's why my husband's a saint -- I spent time in the Washington archives, just sitting there, looking for these things.
Now it's online, but he sat through that.
And so you have this record and -- This is my great-great-grandmother.
This is the only picture I have.
And to think of what we have the ability to do with our blogs; to think about the people that are on those $100 computers, talking about who they are, sharing these personal stories -- this is an amazing thing.
Another photo that has greatly influenced me, or a series of photos, is this project that's done by an Argentinean man and his wife.
And he's basically taking a picture of his family every day for the past, what is '76? -- 20 ... Oh my God, I'm '77 -- 29 years?
Twenty-nine years.
There was a joke, originally, about my graph that I left out, which is: You see all this math? I'm just happy I was able to add it up to 100, because that's my skill set.
So you have these people aging, and now this is them today, or last year.
And that's a powerful thing to have, to be able to track this.
I wish that I would have this of my family.
I know that one day my children will be wondering -- or my grandchildren, or my great-grandchildren, if I ever have children -- what I am going to -- who I was.
So I do something that's very narcissistic -- I am a blogger -- that is an amazing thing for me, because it captures a moment in time every day.
I take a picture of myself -- I've been doing this since last year -- every single day.
And, you know, it's the same picture; it's basically the same person.
Only a couple of people read it.
I don't write this for this audience; I'm showing it now, but I would go insane if this was really public.
About four people probably read it, and they tell me, "You haven't updated."
I'm probably going to get people telling me I haven't updated.
But this is amazing, because I can go back to a day -- to April 2005, and say, what was I doing this day? I look at it, I know exactly.
It's this visual cue that is so important to what we do.
I put the bad pictures up too, because there are bad pictures.
And I remember instantly: I am in Germany in this -- I had to go for a one-day trip.
I was sick, and I was in a hotel room, and I wanted not to be there. And so you see these things, it's not just always smiling.
Now I've kind of evolved it, so I have this look.
If you look at my driver's license, I have the same look, and it's a pretty disturbing thing, but it's something that is really important.
And the last story I really want to tell is this story, because this is probably the one that means the most to me in all of what I'm doing.
I'll probably get choked up, because I tend to when I talk about this.
So, this woman, her name was Emma, and she was a blogger on our service, TypePad.
And she was a beta tester, so she was there right when we opened -- you know, there was 100 people.
And she wrote about her life dealing with cancer.
She was writing and writing, and we all started reading it, because we had so few blogs on the service, we could keep track of everyone.
And she was writing one day, and then she disappeared for a little bit.
And her sister came on, and she said that Emma had passed away.
And all of our support staff who had talked to her were really emotional, and it was a very hard day at the company.
And this was one of those instances where I realized how much blogging affects our relationship, and flattening this sort of world.
That this woman is in England, and she lives -- she lived -- a life where she was talking about what she was doing.
But the big thing that really influenced us was, her sister wrote to me, and she said -- and she wrote on this blog -- that writing her blog during the last couple of months of her life was probably the best thing that had happened to her, and being able to talk to people and to share what was going on, and being able to write and receive comments.
And that was amazing, to be able to know that we had empowered that, and that blogging was something that she felt comfortable doing, and the idea that blogging doesn't have to be scary, that we don't always have to be attack of the blogs, that we can be people who are open, and wanting to help and talk to people.
That was an amazing thing.
And so I printed out and sent a PDF of her blog to her family, and they passed it out at her memorial service, and even in her obituary, they mentioned her blog, because it was such a big part of her life.
And that's a huge thing.
So, this is her legacy, and I think that my call to action to all of you is: think about blogs, think about what they are, think about what you've thought of them, and then actually do it, because it's something that's really going to change our lives.
So, thank you. | {
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ヴァンパイアは俺に攻撃せず、鏡を叩き割った。
鏡を破壊したヴァンパイアは、こちらを見てかすかに微笑んだ。
俺はそのヴァンパイアの首を、魔神王の剣で斬り飛ばした。
首だけになったヴァンパイアに尋ねた。
視線は首に向けたまま、近くに転がっている干からびたヴァンパイアを並べる。
「俺からなにか情報を得られると思うのか?」
首だけになったヴァンパイアが不敵に笑う。
ヴァンパイアは基本的に口が堅い。幻術にかければよかった。
後悔しても、もう遅い。
「調べればいいだけの話だ」
首だけのヴァンパイアと会話している間に、干からびたほうが徐々に回復していく。
「お前らは本当に回復力がすごいな」
「ふん!」
そして、ニアとガルヴに念話を飛ばす。
『そこの物陰に隠れてくれ』
ニアとガルヴがこくりとうなずく。
そして、こっそりと隠れる。ガルヴの尻尾が出ていたので、俺が手で押し込んだ。
そのうえで隠蔽の魔法をかける。
これで、アークヴァンパイアと言えど気づくまい。
それから幻術を発動させて待機する。
干からびている間、ヴァンパイアは意識がない。
だから、うまくやれば幻術にかけることができるだろう。
さらに十分待った。
その間、干からびていたヴァンパイアはどんどん回復していく。
まだ、顔色は悪いが、目を覚ます頃合いだろう。
俺は幻術で、最初に倒したヴァンパイアロードの姿に化ける。
「おい! いつまで寝ているのだ!」
怒鳴りつけながら、軽く蹴りつけた。
「一体......どうなったのです?」
目を覚ましたヴァンパイアはきょろきょろ見回す。
周囲には割れた鏡、そして灰と化した同僚の姿が見えたはずだ。
それに加えて俺の死体の幻を転がしておく。
「どうなった、だと? それはこちらのセリフだ! なにゆえ鏡を割った!」
「て、敵は......」
「敵? とうに我が殺した」
「そうだったのですか。ありがとうございます」
「いいから、鏡を割った理由を話すがよい。下らぬ理由で割ったのであれば、許さぬぞ」
「強力な敵ゆえ、我らでは防ぐことができぬと思い......せめて鏡を敵の手に渡らせないために......」
「なんと愚かな......、我があのような人間に負けると思ったのか」
「申し訳ありませぬ」
謝るヴァンパイアを見ながら、俺は少し考えた。
俺の手に渡したくないものだったらしい。理由を知りたい。
なんと問いかければ、聞きだせるだろうか。
「まことに申し訳ありません」
「修復せよ」
「それは私には......難しいことで......」
「わかっておる! 代替手段を考えろと言っているのだ」
「王宮に直接出向いて、転移魔法陣をつなぎなおすしか......」
王宮? 不穏な言葉が飛び出した。
まさか、エリックの王宮に繋がっていたとでもいうのだろうか。
俺は平静を装って、尋ねる。
「それでよい。いつまでに出来る?」
「全力で走りましても......。私の足ならば片は......」
少し安心した。エリックの王宮とは別の王宮らしい。
距離だけを考えれば、アークヴァンパイアが走れば、ここから王宮まで数時間だ。
それでも片道三日はかかるまい。
どの王宮か聞かねばなるまい。だが、普通に聞いたら怪しすぎる。
俺が化けているヴァンパイアは当然知っていることだからだ。
俺は自分の頭を地面に落とす。もちろん幻術を使ってだ。
頭を地面に転がしてに割った。
「なっ!」
「ああ、先程、侵入者に首をはねられてな。おかげで貴様を助けるのが遅れた」
そう言いながら、頭を拾って首に乗せる。
「そうでしたか。それは大変でしたね」
ヴァンパイアは納得したようだ。
「おかげで記憶が混乱していてな......」
「聞きたいことがあるのだが、......ところでこの遺跡は、一体何のための遺跡であっただろうか」
「はい。竜族の古代遺跡の装置を利用して、愚者の石の製造を行うということになっております」
「......ああ。そういえばそうだった気がするぞ。すまぬな。混乱していて」
「いえ、なんでもお聞きください」
「そうか。それは助かる。その愚者の石を製造する装置はどれなのだ?」
「隣の部屋にございます」
「それは破壊されておらぬのだな?」
「そのはずでございます」
かなり重要な遺跡だったようだ。
「そうか。それはよかった。ここの他にもその装置はあるのか?」
「全力で探しておりますが、ごく僅かしか見つかっておりませぬ」
あと知りたいのは一つだけだ。
「ところで、鏡がつながっていたという、王宮とはなんであっただろうか」
「え?」
さすがに怪しまれたかもしれない。
俺は言い訳する。
「頭を縦に割られたせいで、脳髄への損傷がな」
「うむ。思い出せそうで、思い出せぬのだ」
「我らが至高の王の御座所にございます」
至高の王? ハイロードより偉そうだ。
「それは一体どのような方なのだ?」
俺がそう尋ねた瞬間、ヴァンパイアが斬りかかってきた。
「貴様......。偽物だな......」
「至高の王のことを、それと呼ぶなど、記憶が無かろうがあり得ぬ」
「そうか。それは勉強になった」
俺はヴァンパイアにとどめを刺した。 | The vampire had destroyed the mirror instead of attacking me.
The vampire then looked at me and grinned.
And so I cut off his smiling head with the Devil King Sword.
I asked the severed head.
While keeping an eye on the head, I lined the dried up vampire next to him.
“Do you really think you’ll get anything out of me?”
The vampire head laughed mischievously.
Vampires were generally tight-lipped. I should have used an illusion.
However, it was too late for regrets.
“I’ll find out either way.”
As I talked with the vampire head, the dried up vampire was slowly recovering.
“You really do heal quite fast.”
“Hmph!”
I dealt a killing blow to the head.
And then I sent a telepathic message to Nia and Grulf.
‘Hide in the shadows over there.’
Nia and Grulf nodded obediently.
And they went and hid. But Grulf’s tail was sticking out, and so I pushed it in.
And then I cast some concealment magic.
Now even an Arch Vampire wouldn’t notice.
And then I cast illusion magic and waited.
While he was dried up, the vampire was unconscious.
So if everything went well, he would be fooled by the illusion.
I waited for another ten minutes.
The vampire was recovering rapidly.
His face still looked bad, but he seemed to be on the verge of waking up.
I had used an illusion to make myself look like the vampire I had just killed.
“Hey! How long are you going to sleep!”
I shouted and kicked him lightly.
“What...what happened?”
The vampire opened his eyes and looked around.
He would have seen the broken mirror and the ashes of his comrade.
I had also created an illusion of my own body on the ground.
“What happened, you say? That’s what I want to know! Why did you break the mirror!”
“Where’s the enemy...”
“Enemy? I already killed him.”
“I see. Thank you.”
“Enough about that. Tell me why you destroyed the mirror. I won’t forgive you if you don’t have a good explanation.”
“He was a strong enemy, and I didn’t think we could stop him... I thought that as long as it didn’t enter the enemy’s hands...”
“How foolish... How could you think that I would lose to such a human?”
“I am sorry.”
I watched the apologizing vampire and thought.
So they didn’t want me to take it. But why?
How could I get him to tell me?
“I am truly sorry.”
“Now fix it.”
“I cannot...it is too difficult for me...”
“I know that! I am saying to find a different method.”
“We will have to go directly to the palace and reconnect the teleportation circle...”
Palace? The ominous word seemed to ring.
Was he saying that it was connected to Eric’s palace?
I pretended to remain calm as I asked,
“Very well then. And how long will that take?”
“Even if I run my fastest... It will take at least three days just to reach it...”
That was a relief. So it wasn’t Eric’s palace that he was talking about.
After all, an Arch Vampire could run to Eric’s palace in a matter of hours.
Still, it would not take three days.
But I will have to ask which palace it was. Though, asking it too bluntly will make me look suspicious.
Because the vampire I was supposed to be would know all of this already.
I dropped my head on the ground. Of course, it was an illusion.
It rolled on the ground, splitting away from my body.
“What!”
“Ah, the invader cut off my head earlier. That is why I was delayed in rescuing you.”
I said as I picked up the head and put it back on my neck.
“Is that so. How horrible.”
The vampire said, understandingly.
“But it has confused my memories a little...”
“And so I wish to ask you something... What is this ruin used for?”
“Yes. It is an ancient dragon ruin. And we were going to use it to manufacture the Fool’s Stone.”
“...Ah, I think I remember that now. Sorry. I was confused.”
“No, ask me anything you want.”
“Hmm. Thank you. And where is this...device that makes the Fool’s Stone?”
“It is in the next room.”
“And it has not been destroyed?”
“It should not be.”
So this place was quite important.
“I see. That is good. And are there other devices like this elsewhere?”
“We are desperately searching. But only a few have been found.”
There was just one last thing I wanted to know.
“By the way, where is this palace that the mirror was connected to?”
“Huh?”
Perhaps I had gone too far with that question.
I tried to make an excuse.
“My brain seems to have been damaged from the blow.”
“Indeed. I feel like I am on the brink of remembering it.”
“It is the seat of our Most High King.”
Most high king? That seemed higher than a High Lord.
“And who is that?”
The vampire rushed at me just as I asked the question.
“You... Are an imposter...”
“Memory-loss or not, it is unfathomable for you to not know our Most High King.”
“I see. That’s good to know.” | {
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それ以来 インターネットは通信したり 仕事をしたり 暮らしを支えるものへと 変容を遂げてきました
Google、Facebook、Twitterなどを 生み出したアイデアは いろいろな意味で 私たちの生活を変え 多くの恩恵をもたらしてきました 例えば 社会の繋がりが増しました
しかし マイナス面もあります
今日 平均的な人はネット上に大量の 個人情報を掲載しています また Facebookに投稿したり Googleで検索したり eメール(電子メール)を送る毎に 個人情報を追加しているのです
さて 多くの方は 「メール1通くらい 大したことはない」と 思われるかもしれません
しかし 年間の電子メールや 生涯における電子メールと なるとどうでしょうか 全体としては 様々なことが分かるのです
どこに行ったか 誰に会ったか 何を考えているのかさえ分かります
何より恐ろしいのが データが永遠に存在することです あなたの死後にもデータが存在するのです
主としてデータやプライバシーを コントロールできなくなっています
今年はウェブの25周年に当たりますが ウェブとは何かを考えることは 私たちにとって とても重要です
本当に考えないといけないのです
私たちはプライバシーを失いましたが 実際に失ったものは プライバシーという概念そのものです
それについて考えてみると 会場におられる大半の方が ネットの普及前の生活を覚えておられると思います しかし今日では 子供のころから 何でもかんでも ネット上でシェアするよう教えられた 新世代がいます この世代はデータが個人のものだった 時代を知りません
このままどんどん進んで行くと 20年後には 「プライバシー」という言葉は 我々の考える意味とは 全く別のものになるでしょう
だから このことについて 何ができるのかを 考える時期に来ているのです
そしてなすべきことがあると考えます
今日世界で普及している通信形態の 電子メールを見てみましょう
電子メールが登場するまでは 主に手紙で遣り取りしていましたが そのプロセスはかなりシンプルでした
まず紙にメッセージを書き 封筒に入れて封をして 切手を貼り 住所を書いて それから投函したのです
残念なことに今日では 電子メールの送信は 手紙ではなく葉書で送るようなものです
電子メールの送信は 手紙ではなく葉書で送るようなものです パソコンから送信されて 受信されるまでの間に これを目にした誰もが読める という意味で 葉書と同じです 実際に全文が読めるのです
少し前から このことへの対策は知られており 様々に取り組まれてきました
最も基本的な対策は暗号化で とてもシンプルなアイデアです
まず パソコンと電子メールサーバー間を 暗号化します
次に サーバー自体もデータを暗号化します
しかし これには問題があります 暗号化キーを メールサーバーにも置くので 立派な鍵をかけても その脇にキーが置いてあるわけです
それだけでなく 行政も合法的に 皆さんのデータキーを取得します これが知らない間に 行われているのです
この問題を解決するのは 原理上は比較的簡単です 全員にキーを持たせ サーバーには キーがないようにすれば良いのです
常識的な方法だと思いませんか?
どうして 実現していないのか不思議ですね?
それについて深く考えてみると 今日のインターネットのビジネス・モデルが プライバシーと全く 両立していないのです
ウェブの人気サイトを見てみると 広告が果たす役割が 大きいことが分かります
実際今年だけでも 広告は1370億ドル稼いでいます 広告を最大限に活用するために 企業は個人のことを知らなければなりません
あなたがどこに住んでいて 何歳で 何が好きで嫌いなのかなど すべて掴む必要があるのです
そのことについて考えると この情報を得る最良の方法が プライバシーの侵害になるのです
企業はプライバシーを守ってくれません
ネット上でプライバシーが欲しいなら ネットをしないことです
長年 電子メールに関して PGPが唯一の対策でしたが とても難しいので テクノロジーに精通した人しか 使えませんでした
これはメッセージの暗号化と解読の 基本過程を表した図表です
言うまでもなく これは一般的な対策ではありません 実際 これも問題なのです なぜなら通信について考えるなら そもそも 誰かを相手に通信するからです
PGPは使える人には素晴らしいですが 使えない人には操作方法が分からず 非公開での通信は存在しないのです
この問題を解決する必要があります
ネット上でプライバシーが欲しいなら うまく行く唯一の方法は世界全体が参加すること それは参加の障壁を下げなけれればなりません
これが技術コミュニティーの主要な挑戦だと思います
私たちがすべきことは プライバシーをもっと身近にすることです
去年の夏 エドワード・スノーデンの事件が起こり 同僚と私は自分ならどうするかを 話し合いました
当時私たちは ヨーロッパ合同原子核研究機関にある 世界最大級の粒子加速器で 陽子を衝突させていました
全員科学者で 科学的創造性を使って プロジェクトに洒落た名前を付けました ProtonMail 今日 多くの新規事業が カレージや地下室で設立されます
私たちの場合は若干違い
CERNカフェテリアでした 実際 素晴らしい所で あらゆる食べ物や水があるのです
さらにすごいのは毎日 昼の12時から2時まで無料で 数千人の科学者やエンジニアに会え 基本的に何でも答えてもらえます
こういう環境で仕事を始めました
私たちが実際やりたいことは 皆さんの電子メールを受け取って このようなものに変換したいのです もっと重要なのは そんなことが起きていると わからないようにしたいのです
これをするには テクノロジーとデザインの組合せを要します
どうやって このようにするのでしょうか?
サーバー上でキーを配置しないのは まず良いアイデアです
だからパソコン上に暗号化キーを作ります 1つではなく 2つキーを作ります RSA秘密鍵とRSA公開鍵で 両者は数学的に関係づけられた鍵です 複数の人が通信するとき
どのように機能するのか見てみましょう ボブとアリスは非公開で通信したいと思っています
ここでの課題は ボブからのメッセージを サーバー上では読めないようにして アリスに届けることです
だから ボブがパソコンから 送信する前に暗号化するのです アリスの公開鍵で暗号化するのがミソです
この暗号化したデータは サーバーを経由しアリスに送られます さて アリスの公開鍵を使って メッセージが暗号化されているので これを解読できるキーはただ1つ アリスの秘密鍵なのです そしてアリスだけがこのキーを持っているのです
私たちはメッセージをサーバーに 読み取られることなく ボブからアリスに渡すことが出来ました
ここでお見せているのは簡略図です
実際はずっと複雑なもので 多くのソフトを使います こんな感じです
そして これが主要なデザイン上の課題です こんな複雑なソフトウェアを ユーザーが気付かないうちに 使えるようにするには どうしたらよいでしょう
ProtonMailを使えば これと似たことができるのです
実際にどのように動くのか見てみましょう
安全に通信したい ボブとアリスが再び登場します 二人は数分で作成できる
ProtonMailのアカントを作りました キーの暗号化と生成は ボブがアカントを作った時に バックグラウンドで自動的に行います
アカントを作れば 「作成」をクリックするだけで 普段使っているように 電子メールを作成できるのです
彼は自分の文面などを書いたら 「送信」をクリックします するとこのようになります 暗号学を学ばなくてもいいし 現在使っている電子メールと 何も変わらないのです ボブは暗号化したメッセージを 送るだけです
お見せしたのは初期のものでしたが 技術を改良していけば プライバシーは難しくないですし 破壊的でもないことを示しています
ゴールを 広告の収益の最大化から データの保護に切り替えれば こういうことも実際のものになります
皆さんはプライバシー保護は 究極の目標なのだと思われることでしょう しかし広告から来る巨額の収益なしに これを達成できるのでしょうか?
私は達成できると思っています なぜなら 世界の人々が プライバシーの重要性を 真に理解するようになると すべてが可能になるからです
今年の上旬 ProtonMailのユーザー数が増え リソース不足に陥りました この時ユーザー・コミュニティは協力し 500万ドルを寄付しました
共通の目標に向かって コミュニティが団結すると こういうことが起こるという好例です
私たちは世界を利用できるのです
現時点で 世界中から25万人がProtonMailに登録しています プライバシーは アメリカやヨーロッパだけの問題ではないのです 皆に影響を及ぼすグローバルな問題なのです
注意を払って 推し進めていくべきものです
この問題を解決するために 何をすればいいのでしょうか?
最初にインターネットの 異なるビジネス・モデル- 収入や成長を完全に広告に依存しないモデルを 異なるビジネス・モデル- 収入や成長を完全に広告に依存しないモデルを サポートする必要があります
プライバシーとデータ管理を優先する 新しいインターネットを構築する必要があります
そしてもっと重要なのは プライバシーがオプションではなく デフォルト設定された インターネットを作ることです
ProtonMailで第一歩を踏み出しましたが 非常に長い道のりの第一歩にすぎません
今日皆さんにお知らせできる 良いニュースは 私たちは独りではないことです ワクワクします
人々のプライバシーを守る動きや フリーダム・オンラインは 本格化しつつあります 今日世界には12のプロジェクトがあり プライバシー向上のために 協働しているのです
これらのプロジェクトは チャットから音声通信 ファイル記憶装置やネット検索 ブラウジングなどを保護します
これらのプロジェクトは 何十億ドルの広告収入ではなく 自然人- 世界中のあなたと私のような個人により サポートされているのです
これは本当に重要なことです なぜなら最終的には プライバシーは個人に委ねられるからです 私たちは現在それを 保護しなければなりません オンライン・データは単なる0と1の 集合ではないからです
実際それ以上なのです
私たちの生活や個人の物語 友人や家族など 色々な意味で 希望であり憧れであります
これを共有したい人々だけ 共有するための権利を 保護するために 現在時間をかけて行っているのです これなくしては 単純に自由な社会を築けないからです
今こそ集団で立ち上がり 言う時なのです 「YES オンライン・プライバシーのある世界に 暮らしたい YES このビジョンを現実に変えるため 私たちは協働できるのだ」と
ありがとうございました | Since then, the Internet has transformed the way we communicate, the way we do business, and even the way we live.
In many ways, the ideas that gave birth to Google, Facebook, Twitter, and so many others, have now really transformed our lives, and this has brought us many real benefits such as a more connected society.
However, there are also some downsides to this.
Today, the average person has an astounding amount of personal information online, and we add to this online information every single time we post on Facebook, each time we search on Google, and each time we send an email.
Now, many of us probably think, well, one email, there's nothing in there, right?
But if you consider a year's worth of emails, or maybe even a lifetime of email, collectively, this tells a lot.
It tells where we have been, who we have met, and in many ways, even what we're thinking about.
And the more scary part about this is our data now lasts forever, so your data can and will outlive you.
What has happened is that we've largely lost control over our data and also our privacy.
So this year, as the web turns 25, it's very important for us to take a moment and think about the implications of this.
We have to really think.
We've lost privacy, yes, but actually what we've also lost is the idea of privacy itself.
If you think about it, most of us here today probably remember what life was like before the Internet, but today, there's a new generation that is being taught from a very young age to share everything online, and this is a generation that is not going to remember when data was private.
So we keep going down this road, 20 years from now, the word 'privacy' is going to have a completely different meaning from what it means to you and I.
So, it's time for us to take a moment and think, is there anything we can do about this?
And I believe there is.
Let's take a look at one of the most widely used forms of communication in the world today: email.
Before the invention of email, we largely communicated using letters, and the process was quite simple.
You would first start by writing your message on a piece of paper, then you would place it into a sealed envelope, and from there, you would go ahead and send it after you put a stamp and address on it.
Unfortunately, today, when we actually send an email, we're not sending a letter.
What you are sending, in many ways, is actually a postcard, and it's a postcard in the sense that everybody that sees it from the time it leaves your computer to when it gets to the recipient can actually read the entire contents.
So, the solution to this has been known for some time, and there's many attempts to do it.
The most basic solution is to use encryption, and the idea is quite simple.
First, you encrypt the connection between your computer and the email server.
Then, you also encrypt the data as it sits on the server itself.
But there's a problem with this, and that is, the email servers also hold the encryption keys, so now you have a really big lock with a key placed right next to it.
But not only that, any government could lawfully ask for and get the key to your data, and this is all without you being aware of it.
So the way we fix this problem is actually relatively easy, in principle: You give everybody their own keys, and then you make sure the server doesn't actually have the keys.
This seems like common sense, right?
So the question that comes up is, why hasn't this been done yet?
Well, if we really think about it, we see that the business model of the Internet today really isn't compatible with privacy.
Just take a look at some of the biggest names on the web, and you see that advertising plays a huge role.
In fact, this year alone, advertising is 137 billion dollars, and to optimize the ads that are shown to us, companies have to know everything about us.
They need to know where we live, how old we are, what we like, what we don't like, and anything else they can get their hands on.
And if you think about it, the best way to get this information is really just to invade our privacy.
So these companies aren't going to give us our privacy.
If we want to have privacy online, what we have to do is we've got to go out and get it ourselves.
For many years, when it came to email, the only solution was something known as PGP, which was quite complicated and only accessible to the tech-savvy.
Here's a diagram that basically shows the process for encrypting and decrypting messages.
So needless to say, this is not a solution for everybody, and this actually is part of the problem, because if you think about communication, by definition, it involves having someone to communicate with.
So while PGP does a great job of what it's designed to do, for the people out there who can't understand how to use it, the option to communicate privately simply does not exist.
And this is a problem that we need to solve.
So if we want to have privacy online, the only way we can succeed is if we get the whole world on board, and this is only possible if we bring down the barrier to entry.
I think this is actually the key challenge that lies in the tech community.
What we really have to do is work and make privacy more accessible.
So last summer, when the Edward Snowden story came out, several colleagues and I decided to see if we could make this happen.
At that time, we were working at the European Organization for Nuclear Research at the world's largest particle collider, which collides protons, by the way.
We were all scientists, so we used our scientific creativity and came up with a very creative name for our project: ProtonMail. Many startups these days actually begin in people's garages or people's basements.
We were a bit different.
We started out at the CERN cafeteria, which actually is great, because look, you have all the food and water you could ever want.
But even better than this is that every day between 12 p.m. and 2 p.m., free of charge, the CERN cafeteria comes with several thousand scientists and engineers, and these guys basically know the answers to everything.
So it was in this environment that we began working.
What we actually want to do is we want to take your email and turn it into something that looks more like this, but more importantly, we want to do it in a way that you can't even tell that it's happened.
So to do this, we actually need a combination of technology and also design.
So how do we go about doing something like this?
Well, it's probably a good idea not to put the keys on the server.
So what we do is we generate encryption keys on your computer, and we don't generate a single key, but actually a pair of keys, so there's an RSA private key and an RSA public key, and these keys are mathematically connected.
So let's have a look and see how this works So here we have Bob and Alice, who want to communicate privately.
So the key challenge is to take Bob's message and to get it to Alice in such a way that the server cannot read that message.
So what we have to do is we have to encrypt it before it even leaves Bob's computer, and one of the tricks is, we encrypt it using the public key from Alice.
Now this encrypted data is sent through the server to Alice, and because the message was encrypted using Alice's public key, the only key that can now decrypt it is a private key that belongs to Alice, and it turns out Alice is the only person that actually has this key.
So we've now accomplished the objective, which is to get the message from Bob to Alice without the server being able to read what's going on.
Actually, what I've shown here is a highly simplified picture.
The reality is much more complex and it requires a lot of software that looks a bit like this.
And that's actually the key design challenge: How do we take all this complexity, all this software, and implement it in a way that the user cannot see it.
I think with ProtonMail, we have gotten pretty close to doing this.
So let's see how it works in practice.
Here, we've got Bob and Alice again, who also want to communicate securely.
They simply create accounts on ProtonMail, and all the key encryption and generation is happening automatically in the background as Bob is creating his account.
Once his account is created, he just clicks "compose," and now he can write his email like he does today.
So he fills in his information, and then after that, all he has to do is click "send," and just like that, without understanding cryptography, and without doing anything different from how he writes email today, Bob has just sent an encrypted message.
What we have here is really just the first step, but it shows that with improving technology, privacy doesn't have to be difficult, it doesn't have to be disruptive.
If we change the goal from maximizing ad revenue to protecting data, we can actually make it accessible.
Now, I know a question on everybody's minds is, okay, protecting privacy, this is a great goal, but can you actually do this without the tons of money that advertisements give you?
And I think the answer is actually yes, because today, we've reached a point where people around the world really understand how important privacy is, and when you have that, anything is possible.
Earlier this year, ProtonMail actually had so many users that we ran out of resources, and when this happened, our community of users got together and donated half a million dollars.
when you bring the community together towards a common goal.
We can also leverage the world.
Right now, we have a quarter of a million people that have signed up for ProtonMail, and these people come from everywhere, and this really shows that privacy is not just an American or a European issue, it's a global issue that impacts all of us.
It's something that we really have to pay attention to going forward.
So what do we have to do to solve this problem?
Well, first of all, we need to support a different business model for the Internet, one that does not rely entirely on advertisements for revenue and for growth.
We actually need to build a new Internet where our privacy and our ability to control our data is first and foremost.
But even more importantly, we have to build an Internet where privacy is no longer just an option but is also the default.
We have done the first step with ProtonMail, but this is really just the first step in a very, very long journey.
The good news I can share with you guys today, the exciting news, is that we're not traveling alone.
The movement to protect people's privacy and freedom online is really gaining momentum, and today, there are dozens of projects from all around the world who are working together to improve our privacy.
These projects protect things from our chat to voice communications, also our file storage, our online search, our online browsing, and many other things.
And these projects are not backed by billions of dollars in advertising, from private individuals like you and I from all over the world.
This really matters, because ultimately, privacy depends on each and every one of us, and we have to protect it now because our online data is more than just a collection of ones and zeros.
It's actually a lot more than that.
It's our lives, our personal stories, our friends, our families, and in many ways, also our hopes and our aspirations.
We need to spend time now to really protect our right to share this only with people that we want to share this with, because without this, we simply can't have a free society.
So now's the time for us to collectively stand up and say, yes, we do want to live in a world with online privacy, and yes, we can work together to turn this vision into a reality.
Thank you. | {
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拡張現実の実演です
ご覧になる映像は録画されたものではありません
ライブで 私の動作に リアルタイムで反応しています
いわばテクノロジーによるマジックです
それでは幸運を祈りつつ
皆さんは大きな画面を見ていてください
拡張現実は 現実と コンピュータの生成した イメージを融合させたものです
これはマジック研究のための 理想的なメディアです このテクノロジーの時代にあって なぜ私達は 不思議な魔法に 惹かれ続けるのかを問うのです
マジックは欺きですが みんなが楽しめるような欺きです
欺かれることを楽しむには 観客は疑いを
一時保留する必要があります この心の受容的状態に初めて言及したのは
詩人のサミュエル・テイラー・コールリッジでした 「私が書くときには 真実の見かけを与えるべく努め 想像力の幻を生み出し ひと時の間 疑念を 保留しようと思わせることで 詩的な信頼を築くのだ」
このフィクションの中における信頼は あらゆる劇場的体験の本質となるものです
それなくしては 台本は ただの言葉になり
拡張現実は 単なる新技術となり
手品は 指先の器用さの単なる 技巧的実演になってしまいます
私達はみんな疑いを保留することに—
長けていて 毎日行っています 小説を読むときにも テレビを見るときにも 映画を見に行くときにも
喜んで架空の世界に入り込んで ヒーローを応援し 会ったこともない友人のために泣きます
この能力なくして マジックは成り立たないのです
マジシャンのストーリーテラーとしての 役割を最初に認識したのは フランス最大のイリュージョニスト
ジャン・ロベール=ウーダンでした 私は彼の言葉を自分のスタジオの壁に掲げています
「手品師は曲芸師ではない
手品師とは魔法使いを演じる役者である」
この意味は マジックは劇場であり トリックはストーリー だということです
マジックのトリックは 物語の原型に従っています
創造と喪失や 死と復活の話があり 越えなければならない障害の話があります
その多くはとてもドラマチックです
マジシャンは火と鉄を使いこなし 唸る丸鋸に挑み 弾丸を捕まえようとし 命がけの脱出を試みます
しかし観客はマジシャンが死ぬのを見に来るわけではありません 生き延びるのを見に来るのです
一番いいストーリーは いつもハッピーエンドだからです
マジックには1つ特別な要素があります
ひねったストーリーです
エドワード・デ・ボノは 人の脳はパターン照合装置であり
マジシャンは観客の考え方を 逆手に取るのだと言っています
「舞台奇術がもっぱら頼りとするのは 心理的誤謬だ
観客はまったく合理的な仮定や理解へと 誘導されるが それは 目の前で実際に起きていることに 一致していないのだ」
その点で マジックはジョークに似ています
ジョークは期待される目的地へと 導いていきますが
想像していたシナリオから 突然 まったく予想外のものへと転換し そのためみんな笑うのです
同じことが マジックを見ている時にも起こります
結末は 論理を裏切り 問題の新たな見方を与え 観客は笑いによって 驚きを表すのです
これは欺かれることの喜びです
ストーリーの重要な要素は それが 共有されるべく作られていることです
話さずにいられなくなるのです
私がパーティでマジックをすると・・・ 相手はすぐさま友達を引っ張ってきて もう一度見せてと言います
体験を共有したいのです
これは私の仕事を難しくします 彼らを驚かせようと思ったら 同じストーリーで始めながら 違った結末を見せる必要があります トリックに もうひとひねり 加えるわけです
こっちは大忙しです
専門家によると 楽しませ続けるためには ストーリーが相手の能力の上を行く必要があるそうです
私達は物語の枠組みの中で考えます
出来事や感情をつなぎ合わせ 容易に理解できるよう 直感で 1つの流れに変えるのです
これはとても人間的な行為です
私達はみんなストーリーを 共有したいと思っています パーティで見たマジックであれ 仕事でのひどい一日であれ 休日に見た美しい夕日であれ
今日ではテクノロジーのおかげで そういったストーリーをかつてなかった方法で共有できます メールに Facebookに ブログに ツイートに TED.comも
ソーシャルネットのツールは デジタルのキャンプファイアであり そのまわりに人々が集まって ストーリーに耳を傾けるのです
私達は事実を直喩や隠喩や ファンタジーに変えます
ギザギザな人生の縁を磨いて 全体として感じられるようにするのです
ストーリーは私達を本当の自分にし 時には なりたい自分にします
ストーリーは私達に アイデンティティを与え コミュニティの感覚を与えます
そしてストーリーが良いものであるなら それは私達を笑顔にするのです
ありがとうございました
ありがとうございます | It's a demonstration of augmented reality.
And the visuals you're about to see are not prerecorded.
They are live and reacting to me in real time.
I like to think of it as a kind of technological magic.
So fingers crossed.
And keep your eyes on the big screen.
Augmented reality is the melding of the real world with computer-generated imagery.
It seems the perfect medium and ask, why, in a technological age, we continue to have this magical sense of wonder.
Magic is deception, but it is a deception we enjoy.
To enjoy being deceived, an audience must first suspend its disbelief.
It was the poet Samuel Taylor Coleridge who first suggested this receptive state of mind.
Samuel Taylor Coleridge: I try to convey a semblance of truth in my writing to produce for these shadows of the imagination a willing suspension of disbelief that, for a moment, constitutes poetic faith.
MT: This faith in the fictional is essential for any kind of theatrical experience.
Without it, a script is just words.
Augmented reality is just the latest technology.
And sleight of hand is just an artful demonstration of dexterity.
We are all very good at suspending our disbelief.
We do it every day, while reading novels, watching television or going to the movies.
We willingly enter fictional worlds where we cheer our heroes and cry for friends we never had.
Without this ability there is no magic.
It was Jean Robert-Houdin, France's greatest illusionist, who first recognized the role of the magician as a storyteller.
He said something that I've posted on the wall of my studio.
Jean Robert-Houdin: A conjurer is not a juggler.
He is an actor playing the part of a magician.
MT: Which means magic is theater and every trick is a story.
The tricks of magic follow the archetypes of narrative fiction.
There are tales of creation and loss, death and resurrection, and obstacles that must be overcome.
Now many of them are intensely dramatic.
Magicians play with fire and steel, defy the fury of the buzzsaw, dare to catch a bullet or attempt a deadly escape.
But audiences don't come to see the magician die, they come to see him live.
Because the best stories always have a happy ending.
The tricks of magic have one special element.
They are stories with a twist.
Now Edward de Bono argued that our brains are pattern matching machines.
He said that magicians deliberately exploit the way their audiences think.
Edward de Bono: Stage magic relies almost wholly on the momentum error.
The audience is led to make assumptions or elaborations that are perfectly reasonable, but do not, in fact, match what is being done in front of them.
MT: In that respect, magic tricks are like jokes.
Jokes lead us down a path to an expected destination.
But when the scenario we have imagined suddenly flips into something entirely unexpected, we laugh.
The same thing happens when people watch magic tricks.
The finale defies logic, gives new insight into the problem, and audiences express their amazement with laughter.
It's fun to be fooled.
One of the key qualities of all stories is that they're made to be shared.
We feel compelled to tell them.
When I do a trick at a party -- that person will immediately pull their friend over and ask me to do it again.
They want to share the experience.
That makes my job more difficult, because, if I want to surprise them, I need to tell a story that starts the same, but ends differently -- a trick with a twist on a twist.
It keeps me busy.
Now experts believe that stories go beyond our capacity for keeping us entertained.
We think in narrative structures.
We connect events and emotions and instinctively transform them into a sequence that can be easily understood.
It's a uniquely human achievement.
We all want to share our stories, whether it is the trick we saw at the party, the bad day at the office or the beautiful sunset we saw on vacation.
Today, thanks to technology, we can share those stories as never before, by email, Facebook, blogs, tweets, on TED.com.
The tools of social networking, these are the digital campfires around which the audience gathers to hear our story.
We turn facts into similes and metaphors, and even fantasies.
We polish the rough edges of our lives so that they feel whole.
Our stories make us the people we are and, sometimes, the people we want to be.
They give us our identity and a sense of community.
And if the story is a good one, it might even make us smile.
Thank you.
Thank you. | {
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子供の頃は ロボットが私たちと交流し合い 私たちを助け 信頼できるパートナーとなるというアイディアが大好きでした 私たちを喜ばせ 人生を豊かにしてくれたり 銀河の一つか二つ救う手助けをしてくれるのです
そのようなロボットは実在しないことは知っていましたが それを作りたいと強く思っていました
20年後 私はMITの大学院生となり 人工知能を勉強していました 時代は1997年です NASAが火星に始めてロボットを着陸させた年でした
でも皮肉なことに ロボットはまだ私たちの家にはいませんでした
なぜそういう結果となったのか その理由について考えていたのを覚えています
でも何より衝撃的だったことは
ロボット工学が物とのやりとりにのみ注力されていたことです 人とではありません これは間違いなく 社会的に日常生活において 人々がロボットを受け入れる 手助けとなる方法ではありませんでした
私にとって それがまだロボットたちにできていない分野でした
そこでその年に このロボット キスメットの製作に取りかかりました 世界で最初の社会的なロボットです
3年後 多くのプログラミングと 研究室の他の大学院生との作業によって キスメットが人と交流し始める準備が整いました
科学者:君に見せたい物があるんだ
キスメット:(言葉) 科学者:この時計は僕の彼女がくれたものなんだ
キスメット:(言葉) 科学者:見てごらん 中に小さな青い光が光ってるでしょ
今週は 気が変になりそうだったよ
シンシア・ブリジール:キスメットは人と まったく話せない もしくはまだ話せない子供のように接します 今までに類を見ないものであったので ひとまずこれでよしとしました
言葉はしゃべりませんが 大したことではありません
この小さなロボットは どういうわけか 私たちの奥底にある社会的な何かを引き出してくれました これによって まったく新しい方法で ロボットと交流する展望が開けたのです
数年前から今にかけて 私はロボットによる対人的側面について メディアラボの自分の研究室に在籍する 非常に才能ある学生達と共に探求し続けています
私のお気に入りのロボットはレオナルドです
レオナルドはスタン・ウィンストン・スタジオと共同で開発しました
レオとの特別なひと時を皆さんにお見せしたいと思います
レオと接しているのはマット・ベルリンです レオに新しい物体を紹介しています
新しいため レオはどうしたらいいのか判断できません
でも 私たちと同じように 彼も マットの反応を見ながら学習が可能です
マット・ベルリン:やあ レオ
レオ これはクッキーモンスターだよ
クッキーモンスターを探せるかな?
レオ クッキーモンスターはとても悪い奴なんだよ
彼はとても悪い奴だ レオ
クッキーモンスターはとてもとても悪い奴さ
彼は怖いモンスターだよ
君のクッキーを取り上げたいんだ
CB:ええ レオとクッキーとの 初顔合わせは若干難があったようですが 今はとても仲良くしています
これらを作り上げることで 学んだこととしては ロボットは実際に 魅力的な社会的技術であるということです 彼らは実際に 私たちの社会的なボタンを押し まるでパートナーのように接してくれます それが彼らの中心となる機能なのです
そのように考えを変えることで 私たちはロボットに対して今まで考えたことがなかった 新しい問いかけや可能性を想像することが可能になりました
でも「私たちの社会的なボタンを押す」事とは何でしょうか?
私たちが学んだものの一つとして 同じボディ・ランゲージを使い 私たちと コミュニケートできるようにロボットをデザインしたら 例えばこの人形ロボットのネクシーのように 人が使う言葉にならない仕草を使えるようにしたら 人々はロボットに対して人と同じように 反応するようになることを発見しました
人々はこれらの仕草を使って 相手にどれだけ説得力があるか どれだけ好きか どれだけ魅力的か どれだけ信用できるかを判断するために使います
どうやらロボットにも同じことが言えそうです
実際にはロボットは 人間の行動を理解するためのとても興味深い
新規の科学的ツールになりつつあります 例えばこのような問いに答えようとしています 一瞬の出会いから相手の信用度をどのように評価するのか?
人をまねることで理解の一翼を担うと信じられていますが どのように?
特定の仕草のものまねがそんなに重要なのか?といった問いです
どうやらこれらの問いに対して 人への観察から学び 理解するのは困難なことが分かりました なぜなら 私たちは人と交流する際 自然とこのような仕草を行うからです
無意識で行うため 制御することはできません
でもロボットなら制御が可能なのです
この動画はノースイースタン大学の デービッド・デステノ研究室で撮影されました
彼は共同研究先の心理学者です
この問いについて研究するため ネクシーの仕草を 制御している科学者が実際にいます
これがなぜ上手くいくかというと 人はロボットと接する時でも
人として接するからです このような見識によって ロボットの新しい利用方法を
考え始められるようになりました 例えば もしロボットが私たちの言葉にならない仕草に反応したら 非常にクールで新しいコミュニケーション技術となるでしょう
想像してみてください 携帯電話用のロボットアクセサリーはどうでしょう?
友達に電話し 彼女が電話をロボットに取り付けると ジャーン!ミーボットの完成です 友達と話すことはもちろん アイコンタクトもできます 動き回ることもできますし ジェスチャーを行うこともできます 実際に その場にいるみたいですよね?
この問いを探求するため 私の学生のシギー・アダルゲリソンは 私たちの研究室の外にいる研究協力者と 共同作業を行ってくれる 参加者を研究室に集めました
この作業には 例えば テーブル上に設置された物を見て 特定の作業を行う上で それぞれの重要性や関連性を議論することが含まれます 最終的には お互いがどれだけ相手を 信頼できたか評価しました
研究室の外にいた研究協力者は私たちの研究室のメンバーで 彼らは3つの異なる技術を使って 参加者とやり取りしました
ひとつは ただのスクリーンを使用したものです
現在のビデオ会議と同じですね
次は スクリーンに移動能力を追加したものです
これは テレプレゼンスロボットを知っている方にとって とても見覚えのある光景でしょう
最後に 表現豊かなミーボットです
やり取りのあと 実験参加者に 研究室の外にいた研究協力者との それぞれの技術を利用した
交流の質を評価してもらいました 私たちは 相手に対してどれくらい共感できたか
その心理的関与について見てみました 全体的な関わりや
協力への欲求について見てました
そしてこれが スクリーンのみを使用した時の場合です
テーブル上を動き回れる移動能力を追加すると もう少し評価が高くなります
表現を豊かにすると さらに評価が高くなります
このように移動能力や表現力を取り入れることは 実際にはとても効果があるようです
それではこれをもう少し具体化させましょう
現代において 家族は互いにますます遠くに住むようになり 家族関係や絆に対して確実に 悪影響を及ぼしています
私の場合 3人の小さな男の子がいますが 彼らと祖父母にはとても良い関係を 築いてもらいたいと考えています
しかし 私の両親は数千マイルも遠くに住んでおり あまりお互い会える機会がありません
Skypeや電話は かけたりしますが 子供達はまだ小さく しゃべるよりも 遊びたい年頃です
彼らはロボットを遠くでも遊べる 新しい技術として好意的にとらえてくれています
そこで今からそう遠くない未来を私はこんな形で想像します 私の母はコンピューターの前に座って ブラウザーを立ち上げ 小さなロボットに接続します
するとおばあちゃんロボットは 私の息子達である孫達と 現実世界において 本物の彼らのおもちゃで一緒に遊べるのです
私の祖母が 孫娘や友達と遊び 家の中で 寝る前におとぎ話を聞かせたりするなど 様々なことを行う事ができると想像できます
この技術を通して 現在では実現ができないような形で 彼らの孫の日常に積極的に 参加することが可能になるのです
それでは 他の領域に目を向けて見ましょう 医療を例にあげます
現在 アメリカ合衆国では 65%以上の人々が肥満であり 子供達にとっても大きな問題となっています
年を重ねるにつれて 若いうちから肥満である場合 慢性的な疾患として 日常生活の質を損なうばかりか 医療サービス制度に大きな経済的負担がかかることに気づきます
でも もしロボットが魅力的で 彼らと協力しあうことができ 説得力があるものであれば ロボットが人々のダイエットや運動を 管理してくれるかもしれません 人々の体重管理をしてくれるかもしれないのです 有名なおとぎ話に出てくる
ジミニーのデジタル版みたいなものです とても親切な存在で 健康的な習慣を身につける上での 正しい判断を 適切な方法で 時間内に行う手助けをしてくれるのです
そこで実際にこのアイディアを試してみました
このロボットは オートムと言います
コーリー・キッドが博士課程の研究でこのロボットを開発しました
ダイエットや運動のコーチ用のロボットとしてデザインされました
簡単な言葉にならない仕草を行うことが可能です
人とアイコンタクトすることができます
下の画面を見て情報を共有することができます
スクリーン上のインターフェースに対して 例えば その日どれくらいのカロリーを摂取したか どれくらい運動したかといった情報を入力します
すると それらの情報を追う手助けをしてくれるのです
運動させるために ロボットは合成音声で トレーナーと患者とのやり取りを手本に 作られた指導に関するせりふを しゃべり始めます
そして 指導用のせりふを通して 協調関係を築こうとするのです
目標の設定や進捗を記録してくれたり やる気を出させてくれるのです
ここで問われている興味深い質問は 社交的な機能の実装に意味があるのか?ロボットであることに意味があるのか?
提供するアドバイスと情報の質のみが重要なのか?といったことです
それらの問いに答えるために ボストンエリアで 3つの異なる内容を数週間にかけて それぞれの人々の家で実験を行いました
1つ目はロボットのオートムです
次は 同じタッチ・スクリーンインターフェースと 同じ会話内容を表示するコンピュータです
アドバイスの質はいずれも同じです
3つ目はただのペンとメモ用紙です これは ダイエットや運動プログラムを始める時に
大抵利用するものだからです 私たちが最も注目していたのは どれだけ人々が体重を落としたかではなく 実際にどれだけ長くロボットとやり取りしたかです
なぜなら体重を落とす事よりも 維持することが課題であり
これらの対象と長くやり取りするほど それだけの期間うまくいっていることを意味するからです
そこで私はまず始めに どれだけ長く これらの対象と人々がやり取りできたのか確認しました
どうやら人々はアドバイスの質が コンピュータと同等であったにも関わらず
ロボットとより長くやり取りをしていることが分かりました 協調関係の質について評価を人々にお願いした所 人々はロボットに対して他よりも高く評価し 信頼していていたようです
感情的な関わりに目を向けると まったく異なっていました
人々はロボットを名付けます
彼らはロボットに服を着せます
しかも 学習の後にロボットを回収しに来た時も 彼らは車から出てロボットにさよならを言いに来るのです
コンピュータの場合はこんな対応はありませんでした
最後にお話したいのは 未来の子供のメディアについてです
現在 子供達はテレビにせよ コンピュータ・ゲームにせよ 多くの時間を画面の前で過ごしています
私の息子達は本当に画面が大好きです
でも私は母親として 彼らに現実世界で遊んで欲しいと 思っています
そこで今日は 私のグループの新しいプロジェクトである プレイタイム・コンピューティングをご紹介します これは デジタルメディアにおいて 人を引きつけるものとは何か 真剣に考え それらを画面上から子供の現実世界に 文字通り引っ張りだして 現実世界の様々な遊びの特性を持たせることを目的にしています
これはこのアイディアを初めて試した時のものです キャラクターは物理的でも仮想的でもよく デジタルコンテンツは 画面上から抜け出して 現実世界を行き来します
私はこの 現実と仮想が混じりあった遊びを アタリ社のポンのように捉えたいと思います
しかもこのアイディアは更に広げることができます
もし (ゲーム)ネーサン:きたよ ほら!
CB:キャラクター自体が皆さんの世界に現れたらどうですか?
どうやら子供達は キャラクターが現実化することを喜ぶようです
そして現実化した時 彼らはスクリーン上で行っていた遊びとは 根本的に異なる方法で遊ぶことができます
次に重要なのは キャラクターによる現実との間の継続性についてです
子供が現実世界で起こす変化は 仮想世界でも反映される必要があります
ここでは ネーサンが文字Aを数字2に変更しています
このような記号はキャラクターが仮想世界に 戻った際に特殊な力を与えるものと考えてください
彼らはこれからキャラクターを元の世界に戻してます
これで数字の力を得ました
私がここで行おうとしているのは まるでその物語の一部となり 子供達が没入できる 体験を作り出す事です
そして私が小さな頃に『スターウォーズ』をみて
感じたことと同じく 彼らの創作意欲をかき立てたいのです 更にもう一歩踏み込んで
彼らにそれらの体験を創造してほしいと思っています
文字通り彼らの想像力を元に このような体験を作り出して欲しいのです
このように テレプレゼンスや合成現実を通して 子供達のアイディアをこの空間に反映させ 他の子供達が遊んだり それらを元に新しいものを
作れる様々なアイディアをご紹介してきました 想像力や学習力 イノベーション性を育てる
子供のための新しいメディアを切に用意したいと考えています これはとても重要なことだと思います
そこでこの新しいプロジェクトを発足しました
このような空間に多くの子供達を招待し 彼らにはなかなか好評でした
でもこれだけは言えます 彼らが最も愛していたのは ロボットです
彼らが関心を持っていたのがロボットでした
ロボットは私たちの人間らしさを呼び起こしてくれます
私たちの想像力を 底上げしてくれたり 遠く離れていても人との繋がりを より強く感じられるようにしてくれたり 自分が目指す個人的な目標を達成するための 信頼出来るパートナーとなってくれるなど 様々な面がある中で 私にとってロボットとは人々のためのものだと思っています
ありがとうございました | And as a little girl, I loved the idea of a robot that interacted with us much more like a helpful, trusted sidekick -- something that would delight us, enrich our lives and help us save a galaxy or two.
I knew robots like that didn't really exist, but I knew I wanted to build them.
So 20 years pass -- I am now a graduate student at MIT studying artificial intelligence, the year is 1997, and NASA has just landed the first robot on Mars.
But robots are still not in our home, ironically.
And I remember thinking about all the reasons why that was the case.
But one really struck me.
Robotics had really been about interacting with things, not with people -- certainly not in a social way that would be natural for us and would really help people accept robots into our daily lives.
For me, that was the white space; that's what robots could not do yet.
And so that year, I started to build this robot, Kismet, the world's first social robot.
Three years later -- a lot of programming, working with other graduate students in the lab -- Kismet was ready to start interacting with people.
Scientist: I want to show you something.
Kismet: Scientist: This is a watch that my girlfriend gave me.
Kismet: Scientist: Yeah, look, it's got a little blue light in it too.
I almost lost it this week.
Cynthia Breazeal: So Kismet interacted with people like kind of a non-verbal child or pre-verbal child, which I assume was fitting because it was really the first of its kind.
It didn't speak language, but it didn't matter.
This little robot was somehow able to tap into something deeply social within us -- and with that, the promise of an entirely new way we could interact with robots.
So over the past several years I've been continuing to explore this interpersonal dimension of robots, now at the media lab with my own team of incredibly talented students.
And one of my favorite robots is Leonardo.
We developed Leonardo in collaboration with Stan Winston Studio.
And so I want to show you a special moment for me of Leo.
This is Matt Berlin interacting with Leo, introducing Leo to a new object.
And because it's new, Leo doesn't really know what to make of it.
But sort of like us, he can actually learn about it from watching Matt's reaction.
Matt Berlin: Hello, Leo.
Leo, this is Cookie Monster.
Can you find Cookie Monster?
Leo, Cookie Monster is very bad.
He's very bad, Leo.
Cookie Monster is very, very bad.
He's a scary monster.
He wants to get your cookies.
CB: All right, so Leo and Cookie might have gotten off to a little bit of a rough start, but they get along great now.
So what I've learned through building these systems is that robots are actually a really intriguing social technology, where it's actually their ability to push our social buttons and to interact with us like a partner that is a core part of their functionality.
And with that shift in thinking, we can now start to imagine new questions, new possibilities for robots that we might not have thought about otherwise.
But what do I mean when I say "push our social buttons?"
Well, one of the things that we've learned is that, if we design these robots to communicate with us the same sort of non-verbal cues that people use -- like Nexi, our humanoid robot, is doing here -- what we find is that people respond to robots a lot like they respond to people.
People use these cues to determine things like how persuasive someone is, how likable, how engaging, how trustworthy.
It turns out it's the same for robots.
that robots are actually becoming a really interesting new scientific tool to understand human behavior.
To answer questions like, how is it that, from a brief encounter, we're able to make an estimate of how trustworthy another person is?
Mimicry's believed to play a role, but how?
Is it the mimicking of particular gestures that matters?
It turns out it's really hard to learn this or understand this from watching people because when we interact we do all of these cues automatically.
We can't carefully control them because they're subconscious for us.
But with the robot, you can.
And so in this video here -- this is a video taken from David DeSteno's lab at Northeastern University.
He's a psychologist we've been collaborating with.
There's actually a scientist carefully controlling Nexi's cues to be able to study this question.
And the bottom line is -- the reason why this works is even when interacting with a robot.
So given that key insight, we can now start to imagine new kinds of applications for robots.
For instance, if robots do respond to our non-verbal cues, maybe they would be a cool, new communication technology.
So imagine this: What about a robot accessory for your cellphone?
You call your friend, she puts her handset in a robot, and, bam! You're a MeBot -- you can make eye contact, you can talk with your friends, you can move around, you can gesture -- maybe the next best thing to really being there, or is it?
To explore this question, my student, Siggy Adalgeirsson, did a study where we brought human participants, people, into our lab to do a collaborative task with a remote collaborator.
The task involved things like looking at a set of objects on the table, discussing them in terms of their importance and relevance to performing a certain task -- this ended up being a survival task -- and then rating them in terms of how valuable and important they thought they were.
The remote collaborator was an experimenter from our group who used one of three different technologies to interact with the participants.
The first was just the screen.
This is just like video conferencing today.
The next was to add mobility -- so, have the screen on a mobile base.
This is like, if you're familiar with any of the telepresence robots today -- this is mirroring that situation.
And then the fully expressive MeBot.
So after the interaction, we asked people to rate their quality of interaction with the technology, with a remote collaborator through this technology, in a number of different ways.
We looked at psychological involvement -- how much empathy did you feel for the other person?
We looked at overall engagement.
We looked at their desire to cooperate.
And this is what we see when they use just the screen.
It turns out, when you add mobility -- the ability to roll around the table -- you get a little more of a boost.
And you get even more of a boost when you add the full expression.
So it seems like this physical, social embodiment actually really makes a difference.
Now let's try to put this into a little bit of context.
Today we know that families are living further and further apart, and that definitely takes a toll on family relationships and family bonds over distance.
For me, I have three young boys, and I want them to have a really good relationship with their grandparents.
But my parents live thousands of miles away, so they just don't get to see each other that often.
We try Skype, we try phone calls, but my boys are little -- they don't really want to talk; they want to play.
So I love the idea of thinking about robots as a new kind of distance-play technology.
I imagine a time not too far from now -- my mom can go to her computer, open up a browser and jack into a little robot.
she can now play, really play, with my sons, with her grandsons, in the real world with his real toys.
I could imagine grandmothers being able to do social-plays with their granddaughters, with their friends, and to be able to share all kinds of other activities around the house, like sharing a bedtime story.
And through this technology, being able to be an active participant in their grandchildren's lives in a way that's not possible today.
Let's think about some other domains, like maybe health.
So in the United States today, over 65 percent of people are either overweight or obese, and now it's a big problem with our children as well.
And we know that as you get older in life, if you're obese when you're younger, that can lead to chronic diseases that not only reduce your quality of life, but are a tremendous economic burden on our health care system.
But if robots can be engaging, if we like to cooperate with robots, if robots are persuasive, maybe a robot can help you maintain a diet and exercise program, maybe they can help you manage your weight.
Sort of like a digital Jiminy -- as in the well-known fairy tale -- a kind of friendly, supportive presence that's always there to be able to help you make the right decision in the right way at the right time to help you form healthy habits.
So we actually explored this idea in our lab.
This is a robot, Autom.
Cory Kidd developed this robot for his doctoral work.
And it was designed to be a robot diet-and-exercise coach.
It had a couple of simple non-verbal skills it could do.
It could make eye contact with you.
It could share information looking down at a screen.
You'd use a screen interface to enter information, like how many calories you ate that day, how much exercise you got.
And then it could help track that for you.
And the robot spoke with a synthetic voice to engage you in a coaching dialogue modeled after trainers and patients and so forth.
And it would build a working alliance with you through that dialogue.
It could help you set goals and track your progress, and it would help motivate you.
So an interesting question is, does the social embodiment really matter? Does it matter that it's a robot?
Is it really just the quality of advice and information that matters?
To explore that question, we did a study in the Boston area where we put one of three interventions in people's homes for a period of several weeks.
One case was the robot you saw there, Autom.
Another was a computer that ran the same touch-screen interface, ran exactly the same dialogues.
The quality of advice was identical.
And the third was just a pen and paper log, because that's the standard intervention you typically get when you start a diet-and-exercise program.
So one of the things we really wanted to look at was not how much weight people lost, but really how long they interacted with the robot.
Because the challenge is not losing weight, it's actually keeping it off.
And the longer you could interact with one of these interventions, well that's indicative, potentially, of longer-term success.
So the first thing I want to look at is how long, how long did people interact with these systems.
It turns out that people interacted with the robot even though the quality of the advice was identical to the computer.
When it asked people to rate it on terms of the quality of the working alliance, people rated the robot higher and they trusted the robot more.
And when you look at emotional engagement, it was completely different.
People would name the robots.
They would dress the robots.
And even when we would come up to pick up the robots at the end of the study, they would come out to the car and say good-bye to the robots.
They didn't do this with a computer.
The last thing I want to talk about today is the future of children's media.
We know that kids spend a lot of time behind screens today, whether it's television or computer games or whatnot.
My sons, they love the screen. They love the screen.
But I want them to play; as a mom, I want them to play, like, real-world play.
And so I have a new project in my group I wanted to present to you today called Playtime Computing that's really trying to think about how we can take what's so engaging about digital media and literally bring it off the screen into the real world of the child, where it can take on many of the properties of real-world play.
So here's the first exploration of this idea, where characters can be physical or virtual, and where the digital content can literally come off the screen into the world and back.
I like to think of this as the Atari Pong of this blended-reality play.
But we can push this idea further.
What if -- Nathan: Here it comes. Yay!
CB: -- the character itself could come into your world?
It turns out that kids love it when the character becomes real and enters into their world.
And when it's in their world, they can relate to it and play with it in a way that's fundamentally different from how they play with it on the screen.
Another important idea is this notion of persistence of character across realities.
So changes that children make in the real world need to translate to the virtual world.
So here, Nathan has changed the letter A to the number 2.
You can imagine maybe these symbols give the characters special powers when it goes into the virtual world.
So they are now sending the character back into that world.
And now it's got number power.
And then finally, what I've been trying to do here where they really feel like they are part of that story, a part of that experience.
the way mine was sparked as a little girl watching "Star Wars."
But I want to do more than that.
I actually want them to create those experiences.
I want them to be able to literally build their imagination into these experiences and make them their own.
So we've been exploring a lot of ideas in telepresence and mixed reality to literally allow kids to project their ideas into this space where other kids can interact with them and build upon them.
I really want to come up with new ways of children's media that foster creativity and learning and innovation.
I think that's very, very important.
So this is a new project.
We've invited a lot of kids into this space, and they think it's pretty cool.
But I can tell you, the thing that they love the most is the robot.
What they care about is the robot.
Robots touch something deeply human within us.
And so whether they're helping us to become creative and innovative, to feel more deeply connected despite distance, or whether they are our trusted sidekick who's helping us attain our personal goals in becoming our highest and best selves, for me, robots are all about people.
Thank you. | {
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騎士たちの追跡を振り切り、俺は再び首都ラウムへと戻った。
森という立地と隠密のギフトを利用すれば、こういった探索の素人の目をごまかすことくらい、わけはない。
とりあえず俺はマクスウェルの屋敷へと向かう。今回判明したことは、報告しておく必要があるだろう。
ニコルとしても、今夜はマクスウェルの屋敷で保護されることになっている。その事実はコルティナにも伝わっているはずだ。
「おう、おかえりニコル嬢......誰だ、お前?」
「出迎えご苦労。マテウス、だったか?」
とこいつは初対面という扱いになるだろうから、俺は白々しく初対面を装って挨拶しておいた。
だがマテウスも留守を預かる身だ。初対面の見知らぬ男が訪れれば、警戒もする。
腰の剣に手を伸ばすマテウスを見て、俺は少し悪戯心が沸いてきた。
結局リッテンバーグはほとんど身体を動かすことなく始末してのけた。クファルとの戦闘も、相性的な面でほとんど圧勝といっていい。
つまり、今の俺の戦闘力を十全に発揮した経験は、まだない。
「爺さんの知り合いだよ」
「知り合いって言い方が卑怯だよなぁ。敵だって知り合いの内に入るぜ?」
この問いには答えず、代わりにニヤリと笑って見せた。あえてマテウスに勘違いを誘発する態度である。
腰の剣を勢いよく引き抜き、抜き打ちで俺に斬り掛かってくる。その速度は容赦の欠片もない。
だが今の俺にとって、その剣撃はあまりにも遅い。
右の抜き打ちを半身になって躱し、左の斬撃は刃の腹を叩いて逸らす。
対して俺は体の流れたマテウスの足に向かってローキックを放つが、これはさすがに避けられる。
だがそれくらいやれるのは予想通り。その勢いを殺さずさらに腕を振って半回転し、後ろ回し蹴りを放った。
崩れた体勢に下から上への攻撃の変化。これについてこれず、マテウスは受けきれずに攻撃を受けた。
しかしその足が急に止まる。
「油断も隙もねぇなぁ、兄さん?」
「そう言うお前も、よく気付いたもんだ」
「......わかった、俺の負けだ。まったく、また負けだよ。最近のラウムはバケモノ揃いかよ?」
その糸は背後のドアの取っ手を経由していたため、あのまま突っ込んでくれば、マテウスの首が締め上げられていたことだろう。
「だけどよ、俺も一応留守を預かってる身なんだ。せめて名前くらい教えてくれないもんかねぇ?」
「ああ、挑発する真似をして悪かったな。俺の名はレイドだ」
ほんの一瞬のやり取りだったが、マテウスの重い一撃を片手で払いのけられたことや、容易に見切ることができたので、満足している。
やはりこの身体ならば、マテウスくらいの相手には後れを取ることは無い。
しばらくしてマクスウェルが帰宅し、マテウスに案内された俺はクファルについて報告することにした。
早くも帰還していた俺に、マクスウェルは少し驚いたような顔をして見せたが、前世の俺を知る爺さんはさもありなんと納得し、気を取り直して話を聞くために応接間に移動した。
「というわけで、クファルは前世の神父の生まれ変わりでスライムだった」
「いや、さっぱり分からんから、最初から丁寧に説明せんか」
「それがな......」
メンドクサイがこいつの判断に間違いはあまりないので、ここは爺さんが納得するまで説明することにした。
奴が北の地にあるらしい地脈の影響を受けて自我を芽生えさせる下地を持ち、そして転生前の意識を取り戻したと聞いて、マクスウェルはさすがに驚愕を露わにしていた。
「なんと、そのようなことが......いや、お主が目の前におらねば、一笑に付していたかもしれんなぁ」
「転生って意味じゃ同じかもしれんが、俺と奴じゃ根本的に違うぞ。俺はマリアの魔法によって生まれ変わったんだからな」
「そういう意味では奴は天然物の転生者ということになるか。貴重な存在ではあるな」
「これをコルティナにどう伝えるかは、爺さんに任せるよ。それと今日
「それは......前はともかく後のは勘弁してもらいたいのぅ。乙女のヒステリーは手に負えんのじゃ」
「といっても、変装しておかねぇと、ニコルの仕業って知られちまうから、仕方ないだろう?」
だがミシェルちゃんの両親となると話は違う。彼らは俺の顔を見知っているため、大人を寄せ付けないほどの強さを見せた場合、怪しまれる可能性もある。
幻覚の魔法でごまかすのもよかったかもしれないが、救出となると直接接触する危険性もあったので、ここはあえて
を使うから......」
「言うな。後になって必要なかったかと思わなくもなかったんだ」
これはここ数か月で何度も経験した痛みだ。つまり、元に戻る時の苦痛。
「くっ、時間切れか......マクスウェル、頼む......」
「服か? しばし待っておれ」
歯を食いしばって、俺は後をマクスウェルに頼む。それを聞いてマクスウェルは応接室を飛び出していった。
さすがに何度も経験しているので、気絶するのは耐えれるようになっているが、それでも身動きは取れなくなる。
今着ている従士服は元の身体にはサイズが合わないため、着替えは必須である。いや、目の前にいるのはマクスウェルだけなので、別に素っ裸でも構わないのではあるが。
俺が変化を終えたと同時に、マクスウェルが預かっていてくれた制服を持ってきてくれた。
「いやはや、淑女の道は遠そうじゃな」
「そんな道は歩んでねーし。いや、それはともかく」
の効果時間が来たせいで話の腰が折れてしまったが、今はクファルについてだ。
「確かにデンの例もあるし、スライムが異常進化する可能性は考えておらなんだわ」
「ああ。以前お前が冒険者ギルド内で魔法が使えないのに変装した犯人がいたと言っていたな。あれも多分、クファルなんだろう」
「スライム系のモンスターが持つ擬態の能力を利用して変装したということか。知恵を持つと厄介なモンスターと化すものじゃな」
「それとこの間のクラウドが見つけた毒......」
「ディジーズスライムの破片じゃったな。北部で討伐履歴は残されておらなんだはず」
北部に出現したスライムのレア種。それは討伐されることなく姿を消している。
そしてそのモンスターが持つ同様の毒がこのラウムに撒かれ、同時にスライムに転生したクファルが現れた。奴は半魔人の地位向上を魔神召喚によって成し遂げようとしており、同様の目的を持ち、同様の手段を用いる集団も現れている。
これをつなげて考えない方がおかしい。
そう考えると、クファル本人がいっていたように、奴が俺の死のきっかけを作ったあの神父であるという主張にも説得力も出てくる。
「お主を死に追いやった者がまた敵に回るか。なんとも......奇縁としか言えぬな」
「白いのがなんか仕込んでんじゃねぇかと思えてくるくらいにな」
「時にレイド、装備の方はどうなんじゃ? スライムというからには腐食毒も持っておるはずじゃ。あれほどの装備がダメになるのはさすがにしのびないぞ」
「そっちは大丈夫だ。邪竜の装備を使っているし、糸もミスリル製だからな。腐食毒くらいなら跳ね返せる。素材もさることながら、さすがアストというべきか。カタナの方は後で手入れしておくよ」
「ならばお主でもクファルに対して有効打は持てるということか。スライム系に物理打撃は効きづらいからのぅ」
もある。今の俺なら余裕で対処できるさ」
正体さえわかれば恐れるような相手じゃない。事態の先手さえ取らせなければ、対処はできるはずだ。
俺はそう確信を持って、断言していた。 | After shaking off the knights’ pursuit, I returned to the Capital Raum.
Using the forest terrain and Stealth Gift to my advantage, losing people who were amateurs at investigation was a trivial task.
For the time being, I decided to head to Maxwell’s mansion. I had to convey what I confirmed today.
Nicole was to be guarded in his mansion tonight. Cortina was aware of that already. Since the situation affected Michelle’s parents, there was nothing suspicious about me being protected by Maxwell, who was the biggest firepower of this city.
“Oh, welcome Nico-... Who’re you?”
“Thanks for the welcome. Mateus, was it?”
This was technically the first time I was meeting him as Reid, so I pretended that this was our first meeting.
However, Mateus was tasked with protecting the house, so it was natural that he would stay vigilant towards an unfamiliar man.
Seeing him reach for his sword, I felt like teasing him for a bit.
In the end, I didn’t get to move my body much when dealing with Lichtenberg. Even with Kufar, it was my overwhelming victory in terms of affinity.
In other words, I still haven’t had an opportunity to fully display my current power. With a tough guy like Mateus before me, I could do that just fine.
“I’m the old man’s acquaintance.”
“That’s quite a sneaky way of putting it. Even enemies are acquaintances, right?”
Instead of answering his question, I just revealed a meaningful smile. It was an attitude to get him to misunderstand it. And he easily took that bait.
He forcefully pulled out his swords and attacked me right away. The speed he put into it showed that he was not holding back at all.
However, for the current me, those slashes were awfully slow.
I dodged his left slash by shifting sideways, and hit his right slash at the blade’s base, turning it away.
In response, I sent a low kick towards his shifted leg, but he avoided it as expected.
That was within my calculations, however. Instead of killing my momentum, I swung my arm on top, did a half-rotation, and added a backward roundhouse kick.
Switching from low to high attack while his posture was broken proved to be too much for him to react to and he took the attack on.
That said, he wasn’t so bad to take that hit directly. Thus, he stopped my kick with his shoulder, and decided to charge at me. But his feet suddenly stopped.
“You really have no openings, huh, mister?”
“You did well to notice it yourself.”
“...Alright, it’s my loss. Come on, I lost again? Why is Raum so filled with monsters lately?”
Mateus, who shrugged his shoulders with those words, had a thread coiled around his neck. The thread was going over the doorknob, so if he had charged earlier, it would have strangled him.
“Still, I was charged with protection. Couldn’t you tell me your name at least?”
“Yeah, sorry for provoking you earlier. I’m Reid.”
It was just a momentary exchange, but I managed to easily ward Mateus’ heavy attack away with one hand and capture all his movements, so I was satisfied.
As expected, someone on Mateus’ level was no opponent for me in this body. Confirming that fact alone was a good enough result.
After a short while, Maxwell returned home, and after being guided by Mateus, I reported the situation about Kufar to him.
Maxwell looked a little surprised to see me return so soon, but quickly collected himself, thinking that it was possible knowing the former me, and we moved to a different room for discussion.
“So yeah, Kufar turned out to be the reincarnation of the priest from my previous life, and a Slime.”
“Wait, I am not following you, so explain it from the start.”
“Well...”
Hearing my clear and concise explanation, Maxwell criticized me. It was bothersome, but his judgment was usually correct, so I had no choice but to explain until he was satisfied.
After he heard that he had sprouted an ego under the influence of some Ley Line in the north, and remembered his previous life, Maxwell couldn’t help but be astonished.
“What, how can that be... If it was not you, I would have laughed it off as nonsense.”
“We both reincarnated similarly, but we are fundamentally different. I was reincarnated by Maria’s spell, after all.”
“In that case, he is a natural reincarnator huh. Quite a valuable existence.”
“Well, I leave how to convey this to Cortina to you old man. Also, I used the Polymorph scroll today, so tell her I can’t see her this month.”
“Oh dear... The first half aside, please do not make me say the second half. A maiden’s hysteria is beyond my hands.”
“Still, if I don’t disguise, she’ll realize what I’ve been doing as Nicole.”
If it was some unfamiliar uncle, I would have attacked in my original form. But this time it was different as the people concerned were Michelle’s parents. They both knew my face, so if I displayed strength that clearly exceeded an adult’s they would start suspecting things.
Maybe I could have deceived them with the Illusion Ring, but rescuing them was connected to the risk of physical contact, thus I chose to go with Polymorph instead.
“This happens because you use Polymorph without considering the situation...”
“Come on. Though I did think I wasted it at the end.”
As I was holding my head in regret, pain ran through my body. It was the same pain I have experienced several times over the past few months. In other words, the pain of reverting to my original body.
“Kh, I’m out of time huh... Maxwell, please...”
“Clothes? Give me a moment.”
I left the rest as I grit my teeth in pain. Hearing it, Maxwell rushed out of the reception room.
After experiencing it over and over, I could endure it without fainting, but I still couldn’t move. I asked him to get my clothes for me.
The underling solder clothes I was currently wearing were too big for my original body, so I needed to get changes. Well, it was just Maxwell, so I didn’t really mind staying buck naked either.
Just as I finished my transformation, Maxwell returned with my uniform. I languidly accepted them and started changing. Seeing how I didn’t care about being seen, Maxwell retorted in exasperation.
“Goodness, it seems your road as a lady is still long.”
“I’m not even walking that road. Leaving that aside...”
Our conversation got interrupted due to Polymorph’s time limit, but Kufar’s case was the focus now.
“There is certainly Den’s case, but I had not considered that a Slime would undergo abnormal evolution.”
“Yeah. You said there was a disguised culprit in the Adventurer’s Guild despite magic being sealed there. That was probably also Kufar.”
“So you are saying that he used the Slime’s characteristic mimicry skill to disguise himself? That is one troublesome monster when it possesses an intellect.”
“Also, the poison that Cloud found the other day...”
“Disease Slime fragment? There were no cases of it being subjugated recorded in the north.”
The rare species of Slime that appeared in the north. It had disappeared without being ever subjugated.
And then, the poison of that same monster had spread in Raum, and at the same time, Kufar, who was also a Slime, had appeared. He seemed to be trying to improve the Half-Demon’s standing in the society by summoning Devils, and there was also an organization with similar goals and methods.
It would be weirder to not make a connection among them.
In that case, Kufar’s claim that he was the same priest that became the reason of my death was quite convincing.
“So the same person that drove you to death became your enemy again? That is... Quite a strange coincidence.”
“To the point that I’m starting to think that it was part of Whitey’s scheme.”
“Incidentally, Reid, how is your equipment? A Slime should have been corrosive. It would be very sad for equipment of that quality to get ruined.”
“Everything’s fine on that end. It’s made with the Evil Dragon’s materials, and the threads are Mythril too. Corrosion can’t do anything to it. Materials play the part too, but Aste’s skill has to be praised as well. As for my katana, I’ll take care of it later.”
“So you hold the advantage over Kufar alone? Physical attacks are hardly effective against slimes as you know.”
“I have Enchant for that. The current me can deal with him easily.”
He wasn’t someone I needed to be afraid of as long as I knew his true form. As long as I didn’t get dragged into his trap, I could deal with him.
I declared fully convinced in my words. | {
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もうね、頭がおかしくなりそうだ。オル達のおバカな行為のおかげで、俺達は目下国家反逆罪に問われると言っても良い。王都の至宝であるレミリアさんをふん縛るなんて、公務執行妨害どころの話ではない。こんなことばれたら関係者は全員死刑台に送られてしまう。
いや、その前に王都の皆さんに袋叩きにあっちゃうのが先かな? テヘッ♪
オル達が勝手にやったことで、俺達は関係ないって主張しても無駄だろうね。きっと俺もティムも仲間と思われるだろう。というか主犯って邪神としておさまっている俺になるんじゃねぇ?
だが、こんな緊迫した状況だというのに、オルはまったく欠片も状況を理解していない。むしろオルは「すごいでしょ、ほめてほめて!」といった顔をしている。
ふぅ、こいつバカなの? アホなの?
すぐさまオルのアホ面をぶん殴ってやりたいが、それどころではない。なんとかこの状況を打開しないと。
俺はまじまじとレミリアさんを見つめる。
あの勇ましく気高いレミリアさんが、縄で縛られぐったりと横たわっている。
あぁ、なんて痛ましい姿なのだ。こんなおバカな奴らの虜になるなんて思いもしなかっただろう。こいつらに捕まるなんて、よっぽど魔族との戦闘が激しかったんだろうね。きっと体力値はゼロに近かったと思う。ところどころ出血がおびただしいし、重傷だ。
どれだけの激戦だったかが、窺える......。
ん!? というか、早く手当てしないと、まずくないかこれ?
今もどくどくと血が流れている。血の吹き溜まりがすごいことになっているよ。
や、やばい。レミリアさんが死んじゃう!
「ティム、急いで
「このエルフを治療するのですか?」
「そうよ、早く!」
「ふむ、わかりました」
「そ、そんな......せっかく捕らえた獲物を......」
「バカ者が! お姉様は、このエルフを使って何やら思惑があるのだ。オルティッシオ、貴様の出る幕ではない!」
「こ、これは思慮が足りず、申し訳ございません」
ティムがおバカな発言をしたオルを窘める。うん、ティムの言う通りだ。オルの奴、この期に及んで何をほざいてやがる。ティムが怒るのも当然だ。
でもね、ティム、叱るよりも先にレミリアさんを治療して。早くしないとレミリアさん、死んじゃうから。
「ティム、オルを叱るのは後回しよ。先に治療を始めて!」
ティムはレミリアさんに手をかざす。
おぉ、レミリアさんの傷が見る見る塞がっていく。やっぱりティムの特性は神聖魔法だ。将来は僧侶系のお仕事が天職なんじゃないかな。
そして......。
「お姉様、終わりました。じきに目が覚めるでしょう」
「ティム、ありがとう。助かったわ」
ふぅ~まず心。王都の至宝であるレミリアさんを死なせずに済んだ。俺の未来の恋人も無事、さらに言えば俺達の縛り首も免れたのである。
後は、レミリアさんが目を覚ました時のフォローだけど......。
どうしようか?
レミリアさんには、倒れていたから助けてあげたと言ったら万事解決かな......いや、ちょいと待て。確認しておかなければいけないことがあった。オル達がレミリアさんを縛り上げた時、レミリアさんに意識があったかだ。もしかして魔族との戦いで負傷し意識朦朧としながらも、レミリアさんがオル達の顔を見ていたら一大事だ。
「オル、と~っても大事な質問があるんだけど......」
「それじゃあ、ずばり聞くけど、縛り上げる時、顔を見られた?」
どうなの? まじでそこ重要なんだけど......下手したら指名手配ものだよ。
「もちろん顔は見られたに決まっています。何しろレミリアを倒したのは、我々なのですから」
くっ、そうだった。そう言うよね、こいつはそういう奴だった。これだからが過ぎるとろくなことにはならない。
でも、実際にどうなんだろう?
オルのセリフから判断するに、レミリアさんが気絶している時に縛り上げたと言うより、レミリアさんがふらふらで今にも倒れそうな時に襲撃した感じよね。
だとすると、やばくないかこれ?
このままレミリアさんが目覚めると、非常にまずい誤解が生じる。まぁ、襲ったのは誤解じゃないんだけど......。
とにかくレミリアさんがその時の状況を覚えていたら、俺達は逮捕されるのは間違いない。それどころか、これって魔族に協力したみたいな形だし、下手したら魔族の関係者だと勘違いされる可能性だってある。
もこの状況を全然理解していない。というか嬉々としていないか、こいつら?
「まずいですぜ。こちらに治安部隊が向かっているようでやす。おそらくレミリアの救援に来ているのでしょう」
おぉ、ミュー、そうよ。その通り! あなたは心のオアシスよ。あなただけはこの事態をわかってくれる唯一の存在。
「ミュッヘン、情報漏えいを心配しているなら、このエルフを始末してしまえば良い。後は吸血鬼共の仕業ということになるだろう」
「そうだな。人間側に我々の情報を漏らしたくなければ、それが一番だ」
「いや、それよりその救援部隊ごと始末しませんか?」
親衛隊の皆が、恐ろしいことをほざいている。確かに、確かに、それが一番証拠隠滅にもってこいだけど......。
やめなさい。ティムが本気にしたらどうするの? それより皆えらそうに言っているけど、レミリアさんが起きたらミューはともかく俺達は瞬殺だからね。
というか、俺の未来の恋人になんてこと言いやがる!
「皆、この状況がまずいことはわかったみたいね」
「ははっ。それでは我々はどう動きましょうか? 迎撃ですか? それともレミリアを始末することによる隠ぺいですか?」
「あのね~いい加減、そんなおバカな発言はやめなさい。というかティムが本気にするでしょうが!」
「そうでした。ティレア様は、そのエルフを使って何やら思惑があるのでした」
「そ、そうよ。とりあえずこの場は私が預かるわ。君達は速やかに解散、今日はゆっくり休んで英気を養ってね」
俺はそう言って皆と別れると、レミリアさんを背負い、一人で本陣に向かうことにした。だってね、これが一番いい方法だよ。皆がいると治安部隊の方々に何をしゃべるかわかったものじゃない。それにオル達の顔をレミリアさんが覚えていようものなら、今度は俺達が捕縛されちゃうしね。
俺は本陣にレミリアさんを連れていき、事のあらましを多少でっちあげるつもりだ。まず、オル達が縄で乱暴したことをレミリアさんが覚えていなければ御の字。そのまま倒れているレミリアさんを助けたと報告する。
覚えていた場合は、犯人をでっちあげる。レミリアさん自身も意識が朦朧としていたと思うし、俺が強く言えばきっと信じるはずだ。偽証なんて本当はいけないと思うが、ティムの一応、仲間であるオルが縛り首にでもなったら、さすがに寝覚めが悪いしね。適当に魔族がレミリアさんを襲っていたところを目撃したとでも言っておくか。
俺は本陣に着いたときに聞かれるであろう会話をシミュレートしながら歩く。
ひたすら歩く、歩く、ある......だ、だめだ集中できない。
だって、レミリアさんってすごく柔らかいんだもの!
俺の背中ごしに伝わる豊かな刺激。おぉおぉ、歩くたびに背中に当たって、へ、変な気持ちになっちゃう。
そ、それになんていい匂いなんだ!
あぁ、かぐわしい。こ、これがエルフ臭という奴か。なんという芳潤な香り! やみつきになりそう。前に何度か抱きついたが、今度はもっと長く密着しているから、より香りを堪能できている。
あぁ、だめだ。いけないと思いつつもクンカ、クンカしてしまう。クンカ~クンカ~なんていい匂いだ。
な、なんか前世を思い出してくる。井上、確かにエルフ臭というのは存在したよ。そして、どうやらお前の勝ちだ。
昔、会でエルフ臭について討議したことがあった。エルフの匂いとはどんなものか、俺と井上はあらゆる想像をはたらかせた。バラの匂いではないか、いやローズヒップだのホップだの言って、結局いろんな香水を使って俺達はエルフの匂いを作ってみた。
その中で井上......お前が作った匂いが一番近かったよ。さすがだ。さすが「エルフをこよなく愛する会」の会長なだけあった。本当にすごい。想像だけでよくわかったな。あの時は、俺も引かずに言い争っていたよな。俺もエルフに対する愛があったから譲れなかった。
だが、結論は出た。実証されたんだよ。
井上、お前がナンバーワンだ!
昔の遠い思い出を懐かしみながら、俺はレミリアさんをクンカクンカする。
......
............
..................
っておい! 何やってんだ俺!
こんな変態行為、これじゃオルのこと何も言えないぞ。いかん、本当に何やっている。こんなことばれたらティムにだって呆れられてしまう。
ふぅ、なんでだ? ことエルフ、レミリアさんのことになると、どうも自我が保てなくなる。レミリアさんを思う恋心のせいか? それとも前世、「エルフをこよなく愛する会」の副会長としての業がそれを為しているのか?
冷静にならなければ、そう冷静に......。
そうだよ。前世会でもよくこういう時どうすればいいか話してたじゃないか。そう、俺は前世会でエルフと二人きりの状況になったらどうするかしつこいくらい討議していたんだ。いつ異世界に飛ばされ、エルフと出会うかわからない。その時に冷静に対応できなくて、どうしてエルフを恋人にできようかと。
会長である井上は、よく言っていた......。
エルフに会った時はそう......。
「エルフは脱がぁああ――す!」
俺は、一瞬の早業でレミリアさんの衣服を剥ぎ取った。
......って違うだろ、井上!
しばし茫然としてしまう。
俺はただ前世での経験を活かし、冷静になろうと思っただけなのだ。だが、想像以上に俺はパニクっていたらしい。そこには、すっぽんぽんのレミリアさんの姿があった。
な、なんというあられもない姿。い、いかん、何を考えている!
何故、落ち着こうと思って、レミリアさんの衣服を脱がすのだ? 俺は何かに乗り移られているんじゃないか? まぁ、衣服を破かず、綺麗にたたんであるあたりはまだ理性は残っているようだけど。
と、とにかく、早く着せないと!
俺はレミリアさんに服を着せようとする。だが、焦る気持ちはあれど、その手はつい止まってしまう。
な、なんというプロポーション......。
ま、眩しい。こ、これは、まさに美のビィーナス。レミリアさんの完璧なプロポーション、染み一つない綺麗な体......。
あぁレミリアさん、あなたはなんでこう俺を魅了してやまないのか!
そ、そうだ。ティムが治療したけど、もしかしたら傷が残っているところがあるかもしれない。そ、そうだよ。一応、服を着せる前に確認しないとね。傷が残っていたら大変だもの。
俺はレミリアさんを隅々まで調べる。
おぉ、なんと美しい。
レミリアさんの完璧なプロポーションを上から下へと、見る! 触る! 嗅ぐ!
そして、幾許の時をそうしていただろうか......。
すみずみまで見ていた俺の目が、ぱっちりと開いたレミリアさんの目と合う。レミリアさんは不思議そうに俺を見ると、そのまま素早く立ち上がる。何やら不審げな目つきで俺を睨むレミリアさん。
やばい、やばい!
これってオル以上の危機なんじゃないの?
俺のバカ、バカ、なんて破廉恥な行為をしたんだ。今更ながらに後悔する。だらだらと冷や汗が出てきた。
「ティレアだったな。つかぬことを聞く」
「は、はい」
「何故、私は裸なのだ?」
「さ、さぁ~全裸待機しておられたのでは?」
「ティレア、私は冗談が嫌いなのだ」
「は、はい。す、すいません、私が脱がしました」
「何故だ?」
「何故ってねぇ~なんででしょう? 私が聞きたいくらいです」
「理由はない......と?」
「い、いやいや、そんな......し、しょうがないな~それでは、私めも裸になることでおあいことしましょう」
俺は着ている服を脱ごうとするが、レミリアさんは無言でそっと剣の柄を握る。
あばばばばばばばば!! 今回、最大の危機だよ。誰か助けてくれ! | Honestly, I think I’m about to go crazy. Thanks to Orty & friends’ stupid actions, we’re as good as public enemy number one. Tying up a VIP like this isn’t something as simple as ‘obstruction of duty’ anymore. If this gets out, everybody involved is going to be sent to the gallows.
No, hang on, perhaps we’ll be lynched by the citizens of the Capital first. Teheh ♪
Considering what they did, even if the rest of us claim innocence, nobody will listen. They’re definitely going to think of us as enemies. Or rather, if we’re looking for the ringleader, isn’t that me, as the Evil God?
But even though we’re in such a crazy situation, Orty doesn’t seem to realize it at all. Instead, his face is saying “I’m amazing, right? Praise me, praise me!”
Huu, is this guy an idiot? Is he a r̲e̲t̲a̲r̲d̲?
I want to hit him in the face this very instant, but this isn’t the time for that. I have to break through this situation somehow.
I stared hard at Remilia.
That gallant and noble Remilia was now lying on the floor, bound by rope.
Aaahh, how pitiful. I bet she would never have dreamed that she’d be taken hostage by a bunch of idiots like this. To have been caught by these guys, her fight with the demons must have been incredible. Her stamina is probably close to zero. After all, she’s wounded all over, and looked heavily injured.
You can tell from that alone, just how intense the fight must have been...
Mn!? Or rather, if we don’t hurry and treat her, won’t things turn bad?
She’s bleeding out even now. The puddle of blood under her is turning incredible.
T-, This is bad. Remilia is going to die!
Awawawa, what am I dawdling here for when my future girlfriend is going to die!
“Timu, please hurry and Heal her!”
“Heal this elf?”
“Yes, hurry!”
“Fumu, I understand.”
“T-, That can’t be... Even though we spent so long to catch her...”
“You idiot! Elder sister clearly has some plan behind this. Ortissio, you have no standing to butt in!”
“M-, My deepest apologies for the shallowness of my thoughts.”
Timu rebuked Orty for saying something stupid. Yeah. Just like Timu says. What is he still going about after all this time. Timu’s right to be angry.
But you know, before scolding him, could you heal Remilia first? If you don’t hurry, she’s going to die.
“Timu, leave the scolding for later. Heal her first!”
“Yes.”
Timu raised her hand over Remilia.
Oohh, her wounds were visibly closing. Timu’s forte really is holy magic. I wonder if she’ll end up working as a priest in the future.
And then...
“It is finished, elder sister. She should awaken soon.”
“Thanks, Timu. You’ve saved me.”
Phew~ Safe for the moment. We’ve saved Remilia from death. My future lover is safe, and we’ve also escaped a trip to the gallows.
All that’s left is the follow up after she’s awoken, but...
What should I do?
...No, hang on a moment. There’s something I need to check first. When Orty tied her up, was she conscious? Even if she was hazy from the injuries, it’ll be terrible if she’s seen Orty’s face.
“Orty~ There’s a veeeeery important question I’ve got to ask you, but...”
“Well then. I’m just asking, but when you tied her up, did she see your face?”
Well? That’s seriously the most important thing here.
“Of course she saw my face. After all, the one that defeated Remilia was none other than ourselves.”
Kuh-, I knew he’d say that. Of course, right? That’s the kind of people these guys are. This is why chuunibyou is dangerous when it gets out of hand.
But I wonder what exactly the truth is.
From what I hear, rather than tying her up after finding her unconscious, it’s more likely that they ambushed her as she was unsteady on her feet, and about to faint.
But in that case, isn’t this quite bad?
At this rate, we’ll end up in a crazy misunderstanding when she wakes up. Well, he did attack her, so it’s not exactly a misunderstanding but...
Anyway, if she remembers what happened before she collapsed, we’re definitely going to be arrested. Far from just that, since we basically assisted the demons, we might even be confused as having something to do with them.
Aah aahh, what do I do? Neither Timu, nor Orty, nor Pervert (Nielsen) seem to understand how serious this is. Far from it, are these guys actually happy?
“This is bad. It appears that members of the Public Safety Force are en route. Likely to be reinforcements for Remilia.”
Oohh, that’s right, Myuu. Exactly right! You’re like the oasis of my heart. You’re the only one who understands the situation.
“Mühen, if you are concerned with information disclosure, then we should simply take care of this elf. The blame will simply fall to the vampires.”
“That’s true. If we do not want humans to know of our existence, then that would be best.”
“No, more importantly, shall we not take care of the reinforcements as well?”
What scary things you guys are saying. It’s true, it’s true that that would be the most surefire way to destroy the evidence but...
Please stop that. What if Timu seriously does it? More importantly, why are you guys all acting so arrogant? Myuu aside, the rest of us are goners the moment Remilia wakes up, okay?
“Everyone, it looks like you realize just how bad this situation is.”
“Yes, milady. How should we move? Shall we intercept them? Or shall we eliminate Remilia and then conceal ourselves?”
“You knoww~ Please stop saying silly things already. Or rather, Timu’s really about to do it!”
“I see. Lady Tilea, so you had some use for that elf.”
“T-, That’s right. Anyway, just leave this place to me. You guys hurry up and disperse, and take a good rest tonight to restore your energy.”
After everyone dispersed, I carried Remilia and then began heading to Headquarters myself. This is the best choice. With everyone here, who knows what they’ll tell the Public Safety Force. And also, if Remilia really does remember their faces, this time it’ll be our turn to be tied up.
My plan is to bring Remilia to the Headquarters, and then lie a little. First, the best situation would be one where she doesn’t remember Orty beating and tying her up. In that case, I could just say that we found her and saved her.
In the case that she does remember, I’ll lie about the criminal. I think her memory should be hazy, and as long as I insist on it, she should believe me. Giving a false testimony really isn’t something anyone should do, but if Timu’s... I guess I could call him ‘companion’, ended up being hanged, I really wouldn’t sleep well. I’ll just make up something about seeing her attacked by demons.
I continued walking as I simulated conversations in my head.
I kept walking, walking, walk... I-, It’s no good. I can’t concentrate.
After all, Remilia is sooo soft!
The voluptuousness against my back was so stimulating. Ooh, ohhhh, each time I took a step, it hit against my back. I-, I’m starting to feel weird.
Aahh, it smells so good. S-, So this is the scent of elf? W-, What a complex fragrance! I might get addicted to it. I’ve hugged her from the front a few times, but this time she’s even closer to me, so I was getting a full blast of it.
Aahh, no good. Even though I knew it was no good, I kept sniffing and sniffing.
What a great smell.
I-, I’m recalling my last life for some reason. Inoue, the scent of elf really does exist. Apparently it’s your win.
In the past, we once had a passionate debate about what elves smelt like. We went through all sorts of possibilities in our imaginations. Did they smell like rose flowers? Did they smell like rose hips? Did they smell like hop? In the end, we used various perfumes and created the scent of elf.
And amongst the perfumes created by all the members... It’s Inoue’s who was the closest. As expected of him. As expected of “greatest elf-lover” President Inoue. It really is amazing. You really did a great job with your imagination. At the time, I argued stubbornly, didn’t I. I too loved elves, which is why I didn’t want to lose to you.
But, the answer is here now. I’ve been shown the proof.
Inoue, you were number one!
As I was basking in nostalgia, I continued to sniff Remilia.
......
............
..................
Wai-, whoaa! What the hell are you doing, me!?
How can I say anything about Orty if I’m acting like such a pervert. Seriously, what the hell am I doing? If Timu found out about this, she’d be disgusted.
Huu, honestly, why does this always happen? Whenever it comes to elves or Remilia, my ego always seems to fly away. Is it because I’m in love with Remilia? Or could this be the karmic bonds as the former “We Super-Love Elves Society” Vice-President?
I have to calm down. Calm down...
Right. Didn’t the Society already discuss at length what we would do in this situation? Yeah. We already exhausted the topic of what we would do if we ever ended up alone with an elf. After all, we never knew when we might suddenly be sent into another world, and meet an elf. If we weren’t able to cope with it calmly, we would never be able to find an elf lover.
President Inoue often said it...
When you meet an elf...
“YOU STRIP THE ELFFFFFFFFFF!”
In an instant, I stripped Remilia of all her clothes.
...Wai-, that’s wrong, Inoue!
I stood dumbfounded for a while.
I was just trying to use my past-life knowledge to calm myself down. But it looks like I was more hysterical than expected. Right in front of me was Remilia in her birthday suit.
W-, What an outrageous appearance. O-, Oh no. What am I thinking!
Why is it that as I tried to calm down, I ended up stripping her instead? Have I been possessed by something? Well, at least I didn’t rip her clothing off, so I guess I still had some reason left behind.
A-, Anyway, I have to quickly dress her!
I moved to put her clothing back on. But despite how hurried I was feeling, my hands wouldn’t move.
W-, What incredible proportions...
S-, So dazzling. T-, Truly the goddess of beauty, Venus. Remilia’s perfect proportions, and completely flawless skin...
Aahh, Remilia, why must you bewitch me so!
Y-, Yeah. Timu healed her, but maybe there’s still an injury somewhere. T-, That’s right. Before I dress her again, I’d better check to make sure, right? It’d be terrible if she was still injured somewhere.
I began to examine every nook and cranny of her body.
Oohhh, so beautiful.
As Remilia lay there with her perfect proportions, I looked! Touched! Sniffed! And then... licked!! I enjoyed her with all five senses.
And then, after continuing that for how long, I don’t know...
My eyes, which had beheld her every corner, met with Remilia’s as they opened. Remilia looked at me in confusion, before quickly standing up. She’s glaring at me suspiciously now.
Oh crap! OH CRAP!
Aren’t I in even deeper trouble than Orty now?
Idiot! I’m an idiot! What shameless things have I done. It’s too late to even regret it now. A cold sweat dripped down my skin.
“Tilea, wasn’t it? I have a sudden question for you.”
“Why, am I naked?”
“W-, Who knows~ Perhaps you were on stand-by naked?”
“Tilea. I hate jokes.”
“Y-, Yes. I-, I’m sorry, I stripped you.”
“Why?”
“Even if you ask me why, you know~? Just why I wonder. I actually wanna ask that myself.”
“In other words... you had no reason?”
“N-, No no, of course that’s not... C-, Can’t be helped, huh~ G-, Guess I’ll strip too, to make it even.”
I was about to take off the clothes on my body, but Remilia silently gripped the hilt of her sword.
Abababababababa! I’m in really big trouble this time! Somebody save me! | {
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セトゥレウは『水の国』の名にふさわしく、多くの川が国中を流れている。この土地は元来、水の因子が強いのだ。
そのせいで、面積的にはそんなに大きな国ではなくとも、移動には時間が掛かる。
川を通して物を運ぶには便利なのだが、早馬や高速馬車線に駆け通すのは難しいのだ。
一行はその日、川を望む宿場町にて宿を取った。
夕飯も済ませたが眠るには早い、気怠い時間。
ルシェラはカファル、ババ抜きに興じていた。
『これかしら?』
カファルはルシェラが手にしたカードの中から、自信満々に悪魔の描かれたババを抜き取った。
『ざんねん! はずれ!』
『ええっ? 今、嬉しそうな顔をしたから×××これだと思ったのに!』
『あれは、えんぎ。ごめんね』
『......喜んだり悲しんだりするルシェラが可愛かったから許すわ』
前言通り、ルシェラはカファルの練習に付き合っていた。
だがカファルは、ちょっと引っかけようとすれば引っかかるし、逆にルシェラがカードを引く側になるとポーカーフェイスができない。
思うにカファルはまだ、人の姿の分身体を手に入れたばかりで、対人コミュニケーションで小技を使えないのだろう。
最初はルシェラも面白がっていたが、だんだんと、これでは交渉事に不利なのではないかと思いはじめていた。これから王様に会いに行くというのに、一抹の不安がよぎる。
『人は、遊びでまで騙し合うのよね』
カファルはちょっと憮然とした様子でルシェラを抱き寄せた。
『そうとも、いえる』
ドラゴンは契約を大切にして、それを××ことはしないのだけれど』
負け惜しみめいた言い草だが、カファルはそこそこ本気で嘆く。
実際の所、ドラゴンたちの精神性は不明な点も多いが、彼らが伝説や物語において人と契約を交わした例は聞く。そしてそれをドラゴンの側から破ったという話は寡聞にして聞かない。
それもまたドラゴンの本能みたいなものかと思っていたが、単に人とドラゴンの種族差によるものだろうかと、ルシェラは、ふと考えた。
人が××なのではなくて、そうやって生きることの××が大きいだけなのかも』
ルシェラは人の常識を越えた力を手に入れた。
個々が強大な力を持ち、長き時の尺度の中で生きるドラゴンは、その場しのぎの嘘で得られるものより失うものの方が多いだろう。だからこそ彼らは契約を重んじる。
思えばカファルが言う通りで、人が騙し合うのは愚かさ故ではなく、人という種の構造的欠陥なのかも知れない。
『ドラゴンだって......騙し合わないけれど、過ちを××××わけじゃないものね』
カファルの抱擁は悲しみの色をしていた。
かつて卵を失ったことを言っているのだろうか。それとも群れを出た選択のことか。
『わたしも、なんども、だまされて......すこし、だました』
慰めを口にするのも少し違う気がして、ルシェラはそう言った。
でも私が居る限り、あなたにそんなことはさせないわ』
『ままはだまさない。ぜったい』
『うふふ......ありがとう』
『もうっ』
カファルはルシェラを抱きしめたままベッドに倒れ込んだ。
おサイフが温かかったもので、ちょっと良い部屋を取っている。そのためかベッドのスプリングがなかなか良い手応えだった。
『セトゥレウの王様は、どんな人なのかしら』
『いいひと、だと、たすかる』
『そうね......』
“黄金の兜”の面々はセトゥレウの王宮をだいぶ信頼している様子。
信頼に足るだけの理由があるのだろうと推測できるけれど、直接会ったことが無い以上、ルシェラはまだ警戒していた。
願わくば、騙し騙される関係にならずに済むなら、ありがたい。 | True to the name “Kingdom of Water” that it was known as, Setulev had many rivers throughout its territory. The water factors were naturally strong on its lands.
For that reason, even if it wasn’t a big country in pure size, it still took people a long time to travel across it.
It was convenient when moving things through the rivers, but that made it hard for fast horses and carriages to travel in a straight line.
That day, the group stopped at an inn town that overlooked a river.
They already had their evening meal, but it was still a languid period of time where it was too soon to sleep.
Lucella was immersed in playing Old Maid with Kafal.
“Could it be this?”
Being full of confidence, Kafal pulled out the old maid that depicted a devil from Lucella’s hand.
“Too bad! That’s a bust!”
“Whaa? You looked so happy just now I was XXXX it would be this one!”
“That was acting. Sorry.”
“...The happy and sad faces you make are cute so I forgive you.”
As she said before, Lucella was helping Kafal practice the game.
However, Kafal fell for even the slightest of tricks, while when it was Lucella’s turn to draw, she couldn’t maintain the poker face.
Presumably, Kafal couldn’t use these little communication tricks just yet since she had only just obtained a human-form clone.
Lucella was amused by that at first, but gradually, she started to wonder whether this would put her at a disadvantage during the negotiations.
“So humans deceive each other even in games.”
Kafal hugged Lucella while looking a little disappointed.
“I guess... you could say that.”
“I wonder why humans do that. Dragons treasure the agreements and never XXXXX them.”
It sounded like the statement of a sore loser, but Kafal seemed to be lamenting the fact quite seriously.
In reality, the spirituality of the dragons had many obscure parts, but there have been examples in the legends and tales of them forming contracts with humans. And Lucella had never heard of a case where the dragon had broken one such agreement, though she lacked knowledge in this field.
She thought that was the nature of the dragons, but Lucella wondered whether it was simply a difference between humans and dragons as species.
“You’re right... Perhaps I was thinking in dragon XXXX. Maybe it’s not that humans are ***, but because it’s more XXXXXXXXX to live that way.”
Lucella obtained power that surpassed the common sense of humans. And after reaching that level, she understood some things by feeling.
Most likely, dragons had few merits in deceiving other dragons. They were individually strong and lived for a very long time, so any makeshift lie would leave them with more losses than gains. As such, they respected their contracts.
Perhaps as Kafal said, humans weren’t deceiving each other out of foolishness, but as a structural flaw of the human race as a whole.
“Even Dragons... though they don’t deceive each other, it’s not like they never XXXXXX mistakes, after all.”
The way Kafal hugged her was full of sadness for some reason.
Perhaps she was talking about losing her egg. Or perhaps her decision to leave her group.
“I also get... deceived many times... and sometimes deceive others too.”
Lucella said so, feeling like comforting her would be a bit wrong now.
“I see... But as long as I’m with you, I won’t let you do that.”
“I’ll never deceive you... Mom.”
“Haha... thank you.”
“Hey!”
Kafal flopped onto the bed while still hugging Lucella.
Since their wallet was full they decided to go for a slightly luxurious room. For that reason, the bed was quite pleasantly bouncy.
“I wonder what kind of person Setulev’s king is.”
“I hope... a good person.”
“Yeah...”
The Golden Helmet members seemed to have quite good faith in the royal palace.
Lucella judged that they had a good reason for their trust, but since she had never met them directly, she was still vigilant.
She wished that their relationship wouldn’t become one where they would need to deceive and be deceived by each other. | {
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見てそれが生み出してはならないものだと俺は悟った。
まるで黒真珠の様な球体に金色で虹彩のような模様が掘られた真球。それは支える物も無いのに宙に浮き、虹彩のような模様を動かし続けて周囲の何かを観察している。
いや、何を観察しているのかはもう分かっている。
こいつが観察しているのは作成時に俺が込めた念。
スキルの深奥だ。
けれど、それは
俺の様な
もしも何のフィルターも通さずに直接この目が見てるそれを見てしまえば確実に俺は発狂するし、最悪の場合は死ぬ事になるだろう。
いや、普通の人間なら確実に死ぬ。それぐらいは俺でもわかる。
何としてでもこれを制御できる何かを今すぐに生み出さなければいけない。
「やるしかないか。」
俺は意を決して潰れた左目を瞑り、再び新たなアウタースキルを作る準備に入る。
今度組み合わせるのは≪蝕む黒の霧≫と≪迷宮創生≫だ。これにこの目を制御するという念を込めれば恐らくは目的の物が出来るはずだ。
俺は右手に≪迷宮創生≫の陣、左手に≪蝕む黒の霧≫の陣を生み出し、念を込める。
と、同時にさっきと同じように体の何処かを完全に無くす覚悟を付ける。
「『我が身に流れる黒き血潮と未知なる物質を生み出す秘術の力が集い束なり混じり、神の定めし器の形から離れて新なる物質が生み出される。アウタースキル・クロキリノケッショウ』」
二つの陣が先程と同じく崩壊と構築を繰り替えして一つの陣になっていき、やがて光を放ち始める。
「あっ......ぐっ......」
左腕に痛みが走ると同時に肩から先の感覚が無くなる。
黒い骨で作られたカンテラの様な物がその中にクロキリノシンマで作った真球を納めた状態で浮いていた。
俺はそれを見て、一先ずの危機を脱したことを察した後、痛みが走った左腕を右目で見る。すると左腕は肩から先が無くなっていた。
霧の体なので血こそ出ていないが妙な感覚だ。
俺は霧の体を操って左目と左腕を作ろうとする。が、左目は全く作れる気配が無く、左腕は異常にゆっくりとしか作れず、集中が途切れるとすぐに霧散した。恐らくは2つのアウタースキルの代償として消費された影響だろう。
「はあ、まあいいさ。とりあえずこいつらに名前を付けてやるか。」
俺は宙に浮いているカンテラを手に取る。
名はそのものの根源を表す。故に何かに名前を付けるという行為は非常に重要だ。
何故なら根源を知られているという事は運命を知られているという事。運命を知られているという事は生殺与奪の権利を握られていることに等しい。
だからこそ現状では俺本来の名前を奪い、『蝕む黒の霧王』という名前を与えた魔神相手ではどう足掻いても絶望何だが......と、これは今する話じゃないな。
今はこいつらに名前を付けてやらないとな。
俺はカンテラとその中の真球を見つめる。
真球はスキルの深奥を見定めるもの
カンテラは真球を制御するもの
それならば、
「真球にはスキルと言う名の魔の法則を解析するものとして『法析の瞳』の名を、カンテラには『法析の瞳』が見たものを改めるものとして『検魔の行燈』の名を与えよう。」
俺がそれぞれに名を付けると同時に『法析の瞳』は妖しく輝きだし、『検魔の行燈』はくるくると回転を始める。
二つとも意思無きもののはずだが何となく喜んでいるような気もする。
「さて、折角だから早速使わせてもらうか。」
『法析の瞳』と『検魔の行燈』の使い方は何となく分かっている。
俺は≪霧爆≫を壁に発動して壁を凍らせる。そして『検魔の行燈』を右手に持ち、中に入っている『法析の瞳』の視線を凍った壁に向ける。
『法析の瞳』の虹彩が激しく回転し、瞳孔に当たる部分が激しく拡大と収縮を繰り返す。そして瞳から文字列の様なものが生み出されて瞳の周囲を漂い出す。ここまでが『法析の瞳』の効果だ。
ただ文字列が行燈の外に放出されることも無ければ、文字列の内容を読み取ることも出来ない。どうやら『検魔の行燈』の力もきちんと働いているようだ。ただ、こうして行燈越しに見ていてもこの文字列がヤバい情報を秘めているのが分かる。
仮に俺がこれを直視していたら予想通りの結末だっただろう。
「さて、それでは『検魔の行燈』の真価を見せてもらうとしよう。」
俺は『検魔の行燈』に力を込める。
すると『検魔の行燈』の側面から内部の文字列が1小節分だけ漏れ出してくる。
俺はそれに目を通す。が......
「ぐっ......」
目を通した瞬間に俺の頭の中にこの世ならざる情報が入ってきて激痛が走る。
「くそっ......まさかここまでの物とはな......」
俺は『検魔の行燈』の文字列放出を急いで止める。放出された文字列は俺が読み取ったためなのか既に空中に溶けている。
そして俺は頭の中に入ってきた情報の検分を始める。
どうやら俺の中に入ってきた情報は≪霧爆≫の中の爆発に関する部分のようだ。
属性が決定された魔力を指定箇所に転移させ、指定箇所で属性を拡散させる形で開放する。爆系スキルは単純化すればそういうものだ。
だが、実際には爆発の際に発動者の安全マージンを取るために使用者と起爆点の間に有る距離に合わせて若干の指向性を与え、それによって発動者のいる方向に対しての爆発の勢いが抑えて自爆する可能性を抑えているようだ。
おまけに使用者の意思を感知して使用者にも気づかれずに爆発の方向性をオートで僅かにだが変化させる機構や、爆発の際に撒き散らされる属性の密度を変化させる機構などもある。
「これだけのものを何千何万と魔神は組んでいるわけか......、流用や引用を多用してはいるんだろうがそれでもとんでもないな......。」
俺は改めて魔神と自分の間に有る絶望的な力の差を思い知る。
だが、思い知っても歩みを止める気にならないのはその場に至るための道が僅かにでも照らし出されたからだろう。
と、解析の続きをしようとし始めた所でノイズ混じりの通信。イチコからの連絡のようだ。
『クロキリ。こちらはカイロに着きました。』
「おお早いな。砂漠越えはもっと大変だと思っていたんだが。」
『独り身ですから。』
イチコは笑いながら答える。実際笑って流せるような旅路では無かったと思うんだがな。
『お嬢様は?』
「数日前に連絡があったから今はエルサレムの辺りじゃないか?ちょっと待て今連絡を......」
俺はリョウたちと連絡を取ろうとするが、通信が繋がらない。ダンジョンの中にリョウたちが居るからと言った感じではない。この感じはまるで
十年前のあの日
『クロキリ?』
「イチコ!もしかしたら奴が今リョウの近くに居るかもしれない!」
『!?』
「至急向かってもらえるか!?」
『分かりました。今すぐに向かいます!』
イチコは慌てて通信を切った。恐らくは全速力でリョウたちの下に向かってくれるのだろう。
「間に合ってくれよ......」
そして、俺はこんな状況でも座して待つことしかできなかった。 | At first sight, it struck me as something that should never have been conjured up.
It was a perfect sphere with a golden, iris-like design engraved on it, like a black pearl. It floated in the air without any type of support, shifting its iris-like patterns when it observed anything in its environment.
No, I had already figured out what it was observing.
This thing it was observing was the thought I poured into it when I was creating it.
It was the depths of my skill.
But it was not something
a normal entity like me
If I were to witness directly what that eye is seeing without any filter, I would certainly be driven to insanity, or at worst, I would die.
No, a normal human being would definitely end up dead. That much was clear to me.
Whatever it takes, I must create something that can control this right now.
“I suppose I am left with no choice but to do this.”
With determination, I shut my crushed left eye and prepared to formulate a new Outer Skill once anew.
This time, I will be combining ≪Devouring Black Mist≫ and ≪Dungeon Create≫. By incorporating the thought of gaining control of this eye into this mixture, my aim ought to possibly be achieved.
In my right hand, I created a formation of ≪Devouring Black Mist≫ and in my left hand, I created a formation of ≪Dungeon Create≫ and infused it with my thoughts.
At the same time, I was resolved to completely lose any part of my body just as happened earlier.
“‘The black blood that flows in my body and the secret art of bringing forth new life. When the two forces are gathered, bound together, and intermingled, a new substance is created, breaking away from the form of the vessel that God had ordained. Outer Skill ・ Kurokirinokessho.’”
Like before, the two formations were continuously disintegrating and building up to form a single formation, which ultimately began to glow.
“Ah... ugh...”
Simultaneously with the pain searing my left arm, my sensation from the shoulder onward was lost.
And before my eyes, a candela-like object constructed of black bone with the perfect sphere composed of Kurokirinoshinma inside was floating there.
After seeing this, I looked at my left arm, where the pain radiated from through my right eye. It turned out that my left arm was missing from the shoulder onward.
Although there had been no blood because of my misty body, it was a strange sensation.
I tried to manipulate my misty body to produce my left eye and left arm. However, my left eye exhibited no indication that it can be made at all, and my left arm can only be made exceptionally slow, and once my concentration was disrupted, it immediately fizzled out. Perhaps this was the effect of the two Outer Skills that were consumed as a price.
“Well, whatever. For now, I’ll name these things.”
I grasped the floating candela in my hand.
A name represents the origin of something. Therefore, the act of naming something is extremely significant.
For if the origin is known, that is to say, the destiny is known. To have your destiny revealed is tantamount to being in possession of the rights of life and death.
This is why in the present situation, no matter how hard I strive against the God of Calamity who deprived me of my original name and bestowed upon me the name “King of the Devouring Black Mist,” it is hopeless... and this is not the time to speak about this.
Now I had to give these things a name.
I stared at the candela and the perfect sphere inside it.
The perfect sphere was the one that defined the depths of the skill.
The candela was the one that controled the perfect sphere.
In that case...
“The perfect sphere, as the one that analyzes the magical law known as skill, is to be named the ‘Eye of Law Analysis,’ and the candela, as the one that modifies what the ‘Eye of Law Analysis’ beholds, is to be named the ‘Andon of the Magic Detector’.”
As soon as I named each of them, the ‘Eye of Law Analysis’ began to sparkle and the ‘Andon of the Magic Detector’ started to spin around.
These two things were supposed to be without a will, but I felt like they were pleased somehow.
“Now, since it’s a good opportunity, I’ll put them to use right away.”
I had a rough grasp of how to operate the “Eye of Law Analysis” and the “Andon of the Magic Detector”.
I invoked ≪Mist Plosion≫ on the wall to freeze it. Then, I held “Andon of the Magic Detector” in my right hand and directed the gaze of “Eye of the Law Analyst” contained in the lantern to the frozen wall.
The iris of “Eye of Law Analysis” rotated violently, and the part of the iris that corresponded to the pupil expanded and contracted drastically. Then, a string of characters was drawn out from the pupil and drifted around the periphery of the pupil. So far, this was the effect of “Eye of Law Analysis”.
However, the characters were not emitted out of the lantern, nor can the contents of the characters be read. It seemed that the power of “Andon of the Magic Detector” was also working properly. Nevertheless, it was clear that these strings of characters contained dangerous information even when viewed through the andon.
Had I looked directly at it, the outcome of what would happen to me was obvious.
“Now then, let’s see the true worth of the ‘Andon of the Magic Detector’.”
I applied power to the “Andon of the Magic Detector”.
Then, from the side of the andon, a paragraph of the internal string leaked out.
I looked over it. But...
“Ugh...!”
The moment I looked through it, an unworldly piece of information burst into my head, inflicting me with searing agony.
“Damn... I didn’t expect it to be this bad...”
I hastily halted the emission of the characters from the “Andon of the Magic Detector”. Perhaps because I read it, the characters that were emitted had already disintegrated in the air.
I then began to examine the information that had penetrated my mind.
Apparently, the information that entered my mind was related to the explosion of ≪Mist Plosion≫.
It transferred magic power with determined attributes to a specified location and released it in the form of diffusing the attributes at the specified location. This was how explosion-related skills work in a simplified manner.
However, in reality, a slight directionality was given according to the distance between the user and the detonation point in order to provide a safety margin for the activator at the time of the explosion.
Furthermore, there was a mechanism that detected the user’s intention and automatically altered the direction of the explosion, albeit slightly, without the user being aware of it, as well as a mechanism that varied the density of the attributes scattered by the explosion.
“The God of Calamity has assembled several thousand, tens of thousands of these huh... I know I’m using a lot of misappropriation and citations, but she is after all an outrageous being...”
Once again, I was confronted with the abysmal gap in power between myself and the God of Calamity.
Nonetheless, even with this realization, I was not inclined to relent in my steps, maybe because the path to that point had been illuminated, even if only scarcely.
Just as I was about to continue my analysis, I received a transmission mingled with noise. It seemed to be from Ichiko.
[Kurokiri. I’ve arrived in Cairo.]
“Oh, that was quick. I thought crossing the desert would be more challenging.”
[Well, I am only by myself after all.]
Ichiko answered with a laugh. In fact, I didn’t think it would have been a journey that could be brushed off with a smile.
[Where’s Lady Ryo?]
“She contacted me a few days ago, so I guess she’s somewhere around Jerusalem now. Wait a minute, let me get in touch with her now...”
When I tried to get in touch with Ryo and the others, the communication was not connected. It was not because they were in a dungeon. This feeling was like that
day ten years ago...
“!?”
[Kurokiri?]
“Ichiko! Maybe that ‘guy’ is near Ryo right now!”
“Can you head over there at once!?”
[I understand. I’m coming to them right now!]
Ichiko hurriedly cut off the communication. Perhaps she was on her way to Ryo and the others at full speed.
“Please make it in time...”
The only thing I could do in the face of all this was to sit and wait. | {
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[旅とは苦難が待つもの]というが王国を出発して同族と戦闘するハメになり、そして半日もたたずにまたしても苦難が襲ってきた......。
「「まずい......」」
エリンが苦虫を噛みつぶしたように顔を歪めている、たぶん我輩もエリンと同じ顔になっているのは間違いない。
この甘いようですっぱく、かと思えば塩辛く苦い、何をどうしたらこんな味になるのだろうか。魔界でもこんなスープは食べた事がない。
そもそもこれはスープでいいのか? スプーンを入れると多少の弾力があるし、すくうとねばぁ~と糸がはる......何故こうなるのだろうか?
スープならあの城で食べたやつは絶品で人間は全員うまい食べ物を作れる種族と思ったのだが、そこは我らと同じそれぞれ違うという事は十分わかった。
「え? そうですか?」
作った張本人であるベルトラは不思議そうな顔してこのスープ? のような物を平然と飲んでいる......見ているだけで吐き気が――ウプッ。
「......? 特におかしなとこはないですよ。ちゃんと食べないとダメですよ、ほとも」
やはりこれはスープだった、こいつどんな舌を持っているのだろうか。
ええい、それをこっちに押し付けてくるな!
「あ~う~......ハッ! そっそういえばベル! さっきの戦いで気になったことがあったんだけど、聞いていいかな!?」
あ、こいつさらっと器を置いて話をそらしやがった。
「なんですか?」
「2本の剣があるのにさっきは1本しか使ってなかったよね? ニ刀使いじゃないの?」
「そういえば先ほどの戦闘はショートソードの方しか使っていなかったな」
チャンス! 我輩もそこは気になったし自然に器も置けれたぞ。
「この剣ですか? どちらも魔剣なのです。2本同時に扱える実力が私にはないため状況に応じて使い分けているんですよ」
なるほど魔剣だったのか、自分の魔力を消費して剣に効果を与える剣......よく考えたらこの天使の剣も魔剣の部類に入るのではないか?
「じゃあさ、どうして2本持っているの? 使い分けなんてめんどくさいじゃん」
めんどくさいって......使い分けも大事だろ、戦略の幅も広がるし。
「これはおじい様とお父様の形見なんです」
】です、見た目はショートソードですが魔力をこめればこめるほど刀身が硬くなり切れ味が増します。ただ魔力をこめないとただのなまくら状態ですけどね」
そんな魔剣が存在したのか!? 我輩の元の体なら凄く強く......いや元の体であの魔剣を持つと魔剣が小さくて見た目がかっこ悪いか。見た目は大事だ、うん。
「そして父様の魔剣【エヴンラル】、一見レイピアのようですが――」
は? 鞘に対して針みたいなちっこい刀身が出てきたんだが、そんなもんでどう戦えるのだ?
「刀身が小さいですけど無生物系を刀身にすることが出来ます。実際に見せたほうがいいですね、じゃあこの焚き火を見ていてください」
焚き火に剣の先を突っ込んだがそれがどうなるという――。
「うお!?」
「おお!!」
ちっこい刀身が火をまとってロングソードみたいな刀身なったぞ!?
「っとこのように属性をもった刀身となります。他にも水や土、空気とかでも出来ますよ。ただ無生物限定、なおかつそこに存在するものでないと無理ですし、相当な魔力が必要なので未熟な私では長くは維持できません。なのでこちらの斬硬刀をメインに使用してます」
なるほど、自由に属性を変えられるのは強いな。それに比べてこっちときたら。
「あ! デール! 今ベルの魔剣とアブソーヘイズを見比べたでしょ!?」
チッ鋭い奴め。
「アブソーヘイズの能力は強いよ! デールが使いこなせてないだけだもん!」
「なんだと貴様! 我輩に向かって指を刺すな! それよりこの呪いの剣を使いこなせって言う方が無理あるわ!」
「呪いの剣じゃないもん! アブソーヘイズは天使様が作った神聖な剣なんだよ!」
「そんなの知った事か! もしかしたら悪魔が作ったかもしれぬではないか!? ぐふっ!!」
エリンの奴また頭で鳩尾に突撃をかましてきやがった......。
「ちょっと2人とも落ちついて下さい!」
「グアアアアアア!」
れぬ......っなんだ? 下級悪魔がぶっ飛んできたと思ったら鍋に当たってスープを頭からかぶってしまった、あれを頭からとは哀れな。
「ギャアアア! アツツツツ! ナンジャコリャァ!?」
「ギャアアア! 私のスープが!!」
ベルトラはショックを受けたようでかわいそうだが、ラッキー!
あれを飲み干すくらいなら多少の空腹の方がまだましだったからな......エリンよガッツポーズをとるにしても少しは密かにやれ。
「たく、やっと追い詰めたわい。......ん?」
山岳の林から出てきたこのジジイは何者だ?
白髪に白あごひげ、見た目は初老っぽいが今の我輩より高いな180cmくらいか、そしてあの鍛え抜かれた体......とても普通に生活していたらあんな体にはならんが。
「もしかしてダリル様?」
「ダリル?」
誰だそれ、ベルトラと知り合いみたいだが。
「おお、やっぱりベルトラじゃったか。久しぶりじゃな、でかくなって......ないのぉ」
「どこ見て言っているんですか!? ――あれ? 2人とも何呆けているんですか?」
「「いや、誰?」」
やはりベルトラの知り合いみたいだが我輩は知らんし、エリンも知るはずないわな。
「ええーー!? 2人とも本気で言っているんですか!? この方はダリル・ボールド! 先代の国王親衛隊の一人で、私のおじい様【剣豪エドガー】と【豪拳ダリル】の2人で【アルムガムの双豪】と呼ばれていた方ですよ!?」
「おう、よろしくのぉ」
「「はぁよろしく」」
そう力説されてもな、どう反応すればよいのやら。
「あの......本当に知らないんですか?」
「「知らない」」
「――――――――――――」
ベルトラの奴が頭抑えて座り込んでしまった......しかし知らんもんは知らんのだからしょうがないではないか。
「アルムガムの双豪を知らぬか、わしらもまだまだだったんじゃな~。ダ~ッハハハハ」
「笑い事じゃありませんよ! この2人がおかしいだけです!」
「おいおい、人を馬鹿にするような言い方をするな。エリンはともかく我輩は完璧な存在なのだぞ?」
「デール、そのケンカ買ってもいいんだよ? アタシの怒らせるととんでもない事に――って無視するな~!」
この爺さんの素性も気にはなるが......我輩、鍋をかぶったままぶっ倒れている下級悪魔が気になってしょうがない。
白目をむいて泡吹いているのは吹っ飛ばされた時のダメージなのか、それとも被ったスープのダメージなのかどっちなんだ......? もし後者だとしたら......。
「......」
よし! 考えないようにしよう、そうしよう! | After I departed the Kingdom on this [Journey full of hardships] I had to fight with my brethren and the next hardship appeared just after half a day......
“”Bad......””
Erin’s face was as distorted as if she ate a bug and I probably had the same expression has her.
It looks sweet but it was actually sour and when one might think it would taste salty it was actually bitter. How does one create such a taste? I have never eaten such a soup even in the Demon Realm.
Rather is it even fine to call this a soup? When one puts their spoon in this it has some elasticity to it and when one scoops it up it draws a string from the plate...... Why is it like this?
The soup made by those fellows in the castle was good, so I thought every human would be unrivalled in the field of cooking, but I found out that there were individual differences in ability like there were in our race.
“Eh? Is that so?”
Bertra, who is the culprit behind this, looked puzzled as if saying “This soup?” and drank that thing calmly...... Just looking at that made me feel nauseous–Uppu.
“......? It’s not particularly weird. You two have to eat properly”
She was the one who made the soup after all. What kind of sense of taste did she have to make this?
Eei, don’t push it over here!
“Ah~ Uh~......Ha! Ri-right, Bell! There’s something I was curious about in that last battle, may I ask about it?!”
Ah, that lass tries to avoid this by changing the topic.
“What is it?”
“Why did you use just one sword back then when you have two? Don’t you dual wield?”
“Now that I thought about it, you just used that Short Sword in the fight just now.”
A chance! I was curious about that and I could also change the topic naturally.
“This sword? They are both magic swords. Because I don’t have the ability to use both of them at the same time I use them depending on the situation.”
I see, magic swords that use one’s magical power and add effects to the blade...... Thinking carefully, wouldn’t the Angel’s Sword also belong to the class of magic swords?
“Then why do you have two? Isn’t it troublesome to use them like that?”
Troublesome, you say...... Though the proper use is important, it also expands the number of strategies one can use.
“This is a keepsake from my father and grandfather.”
“This is my grandfather’s magic sword [Zankoutou]. It looks like a Short Sword but the more magic power is supplied to it, its hardness and sharpness increases. If I don’t supply it with magical power it’s only a dull blade.”
Such a magic sword exists?! If I had that in my original body then...... No, if I held that small magic sword in my original body it would look rather bad, wouldn’t it? Appearance is important, yep.
“And this is my father’s magic sword [Evenral]. At first glance, it looks like a rapier, but–”
Hah? What appeared after she unsheathed it was a needle-like, thin sword. Can you fight with something like that?
“Though the blade is thin you can create it’s blade out of inanimate objects. I should probably show you. Then please look at the fire carefully.”
She thrust the sword into the fire, but what should happen–
“Uoh!?”
“Ooh!!”
That thin blade turned into a longsword coated in flames!?
“Like this it turns into a blade with attributes. Besides this, water, earth and air are also possible. It’s restricted to only inanimate things. Moreover, it has to be something that exist somewhere around me and as it requires magical power, the inexperienced me can’t maintain it for long. So I’m mainly using this Zankoutou”
I see, being able to freely change attributes is indeed strong. Compared to that, this thing’s...
“Ah! Dale! You compared Bell’s magic sword with Absohaze just now, didn’t you?!”
Tch, she’s sharp.
“Absohaze’s abilities are strong! It’s just that Dale can’t use them!”
“What did you say, you *******! Don’t point your finger towards me! More importantly, it’s impossible to use this cursed sword!”
“It’s not a cursed sword! Absohaze is a holy sword made by the Angels!”
“What do you know?! It could’ve been made by demons!? Gufu!!”
Erin charged into my solar plexus with her head again.......
“Hey, please calm down you two!”
“Guaaaaaah!”
This...... What? Just when I thought that I saw a low ranking demon flying towards this place, he hit the pot and had his head covered in that soup. For his head to be covered in that, how pitiful.
“Gyaaa! Hooooot! What the hell is thiiis?!”
“Gyaaa! My soup!!”
Bertra who seemed to have received quite the shock looked pitiful, but how lucky-!
I rather stay hungry than eat that stuff...... Erin pumped her fist. You should do that more secretly.
“Good grief, I was finally able to chase it down...... Hm?”
Who’s that old man that came out of the mountain’s forest?
His white hair and beard made him seem like an old man at first glance but he was taller than the current me at about cm and that tempered body...... He wouldn’t have such a body if he lived a normal life.
“Could it be, Darryl-sama?”
“Darryl?”
Who’s that? He seems to be an acquaintance of Bertra, though.
“Ooh, it was Bertra after all. Long time no see, you have...... not grown any bigger, huh.”
“Where are you looking while saying that?! –Huh? What’s wrong with you two?”
“”Well, who is that?””
As I thought, he seems to be Bertra’s acquaintance, but neither I nor Erin knows who he is.
“Eeh–!? Are you two serious?! This is Darryl Bold! He was the former king’s bodyguard. My grandfather “Master Swordsman Edgar” and him “Master Fighter Darryl” are known as “Alumgam’s Strongest Pair”, you know?!”
“Ou, nice to meet you”
“”Yes, nice to meet you””
Even if she emphasizes it like that, I don’t know how I should react.
“Uhm...... Do you really not know him?”
“”We don’t know him””
“――――――――――――”
Bertra sat down and grabbed her head......However, I don’t know what I don’t know, so it can’t be helped.
“You don’t know Alumgam’s Strongest Pair, huh? Looks like we’re still not there yet~ Dahahahaha”
“That’s not a laughing matter! It’s only those two who are weird!”
“Oi, oi, don’t talk about people as if they are stupid. Erin aside, I’m a perfect existence, you know?”
“Dale, you don’t have to pick a fight, you know? It takes more to provoke– Rather, don’t ignore me~!”
I’m curious about that old man’s identity, but...... Seeing that low ranking demon collapsed with a pot on his head, I can’t help but be curious.
I was wondering whether it was the damaged caused by having been sent flying or the damage caused by the soup that made his eyes roll back into his head and made his mouth foam......? If it’s the latter......
“......“
Alright! Let’s not think about it. Yeah, let’s do that! | {
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中国は、長距離にわたる共有の国境を越えて北朝鮮に出入りする貨物に、決議1718の禁止品目が入っていないと確認するための点検をするつもりはないことを明らかにした。中国が、北朝鮮の核兵器研究に反対する一方でさらに強く反対しているのは、北側の安定性を脅かし、中国あるいは首都をソウルに置く統一朝鮮への大量難民を出しかねない政策である。 | China, for its part, has made clear that it does not intend to inspect cargo moving in and out of North Korea across their long common border to ensure it does not contain items prohibited by Resolution 1718. While China opposes North Korea’s pursuit of nuclear weapons, it is even more opposed to policies that could threaten the North’s stability and lead to massive refugee crossings into China or to a unified Korea with its capital in Seoul. | {
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そして、静寂。
神殿長を飲み込んだ闇は、風に散るように消え去って、邪悪な気配すら感じられなくなった。
しばらくは皆、自分も神殿長と同じように足下から何かに食われやしないかと、身を固くしてじっとしていた。
だが、それ以上は何も起こらなかった。
「消えた......?」
唐突に発生し、唐突に終わった、謎の現象。
そこには神殿長と同じように手枷とマスクを付けられた神官の姿があった。彼も村の者だ。
「おい、なんだあれは! 何が起こった!」
「し、知りません! 私は何も!」
「本当か? 村の子どもたちが攫われているんだぞ、誤魔化すことの罪深さを考えろ」
「本当に、本当に知らないんです! 『神殿長』しか知らない事は、多いんです......!」
衛兵たちに詰め寄られ、彼は情けないほど必死で首を振った。
まして輪廻転生の話が本当なら、信仰の核は、神殿長から神殿長へ『一子相伝』でもおかしかない」
神官は是とも非とも言わなかったが、どうやら図星だったようだ。
「......この村に『神殿長』だけ......先代様は未だ転生しておりません。そして当代様も......」
そんな言葉が頭をよぎる。
ともあれ、今何よりも問題なのは、攫われた子どもたちの居場所に関する手掛かりが消えてしまった事だ。
≫の魔法とか使えませんか。媒体になる、子どもたちの持ち物はいくらでもあるでしょう」
「我々は魔法担当ではないので......」
「ルシェラ、お前は?」
「今のとこ火属性攻撃魔法以外ほとんど無理です。水は多分、やればできると思いますけど、探知には使えないかな」
だが、だからといって全ての魔法を自在に操れるわけではなかった。
皆が溜息のようなうなり声を上げた。
その間、子どもたちの行方に関して捜査協力を願えますか」
「私たちが?」
「魔物のした事であれば、冒険者の方々の方がお詳しいかと」
衛兵たちの言葉に、ルシェラとイヴァーは顔を見合わせ、頷く。
「成果はお約束できませんが、引き受けましょう」
セミが鳴いていた。
せせらぐ水は、真夏の日差しを受けて輝いていた。
村から出て行った魔物たちの足跡は、森の中を流れる川の、流れが少し浅くなった場所へと続いていた。
「ここで川に入ったようですね」
「小賢しい真似をしやがる」
ルシェラとイヴァーは魔物たちの痕跡を追っていた。
神殿長のように、悪神の邪悪な力でどこかに消し去られたなら追いかけられないが、何故か子どもたちはそうなっていない。お遣いの魔物によって、物理的にどこかへ運ばれたのだ。
ならば追いかけようがある。
魔物たちは川に入って足跡を消していた。
だが、深い場所を泳ぐことはしないだろう。地図を見て目星を付けながら川を遡っていけば、すぐに対岸に足跡の続きを見つけた。
濡れた肉球によって刻まれ、既に乾いた足跡を追っていくと、やがて二人は木々の合間に小さな洞穴を見つけた。その前では無数の足跡が入り乱れ、さらに、巨大な蛇が這い回ったように地を均された痕跡があった。
「蛇かよ、ここで」
「でも、どこから来てどこへ行ったんでしょう。ここまで這い跡なんて見かけなかったし、どこかへ行った様子も......」
「その辺に居たりしてな」
気を張って警戒しながら、ルシェラは周囲を観察した。
ぽっかり空いた洞穴は、いかにも獣か何かが掘ったねぐらという雰囲気だ。
魔物の気配はしない。
「おいルシェラ、こっち見てみろ」
イヴァーは洞穴の近くにある、地面の穴を指差した。
こちらも獣が脚で掘ったような穴だ。意外に深い縦穴で、その中には何かの骨や、乾いた糞便が積み上がっていた。
「ゴミ捨て場兼、便所ってとこか」
バンデッドリンクスは待ち伏せや奇襲の狩りをする魔物。
「猫のやり口じゃねえよな。まるで人だ」
家にトイレを作るような、ゴミ箱を置くような。
それは確かに、獣よりも人の行動に近く思われた。
続いてルシェラがそっと洞穴を覗き込むと、そこはやっぱり、もぬけの空だった。
だが代わりに、あってはならない物が置いてあった。
「これ......」
差し込む光をチカリと反射させる、銀色のプレート。
「冒険者証です」
「おいおい......マジか」
土埃に塗れた冒険者証を拭うと、その持ち主は王都のギルド本部に所属する冒険者のものだった。
刻まれた更新日を見れば概ねいつの時代の冒険者か分かる。日付は11年前のものだった。
「装備は、殺されたにしては損傷が少ない」
「剥がされた、って感じだな。何にせよ、結構古い」
「推測ですが、十年とか二十年に一度、冒険者を生贄に捧げていたとしたら......」
「神殿に呼んで御馳走したのは、そういうこったろうな。
薬で眠らせ、悪神への生贄として、お遣いの魔物に冒険者を食わせる......
それはルシェラやイヴァーに対して、初めて行われたのではなかったのだろう。
「なんで冒険者なんだろうな。ある程度仕事してる奴は、強いし用心深いし、ギルドの後ろ盾もあるんだぜ」
「うーん......そういう強い生贄を求めていたとか......」
一応ルシェラも、悪神信仰の事例をいくらか知っている。
悪神の生贄と言えば、生娘や子どもが定番と思われがちだが、強き生贄を求める悪神もあるのだ。
イヴァーも洞穴を覗き込んだが、もうそこには何も無い。
「この奥にガキどもが埋まってたら話早かったんだけどな」
「流石にそれは......」
言いかけてルシェラは、ふと、視界の端に入った光景に気付く。
「......あの斜面......」
「どうかしたか?」
「バンデッドリンクスが巣穴を作るなら、ここよりも向こうを好みそうだと思って」
川から離れた場所は少し小高くなっていて、その側面はなだらかな崖のようになっていた。
「ここは『水の国』ですから、水に適応していない魔獣は、平たい場所や川に近い場所は避けがちです。
「んー、地域性か。しかし悪神の遣いに通用する話かね?」
斜面は緑が濃かったが、まだらに土が露出している箇所もあった。
ルシェラが草を掴んで斜面をよじ登ると、ツンと鼻を刺すものがある。
「臭い! 例のニオイです」
「例の、って......俺は何も感じねえんだよ」
ルシェラがそこを指差すと、炎の力が沸き立って、小さな爆発を起こして土を吹き飛ばした。
「やっぱり......!」
明らかに爆発で土が吹き飛んだだけではない。洞穴の入り口が土で塞がれていただけで、ルシェラはその『蓋』を開けただけなのだ。
奇妙な悪臭に、血のニオイが混じる。
その強靱な爪で己の腹を割き、その鋭き牙で己のはらわたを喰らい、死んでいた。 | And then, silence.
The darkness that had swallowed the temple chief vanished as if carried away by the wind, leaving no trace of its malevolent presence.
For a while, everyone remained still, fearing that something might consume them from beneath, just as the temple chief had been.
But nothing more happened.
“Is he gone...?” someone finally whispered.
The abrupt and enigmatic phenomenon had begun and ended suddenly. But in proof that it wasn’t a daydream, the temple chief had completely disappeared, not a single strand of hair remaining in his place. His chair sat undisturbed, showing no signs of the unusual events that had transpired.
Then, in the next instant, all eyes turned to a corner of the room, where a temple priest, just like the temple chief, was wearing handcuffs and a mask. He was also a local villager.
“What the hell is going on there! What just happened!”
“I-I don’t know! I don’t know anything!”
“Is that true? The village’s children have been abducted, think about the gravity of deception.”
“I really, really don’t know! There are many things that only the Temple Chief knows...!”
Under pressure from the guards, the priest vehemently shook his head.
“Given that the village’s faith was self-contained within a single community, oral traditions were probably sufficient. Moreover, if the stories about reincarnation are true, the core of their faith could be handed down from temple chief to temple chief,” Ivar analyzed while massaging his temple.
The priest remained silent, but it seemed that Ivar’s words had hit home.
“...In this village, there are only two ‘temple chiefs’... The previous one hasn’t been reborn yet. And the current one...”
Was silenced.
Those words passed through everyone’s mind.
In any case, the most pressing issue at the moment was that all leads regarding the whereabouts of the abducted children had vanished.
“Can anyone use a Seek Person spell or something similar? The kids’ belongings could serve as a medium, and there should be plenty of those,” Ivar suggested.
“We’re not specialists in magic, so...” one of the guards responded.
“Lucella, what about you?” Ivar asked.
“At the moment, I can’t do much other than fire-based attack magic. I might be able to handle water, but I’m not sure if I can use it for detection,” Lucella explained.
Certainly, Lucella’s magical abilities were already closer to a dragon than a human, but that didn’t mean she could wield all types of magic with ease. It was like giving a person who had never ridden a horse a wild stallion and expecting them to control it. It was impossible no matter how powerful the horse was.
A collective sigh or groan filled the room.
“We’ll call for reinforcements. In the meantime, could we ask for your cooperation in the investigation regarding the children’s whereabouts?” one of the guards requested.
“Us?”
“If it’s related to monsters, you adventurers should be more experienced than us.”
Lucella and Ivar exchanged glances before nodding.
“We can’t guarantee results, but we’ll take on the task,” Ivar affirmed.
The glistening water sparkled under the scorching midsummer sun. Setulev was a land blessed with abundant water. Rivers seemed to flow everywhere.
The footprints of the monsters that had left the village led to a spot where the river’s flow had become shallower.
“It appears they entered the river here.”
“Trying to be clever, aren’t they?”
Lucella and Ivar followed the traces left by the monsters.
If they had been eradicated by the malevolent power of the evil god, like the temple chief, they couldn’t be pursued. However, for some reason, the children hadn’t met that fate. They had been physically transported somewhere by the familiar monsters.
So, they could still be pursued.
The monsters had entered the river to erase their tracks.
But they wouldn’t swim in deep waters. Using the map to navigate, Lucella and Ivar quickly found the continuation of the footprints on the opposite bank.
Carved by wet paws, they followed the already dry footprints, eventually discovering a small cave amid the trees. In front of it, countless footprints were tangled together, and there were even traces of the ground being smoothed as if a giant snake had crawled across.
“A snake, here?”
“But where did it come from and where did it go? We haven’t seen any crawling marks around here, and it doesn’t seem like it went somewhere...”
“It might be around there.”
Lucella observed her surroundings while staying alert.
The cave, gaping wide, had the atmosphere of a lair dug by some kind of beast.
There was no sign of the monsters.
“Hey, Lucella, take a look over here.”
Ivar pointed to a hole in the ground near the cave.
It was another hole dug by some creature’s paws. Surprisingly deep, it contained bones and dried feces piled up inside.
“A garbage dump and a toilet, maybe.”
“Wild animals don’t do this kind of thing. Bandit Lynxes are monsters known for ambushing and launching surprise attacks on their prey. They wouldn’t give away their presence by leaving excrement near their nest.”
“It’s not something a cat would do. It’s almost as if it were a person.”
Setting up a toilet at home, or placing a garbage bin.
It certainly seemed closer to human behavior than that of a wild animal.
Lucella then gently peered into the cave, and indeed, it was empty.
However, in its place, there was something that shouldn’t be there.
“This...”
A silver plate reflecting the piercing light.
“An adventurer’s card.”
“Hey now... Is this for real?”
Wiping off the adventurer’s card covered in dust, they could see that it belonged to an adventurer affiliated with the guild headquarters in the capital city.
By checking the date of the last update engraved on it, they could roughly determine the era the adventurer came from. The date was from years ago. Along with the adventurer’s card, they found tattered remnants of what appeared to be clothing and pieces of armor. There was also a rusted sword.
“The equipment doesn’t seem very damaged for someone who was killed.”
“It feels more like it was stripped off. In any case, it’s quite old.”
“I’m speculating, but if they were offering adventurers as sacrifices every ten or twenty years...”
“So that’s why they invited us to the temple and served us food. I did think they strangely lacked hesitation for amateurs. So, it was a regular event.”
Putting adventurers to sleep, offering them as sacrifices to the evil god, and having messenger monsters consume them...
What they did to Lucella and Ivar was likely not their first time.
“Why adventurers, though? Those guys have some level of experience, they’re strong, cautious, and have the backing of the guild.”
“Hmm... Maybe they were looking for powerful sacrifices...”
Lucella had some knowledge of evil god worship.
While offerings to evil gods were commonly associated with virgins or children, some evil gods sought strong sacrifices.
Ivar also peered into the cave as well, but there was nothing there anymore.
“If those kids were buried deeper in, this would have been a short conversation.”
“That’s a bit...”
As Lucella began to speak, she suddenly noticed something on the periphery of her vision.
“That slope...”
“What’s wrong?”
“If a Bandit Lynx was making a den, I’d expect it to prefer the area beyond this one.”
A place away from the river was slightly elevated, and its side resembled a gentle cliff. It might be easy for a person to slip, but for agile creatures, it would be no problem.
“This is the ‘Land of Water,’ so magic beasts not adapted to water tend to avoid flat areas or places near the river. I heard some interesting cases from Viola...”
“Hmm, regional preference, but does that still stand true with evil god’s familiars?”
The slope was lush with greenery, but there were sporadic patches of exposed soil, which gave Lucella a feeling that something was not right.
Lucella grabbed the grass and began to climb up the slope when a pungent odor hit her nose.
“Yuck! It’s that smell.”
“That smell...? I don’t smell anything.”
From the exposed soil, there was a noxious chemical-like smell wafting out. Lucella pointed at it, and flames surged, causing a small explosion that blew away the soil.
“Just as I suspected...!”
A deep cave was revealed. It wasn’t just a result of the explosion blowing away the soil; the entrance to the cave had been sealed with earth, and Lucella had merely uncovered the ‘lid.’
A strange foul odor mixed with the smell of blood.
Inside the sealed cave, the Bandit Lynx was dead. It had split its own belly with its strong claws and devoured its entrails with its sharp fangs. It was dead, and there was no sign of the children. | {
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西側で見られるパレスチナ・ロマンチシズムとでも呼ぶべき未知の感情を誇張するのは難しい。エドワード・サイードのような最近の識者がこれに対し意見を述べたが、米国や欧州でこの感情を信奉する者は多い。パレスチナ・ロマンチシズムはパレスチナ人をイスラエルの規制による犠牲者として称揚し、イスラエルによるパレスチナ人に対する扱いが最高でも二級市民に過ぎないという点を指摘し、イスラエルの「安全策」による影響を含む支配下に置かれた領域における多くの抑圧事変を例証する。暗黙的あるいは明示的に、人々は犠牲者の味方につき、資金を送ることで彼らに貢献し、自爆者の正当性を主張するものさえ出ているが、そのことによって、支援とイスラエルからの防衛からますます逸れて離れつつある。 | Palestine romanticism glorifies the Palestinians as the victims of Israel’s rule, points to the treatment of Israeli Palestinians as at best second-class citizens, and cites the many incidents of oppression in the occupied territories, including the effects of Israel’s “security fence.” Implicitly or explicitly, people take the side of the victims, contribute by sending money to them, declare even suicide bombers legitimate, and move ever further away from support for and defense of Israel. | {
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朝食を済ませた後、ガドルスにオートミールを作ってもらい、ミシェルちゃんの見舞いに行く。
「なお、俺は例外である」
「え、ニコル様、何か言いました?」
「んや、なんでも」
ミシェルちゃんは年に似合わぬ成長を見せているので、俺にとってはこの世話は眼福以外の何物でもない。
「ミシェルちゃん、起きてる」
扉を開けて部屋に入ると、彼女の体温に温められたのか、廊下よりも室温が高い空気が身を包む。
「具合はどう? ちょっと熱測るね」
伝わってくる熱はかなり高く、今日動くのは難しそうに思えた。
「うん、高い。これじゃ、今日のお仕事は無理だね」
「ダメ、熱がある時はミスしやすいんだから、今日は安静にしておくこと」
「でもでも、鎧の調整とかしなきゃいけないし」
「それはまた後日だね。冒険者のミスは命にかかわることが多いんだから、慎重に行動しないと」
「あうぅ」
その時の感想としては『おのれ』である。冒険で引き締まったお腹と、その割に豊満な胸の対比が実に見事で、思わず見惚れてしまったくらいだ。
その後ミシェルちゃんの世話はフィニアに任せ、俺はガドルスの元に向かった。
「レイドか。ミシェル嬢ちゃんの様子はどうだった?」
「ああ、あの調子なら大丈夫そうだ。ちょっと熱が高いけど、ただの風邪だな」
俺の見立てに少し安堵したかの様子を見せたガドルスに、食器を渡しておく。
「お前の胸甲だ。ベルトの調整は済ませておいたから、具合を確認せい」
「お、もうできたのか。仕事が早いな」
「ふん、お前がレイドだと知っていたら、もっと手を抜いておったのだがな」
「おいおい、そりゃないぞ」
このツンデレドワーフめ。昨日は嬉しいと素直に言っていたくせに。
「ミシェル嬢ちゃんの方は、買い直した方が早いだろうな。完全に体型に合わんようになっておる」
「装備させずにわかるのか?」
「ここへ来た時はすでにかなりきつそうにしてたからな。変に調整するより新しく大きめを買っておいた方が安全じゃ」
「成長が早いのも善し悪しだな」
「弓士だからな。特に女は胸に弦が当たるから消耗が早い。あの体型とあの弓なら、なおさらだ」
今までのような一般的な素材では、弦が当たった時に大怪我をしかねない。
「ガドルス、今度邪竜の素材を使って鎧をいくつか作るから、お前からの贈り物ってことにして渡してくれないか?」
「む? それを人が聞けば、ワシが贔屓をしたと取られかねんぞ?」
「面倒な奴だな。じゃあマクスウェルからの卒業記念とか、そんな感じで適当な理由をつけてくれよ」
「それはお前が直接交渉せい」
「そんなこともあろうかと!」
俺とガドルスの会話に、突如甲高い声が割り込んできた。
「出たな、白いの――って、なんでお前も一緒なんだ!?」
振り返った俺の視線の先には、案の定『白いの』と......アストの姿があった。
「『なんで』とは随分な言い草だな。嫁の不始末を詫びに来たに決まっている。ついでに詫びの品も持参した」
「嫁?」
「コレだ」
その行動がどういうことか、その事実がどういう意味を持つのか、俺は即座に理解できなかった。
「嫁......嫁えぇぇぇぇぇ!?」
アストが既婚者であることは、すでに聞き及んでいた。だから嫁が一緒にいること自体は驚かない。
白いのは世にいう破戒神であり、その夫は風神と呼ばれる存在だ。
「まさかお前、風神ハスタール!?」
「そう呼ばれることもある」
「いや待て、そんな馬鹿なことが......」
アストの住処にある魔道具の数々、彼からもたらされた装備の質の高さ、そしてこの間、地下から漏れ聞こえた女性の声。
あれは白いのの声ではなかっただろうか?
「いやいや、そこまで驚いていただくと、わたしとしても感激の極みです」
「今回そこは問題じゃない。お前の仲間に暴走をけしかけ、街を離れる切っ掛けを作ったと聞いてな。さすがに心苦しいので、いくつか装備を持ってきた」
そういうとアストは――いや、ハスタールはカウンターの上の装備を並べ始めた。
「まず、魔竜ファーブニルの皮を使った胸甲......」
「いきなりとんでもない品を出してきたな、おい!?」
「なに、脱皮した時に回収した奴を使ったから、元手は掛かっていない。続いて鱗を使ったガントレット。こちらはエルフの娘に装備させるといい」
「フィニアのことを知っているのか?」
「嫁から聞いた。サイズも間違いないはずだ」
フィニアは槍を使うようになったのでやや防御が怪しくなっている。特に前に出す左腕は敵の攻撃に晒されやすい。
「胸甲は件の娘に渡すといい」
「待て、俺のがないぞ」
「お前にはこれまでさんざん装備を融通してやっただろう?」
「そりゃそうだが......まあいいか。ちょうど良かったよ。感謝する」
どのみちミシェルちゃんに胸甲を用意する予定だったので、手間が省けたと言える。
「それにしては......妙に地味なデザインだな?」
「ああ、サードアイは目立っただろう? その反省を活かして目立たないように工夫してみた」
「その配慮はありがたいね。目立つのは、もっと実力をつけてからにしたい」
俺のような経歴を持っていると、親りと見られる事態も多い。ギルドの階位を上げるまでは、あまり目立たぬようにした方が、印象はいいだろう。
「それと盾だな。これは一般的な金属の盾だが、内側に同じくファーブニルの皮を張っている。見かけはただの鉄だが、防御力は桁違いになっているはずだ」
「クラウド用か」
「野郎の装備など作りたくなかったのだが......」
「その意見には同意するよ」
「まあ、俺たちからの贈り物ということで皆に配ってやってくれ。これでこいつの失態は水に流してくれると助かる」
「そういうことなら、きっと許してくれるさ」
そもそもミシェルちゃんは、そういう思考にすら至っていない。
「では、俺たちはこれで」
「もう行くのか?」
「久しぶりの嫁との観光だからな。水入らずにしてほしいところだ」
「あ、そう......」
なおガドルスは、一言も発せず硬直したままだったのである。 | Once we finished our breakfast, I had Gadius prepare oatmeal and we headed to visit Michelle. Fortunately, her cold didn’t seem to be anything big, so while she was feeling listless she was still awake. Incidentally, since we were visiting her room I had Cloud refrain from visiting. After all, we would have to wipe her sweat.
“But I’m an exception.”
“Huh, did you say something, Lady Nicole?”
“Nope, nothing.”
Michelle had undergone growth that didn’t fit her age, so this job was quite frankly a sight for my sore eyes. I mean, I did worry about her condition too of course.
“Michelle, are you awake?”
“Yeesh.”
As I knocked and called out to her, a sluggish reply came from the other side. She seemed pretty listless there. As I opened the door, a warmer air compared to the corridor wrapped around me, perhaps heated up by her body. I became worried and went to measure her temperature.
“How are you feeling? Let me check your fever.”
I put my forehead on her and compared our temperatures. I felt quite a high heat coming from her, so she probably wouldn’t be able to move today.
“Yeah, it’s pretty high. You can’t work today like this.”
“No wayyy.”
“No means no. It’s easy to make a blunder when you have a fever, so just rest for today.”
“But I have to adjust my armor.”
“Leave that for another day. Mistakes for Adventurers are connected to losing their life, so you have to be careful.”
I tried to pacify the grumbling Michelle and fed her the oatmeal that I brought. After that, I removed her upper clothes to wipe her sweat. My only thought during that was “damn.” The contrast between her abdomen firmed up from adventures and her abundant chest was so splendid I got fascinated.
After that, I left Michelle’s care to Finia and returned to Gadius. As it was already past breakfast time, the customer traffic had passed its peak and there were hardly any customers left in the hall. Gadius was aware of that so he called me with my previous name.
“Reid. How is little Michelle faring?”
“Yeah, she should be fine given the way she acted. She had a bit of a high fever, but it’s a normal cold.”
I passed the tableware to Gadius who appeared a bit relieved at my answer. He wordlessly took it and took out some equipment in exchange.
“This is your breastplate. I have adjusted the belt so do check and confirm.”
“Ah, already? You work fast.”
“Hmph, had I known you were Reid, I would have cut more corners.”
Good grief, this tsundere dwarf. He honestly said he was happy just yesterday too.
“As for little Michelle, it would be quicker to buy a new one. The current one is too out of her body proportions.”
“You can tell without it being equipped?”
“It was already quite tight when you came here. It would be safer to buy a larger one anew rather than force adjustments on this one.”
“Even growth has its merits and demerits huh.”
“She is an archer, after all. Women in particular tend to wear out their armor faster due to the bowstring hitting their chest. Given her body figure and that bow, this would be a particularly severe case.”
If she were to use the Third Eye, we needed to urgently find a new breastplate for her. If we went with general materials like until now, she could risk a big injury when the bowstring hits it.
“Gadius, I will use Evil Dragon materials later and make some armor, so can you give it to her as a present from your side.”
“Hmm? But would people not think I am partial to her if people got the word of it?”
“What a pain they are. Then just make up some reason, like it being a graduation memento from Maxwell or something.”
“Go and ask Maxwell directly yourself.”
“I thought this would happen!”
A high-pitched voice suddenly intruded on our conversation. I have heard that voice many times by now.
“So you showed up, Whitey—wait, why are you with her!?”
As I turned around, the “Whitey” was there as I expected... Along with Aste.
. Of course, I came to apologise for my wife’s failures. And I also brought you an item as an apology.”
“Wife?”
“This thing.”
He said and tapped on the Whitey’s head next to him. I failed to process what his gesture and words meant for a moment.
“Wife...A wifeeeee!?”
I had already heard that Aste was married, so him being together with his wife wasn’t strange. But it changed then that wife was Whitey.
Whitey was the so-called God of Destruction, and her husband was called the God of Wind.
“Don’t tell me, you’re the God of Wind, Hastur!?”
“I suppose I have been called that.”
“No wait, how can that be...”
I reflexively denied it with words, but half of me was already convinced of it. The number of magic items in his house, the quality of the equipment he gave me, and the voice of a woman that leaked out from the basement the other day.
Didn’t it belong to Whitey?
“Hey, if you act so shocked now, I’m going to become emotional about it too.”
“That’s not the issue now. I heard that she made your comrade run wild and it led to her having to leave the city. I felt sorry for that, so I brought some equipment to you.”
With those words, Aste—or rather, Hastur, started to line up three pieces of equipment on the counter.
“First, a breastplate made with the Demonic Dragon Fafnir’s skin...”
“You started with something crazy right off the bat!”
“Don’t worry, I used the skin I collected during the shedding period, so it didn’t require any funds. Next, here are the gauntlets made from its scales. You should have the elf girl wear them.”
“You know about Finia?”
“I heard from my wife. It should be the right size too.”
Whitey puffed her chest next to him. I just felt like punching her smug face. But I had to thank her for this. Since Finia started using the spear, her defenses were becoming a bit of a problem. Her hands in particular were prone to enemy attacks as she pushed them forward. I was very grateful for these gauntlets. Still, the way Whitey was swelling her nostrils in pride was really getting on my nerves...
“You can give the breastplate to the girl you were talking about.”
“Wait, there’s nothing for me.”
“I’ve already given you a lot of equipment until now, haven’t I?”
“Well, yeah, but... Okay, fine. But your timing was great. Thanks.”
I planned to prepare a breastplate for Michelle, so he saved me a lot of trouble. And since it was a gift from the God of Destruction, I didn’t have to come up with any stupid excuses either. It was literally a godsend.
“Still... This is quite a simple design, huh?”
“Yeah, well, the Third Eye stood out, right? I reflected on that and made this one less conspicuous.”
“That was thoughtful of you. I want to leave standing out after we gain more power.”
If a newbie had good equipment, that would be enough to get them rolled up into trouble. With someone of my background, it could be taken as if I was piggy-backing on my parents’ influence. It would leave a better impression if we didn’t stand out until we ranked up further in the Guild.
“And here’s a shield. This is made with ordinary metal, but it also has Fafnir’s skin on the inside. It looks like a normal iron shield, but the defensive power it offers is incomparably higher.”
“For Cloud, huh?”
“I didn’t really want to make equipment for a guy though...”
“I have to agree with you there.”
“Anyway, you can distribute them as gifts from us. I hope you can forgive her blunder with this.”
“I’m sure she will forgive her.”
In the first place, a thought to blame her hadn’t even occurred to Michelle. Let alone forgive her, a pure girl like Michelle would be grateful instead.
“Well then, our business is done here.”
“You’re going already?”
“I’m going sightseeing with my wife for the first time in a long while. I’d like some alone time.”
“I see...”
With those words, the two quickly left the inn. Like this, we were able to improve our equipment. Meanwhile, Gadius was still petrified without uttering a single word. | {
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放たれた矢は放物線を描き、最前線にいるバックラーに向かう。
さて、どう出る第3職......!
「............」
彼は何もしなかった。
矢は鎧に命中したが、それだけだった。
射程ギリギリから撃った通常の矢ではダメージを与えられない。
正直、これは予想通り。
相手は上位のプレイヤー、普通に矢を撃って倒せるはずがない。
次はバックラーの周りのプレイヤーを狙う。
『最硬』と呼ばれるプレイヤーには効かなくとも、普通のプレイヤーにはこの距離からでも多少は効果があるはずだ。
「ロック! マルチショット!」
10人のプレイヤーに向けて矢が飛ぶ。
これで少しでも数を......。
「エナジーバリアIII!」
バックラーが両手を矢に向けて突き出す。
そこからオレンジ色した長方形のバリアが発生する。
デカい......! 10本の矢を全て防がれた。
でも、まだ驚くほどではない。
前衛職ならばバリアスキルの1つや2つ持っているだろう。
ちょっと想定より範囲は広かったが、数千人の軍団すべてを守れるほど広くはない。
もっとバックラーから離れた位置のプレイヤーにならば矢は通る。
それより、注目すべきは敵軍の歩みの遅さだ。
足元にオーラが見えているので、コストを使って行軍高速化はしているのだろう。
それなのにあの遅さなのだ。
その原因がやっとわかった。
他でもないバックラーのせいだ。
彼は防御を高めるあまり速さを犠牲にしすぎている。
装備は硬いが、重いのだ。
しかも、バリアを発動する時には立ち止まる必要もある。
そんな鈍足な彼を置いて進むことが他のプレイヤーには出来ない。
彼は有名ギルドに所属するトッププレイヤーだから。
おそらく、この奇策とも言える開幕突撃を考えたのも彼だろう。
セオリーのない初イベントだからこそ、今までのイベントで結果を残しているプレイヤーの意見は通りやすい。
このことから、敵軍はろくにコストも稼がないまま進軍していることがわかる。
コストを稼いだ後に進軍してきたというのはありえない。
なぜなら......このイベントは長距離ワープスキルが禁止されているからだ。
禁止というのは使ったら罰則とかではなく、使えなくされている。
このルールは事前に発表されていなかった。
俺もイベントが始まってから気づいた。
【ワープアロー】でカッコつけて移動しようとしたのに、不発で笑われたのを覚えている。
だから、進軍を速めるにはコストを消費しての高速化か、プレイヤーが持つ速さバフスキルを地道に使うほかない。
そんな状況で鈍足のバックラーがこの砦にたどり着くには、それこそ早めに動き出すしかない。
モンスターを狩ってコストを稼ぐ時間はない......はずだ!
敵軍に向けて風を吹かせる。
無理して来てもらったところ悪いが、帰ってもらうぞ!
「ブラックスモッグ!」
黒い球をいくつも地面に投げつける。
弾けて外に漏れ出した煙は、風に乗って敵陣へと流れていく。
流石にこれをバリアでは防げまい!
「サイクロン!」
「ウィンドブラスト!」
「大地の息吹!」
「旋風槍!」
反応したのはバックラーではなく、他のプレイヤーたちだった。
みんなで風を起こすスキルを発動し、黒い煙をこちらへと押し返す。
あ、そりゃそうか。
このイベントでフンを投げようとするのは俺だけでも、風を起こせるのは俺だけじゃないよな......。
臭い煙がこっちに流れてくるぞ!
複数のスキルを合体させた強力な風だ。
【風雲一陣】も簡単に押し負けてしまう......!
ギ......ギギギ......ドォンッ!
キャノンゴーレムたちの砲撃による爆風で、臭い煙は拡散した。
危うく自分の切り札で自分を苦しめるところだった......。
やはり、勝利のカギは悪臭による嫌がらせではないか。
みんなで稼いだコストを使って召喚、強化を施したゴーレムたちだ。
今はAIによる自動操作にしているおかげで、俺の命令なしに勝手に対応してくれた。
しかし、戦車みたいな大砲を背負っているんだから、もう十分敵軍に砲撃が届くんじゃないか?
もしかして、攻撃に対して反撃する設定になっているとか?
それなら敵から跳ね返された煙には反応して、敵軍には反応しないわけだ。
AIの設定をサーチ・アンド・デストロイにしたいな。
とにかく射程に入った動くものは狙い撃ってほしい。
「えっと、ゴーレムの管理用ウィンドウを開いて、全個体一括で設定を変更して......。あ、命令による砲撃も可能なのか」
プレイヤーの指示で照準を合わせ、プレイヤーの合図で砲撃を行うモードもあるようだ。
これを使って最大射程がどれほどか調べよう。
「照準!」
地面に赤い丸のエフェクトが表示される。
今の状態で撃ったらここに当たりますよ、という目印だ。
この照準をもっと前に移動させる。
おお、遠くまでいけるじゃないか。
普通に敵軍まで届いたぞ。
やっぱりAIの設定が違ったんだ。
射程に敵が入ったら問答無用で攻撃するモードに切り替える。
これで全キャノンゴーレムと砦の砲台による一斉砲撃が......始まらなかった。
この感覚......。
若い頃にフリーゲームを作ろうとして、思い通りにキャラが動いてくれなかった時の感覚に似ている。
もどかしい。正解がわからない......。
「いやっ、そうか!」
すべては射程だ。射程なんだ。
ゴーレムは操作しているプレイヤーの射程ステータスがのるんだ。
だから、AIに任せるとまだ砲撃が届かない。
届かないから攻撃しないんだ。
「全キャノンゴーレムと砲台のコントロールを俺に!」
地面に無数の照準が表示される。
それをすべて敵軍に合わせる。
ドォンドォンと爆音を響かせ砲弾が飛ぶ。
バックラーは【エナジーバリアIII】を展開。
連発できる防御スキルとしては破格の強度と範囲だが、流石に数千人はいるプレイヤーすべてを守りきれない。
他のプレイヤーたちも自衛のためにスキルを発動する。
結果的にほとんどの砲弾が撃ち落とされてしまった。
だが、1つ2つ......撃ち落としきれずプレイヤーの近くで爆発した。
何人かが吹っ飛び、悲鳴が上がる。
悪くない......! とにかく、今は少しでも数を減らすんだ。
キャノンゴーレム、砦の砲台ともに一度撃ったら次弾の装填に少し時間がかかる。
その隙は俺自身の射撃で埋める。
バックラーの防御スキルの届かないところにいるプレイヤーから削っていく。
そして、装填が完了したらすぐに......。
敵は慌てている。さっきより撃ち落とせた砲弾は少なく、着実に被害が増えている。
このまま無抵抗で倒されてくれればいいが、そんなわけにはいかない。
もうすぐ『ある行動』に移るプレイヤーが出てくるはずだ。
それを許せば敗北する。何としても叩く......! | The unleashed arrow drew a parabolic curve as it headed straight towards Buckler, who was in the front line.
So, how will you react, rd...!
“...”
He didn’t do anything.
The arrow hit his armor, but that was all.
It was a normal arrow, and he was only barely within range. It was not enough to deal any damage.
To be honest, I completely expected this.
This was an advanced player, and not someone who could be defeated by just shooting at him normally.
Next, I targeted the players around Buckler.
Even if it didn’t work on the best of players, my arrows should have some effect on the others at this distance.
“Lock! Multi-Shot!”
Arrows flew at different players.
Perhaps I could take down their numbers just a little...
“Energy Barrier III!”
Buckler thrust out both of his hands out towards the arrows.
And then an orange, rectangular barrier appeared.
It’s huge...! All of the arrows were blocked.
But this too, was not particularly shocking.
Yes, of course, the vanguard would have a barrier skill or two.
It may have been a little larger than I would have expected, but it wasn’t enough to protect thousands of players at once.
I would be able to shoot down the players that were farther away from Buckler.
However, the thing that really should be taken note of, was how slow they were.
As I could see an aura at their feet, it meant they were using points to accelerate their speed.
And yet they were still slow.
I finally understood why.
It was none other than Buckler’s fault.
He was sacrificing speed in order to increase their defenses.
his equipment was hard, but heavy.
Not only that, but he had to stop when activating barriers.
And the other players could not leave him and continue to advance.
After all, he was the top player of a famous guild.
He was likely also the one who had thought of this strange strategy for charging.
This was the first event of its kind, with no established strategies for success. And as a high-level player, most people would listen to him.
Judging by all of this, I knew that the enemy army had started marching before gathering much War Cost.
There was no way that they started marching after.
Because...long-distance warp skills were banned in this event.
That didn’t mean that there was a punishment for using it. You just couldn’t activate it at all.
This rule hadn’t been announced beforehand.
I had only noticed it after the event started.
I had tried to show off and use ‘Warp Arrow’ to teleport, but it didn’t work, and I ended up getting laughed at.
And so if you wanted to move quickly, you either had to accelerate with points, or use speed buff skills repeatedly.
In any case, if Buckler was going to move towards this fortress at such a speed, then they would have had to act quickly.
There would be no time to hunt down monsters...I think!
“Windcloud Blast!”
I directed a wind at the enemy army.
It didn’t matter how much effort they put into coming here, it was time to leave!
“Black Smog!”
I threw a couple black spheres onto the ground.
They exploded and the smoke spread out. Then the wind pushed it towards the enemy.
Even their barriers would not be able to stop it!
“Cyclone!”
“Breath of the Earth!”
“Whirlwind Spear!”
It wasn’t Buckler who reacted, but the other players.
They came together and activated skills to create wind, pushing the black smoke towards us.
Oh, right.
Even if I was the only one in the event who could throw excrement, I wasn’t the only one who could make wind...
The stench and the smoke was coming back to me!
It was a powerful wind that was a combination of multiple skills.
And so even Wind Blast would lose to it...!
Gi....gigigi...don!
The Cannon Golems fired, causing a violent wind that dispersed the smoke.
That was close. My trump card nearly became the end of me...
I guess using bad smells was not, in fact, the key to victory.
No, it was the golems that I summoned with the points everyone had collected.
Currently, they were automated and had their own AI for movement. And so they acted without me having to give out orders.
However, they had cannons like the kinds on tanks, so shouldn’t they be able to reach the enemy already?
Perhaps they only react when they are attacked?
That would explain why they reacted to the smoke, but not the enemy.
I wished that I could change their setting to ‘search and destroy.’
In any case, I wanted them to shoot down anything that came within range.
“Uhh, let’s try opening the Golem management window and change their settings... Ah, so you can order them to fire.”
There was a mode where you could order them to target something and fire at your command.
I could use it to figure out their maximum range.
“Take aim!”
A red, circlular effect appeared on the ground.
It showed where it would land if they fired.
And so I moved it forward.
Huh, it could actually go quite far.
It easily reached the enemy army.
So the AI settings really were wrong.
And so I switched to a mode where they would attack without question as soon as the enemy were in range.
Now all of the Cannon Golems and the fortress’s cannons would attack all at once...
This feeling...
It reminded me of when I tried to make a game when I was younger, and the characters wouldn’t move as I had planned.
It was annoying. I didn’t know what the problem was...
“No, I do!”
It was all in the range. The range.
The Golems were affected by the range of the player controlling them.
And so if left to the AI, they were not within range.
And when not in range, they didn’t attack.
“Control of all Cannon Golems and cannons to me!”
Numerous targets appeared on the ground.
I moved all of them to the enemy.
With thunderous booms, the cannon balls flew.
Buckler put up ‘Energy Barrier III.’
For a defense skill he could use repeatedly, the strength and range was impressive. But that was still not enough to cover thousands of players.
The other players also activated skills to protect themselves.
As a result, nearly all of the cannon balls were shot down.
However, one or two...managed to land, and explode near the players.
Several of them went flying, and screams erupted.
Not bad...! In any case, I had to take down their numbers as much as possible.
Both the Cannon Golems and fortress cannons had long cooldown times after firing.
And so I started firing my own arrows to cover them.
I chipped away at the players that were not under Buckler’s protection.
And as soon as the cooldown was finished...
The enemy was frantic. Fewer of the cannon balls were hit this time, and they did more damage as they fell.
I hoped that they would continue to fall like this, but it would not be that easy.
Soon, certain players would try to do ‘something.’
And if I allowed them, I would be defeated. And so I had to beat them first, no matter what...! | {
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「『ろ、ロックさん、どうしてここに?』」
通話の腕輪からと直接の肉声が、ほぼ同時に聞こえる。
「説明は長くなるからあとだ。こいつらを殺してから考えよう」
「お父さま!」「ぱぱ!」
シャルロットとマリーはエリックを見て、嬉しそうだ。危機はまだ去っていないのだが安心したようである。
「待たせてごめんね。シャルロット、マリー。目をつぶってなさい」
の王女は、素直に目をつぶる。
これから起こる凄惨な場面を見せないようにしたいのだろう。
「あなた、遅かったわね」
レフィの足元を中心に、シア、セルリス、王女を守るように魔法陣が刻まれていた。
魔法陣の効果は守護結界だ。
レフィはシャルロットを身ごもるまで、俺とエリック、ゴランと同じパーティだった。
超一流の回復術士にして、聖なる力の使い手だ。そのレフィの作った結界なら効力は絶大。
この辺りの霧が薄かったのは、レフィの結界の効力だろう。
「セルリス。よく粘った」
ゴランは笑顔でそういうと、セルリスとシアの足元に目をやる。
生きている十匹のヴァンパイアの他に、死んだヴァンパイアが残す灰の小山が十ほどあった。
十匹はシアとセルリスが倒したのだろう。
二十匹に襲われて、そのうちの十匹を倒すとは、二人の成長は著しい。
「時間稼ぎしただけよ!」
レフィが魔法陣を刻んで結界を張るまでの間、シアとセルリスがヴァンパイアを相手にしたのだろう。
「二十匹のコウモリ野郎相手に、時間を稼げるのは素晴らしいことだ。後は任せろ」
そういいながら、俺は残った十匹のヴァンパイアの首を、魔神王の剣で順に刎ねていく。
エリックとゴランもそれぞれヴァンパイアを狩っていった。ガルヴも勢いよく飛びかかる。
十匹のヴァンパイアはロードである。ロード十匹など、俺たちの相手にはならない。
あっというまに狩りつくした。
霧やコウモリになって逃げようとしたが、ゲルベルガさまが鳴いて全て灰にする。
部屋を安全にしてから、俺は念話を使って皆に言う。
『レフィ、王女たちを連れて俺の屋敷に逃げるといい』
『そうでありますね。それがいいかも知れないであります』
『なにを言うの? 私は戦うわよ?』
『王女たちを安全な場所に逃がすだけでなく、フィリーたちの護衛が欲しい』
『ああ、ロックの言うとおりだ。いま、フィリーが神の加護の穴をなんとかする方法を考えてくれている』
『そういうことならば、わかったわ。協力できることもあるかも知れないし。ロックの屋敷に向かうわね』
『あたしたちも、ロックさんの屋敷に行った方がいいでありますかね』
『私は――』
前のめり気味にセルリスが何かを言いかけた。私は戦えると言いたいのだろう。
そんなセルリスにゴランが言った。
『セルリス』
『なに、パパ』
『指示には従え。無理はするな』
『はい!』
セルリスは嬉しそうに張り切っていた。
シアとセルリスは子供をかばいつつ、ヴァンパイアロード二十匹を同時に相手にして十匹を倒した。
それは単に十匹だけで攻めてきたヴァンパイアを全滅させるよりもずっと難しい。
そんな強力な戦力を遊ばせる余裕はない。
そうゴランは判断したのだ。ギルドマスターらしい的確なる判断だ。
そして俺はシアに言う。
『シアも来てくれ』
『わかったであります!』
レフィと王女たちを秘密通路の入り口まで送った後、俺は魔法で周囲を探索する。
そうしながら、俺はフィリーに通話の腕輪を使って話しかけた。
「フィリー。聞こえるか?」
『......聞こえる』
通話が通じていると言うことは、霧に覆われていないと言うこと。
まだ俺の屋敷は安全だ。
「そちらに味方を送った」
声に出しているので、具体的な内容は伏せて会話をする。
フィリーは天才なので、具体的なことは言いたくないという俺の意図を察してくれるだろう。
『わかった』
「状況はどうだ?」
『難しい』
「そうか。引き続き頼む」
そこで通話を終える。
その間に俺は王宮の魔法での探索を終えている。
とはいえ、霧の中は探索できない。わかったのは霧の外の状況と霧の位置だけ。
だが、それがわかれば、色々と推測できる。
『こっちだ。ついてきてくれ』
俺が走ると皆がついてくる。
『ロック。こっちになにがあるんだ?』
『ゲルベルガさまが霧を払ってくれたのに、またすぐに霧が発生した箇所だ』
ゲルベルガさまの鳴き声の効果範囲はかなり広い。
だから、霧が払ってもらった場所全てを丹念に調べられたわけではないのだ。
当然見落としはある。
『なるほど霧の発生源か、どうしても隠したいものがあるということだな』
しばらく走ると、その場所が見えてきた。 | “‘Uh, Mr. Locke. Why are you here?’”
I could hear the voice directly and from the bracelet at nearly the same time.
“It will take too long to explain it here, so it can wait. We’ll talk after killing them.” “Father!”
“Papa!”
Charlotte and Marie looked happy when they saw Eric. While the danger was still present, they now felt safe.
“I’m sorry for being late, Charlotte and Marie. Now, close your eyes.” “Yes! Father.” “Okay!”
And so the two princesses closed their eyes obediently.
He did not want them to see the carnage that would ensue.
“You really were late, my love.” “But we came as fast as we could.” “Well, I shall forgive you then.”
Lefy was sweating from her forehead as she held her staff up in order to protect her children. Spreading out from where her feet were, was a magic circle that surrounded Shia, Serulis, and the princesses.
It was a defense barrier.
Up until she became pregnant with Charlotte, Lefy was in the same party as Eric, Goran and me.
She was one of the best healers, and used holy power. Any barrier that she made would be incredibly effective.
In fact, it was likely her barrier that caused the fog to be so thin in this area.
“Good work, Serulis.”
Goran said with a smile. Then he looked at Serulis and Shia’s feet.
Aside from the ten living vampires, there were piles of ashes that suggested that at least ten vampires had been slain.
Those ten must have been defeated by Serulis and Shia.
They were chased by twenty and managed to kill half of them. The two had grown so much.
“We were just buying time, that’s all!”
Shia and Serulis were probably holding off the vampires until Lefy could finish making the barrier.
“It’s amazing that you were able to buy time against twenty of those bat bastards. You can leave the rest to us now.”
So saying, I used the Devil King Sword to cut off the heads of the remaining ten vampires.
Eric and Goran were also killing them. Even Grulf jumped on one energetically.
The ten were vampire Lords. But ten Lords were nothing to us.
And so we hunted them down in no time.
Some tried to escape by transforming into mist or bats, but Lord Gerberga cried and turned them into ash.
Once the room was secured, I used Telepathy to talk to the others.
‘Lefy. You should take the princesses and escape to my mansion.’
‘Yes. That might be a good idea.’
‘What are you talking about? I can fight too?’
‘It’s not just about keeping the princesses in a safe place, but I want someone to guard Philly and the others.’
‘Aye, Locke is right. Currently, Philly is trying to come up with a way to deal with the hole in the divine barrier.’
‘If that’s the case, very well. I might be able to help in some way. I’ll go to your mansion then, Locke.’
‘Perhaps we should go to your mansion as well, Mr. Locke.’
‘But I...’
Serulis seemed like she wanted to say something. I suppose she wanted to stay and fight as well.
But then Goran turned to her.
‘Serulis.’
‘What, daddy?’
‘Yes!’
‘Obey my orders. And don’t be reckless.’
Serulis looked happy and excited.
Shia and Serulis had protected the children while dealing with twenty vampire Lords. And they had defeated ten of them.
That was a lot harder than merely killing ten vampires who had attacked.
And this was no time to be wasting such a powerful fighting force.
That was Goran’s decision. It was a precise and accurate one, as you would expect from a Guild Master.
And then I turned to Shia.
‘You come too, Shia.’
‘Understood!’
After we saw Lefy and the princesses leave through the secret passage, I used magic to search the area.
In the meantime, I talked to Philly through the communication bracelet.
“Philly. Can you hear me?”
‘...I can hear you.’
If we could hear each other, that meant she wasn’t covered by mist.
So my mansion was still safe.
“I’ve sent some friends your way.”
While I spoke out loud, I left out any specific information.
And since Philly was so smart, she would be able to detect my intention, and that I didn’t want to say anything specific right now.
‘Understood.’
“How is the situation over there?”
‘Difficult.’
“I see. Well, please continue.” ‘Aye.’
And the conversation ended.
At that point, I had finished searching the palace with magic.
That being said, I couldn’t search within the mist. All I knew was what was happening outside of it, and the position of the mist.
However, we could make a lot of guesses based on that.
‘This way. Follow me.’
I ran, and the others followed.
‘Locke. What will we find this way?’
‘The place where the mist kept returning, even after Lord Gerberga dispelled it.’
Lord Gerberga’s cry affected a large area.
And so it wasn’t as if we could search the entire place carefully.
So there would be things that we missed.
‘I see. The source of the mist. There must be something that they wanted to hide.’
As we ran, the place came into view. | {
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世界中いたるところで 人々は自由を勝ち取るため また 権利を求めて戦っています
戦う相手が 政府による抑圧である場合もあれば
社会による抑圧である場合もあります
どちらのほうが 難敵でしょうか
この問いへの答えを ご一緒に考えてみたいと思います
あれは二年前のことでした
ベッドの脇で5歳の息子アブーディを
寝かしつけようとしていた時です
お祈りをすませた後 まっすぐな目で息子はこう尋ねました “ママ 僕たちは悪い人なの?”
とても驚きました
“なぜ そんなことを聞くの?”
実はその日 息子は 顔に傷を作って学校から帰って来ました
理由を聞いても口をつぐむばかり
やがて重い口を開くと
“友達二人に殴られたんだ”
“お前の母さん フェイスブックで見たぞ”
“お前たちは刑務所行きだ”って 息子にはそれまで何でも 堂々と話して来ましたし
一人の女性としても恥ずかしくない 生き方をしてきました
怯えたように尋ねる息子の目を見つめた その瞬間こそ私にとって 正念場だったといえます
私は 投獄された経験を持つサウジ人女性です 自動車の運転 それが容疑です 女性の車の運転は認められていない国なのです
車のキーを私に手渡そうとしただけの理由で 私の兄は二度拘留されています それが元でさんざん嫌がらせを受け 地質学者としての地位を追われ 妻子を連れて国を離れざるを 得なくなってしまいました
父は金曜日の礼拝の時に 説教者が女性ドライバーを激しくなじり 堕落したあばずれ と罵るのを聞かされました 礼拝に詰めかけた大勢の信者たちの前で 友人や親兄弟もいる中で
罵詈雑言の嵐はやがてどんどん拡大 地元メディアに 飛び交うデマが油を注ぎ 一般家庭や公共の場に広がりました さらに学校にまでも
ほとほと困りました
後でよく考えてみると 息子を殴った子どもたちには いじめの意図などなく
周りの大人たちの影響を受けたにすぎない
私が何か罪を犯したからとか ほんの数マイル運転したことへの罰ではなく
わざわざ世間に楯ついたことへの罰なのです ルールを侵す不届き者 と
話はこれで終わりではありません
さらにもう少しだけ お話ししましょう
2011年5月のことでした 私は職場の同僚に不満をぶつけていました なぜこんな仕打ちを受けなければならないの 家に帰ることさえ一人じゃできない 車は私の持ち物だし 国際免許だって持ってる
私の知る限り サウジの女性は 運転してはいけないという きまりには常に不満だった でも20年もの間 ただの一人として 立ち向かおうとする人がいなかった まるまる一世代よ と
すると同僚は言いました
“女性が運転してはいけないという法律はないよ”
調べてみると 確かにその通りでした
サウジアラビアの法律には そのような条文はないのです
単なる慣習や古くからの習わしで 厳格な宗教令ファトワに規定され 女性に課せられているのです
それを知ったことで 6月17日の行動を思いついたのです 女性がハンドルを握るのを勧める 女性ドライブキャンペーンです
その数週間後 あちこちからこんな声が聞こえてきました "女だてらに運転すると 狼のような男に襲われるぞ"
一人の勇気ある女性がいて 名前はナジラ・ハリリ 彼女もサウジ人で ジッダに住んでいます 彼女は運転したことを公表しましたが その様子を撮影していませんでした
証拠となるものを残したかった
そこで私が運転し その様子をYouTubeに投稿しました
そうしたらなんと 投稿したその日だけで 再生回数が数十万を超えたのです
すると どうなるでしょうか
そう 脅しのコメントで炎上です 殺してやるとか 襲ってやるとか 英雄気取りはよせとか
当局は終始静観を決め込み
それはかえって不気味でした
私のキャンペーンには女性の同胞のほか 男性の活動家もいました
私たちにとって気がかりなのは 当局が6月17日の決行当日 どう出るかでした 女性たちがドライブに出かける日です
そこで私は兄に頼んで パトカーと並走してもらいました
すぐさま 私たちは逮捕されました 今後運転をしないという誓約書にサインをして釈放
その後また逮捕 兄は一日留置された後に釈放 そして 私は投獄されたのです
これには納得がいきません 取り調べたところで そもそも容疑すら特定できないのですから
無実は明白でした
法を破ってはいないし身なりも整えていました アバヤという外出用の黒いローブを 身に着けていたのです 同房の囚人たちは 脱いでしまえと けしかけましたが 私は無実を確信していたので こう言いました “嫌です 私は今日にもここを出て行くんですから”
その頃刑務所の外では 国中が大変な騒ぎでした とことん私を責め立てる人もいれば 支援者もいて 署名活動までしてくれていました 私の釈放を求めて国王へ嘆願書を提出しようというのです
釈放されたのは9日経ってからでした
そして6月17日が来ました
道路という道路はパトカーで埋め尽くされ 宗教警察の車両もありました 数百人に上る勇敢なサウジの女性たちが 掟を破り その日 車を運転しました
逮捕者はゼロ ついにタブーを打ち破ったのです
(拍手) あらためて考えると サウジアラビアで女性が運転を― 許されていないことは 皆 知っていますが 元々の理由を知る人はほとんどいないでしょう
実はこういうことなのです
ある公式の研究が 諮問評議会へ提出されました 諮問評議会とは立法府であり サウジアラビア国王の任命を受けています その研究は国内の ある大学の 教授の手によるものです
教授いわく ユネスコの研究を基盤にしているそうです
その研究はこう結論づけています 強姦および姦淫 非嫡出子および薬物の乱用 および売春の発生率は 女性ドライバーの多い国のほうが 女性が運転をしない国よりも高い
なんというか 唖然としました
そうでしょう 世界の中でサウジだけですから 女性が運転できない国なんて
世界地図を広げてみると 世界は真二つです サウジアラビアと それ以外の二つ
ツイッターで この研究を非難する ハッシュタグを作った途端 こんな記事が世界を駆け巡りました
[BBC: “純潔の終焉”もたらす女性の運転 サウジ聖職者の警告] [BBC: “純潔の終焉”もたらす女性の運転 サウジ聖職者の警告] その時初めて知りました 勇気を持って立ち上がれば 虐げる者も恐れるに及ばない
相手から奪い取れる最大の武器 それは恐怖です
この構造的基盤は きわめて保守的な 伝統や風習によるものです 女性は劣った者として扱われ 力ある者に庇護される必要があり 庇護者からの許可なしには何も出来ない 不文律と成文法とを問わず それが一生の掟だと
女性は死ぬまで成人できないようなものです
その考えが宗教令ファトワの中で特別視され それがシャーリア法の誤った解釈に 基づいていればなおのこと 事態は深刻です
さらに最悪なのは それが成文化され 法として国家の構造に組み込まれ 女性たちが自らを劣った者であると信じこまされ あえて立ち上がり 法の定めに疑問を呈する者が 力でねじ伏せられてしまうことです
私の場合 これらの障害に立ち向かうだけでなく
全く異なる二つの顔をもつ者として 生きることを余儀なくされたようなものです 祖国では風紀を乱す悪者として 国外では英雄として
さらに これまでの2年間にこんなことがありました
一つは刑務所にいたときのことです
収監されている9日間に 世界中のメディアを駆け巡った このような 私の逮捕を報じる記事を ご覧になったことでしょう
しかし祖国では まるで正反対で
こんな有様でした "マナル・アルシャリフ容疑者 治安紊乱の疑い" "女性に車の運転をそそのかす扇動者"
ひどいでしょう
“マナル・アルシャリフ 扇動活動から撤退”
これはマシな方です もっと傑作なのは
“マナル・アルシャリフ 堕ちたヒロインの告白” “私は騙された 他国軍による陰謀” こんな調子で 公私ともにバッシングを受けました
まるで正反対の内容です
昨年私は講演の依頼を受けました オスロの自由フォーラムでした
周りの人たちは愛情をもって 私を支援してくださいました 勇気をもらえた とも言ってくれました
一方で 自国に戻ったときには 講演の評判はさんざんなもので
多くの人が言いました 裏切り者とか 国民を愚弄する者とか ツイッターには“オスロの売国奴”のハッシュタグまで登場
あれよあれよと1万ツイートに近づき 一方“オスロの英雄”のハッシュタグも出てきましたが ツイートは数えるほどしかありませんでした
さらにアンケートも始まり
13000人以上が回答 あの講演は売国的であったか否か
90%が私を売国奴と断罪
これこそ 先ほど言った全く異なる二つの顔の 一つです
私はサウジ人女性として誇りを持ち 祖国を愛しています 祖国愛こそ私の活動の原動力です
私は信じています 自由な社会というものは それを構成する女性たちの 自由なしにはありえない
(拍手) ありがとう
(拍手) ありがとう ありがとうございます
(拍手) ありがとう
自分に起こった出来事からは 気づきを得ることができます
私も気づきの連続でした
刑務所を出て最初にしたことは シャワーはともかくとして ネットを開くことでした ツイッターを開き フェイスブックにログインしました 私はいつも大いに敬意をもって 意見を下さる方に接してきました
彼らのメッセージに目を通しながら 口先だけの言い訳がましいことはやめよう
行動で示そうと思いました 活動の中止勧告に対しては 裁判を起こしました 交通警察長を被告とした初の訴訟で― 私に免許証を発行しないことに抗議しました
また たくさんの方々が 実に3000人もの人が支えてくださり 私の釈放を求めて署名してくださいました
その他にも 諮問評議会に嘆願書を提出しました 女性の運転の解禁を求めるものです この時は 3500人ほどの賛同者が 署名をしてくださいました
今お話しした人たちはほんの一例です この素晴らしい方々は サウジアラビア女性の人権を信じ 行動する人たちです 敵対者に直面しても 堂々と声を上げ 自らの信念を貫く発言をしています
サウジアラビアは今ようやく小さな一歩を踏み出し 女性の人権拡大に向かい始めたばかりです
諮問評議会は国王の任命を受けた機関です アブドゥラ国王の勅令によって 昨年は30人の女性が評議員に任命されました これは評議会全体の
20%にあたります(拍手) そして この評議会は 女性への運転許可の嘆願を これまで4度も却下しましたが 昨年の2月ついに受理されたのです
(拍手) 私が刑務所に送られ 鞭打ちの刑を下され 裁判を受けてから 交通警察の広報官は発表しました 女性ドライバーに対する罰則は 交通違反のみとする
大ムフティ すなわち サウジアラビアにおける宗教と司法の 最高権力者は こう宣言しました 女性の運転を推奨するものではないが
かつての禁制は 前任の大ムフティ時代の遺産である
こうした小さな一歩も大切ですが
女性自身も考えねばなりません
ある友人が私に言いました “女性も運転できるようになるのって いつだろう”
私は答えました “いつだろうって言葉を捨てた時よ” “いつだろう じゃなくて 今でしょ”
制度だけの問題ではないのです 女性である私達が 自分の人生のハンドルを握ることです
私自身よくわからないうちに 気がついてみれば
活動家になっていました
ただ これだけは言えます いつの日か 人から頼まれて またこのお話をする機会があれば こう答えるでしょう “胸を張れます” ”女性の運転の解禁を求めて 他の女性たちと立ち上がり” “掟に立ち向かったことで 皆が自由を謳歌できるのだから”
そこで 冒頭の質問に戻ります より難敵なのは 政府による抑圧でしょうか 社会による抑圧でしょうか
その答えへのヒントは もうおわかりですね
ありがとうございました
(拍手) ありがとう
(拍手) ありがとう(拍手) | You know that all over the world, people fight for their freedom, fight for their rights.
Some battle oppressive governments.
Others battle oppressive societies.
Which battle do you think is harder?
Allow me to try to answer this question in the few coming minutes.
Let me take you back two years ago in my life.
It was the bedtime of my son, Aboody.
He was five at the time.
After finishing his bedtime rituals, he looked at me and he asked a question: "Mommy, are we bad people?"
I was shocked.
"Why do you say such things, Aboody?"
Earlier that day, I noticed some bruises on his face when he came from school.
He wouldn't tell me what happened.
[But now] he was ready to tell.
"Two boys hit me today in school.
They told me, 'We saw your mom on Facebook.
You and your mom should be put in jail.'" I've never been afraid to tell Aboody anything.
I've been always a proud woman of my achievements.
But those questioning eyes of my son were my moment of truth, when it all came together.
You see, I'm a Saudi woman who had been put in jail for driving a car in a country where women are not supposed to drive cars.
Just for giving me his car keys, my own brother was detained twice, and he was harassed to the point he had to quit his job as a geologist, leave the country with his wife and two-year-old son.
My father had to sit in a Friday sermon listening to the imam condemning women drivers and calling them prostitutes amongst tons of worshippers, some of them our friends and family of my own father.
I was faced with an organized defamation campaign in the local media combined with false rumors shared in family gatherings, in the streets and in schools.
It all hit me.
It came into focus that those kids did not mean to be rude to my son.
They were just influenced by the adults around them.
And it wasn't about me, and it wasn't a punishment for taking the wheel and driving a few miles.
It was a punishment for daring to challenge the society's rules.
But my story goes beyond this moment of truth of mine.
Allow me to give you a briefing about my story.
It was May, 2011, and I was complaining to a work colleague about the harassments I had to face trying to find a ride back home, although I have a car and an international driver's license.
As long as I've known, women in Saudi Arabia have been always complaining about the ban, but it's been 20 years since anyone tried to do anything about it, a whole generation ago.
He broke the good/bad news in my face.
"But there is no law banning you from driving."
I looked it up, and he was right.
There wasn't an actual law in Saudi Arabia.
It was just a custom and traditions that are enshrined in rigid religious fatwas and imposed on women.
That realization ignited the idea of June 17, where we encouraged women to take the wheel and go drive.
It was a few weeks later, we started receiving all these "Man wolves will rape you if you go and drive."
A courageous woman, her name is Najla Hariri, she's a Saudi woman in the city of Jeddah, she drove a car and she announced but she didn't record a video.
We needed proof.
So I drove. I posted a video on YouTube.
And to my surprise, it got hundreds of thousands of views the first day.
What happened next, of course?
I started receiving threats to be killed, raped, just to stop this campaign.
The Saudi authorities remained very quiet.
That really creeped us out.
I was in the campaign with other Saudi women and even men activists.
We wanted to know how the authorities would respond on the actual day, June 17, when women go out and drive.
So this time I asked my brother to come with me and drive by a police car.
It went fast. We were arrested, signed a pledge not to drive again, released.
Arrested again, he was sent to detention for one day, and I was sent to jail.
I wasn't sure why I was sent there, because I didn't face any charges in the interrogation.
But what I was sure of was my innocence.
I didn't break a law, and I kept my abaya — it's a black cloak we wear in Saudi Arabia before we leave the house — and my fellow prisoners kept asking me to take it off, but I was so sure of my innocence, I kept saying, "No, I'm leaving today."
Outside the jail, the whole country went into a frenzy, some attacking me badly, and others supportive and even collecting signatures in a petition to be sent to the king to release me.
I was released after nine days.
June 17 comes.
The streets were packed with police cars and religious police cars, but some hundred brave Saudi women broke the ban and drove that day.
None were arrested. We broke the taboo.
So I think by now, everyone knows that we can't drive, or women are not allowed to drive, in Saudi Arabia, but maybe few know why.
Allow me to help you answer this question.
There was this official study that was presented to the Shura Council -- it's the consultative council appointed by the king in Saudi Arabia — and it was done by a local professor, a university professor.
He claims it's done based on a UNESCO study.
And the study states, the percentage of rape, adultery, illegitimate children, even drug abuse, prostitution in countries where women drive is higher than countries where women don't drive.
I know, I was like this, I was shocked.
I was like, "We are the last country in the world where women don't drive."
So if you look at the map of the world, that only leaves two countries: Saudi Arabia, and the other society is the rest of the world.
We started a hashtag on Twitter mocking the study, and it made headlines around the world.
[BBC News: 'End of virginity' if women drive, Saudi cleric warns] And only then we realized it's so empowering to mock your oppressor.
It strips it away of its strongest weapon: fear.
This system is based on ultra-conservative traditions and customs that deal with women as if they are inferior and they need a guardian to protect them, so they need to take permission from this guardian, whether verbal or written, all their lives.
We are minors until the day we die.
And it becomes worse when it's enshrined in religious fatwas based on wrong interpretation of the sharia law, or the religious laws.
What's worst, when they become codified as laws in the system, and when women themselves believe in their inferiority, and they even fight those who try to question these rules.
So for me, it wasn't only about these attacks I had to face.
It was about living two totally different perceptions of my personality, of my person -- the villain back in my home country, and the hero outside.
Just to tell you, two stories happened in the last two years.
One of them is when I was in jail.
I'm pretty sure when I was in jail, everyone saw titles in the international media something like this during these nine days I was in jail.
But in my home country, it was a totally different picture.
It was more like this: "Manal al-Sharif faces charges of disturbing public order and inciting women to drive."
I know.
"Manal al-Sharif withdraws from the campaign."
Ah, it's okay. This is my favorite.
"Manal al-Sharif breaks down and confesses: 'Foreign forces incited me.'" And it goes on, even trial and flogging me in public.
So it's a totally different picture.
I was asked last year to give a speech at the Oslo Freedom Forum.
I was surrounded by this love and the support of people around me, and they looked at me as an inspiration.
At the same time, I flew back to my home country, they hated that speech so much.
The way they called it: a betrayal to the Saudi country and the Saudi people, and they even started a hashtag called #OsloTraitor on Twitter.
Some 10,000 tweets were written in that hashtag, while the opposite hashtag, #OsloHero, there was like a handful of tweets written.
They even started a poll.
More than 13,000 voters answered this poll: whether they considered me a traitor or not after that speech.
Ninety percent said yes, she's a traitor.
So it's these two totally different perceptions of my personality.
For me, I'm a proud Saudi woman, and I do love my country, and because I love my country, I'm doing this.
Because I believe a society will not be free if the women of that society are not free.
Thank you.
Thank you, thank you, thank you, thank you.
Thank you.
But you learn lessons from these things that happen to you.
I learned to be always there.
The first thing, I got out of jail, of course after I took a shower, I went online, I opened my Twitter account and my Facebook page, and I've been always very respectful to those people who are opining to me.
I would listen to what they say, and I would never defend myself with words only.
I would use actions. When they said I should withdraw from the campaign, I filed the first lawsuit against the general directorate of traffic police for not issuing me a driver's license.
There are a lot of people also -- very big support, like those 3,000 people who signed the petition to release me.
We sent a petition to the Shura Council in favor of lifting the ban on Saudi women, and there were, like, 3,500 citizens who believed in that and they signed that petition.
There were people like that, I just showed some examples, who are amazing, who are believing in women's rights in Saudi Arabia, and trying, and they are also facing a lot of hate because of speaking up and voicing their views.
Saudi Arabia today is taking small steps toward enhancing women's rights.
The Shura Council that's appointed by the king, by royal decree of King Abdullah, last year there were 30 women assigned to that Council, like 20 percent.
20 percent of the Council. The same time, finally, that Council, after rejecting our petition four times for women driving, they finally accepted it last February.
After being sent to jail or sentenced lashing, or sent to a trial, the spokesperson of the traffic police said, we will only issue traffic violation for women drivers.
The Grand Mufti, who is the head of the religious establishment in Saudi Arabia, he said, it's not recommended for women to drive.
It used to be haram, forbidden, by the previous Grand Mufti.
So for me, it's not about only these small steps.
It's about women themselves.
A friend once asked me, she said, "So when do you think this women driving will happen?"
I told her, "Only if women stop asking 'When?' and take action to make it now."
So it's not only about the system, it's also about us women to drive our own life, I'd say.
So I have no clue, really, how I became an activist.
And I don't know how I became one now.
But all I know, and all I'm sure of, in the future when someone asks me my story, I will say, "I'm proud to be amongst those women who lifted the ban, fought the ban, and celebrated everyone's freedom."
So the question I started my talk with, who do you think is more difficult to face, oppressive governments or oppressive societies?
I hope you find clues to answer that from my speech.
Thank you, everyone.
Thank you.
Thank you. | {
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私の聞き間違いかしら。ハゲっていったのよね?
「ライオンと戦う度胸がある女だ、俺の前で裸になることぐらい簡単だろ?」
ヴィクターが私を挑発するようにニヤリと笑う。
待って待って、私の裸なんて誰に需要があるのよ......じゃなくてまだ爵位剥奪されていないから、流石に裸になるのはまずいわ。
「男同士なのに、なんでそんなに躊躇ってるんだ?」
「いきなりそんなこと言われたら引く」
ここで動揺を見せたら終わりよ。頑張るのよ、アリシア。
私の言葉に彼は小さくため息をつき、呆れた表情を浮かべる。
「お前、風呂どうするつもりだったんだ? 男ばっかりの浴場に放り込まれるんだぞ?」
「どういうこと?」
「まさか......風呂入らないつもりだったのか!? こんなに汚くて臭いのに」
ぶっ飛ばすわよ。
「兵士は一気に大きい浴場に入れられるんだよ」
「僕は兵士じゃない」
「ああ、もっと下の奴隷に近いな。ここで兵士になるなんて夢のような職業だ。それを親父はどういうわけか、お前を兵士としてここに連れてきた」
そんなの聞いていないわ。国王様から直接話を聞く時間なんて少しもなかったし。
是非ゆっくりと会話してみたいわね。......兵士にそんなこと不可能だろうけど。
「お前には、時間をずらして風呂に入ってもらう。......あ~あ、なんで俺がてめえみたいなガキに気を遣わないといけねえんだよ」
そう言って、ヴィクターは頭をガシガシと乱暴に掻く。
なんだかんだ言って、優しいのね。私、もっと酷い扱い受けると思っていたわ。
奴隷用の焼き印を押されるとか、重い足枷で縛られるとか......そんな感じなのを想像していた。
「お前みたいな異端児は周囲から要注意人物として見られているから気をつけろよ」
まぁ、それはそうよね。
たとえ闘技場で拾われたのだとしても、他国のスパイと思われる可能性が充分にある。そして、実際私は密偵みたいなものだもの。
「分かった」
「......もう下がれ」
「風呂はどこ?」
「あ? ......ああ、もう、まじでめんどうくせえ。ついて来い」
ヴィクターは物凄く不機嫌な顔をしながらそう言って、部屋を出て行こうとする。
衛兵に頼まないのね。
私は置いていかれないように、彼の後を追った。
「ここが、風呂だ。俺が見張ってやるからすぐに出てこいだけ待ってやる」
ヴィクターは汚れ一つない新しい服を私に投げつける。
あら、良い匂い。やっぱり王宮で洗濯されている衣類って綺麗ね。
「なんで俺がこいつの為に動かないといけないんだよ」
ぶつぶつ文句言っているけど......、めっちゃ良い人じゃない!
「有難う」
短くお礼を言って、お風呂へ向かった。
......でかすぎない?
脱衣所の奥に大浴場が見える。一体何人の人間が入るのかしら。ここを貸し切り出来るなんて、贅沢過ぎない?
髪や体についていた灰も全部綺麗に洗う。元々髪質が良いから、水で流しただけで、髪の毛もサラサラになる。黒く汚れた水が排水溝へと流れていく。
こんなに汚れていたのね......。私、よくこんな姿で王子の前で堂々とできたわね。自分で自分を褒めたいわ。 | I think I misheard you. You said “Take it off”, didn’t you?
“A woman with the guts to fight a lion could easily get naked in front of me, couldn’t she?”
Victor smirks at me, provoking me.
Wait, wait, who’s going to demand that I get naked... I mean, in case you didn’t notice, I haven’t been stripped of my title yet, so it’s not a good idea to get naked in front of a man.
“We’re both men, why are you so hesitant?”
“If you suddenly say something like that, I’ll back off.”
If you get upset here, it will be the end. Hang in there, Alicia.
He lets out a short sigh and gives me a dumbfounded look.
“You, what are you going to do when you have to take a bath? You’re going to be thrown into a bathhouse full of men?”
“What do you mean?”
“You didn’t plan on taking a bath? You’re so dirty and smelly.”
I’ll blow you away.
“They throw all the soldiers in one big bathroom.”
“I’m not a soldier.”
“Oh, you’re more like a slave down there. It’s a dream job to be a soldier here. That’s why father somehow brought you here as a soldier.”
That’s not what I heard. I didn’t get the slightest opportunity to speak with the king directly.
I’d love to spend some time talking with him. ...I’m sure that’s impossible for a soldier.
“I’ll have you take a bath at a different time. ...Ahhh, why do I have to care so much about a kid like you?”
Victor scratched his head roughly.
What could I say? He was so kind. I thought I would be treated worse than this.
I was expected to be branded a slave, or to be shackled with heavy shackles, or something along those lines.
“Heretics like you are seen by those around you as someone to watch out for, so be careful.”
Well, that’s true.
Even if I had been picked up in the arena, there was a good chance that I would be considered a spy from another country. In fact, I’m a secret agent in some ways.
“Okay.”
“...back off now.”
“Where’s the bath?”
“Oh? ...ah, screw it, this is really annoying. Follow me.”
Victor turned to leave the room with a grumpy expression on his face.
You don’t ask the guards to do that, right?
I followed him, not wanting to be left behind.
“Here, this is the bath. I’ll keep an eye on things, and you must come out immediately. I’ll give you five minutes.”
Victor tosses me a fresh set of clothes, free of any dirt.
Oh, that smells good. I knew clothes that were washed in the royal palace were very clean.
“Why do I have to work for this guy?”
He was complaining, but he was such a nice guy!
“Thank you.”
I thanked him briefly and headed for the bath.
...Isn’t it too big?
I could see the large bathroom behind the changing room. I wondered how many people could fit in it. Isn’t it too extravagant to have the whole place to yourself?
I washed all the ashes from my hair and body. My hair is naturally of good quality, so all I have to do is rinse it with water to make it silky smooth. The black, dirty water flows down the drain.
I didn’t know I was so dirty... How could I look like this in front of the prince? I want to pat myself on the back. | {
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時間にし間程度だろうか。
俺はクラウドに戦い方や、冒険者としての立ち回りを仕込んでいった。
彼はいずれ孤児院を出ねばならない身だ。この教えが役に立つ時は、きっとある。
それに子供のノリのままでいじめを受けていれば、成人するまでに死ぬ事もあり得る。そして半魔人なら、その原因を追究されないまま闇に葬られる事も、よく聞く話だ。
二時間後、俺は人目を避けながら家へ向かっていた。
俺の身長は小人族と大して変わらないほど低い上、顔や髪を隠しているので、夜に見かけると怪しさがさらに増している。
無論、すでに夜も更けて明かりの付いている家もまばらなほど遅い時間。擦れ違う人などほとんどいない。
それでも巡回の衛士など、人目が皆無という訳ではない。
なので人目を完全に避けるため、訓練も兼ねて路上ではなく屋根の上を疾走していた。
結構汗をかいてしまっていたので、夜風が心地いい。しかしこのまま寝ると汗臭くなってしまうので、寝る前に身体も拭いておかねばならないだろう。
そんな事を考えつつ、屋根の上を走っていると、突然小さな悲鳴が聞こえてきた。
「きゃ!」
「んぉ!?」
とっさに屋根の上に突き出た煙突に糸を絡めて、急制動をかける。
複数の鋼糸を
「......なんだ?」
周囲には人の視線はない。屋根の上という状況とよると言う時間帯。こちらを注視する存在など、意図しない限りは存在しない。
怪しいのは――先ほど糸を絡めた煙突の中か?
「ここから、かな?」
耳を澄ませてみると、何かを叩くような打撃音が間断的に響いてくる。それも布や木を打つ音ではなく、肉を打つ音だ。
その合間に、小さな呻き声が響いてくる。それはどこかで聞いた覚えがあるような気がした。
「まさか――!」
俺は煙突の中に身を潜り込ませる。
小さめの煙突なのでかなり狭いが、幸いと言っていいのか、俺の身体も負けず劣らずミニマムサイズ。
内部にこびりついた煤を足掛かりにして、するすると煙突の中を下りて行く事ができた。
下は暖炉に繋がっていたようで、燃え滓の薪が薄く煙をたなびかせていた。
髪やマフラーが垂れてしまうと見つかってしまう可能性があるので、きつく顔に巻き付け固定しておく。これで煙にむせる可能性も下がっただろう。
「それにしてもいつまで生かしておくッスかね?」
「取引が済むまでは、確実に生かしておけ。そうじゃないと、追い詰められたホールトンが何をするかわかった物じゃないからな」
「ハー、面倒ッスねぇ。もう返さないでそのまま奴隷商にでも売っちまうのはどうッスか?」
「馬鹿野郎! 俺達は交渉してんだ。返すって言ったら返すんだよ」
「おお、さすがアニキ。律義ッスね、ストイックッスね!」
「ただし、生かしたまま返すとは言ってないがな」
「ギャハハハ、外道ッスね!」
そんな声が聞こえてきて、また肉を打つ音と呻き声が聞こえてきた。
だがそれ以降かすかな呻き声以外、悲鳴が続く事は無い。おそらく打擲されている人物は気絶してしまったと思われる。
呻き声は腹を攻撃された事により、機械的に息を吐きだす動きで発生しているようだ。
「取引を終わらせるまでは、娘は生かしておけ。それから逃げられないように、クロンとゼッツ、それからジョーイ代で常時見張りについておくんだ」
「わかったッス」
「バルドは明日、俺にホールトンと交渉に着いて来い。そのために今のうちに寝ておけ」
そう言って足音高く立ち去っていく音。扉を開け、そして閉める音がそれに続く。
「バルドのアニキはこれから寝るッスか。いいッスねぇ」
「ゼッツ、お前あのゲイル兄貴について行きたいか?」
「うわ、それはお断りッスねぇ。ゲイル兄貴はそばにいるだけで怖いッスから」
そう言う声の後、もう一つ足音が遠ざかっていく。
「あーあ、せめてあくれぇ歳が上なら、別の楽しみ方もあったのによぉ」
「贅沢言ってんじゃねぇよ。まぁ、俺もそう思わなくもないけどな」
「待てよ。ひょっとしたらできっかもしれねぇぞ?」
「うっわ、お前マジ? 変態極まってるぞ」
「物は試しっつーだろ!」
「やめとけ、下手に手ェ出して死なれたら、俺たちが殺されんぞ」
「ギャハハハ、それもそうだな! 諦めとけ」
品のない笑いが、部屋を満たす。
癇に障るその声に、俺の中の殺意が湧き上がってくる。
この苛立ちは、生前暴走する前によく感じていた物だ。
呻き声は女の子の声だった、そして会話の中に出てきたホールトンの名前。
どういう運命の悪戯か、どうやら俺はマチスちゃんを攫った連中の根城に辿り着いたらしい。
俺は人目に付かない場所を選んで帰途についていた。それはつまり、他にも人目を避けたい連中も、同じような場所に集まってくると言う事でもある。
無論、偶然の要素は大きい。俺が通りかかる瞬間に彼女が声を上げねば、通り過ぎていたに違いない。
それに通りがかったのが俺でなければ、そもそも男達の会話を
問題はこの後どうするか、である。
常識的に考えれば、コルティナなりマクスウェルなりに報告し、早朝から奇襲してもらい、制圧すればいい。
だがどうやって説明する?
夜間に見知らぬ少年に稽古をつけて、その帰りに発見したと素直に報告するか?
しかし、マチスちゃんの扱いも、長く放置していい状況ではない。
あの男――ゲイルという男は、交渉が終わればマチスちゃんを殺すとも言っていた。
そして明日......もう今日だが、再度ホールトン商会へ交渉に行くと言っていた。
朝まで待って連中を捕らえに向かえば、間に合わないかも知れない。
「今日は冷えるな、暖炉の火が消えてるじゃねーか」
その声に慌てて俺は煙突を這いあがる。このままここに居ては、一緒に燻されてしまう。
俺は煙突の中を這い上がりながら、覚悟を決めた。
「どうやら......久しぶりに暗殺者レイドの出番がやってきたのかもしれないな」
煙突から這い出し、俺は即座に行動に移ったのだった。 | The time was around AM.
I taught Cloud how to fight as an adventurer.
He’ll eventually have to leave the orphanage. There are bound to be times this will be useful for him.
And since he’s being bullied it’s possible he’ll die before he becomes an adult. Moreso since he’s a half-demon, you often hear talk about such investigations being buried in the darkness.
I started heading home two hours later while avoiding the public’s view.
My height is about as short as a gnome’s and since I’m hiding my face and hair, anybody who sees me out this late at night will definitely be suspicious of me.
Of course, it was so late that only a few houses still had lights on and the odds of passing by other people were low.
Even so, there were guards patrolling around, so it’s not like it’d be impossible to get caught.
Thus, I ran along the rooftops instead of the roads to make sure and avoid everyone’s gazes and as a bit of training.
I was working up a good sweat and the night breeze felt great. However, if I went to bed like this I’d stink of sweat, so I’ll have to wipe myself down before that.
As I was thinking this while running along the roofs, I suddenly heard a small scream.
“Kya!”
“Whoa!?”
I suddenly hit the breaks by wrapping thread around the chimney jutting up from the roof.
I manipulate several steel threads together and use their elasticity to gently catch myself.
“...what the?”
There’s nobody in my line of sight. Considering the time and that I’m on a rooftop, there’s no way anyone would be looking this way unless they were specifically intending to.
Then... is it the chimney where I wrapped the threads?
“Is it coming from here?”
Listening carefully I can make out the sound of something being struck. What’s more, it doesn’t sound like cloth or wood being hit, that’s the sound of flesh being struck.
In the meantime, a small moan echoed. I felt like I heard it somewhere before.
“Can’t be...!”
I dove into the chimney.
It’s a small chimney, so it’s a bit narrow, but fortunately, my own body is in the running for the minimal size.
I was able to deftly climb down using the soot stuck inside as footholds.
It seems that the lower part was connected to the fireplace, and thin smoke was still hanging over the cinders from the firewood.
If I let my hair or scarf droop down, there’s a high possibility I’ll be found out. To fix this I tightly wrapped it around my face, this also lowers the odds of me choking on the smoke.
“Still, how long we gotta keep her alive?”
“We gotta be sure to keep her alive until the transaction’s done. Otherwise ain’t no telling what Horton’s likely to do.”
“Man, what a drag. Forget returning her, how ‘bout we just sell her off to a slave trader and be done with it?”
“You idiot! We’re negotiating. If we say we’ll return her, we’ll return her.”
“Oh, as expected of Boss. So honest, so diligent!”
“But I never said anything about returning her alive!”
“Gahahaha, so evil!”
I could hear such a conversation, followed by the sound of flesh being struck and soft moans.
However, after that, there was no screaming, only the occasional moan. It’s likely the girl has passed out.
The moans seem to be an automatic response when trying to breathe thanks to the strikes to her abdomen.
“Keep the girl alive until the deal’s done, and so she doesn’t run away before then, Klon, Setz, and Joey keep watch over her in shifts ‘round the clock.”
“Gotcha.”
“Balde will come with me to the negotiations with Horton tomorrow. So I’m going to lay down for now.”
I hear the sound of footsteps leaving followed by a door opening and shutting afterward.
“Balde’s bro is gonna head to sleep now huh? Must be nice.”
“You wanna join Gale, Setz?”
“Whoa now, I’ll have to give that a pass. Just being ‘round Gale is scary as heck.”
With that, another set of footsteps walked away.
Once the door closed, the man named Setz muttered, “Aww, if only you were just years older, there’d be better ways to have fun with you.”
“I’m not saying you should indulge yourself, but it’s not like I don’t know how you feel.”
“Wait. Maybe it can be done?”
“Yo, you serious? You’ve reached a new level of degeneracy.”
“Don’t knock it till you try it!!”
“Stop it, if you make a wrong move she could die, which means we’ll all be killed.”
“Gyahahaha, that’s right! I give up!”
Vulgar laughter filled the room.
The voice was getting on my nerves, I felt my bloodlust rising up inside me.
This feeling was something I’d grown used to in my previous life, right before I’d act impulsively.
The moans were from a little girl and Horton’s name kept coming up during the conversation.
By some twist of fate, it seems I somehow found the headquarters of the group that kidnapped Matisse.
I chose an isolated path on the way back. In other words, since that bunch would also be avoiding public scrutiny they’d likely take similar paths.
Of course, the coincidence factor is large. If she hadn’t screamed in pain at the exact moment I happened to pass by, I would’ve undeniably gone past.
In the first place, if it wasn’t me who happened to be passing by, there’s a chance their conversation wouldn’t have aroused any suspicion.
Problem is, what do I do from here?
Common sense would tell me to report it to Cortina or Maxwell and have them raid the hideout first thing in the morning to gain total control.
But how do I explain it?
Do I honestly report that after spending the night training some strange boy I happened to discover their hideout on the way back home?
However, Matisse isn’t in a situation where she can be left alone for long.
That guy, the man named Gale, had said he’d kill Matisse once the negotiations were complete.
And I had already said I’d go back to the Horton company tomorrow, well today, to keep negotiating.
It’s possible it’ll already be too late if we wait until the morning to catch these guys.
“Damn it’s chilly today, the fire in the fireplace has already gone out, right?”
Hearing that, I hauled ass up the chimney. If I stayed around I’d be smoked out.
While crawling up the chimney I decided to prepare myself.
“It seems... the assassin Reid’s turn has come once more after all this time.”
I started taking action as soon as I crawled out of the chimney. | {
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戦況は、おそらくこれ落だろう。
あとは、賠償とか謝罪とかの、政治的な話になるのだろう。
帝国とこの国の2国間協議になるか、それとも他国も講和会議に首を突っ込んで、何やら口を挟もうとするかどうか......。
大同盟の同盟国だから、とか、集団保障だとか、何やら言い出しそうな気がするなあ......。
これで、出した援軍が戦闘に参加していたりすると、相当な横槍が入ったことだろう。
帝国もレミア王女も、その点では早期に決着が付いたことは幸運だったと言えよう。
戦いで帝国軍が大打撃を受けたなら、ゲゲゲ姫の国、ダリスソン王国が逆侵攻して、という選択肢もあり得るだろう。姫も家臣達も、個人としてはいい人であっても、為政者としては容赦のない遣り手なのだから。
そしてダリスソン王国が手出ししなかったとしても、あのチョイ悪おやじ風の国王が仕切っているクールソス王国とかが漁夫の利を狙って侵攻、とかいうことも考えられる。
でも、帝国の侵攻軍は、指揮系統を潰されて烏合の衆と化して潰走しただけであって、階級やら役職やらを考慮せずに単純に人数としてだけ考えれば、人的被害は軽微なんだよねぇ......。
だから、国に戻って新たな指揮官や上官を据えて再編成し、失った武器防具を補充すれば、割と簡単に戦力として復活するんだよね。
なので、他国がおかしなことを考える確率は低いと思う。
そしてさすがに帝国も、再びすぐに動き出すということはないだろう。多分大同盟の加盟国は、帝国に対する軍事同盟を結ぶだろうし......。
勢力バランスが崩れて、周辺国が帝国に雪崩れ込んで領地の奪い合い、......そして世界大戦に、なんてのは真っ平だからね。私も、ちゃんと考えているんだよ。
』じゃないからねっっ!!
まあ、そのあたりは、私には関係ない。
うちの国としては、王様がちゃんと対応するだろう。国家間の交渉は、王様や大臣達の仕事だ。
さて、さっさと戻るか。
多分、傭兵達の入浴時間は短い。
......いや、何となく、イメージ的にそういう気がするだけだけどさ......。
よし、転移!
まだ、風呂は済んでいなかった。
ウルフファングのみんなが先に風呂を済ませ、ヘリチームに後からゆっくりと入ってもらい、その間に
事後報告会
そういうわけで、ヘリチームはまだ入浴中。
と親睦会の準備といっても、出発前にあらかた終えていたし、料理やお酒は事前に注文しておいたものをデリバリーで届けてもらうだけらしい。
飲み食いしながらも『向こうでの話』をするだろうから、サービス要員も来るケータリングでは都合が悪いので、デリバリーにするしかない。
配膳や後片付けも自分達でやることになるけれど、ま、それは仕方ないよね。
兵士は、食事の後片付けくらいは自分でできるし。
ま、ほぼ事前の計画通りに進んだし、死傷者ゼロ、器材の損傷ゼロの、ほぼパーフェクトゲームだ。真剣に討議しなきゃならないような致命的なこと、以後に備えて改善しなきゃならないようなことはなかった。なので、簡単なもので終わるだろう。
......そんなふうに考えていた時期が、私にもありました。
いや、『今回は司令部以外にはなるべく死傷者を出すなということだったのに、追い立てるための射線が敵兵に近すぎて死傷者を無駄に増やしたんじゃないのか』とか、『地雷は必要だったか?』とか、『
ヘリの運用に関しては、私やウルフファングは細かい指示は出していない。
ホバリングがどれだけ高度な技術を要する難しいことかも知らないような素人がヘリに具体的な行動を細かく指示したりすると、碌なことにならないに決まっているからだ。なので、ヘリチームには大まかな方針しか指示していない。
なのでその辺は、後で自分達だけの反省会でやってくれればいいのに......。
まあ、ウルフファング側の意見も聞きたかったのかもしれないし、依頼者が最低限求めること、という観点から、依頼人である私の意見も聞きたかったのかもしれないから、仕方ないか......。
と言うか、ヘリチーム、『次回は』とか言ってるけど、また行くつもり満々かい!
う~ん、期待通りの活躍をしてくれたし、おかしな真似もしなかったし、信用できる傭兵団みたいだから、もし次の機会があれば......あんまりあって欲しくはないけど......またここにお願いしてもいいんだけど、そうすると、他のウルフファングの知り合いの傭兵団が黙っちゃいないような気がするんだよね......。
ウルフファングの人脈やら交友関係やらに致命的な打撃を与えそうなのが、申し訳ない......。
まあ、とにかくそういうわけで、かなり真剣な討議が行われ、その後は
......うん、まあ、こういう連中の『戦場から無事帰還しての、呑み会』ってのは、こういうものなんだろうな、うん。
いいから、私に絡むな、飲まそうとするな、抱き付くなああああ!!
異世界での帝国軍相手の戦いから少し経った頃、ウルフファングの本拠地へ相談に行った。
「ねえ、隊長さん。ヘリを出してくれたとこに、何か赤字補填をしなきゃなんないと思うんだけど......。隊長さんの知り合いで、割と誠実なとこなんでしょ? 武器弾薬持ち出しの上、参加料払ったら、かなりキツいんじゃないの?」
協力してくれたところが財政難で潰れたりしたら、後味が悪いよねぇ......。
だから、隊長さんにそう言ったところ......。
「必要ねえと思うぞ? アイツら、あれからすげえ稼いでやがるからな......」
何と、思いがけない情報が!
「えええ? 異世界で活躍したことが宣伝になって、依頼が殺到、とか?」
「馬鹿野郎。傭兵が一度に大量の仕事を受けたりしたら、すぐに死んじまうだろうが! 怪我を治したり体調を回復させたりするための休養期間を充分取らないような奴は、真っ先に死んじまうぞ」
「あ~、なるほど......、って、じゃあ、どうしてそんなに羽振りがいいの?」
「ああ、異世界から持ち帰った土や草をオークションで売りやがったんだよ」
いや、それは私が許可したから全然問題ないんだけど、あんな普通の土や雑草、草花程度でそんなに稼げる?
私の顔を見て疑問を抱いていることが分かったのか、隊長さんが先を続けてくれた。
「あ~、普通の雑草に見えても、地球のとは全然違う可能性があるとか、同位体とかゲノムとか
......そしてその次に出品されたのが、『異世界の雑草 2本目』だ。
それも凄い金額で落札されて、その次に出品されたのが『異世界の雑草 3本目』......」
「チャリティーオークションでの、ミル・マスカラスのマスクかッッ!!」
「嬢ちゃん、プロレス詳しいのか? そして、どうしてそんなどマイナーなエピソード知ってるんだよ!」
「いや、こっちは隊長さんがそんなネタ知ってることに驚きだよ!」
やっぱり、アレか。兵士は肉弾戦には興味があるのか......。
「まあ、そういうわけで『異世界の雑草シリーズ』が続いてな。そしてようやくそれが終わったら、次に『異世界の土』が出品されたらしい」
「ま、まさか......、というか、もうオチが読めたよ!」
「そして『異世界の土シリーズ』が終わると、今度は『異世界の小石シリーズ』が......」
「............」
さすが傭兵。
「そして、約束通り異世界のことを知っている者限定で、撮影した映像の上映会をやってるらしい。馬鹿高い料金を取って......。
それでも、各国の政府関係者や研究機関の者達が大勢、何度も繰り返し観に来るから大儲けらしいぞ。勿論、画面の撮影とかは禁止だから、何度もカネ払って観るしかないからな。ひとり1回、数千ドル払って......」
「鬼かっ! ......でも、私が許可した範囲内だから問題ないか......。
でも、撮影映像にそんなに価値があるの? ただ土を掘ったり草を採取したりしているだけじゃん」
うん、そんなの、そのあたりで土いじりしている子供と大して変わらない。
いや、いい歳をしたおっさん連中の土いじり、というのは、そんないい絵面じゃないか。
「いや、土や草が本当に異世界のモノだという証拠としてその映像も見せているらしいが、本命はアレだ、敵との戦闘シーン......」
「ヘリから撮影したらしい。2機いるんだから、互いの機体を映し込んでの撮影もできるからな。
各国政府としちゃ、そりゃ手に入れたい情報だろう。
それに、土や草も、手に入れたい国は多いだろう。何からどんな発見があるか分からないからな。
ま、とにかく、参加費や消費した弾薬の分なんか問題ないくらい稼いだらしいぞ」
「嬢ちゃん、言っただろうが。撮影した映像は、『元々この世界のことを知っていた者には見せてもOK』って......。あ、嬢ちゃんや俺達の首から上は映っていないことは確認済みだ。画像加工じゃなく、元々フレームに入っていないから、そのあたりは心配ねえよ」
えええ?
「アイツら、遣り手だけど、約束は守るからな。全部ちゃんと嬢ちゃんの許可を取った範囲内だろう?
ヘリから撮った分は撮影した後での事後申告による許可だけど、もし嬢ちゃんが駄目だと言っていたら、ちゃんとデータは破棄していただろう。
「えええええええ~~っ!!」
......いや、まあ、いいんだけどね。
撮影後とはいえ、確かに許可したし、別に問題があるわけじゃない。
ただ、傭兵達は赤字になる仕事を受けるような甘ちゃんじゃないってことだ。
しっかりしてるなあ......。 | The war situation would probably be settled from now on.
The rest of the discussion will probably be all about politics, such as reparations and apologies.
Whether it will be bilateral talks between the empire and this country, or whether other countries will try to get involved in the peace conference and interfere in some way.......
I have a feeling that they are going to say something about being an ally of the Grand Alliance, or about collective security, or something like that......
With this, if the reinforcements that were sent out were participating in the battle, a considerable amount of horizontal spear would surround them in all directions.
Both the Empire and Princess Remia were fortunate to have settled the matter early in that regard.
If the imperial army was badly hit in the battle, the Kingdom of Darrisson, Princess Gegege’s country, could have an option to invade back. The princess and her vassals may be good people individually, but as rulers, they are relentless politicians.
And even if the Kingdom of Dalison doesn’t make a move, it’s possible that the Kingdom of Colossus, which is ruled by that evil old man-like king, will invade to take advantage of the situation. (TN: クールソス王国 )
However, the Imperial invasion forces were only crushed as a result of their chain of command being destroyed, and if you simply consider the number of people without taking into account their rank or position, their human casualties are minor......
So, if they go back to their country, regroup with a new commander or superior, and replenish the lost weapons and armor, they can come back as a fighting force rather easily.
So, I think the probability of other countries thinking something crazy is low.
And indeed, the Empire is not likely to move again anytime soon. Perhaps the countries under the Grand Alliance will form a military alliance against the Empire......
I don’t want to see an imbalance of power, with neighboring countries avalanching into the empire, fighting for territory...... and then the start of the world war. I’ve thought about that too.
Hey! I’m not a <genuine flat board>! (TN: 『真まっ平たいら』)
Well, that doesn’t matter right now.
As for our country, the king will take care of it. Negotiations between nations are the job of the king and his ministers.
Well, let’s get back to it.
Perhaps the mercenaries’ bathing time is too short.
......No, I may just kind of I’m imagining it......
All right, transfer!
They hadn’t finished their bath yet.
The Wolf Fang crew were supposed to finish their baths first and let the helicopter team take their time while they’re preparing for the debriefing and social gathering.
That’s why the helicopter team is still bathing.
Well, the preparations for the debriefing and social gathering were already done before I left, and the food and drinks were ordered in advance and already delivered here.
Since we would probably talk about <what happened over there> while eating and drinking, it would be inconvenient to use a caterer who would also come to serve us, so we would have to use a delivery service.
We will serve and clean up ourselves, but that can’t be helped.
A soldier can at least clean up after himself when he’s done eating.
A short time later, the post-war debriefing session began.
Well, it went almost exactly as planned, zero casualties, zero damage to equipment, almost perfect gameplay.
......There was a time when I thought like that, too.
No, it was more like, <We were supposed to keep casualties to a minimum except for the command post this time, but the firing line to drive them away was too close to the enemy soldiers, so didn’t we unnecessarily increase casualties?> Or, <Wasn’t it dangerous to lower the altitude for such a small incendiary effect of tracers?> or <Wasn’t it suicidal to increase the chance of being shot down by underestimating of the bow and arrow and spear? Also, did you not consider the possibility of the existence of bolters, large crossbow ballistae, etc.?>
As for the operation of the helicopter, neither I nor Wolf Fang’s Captain gave detailed instructions.
The reason was that it would be a disaster if a novice, who didn’t know how difficult hovering was, gave detailed instructions to the helicopter. So, I only gave the helicopter team general instructions.
So I wish they do that later in their own private review meeting......
Well, maybe they wanted to hear Wolf Fang’s opinion, or maybe they wanted to hear my opinion as a client, in terms of what the client wants at the very least, so I guess it can’t be helped......
I mean, the helicopter team says, <Next time>, but are you really planning to go back there?
Hmm, they did exactly what I expected, they didn’t do anything crazy, and they seem like a trustworthy mercenary group, so if there’s another opportunity...... I don’t want there to be too much...... but I could ask for them again. Still, I feel like the mercenary groups other than Wolf Fang, who knows what’s going on, won’t stay quiet.......
I’m sorry to say that this may turn to be a fatal blow to Wolf Fang’s connections and friendships......
Anyway, we had a very serious discussion and then moved on to the social gathering part.
......Yeah, well, I mean that’s what these people’s <drinking party after returning safely from the battlefield> is all about, so yeah.
Just don’t pull me into it, don’t try to make me drink, and don’t hug me!
Shortly after the battle against the Imperial forces in the other world, I went to Wolf Fang’s headquarters for consultation.
[Hey, captain. I think we need to do something to make up the deficit to the place that sent us the helicopter...... I know the captain is a rather honest guy, right? If they carry the expenses by themselves like weapons, ammunition, and even pay a fee, it’s going to be pretty tough on them, isn’t it?] Mitsuha
If the place that cooperated with us goes on red due to financial difficulties, it would leave a bad aftertaste to me......
That’s why I just told the captain, then he said......
[I don’t think we need to worry about that. They’ve made so much money in the end after all......] Captain
What an unexpected piece of information!
E e eh
? The fact that they were active in another world got them publicity, and they got a flood of requests because of that?] Mitsuha
[You idiot. If a mercenary takes on too much work at once, he’ll be dead in no time! Those who don’t take enough time off to heal and recover from their injuries will be the first to die.] Captain
[Ah, I see...... so how come they’re loaded?] Mitsuha
[Yeah, about that, they sold the soil and grass they brought back from the other world at auction.] Captain
No, that’s not a problem at all, because I permitted them to do that, but can you make that much money from such ordinary soil, weeds, and flowers?
The captain continued as if he could see by my face that I was having doubts.
[Ah, even if it looked like an ordinary weed, it could be completely different from the earth. They said something about isotopes, genomes, spirals turning right or left, or something I don’t understand. Anyway, it seems that a guy who wanted to get his hands on one of the weeds on display won by putting a big bid for it.
......and the next exhibit was <The Second Weed of Another World>.
It was also sold for an exorbitant amount of money, and the next item on the list was <The Third Weed of Another World> and so on......] Captain
[The Mil Máscaras’ Mask from the charity auction!] Mitsuha
[You know a lot about wrestling, don’t you, Young Miss? And how did you know about such a minor episode!] Captain
[No, I’m more surprised that the captain even knows that stuff!] Mitsuha
As expected, it’s that, isn’t it? Aren’t soldiers interested in flesh and blood warfare stuff?......
[Anyway, that’s how the <Weeds of Another World> series continued.
[No, I didn’t expect...... I mean, I’ve already heard the punchline!] Mitsuha
[And when the <Otherworldly Soil Series> is over, the <Otherworldly Pebble Series> will be.......] Captain
[............] Mitsuha
That’s mercenary for you.
[And as promised, they’re having a screening of the footage they shot, for those who know about the other world only. Although, they charged a ridiculously high fee per viewing.......
Even so, I heard that they’ve made a lot of money out of it because a lot of government officials and researchers from various countries came to watch it over and over again. Of course, you can’t take pictures of the screen, so you have to pay to view it again and again. You have to pay thousands of dollars per person to see it......] Captain
[Those Oni!...... but it’s within the scope of what I’ve allowed, so I guess it’s okay.......
However, what’s so valuable about the footage? They’re just digging in the dirt and picking grass.] Mitsuha
Yeah, that’s not much different from kids playing in the dirt around here.
No, a bunch of old men frolicking in the dirt is not such a good sight.
[No, while they’re indeed showing that footage as proof that the dirt and grass really are from another world, the real story is the battle scene with the enemy......] Captain
[They filmed it from the helicopters, since there are two of them, so they can film each other’s aircraft.
I’m sure a lot of governments of the earth would love to have this information.
Besides, there are probably still many countries that would love to get their hands on some soil and grass. You’ll never know what you’ll discover from such things.
Anyway, I heard they made more than enough money to cover the entry fee and the ammo they’ve spent.] Captain
Oh, I’ve already confirmed that it doesn’t show you or any of us from the neck up. It’s not a doctored image either, and we’re not in the original frame, so you don’t have to worry about that.] Captain
[They’re good at what they do, but they’ve kept their promises. Isn’t it all within the range of permission from Young Miss?
The part taken from the helicopter was allowed after the fact that you gave your permission, but if Young Miss had said it was no good, the data would have been properly destroyed. Because they are very disciplined people.] Captain
~~ ~!!] Mitsuha
......No, well, that’s fine.
Even though it was after the shooting, I certainly gave my permission, and there’s nothing wrong with that.
It’s just that these mercenaries are not naive enough to take on a job that will cost them money for free.
In that sense, they’ve done a great job...... | {
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俺は、開始早々、キザムに、捌けるであろう強さで自分の力を調節し、仕込みナイフを投げる。
思った通り、剣で、はじこうとしてくれる。
キザムの双剣と俺のナイフが触れ合った瞬間に...!
ドカーンと巨大な爆発音をを立て、ナイフが花火のように色とりどりに爆発する。中の麻痺薬も相手はモロに吸い込んだはずだ。
あまりに突然の爆発で、会場がシーーンとなってしまったみたい。
煙が晴れると、そこには気絶したように麻痺して、動かなくなっているキザムが。
そこで審判が来てジャッジをした。彼は、俺の方に掌を向ける。
そして気づいたように、司会のカイムさんが、やっと口を開く。
〔き...き...決まったぁぁぁっ! およの出来事! 前大会優勝者、秒速で倒れてしまうぅっ! 速い、強いぃぃっ! 勝者、アリィィィィムッナーーリウェェェェイッッ!!〕
「「「ワァーーーーーーーーーーッ!!!」」」
拍手! 喝采! 大歓声! アリム(ちゃん)コールが鳴り止まない。
俺は清々しい気分で、手を振って、お辞儀して、天使の笑顔を見せてから、退場した。
〔今のはどうやってキザム選手をたおしたのでしょうか? ギルマーズさん?〕
〔あれは仕込みナイフだな。しかも、火薬の量が、大きな怪我をさせず、なおかつ気絶させるほどのダメージを与えるように、絶妙な調節がしてあり、さらに綺麗に見えるように色もつけてやがる。あれこそ、アリムナリウェイ選手の強さっていったところか〕
〔と...すると、あのナイフはアリム選手自身で作ったと?〕
〔ん...まぁ、そうなるわな、武器コレクターの俺が言うんだから間違いねぇよ〕
〔それは凄い選............_________________〕
はぁ、緊張したぁ...。
この後暇だなぁ...いいや、試合まで、控え室でしばらく寝ちゃえっ!
ん...?
ほっぺたプニプニされてるよーな気がする...。
誰だよ...俺のアリムちゃんのほっぺたプニプニしてるの......。
そのプニプニしてる者は何か語りかけてくる。
「おい起きろ、アリム」
「ふぇ...? 誰でしゅかぁ......!? オリェのほっぺたプニってしてるのはぁ...?」
「俺だ、ガバイナだ」
「ほぇ...? ガバイナさん...? え、ガバイナさん!?」
「そうだ」
なんでガバイナさんがここに居るの? しかも毛布とかかけてあるよ。優しいね。
「なんでガバイナさんがここに?」
「あぁ、次のアリムの試合だからな。起こしたんだよ」
「あ...ありがとうございます! それで...ボクの対戦相手は誰でしょうか?」
「俺だ」
「へ? ガバイナさんがですか?」
「そうだ」
ガバイナさんここまで勝ち上がってきたんだね。やっぱりそこそこ強かったのか。
「悪いが...俺も全力を出させてもらうぞ」
「勿論ですよ! ボクもその全力に応えますっ。ところで......」
「なんだ?」
「なんでボクのほっぺたプニプニしてたんですか? 起こすのなら肩を揺するなり...」
「.........」
「ガバイナさん? あ、まさかっ!」
俺は、意地悪い顔でニィっと口角を吊り上げてこう言ってみた。
ねぇ、ねぇ、ガバイナさん、触ってみたかったんですか? ねぇ」
「じゃあ、なんで?」
「.........その......あれだ...」
むっ...認めないのか......ならば...。
「正直に言ってくれたら、勝手にプニプニしたことは許してあげますがぁ...?」
「どうしますぅ? 認めますぅ?」
「.........そう...だ」
「ふふーん、いいですよ! 許してあげましょー!」
おぉ、認めたぞ。やっぱり俺の柔肌は触り心地がいいんだな。
だって毎日お風呂で、自分でもムニムニしてるもん。...あれ、ガバイナさんがなんか考え事してるみたいだ。
「(本当は、また、うなされていたからな...笑わせてやろうと思っただけなのだが...。いや、確かに笑ったが...まさかあんな悪戯な顔をされるとはな............。触りたかったわけじゃないぞ? 本当だぞ。......しっかりしろ...俺...)」
「? ガバイナさん? どうかしました?」
「いや...別に。俺の控えはあっちだからな...もう行く。じゃ、また後でな、アリム。一応、呼ばれるのは俺が先だからな」
「はい、わかりましたー! では、また後で」
.........どうやら、前の試合が終わったようだ。
この第4回戦で勝った人5人と戦うんだ。
でも、まずはガバイナさんを倒さないと。
スタッフに準備をするように言われる。いよいよをもって入場だ。
まずはガバイナさんから。
〔戦では華麗な槍さばきで相手を気絶させた彼っ! 戦も巧みな槍の技で相手を翻弄するかっ!? 第440回、第442回、第443回武闘大会Bランクの部優勝、第447回、第448回武闘大会Aランクの部優勝...と、多数の優勝記録を残した実力者! ≪鬼槍士≫こと、ガバイナ・ドラングニアぁぁぁぁっ!〕
へぇ、ガバイナさん何回も優勝してるのか。俺でも気を抜いたらやられるかもしれない。今回一番の強敵かもね。
さてと...俺の出番ですか。
〔第三回戦では前大会優勝者を、いとも簡単にやぶった、この少女! 第4回戦もあの高速劇を見せてくれるのかっ! アリム・ナリウェイィィィィ!〕
俺は先程とは仕草を変えて入場する。可愛いとかたくさん聞こえてくるよ。
ふふーん、どうだ? 可愛いだろ~。最近俺、あざとくなってきた気がする。
さてと、試合がはじまるぞ。
〔それじゃあ、始めようかっ! 第四回戦...勝負開始っ!〕 | As soon as the match started, I adjusted my power appropriately and threw my knife at Kizam.
As expected, he tried to parry it with his swords.
In the instant when Kizam’s pair of swords made contact with my knife...!
Dokaan! And a huge explosion was made, the knife exploded colorfully like fireworks. He should have inhaled the numbing agent now.
Due to the abrupt and sudden explosion, the venue has become quite a scene.
When the smoke cleared, Kizam was down, paralyzed and cannot move.
Then the referee came to give his judgment. He then turned his palm to me.
Finally noticing what happened, Kyme, the comentator opened his mouth.
〔It... It’s has been decided!! It was just in an instant!! The winner of the previous tournament fell down in less than two seconds!! Fast! So strong! The winner is Alim Nariwei~!!〕
「「「Uoooo~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~oh!!!」」」
Applause! Ovations! Cheering! The call of Alim-chan rang out continuously.
I felt good, waved my hand, bowed, showed an angelic smile and then left the stage.
〔How did that hit Kizam just now? Gilmars-san?〕
〔That was a training knife. The amount of gunpowder is exquisitely adjusted so that it doesn’t cause serious injury, and it was set to mainly cause stun damage. Alim Nariwei’s strength can clearly be seen.〕
〔Then... did Alim make that knife herself? 〕
〔Hm, yeah, as a weapons collector myself, there is no other way for such a knife to exist〕
〔What an amazing choice......___________〕
Haaa... I was nervous...
I’m free until the next match... hmm, until my next game. I’ll sleep in the waiting room for a while!
Hmmmm...
It feels like someone is poking (punipuni) my cheek...
Who could it be... that’s going punipuni on this Alim-chan’s cheek...?
Then the person who was going punipuni on my cheek finally said something.
「Hey, wakeup, Alim」
「Fue...? Who is it...? Who is it that’s going punipuni on my cheek...? 」
「It’s me, Gabaina」(Note previously I had it as Gabiina-san)
「Hoe...? Gabaina-san..? eeeeeh Gabaina-san!?」
「Yup」
Why is Gabaina-san here? Furthermore, he placed a blanket over me. How kind.
「Why is Gabaina-san here?」
「Ahh... it’s because Alim’s match is next.」
「Oh... thank you very much! So... who is my opponent?」
「Me」
「Eh? Gabaina-san is it? 」
「Yep」
Gabaina-san has won his matches so far. As I thought, he is pretty strong isn’t he.
「Sorry... but I won’t hold back」
「Of course! Likewise, I will also be putting forth my full power. By the way...」
「What?」
「Why where you going punipuni on my cheek? Rather than say, shaking my shoulder to wake me...」
「.........」
「Gabaina-san? A... it can’t be!?」
I put on a teasing expression on my face and lifted the corners of my mouth in a knowing smile and said:
「Did you just want to touch my cheek? Hey, hey, Gabaina-san, did you want to touch it? right? 」
「Then, why?」
「.... well.... that is....」
Muu... he won’t admit it... in that case...
「Honestly, if you admit to it, I’ll forgive you for going punipuni on my cheek without permission...」
「What will you do? Will you admit it? 」
「... th... that’s right.」
「fufufuun, that’s good! Then I’ll forgive you! 」
Oo, he admitted it. As I thought, my fair skin is very nice to the touch.
After all, I bathe every day, and message (munimuni) my own skin.
「(In reality she was having a another nightmare... I just wanted to try make her smile... no, well, she certainly smiled... but it was such a mischievous face... I didn’t just want to touch... certainly... I must tightly hold onto my innocence...)」
「? Gabaina-san? Is there something the matter? 」
「No... nothing in particular. I have to wait over there, so I gotta go already. Well then, later Alim. We’ll meet in a bit.」
「Hai, got it! Then, see ya later」
............seems like the previous match is now over.
There will be a fight with people who have wont the th round.
But, first I have to defeat Gabaina-san.
The staff told me to prepare. It is about time to enter.
First, Gabaina-san
〔He stunned his opponent in the rd round with his magnificent spear technique! In the th round how will he display his majestic spear technique!? The th, 42nd, and 443rd B-ranked tournament champion and the 447th and 448th A-ranked tournament champion... with a record of many victories! ≪Mister Super Spear≫, Gabaina Drangnia~~!〕
Hee, how many victories does Gabaina-san have? I might be able to do something like that if I got used to it. This might be my most powerful opponent yet.
Well then... it looks like my turn to enter.
〔The girl who beat the previous tournament winner in the third round! Will she show a high speed performance in the 4th round? Alim Nariwei~!〕
I enter with a different gesture from last time. I hear a lot of mentioned of my cuteness.
Fufuun, how is it? Cute aren’t I? Lately I feel as though I have become somewhat sly.
Well then, the match is about to start.
〔Alright, everything is ready! Let the 4th round begin! 〕 | {
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「こちらもどうぞ。村自慢のお酒です」
ハンネスさんが持って来てくれたのは、樽に入ったお酒。
その中は赤い液体で満たされており、アルコールの匂いにブドウの香りがする。
この世界でお酒は初めて見るが、どうやらここではワインを飲むのが一般的らしい。
「この村で作っている物でございます。公爵様の領内では、特産品として扱われています」
考えてみれば、俺は今までクレアさん達公爵家が薬草以外の商売をしている事は聞いていたが、どんな物を扱っているのかを知らない。
ハンネスさんが持ってきた樽は、人と同じくらいの大きさで、中には並々とワインが入っている。
だから、セバスチャンさんやクレアさんも、俺がこの村の病気を治しに行く事に反対しなかったし、クレアさんに至っては俺にどうしたら救えるのか相談して来たのかもしれない。
こういう物を作る拠点は重要だからな。
......まぁ、俺の考え過ぎで、単純に公爵家の方針に従って領内の村を助ける、というだけなのかもしれないが。
「私達の村は、近くの森の木を伐り、その木からこのワインを作るための樽......オーク樽を作っているのです」
レオで森の近くを走っていた時、ランジ村は林業とかをしてるのではないかと考えたが、当たらずとも遠からず......と言ったところだったようだ。
樽に使われる上質な木が近くにあるから、それを伐採し、オーク樽を作るのと同時に、ブドウを熟成させてワインを作って村の収入源にしているんだろう。
「でも、ワインの元になる果実はどうしてるんですか? 村に来る途中に見る限りだと、周りにそれらしい畑はありませんでしたが......」
「ブドウですね。それは、少し距離があるのですが、別の場所から仕入れております」
この世界にもちゃんとブドウという名前そのままであったみたいだ。
もし名前が違ったら伝わらないから、果実と言ったが、ちゃんとブドウがあって良かった。
俺が考えてるブドウと同じかはわからないけどな......今までロエだとか、ラモギだとか......見た目は同じなのに名前が微妙に違う物があったから、今度は逆に名前が同じで見た目が違ったりするかもしれない。
「そうですね......仕入れにお金を使う以上、ワインを生産しない事には村は立ち行きません。ただ、この土地ではブドウが育たないので......タクミ様のおかげで、これからもワインを生産して行けます」
気候なのか、土のなのか、原因はわからないがこの村付近だとブドウが育たないのか......だとすると、仕入れるのも仕方ないのかもしれないな。
どうしてもコストがかかる事が気になってしまうが、ほかに目ぼしいものがなければそれに頼るしかないのだろう。
それに、近くにある森は大きく木は沢山あるから、枯渇する心配はないだろうしなぁ。
森の近くに住み、木を加工する事に長けた村だからこそ、そういう生計の立て方になったのかもな......さすがに経営や村単位の運営の知識は無いから、詳しい事はわからないけどな。
......多分、ワイン以外にも樽を作って荷物用とかもありそうだ......馬車に乗せて運んだりな。
「さて、話し込んでばかりではいけませんな。今宵はタクミ様のための宴。存分に楽しんで下さい」
明日に帰ると考えて、それまでの食事と寝床さえあれば十分だったんだが......周りを見ると、元気になった村人たちが楽しそうに過ごしてるから、今更断る事は出来そうにない。
ありがたく、料理とお酒を頂く事にした。
お酒は、あまり好きじゃないんだけどな......。
「ん......ゴク......美味い! これはほんとにワインか!?」
「ええ。ワインはあまり飲んだ事が無いのですが......これは今まで飲んだどのお酒よりも美味しいです!」
ワイングラス等は当然無いから器は木で出来た物だが、一口飲むとそれが気にならない程の甘さが口の中に広がった。
今までワインと言えば、コンビニで売ってるような安い物しか飲んだ事の無い俺には、衝撃の美味しさだ。
ブドウとは思えないフルーティな甘さで飲みやすく、かすかな酸っぱさは酸味だろうか......香りが口の中で広がり、飲み込んだ後も爽やかさが口の中に残っている......。
なんて、お酒の品評なんてした事の無い俺が、適当な言葉を並べて脳内で品評してしまう程美味しい。
今まで飲んだワイン、それ以外のお酒も含めて何だったのかと思うくらいだ。
「お気に召したのであれば幸いです。ワインでしたら、沢山ありますから満足行くまで楽しんで下さい」
思わず大きな声で感謝をしてしまう程、このワインとの出会いは衝撃だった。
勧められたから、一応というかたちで飲んだんだけどな......。
ワインはアルコールが低いのか、思ったよりも酔わない事を不思議に思いつつ、一緒に料理も食べる。
横ではレオががっつくようにソーセージを食べていた。
「料理もおいしいですね......ワインによく合います」
料理をワインに合わせたのか、ワインを料理に合わせたのか、どちらが先かはわからないが、どちらもよく合っていて思っていたよりも満足出来そうだ。
「薬師様......この度は本当にありがとうございました」
料理を食べてる途中、代わる代わるお礼を言いに来る村人達と話をしながら、ワインを楽しんだ。
レオは、お酒には興味がないのか、満腹までソーセージを食べた後、牛乳を飲んで幸せそうな表情を浮かべていた。
病気が治った村人達の笑顔を見ながら、美味しいワインと料理を頂く......最高の贅沢かもしれないな。
「お~タクミ様~。楽しんでるか~い?」
贅沢な時間を享受していると、別のテーブルから千鳥足になったフィリップさんが上機嫌で声を掛けて来た。 | “Please try this as well. We are very proud of the wine we make here.” “...Ah...I see... Is that red wine?”
Mr. Hannes had brought over a barrel of wine.
It was filled with a red liquid, and the scent of alcohol and grapes filled the air.
This was my first time seeing any alcoholic drink in this world. And apparently, wine was the most common kind here.
“This wine was made in this village. It is regarded as quite a speciality in the duke’s territory.” “A speciality...”
Now that I thought about it, I had heard that their business involved the sales of all kinds of goods outside of herbs, but I didn’t know what exactly.
The barrel that Mr. Hannes brought was nearly as big as a person, and it was quite full.
Perhaps that was also part of the reason that Sebastian and Ms. Claire wanted to help them. Ms. Claire had gone as far as consulting me on what could be done.
This place was actually quite important.
...Or maybe I was just overthinking it. And it was simply the duke’s way of doing things. Helping those in need.
“There is a forest near the village. We cut down the oaks there and make these barrels.” “I see.”
When I was running through the forest with Leo, I had thought that Range village must work in forestry, and I guess I wasn’t too far off...
As there was good quality wood nearby, they cut the trees down and made barrels. And with those barrels, they stored the wine that became a source of income.
“But what about the fruits you use to make the wine? I didn’t see any vineyards on my way here...”
“Yes, the grapes. They come in from a different place that is a short distance away.”
So this world had the same fruit with the same name.
I had said ‘fruit’ just in case they were called something else, but was glad that it was the same.
Well, I didn’t know if it was exactly the same... After all, Loe and Ramogi looked similar to plants from my previous world, but had slightly different names. So perhaps this one had the same name but looked different.
“So they are not close by. In that case, it must have been difficult when everyone was sick, and could not go there?” “Indeed... And since it costs money to acquire the grapes, we have to produce wine or the village will not be able to survive. However, grapes cannot grow on our soil... But thanks to you, Mr. Takumi, we’ll be able to produce wine again.”
Was it the weather or the soil? I didn’t know what the answer was, but grapes could not be grown here... In that case, they would have no choice but to buy them from elsewhere.
It seemed like a rather costly thing to do, but if they had no other way to support themselves, then they would have to rely on that.
Besides, there was a vast forest nearby, so they wouldn’t have to worry about running out of trees.
Perhaps it was because they lived close to the forest and were good with processing wood, that they started earning a living this way... But I didn’t know anything about running a business on this scale, so I had no idea.
...They probably made barrels for other purposes as well...like for carrying things on carriages.
“Now, that is quite enough talk. Tonight, you must enjoy the feast, Mr. Takumi. Please drink up.” “You really didn’t have to do this much... But I thank you.”
As I was going to return to the mansion tomorrow, all I wanted was a meal and a place to sleep...but seeing how all the villagers around me now were healthy and celebrating, I could hardly refuse.
And so I gratefully accepted the food and wine.
Even though I wasn’t much of a drinker...
“Mmm...glug... That’s delicious! Is this really wine!?”
“So it was to your liking?” “Yes. I haven’t drunk much wine before... But it’s certainly the best that I’ve ever had!”
As they did not have wine glasses, I was drinking out of a wooden cup. But as soon as it went in my mouth, the sweetness spread over my tongue.
It was quite the shock. But then again, I’ve only ever had the cheap wine they sold at convenience stores.
Though it was very sweet, there was a mild sourness as well. There was a beautiful scent, and the aftertaste was refreshing...
I didn’t know how to describe the flavor of wine, but couldn’t help but think of different random words in my head.
It was not only the best wine, but the best alcoholic drink I had ever had.
“I’m glad to hear that you like it. We have a lot more, so please drink to your heart’s content.” “Thank you!”
I couldn’t help shouting with gratitude. That was how much of an impact the wine had on me.
And I had only drank it because he recommended it...
But this wine seemed to have low alcohol content, and so I didn’t get as drunk as I thought I would while I ate.
Next to me, Leo was eagerly eating her sausages.
“The food is really delicious... It goes well with the wine.” “Well, since we are known for our wine, we try to make sure that it matches the food.”
I didn’t know if they made the wine to match the food, or the food to match the wine first, but it was the most satisfying combination.
“Pharmacist... Thank you so much for helping us.”
As I ate and enjoyed my wine, the villagers would take turns thanking me.
Leo had no interest in wine, and so after she had her fill of sausages, she drank her milk with a blissful expression.
Sipping delicious wine while looking at the smiles of the healed villagers... It was quite the luxury.
“Hey, Mr. Takumi! Are you enjoying yourself?” “...Phillip?”
It was then that Phillip happily called out to me from another table, and then tottered towards me drunkenly. | {
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これは私が子供の頃の写真です
きつそうな 風船模様のパジャマの 半ズボンがおかしいですが
この頃 私は主に架空の物語を 集めていました
これは始めて描いた水彩画の 一枚を持っている写真です
最近はもっと現実の世界から 物語を収集するように なりました つまり 実話です
特に私自身の物語やインターネット上の物語 そして最近取り組んでいる新しい領域として 人々の生活の物語を集めています
今日はこれらの物語についてお話します
始めに私の物語を紹介します この二つは私のスケッチブックです
こういうスケッチブックを沢山持っていて かれこれ8、9年間ずっと持ち続けています
どこに行くにも一緒で それらに私が体験した様々な出来事を 記録していくのです 水彩画や 風景のスケッチ 枯れた花 虫の死骸 チケットの半券 錆びたコイン 名刺や文章などが記録されています 中をみると 出来事や経験 出会いの断片を
垣間見ることが出来ます スケッチブックを何年間も持ち続けた結果 私は次第に自分の個人的な所産にとどまらず 他の人々の所産にも 興味を持つようになり
素材集めをし始めました
この写真は10年前 ニューヨーク市の 排水溝に落ちていたのを拾ったものです
表は女性の顔が映っているボロボロの白黒写真で 後ろ側には 「ビル ベイリーの声をした少女 ジュディーへ
何をするにも楽しんでね」と書いてあります
このように全体の物語を知ることなく 断片的な他人の人生を垣間見て
想像を膨らませるのは とても好きです
この断片的に垣間見るという発想は 後に紹介する多くの作品にも 繰り返し使われています
プリンストン大学で コンピューターサイエンスを学んでいた頃 このような個人的な所産が 道路脇のみならず インターネットでも 突然 収集可能になった事に気づきました
人々が一斉にそれぞれの私生活を伝える物語を 多数のデジタルな足跡として オンライン上に残すようになったのです
ブログの投稿や 写真 考えや 気持ち 意見などが オンライン上で表現され 軌跡として残されていきます
そこでその膨大な数のオンライン上の足跡を 分析するプログラムを書き始めたのです
その一つが 約一年半前に始めたプロジェクト
We Feel Fine です
このプロジェクトは 世界に新規に投稿されたブログのエントリを 2、3分毎にスキャンし 「I feel」や「I am feeling」といった語句を 見つけます そしてこれらの語句を探し出したら それを含んだ全文を抽出して 著者の人口統計学的データの特定を試みます
つまり人々の性別や 年齢 居場所 そして彼らが文章を書いた時の天候といったものです
一日 約2万もの文を収集し 稼働し始めてから1年半で 1500万人以上の感情を集めています
それらは このような形で表示されます
この点はこの数時間の間に英語圏において 表現されたいくつかの感情を表しています それぞれの点は一人のブロガーの一文に相当します
それぞれの点の色は感情の種類に対応するので 明るいものはうれしく 暗いものは悲しいということです
そして点の直径は語句が含まれる 一文の長さを表しています
つまり 小さい点は短い文を 大きい点は長い文を表します
「自分の身体に問題はないのに なぜまだ彼氏と親密になって落ち着かないんだろう」 日本に住む22歳の方からです
「ある地元の取引でこれをもらったけど 配線やくだらないことに時間をかけたくない気分だ」
さらに いくつかの感情には 写真がブログの投稿に含まれていることがあり
その場合は 一文と写真が組合わさった このような写真構成が 自動的に作成されます
写真を開けると 中の文を読むことができます
「気分がいい」
「体調悪くて 10万ポンドくらい太ったけど その価値はあったわ」
「自然が肌で感じられるように保護されていて 素晴らしいわ 蝶や人口の森 鍾乳洞 それに巨大なニシキヘビまでいるのよ」
次はMobsと呼ばれるもので
もう少し統計的な情報を得ることができます
今 世界全体で 最も多くみられる感情を表しています 「より良い」が圧倒的で 「悪い」「良い」「罪深い」などと続きます
Weatherは感情をそれに似合う天候の形で表現します 晴れを表すものはくるくる回転し 曇りはそこを漂い 雨の場合は落下していき 雪の場合は地面にはらはらと落ちてきます
さらに雨粒を止めて その中の感情を見ることができます
最後にLocationは感情が発信元に表示され 世界地図上でその分布を見ることが出来ます
ここで We Feel Fineより 私の好きなMontageをいくつか紹介します
これらは自動的に構成された画像です
「私はまるで平行宇宙において斜めに駐車した気分だ」
「今までいろんな子とキスしたけど いい気持ちはしなかった 不潔で罪悪感もあったけど ルーカスとのキスは美しく 神聖的だわ」
「自分の癌が成長していくのを感じます」
「自分を可愛らしく感じるわ」
「痩せてるように感じるけど 痩せてないよ」
「23歳で覚醒剤とヘロイン依存から回復中です まだ生きてるなんて本当に恵まれています
「来月デイトナで 初めてレースを見るのが待ちきれないよ スピード最高」
「粋な気分」
「新しいかつらで セクシーな気分になるわ」
このように We Feel Fineでは 個人的でとても小さな物語を収集します
時々二、三文字程度の短い物語もあったりします
物語と呼べるものの限界にまで 挑戦しているようなものです
最近は一つの物語に より深く関わってみたくなり
インターネットではなく 現実の世界の作品に取り組むように なりました インターネットは最終的な展示媒体としてのみ利用しました
これらは まだ公開されていないプロジェクトです
初めのプロジェクトは The Whale Hunt というものです
昨年5月にアメリカの最北に位置する アラスカ州のバローで 毎年恒例の春の捕鯨を記録するため
イヌピアトのエスキモーの家族達と9日間過ごしました これは捕鯨キャンプ地で 私達は海岸から6マイル程離れた 5.5フィート程の厚さの叢氷の上でキャンプしました
そこに見られる水は開けた水路で 水路を通って ホッキョククジラが毎春北へ移動します
エスキモーの人々は基本的に氷上の端でキャンプし クジラが十分近づくのを待ち 近づいたら 銛を投げて クジラを氷上まで水揚げし そして解体するのです
これが この人々の長期間の食糧源になります
私はそこで この人達と捕鯨キャンプで 一緒に生活をし 全ての経験を写真に収めました ニューヨークのニューアーク空港へと タクシーを乗った時に始まり 7日半後 二匹目のクジラの解体を終えるまで
全ての経験を5分毎に撮影しました
つまり5分毎にシャッターを切ったわけです
起きている間は カメラを首にかけ
寝ている時は 三脚とタイマーを用意しました
アドレナリンがほとばしる瞬間において 例えば何かドキドキする場面では 写真の撮影頻度を速め 5分間に37枚くらいまで撮りました
これによって写真を元に速まったり遅くなったりする 心拍を表現でき 自分の心拍の変化と
おおよそ一致するものが作れました それが一つ目のコンセプトです
二つ目のコンセプトはこの経験を使って 物語における基本要素を考えることです
物語にある要素とは何でしょう?
物語には登場人物がいます 物語にはコンセプトがあります
物語は特定の場所で起こり 背景があります
それは色彩をもちます どのように見えるのか?
時系列もあります 起きた日にちや時間はいつなのか?
この捕鯨の話の場合 興奮の度合いも要素になります
物語というものが既存の媒体 例えば 小説やラジオ 写真 映画 この様な講演などで表現されるとき ナレーターやカメラのアングルといった なんらかの全知全能の外部者の 目を通して物語を見るのが普通です
私達は それに慣れています
でも日常生活は 全然違います
実際 物事は より複雑で違いが沢山あり いくつもの重なり合う物語が 互いに交差し触れ合っています
そこで私はそのような物語を表示させる フレームワークを作ったら 面白そうだと考えました The Whale Huntの場合 野生生物、道具、血 という概念を含み 場所は北極海で主に赤色 5月3日の10時頃発生し 興奮のレベルは高め という シモンとクロフォードの物語を抽出するには どうすれば良いでしょうか?
物語全体からこの様な話の筋を抽出するには どうすれば良いでしょうか?
私はThe Whale Huntの閲覧で この機能を行う ウェブインターフェースを構築しました
これは向こうで撮った 全3214枚もの写真です
これはブルックリンの私のスタジオです ここは北極海で 7日後の二匹目のクジラの解体場面です
表示された色によって いくつかの物語が見えてきます
この赤く細長い一片は私が泊まっていた 地下アパートの壁紙の色です
そして北極海に移動するにつれて 色は白に変化していきます
ここの赤色は クジラが解体されていることを表しています
時系列で 物語を通して興奮した出来事が表示されています
これらは日時順にまとめられます
Wheelはさっきよりも遊び心をもった同質の機能で これらの写真も全て日時順にまとまっています
好きな写真をクリックして そこから話に入れます
これは私がアラスカに向かう飛行機内で寝ているところ
これは『白鯨』の本です
これは私達が食べた食事です
これはバローにあるパトコタック家の リビングルームです これはごちそうになった箱入りワインです
外でのタバコ休憩です 私は吸いません
とてもエキサイティングな 私の寝姿の連続写真です
北極海にある捕鯨キャンプです
私がクリックしているこの下のグラフは 心電図のようなものです アドレナリンがほとばしる程 ドキドキする瞬間を表します
これは氷結を始めた氷です 彼らが作った雪の塀です
それではサブストーリーを引き出す機能をお見せします
これが登場人物です The Whale Huntに出てくる全ての人々と 殺された2匹のクジラもここにいます
こんなことも出来ます 例えば 「血やクジラや道具」という概念を含み 場所は「北極海のアーキガクキャンプ」で 心拍レベルは「速い」という条件にあう 「ロニーの物語」を抽出することができます
こうすると全体の物語が指定に合う たった29枚の写真に落とし込まれます そこから物語を見始めることができます
ここではロニーがクジラを解体しています
このようなクジラは40フィート程の長さで 重さは40トン以上です ほぼ一年を通して このコミュニティーの食糧源になっています
もう少し飛ばして これはクジラの死骸の上にいるロニーです
彼らはチェインソーなど使いません 全て刃物で とても効率的な方法で解体します
これはロープを持った人達が 死骸を開くところです
これは鯨皮 もしくはクジラの脂肪で 配給の為に並んでいます
これはクジラのひげです 次に移ります
次に皆さんにお話するのは とても新しいもので まだプロジェクトですらありません
昨日シンガポールから直接 ここに飛んできました その前は 2週間チベットとインドの間の小さなヒマラヤの王国である ブータンで過ごしていました
私はそこで幸せに関するプロジェクトの為に 多くの地元の人々にインタビューをしました
ブータンではとても変わった所があって 政府が大切な方針を決めるのに 国民総生産の代わりに 国民総幸福というコンセプトに基づいて行っていて 70年代から続けているのです
これは全く異なる価値感に繋がります
それは驚くべき非物質主義文化であり 人々は多くを持たないものの 信じられないくらいに幸せなのです
そこで私は人々に この事について訊いて回りました
人々に一連の質問を行い 写真をいくらか撮りつつ 録音付きでインタービューしました
まず彼らの幸福の度合いを 本質的におかしいものの 1から10の間で評価してもらい
彼らの答えの数だけ風船を膨らませ それを渡して持ってもらいます
風船10個の本当に幸せな人もいれば 風船1個だけのとても悲しい人もいる訳です
でも 風船を1個持っているだけでも幸せに見えますよね
そしていくつか質問をします 例えば 人生で一番幸せだった日や 何を幸せと思うか
そして最後に 彼らに一つ願い事をしてもらいます
願い事をしたら 彼らの願いを 風船の一つに書き 風船と一緒に写真を撮ります
いくつかのインタビューを少しばかり かいつまんでご紹介します
これは11歳の学生です
友達とケイドロをしていて 全員おもちゃの銃を持って 町中を走り回っていました
彼の願いは警官になることです
彼は用意が早いようです これは彼の手です
私は全員の手の写真を撮りました 手を見るだけで その人のことが よく解るものです それぞれの顔写真も撮り それから面白い顔をしてもらって それも写真に撮りました
17歳の学生です 彼女の願いは男の子に生まれることです
女性はブータンでは 物事に対して何かと困難がつきまとうため 男の子なら楽だったと思っているようです
28歳の携帯電話販売店の店主です
パロの実情を考えると 携帯電話販売店の存在自体が 驚くべき事です
彼の願いは貧しい人々を助けることです
53歳の農家です 麦のもみ殻を取り分けており 彼女の後ろにある麦の山は 一週間かかって作られたものです
彼女は死ぬまで農家を続けたいようです
手から物語が伝わるのが 解って来たと思います
「愛」という文字が刻まれた 銀の指輪をはめており どこかの道で拾ったようでした
16歳の採石労働者です
彼は熱い日光の下で 石をハンマーで破砕していましたが 彼はただ農家として 人生を過ごしたいとのことでした
21歳の僧です 彼はとても幸せでした
彼は僧院で長い人生を送りたいようです
顔の左側のほくろに驚くべき毛が生えており とても縁起がいいものであると聞かされました
面白い顔をするには あまりにも恥ずかしがり屋でした
16歳の学生です
彼女は独立した女性になりたいようです
聞き返すと 結婚したくないという意味だと言いました 彼女の意見では ブータンで女性として結婚した場合 独立した人生を生きるチャンスがなくなるため 結婚には興味がないようです
24歳のトラック運転手です
恐ろしく巨大なインドのトラックが 両方通行の1車線しかない道を 飛ばしてくるのを良く見かけます 道のすぐ横は3000フィートの絶壁で 彼はそんなトラックの運転手でした
そんな彼の望みは平凡な快適な暮らしをする事でした
24歳の道路清掃人です 彼女が昼休みの時に声をかけました
道路の横で暖をとるため 彼女は小さな火をおこしました
彼女の願いは車を所有している人と結婚することです
彼女は人生に変化を求めていました
道路のすぐ隣の小さな労働者キャンプで暮らしており 物事への変化を願っていました
81歳の出稼ぎ農家です
道路の端で彼を見かけたのですが 実は彼には家がありません
毎日農場から農場へ仕事を探して移り 仕事を見つけた農場で寝るようです
彼の願いはどこかで暮らせるように私についていくことです
彼はとても驚くべきナイフを持っており 面白い顔をして欲しいと頼んだら それを取り出して振り回しました
悪気は全くなしです
10歳です
学校で読み方を習いたいのですが 両親には彼を学校に行かせるお金がないとのことでした
オレンジ色の砂糖のようなキャンディーに 指をしきりに漬けては舐めていて 手は唾液でベトベトで 手のひらがオレンジ色のペースト状になっていました
37歳の道路工事作業員です
ブータンにおける厄介な政策的課題のひとつは 道路を作るためにインドからの安い労働者を使い ひとたび道路が完成すれば 彼らを本国に送り返す事ですが
そんな彼らが ある朝高速道路の端で 集団でアスファルトを混ぜていました
彼の願いはお金を稼いで店を開くことです
75歳の農家です 彼女は道路の端でオレンジを売っていました
願いを聞いてみたところ 彼女は 「生きるか死ぬかしれないけど 私に願いはないよ」と言いました
ビンロウジを長年噛んでいたのでしょう 彼女の歯は真っ赤に染まっていました
最後に この子は私が話しかけた26歳の尼僧です
彼女の願いはチベットへの巡礼です
いつまで尼僧院で暮らすのか聞いたところ 「もちろんずっとではないけれど 30歳まではここに居て その後は隠遁生活を始めるわ」
「洞窟に住んだりするということ?」 「ええ 洞窟に住んだりね」
「すごいな どれくらい洞窟で暮らすつもり?」
「うーん 実はね 一生洞窟の中で暮らしてみたいと思っているわ」
びっくりしました 彼女は実に 流暢な英語を喋り ユーモアのセンスや笑いかたも まるでニューヨークか 故郷のバーモントの道端で ばったり出会ったかもと言う感じの人でした
でも彼女はこの7年間 尼僧院で暮らしているのです
私は洞窟のことや そこに行ったら 何が彼女を待ち受けているのか もう少し詳しく聞いてみました
もしたった1年で悟りを開いたら 次の35年 何をして暮らすのでしょう?
すると彼女はこう言いました
女性:35歳まで 私は洞窟で暮らすと思う その後は多分 死ぬわ
ジョナサン:多分死ぬの? 女性:そうよ
ジョナサン:あと10年? 女性:ええ ジョナサン:10年か それは長いね
女性:ええ 1年ではなく10年よ その後1年以内に多分私は死ねるわ
ジョナサン:君はそう願っているの?
女性:ええ だって永遠ではないもの
ジョナサン:それはそうだけど うん そうだね 君は洞窟内で40年間暮らすのと 1年間だけ生きるのと どちらがいい?
女性:多分40から50歳まで暮らしたいわ
ジョナサン:40から50歳だって?
女性:ええ その後私は天国に行くの
ジョナサン:うまくいく様に願っているよ
女性:ありがとう
ジョナサン:君の願い通りになるといいね
改めて本当にありがとう
女性:どう致しまして
つまり彼女は40歳あたりで死ぬことを 願っていると言ったのです それで十分な人生だと
最後に ちょっと急ぎますが 117のインタビューから得られた 117の願いが込められた風船を持って 標高10300フィートもの峠に位置するドシュラと呼ばれる ブータンで有名な聖地の一つに持って行きました
そこには人々が長年にかけて広げていった 数多くの祈祷旗があります
私達は風船を再度膨らませ それを糸でくくり付けて 祈祷機と一緒につるしました
実は今も あそこで風船が風になびいています
もし近い将来ブータンへの旅行計画がある方は 風船を見に行くことが出来ます これはその時の写真です
これら全ての願いが叶うように念仏を唱えました
見慣れた風船もいくつかあります
「お金を稼いでお店を開く」 これはインド人の道路工事作業員からの願いですね
ありがとうございました | This is a picture of me from a very awkward stage in my life.
You might enjoy the awkwardly tight, cut-off pajama bottoms with balloons.
Anyway, it was a time when I was mainly interested in collecting imaginary stories.
So this is a picture of me holding one of the first watercolor paintings I ever made.
And recently I've been much more interested in collecting stories from reality -- so, real stories.
And specifically, I'm interested in collecting my own stories, stories from the Internet, and then recently, stories from life, which is kind of a new area of work that I've been doing recently.
So I'll be talking about each of those today.
So, first of all, my own stories. These are two of my sketchbooks.
I have many of these books, and I've been keeping them for about the last eight or nine years.
They accompany me wherever I go in my life, and I fill them with all sorts of things, records of my lived experience: so watercolor paintings, drawings of what I see, dead flowers, dead insects, pasted ticket stubs, rusting coins, business cards, writings. And in these books, you can find these short, little glimpses of moments and experiences and people that I meet.
And, you know, after keeping these books for a number of years, I started to become very interested in collecting not only my own personal artifacts, but also the artifacts of other people.
So, I started collecting found objects.
This is a photograph I found lying in a gutter in New York City about 10 years ago.
On the front, you can see the tattered black-and-white photo of a woman's face, and on the back it says, "To Judy, the girl with the Bill Bailey voice.
Have fun in whatever you do."
And I really loved this idea of the partial glimpse into somebody's life.
and then letting your own mind fill in the rest.
And that idea of a partial glimpse is something that will come back in a lot of the work I'll be showing later today.
So, around this time I was studying computer science at Princeton University, and I noticed that it was suddenly possible to collect these sorts of personal artifacts, not just from street corners, but also from the Internet.
And that suddenly, people, en masse, were leaving scores and scores of digital footprints online that told stories of their private lives.
Blog posts, photographs, thoughts, feelings, opinions, all of these things were being expressed by people online, and leaving behind trails.
So, I started to write computer programs that study very, very large sets of these online footprints.
One such project is about a year and a half old.
It's called "We Feel Fine."
This is a project that scans the world's newly posted blog entries every two or three minutes, searching for occurrences of the phrases "I feel" and "I am feeling." And when it finds one of those phrases, it grabs the full sentence up to the period and also tries to identify demographic information about the author.
So, their gender, their age, their geographic location and what the weather conditions were like when they wrote that sentence.
It collects about 20,000 such sentences a day and it's been running for about a year and a half, having collected over 10 and a half million feelings now.
This is, then, how they're presented.
These dots here represent some of the English-speaking world's feelings from the last few hours, each dot being a single sentence stated by a single blogger.
And the color of each dot corresponds to the type of feeling inside, so the bright ones are happy, and the dark ones are sad.
And the diameter of each dot corresponds to the length of the sentence inside.
So the small ones are short, and the bigger ones are longer.
"I feel fine with the body I'm in, there'll be no easy excuse for why I still feel uncomfortable being close to my boyfriend," from a twenty-two-year-old in Japan.
"I got this on some trading locally, but really don't feel like screwing with wiring and crap."
Also, some of the feelings contain photographs in the blog posts.
And when that happens, these montage compositions are automatically created, which consist of the sentence and images being combined.
And any of these can be opened up to reveal the sentence inside.
"I feel good."
"I feel rough now, and I probably gained 100,000 pounds, but it was worth it."
"I love how they were able to preserve most in everything that makes you feel close to nature -- butterflies, man-made forests, limestone caves and hey, even a huge python."
So the next movement is called mobs.
This provides a slightly more statistical look at things.
This is showing the world's most common feelings overall right now, dominated by better, then bad, then good, then guilty, and so on.
Weather causes the feelings to assume the physical traits of the weather they represent. So the sunny ones swirl around, the cloudy ones float along, the rainy ones fall down, and the snowy ones flutter to the ground.
You can also stop a raindrop and open the feeling inside.
Finally, location causes the feelings to move to their spots on a world map, giving you a sense of their geographic distribution.
So I'll show you now some of my favorite montages from "We Feel Fine."
These are the images that are automatically constructed.
"I feel like I'm diagonally parked in a parallel universe."
"I've kissed numerous other boys and it hasn't felt good, the kisses felt messy and wrong, but kissing Lucas feels beautiful and almost spiritual."
"I can feel my cancer grow."
"I feel pretty."
"I feel skinny, but I'm not."
"I'm 23, and a recovering meth and heroin addict, and feel absolutely blessed to still be alive."
"I can't wait to see them racing for the first time at Daytona next month, because I feel the need for speed."
"I feel sassy."
"I feel so sexy in this new wig."
As you can see, "We Feel Fine" collects very, very small-scale personal stories.
Sometimes, stories as short as two or three words.
So, really even challenging the notion of what can be considered a story.
And recently, I've become interested in diving much more deeply into a single story.
And that's led me to doing some work with the physical world, not with the Internet, and only using the Internet at the very last moment, as a presentation medium.
So these are some newer projects that actually aren't even launched publicly yet.
The first such one is called "The Whale Hunt."
the northernmost settlement in the United States, with a family of Inupiat Eskimos, documenting their annual spring whale hunt.
This is the whaling camp here, we're about six miles from shore, camping on five and a half feet of thick, frozen pack ice.
And that water that you see there is the open lead, and through that lead, bowhead whales migrate north each springtime.
And the Eskimo community basically camps out on the edge of the ice here, waits for a whale to come close enough to attack. And when it does, it throws a harpoon at it, and then hauls the whale up under the ice, and cuts it up.
And that would provide the community's food supply for a long time.
So I went up there, and I lived with these guys out in their whaling camp here, and photographed the entire experience, beginning with the taxi ride to Newark airport in New York, and ending with the butchering of the second whale, seven and a half days later.
I photographed that entire experience at five-minute intervals.
So every five minutes, I took a photograph.
When I was awake, with the camera around my neck.
When I was sleeping, with a tripod and a timer.
And then in moments of high adrenaline, like when something exciting was happening, I would up that photographic frequency to as many as 37 photographs in five minutes.
So what this created was a photographic heartbeat that sped up and slowed down, more or less matching the changing pace of my own heartbeat.
That was the first concept here.
The second concept was to use this experience to think about the fundamental components of any story.
What are the things that make up a story?
So, stories have characters. Stories have concepts.
Stories take place in a certain area. They have contexts.
They have colors. What do they look like?
They have time. When did it take place? Dates -- when did it occur?
And in the case of the whale hunt, also this idea of an excitement level.
The thing about stories, though, in most of the existing mediums that we're accustomed to -- things like novels, radio, photographs, movies, even lectures like this one -- we're very accustomed to this idea of the narrator or the camera position, some kind of omniscient, external body through whose eyes you see the story.
We're very used to this.
But if you think about real life, it's not like that at all.
I mean, in real life, things are much more nuanced and complex, and there's all of these overlapping stories intersecting and touching each other.
And so I thought it would be interesting to build a framework to surface those types of stories. So, in the case of "The Whale Hunt," involving the concepts of wildlife, tools and blood, taking place on the Arctic Ocean, dominated by the color red, happening around 10 a.m. on May 3, with an excitement level of high?
So, how to extract this order of narrative from this larger story?
I built a web interface for viewing "The Whale Hunt" that attempts to do just this.
So these are all 3,214 pictures taken up there.
This is my studio in Brooklyn. This is the Arctic Ocean, and the butchering of the second whale, seven days later.
You can start to see some of the story here, told by color.
So this red strip signifies the color of the wallpaper in the basement apartment where I was staying.
And things go white as we move out onto the Arctic Ocean.
Introduction of red down here, when whales are being cut up.
You can see a timeline, showing you the exciting moments throughout the story.
These are organized chronologically.
Wheel provides a slightly more playful version of the same, so these are also all the photographs organized chronologically.
And any of these can be clicked, and then the narrative is entered at that position.
So here I am sleeping on the airplane heading up to Alaska.
That's "Moby Dick."
This is the food we ate.
This is in the Patkotak's family living room in their house in Barrow. The boxed wine they served us.
Cigarette break outside -- I don't smoke.
This is a really exciting sequence of me sleeping.
This is out at whale camp, on the Arctic Ocean.
This graph that I'm clicking down here is meant to be reminiscent of a medical heartbeat graph, showing the exciting moments of adrenaline.
This is the ice starting to freeze over. The snow fence they built.
And so what I'll show you now is the ability to pull out sub-stories.
So, here you see the cast. These are all of the people in "The Whale Hunt" and the two whales that were killed down here.
And we could do something as arbitrary as, say, extract the story of Rony, involving the concepts of blood and whales and tools, taking place on the Arctic Ocean, at Ahkivgaq camp, with the heartbeat level of fast.
And now we've whittled down that whole story to just 29 matching photographs, and then we can enter the narrative at that position.
And you can see Rony cutting up the whale here.
These whales are about 40 feet long, and weighing over 40 tons. And they provide the food source for the community for much of the year.
Skipping ahead a bit more here, this is Rony on the whale carcass.
They use no chainsaws or anything; it's entirely just blades, and an incredibly efficient process.
This is the guys on the rope, pulling open the carcass.
This is the muktuk, or the blubber, all lined up for community distribution.
It's baleen. Moving on.
So what I'm going to tell you about next is a very new thing. It's not even a project yet.
So, just yesterday, I flew in here from Singapore, and before that, I was spending two weeks in Bhutan, the small Himalayan kingdom nestled between Tibet and India.
And I was doing a project there about happiness, interviewing a lot of local people.
So Bhutan has this really wacky thing where they base most of their high-level governmental decisions around the concept of gross national happiness instead of gross domestic product, and they've been doing this since the '70s.
And it leads to just a completely different value system.
It's an incredibly non-materialistic culture, where people don't have a lot, but they're incredibly happy.
So I went around and I talked to people about some of these ideas.
So, I did a number of things. I asked people a number of set questions, and took a number of set photographs, and interviewed them with audio, and also took pictures.
I would start by asking people to rate their happiness between one and 10, which is kind of inherently absurd.
And then when they answered, I would inflate that number of balloons and give them that number of balloons to hold.
So, you have some really happy person holding 10 balloons, and some really sad soul holding one balloon.
But you know, even holding one balloon is like, kind of happy.
And then I would ask them a number of questions like what was the happiest day in their life, what makes them happy.
And then finally, I would ask them to make a wish.
And when they made a wish, I would write their wish onto one of the balloons and take a picture of them holding it.
So I'm going to show you now just a few brief snippets of some of the interviews that I did, some of the people I spoke with.
This is an 11-year-old student.
He was playing cops and robbers with his friends, running around town, and they all had plastic toy guns.
His wish was to become a police officer.
He was getting started early. Those were his hands.
I took pictures of everybody's hands, because I think you can often tell a lot about somebody from how their hands look. I took a portrait of everybody, and asked everybody to make a funny face.
A 17-year-old student. Her wish was to have been born a boy.
She thinks that women have a pretty tough go of things in Bhutan, and it's a lot easier if you're a boy.
A 28-year-old cell phone shop owner.
If you knew what Paro looked like, you'd understand how amazing it is that there's a cell phone shop there.
He wanted to help poor people.
A 53-year-old farmer. She was chaffing wheat, and that pile of wheat behind her had taken her about a week to make.
She wanted to keep farming until she dies.
You can really start to see the stories told by the hands here.
She was wearing this silver ring that had the word "love" engraved on it, and she'd found it in the road somewhere.
A 16-year-old quarry worker.
This guy was breaking rocks with a hammer in the hot sunlight, but he just wanted to spend his life as a farmer.
A 21-year-old monk. He was very happy.
He wanted to live a long life at the monastery.
He had this amazing series of hairs growing out of a mole on the left side of his face, which I'm told is very good luck.
He was kind of too shy to make a funny face.
A 16-year-old student.
She wanted to become an independent woman.
I asked her about that, and she said she meant that she doesn't want to be married, because, in her opinion, when you get married in Bhutan as a woman, your chances to live an independent life kind of end, and so she had no interest in that.
A 24-year-old truck driver.
There are these terrifyingly huge Indian trucks that come careening around one-lane roads with two-lane traffic, with 3,000-foot drop-offs right next to the road, and he was driving one of these trucks.
But all he wanted was to just live a comfortable life, like other people.
A 24-year-old road sweeper. I caught her on her lunch break.
She'd built a little fire to keep warm, right next to the road.
Her wish was to marry someone with a car.
She wanted a change in her life.
She lives in a little worker's camp right next to the road, and she wanted a different lot on things.
An 81-year-old itinerant farmer.
I saw this guy on the side of the road, and he actually doesn't have a home.
He travels from farm to farm each day trying to find work, and then he tries to sleep at whatever farm he gets work at.
So his wish was to come with me, so that he had somewhere to live.
He had this amazing knife that he pulled out of his gho and started brandishing when I asked him to make a funny face.
It was all good-natured.
A 10-year-old.
He wanted to join a school and learn to read, but his parents didn't have enough money to send him to school.
He was eating this orange, sugary candy that he kept dipping his fingers into, and since there was so much saliva on his hands, this orange paste started to form on his palms.
A 37-year-old road worker.
One of the more touchy political subjects in Bhutan is the use of Indian cheap labor that they import from India to build the roads, and then they send these people home once the roads are built.
So these guys were in a worker's gang mixing up asphalt one morning on the side of the highway.
His wish was to make some money and open a store.
A 75-year-old farmer. She was selling oranges on the side of the road.
I asked her about her wish, and she said, "You know, maybe I'll live, maybe I'll die, but I don't have a wish."
She was chewing betel nut, which caused her teeth over the years to turn very red.
Finally, this is a 26-year-old nun I spoke to.
Her wish was to make a pilgrimage to Tibet.
I asked her how long she planned to live in the nunnery and she said, "Well, you know, of course, it's impermanent, but my plan is to live here until I'm 30, and then enter a hermitage."
And I said, "You mean, like a cave?" And she said, "Yeah, like a cave."
And I said, "Wow, and how long will you live in the cave?"
And she said, "Well, you know, I think I'd kind of like to live my whole life in the cave."
I just thought that was amazing. I mean, she spoke in a way -- with amazing English, and amazing humor, and amazing laughter -- that made her seem like somebody I could have bumped into on the streets of New York, or in Vermont, where I'm from.
But here she had been living in a nunnery for the last seven years.
I asked her a little bit more about the cave and what she planned would happen once she went there, you know.
What if she saw the truth after just one year, what would she do for the next 35 years in her life?
And this is what she said.
Woman: I think I'm going to stay for 35. Maybe -- maybe I'll die.
Jonathan Harris: Maybe you'll die? Woman: Yes.
JH: 10 years? Woman: Yes, yes. JH: 10 years, that's a long time.
Woman: Yes, not maybe one, 10 years, maybe I can die within one year, or something like that.
JH: Are you hoping to?
Woman: Ah, because you know, it's impermanent.
JH: Yeah, but -- yeah, OK. Do you hope -- would you prefer to live in the cave for 40 years, or to live for one year?
Woman: But I prefer for maybe 40 to 50.
JH: 40 to 50? Yeah.
Woman: Yes. From then, I'm going to the heaven.
JH: Well, I wish you the best of luck with it.
Woman: Thank you.
JH: I hope it's everything that you hope it will be.
So thank you again, so much.
Woman: You're most welcome.
JH: So if you caught that, she said she hoped to die when she was around 40. That was enough life for her.
So, the last thing we did, very quickly, is I took all those wish balloons -- there were 117 interviews, 117 wishes -- and I brought them up to a place called Dochula, which is a mountain pass in Bhutan, at 10,300 feet, one of the more sacred places in Bhutan.
And up there, there are thousands of prayer flags that people have spread out over the years.
And we re-inflated all of the balloons, put them up on a string, and hung them up there among the prayer flags.
And they're actually still flying up there today.
So if any of you have any Bhutan travel plans in the near future, you can go check these out. Here are some images from that.
We said a Buddhist prayer so that all these wishes could come true.
You can start to see some familiar balloons here.
"To make some money and to open a store" was the Indian road worker.
Thanks very much. | {
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その日、その場所はそこそこの盛り上がりを見せていた。
街角美少女コンテストと銘打たれたそのイベントは誰でも飛び入り参加可能で、誰の美少女かを投票で決めるという古臭く、『今時こんな事本当にやるのかよ』と言いたくなるアレなイベントである。
先に言ってしまうと、これは深夜放送枠の人気のないバラエティ番組が立てた企画であり、始める前から滑る事が約束されているというある意味ではレアなものだ。
美少女コンテストと銘打ってはいるが、実際は自意識過剰な飛び入り参加者などを見て笑いものにする方がメインかもしれない。
無論、このイベントには狙いがある。
『偶然』通りかかった最近落ち目のアイドル、童瀬宇麗奈(18)が飛び入りし、他の参加者を踏み台に優勝するという性格の悪いビッグサプライズが用意されており、勿論実際には偶然通りすがるはずもなく、舞台裏で待機している。
要するにそういう事。最初から彼女の優勝は確約されており、何とか人気を取り戻そうとしたマネージャーやTV局の足掻きなのだ。まあ人気も何も、そもそもこの番組自体が人気など初めからないのだが。
勿論観客の中にはサクラが大勢潜んでおり、場を盛り上げる準備は万端だ。
とはいえネットが盛んなこの時代、こんな見え透いた事をすればあっという間にやらせとバレた挙句拡散して炎上ルートに入ってしまうのだが、マネージャーもそれを覚悟の上でこの企画を押し通している。
どうせここで売れなければどのみち消えるだけなのだ。ならばなりふりなど構っていられない。
......というか、そもそも炎上すらしないかもしれない。前述の通り人気のない番組なのだ。
誰も見ずにスルーされて消えてしまう可能性の方が大きい。むしろ炎上した方がまだマシかもしれない。
『次の参加者は......おおっと、まさかのあのアイドルの飛び入りだ』
そしていよいよアイドルの宇麗奈が登場、という場面で皆の期待がそれなりに高まる。
更に何人かはこれが仕込みである事を察し、冷たい目でステージを見上げている。
だがその瞬間、全員の目がステージから逸れた。
「おいベネト! そこはイベント中だ。横切るな!」
「知るか」
――ステージの前を、同じ人間とは思えない絶世の美少女と美女が偶然通過していったのだ。
髪の色は前を歩いている少女が白銀、後ろから慌てて追いかけて来た方が明るい金髪で、その美貌と相まって現実離れすらしている。
これには司会者も呆然とし、思わず実況を忘れて見惚れてしまうほどだ。
可哀想なのはまさに登場しようとしていたアイドルの方である。
今のイレギュラが横切っただけで完全に存在を喰われてしまい、他の参加者を引き立て役にするはずが自分が引き立て役にされてしまった。
後に参加者の一人がネット上で立てた【アイドル】イベントで美人すぎる通行人を見てから夜も眠れない【爆死】というスレにスマホで撮影した写真が張られ、そこから一気に拡散して祭りとなってしまったが、当の二人は預かり知らぬ事だ。
更に、その後に『俺、その金髪の方がトラック殴ってるの見たぞ』とレスと共に証拠写真が乗せられ、更に『ビルの上をジャンプで移動してた』と証言が加わり、一気に祭りが加速する事になるが、それも当の二人は知らぬ事だ。
「ダブルチーズバーガーのセットを二つ」
「ルンルンラー」
「それからソフトクリームも貰おうか」
「ロナウドは嬉しくなるとつい売っちゃうんだ」
新潟へ向けて移動中の俺とベネトは現在、全国に展開している有名なハンバーガーショップに立ち寄って軽い昼食を取ろうとしていた。
そこで何でハンバーガーなんだよ、と思われるかもしれないが、このジャンクな味を久しぶりに食べたくなったのだ。
道化の恰好をした店員から注文した物を受け取り、ベネトが待つ席へと向かう。
どうでもいいがあの恰好はこの店、ワクロナウドのマスコットであるロナウド教祖の恰好であり、店の制服でもある。何で教祖なのかは俺も知らない。
「異世界の食べ物とは随分塩分が多いな。それに味が雑だ」
「ジャンクフードだからな」
Wチーズバーガーを齧りながらベネトが酷評するが、食べる手は止まっていないので口にはとりあえず合ったらしい。
俺としてはライトノベルなどでお馴染みの、『これが異世界の食べ物か! う、うまい!』的なリアクションを期待したのだが、まあこいつ一応国の王だしな。いい物なんか食べ飽きてるか。
飯テロっていうんだったか。あの手の作品だと王様やら神様やらが地球の安い物を食べてオーバーリアクションしたりするけど、ベネトはその辺のお約束を全然理解してくれないらしい。
しかしベネトはチーズバーガーにはさして興味を感じなかったようだが、ソフトクリームを食べた時は表情が一瞬変わり、あっという間に平らげてしまった。
あ、なるほど。驚くのはそっちか。
確かに向こうの世界にソフトクリームはない。アイスはあるが簡単なシャーベットとか、そういうのだ。
雪とか砕いた氷とかに果実や蜜などをかけて食べるような物で、そういったものは地球だと旧約聖書の時には既に登場していたという。アイスの歴史は意外と古い。
その後ベネトに言われるままにソフトクリームを更追加で買い、とりあえず腹を満たした所で再び俺達は移動を開始した。
ぶっちゃけ自分の足で移動した方が速いのだが、移動の手間を楽しむのも旅の醍醐味だ。
今度は駅へと向かって新幹線に乗り、空いている自由席へと適当に腰かけた。
新幹線が動き出す事で窓の外の景色が後ろへと流れてゆき、ベネトが興味深そうに外を眺めている。
「なかなかの速度だ。これもゴーレムではないのか?」
「ああ。違う」
「不思議なものだな。マナを使わず、ゴーレムのように物体そのものにある程度の判断力を与えているわけでもない。
新幹線の中で俺は、先程適当に本屋で購入したこちらの世界の本を読む。
ベネトはこちらの文字を読めないが、漫画に興味が沸いたのかペラペラとページを捲りながら流し読みをしていた。
どうでもいいが俺が読んでいるのはラノベで、内容は日本の普通の青年がある日突然異世界に召喚されてヒャッハーと無双するという、まあよくあるものだ。
昔ちょっと人気が出てアニメ化までされたやつだが......本屋で見かけた時に『最新刊』とあったからつい買ってしまった。俺が異世界でルファスをやってる間に続編でも出たのかと思ったんだが。
だが妙だ。前に読んだのと全く内容がまるで変わっていない。
確かこれは2022年に完結しており、少なくとも俺が購入した2巻は最新でも何でもない。
しかもこれ、重版では修正されていた誤字などがそのままだ。
とんでもない本屋もあったものだ。完結した本の二巻を最新と偽って売るとかどういう神経をしているのか分からない。
ベネトはこちらの世界の文字を読めないので漫画を流し読みしている。
こちらは更に古い作品で、昭和年代の名作だ。
最終的にはヒロインが暴徒と化した近所の住民に惨殺されて主人公が人類を見限り、人類が滅亡した挙句主人公も死ぬという凄まじい内容となっている。
新幹線から降り、俺の記憶を辿って家までの道を歩く。
何故か所々記憶と違っていたが、道そのものは正しいはずだ。
そのはずなのだが、何だろうな。やはり俺の記憶と何処か違う。
新装開店したばかりの店がなく、その前に建っていたはずの店がそのまま残っている。
それも俺の記憶よりも随分綺麗な形で。
錆だらけの公園の遊具は危険だからと取り外されたはずだ。
道を間違えたわけではない。確かに合っている。
そう、合っているはずなのだ。
だが......。
俺の家があったはずの場所にあったのは、古びた一軒家であった。
無論、俺はこの家を知らない。
「このボロい家が貴様の目的地か?」
「いや......場所は合っているはずなのだが」
参ったな。ここにきて次にどうすればいいかが分からなくなってしまった。
見知らぬ他人の家では当然俺が使っていたパソコンなどないだろうし、俺の考えていた『ディーナと初めて出会った場所』自体がここにはない。
しかし考える俺の後ろから足音が響き、聞き慣れた声が耳へと入ってきた。
「ええ、合ってますよ。場所はね」
......なるほど、どうやら俺は正解へと辿り着いていたようだ。
後ろへと視線を向ければ、以前と何も変わらぬディーナの姿がそこにはあった。
随分と面倒な場所に隠れてくれたものだ。おかげで探すのに時間がかかってしまった。
彼女は小さく微笑み、それから俺の隣へと立つ。
ベネトはその間、様子見なのか全く行動を見せない。
「ここは空き家です。今から半年後に取り壊され、そして更に半年後......2017年に貴女もよく知る家屋が建ちます」
「2017? ならば今は......」
その『少年』......いえ、『青年』は二十一歳になるまで自分が何者なのかも知らずに成長し、そして2033年に女神様......いえ、私に導かれてミズガルズへとその記憶と人格を連れて行かれる事になります。
ディーナの言葉にベネトが若干目つきを鋭くし、俺達を睨んだ。
しかしディーナはそれに動じずに微笑んだままだ。
俺もまた、その説明に奇妙な納得を感じていた。
なるほど、と思う他ない。道理でこの世界に懐かしさを感じないわけだ。
つまりはあれだ。俺は結局のところ......『俺』の記憶を植え付けられただけのルファス・マファール本人だったってわけだ。
俺の中に二つの人格など最初からなかった。俺が勝手に自分を見失って、他人に成り切って演じていただけだ。
『ルファスを演じている他人』を演じていたルファス本人だったのだ。
「その『青年』とは何者なのだ?」
「彼もまた貴女ですよ、ルファス様。正確に言えば私やポルクス様に近いでしょうか」
ディーナと話すごとにパズルが嵌っていくような感覚が頭を駆け抜ける。
そう、『俺』の正体もまた俺自身。
――アバターだ。
アバターは大きく分け。魔力から創り出すタイプと、天力から創り出すタイプ。
ルファスは......いや、もう他人のように語るのはやめよう。
昔の俺はそのうちの三つ目を行った。女神の専売特許とされるアバターの技術を模倣し、異なる世界の異なる時間へと自分のアバターを創り出していたのだ。
そしてそのアバターの保有していた記憶や人格はディーナによって俺本体へと戻され、俺は本来の俺が出来なかった客観的な視点を得て、自分自身を省みる機会を与えられた。
今ならよく分かる。他人として自分の過去を振り返ったからこそ言える。
俺の失墜は必然の事だったのだ、と。
そう思えるようになっただけでも、この植え付けられた人格と記憶には価値があった。
「ところでその青年は?」
「無事ですよ。記憶と人格をコピーさせて頂きましたが、『あの後』も普通に過ごし、そして老衰で死ぬでしょう。自分が何者なのかを最後まで知らぬままに」
「そうか。ならばよい」
「ちなみに二十三歳まで親の脛を齧って暮らし、その後会社に入社してようやく一人暮らしをします」
「いや、それは別に言わんでもよい」
これで肩の荷が一つ降りた。
俺は誰の人生も奪ってはいない。
最初はルファスに憑依して彼女の人生を奪ったと思い、次はその少年から全てを奪ったと危惧してしまった。
だがルファスは俺自身なので奪うも何もなく、少年も無事なまま俺から独立するという。
これならば安心して次へ話を進める事が出来るというものだ。
「ところで教えてくれるのだろうな? そこまで遠回りをした理由を」
「勿論。もう隠す理由もありませんしね。
ディーナはそう言い、胸元から名刺を出して俺へと手渡した。
そこに書かれていた名を見て、俺はまた一つ納得してしまう。
ああ、なるほど、という感じだ。
やはりお前がそうだったのだな。
「私には名が三つあります。
彼女はクスリ、と笑い、ベネトが不機嫌そうに腕を組んだ。
そう、彼女こそ全てを欺いていた存在。
俺を欺き、十二星を欺き、魔神族を欺き、そして女神すらも蛇の如くに騙してみせた。
彼女こそが、『十三人目』。
星が一人、『蛇遣い』のオフューカス。 | On that day, at that venue, there was some excitement and commotion.
The Street Corner Beauty Contest was an event which anyone could participate in on a whim. It was an event which determined the number one beauty based on the votes of the audience. In a way, it was a slightly questionable and outdated event which prompted people to ask, “They’re still doing something like this in this day and age?”
To be completely upfront, it was a project organised by some popular TV variety show which broadcasted after midnight. Again, in a way, it was a slightly questionable show which was bound to fail even before the project launched.
Although it was called a beauty contest, in truth, the main premise of the show might have been more along the lines of getting viewers to judge and ridicule the excessively self-conscious participants.
Naturally, this event had a hidden agenda.
There was a dirty big surprise prepared by the procedures of the show. There would “coincidently” be an idol by the name of Yuwontsel Lanyway ( years old), whose popularity was on the decline, who just so happened to be in the area and participated, only for her to win at the expense of the other participants who would be used as stepping stones. Needless to say, of course, she did not just coincidentally happen to be passing by the area. The entire thing was scripted and she was just waiting on standby.
In other words, yes, that’s exactly how it was. From the very beginning, she was guaranteed to win. It was just a last-ditch event prepared by her managers and television network in an attempt to regain her popularity. Although... on the question of popularity, the television show itself had no popularity from the beginning.
Obviously, there were paid audience members amongst the crowd who were fully prepared to boost the stage’s excitement.
Having said that, in this day and age where the internet was very active, an easily seen-through act like this would be revealed in an instant, eventually sending everything into the ground or burning up in flames. Nevertheless, the idol’s managers were proceeding with the plan despite knowing full well of the consequence.
After all, if she was unable to sell at this moment in time, she would not succeed either way. As such, they did not care about what image she would end up getting.
... Or more like, there might be nothing to burn up in flames in the first place. As mentioned previously, it was not a popular television show to begin with.
The possibility of no one seeing the show and the idol disappearing into obscurity was a more likely outcome. If anything, even burning in the depths of a scandal might be the better alternative.
“The next participant is... oh? Could it be an idol getting on the stage?”
And finally, it was the idol Yuwontsel’s turn to get on stage. The people’s expectations were heightened relatively just from her appearance.
Furthermore, a few within the audience sensed that this was all staged, thus they were looking up to the stage with cold dead eyes.
But at that moment, everyone’s line of sight drifted away from the stage.
“Oi, Benet! They’re in the middle of an event. Don’t just cut across it!”
– There was an extremely beautiful young girl and a lady, both of whom were so beautiful that people could not believe they were of the same human species, coincidently passing across the front of the stage.
The young girl walking in the front had silver hair and the flustered lady chasing the young girl from behind had bright golden hair. Regardless, the beauty of both of them was out of this world.
In this respect, even the host was lost in thought and standing in a daze, involuntarily forgetting what was happening.
The most pitiful person in this situation was the idol who had just appeared on the stage.
Due to the two irregular individuals who had just passed through the front of the stage, her presence was overshadowed entirely. Furthermore, even though she was the one who was supposed to step on the other participants, she was the one who was stepped on.
Subsequently, one of the participants created a thread on a public forum for the “idol” event by the name of “Flop” and stating that they had become unable to sleep ever since they had seen the two passers-by who were too beautiful. Due to a photograph of the two passers-by that had been taken by a smartphone being posted on the thread, everything had blown up and became a commotion. Nevertheless, the two individuals remained ignorant of all of this.
In addition, after all of this, there was another thread made with the title: “I saw that blonde-haired one punching a truck” with a supporting photograph. Not only that, but there were also even claims of “I saw them jumping from one roof of a building to another”, causing the commotion to rapidly explode. But again, the two of them remained ignorant of all of this.
“Two double cheeseburger sets.”
“Lun lun laa~”
“Oh, and I’ll also have a soft-serve cone.”
“This Ronaldo is happy to serve you.”
Whilst we were heading towards Niigata, Benet and I decided to take a detour and get a light lunch at a popular burger chain which had been opened all over the country.
There might be some of you who were wondering why we chose to eat hamburgers of all things, and the answer to that was simple. I just wanted to taste that nostalgic junk food flavour for the first time in a while.
After receiving our order from the shop attendant who was dressed in a clown costume, I headed towards where Benet was sitting.
Although this was a piece of irrelevant information, the shop attendant’s uniform was that of WacRonald’s mascot, Ronald the founder. As for why he’s the founder, I also did not know.
“So this world’s food has so much salt, huh? And it tastes crude and sloppy.”
“Well, it’s junk food, so...”
Benet criticised as she bit down on the double cheeseburger, but she did not stop eating, so it must have been acceptable for her.
For me personally, I was expecting the typical “So this is an isekai’s food, huh! It’s amazing!” line and reaction that one often found in light novels from her, but now that I thought about it, she’s technically the queen of a kingdom. So I supposed, she must have been used to eating good food.
It was called something like food ****, right? In those works, it’s mainstream for kings and gods to eat cheap food from Earth and have an overreaction. But unfortunately, Benet did not follow the predictable mainstream pattern at all.
Fortunately, whilst Benet showed no reaction towards the cheeseburger, her expression changed just for a moment when she tasted the ice cream before eating it all up very quickly.
Oh, I see. So she’s surprised by the soft serve cone, huh.
Indeed, there was no such thing as a soft-serve cone on that side of the world. Frozen treats did exist, however, there were only simple ones such as sherbets.
They were nothing more than a simple type of food where fruits, berries and nectar were poured on top of snow or crushed ice. On Earth, it existed by the time the Old Testament was drawn up. Unexpectedly, the history of frozen treats dated back quite a bit.
Subsequently, Benet ordered me to go and purchase five more soft serve cones. Now that we had satisfied ourselves, we decided to recommence heading towards our destination.
Honestly, it would have been faster for us to move on foot. However, enjoying the hassle of going from one place to another was part of the charm of undertaking journeys.
This time, we decided to head towards a train station. Once we got onto the bullet train, we sat down on one of the available seats within the free unreserved cart.
Once the bullet train started moving, the scenery outside the window flowed backwards. In response, Benet was looking on with interest.
“This is some decent speed. Is this thing also not a golem?”
“Yeah, it’s not.”
“It’s a strange thing. It doesn’t use any mana, nor was this physical object bestowed with some limited decision-making capability like golems. In other words, it would mean that this lump of steel is moving on its own purely as a lump of steel... so for me, that’s more ‘magical’ than anything else.”
Inside the bullet train, I was reading a random book that I whimsically acquired from a bookstore just a moment ago.
Benet was unable to read this world’s words. However, it seemed that her interest was piqued by manga as she was flipping through pages after pages and skimming through them.
It didn’t really matter, but what I was reading was a light novel. The content of the novel was about an ordinary young Japanese man who was suddenly summoned to another world and, hyacha, became peerless in an instant. Well, yeah, it’s one of those commonly done plots.
Back in the day, this series was popular enough for it to be animated... but when I spotted it in the bookstore, it had the “Newest Edition” label on, so I bought it on impulse. While I was in another world as Ruphas, I thought a sequel had come out, but...
But it’s weird. There’s absolutely no difference in content compared to what I had previously read.
If I recalled correctly, this series concluded in the year , so at the very least, the two volumes that I had acquired were not the latest edition or anything.
Not only that, but even the errors which had been amended in the reprint version were also still as they were.
What an outrageous bookshop. I could not understand what kind of nerve it must have to misrepresent the last two volumes of a series which had already concluded as the latest edition and sell them.
On the other hand, as Benet was unable to read this world’s words, she was skimming through manga.
Hers was even an older work of art. A popular series from the Showa era.
At the end of that series, the heroine was massacred by her neighbour who had become an insurgent, causing the protagonist of the series to abandon humanity to their doom. It was a grim and intense series where even the protagonist ended up dying after humanity was brought to ruin.
After getting off the bullet train, I followed the road that I had in my memory and reached the house at the end of it.
For some reason, there were a few incongruences between what was in my memory and reality, but the path itself should have been correct.
It should have been correct, but... I wondered why. Somehow, there were differences which did not match my memory.
A shop which had just recently gone through remodelling and relaunched itself did not exist. Yet the shop prior to that remodelling was still standing and in business.
Not only that, but it was also in a condition far better than what was in my memory.
The playground equipment which was at the park should have been removed and taken away due to it being classified as dangerous from all the stain on the metal.
It was not as if I made a mistake in my pathing. It should definitely be correct.
Yes, it should have been correct.
But...
In the place where my home should have been, there was an old and worn-out detached building.
Needless to say, I did not know or recognise this building.
“Is this worn-out house your destination?”
“No... I mean, the location should be correct, but...”
How troubling. After reaching this far, I no longer knew what I was supposed to do anymore.
Given the fact that it was someone else’s house, naturally, the computer that I was using would not be inside. In fact, the very “location where I first met Dina” that I was thinking of was not here.
As I was pondering as such, I heard footsteps ring out from behind me, followed by the sound of the voice that I was familiar with.
“Yes, it is correct. At least, the location is.”
... I see, it seemed I had reached the correct answer.
Once I turned to look behind me, I spotted Dina who looked exactly the same as she previously did.
She really hid in a troublesome location. Because of that, we ended up spending quite a lot of time trying to find her.
She was smiling faintly and came to stand beside me.
During this time, Benet did not show any reaction whatsoever. Perhaps she was trying to assess the situation.
“This is an empty house. Approximately half a year from now, it will be bulldozed down, and half a year after that... in the year 17, a family home that my lady is well familiar with will be built.”
“2017? Then right now, it’s...”
“Yep, it’s the year 2016. And a year from now, a married couple and their child will move into the newly bought home. That ‘young boy’... no, that ‘young man’ will grow up to the age of 21 years old without even realising who he really is. And in the year 2033, after being guided by the Goddess-sama... no, by me, his memory and ego will be brought over to Midgard. And right now... he’s standing right next to me.”
After hearing Dina’s words, Benet’s gaze greatly sharpened and glared at the two of us.
Notwithstanding that, Dina continued to smile unfazed.
Meanwhile, after hearing that explanation, I felt a sense of intrigue and understanding.
There was no other way to think than “I see, so that’s how it was.” No wonder this world did not make me feel nostalgic.
In other words, it was that, you know? In conclusion... it turned out that “I (ore)” was the real Ruphas Mafahl who had a memory implanted into me.
From the very start, there had never been two different egos within me. It was merely that I had lost my sense of self on my own and was playing the role of “someone else”.
From the very beginning, I was “the real Ruphas who was playing the role of someone else”.
“Who exactly is that ‘young man’?”
“He is also you, Ruphas-sama. To be more precise, he is similar in existence to me or Pollux-sama.”
“I see.”
For every word that Dina spoke, I felt the sensation of a piece of the puzzle clicking in my head.
Yes, that’s right. The identity behind “I (ore)” was me myself.
– He was an avatar.
Broadly speaking, avatars were divided into three different categories. A type created out of magical power, a type created out of divine power and a type which made use of a human parent’s womb.
Ruphas was... no, let us stop describing her as someone different.
In the past, out of those, I chose the 3rd category. After imitating the technique of creating an avatar which the Goddess had a monopoly on, I created an avatar of myself in a different world at a different reference point of time.
The ego and the memories possessed by the avatar was then brought back to my real body by Dina, allowing me to obtain an independent and objective point of view that I originally did not have, which then gave me the opportunity to look back and assess myself.
Now that it had come to this, I understood clearly. I could evaluate and state things precisely because I had the opportunity to review my past self from the position of “someone else”.
Of course, it was only natural that I would be abased.
Just by being able to see from that point of view, there was worth to the implanted ego and memory.
“By the way, what happened to that young man?”
“He’s perfectly fine. Although I copied his memories and ego, even after ‘that event’, he’ll continue to live as normal, and eventually die normally from old age. Though, he will not realise who he really is until the very end.”
“I see. Then that’s fine.”
“Also, just so you know, he’ll continue to hug his parents’ legs until he reaches 23 years old, at which point, he’ll enter the workforce as a company worker and finally start to live by himself.”
“Err, no, you don’t need to tell me that.”
With this, one of the weights on my shoulders had been lifted.
It seemed that I had not ended up ruining anyone’s livelihood.
In the beginning, I thought that I had forcibly possessed Ruphas and had stolen her life. After that, I felt uneasy thinking that I had taken everything away from a young boy.
However, because Ruphas was actually me, there was nothing for me to steal away from her. And now, I had found out that the young boy was able to become independent of me.
With this, I was able to move onto the next topic while feeling assured.
“And I assume you’re going to tell me everything? The reason behind why we had to come all the way here.”
“Of course. After all, there’s no longer any reason for me to hide it. But before that... allow me to... start by introducing myself.”
After saying that, Dina took out a business card from her chest pocket, and handed it to me.
After seeing the name which was written on top of it, I understood everything once again.
Ahh, I see – that was what I felt.
I see, as expected, you were the one.
“I’m in possession of three names. One of them is my name as the Goddess’s avatar, Dina. One of them is my name as the Seven Luminaries of the demon race, Venus. And then there’s one more.”
She chuckled mischievously whilst Benet, in response, crossed her arms in displeasure.
Exactly, she was the very individual who had deceived everyone.
She had deceived me. She had deceived the Twelve Heavenly Stars. She had deceived the demons. And she had even proven that she could deceive the Goddess herself, like a snake.
She was THAT [13th person].
“– One of the Tyrannical Thirteen Heavenly Stars, Ophiuchus the [Serpent Bearer]. That... is the name my lady has bestowed upon me.” | {
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王都中から湧き上がる歓声を受け、大空へと舞い上がる2機の汎用ヘリ。
目指すは、先行しているウルフファングの待機地点。
場所は、国境からこちら側へ約1日の距離。
......輸送部隊を伴った、歩兵中心の軍隊の進行速度で。
王都からはまだまだ距離があるが、ヘリならば、大した時間はかからない。
そして、戦闘地点がそれだけ国境のこちら側であれば、誰がどう言おうと、こちら側が宣戦布告なく奇襲により侵略された被害者として、『正義は我に有り!』と声を大にして叫べるというわけだ。
攻められる方には不利なこともあるが、有利なこともある。
戦場が自国内だということは、地形や地域特性がよく分かっているということ。
戦う場所や時期を自分達で決められること。
......敵軍が国境を越えた場所が分かっていれば、そこから王都へと向かう進軍ルートなど、子供にでも分かる。そして
まあ、そんな予測計算をしなくても、斥候やら地元住民の有志やらが刻々と情報を届けてくれるのだけど。
......そして更に、事前に『仕込み』ができるという利点がある。
帝国軍が朝方に国境を越え、夕方頃に差し掛かるあたりで、軍が夜営できそうな丁度いい場所となると、ある程度限られる。
ウルフファングとは、随時無線機で連絡を取っている。
なので、丁度良い場所を選んで『仕込み』をして、そしてそこを見下ろせる高台に10基の迫撃砲を設置しているということは既に確認済みだ。
そして、転移でヘリを連れてくる前こちらへ来て、予測通りの場所で敵が夜営の準備を始めたことも勿論確認してある。
もし予想が外れた場合には、作戦の決行を1日繰り延べて仕切り直すつもりだったけれど手間にならなくてよかった。
迫撃砲、6人で10基というのは多すぎるような気がするが、まぁ、それぞれ少しずつ照準をずらしておけば、1基だけ使っていちいち照準を変えるのよりは楽ちんなんだろう......。
迫撃砲は、今回用意したやつは5000メートルも飛ばないらしい。ウルフファングは、先進国の正規軍みたいに、高価な最新装備を用意できるわけじゃないからねぇ。
でも、迫撃砲は砲自体が小型軽量で、弾体の発射もとても簡単なので、傭兵団にとっては使い勝手がいいらしい。
そりゃ、大口径の自走榴弾砲なんか、小さな傭兵団が入手したり維持整備したりするのは無理だろう......。
とにかく、今回の任務には迫撃砲で充分、というわけだ。
そもそも、主役はヘリチームなので、迫撃砲は『
地点が近付いてきた。
『間もなく目標地点。高度下げ!』
『『ラジャー!』』
少しでも発見される時間を遅らせるため、高度を下げるように指示。
そしてしばらくすると、前方からの発光信号を視認。
迫撃砲は曲射なので、陣地は敵からは見えない位置にある。なので、反対方向から来る私達に指向性の発光信号を送ることは全く問題ない。
『前方に友軍からの発光信号を視認。あとは計画通りに。私は離脱します!』
『1号機ラジャー!』
『2号機ラジャー!』
この期に及んで、余計な指示は必要ない。
そして、プロは無駄口を叩かない。
『作戦開始!!』
そして私は地球を経由した連続転移で地上、ウルフファングの迫撃砲陣地へと転移した。
これからヘリがドア全開で急激な機動をやりまくるというのに、そんなのに乗ってたら、落ちちゃうよ! ......多分、酔っちゃうし。
それに、狭いから私がいたら邪魔になっちゃうしね。
ここは、素人はお呼びじゃない場所だ。
......その名を、
「砲撃用意!」
「用意よし!」
私が言うまでもなく、当然のことながら準備は調っていた。
......うん、知ってた。
でも、お約束というか、カッコいい台詞は言いたいよね!
そして、2機のヘリは迫撃砲陣地をオントップした後に上昇して高度を取った。
して、司令部の位置を確認するためだ。
あと、物資の集積場所......荷馬車や荷車を駐めているところ......とか。
勿論、矢や投槍等が届かないように、という意味もある。
皆が寝静まってからの方が、相手が混乱するし真っ暗で対処が遅れるから都合がいいんじゃないかと思ったのだけど、あまり真っ暗だと司令部や物資の集積場所が分からない、と言われた。
食事の時間なら、焚き火やら何やらで大体の位置は分かるらしい。
まあ、司令部は普通中心付近に置くだろうし、物資は街道脇に置くだろう。それ以外の場所にする理由がないからね。
そして、いくら地上に焚き火による明かりがあろうとも、それは上空を照らせるようなものじゃない。
漆黒の空から聞こえるタービンエンジンとローターによる騒音。
雷か、それとも何かの天変地異か。
そう思ったのか、騒ぎながら空を見上げる兵士達。
うん、少し丘を上れば、敵の野営地はここからも見える。真上から見るわけじゃないから司令部の位置とかは分からないけど、兵士達の騒ぎくらいは分かる。一応、スターライトスコープくらいは用意してあるので。
そして、そろそろ『明るくなる』頃なので、スターライトスコープを使うのはやめとこう。
ぼちぼち、ヘリチームが野営地の布陣を把握した頃かな......。
どおん! どおん!!
1機のロケット弾は、2発共、司令部のテントと覚しきところへ撃ち込まれたはず。
そしてもう1機は、物資、つまり荷馬車や荷車が駐めてあるところへ......。
よし、来た!
汎用ヘリの武装は、M60機関銃が左右各舷に1挺ずつ。そして、無誘導ロケット弾が2発。
所詮、傭兵の装備なので、とても最新型というわけにはいかない。そのため、ヘリの武装も少々古く、骨董品に近いものらしい。2発しか装填できない無誘導ロケット弾でも、彼らにとっては虎の子の兵装なのだろう。
と同じく、傭兵団の誇り、傭兵団の象徴、ってとこかな。
これで、ロケット弾は打ち止めだ。
うん、機銃掃射だ。ベルト給弾の、7.62ミリ弾による掃射。
但し、兵士を片っ端から狙うんじゃなくて、司令部と思われるテント付近の人影と、各部隊ごとの指揮系統......大隊本部とか......を集中的に狙っている。
目的は敵の殲滅ではなく、雪崩を打って
......そりゃ、何百人もの、あるいは何千人もの死者は出るだろうけれど、それは仕方ない。宣戦布告もなしに他国に侵入してきた侵略者達なんだから......。
そして......。
ちゃちゃちゃちゃ~ちゃ、ちゃちゃちゃちゃ~~!
ヘリコプター乗りは、この曲しか知らんのかい!
上空から大音量で聞こえてくるのは、勿論、皆さんお馴染みの『ワルキューレの騎行』。
まあ、あとは敵兵にパニックを起こさせて潰走させるだけだから、ハッタリカマすのはアリだけど......。
さすがに、元ネタに忠実にオープンリールで鳴らしているわけじゃないだろうな。
今の音響システムは場所も取らず電力もあまり喰わないから、大して邪魔にはならないか。
......しかし、敵の兵士には、どう受け取られているのかなぁ。
『ワルキューレの騎行』と言うよりも、......『悪き幽霊の奇行』? | Two general-purpose helicopters soar into the sky as cheers erupt from all over the capital.
The goal is to get to the rally point of Wolf Fang, which is ahead of us.
The location is about a day away from the border to this side...
......At the speed of an infantry-centered army with a transport unit.
It’s still a long way from the royal capital, but with helicopters, it doesn’t take much time.
And if the battlefield is on this side of the border, no matter who says it, a s the victim of a surprise invasion without a declaration of war, we can shout out loud, <Justice is on our side>!
It can be disadvantageous to those who are attacked, but it can also be somewhat advantageous.
The fact that the battlefield is within your own country means that you know the terrain and regional characteristics very well.
Also, being able to decide where and when to fight.
If you know where the enemy army has crossed the border, even a child can figure out the march route from there to the royal capital...... and the SOA (Speed of Advance), if you calculate their speed of advance, you can get a pretty accurate estimate of their position.
Well, we don’t need to make such a prediction and calculation, however, the scouts and local volunteers will deliver the information to us every moment.
......Also, there is an advantage that the <preparation> can be done in advance.
When the Imperial Army crosses the border in the morning and when it approaches the evening, there are only a few places where the army can camp for the night.
I am in contact with Wolf Fang from time to time through the radio.
So it has already been confirmed that we have selected the right place to <prepare> and installed mortars on a hill overlooking the area.
And, of course, I’ve confirmed that the enemy has begun preparing for the night camp at the expected location by coming here once before bringing the helicopter in the transfer.
If my prediction was wrong, I was going to postpone the operation for a day and start over, but I was glad that I didn’t have to do it again.
I think it’s too much to have mortars for people, but I guess if you shift the sights a little bit for each mortar, it’ll be easier than using just one and changing the sights every time......
I heard that the mortars we prepared this time don’t even fly ,0 meters. Wolf Fang doesn’t have the capability to prepare expensive and up-to-date equipment like the regular armies of developed countries can.
But I heard that mortars are easy for mercenaries to use because the guns themselves are small and light, and the projectiles are very easy to launch.
Well, it would be impossible for a small group of mercenaries to acquire and maintain a large caliber self-propelled howitzer, I guess......
Anyway, the mortars were enough for this mission.
In the first place, the helicopter team is the star of the show, and the mortars are just a “tease”.
The point of operation is steadily approaching.
[Target in sight. Altitude drop!] Mitsuha
[[[[[[Roger!]]]]]]
I instructed them to lower our altitude in order to delay our detection as long as possible.
Then, after a while, the light emission signal from the front can be seen.
Since the mortar’s shots are curved, the position is invisible to the enemy. So there is no problem at all sending a directional light signal to us coming from the opposite direction.
[I’ve got a visual on a friendly light signal ahead. The rest is going according to plan. I’m going ahead!] Mitsuha
[Unit 1, Roger!]
[Unit 2, Roger!]
At this point, no extra instructions were necessary.
And these professionals don’t waste their time talking.
[Commence operation!] Mitsuha
Then I made a continuous transfer to the earth and to the Wolf Fang’s mortar position on the ground.
At that point, the helicopter made a sudden maneuver with the doors fully open, but if I ride on such a helicopter maneuver, I will fall!...... Well, I’d probably get airsickness at least.
Besides, it’s so cramped that I would get in the way if I were there.
That is not a place for amateurs to be in.
......That’s why it’s called the front line.......
[Prepare to fire!] Mitsuha
[Ready!]
Needless to say, they were ready.
......Yeah, I already knew that.
But I do want to say an order or at least a cool line!
The two helicopters then raised their altitude after making it on top of the mortar position.
The purpose of this is to get a bird’s eye view of the entire enemy encampment and confirm the location of the command center.
Also, places where supplies were stored...... places where wagons and carts are parked...... and so on.
Of course, it also means to prevent arrows, spears, etc. from reaching them.
I thought it would be more convenient to wait until after everyone had gone to bed since they would be confused and the response would be delayed, but they said that if it was too dark, they wouldn’t be able to find the command center or the location where the supplies were stored.
When it’s time to eat, it seems that you can get an idea of the location of it based on bonfire position or something.
Well, the HQ would normally be placed near the center and the supplies would be placed by the side of the road. There’s no reason to put it anywhere else.
No matter how much light there is on the ground from bonfires, it is not enough to light the sky.
Thus they could only hear the noise made by the turbine engines and rotors coming from the direction of the jet-black sky.
Is it thunder or some kind of natural disaster?
The soldiers were looking up at the sky and making a commotion.
Yeah, a little climb on a hill, I can see the enemy camp from here. I don’t know the location of the headquarters because I don’t see it directly from above, but I can understand the commotion of the soldiers. I’ve prepared a starlight scope.
It’s about time to <light them up>, so let’s not use the starlight scope.
I guess it’s time for the helicopter team to figure out the layout of the encampment......
One of the two rockets seems to be going into what I assume was the command tent.
And the other one looks like it’s going to either where the supplies depot or where the wagons and carts are parked.......
Doon! Doon! !!
Okay, here we go!
The general-purpose helicopter is armed with one M60 machine gun on each side. And two unguided rockets.
After all, it’s mercenary equipment, so it can’t be the latest model. Therefore, the helicopter’s armament is a little outdated and it looks closer to being called antiques. Even the unguided rocket that can only be loaded with two shots must be a tiger’s treasure for them.
Like God (Kami-sama), the 20mm autocannon of Wolf Fang, it’s the pride of the mercenary group, the symbol of the mercenary group.
Then, the barrage has stopped.
Yeah, it’s a machine gun sweep of belt-fed 7.62-millimeter rounds.
However, instead of targeting every single soldier, they are concentrating on the figures near the tent that seems to be the HQ and the chain of command of each unit, like...... the battalion commanders.
The goal is not to annihilate the enemy, but to send them running and crashing like an avalanche, so there is no need to unnecessarily increase the number of dead.
......There will be hundreds or even thousands of deaths, but that is inevitable. They are the invaders who have invaded another country without declaring war......
And then .......
Chacha chacha ~ cha, chacha chacha ~~!
The helicopter crew knows only this song!
Of course, it was the familiar <Ride of the Valkyrie> that could be heard loudly from the sky above.
Well, the only thing left to do is to make the enemy soldiers panic and crush them, so it’s possible to trick them.......
On second thought, it doesn’t sound like the original material with an open reel.
The current sound system doesn’t take up much space and doesn’t consume much power, so it doesn’t get in the way.
.....But I wonder how it is received by the enemy soldiers.
(TN: 『ワルキューレの騎行』と言うよりも、......『悪き幽霊の奇行』?) | {
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万物は振動しているので ある意味でこれは真実です
実際、ここにいらっしゃるみなさんも振動しています
体のあらゆる部分は別々の周波数で振動しています
いわば、みなさんは和音と言えるでしょう それぞれ固有の和音です
健康とは この和音が完全に 響き合う状態といえるでしょう
この和音は耳では聞けません でも耳では なんと10オクターブも聞こえます
ちなみに眼には1オクターブしか見えません
耳は働きづめで まぶたもなく
寝ている間も動いています
原子4個分だけ鼓膜が動くと 一番小さな音が聞こえます
一番大きい音は その1兆倍も大きいのです
耳は聞くためにあるのではありません 聴くためにあるのです
聴くというのは、積極的なスキルです 聞くことは受動的ですが 聴くときには 自分から働きかけなければなりません
一方で、このスキルは誰かに習うものではありません
例えば、これまで「聴く姿勢」というのを考えたことはあるでしょうか? どのように聴くか?ということです
二つの例をみてみましょう
抽出的リスニングには聴く「目的」があります
関係の無い情報をどんどんそぎ落としていき 本当に必要なものだけを抽出する聴き方です
男性は一般的にこのような聴き方をします
「相談したいことがあるんだ」と言えば
「こうすればいいよ」「どうも」「次っ」
男性は こうじゃないですか?
一方で、発展的なリスニングは 「いっしょに」に聴くという姿勢です
終着点があるわけではなく やりとりを楽しむのです
女性の聴き方は発展的です
二人は 向き合って視線を合わせています 二人同時に話しているかもしれませんが
男性のみなさん、他のことはともかく 発展的に聴いてみてください 人間関係が変わってきますよ
聴くことの問題点は、身のまわりの多くが 騒音だということです
このような騒音はEUによれば ヨーロッパの人口の25%の人々の健康 そして生活の質に 影響を及ぼしているといいます
ヨーロッパの人口の2% 1600万人の人々が こうした騒音による 睡眠障害に苦しんでいます
騒音はヨーロッパで 年間20万人を死に至らしめてます
本当に深刻な問題です
子供であれば不快な騒音がしたら、指を耳に突っ込んで ハミングしていればよいでしょう
最近では、同じことをもうちょっとカッコよくできます
これをつかえば
ヘッドフォンの普及には 3つの深刻な問題があります
第一に、シェーファーの造語で 「音響失調症」です
この障害は、見るものと 聞こえるものの不一致から生じます
つまり、私たちは生活の中に実際には 自分の周りにない音を作り出したわけです 常に音響失調症の状態で暮らすというのは
本当に不健康なことです 二番目の問題は
音楽データの圧縮により生じるものです 音楽は圧縮されてポケットサイズになりました この圧縮には犠牲が伴います
まず圧縮されていない音楽を聞いてみましょう
次に同じ音楽ですが、98%のデータが削除されています
(98%のデータが削除された音楽) 少なくとも、みなさんのうちの何人かは この違いに気づかれたことを願います
圧縮された音楽は、人を疲れさせ
イライラさせるという代償もあります
考えてもみてください
これは、長い目でみると好ましいことではありません
三番目の問題は、難聴です 騒音性難聴
1千万人ものアメリカ人がなんらかの理由でこの障害を抱えてます 特に心配なのは 16% 約6人に1人のアメリカのティーンが ヘッドフォンを間違って使い この障害に遭っています
あるアメリカの大学の調査によると 61%もの新入生が ヘッドフォンの誤用から 聴覚に障害が生じているのです
一世代まるごと聴覚障害を抱えることになるかもしれません
本当に深刻な問題です
耳を守る3つのちょっとしたアドバイスをお伝えします ぜひお子さんにも伝えてあげてください
まず、専用の耳栓はとても効果があります 私はいつも使ってます
次に、ヘッドフォンを買うなら一番高品質のものを買いましょう 高品質のものはボリュームを上げなくてもよく聞こえます
大声で話かけられても、聞こえないようなら 音が大きすぎるということです
最後に、騒音に囲まれたら 指を耳に突っ込んで、そこから立ち去りましょう
こうやって、耳を守るのです
騒音から立ち去って、耳に優しい友達を探し求めましょう
WWB 風、水、鳥のさえずり 自然界の音は たくさんのランダムな音の組み合わせです これらの音はとても健康的です 長年こんな音とともにずっと進化して来たのです
これらの音を聞くようにしてください。そしてこれ
沈黙はすばらしい
エリザベス朝時代には、言葉を 装飾された沈黙と表現しました
沈黙から離れるときは 意識して 芸術的な音風景をデザインしましょう
前景も背景もすべて見事に均整のとれた芸術です
音でデザインをするのは楽しいことです
もし自分でできないならプロに頼むのもよいでしょう
音風景のデザインには将来性があり 音風景は世の中の音を変える力になるでしょう
駆け足で、8つの応用例を紹介します 健康に役立つ8項目です
まず超音波。理学療法としてよく知られています 今ではガン治療にも使われてます
砕石術は強力な音波で結石を粉砕します 毎年 何千人もが手術の代わりに利用します
音によるヒーリングはすばらしい方法で
何千年も前から存在します
このヒーリング法を試されるのをお勧めします
今では、自閉症、認知症などの治療にも とても効果的な方法として使われています
そして音楽。もし、その音楽が一般的に愛情こめて 善意で作曲されたものならば 聴くだけで良い効果があります
賛美曲、モーツァルトなどいずれもすばらしい
多くの種類の健康によい音楽が たくさんあります
みなさんが実際に行動して 取り組むべき4項目を述べます
まず、意識して聴いてください
私のスピーチのあとみなさんが実践されることを願ってます
人生の全く新しい世界が開け、とてもよいことです
次に音を創り出してみてください 音を創造するのです
声はみなさん全てが使う楽器です でも発声法を習ったことはありますか?習って下さい 歌や楽器も習いましょう
ミュージシャンの脳は通常より大きい。本当です
演奏は一人でもできるし、グループでもできます
音響失調症に対する防御として 一人でまたはグループでどちらのスタイルでも 演奏するのは素晴らしいことです
身の回りの音を管理しましょう
自分の耳を守る?もちろんです
家庭でも職場でも、身の回りの音の風景を
デザインしましょう もし誰かがさきほど流したような騒音で
攻撃してきたら キッパリと断りましょう 音で健康改善するために今すぐできる 7項目を示します
私は美しい音で満たされた世界を願っています ご紹介したことは そこに向けた大きな一歩です
ぜひ一歩踏み出してみてください
こういう鳥のさえずりがとてもいいんです
みなさんの聴覚の健康をお祈りします | And in a way, that's true, because everything is vibrating.
In fact, all of you as you sit here right now are vibrating.
Every part of your body is vibrating at different frequencies.
So you are, in fact, a chord -- each of you an individual chord.
One definition of health may be that that chord is in complete harmony.
Your ears can't hear that chord; they can actually hear amazing things. Your ears can hear 10 octaves.
Incidentally, we see just one octave.
Your ears are always on -- you have no ear lids.
They work even when you sleep.
The smallest sound you can perceive moves your eardrum just four atomic diameters.
The loudest sound you can hear is a trillion times more powerful than that.
Ears are made not for hearing, but for listening.
Listening is an active skill, whereas hearing is passive, listening is something that we have to work at -- it's a relationship with sound.
And yet it's a skill that none of us are taught.
For example, have you ever considered that there are listening positions, places you can listen from?
Here are two of them.
Reductive listening is listening "for."
It reduces everything down to what's relevant and it discards everything that's not relevant.
Men typically listen reductively.
So he's saying, "I've got this problem."
He's saying, "Here's your solution. Thanks very much. Next."
That's the way we talk, right guys?
Expansive listening, on the other hand, is listening "with," not listening "for."
It's got no destination in mind -- it's just enjoying the journey.
Women typically listen expansively.
If you look at these two, eye contact, facing each other, possibly both talking at the same time.
Men, if you get nothing else out of this talk, practice expansive listening, and you can transform your relationships.
The trouble with listening is that so much of what we hear is noise, surrounding us all the time.
Noise like this, according to the European Union, is reducing the health and the quality of life of 25 percent of the population of Europe.
Two percent of the population of Europe -- that's 16 million people -- are having their sleep devastated by noise like that.
Noise kills 200,000 people a year in Europe.
It's a really big problem.
Now, when you were little, if you had noise and you didn't want to hear it, you'd stick your fingers in your ears and hum.
These days, you can do a similar thing, it just looks a bit cooler.
It looks a bit like this.
The trouble with widespread headphone use is it brings three really big health issues.
The first really big health issue is a word that Murray Schafer coined: "schizophonia."
It's a dislocation between what you see and what you hear.
So, we're inviting into our lives the voices of people who are not present with us.
I think there's something deeply unhealthy about living all the time in schizophonia.
The second problem that comes with headphone abuse is compression. We squash music to fit it into our pocket and there is a cost attached to this.
Listen to this -- this is an uncompressed piece of music.
And now the same piece of music with 98 percent of the data removed.
I do hope that some of you at least can hear the difference between those two.
There is a cost of compression.
It makes you tired and irritable to have to make up all of that data.
You're having to imagine it.
It's not good for you in the long run.
The third problem with headphones is this: deafness -- noise-induced hearing disorder.
Ten million Americans already have this for one reason or another, but really worryingly, 16 percent -- roughly one in six -- of American teenagers suffer from noise-induced hearing disorder as a result of headphone abuse.
One study at an American university found that 61 percent of college freshmen had damaged hearing as a result of headphone abuse.
We may be raising an entire generation of deaf people.
Now that's a really serious problem.
I'll give you three quick tips to protect your ears and pass these on to your children, please.
Professional hearing protectors are great; I use some all the time.
If you're going to use headphones, buy the best ones you can afford because quality means you don't have to have it so loud.
If you can't hear somebody talking to you in a loud voice, it's too loud.
And thirdly, if you're in bad sound, it's fine to put your fingers in your ears or just move away from it.
Protect your ears in that way.
Let's move away from bad sound and look at some friends that I urge you to seek out.
WWB: Wind, water, birds -- stochastic natural sounds composed of lots of individual random events, all of it very healthy, all of it sound that we evolved to over the years.
Seek those sounds out; they're good for you and so it this.
Silence is beautiful.
The Elizabethans described language as decorated silence.
I urge you to move away from silence with intention and to design soundscapes just like works of art.
Have a foreground, a background, all in beautiful proportion.
It's fun to get into designing with sound.
If you can't do it yourself, get a professional to do it for you.
Sound design is the future, and I think it's the way we're going to change the way the world sounds.
I'm going to just run quickly through eight modalities, eight ways sound can improve health.
First, ultrasound: we're very familiar with it from physical therapy; it's also now being used to treat cancer.
Lithotripsy -- saving thousands of people a year from the scalpel by pulverizing stones with high-intensity sound.
Sound healing is a wonderful modality.
It's been around for thousands of years.
I do urge you to explore this.
There are great things being done there, treating now autism, dementia and other conditions.
And music, of course. Just listening to music is good for you, if it's music that's made with good intention, made with love, generally.
Devotional music, good -- Mozart, good.
There are all sorts of types of music that are very healthy.
And four modalities where you need to take some action and get involved.
First of all, listen consciously.
I hope that that after this talk you'll be doing that.
It's a whole new dimension to your life and it's wonderful to have that dimension.
Secondly, get in touch with making some sound -- create sound.
The voice is the instrument we all play, and yet how many of us are trained in using our voice? Get trained; learn to sing, learn to play an instrument.
Musicians have bigger brains -- it's true.
You can do this in groups as well.
It's a fantastic antidote to schizophonia; to make music and sound in a group of people, whichever style you enjoy particularly.
And let's take a stewarding role for the sound around us.
Protect your ears? Yes, absolutely.
Design soundscapes to be beautiful around you at home and at work.
And let's start to speak up with the noise that I played you early on.
So I'm going to leave you with seven things you can do right now to improve your health with sound.
My vision is of a world that sounds beautiful and if we all start doing these things, we will take a very big step in that direction.
So I urge you to take that path.
I'm leaving you with a little more birdsong, which is very good for you.
I wish you sound health. | {
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......まぁ、まずそこからよね。
私はコホンッと小さく咳ばらいをして、色々と省きながら真実を話す。
「最初は到底会えるような状況じゃなかったのですが、私が役に立てる人材だと思っていただけたのでしょう。国王陛下に気に入ってもらい王宮に招かれました」
とも言葉が出ないのか、目を丸くして固まっている。
私をじっと見つめるその目は「何言ってるんだこいつ」と言っているように思えた。
確かに国外追放されて罪人としてラヴァール国に行ったのに、どういう経緯で王様に気に入られるんだって不思議だろう。
それとも誰かが口を開くのを待った方が良い?
私が迷っていると、カーティス様がゆっくりと言葉を発した。
「............そうだった。この子、普通じゃないんだった」
「妹が変なことは知っていたが、他国でもそうだったのか」
「流石だね」
アルバートお兄様とフィン様がそう言った後に、ヘンリお兄様はフゥっと小さく息を吐いた。
俺はこれぐらいのことじゃ驚かない、という雰囲気を醸し出している。
......確かに、この中一緒にいたのはヘンリお兄様だ。私のことをそれなりに把握しているはず。
「あの、......まだこの話、序盤の序ですらないのだけど」
「国王に気に入られるのが物語のはじまりの一文目!?」
「まぁ、それぐらいになりますね」
私はカーティス様の大きな声に冷静に答えた。
ここで会話してる方々は色んなハプニングがあってもいつも比較的冷静なのに、目を見開いて露骨に驚いている表情をしている。
なんて面白いのかしら!
いつも何考えているのか分からない人たちの感情を露わにさせてしまうなんて、私ってば成長したわね。
ヘンリお兄様が無表情のまま死んだ目をしている。
「ダメです。人間でいてください」
「アリの話にいちいち驚いていたら、表情筋が筋肉痛になるんだよ」
「筋トレになっていいじゃないですか」
「でたよ、アリの筋トレ好き。......てか、表情筋鍛えても別に良いことないだろ」
「マッチョな男はモテますよ」
「マッチョにするとこ間違っているだろ」
で仲良く漫才するのやめて」
私とヘンリお兄様の会話にカーティス様が割り込んでくる。
「......てか、ジルは?」
フィン様がジルの話を持ち出してくるのは意外だ。
意図が分からずに私は少し首を傾げながら答えた。
「疲れていて、まだ寝ていると思います」
「一緒にアリシアの話を聞かなくてもいいのかな。後で聞くと不機嫌になっちゃうかもよ、彼」
大人だわ......。
フィン様は乙女ゲームではショタ枠なのに、侮れない。......というか、彼は計算高いのよね。狡猾に生きている。
ジルも大人びているけど、やっぱり感情は子どもだ。きっと、まだこんな気遣いは出来ない。
まぁ、こう見えてフィン様も二十歳だもの。ジルも二十歳になればフィン様みたいになっているのかもしれない。
「呼んでこようか? 物語は始まったばかりだし」
「......カーティス様が?」
さっきから驚くことばかりだ。
皆、いつからそんなにジルと仲良くなったのだろう。
はみ出し者―貴族じゃないって意味では一番カーティス様がジルの気持ちを理解しているのかもしれない。 | ...Well, that’s a good place to start.
I coughed a little and told the truth, leaving out a lot of details.
“At first, I wasn’t in a position to meet them, but I guess they thought I was someone who could be useful. His Majesty the King liked me and invited me to the Royal Palace.”
All three of them were speechless, or maybe they just widened their eyes and froze.
The way they stared at me, I thought they were saying, “What is she talking about?”.
I was sure they were wondering how I could be favored by the King when I was exiled and went to the Ravaal Kingdom as a sinner.
Or should I wait for someone else to speak up?
As I was wondering, Curtis-sama slowly opened the conversation.
“...That’s right. This girl is not normal.”
“I knew my sister was strange, but was it the same even in other countries?”
“That’s a classic.”
Big Brother Henry let out a small gasp after Big Brother Albert and Finn-sama both commented on this.
Creating the vibe that they wouldn’t be surprised by this much.
...Certainly, Big Brother Henry was the one who was with me the most in all of this. He should know me reasonably well.
“Um...we’re not even at the beginning of this story yet.”
“The beginning of the story is the very first sentence of the story, to be liked by the King!”
“Well, I guess, I could start there.”
I replied calmly to Curtis-sama’s loud voice.
The people who were conversing here were always relatively calm in the face of various happenings, but their eyes were wide open, and they had expressions of blatant surprise.
How funny!
I have grown so much that I could easily show emotions that I wanted to let people see without letting them know what I’m thinking.
Big Brother Henry looked at me dead eyed at my following expression.
“No, wait. Please keep being human.”
“If I’m surprised by every single thing Ali says, my facial muscles will get sore.”
“It’s good for muscle training, isn’t it?”
“There it is, Ali’s love of muscle training. I’m sure Ali likes muscle training...I mean, is there anything good about exercising your facial muscles?”
“Macho men are very popular.”
“I think you’ve got the wrong image for Macho.”
“You two need to stop being such good banter.”
Curtis-sama interrupts the conversation between me and Big Brother Henry.
“...And what about Gilles?”
It was surprising that Finn-sama would bring up Gilles.
Unsure of his intentions, I tilted my head slightly as I answered.
“He’s tired, I think he’s still sleeping.”
“I wonder if he won’t complain about not hearing about Alicia’s story with us. He might get cranky if he hears about it later.”
So grown up...
Finn-sama was a shorty in the Otome Game, but he’s not to be underestimated. ...I mean, he’s very calculating. He lived a cunning life.
Gilles was also mature on the outside, but still a child emotionally. I bet he could never be this attentive yet.
Gilles might become someone like Finn-sama when he turns .
“Shall I go get him? The story has just started.”
“...Curtis-sama?”
I’d been surprised by all of this for a while now.
When did everyone become so friendly with Gilles?
I guess Curtis-sama understands Gilles’ feelings the best, in the sense that he was an outcast and not one of the Five Noblemen. | {
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「お帰りなさいませ」
バルハムントの屋敷に着くと、ピカールとメリッサ達メイドが出迎えてくれた。
疲れはそれほどないので、さっそく打ち合わせに入ることにする。
「ピカール、マーカスとFを呼んでくれ」
ルーノスとナルスに執務室に入り、ミレアさんとレイナが運んでくれたお茶を飲んでいるとピカールがやって来た。
レイナが僕とルーノスをチラチラ見ている気がするのはきのせいかな?
「将軍と騎士団長殿がお越しです」
「通してくれ」
マーカスとFが部屋に入ってきた。
相変らずマーカス艦長、じゃなかった将軍は何も言わずに勝手にソファに座る。
Fにも座るように言って、ピカールも交えて会議を始めた。
「で、いかがでしたかな?」
「目的はおおよそ達成したと言っていいだろう」
DDT
僕は細かい部分はナルスに説明するように言った。
「――というように王室と連携し、保守派諸侯に対していくためのこちらの要求はほぼ認められました。従って後はそれを出来るだけ早く実行していくことが重要です」
「屯田と灌漑工事の進捗状況はどうなっとる?」
「どちらも順調です。土魔法の活用により効率が飛躍的に向上したおかげで年内にも全ての工事が終了する見込みでございます」
マーカスの質問にピカールが答える。
「という事は、街道の工事も年明けから進めることが出来るかの」
「そうですね、あと屯田の工事に当たらせている屯田兵たちの編成と訓練も進めたいところです」
マーカスとナルスの言葉を受けて、僕は温めていたアイデアを話すことにした。
「そこで提案なんだが、今の軍制を根本から変えてみたい」
「軍制を根本から変える、とはどう意味ですかな?」
マーカスと共に全員が僕の顔を見る。
僕が書いた「勇者転生」の小説の中では、フランツ王国をはじめとする「ユロア諸国」と呼ばれる国々の軍隊は、全て基本的に騎兵と歩兵、弓兵の混成部隊で出来ている。
このカルロの軍もその例にもれず、Fとルーノスが所属する近衛騎士団の騎士たちは戦争に置いては全員が騎馬の将校となる。
その将校が農民や市民を徴兵して編成される歩兵や弓兵を率いて戦う、と言うのが基本的なスタイルだ。
もちろんこれは中世ヨーロッパの軍のイメージで描いたものだ。
だがこうやって自分が領主であり軍を率いる立場のカルロとして転生してみると、モンゴル兵をモデルにした騎馬の民であるバルバロイと戦う立場としては問題が多い。
モンゴル帝国の侵略にヨーロッパ中が震撼させられた歴史を見ても、今の軍でバルバロイと戦えば相当苦戦するのは間違いないだろう。
作者として文章を書いているだけなら全然よかったこの問題も、実際に軍を率いて戦わないといけないとなると全く意味が違ってくる。
それにアルマンディー公たち保守派貴族との争いも避けられない今、どうせなら出来るだけ短時間に効率よく勝てる算段をしておきたい。
単なる自分が書いている物語としてではなく本当の戦いとなれば犠牲は少ないに越したことはないし、何より僕自身死にたくないし。
という事で考えたのが今回の軍の改革だ。
「今までのように騎兵の将校が歩兵や弓兵を率いたのでは騎兵の最大の武器であるスピードを生かせない。そこで騎士団をそのまま騎兵隊として編成し、歩兵や弓兵は別の将校が指揮を取る形にしたい」
僕の話に続いてナルスが説明をする。
今回の改革についてはナルスとずっと話し合った結果だから。
「弓兵や歩兵は今回作った屯田兵の中から将校を選んで指揮させます。歩兵と弓兵も今までは一つの部隊の中に混ぜて配置していましたが、それぞれ独立した編成にします」
「ふむ、面白い案だとは思いますが、騎士団の騎士たちの反発が予想されますな。なにせ自分たちが軍を率いることにプライドを持っていますからの」
ナルスの説明にマーカスが口をはさむ。
長年近衛騎士団の団長をやってきたマーカスが言うのだ、間違いないだろう。
でもその点は僕も考えている。
「いかに騎兵隊が有力で、なおかつ戦場において決定的な存在になりえるのかを騎士たちに知らしめる必要があるだろうな。そこで、だ。ナルス、説明を頼む」
「はい。従来型の編成と、今回行う改革をした形の編成とで演習を行おうと思います。近衛騎士団と屯田兵たちに分け、それぞれをF殿とルーノス殿に率いて頂いて競い合う形にします」
「なるほど、それで圧倒的な差を付ける事になれば騎士たちも納得せざるを得ませんね」
ルーノスの言葉にFもうなずいた。
「そういう事だ。さあ、どっちがどっちを率いる?」
面白くなってきたぞ。
僕がニヤニヤして聞くと、生真面目なFが答えた。
「わたしはどちらでも結構です。どちらにせよ命じて頂ければ最善を尽くします」
それに対してルーノスは面白そうに答える。
「わたしの方が団長より長い付き合いがありますから、改革に反対しそうな頭の固い連中が分かります。そういう連中を率いてわたしが従来型の編成を受け持ちましょう。確認ですが、こちらも本気で行っていいんですよね?」
「当然だ。力を抜いてもらって勝ったところで納得させられるはずもない。本気で来た者を叩き潰してこそ改革の意味を皆に納得させることが出来るだろ」
僕の説明に、マーカスの爺さんも面白そうな顔で乗っかってきた。
「という事は、カルロさまはFと共に新制の部隊側を率いられるのですな。ではワシはルーノスと共に現行の部隊側に回らせて頂きましょうかの」
この爺さん、また完全に遊びモードに入ってるな。
この改革を失敗させたらマズイって分かってるのか?
絶対本気でやる気だろ、この艦長もどきが!
まあ負けないけどね。
「で、その演習はいつ頃行いますかな?」
「そうですね、年末の催しの目玉にしてはいかがでしょうか?」
Fの提案で、演習は年末に行われることが決まった。
「そうと決まればさっそく作戦会議じゃ。後は場所が決まったら教えて下され。ルーノス、行くぞい」
「ちょっと待て、まだ改革案の詳細が――」
「そこらはまた後程。詳しく聞いてしまうと手の内を見せられているようで面白くありませんからの」
やっぱりこの爺さん完全に面白がってるじゃないか。
まあいい、こっちだって負けるわけにはいかない。
マーカスはルーノスを引き連れて出て行ってしまった。
「やれやれ、あの爺さんには困ったものだな」
僕が呆れて言うと、Fは真顔で返してくる。
「しかしいかに現行の部隊を率いると言っても将軍は侮れません。ルーノス卿も優秀ですし」
「それについてもう二つ提案があります」
ナルスがニヤッと笑って話し出した。
「一つは騎士団の一部を高速機動索敵・偵察部隊として運用します。F殿にはその為により速く動くことの出来る騎士を選んでおいて頂きたい」
「より早くという事は、馬が速く騎手が小柄で腕が良い者であればいいですね。何人必要ですか?」
「そうですね、全体の2割をそれに当てたいと思います」
「2割とはずいぶん多いと思うのですが」
Fの疑問は当然だ。
それだけ実戦部隊の数が減ることになるのだから。
しかし「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」と言うし、情報は極めて重要だ。
「かまわん。F、よろしく頼む」
僕の言葉にFは素直にうなずいてくれた。
「もう一つは歩兵です。歩兵全員に5メートルの長さの槍を持たせます」
「5メートル?! そのような長さの槍を持てば自由に戦うことが出来ないと思いますが」
Fはその長さを聞いて仰天しているが、この長槍歩兵はヨーロッパで実際に使われた戦術だ。
騎兵に対して特に有効で、銃剣が出現するまで使われた戦法だという知識が僕にあった。
それを元にルーノスと考えた。
密集することでバルバロイの騎兵に対抗することが主目的だが、もちろん対歩兵部隊にも有効だ。
「まあその辺は俺とナルスに任せておけ。Fはルーノスと騎士団の分け方が決まり次第、索敵部隊の選出を頼む」
「了解いたしました」
「ピカールは灌漑工事が終わったらそのまま街道の舗装に掛かれるように手配してくれ」
ああ今日もピカールの輝きは絶好調だな。
こうして軍制改革の会議は終了した。 | “Welcome home”
When I arrived at the mansion in Braham Pikaru and the head maid Melissa greeted me.
Since I’m not that tired I decided to immediately do the arrangements.
“Pikaru, call F and Marcus.”
As I entered my office together with Lunos and Nals, Pikaru came over together with Mirea-san and Reina who brought tea.
I wonder why Reina is looking so frequently at Lunos and I.
“The General and the Imperial Guard Order’s Head came”
“Let them through”
Marcus and F stepped into the room.
As usual, General Marcus, without saying anything, sat down on the sofa without waiting for my permission.
I told F to also sit down and began the meeting together with Pikaru.
“So, how was it?”
“It can be said that our objectives got achieved for the greatest part.”
Except for Operation DDT.
I told Nals to explain the finer details.
“- – In that way, we gained the cooperation of the Royal Family and accepted the task of going against the conservative nobles. Therefore, it’s important to carry this out as soon as possible.”
How’s the progress of the colonial soldier settlements and the irrigation construction?”
“Both are progressing favourably. Thanks to the drastic improvement in efficiency through the implementation of earth magic all constructions are expected to be done within this year.”
Pikaru answered Marcus’ question.
“With that said, is it possible to finish the construction work on the highway by the beginning of the next year as well?”
“Well, I’d like to advance the training of the farmer-soldiers who are now constructing the colonial soldier-settlement later on.”
In response to Marcus’ and Nals’ words, I decided to voice out the idea I kept to myself for a while.
“Therefore I have a suggestion but it requires to fundamentally change the present military.”
“What do you mean by fundamentally changing the military?”
Everyone including Marcus looked at me.
In the novel “Yuusha Tensei” which I wrote, the troops of the countries called the “Yuroa countries”, Franz Kingdom included, are basically all made up of infantry, cavalry and archer units.
Carlo’s military can be taken as an example as the knights of the Imperial Guard order Lunos and F are part of only consists out of cavalry in times of war.
It’s basic style to recruit farmers or citizens as archers or foot soldiers.
Of course, I used the military of the European Middle Ages as a model.
However, as a result of this, as I reincarnated as the feudal lord who is in a leading position for the army, Carlo, many problems would arise if we would fight the Barbarians who are a horse-riding tribe modelled after the Mongolian soldiers like this.
If one takes a look at the history books one would see that Europe was shaken by the Mongolian invasion, there’s no doubt it will be fairly difficult to fight the Barbarians with the present military.
If you just write a sentence as an author it’s all good even if there’s such a problem but if you really have to lead an army like this that’s a completely different matter.
As a fight with Duke Armandi and the other conservative nobles is inevitable now I want to manage to efficiently win in the shortest amount of time.
If it isn’t a story I simply wrote but a real battle there should be as little sacrifices as possible and more than anything else I don’t want to die either.
That’s why I thought about this military reform.
“If we let the cavalry officers lead the archers and infantry as before we can’t make use of the speed which is the cavalry’s greatest weapon. Therefore we make the Imperial Guard Order the Cavalry unit and let another officer lead the archer and infantry unit.”
Nals explains my concept.
It’s a result of having talked with Nals about this reform all the time.
“We’ll let the infantry and archers choose an officer among the farmer-soldiers we established this time. Even the archers and infantry were mixed together in one unit so far even though they have independent formations.”
“Fumu, though I think it’s an interesting plan but it’s to be expected that the Imperial Guard Order’s Knights will oppose to this. As they have pride in leading the army.”
Marcus interrupts Nals’ explanation.
Because Marcus who led the Imperial Guard Order for many years said this it can’t be wrong.
But I considered that as well.
“It’s necessary to inform the Knights how powerful the cavalry unit is and how it can be decisive to a battle’s outcome. That’s it. Nals, explain it please.”
“Yes. We are planning to execute an exercise with the original formation and the reformed formation this time. We divide the Imperial Guard’s knights and the farmer-soldiers into two groups and let them compete while being led by F and Lunos.”
“I see, so the knights can’t help but be convinced if the difference is overwhelming.”
F also nodded to Lunos’ words.
“It’s like that. So, who leads which side?”
This became interesting.
I grinned as F gave me an earnest answer.
“I’m fine with either side. I’ll do my best all the same if you order me.”
Lunos answered interestingly.
“As I’ve been here longer I’m more acquainted with everyone than the head so I know the obstinate people who would seem like they would object to the reform. I shall take charge of the original formation with these people. Just for confirmation’s sake, we may get serious as well, right?”
“Naturally. They won’t be persuaded if they won while you were going easy on them. If you defeat them even though they were attacking seriously then everyone will get persuaded that the reform has a meaning.”
Old man Marcus looked at me with an interested face as he listened to my explanation.
“That means that Carlo-sama will go with the new unit led by F. Then shall I join the original unit led my Lunos?”
This old man, he completely entered play mode again.
Do you know that it’ll be bad if you let this reform fail?
He’s absolutely, earnestly motivated, that captain imitation!
Well, I won’t lose.
“So, when will we execute the exercise?”
“Let’s see, how about making it the main event of the end-of-year festivities?”
As F suggested we decided to hold the exercise at the end of the year.
“Now that that’s decided, let’s start the strategy meeting. Please tell me if you decided on a place to hold it later. Lunos, let’s go”
“Wait a minute, there are still some details of the reform plan that–”
“We’ll see it later. It’s like I’m being shown your cards, so it’s no fun at all.”
As I thought, that old man is completely enjoying this.
Well, fine, I cannot lose.
Marcus took Lunos and left.
“Goodness gracious, that old man is hopeless.”
As I was astonished F looked back at me with a straight face.
“However, no matter how much he said he’s going to lead the original unit the general cannot be underestimated. Sir Lunos is also excellent.”
“About that, I already have two suggestions.”
Nals grinned as I began to talk.
“The first being we use a part of the Order’s knights as a high-speed search and reconnaissance unit. For that purpose I want F to choose the knights who can move the fastest.”
“If it has to be someone fast it would be good if the horse is quick and the rider is small and skilful. How many people are necessary?”
“Let’s see, I’d like to assign 0% of the whole unit.”
“Though I think 20% is quite a lot.”
It’s natural for F to think that way.
That’s because it will only decrease the operational unit’s number.
However, the saying goes “Know thy enemy and know thyself and you will win a hundred battles”
“I don’t care. F, can I leave this to you?”
F obediently nodded to my words.
“And the other one concerns the infantry. Give all the foot soldiers a 5 meter-long spear.”
“5 meters?! I think that they can’t fight freely if they have a spear of such length, though.”
F was astonished as he heard about the length but the tactic to use long spear infantry was actually used in Europe.
I know it was a tactic particularly effective against cavalry and was used until the bayonet appeared.
I took Lunos into consideration while making the foundation.
Its main purpose was to oppose the Barbarian’s cavalry by crowding them, but they are, of course, effective against infantry as well
“Well, just leave that to me and Nals. F, as soon as Lunos decided on how to divide the order you’ll start the election for the reconnaissance unit.”
“Understood”
“Pikaru, after the irrigation construction is over arrange for the pavement of the highway.”
Aah, today as well Pikaru’s brightness is at its highest.
Like this, the military reform meeting ended. | {
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しかしながら その規模と重要性において 実は大変大きな問題なのです
皆さんはよく旅をされるでしょう 何と言ってもここはTEDグローバルですから
しかし皆さんが今まで 訪れたことがない場所へお連れしましょう
では まず中国から
この写真は2週間前のものです
私の夫の肩に乗っている男の子は 実はつい先日高校を卒業しました
これは天安門広場です
皆さんは行かれたことがあるでしょう これは本当の中国ではありません
本物の中国にお連れしましょう
ここは大別山です 華中 湖北省の僻地にあります
ダイ マンジュは13歳でした
両親 二人の兄弟 大叔母と 共に暮らしていました
電気も水も来ていない 小屋で暮らしていました 腕時計も自転車もありません
このすばらしい家の中には 1匹の大きな豚もいました
ダイ マンジュが6年生の時に両親が言いました 「お前に学校を辞めてもらうよ」 「13ドルの授業料は私たちには払えない」
「どうせこれからの生涯を田んぼで暮らすのだから」
「教育がなんのためになるって言うんだ」
これが僻地に暮らす少女たちにしばしば起こることです
ダイ マンジュは彼女の学年の中で 最も優秀な生徒でした
その後も彼女は2時間かけて学校へ行き 教室の外で聞き耳を立てて 勉強を続けました
私たちが彼女のことをニューヨークタイムズに紹介すると
溢れるような寄付を得ることができました ほとんどは13ドルの小切手です ニューヨークタイムズの読者はとても寛大なのです わずかな寄付をする分には しかし それから1万ドルの 寄付が送られてきました すばらしい人ですね
私たちはそのお金を学校の校長 彼に渡しました
彼はとても喜びました
そしてこう考えました 「学校を新築し」
「すべての少女たちに奨学金を与えよう」 熱心に勉強し 学校で学ぶのならばです
そこでダイ マンジュはまず 中学を卒業しました
それから高校へ進み
経理専門学校に行きました
華南の広東省で職を探し
見つけることができ 同級生や友達にも 職を探してあげました
家族に仕送りをし
新しい家も建ててあげました 今回は水道が通っていて 電気も来ていますし自転車もあります でも豚はいませんよ
これは意図された投資ではありません
女子教育のための外部投資は ほとんどありません
その後何年間もダイ マンジュを見てきて言えることは 彼女が負のスパイラルを脱して 正のスパイラルに入ったということです
自分自身の人生を変えただけではありません 家庭の状況を 家族を 村を変えました
村は大いに注目されました
もちろん当時は中国全体が発展の途上にあったので 自分たちの村と中国各地を結ぶ
道路を建設することができました これは「ハーフ ザ スカイ」の2つの主張のうちの
最初の1つです つまり モラルについて 今世紀に中心となっている問題は 性差による不公平なのです
19世紀は奴隷制
20世紀は全体主義でした
私たちの時代に起因するものは 世界中で多くの人々が 性差のために直面する残虐性なのです
皆さんの中には こう考えている方があるでしょう 「いや それは誇張しすぎだ」
「大げさに言っているだけだ」と
皆さんにお尋ねします
世界には 男性と女性のどちらが多いと思いますか
男性の方が多いと思う方はどのくらいいますか
手を挙げてみてください
数名ですね では女性の方が多いと思う方はどのくらいでしょうか
わかりました 大多数ですね
後の方々 皆さんは間違いです
もちろん正しいですよ 西欧諸国では つまり男性と女性が 食料と健康を等しく享受することができる場合は 女性の方が多いです 女性が長生きしますから
しかしそれ以外の地域では違うのです
実際 人口統計学者が示したのは 6千万人から1億人の女性が 現在の人口から 消えているということなのです
それにはいくつかの理由が考えられます
例えばこの半世紀で 20世紀に戦場で殺された人々よりも より多くの少女たちが性差別によって 殺されています
超音波診断も原因の1つです
養育の環境が不十分な場合 女の子は 中絶されてしまうことがあるからです
例えばこの女の子は エチオピアの給食センターにいます
センターは彼女のような少女でいっぱいです
驚くべきことは 同じ家庭にいる兄弟は皆 全く元気なのです
インドでは誕生から 1歳までの間は 男の子と女の子の生存率は同じです なぜなら その間は母乳を飲んでいて 母乳の出る量は男の子も女の子も関係ないからです
1歳から5歳までになると 女の子の方が男の子よりも50%も多く 死亡しています
「ハーフ ザ スカイ」の第2の主張はこうです 道徳的な善悪の判断をいったん脇に置き 純粋に実践的なレベルで このように考えます 貧困やテロと戦う最良の方法の1つは 少女たちを教育し 女性たちを正規の労働力と見なすことだと
例えば貧困に関して言えば
女子教育がどうして良いことなのか3つの理由があります
第1に過剰人口は 常に貧困の原因となります
男の子を教育すれば 彼はより少なく子供を持つことになりますが わずかに少なくという程度です
女の子を教育すれば かなり少なく子供を持つようになります
第2の理由は 消費に関することです
これは貧困の隠された 秘密のようなものです 貧しい人々は 収入がとても少ないだけでなく その収入を あまり賢くは使っていないということです しかも残念ながら 消費の大部分は男性が行います
調査が示しているように 1日2ドル以下で生活している人々 貧困であると考えられる人々ですが 彼らは生活費の2%を このカゴに入れます 教育費です
20%はこちらのカゴに入れます これはアルコールとタバコとジュースと 買春と祭りに使われる浪費のカゴです
そのカゴから4%を取り出し こちらの教育費のカゴの方に入れたら 生活を変える結果を生むことができるのです
最後の理由は 女性たちは解決策になり得るということです 問題なのではなく
限られた人的資源を活用するべきです
ダイ マンジュのような人材を活用しないのはもったいないです
ビル ゲイツはこれをうまく言い表しました サウジアラビアを訪問していた際に
皆さんのような聴衆に話をしていました
しかし会場の3分の2のところに仕切りがあり
こちら側に男性がいて 仕切りがあり こちら側に女性がいました
会場の中で1人の男性が立ち上がり質問しました 「ゲイツさん 私たちはサウジアラビアが」 「テクノロジーの分野で」 「世界のトップテンに入りたいのです」
「私たちはなれるでしょうか」
そこでビル ゲイツは聴衆を見回して答えました 「国の人的資源の半分を十分に活用しないならば」 「トップテンの仲間入りをすることは決してできないでしょう」
これがアラビアのビルゲイツです
それでは特に問題なのは どのようなことでしょうか
第1の問題は 売春目的の人身売買です
これについては2点だけお話しします
奴隷売買のピーク時 1780年代には 約8万人の奴隷が アフリカから新大陸へ連れてこられました
現代の奴隷はどうでしょうか 国務省の統計によると概算で 約80万人と言われ 10倍の数です その数は国境を越えて売買されている数ですから
その中には国内で売買されている 奴隷の数は含まれません それもかなりの数になると思います
さらに もう1つの側面 過去の奴隷との違いを見るならば 当時の奴隷の価値は 約4万ドルでした 現在の価格価値で言えばです
今日人身売買で売られる 少女の値段は数百ドルです つまり過去の奴隷よりも使い捨てられやすいのです しかし カンボジアやタイのような国々では
進展が見られるようになってきました 私たちは世界で少女たちが 売買され 殺されるのをただ見ていることはできません
第2の問題は 出産による死亡率です
私たちの世界では子供の誕生は 素晴らしい出来事です
しかしニジェールでは7人中1人は 出産の際に命を落とします
世界中では 出産によって1分30秒に1人の女性が死んでいます
それを解決するための 技術がないということではないのです これらの女性たちは3つの弱点を持っているのです つまり彼女たちは貧しく田舎に住み 女性であるということです
出産により死亡する1人に対して 20人は生き残っても 産後の外傷に苦しみます
最も悲惨な外傷は 産科フィスチュラと呼ばれるもので
難産の際に空いてしまう穴で 糞尿が流れ出してしまうのです
マハブバのケースをお話ししましょう
彼女はエチオピアに住み
13歳の時に自分の意志に反して結婚しました
妊娠し 出産するために森の中に入って行きました 彼女の身体はまだ未成熟であったために 出産は難産になり
赤ん坊は亡くなり 彼女はフィスチュラになりました
自分の尿や糞を 垂れ流す状態でした
つまり悪臭を放っていたのです
村人たちは彼女が呪われていると考え 手立てもなく
とうとう村はずれの小屋に彼女を置き去りにしました
村人はその小屋の戸を引き剥がし ハイエナが夜に来て 彼女を襲うようにしたのです
その夜 小屋にあった1本の棒切れで
ハイエナの群れと戦いました 棒切れだけで
翌朝 外国の宣教師がいる近くの村まで行けば助かると 彼女は思いました
脊髄神経を損傷していたので 50キロの道のりを這って 瀕死の状態で宣教師の家にたどり着きました
宣教師がドアを開けて彼女を見た時 すぐに何が起こったのかを察知し アディスアババの産科病院へ彼女を連れて行きました そこで彼女は回復しました 手術費用は350ドルでした
医師や看護師たちは 彼女が生き残ったのは その賢明さであると考え 彼女を看護師にしました
今マハブバは 何百何千もの女性の命を 救っているのです
彼女は問題ではなく 解決策となったのです
彼女は負のスパイラルから抜けて 正のスパイラルに入ったのです
いくつかの問題についてお話ししてきたので 解決策についてお話ししたいと思います 予測可能な解決策がありますね
今までの中にヒントがありました 教育と経済的機会です
女の子を教育すると その子は晩婚になる傾向があります そして子供を遅く生み 子供の数も少なくなります そしてその子供たちを よりよい環境で育てます
経済的機会もまた 変化をもたらします
サイマのことをお話ししましょう
彼女はパキスタンのラホールの郊外の小さな村に住んでいます
当時は彼女は惨めな状態でした
彼女は失業中の夫に 毎日叩かれていました
夫は賭け事が好きで そのために職にもあぶれて そのイライラをすべて彼女に吐き出していました
彼女が次女を出産した時に 義理の母親が息子にこう言うのを聞きました 「もう一人妻をもらった方がいいよ」
「サイマは男の子が生めないんだよ」と
次女が生まれた時のことです
ちょうどその時 村の少額融資の団体が 彼女に65ドルの融資をしました
サイマはそのお金で 刺繍の商売を始めました
彼女の刺繍はよく売れて 業者からの注文が増えました
自分だけでは生産が追いつかなくなり 村の他の女性たちを雇うことにしました
あっという間に村の30人の女性たちが 彼女の刺繍ビジネスで働くようになりました
そして その商品を村から市場へ 運ぶために 輸送をする人を雇う必要が出てきた時 彼女は夫を雇ったのです
そこで今は二人で
夫は輸送と販売を 彼女は生産と管理をしているのです
3人目の女の子も生まれました 3人の娘たちは全員教育を受けています サイマは何が最も重要かを知っているからです
これが最後の要素です 教育です
ラリー サマーズは世界銀行の主任エコノミストであった時に このように言及しました 「おそらく発展途上国への投資における」 「ハイリターンの最たるものは」 「女子教育である」と
ビアトリス ビーラについてお話しましょう
ビアトリスはウガンダに住んでいました コンゴとの国境付近です ダイ マンジュと同様 彼女も学校に行っていませんでした
彼女の場合は一度も行ったことがなかったのです ほんの少しも 1日もです
彼女の両親はダイ マンジュの場合と同様にこう言いました 「お金をかけてこの子を教育して何になるだろう」
「生涯のほとんどを水汲みで過ごすこの子に」
ちょうどその頃 コネチカット州の団体で ニアンティックコミュニティ教会のグループが
ある団体に寄付をしました その団体は アーカンソー州に拠点を持つ へファーインターナショナルという組織です
へファーはアフリカに2頭の山羊を送りました
そのうちの1頭がビアトリスの両親のもとに送られました 山羊は双子を生み
双子の山羊が乳を出すようになり
両親はその乳を売り お金に換えて
その現金がだんだん増えてきました まもなく両親はこう言いました 「お金に余裕ができた ビアトリスを学校に行かせよう」
そこで9歳にして初めて ビアトリスは一年生のクラスに入りました 学校に行ったことがなかったので 6歳の子供たちと一緒です
とにかく彼女は大喜びでした
あっという間にクラスで一番になりました
そのままずっとトップで 小学校 中学校を出て そして高校でも 全国統一試験でも素晴らしい成績を修めました そしてついに彼女の村で初めての留学生となりました アメリカ留学のための 奨学金を得たのです
2年前に 彼女はコネチカット大学を卒業しました
卒業式でこう言いました 「私はこの世で最も幸運な女の子です」 「山羊のおかげで」
あの山羊は120ドルでした
ほんの少しの援助がどれほどの変化をもたらすか おわかりいただけますか
しかし もちろん現実問題として
アメリカの援助の例を見ても それは簡単なことではありません その援助のあり方を批判する本がたくさん出ています
ビル イースタリーの本があります
「死んだ援助」という本もあります
批判は間違ってはいません 簡単ではないのですから
井戸を掘るプロジェクトの半分は 1年後には失敗に終わっています
ジンバブエにいた時 中学校を建てるために 寄付を集めたいと思っている村長と村をまわりました 建設中のある施設のそばに来た時 「あれは何ですか」と尋ねると
彼は口ごもりました
それは失敗した灌漑施設でした
また数メートル先には 失敗した鶏小屋がありました
ある年すべての鶏が死んでしまい 誰もその小屋を使っていないのです
援助は難しいですが 赤ん坊を湯浴みのお湯ごと捨てたりはしません 改善することができるのです
失敗から学び 改善し続けるのです
一人一人の努力で 変化を生みだすことができるし そうすべきです なぜなら一人一人が集まって ひとつの行動を作り出すことができるからです
男性も女性も共に行動することが 社会に変化を起こすために必要なことなのです この大きなモラルの問題を解決するために 必要な変化です
ではお尋ねします 皆さんにとってどんな益があるでしょう
たぶん このようにお思いでしょう なぜ関心をもつべきなのか?
2つのことをお伝えします
第1は調査が示すことです 私たちは 生活の必要が十分に満たされると 私たちの多くは またここにお集まりの全員はそうですね そのような生活のレベルになると 人生の中で幸福感を増すために できることは実はあまりないのです
その1つは 自分自身のこと以上の何かに貢献することです
第2は 皆さんにお伝えしたいある話です
ダルフールで救援活動をしている
ある人物の話です ダルフールで働いてきた この女性は 人間が見てはならないような出来事を見てきました
ダルフールに滞在中 彼女は強く ゆるがず
落ち込むこともありませんでした
そしてアメリカに戻りました クリスマス休暇でした
彼女は祖母の家の裏庭で 泣き崩れるほどの光景を見ました
それは 鳥に餌を与える人でした
彼女は気がついたのでした 自分がいかに幸運であるかということを 安全が当たり前で 衣食住が満たされた国である ばかりではなく 冬に野鳥たちがお腹が空かないように 餌を与える国に生まれたということを
そしてその素晴らしい幸運には 大きな責任が伴うと思ったのです
だから彼女のように 皆さんも 私も 私たちは皆 人生の宝くじに当たったのです
そして問いかけられるのです くじに当たった者の責任をどう果たすべきか
世界で起こっている事を知り
運動に参加し
幸せを感じ 世界を救う手助けをしましょう
ありがとうございました | It, however, is enormous in both scale and importance.
Look, you all are very well traveled; this is TEDGlobal after all.
But I do hope to take you to some places you've never been to before.
So, let's start off in China.
This photo was taken two weeks ago.
Actually, one indication is that little boy on my husband's shoulders has just graduated from high school.
But this is Tiananmen Square.
Many of you have been there. It's not the real China.
Let me take you to the real China.
This is in the Dabian Mountains in the remote part of Hubei province in central China.
Dai Manju is 13 years old at the time the story starts.
She lives with her parents, her two brothers and her great-aunt.
They have a hut that has no electricity, no running water, no wristwatch, no bicycle.
And they share this great splendor with a very large pig.
Dai Manju was in sixth grade when her parents said, "We're going to pull you out of school because the 13-dollar school fees are too much for us.
You're going to be spending the rest of your life in the rice paddies.
Why would we waste this money on you?"
This is what happens to girls in remote areas.
Turns out that Dai Manju was the best pupil in her grade.
She still made the two-hour trek to the schoolhouse and tried to catch every little bit of information that seeped out of the doors.
We wrote about her in The New York Times.
We got a flood of donations -- mostly 13-dollar checks because New York Times readers are very generous in tiny amounts but then, we got a money transfer for $10,000 -- really nice guy.
We turned the money over to that man there, the principal of the school.
He was delighted.
He thought, "Oh, I can renovate the school.
I can give scholarships to all the girls, you know, if they work hard and stay in school.
So Dai Manju basically finished out middle school.
She went to high school.
She went to vocational school for accounting.
She scouted for jobs down in Guangdong province in the south.
She found a job, she scouted for jobs for her classmates and her friends.
She sent money back to her family.
They built a new house, this time with running water, electricity, a bicycle, no pig.
What we saw was a natural experiment.
It is rare to get an exogenous investment in girls' education.
And over the years, as we followed Dai Manju, we were able to see that she was able to move out of a vicious cycle and into a virtuous cycle.
She not only changed her own dynamic, she changed her household, she changed her family, her village.
The village became a real standout.
Of course, most of China was flourishing at the time, to link them up to the rest of China.
And that brings me to my first major of two tenets of "Half the Sky."
And that is that the central moral challenge of this century is gender inequity.
In the 19th century, it was slavery.
In the 20th century, it was totalitarianism.
The cause of our time is the brutality that so many people face around the world because of their gender.
So some of you may be thinking, "Gosh, that's hyperbole.
She's exaggerating."
Well, let me ask you this question.
How many of you think there are more males or more females in the world?
Let me take a poll. How many of you think there are more males in the world?
Hands up, please.
How many of you think -- a few -- how many of you there are more females in the world?
Okay, most of you.
Well, you know this latter group, you're wrong.
There are, true enough, in Europe and the West, when women and men have equal access to food and health care, there are more women, we live longer.
But in most of the rest of the world, that's not the case.
In fact, demographers have shown that there are anywhere between 60 million and 100 million missing females in the current population.
And, you know, it happens for several reasons.
For instance, in the last half-century, more girls were discriminated to death than all the people killed on all the battlefields in the 20th century.
Sometimes it's also because of the sonogram.
Girls get aborted before they're even born when there are scarce resources.
This girl here, for instance, is in a feeding center in Ethiopia.
The entire center was filled with girls like her.
What's remarkable is that her brothers, in the same family, were totally fine.
In India, in the first year of life, from zero to one, boy and girl babies basically survive at the same rate because they depend upon the breast, and the breast shows no son preference.
From one to five, girls die at a 50 percent higher mortality rate than boys, in all of India.
The second tenet of "Half the Sky" is that, let's put aside the morality of all the right and wrong of it all, and just on a purely practical level, we think that one of the best ways to fight poverty and to fight terrorism is to educate girls and to bring women into the formal labor force.
Poverty, for instance.
There are three reasons why this is the case.
For one, overpopulation is one of the persistent causes of poverty.
And you know, when you educate a boy, his family tends to have fewer kids, but only slightly.
When you educate a girl, she tends to have significantly fewer kids.
The second reason is it has to do with spending.
It's kind of like the dirty, little secret of poverty, which is that, not only do poor people take in very little income, but also, the income that they take in, they don't spend it very wisely, and unfortunately, most of that spending is done by men.
So research has shown, if you look at people who live under two dollars a day -- one metric of poverty -- two percent of that take-home pay goes to this basket here, in education.
20 percent goes to a basket that is a combination of alcohol, tobacco, sugary drinks -- and prostitution and festivals.
If you just take four percentage points and put it into this basket, you would have a transformative effect.
The last reason has to do with women being part of the solution, not the problem.
You need to use scarce resources.
It's a waste of resources if you don't use someone like Dai Manju.
Bill Gates put it very well when he was traveling through Saudi Arabia.
He was speaking to an audience much like yourselves.
However, two-thirds of the way there was a barrier.
On this side was men, and then the barrier, and this side was women.
And someone from this side of the room got up and said, "Mr. Gates, we have here as our goal in Saudi Arabia to be one of the top 10 countries when it comes to technology.
Do you think we'll make it?"
So Bill Gates, as he was staring out at the audience, he said, "If you're not fully utilizing half the resources in your country, there is no way you will get anywhere near the top 10."
So here is Bill of Arabia.
So what would some of the specific challenges look like?
I would say, on the top of the agenda is sex trafficking.
And I'll just say two things about this.
The slavery at the peak of the slave trade in the 1780s: there were about 80,000 slaves transported from Africa to the New World.
Now, modern slavery: according to State Department rough statistics, there are about 800,000 -- 10 times the number -- that are trafficked across international borders.
And that does not even include those that are trafficked within country borders, which is a substantial portion.
And if you look at another factor, another contrast, a slave back then is worth about $40,000 in today's money.
Today, you can buy a girl trafficked for a few hundred dollars, which means she's actually more disposable. But you know, there is progress being made in places like Cambodia and Thailand.
We don't have to expect a world where girls are bought and sold or killed.
The second item on the agenda is maternal mortality.
You know, childbirth in this part of the world is a wonderful event.
In Niger, one in seven women can expect to die during childbirth.
Around the world, one woman dies every minute and a half from childbirth.
You know, it's not as though we don't have the technological solution, but these women have three strikes against them: they are poor, they are rural and they are female.
You know, for every woman who does die, there are 20 who survive but end up with an injury.
And the most devastating injury is obstetric fistula.
It's a tearing during obstructed labor that leaves a woman incontinent.
Let me tell you about Mahabuba.
She lives in Ethiopia.
She was married against her will at age 13.
She got pregnant, ran to the bush to have the baby, but you know, her body was very immature, and she ended up having obstructed labor.
The baby died, and she ended up with a fistula.
So that meant she was incontinent; she couldn't control her wastes.
In a word, she stank.
The villagers thought she was cursed; they didn't know what to do with her.
So finally, they put her at the edge of the village in a hut.
They ripped off the door so that the hyenas would get her at night.
That night, there was a stick in the hut.
She fought off the hyenas with that stick.
And the next morning, she knew if she could get to a nearby village where there was a foreign missionary, she would be saved.
Because she had some damage to her nerves, she crawled all the way -- 30 miles -- to that doorstep, half dead.
The foreign missionary opened the door, knew exactly what had happened, took her to a nearby fistula hospital in Addis Ababa, and she was repaired with a 350-dollar operation.
The doctors and nurses there noticed that she was not only a survivor, she was really clever, and they made her a nurse.
So now, Mahabuba, she is saving the lives of hundreds, thousands, of women.
She has become part of the solution, not the problem.
She's moved out of a vicious cycle and into a virtuous cycle.
I've talked about some of the challenges, let me talk about some of the solutions, and there are predictable solutions.
I've hinted at them: education and also economic opportunity.
So of course, when you educate a girl, she tends to get married later on in life, she tends to have kids later on in life, she tends to have fewer kids, and those kids that she does have, she educates them in a more enlightened fashion.
With economic opportunity, it can be transformative.
Let me tell you about Saima.
She lives in a small village outside Lahore, Pakistan.
And at the time, she was miserable.
She was beaten every single day by her husband, who was unemployed.
He was kind of a gambler type -- and unemployable, therefore -- and took his frustrations out on her.
Well, when she had her second daughter, her mother in-law told her son, "I think you'd better get a second wife.
Saima's not going to produce you a son."
This is when she had her second daughter.
At the time, there was a microlending group in the village that gave her a 65-dollar loan.
Saima took that money, and she started an embroidery business.
The merchants liked her embroidery; it sold very well, and they kept asking for more.
And when she couldn't produce enough, she hired other women in the village.
Pretty soon she had 30 women in the village working for her embroidery business.
And then, when she had to transport all of the embroidery goods from the village to the marketplace, she needed someone to help her do the transport, so she hired her husband.
So now they're in it together.
He does the transportation and distribution, and she does the production and sourcing.
And now they have a third daughter, and the daughters, all of them, are being tutored in education because Saima knows what's really important.
Which brings me to the final element, which is education.
Larry Summers, when he was chief economist at the World Bank, once said that, "It may well be that the highest return on investment in the developing world is in girls' education."
Let me tell you about Beatrice Biira.
Beatrice was living in Uganda near the Congo border, and like Dai Manju, she didn't go to school.
Actually, she had never been to school, not to a lick, one day.
Her parents, again, said, "Why should we spend the money on her?
She's going to spend most of her life lugging water back and forth."
Well, it just so happens, at that time, there was a group in Connecticut called the Niantic Community Church Group in Connecticut.
They made a donation to an organization based in Arkansas called Heifer International.
Heifer sent two goats to Africa.
One of them ended up with Beatrice's parents, and that goat had twins.
The twins started producing milk.
They sold the milk for cash.
The cash started accumulating, and pretty soon the parents said, "You know, we've got enough money. Let's send Beatrice to school."
So at nine years of age, Beatrice started in first grade -- after all, she'd never been to a lick of school -- with a six year-old.
No matter, she was just delighted to be in school.
She rocketed to the top of her class.
She stayed at the top of her class through elementary school, middle school, and then in high school, she scored brilliantly on the national examinations so that she became the first person in her village, ever, to come to the United States on scholarship.
Two years ago, she graduated from Connecticut College.
On the day of her graduation, she said, "I am the luckiest girl alive because of a goat."
And that goat was $120.
So you see how transformative little bits of help can be.
But I want to give you a reality check.
Look: U.S. aid, helping people is not easy, and there have been books that have criticized U.S. aid.
There's Bill Easterly's book.
There's a book called "Dead Aid."
You know, the criticism is fair; it isn't easy.
You know, people say how half of all water well projects, a year later, are failed.
When I was in Zimbabwe, we were touring a place with the village chief -- he wanted to raise money for a secondary school -- and there was some construction a few yards away, and I said, "What's that?"
He sort of mumbled.
Turns out that it's a failed irrigation project.
A few yards away was a failed chicken coop.
One year, all the chickens died, and no one wanted to put the chickens in there.
It's true, but we think that you don't through the baby out with the bathwater; you actually improve.
You learn from your mistakes, and you continuously improve.
We also think that individuals can make a difference, and they should, because individuals, together, we can all help create a movement.
And a movement of men and women is what's needed to bring about social change, change that will address this great moral challenge.
So then, I ask, what's in it for you?
You're probably asking that. Why should you care?
I will just leave you with two things.
One is that research shows that once you have all of your material needs taken care of -- which most of us, all of us, here in this room do -- research shows that there are very few things in life that can actually elevate your level of happiness.
One of those things is contributing to a cause larger than yourself.
And the second thing, it's an anecdote that I'll leave you with.
of an aid worker in Darfur.
Here was a woman who had worked in Darfur, seeing things that no human being should see.
Throughout her time there, she was strong, she was steadfast.
She never broke down.
And then she came back to the United States and was on break, Christmas break.
She was in her grandmother's backyard, and she saw something that made her break down in tears.
What that was was a bird feeder.
And she realized that she had the great fortune to be born in a country where we take security for granted, where we not only can feed, clothe and house ourselves, but also provide for wild birds so they don't go hungry in the winter.
And she realized that with that great fortune comes great responsibility.
And so, like her, you, me, we have all won the lottery of life.
And so the question becomes: how do we discharge that responsibility?
So, here's the cause.
Join the movement.
Feel happier and help save the world.
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私は分光学者です
星雲や銀河といった写真を一つも見せずに 天文学について語らなくてはなりません
私の仕事が分光学だからです
私は写真を扱ったことがありません
しかし私は、分光学が 世界を変えうるものだと、あなた方を
納得させてみましょう 分光学はおそらく次の質問に答えられます: 「誰かそこにいるの?」に
私たちだけなの? SETIですね
分光学の研究はそんなに面白くはありません
ブルガリアにいる私の同業者の一人、 ナヴィアナ・マルコヴァは、20年かけて この曲線を研究しています
この主題に関する論文を 42本も発表しています
想像できますか? 毎日毎晩、20年間、 同じ星を観察し、考える 信じられない
しかし我々はイカれていて、それをやっているのです
私はそんなに極端ではありませんが
この曲線に取りかかって8ヶ月が経ちます
なぜなら、私は この惑星の主星のスペクトルに ごくわずかな非対称性を認めたからです
そして考える ふむ この恒星にはリチウム6が存在し、 それはこの恒星が惑星を飲み込んだ 証拠かもしれない、と
なぜなら、リチウム6のような壊れやすい同位元素は 太陽型の恒星の大気には存在し得ないからです
しかし惑星や小惑星になら存在する
だからもしその恒星が、惑星か、大量の小惑星を飲み込めば 大気にリチウム6の同位元素が 見つかるかもしれない
だから私は、8ヶ月以上も この星のリチウムの輝線を研究しているのです
実際それはすごいことで、 その証拠にあちこちの記者から電話を受けています: 「惑星が恒星に飲み込まれるのを見たのか?」と
なぜなら、望遠鏡を持っていればあなたは天文学者で、 つまり天文学者ならば 望遠鏡を眺めているだろう、ということです
そして惑星が恒星に飲み込まれるのを見たかもしれない、と
だから私は言います:「申し訳ないですが
私が見ているのはこれです」って
信じられないよ 誰もわかってないんだから
きっと私が言っていることが わかっている人はほとんどいなかったんでしょう
だってこれこそ、惑星が恒星に飲み込まれている証拠なのだから
驚くべきことです
実際のところ、分光器の威力について 1973年にすでに気づいていたのは (ロックバンドの)ピンクフロイドでした
彼らは、スペクトルの中から お望みのどんな色でも取り出せると 言っています
必要なのは自分の分光器を作る お金と時間だけだ、と
これが、地球上で最も高解像度で 最も正確な分光器で、HARPSと呼ばれ、 太陽系外の惑星や、恒星の大気の 音波を発見するために 使われています
どうやってスペクトルを得るのでしょう?
皆さんは学校の勉強で、基本的には 白色光を分解してたくさんの色にするのだと 習ったでしょう
そして、もし溶けるほど熱い物体があれば それは連続スペクトルと呼ばれるものを発生しています
熱いガスは輝線だけを放射し、 連続スペクトルは発しません
もし熱い物体の前に、冷たいガスを 置くと、 吸収線と呼ばれるものが 得られます それを使って
冷たい物体の化学元素を特定することができます 冷たいガスが、まさに その周波数の光を吸収しています
さて、スペクトル線でなにができるでしょう
宇宙の物体の視線速度を調べることが できます
そして恒星や銀河や星雲の 化学組成と物理定数も 知ることができます
恒星は一番簡単な物体です
その中心核では熱核融合が起きていて いろいろな化学元素を生み出しています
そして冷たい大気がある
私に言わせれば「冷たい」のです
つまり3000度から5000度程度です
同僚の赤外線天文学者は マイナス200度くらいなら冷たいといいます
すべからく相対的なわけです
私には5000度はとても冷たい
これは太陽のスペクトルです 2万4千のスペクトル線があり そのうち15パーセントはまだ同定されていません
驚きです 21世紀なんですよ今は なのにまだ太陽のスペクトルでさえ
ちゃんとわかっていないのです 時には、非常に小さな、 弱いスペクトル線を使って 大気中の化学元素の組成を調べる場合もあります
例えばここに見える金の吸収線は 太陽のスペクトル中、唯一の吸収線です
この弱い線を使って 太陽の大気の 金の組成を調べるのです
これはまだ作業途中です
私たちはまた、同様に弱い特徴である オスミウムも調べています
これは超新星の熱核爆発で生まれる 重い元素です
オスミウムはそこでしか生成されません
惑星を有する恒星のオスミウムの 割合を比較することで なぜそこに大量にこの元素があるのかを 理解しようとしています
ひょっとしたら超新星爆発自体が 恒星や惑星の形成の引き金だ
ということかも知れないのです
この間、バークレーの私の同業者 ギボールバスリが、非常に興味深い スペクトルをメールしてきて 言いました:「ちょっとこれ見てくれる?」
それから2週間、私は眠れませんでした その恒星のスペクトルに、莫大な量の 酸素その他の物質を見たからです
銀河系にこんなものは見たことがありません
信じられませんでした この事象の唯一可能な結論は その星系で超新星爆発が起こり、 この恒星の大気を汚染した証拠だと いうことです
爆発の後に、連星系に ブラックホールが形成され 太陽の約5倍の質量があることが わかっています
これは、ブラックホールが超新星爆発からできるという 最初の証拠と考えられました
同僚は、様々な銀河の恒星の化学組成を 比較していて 私たちの銀河に外来の恒星を発見しました
恒星の化学組成を調べるだけで
ここまでわかるのはすごいことです スペクトルの中にある星の一つが 別の銀河から来たのだ、というのです
銀河同士が干渉し合うことがあることがわかっています
そのときに相手の星を捕まえてしまうのです
太陽フレアは耳にしたことがあるでしょう
私たちは「スーパーフレア」を発見して 驚きました それは太陽で見るものより 何百億倍も強力です
私たちの銀河にある連星系 FH Leoで それが見つかりました
後に、私たちはスペクトル線を調べ その物体になにか変わったことはないか見てみました
すべて正常でした
まるで太陽と同じ 年齢も、その他全部正常でした
ですからこれはミステリーです
未だにミステリーのままです スーパーフレアは
同様の事例が、文献には 6、7件報告されています
さて、こちらに移りましょう 私たちは宇宙の化学的進化を理解したいと思っています
それはとても複雑で、それをこの場で皆さんに 理解してもらおうとは思っていません
むしろ、化学元素を作り出す方法の全体がいかに複雑かを お見せしたいのです
二つの経路があります 巨星と矮星で 宇宙の物質や化学元素を生産し、またリサイクルしています
それを140億年続けると、結果として この図のようになります これは大変重要なグラフで 太陽型の恒星と星間物質の 化学元素の組成の 割合を示しています
つまり、硫黄がシリコンの10倍、また カルシウムが酸素の5倍ある天体を見つけるのは ものすごく困難だということです 本当に難しい
そしてもし見つかったとしたら それはSETIと関係があるということなのです 自然の作用ではできないのですから
ドップラー効果は、基礎的な物理学からみると とても重要です それは移動している物体の
周波数が変わるということです ドップラー効果は太陽系外の惑星の発見に利用されまています
太陽型の恒星の周りで 木星型の惑星を見つけるために 必要な精度は 毎秒28.4メートル程度です
地球型の惑星を見つけるには 毎秒9センチメートルほどが必要です これらは未来の分光器で可能になるでしょう
私自身も42メートルの E-ELT望遠鏡のための、CODEXという 高解像度の次世代分光器の開発に 携わっています そしてそれが、太陽型恒星の周りに 地球型惑星を発見するための 道具となります
それは天文地震学という驚くべき道具で 恒星の大気の中の 音波を検出できます
これがアルファケンタウリの音です
太陽型恒星の大気の 音波を検出できるのです
それは、まだ誰も知らない 可聴域以下の領域の周波数を持っています
最も重要な質問に戻ります: 「誰かそこにいるのか?」
それは、惑星の地殻変動や 火山活動の程度に関係しています
生命と 放射性核の関係は 直接的です
地質学的および火山学的活動性なしには 生命はあり得ません
地熱エネルギーの殆どが ウラン、トリウム、カリウムなどの崩壊によることがわかっています
ならばどう評価するか? もしある惑星で これらの元素が少ければ、 その惑星は地質学的には「死んだ」状態で、 そこに生命はいない
一方、もしウラニウム、カリウム、トリウムなどが多すぎる場合も 生命は存在しないでしょう
なぜならあらゆるものが沸騰しているところが想像できますか?
惑星にエネルギーが過剰なのです
さて、私たちは太陽系外の惑星を有する恒星の一つで
トリウムの量を測定しました ゲームのルールは同じです ごくわずかな特徴しかない
このような曲線を測定し、トリウムを 検出しようとしています
非常に困難です 難しい
まず自分自身を納得させなくてはいけない
それから同業者を説得し
そののちに、全世界へ向かって 100パーセク離れたどこかの惑星を有する恒星の 大気にこういうものを発見した、と 納得させなくてはならないのです
非常に難しいです
しかしもし太陽系外の惑星での生命について知りたければ これをやる必要があるのです
なぜなら、そこの系にどれだけの量の放射性物質があるかを 知る必要があるからです
異星人について発見する一つの方法は 電波望遠鏡を使って信号に聞き耳を立てることです
何か興味深いものが見つかるか、と それがまあSETIがやっていることで 長年それをやっています
一番将来性がありそうなのは バイオマーカーを探す事です
これは地球のスペクトルです 地球光のスペクトル 非常に明瞭なシグナルです
この傾いているところをレッドエッジと呼びますが、 植生のある部分を示しています
光学スペクトルから植物繁茂がわかるのだから 驚きますよね
それを他の惑星に対して あてはめたと想像してください
最近、非常にごく最近、 ここ最近の6〜8ヶ月間で、 水、メタン、二酸化炭素が 太陽系外の惑星のスペクトルから
見つかりました 驚くべき事です これが分光学の威力です
太陽系から、遥かに遠く離れた 惑星の化学組成を発見し、研究する事が できるのです
生命存在の必要条件がそこにあるかを確かめるには 酸素かオゾンを検出する必要が あります
宇宙の奇跡は SETI に関係づけることができます
何か驚くべき天体や 説明不能な現象があって お手あげ状態で「だめだ 物理学では 説明できない」となったとします
つまりSETIに言及し「ふむ 誰かが何かやってるに 違いない」というような事です
既知の物理法則を使ってです フランクドレイクが指摘し、 何年も前にシュクロフスキーが述べたような
事です もしも、惑星を有する恒星のスペクトルに 奇妙な化学元素を発見したら それは文明の痕跡かもしれず 彼らも信号を発したがっているかもしれません
彼らは、実際この恒星のスペクトル線で 彼ら自身の存在を 発信したがっているのです
他の方法を使うかもしれない
一例はテクネシウムで 崩壊時間が420万年の 放射性元素です
もしも太陽型恒星に、突然 テクネシウムが見つかったら 間違いなく誰かがそれを 大気に放出したのです なぜなら、自然界ではそれは起こり得ないからです
我々は太陽系外惑星を持つ、約300個の恒星の スペクトルを見直しています
2000年からこのプロジェクトを行っていますが 非常に大きなプロジェクトです
一生懸命研究しています
その中で、まだ説明できない 面白いケースや候補が見つかっています
そして近い将来、それらを 確認できると期待しています
そこで元の問題:「我々は一人ぼっちなのか?」
その答えはUFOからは得られないでしょう
電波信号からも得られないでしょう
こういうスペクトル線から答えが出るのです
それは地球型惑星のスペクトルで 明らかな生命の印としての 窒素酸化物、酸素、オゾンの
存在を示すものです もしも、15年か20年後の ある日
こんなスペクトルが見つかれば その星には生命が存在すると確信できるのです
5年以内に、私達は 太陽からの距離が地球と同じくらいの 太陽型恒星を巡る惑星を発見するでしょう
5年くらいかかります
その後さらに10年か15年くらいかけて 宇宙プロジェクトで 先ほどお見せしたような地球型惑星のスペクトルが得られるでしょう
そしてもし、窒素酸化物と 酸素が見つかれば 我々は完璧なE.T.を手に入れたわけです
どうもありがとう | I have to talk about astronomy without showing you any single image of nebulae or galaxies, etc.
because my job is spectroscopy.
I never deal with images.
But I'll try to convince you that spectroscopy is actually something which can change this world.
Spectroscopy can probably answer the question, "Is there anybody out there?"
Are we alone? SETI.
It's not very fun to do spectroscopy.
One of my colleagues in Bulgaria, Nevena Markova, spent about 20 years studying these profiles.
And she published 42 articles just dedicated to the subject.
Can you imagine? Day and night, thinking, observing, the same star for 20 years is incredible.
But we are crazy. We do these things.
And I'm not that far.
I spent about eight months working on these profiles.
Because I've noticed in the profile of one of the planet host stars.
And I thought, well maybe there is Lithium-6 in this star, which is an indication that this star has swallowed a planet.
Because apparently you can't have this fragile isotope of Lithium-6 in the atmospheres of sun-like stars.
But you have it in planets and asteroids.
So if you engulf planet or large number of asteroids, you will have this Lithium-6 isotope in the spectrum of the star.
So I invested more than eight months just studying the profile of this star.
And actually it's amazing, because I got phone calls from many reporters asking, "Have you actually seen the planet going into a star?"
Because they thought that if you are having a telescope, you are an astronomer so what you are doing is actually looking in a telescope.
And you might have seen the planet going into a star.
And I was saying, "No, excuse me.
What I see is this one."
It's just incredible. Because nobody understood really.
I bet that there were very few people who really understood what I'm talking about.
Because this is the indication that the planet went into the star.
It's amazing.
The power of spectroscopy was actually realized by Pink Floyd already in 1973.
Because they actually said that you can get any color you like in a spectrum.
And all you need is time and money to make your spectrograph.
This is the number one high resolution, most precise spectrograph on this planet, called HARPS, which is actually used to detect extrasolar planets and sound waves in the atmospheres of stars.
How we get spectra?
I'm sure most of you know from school physics that it's basically splitting a white light into colors.
And if you have a liquid hot mass, it will produce something which we call a continuous spectrum.
A hot gas is producing emission lines only, no continuum.
And if you place a cool gas in front of a hot source, you will see certain patterns which we call absorption lines.
Which is used actually to identify chemical elements in a cool matter, which is absorbing exactly at those frequencies.
Now, what we can do with the spectra?
We can actually study line-of-sight velocities of cosmic objects.
And we can also study chemical composition and physical parameters of stars, galaxies, nebulae.
A star is the most simple object.
In the core, we have thermonuclear reactions going on, creating chemical elements.
And we have a cool atmosphere.
It's cool for me.
Cool in my terms is three or four or five thousand degrees.
My colleagues in infra-red astronomy call minus 200 Kelvin is cool for them.
But you know, everything is relative.
So for me 5,000 degrees is pretty cool.
This is the spectrum of the Sun -- 24,000 spectral lines, and about 15 percent of these lines is not yet identified.
It is amazing. So we are in the 21st century, and we still cannot properly understand the spectrum of the sun.
Sometimes we have to deal with just one tiny, weak spectral line to measure the composition of that chemical element in the atmosphere.
For instance, you see the spectral line of the gold is the only spectral line in the spectrum of the Sun.
And we use this weak feature to measure the composition of gold in the atmosphere of the Sun.
And now this is a work in progress.
We have been dealing with a similarly very weak feature, which belongs to osmium.
It's a heavy element produced in thermonuclear explosions of supernovae.
It's the only place where you can produce, actually, osmium.
Just comparing the composition of osmium in one of the planet host stars, we want to understand why there is so much of this element.
Perhaps we even think that maybe supernova explosions trigger formations of planets and stars.
It can be an indication.
The other day, my colleague from Berkeley, Gibor Basri, emailed me a very interesting spectrum, asking me, "Can you have a look at this?"
And I couldn't sleep, next two weeks, when I saw the huge amount of oxygen and other elements in the spectrum of the stars.
I knew that there is nothing like that observed in the galaxy.
It was incredible. The only conclusion we could make from this is clear evidence that there was a supernova explosion in this system, which polluted the atmosphere of this star.
And later a black hole was formed in a binary system, which is still there with a mass of about five solar masses.
This was considered as first evidence that actually black holes come from supernovae explosions.
My colleagues, comparing composition of chemical elements in different galactic stars, actually discovered alien stars in our galaxy.
simply studying the chemical composition of stars.
They actually said that one of the stars you see in the spectra is an alien. It comes from a different galaxy.
There is interaction of galaxies. We know this.
And sometimes they just capture stars.
You've heard about solar flares.
We were very surprised to discover a super flare, a flare which is thousands of millions of times more powerful than those we see in the Sun.
In one of the binary stars in our galaxy called FH Leo, we discovered the super flare.
And later we went to study the spectral stars to see is there anything strange with these objects.
And we found that everything is normal.
These stars are normal like the Sun. Age, everything was normal.
So this is a mystery.
It's one of the mysteries we still have, super flares.
And there are six or seven similar cases reported in the literature.
Now to go ahead with this, we really need to understand chemical evolution of the universe.
It's very complicated. I don't really want you to try to understand what is here.
But it's to show you how complicated is the whole story of the production of chemical elements.
You have two channels -- the massive stars and low-mass stars -- producing and recycling matter and chemical elements in the universe.
And doing this for 14 billion years, we end up with this picture, which is a very important graph, showing relative abundances of chemical elements in sun-like stars and in the interstellar medium.
So which means that it's really impossible to find an object where you find about 10 times more sulfur than silicon, five times more calcium than oxygen. It's just impossible.
And if you find one, I will say that this is something related to SETI, because naturally you can't do it.
Doppler Effect is something very important from fundamental physics.
And this is related to the change of the frequency of a moving source. The Doppler Effect is used to discover extrasolar planets.
The precision which we need to discover a Jupiter-like planet around a sun-like star is something like 28.4 meters per second.
And we need nine centimeters per second This can be done with the future spectrographs.
I, myself, I'm actually involved in the team which is developing a CODEX, high resolution, future generation spectrograph for the 42 meter E-ELT telescope. And this is going to be an instrument to detect Earth-like planets around sun-like stars.
It is an amazing tool called astroseismology where we can detect sound waves in the atmospheres of stars.
This is the sound of an Alpha Cen.
We can detect sound waves in the atmospheres of sun-like stars.
Those waves have frequencies in infrasound domain, the sound actually nobody knows, domain.
Coming back to the most important question, "Is there anybody out there?"
This is closely related to tectonic and volcanic activity of planets.
Connection between life and radioactive nuclei is straightforward.
No life without tectonic activity, without volcanic activity.
And we know very well that geothermal energy is mostly produced by decay of uranium, thorium, and potassium.
How to measure, if we have planets where the amount of those elements is small, so those planets are tectonically dead, there cannot be life.
If there is too much uranium or potassium or thorium, probably, again, there would be no life.
Because can you imagine everything boiling?
It's too much energy on a planet.
Now, we have been measuring abundance of thorium in one of the stars with extrasolar planets.
It's exactly the same game. A very tiny feature.
We are actually trying to measure this profile and to detect thorium.
It's very tough. It's very tough.
And you have to, first you have to convince yourself.
Then you have to convince your colleagues.
And then you have to convince the whole world that you have actually detected something like this in the atmosphere of an extrasolar planet host star somewhere in 100 parsec away from here.
It's really difficult.
But if you want to know about a life on extrasolar planets, you have to do this job.
Because you have to know how much of radioactive element you have in those systems.
The one way to discover about aliens is to tune your radio telescope and listen to the signals.
If you receive something interesting, well that's what SETI does actually, what SETI has been doing for many years.
I think the most promising way is to go for biomarkers.
You can see the spectrum of the Earth, this Earthshine spectrum, and that is a very clear signal.
The slope which is coming, which we call a Red Edge, is a detection of vegetated area.
It's amazing that we can detect vegetation from a spectrum.
Now imagine doing this test for other planets.
Now very recently, very recently, I'm talking about last six, seven, eight months, water, methane, carbon dioxide have been detected in the spectrum of a planet outside the solar system.
It's amazing. So this is the power of spectroscopy.
You can actually go and detect and study a chemical composition of planets far, far, far from solar system.
We have to detect oxygen or ozone to make sure that we have all necessary conditions to have life.
Cosmic miracles are something which can be related to SETI.
Now imagine an object, amazing object, or something which we cannot explain when we just stand up and say, "Look, we give up. Physics doesn't work."
So it's something which you can always refer to SETI and say, "Well, somebody must be doing this, somehow."
And with the known physics etc, it's something actually which has been pointed out by Frank Drake, many years ago, and Shklovsky.
If you see, in the spectrum of a planet host star, if you see strange chemical elements, it can be a signal from a civilization which is there and they want to signal about it.
They want to actually signal their presence through these spectral lines, in the spectrum of a star, in different ways.
There can be different ways doing this.
One is, for instance, technetium is a radioactive element with a decay time of 4.2 million years.
If you suddenly observe technetium in a sun-like star, you can be sure that somebody has put this element in the atmosphere, because in a natural way it is impossible to do this.
300 stars with extrasolar planets.
And we are doing this job since 2000 and it's a very heavy project.
We have been working very hard.
And we have some interesting cases, candidates, so on, things which we can't really explain.
And I hope in the near future we can confirm this.
So the main question: "Are we alone?"
I think it will not come from UFOs.
It will not come from radio signals.
I think it will come from a spectrum like this.
It is the spectrum of a planet like Earth, as a clear signal of life, and oxygen and ozone.
If, one day, and I think it will be within 15 years from now, or 20 years.
If we discover a spectrum like this we can be sure that there is life on that planet.
In about five years we will discover planets like Earth, around sun-like stars, the same distance as the Earth from the Sun.
It will take about five years.
And then we will need another 10, 15 years with space projects to get the spectra of Earth-like planets like the one I showed you.
And if we see the nitrogen dioxide and oxygen, I think we have the perfect E.T.
Thank you very much. | {
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私はニュースを見続け 政府関係者や東京電力の 記者会見に 釘付けになりました そして原子炉が 爆発して 放射性物質の雲が 200キロしか離れていない 我が家の方へ 広がっている事を知ったのです
でも テレビは 私達が最も知りたいことを 何一つ伝えていませんでした
原子炉で何が起きているのか 放射線はどうなっているか 家族に危険はないか・・・ それが一番知りたかったのです
その時 直感的に思いました インターネットを使って 自分の力で 解決すべきではないかと
ネットには私と同じように 状況を把握したがっている 人々がいました そこで ゆるやかな組織を作り 「セーフキャスト」と名付けて 放射線量の測定や 測定データの公開を することにしました 政府が そういうことを してくれるとは 思えなかったからです
3年後の今では 測定地点は1,600万か所に上り ガイガーカウンターも 自前で設計し 誰でも図面をダウンロードして ネットワークに参加できるように なっています
日本のほぼ全域と 世界各地の 放射線量が見られる アプリもあります
おそらく これは世界でも 最も成功した — 市民主体の科学プロジェクトで 世界でも最大級の 放射線測定データを 公開しています
面白いと思うのは 自分で —(拍手) どうも
自分で何をやっているのか よくわかっていない 素人集団が どのように集まって NGOや政府すら できなかったことを 成し遂げられたのか ということです
私はインターネットに 鍵があると思います これは まぐれではありません
運でもないし 私達が特別だったわけでもありません
皆を1つにするような災害が きっかけには なりましたが これはインターネットや その他の状況によって 可能になった — 新しい方法のおかげなのです この新たな原理について お話ししたいと思います
皆さん インターネットがまだ なかった頃を覚えていますか? その時代を「ネット前」と 呼びましょう
ネット前では 物事はシンプルでした
すべてがユークリッド幾何学的 ニュートン力学的で それなりに予測可能でした
みんな未来を 予測しようとしていて 経済学者ですら そうだったのです
その後 インターネットが登場し 世界は 極めて複雑 — 低コスト 高速になり 私達が後生大事にしてきた ニュートンの法則は 一部にしか当てはまらないことが はっきりしてきました そこで私達が気づいたのは この予測不能な世界で うまくやっている人のほとんどが 今までとは違う原理に 従っている点でした 少し説明しましょう
インターネット以前は サービスを立ち上げる場合 — ハードウェアレイヤと ネットワークレイヤと ソフトを作っていました 何かちゃんとしたものを 作ろうと思ったら 何百万ドルもかかりました
何百万ドルもかかる 大事業を始めるには 計画を立てるために MBAを持った人を雇い 投資会社や 大企業から資金を集め デザイナーと 技術者を雇って製品を 作らせていました
これがインターネット以前 「ネット前」のイノベーションモデルです
ところがネットの出現で イノベーションの コストは急激に下がりました 共同作業や流通 コミュニケーションのコスト低下と ムーアの法則によって 新規事業を立ち上げるコストは ほぼゼロになりました Googleにせよ Facebookにせよ Yahooにせよ 学生達が許可なく イノベーションを 進めた結果です 誰の許可も得ず プレゼンもせず まず何かを作ってから
資金を集め その後 ビジネスプランを考えて 必要になったら MBA取得者を雇うのです
つまり 少なくとも ソフトとサービスの分野では インターネットによって MBA主導の イノベーションモデルから デザイナーと技術者主導の モデルへと移行したのです インターネットによって 力と金と権威はあるが 小回りがきかない 既存の大組織から 学生寮や起業家の元へと イノベーションの場が 移ったのです
ネットでそういうことが 起きているのは周知の事実です
それが別なところでも 起きているのが分かります
例を挙げましょう
メディアラボで扱うのは ハードだけではありません
何でもやります
生物学もハードも扱っていて ニコラス・ネグロポンテの 有名なモットーは「実演か死か」です 「論文を出すか去るか」という 旧来の学問の 思考法とは対照的です
彼はよく言っていました 「デモは一度成功すればいい 私達が世界に 影響を与える手段とは 私達に刺激を受けた大企業が Kindleや レゴ マインドストームのような 製品を作ることなのだから」
でも製品をこれほど安価に 世界に広められるようになった今 — 私はモットーを変えたいと思います これは公式声明です
「広めるか死か」 これが新たなモットーです
製品が重要性を 持つようにするには 世界中に広める必要があります 大企業が 主体になることもあります ネグロポンテの 人工衛星の話のように
(拍手) ありがとう
ただ自分で始めるべきです 大きな組織がやってくれるのを 待っていてはいけません
それで 私達は去年 大勢の学生を深圳に派遣し 工場でイノベーターと 交流させました これは本当に素晴らしかった
そこには 工作機械はありましたが 試作品もプレゼンも ありません
彼らは工作機械の上で 直に新たなものを 生み出していたのです
デザイナーが 工場にいますが デザイナーの中にも 工場があるような感じです
露店に出かけていって のぞいてみると こういった独自の 携帯電話が見られます
パロアルトの若者なら ウェブサイトを 立ち上げるところを 深圳の若者は新しい 携帯電話を作るんです
ウェブサイトを 作るような手軽さで 携帯電話を作っていて そのイノベーションは ジャングルのように 繁茂しています
深圳の若者は 携帯電話を いくつか作っては 露店でそれを売り 他の連中が作った製品を見て 戻って もう2千台ほど作り また売りに行く
これはソフト開発と 似ていませんか?
アジャイル開発やA/Bテスト — イテレーションを 思い起こさせます ソフトでしかできないと 思われていたことを 彼らはハードでやっています
だから次のフェローには 革新的な 深圳の人を 選びたいと思っています
イノベーションは まさに 周縁へと広がっているのです
3Dプリンターなんかが よく話題になりますが
MITの誇る卒業生の リモアのお気に入りは サムスンテックウィン製の ピック&プレース・マシンです
この機械は1時間に 2万3千個の部品を 電子基板に配置できます
言うなれば箱に入ったミニ工場です
以前は工場で 大勢の労働者が手作業で やっていたことを ニューヨークにある この小さな箱の中で 効率よくできるのです だから彼女は わざわざ 深圳まで行かなくても
この箱を買うだけで 製造できるのです
イノベーションのコストや 試作や流通 製造やハードのコストは 非常に安価になったので イノベーションの場が広がり 学生や起業家でも 製造が可能になりつつあります
これは最近のことですが ソフトウェアで起きたのと 同様の変化が起きるでしょう
「ソロナ」はデュポン社が 開発したプロセスで 遺伝子操作した微生物を使って トウモロコシの糖から ポリエステルを作ります
これは化石燃料から作る方法より 3割も効率がよく ずっと環境に優しいのです
遺伝子工学や 生体工学によって 化学や計算や 記憶素子といった領域で 新たな機会が生まれつつあります
医療の分野でも 可能性が広がるでしょうし そのうち椅子や建物まで 育てられるように なるかもしれません
ただ問題は ソロナの開発には 約4億ドルかかり 完成まで7年もかかった点です
まるでメインフレームの 時代のようです
ただ 生体工学でも イノベーションの コストは下がっています
これはデスクトップ DNAシーケンサーです
昔は遺伝子の読み取りには 莫大な費用がかかりました
でも今では机の上で 学生が寮の自室でもできるのです
これはGen9社の ゲノムアセンブラです これまでは 遺伝子をプリントするには 研究所の人間が スポイトを使って 手で配列するため 塩基対100個につき 1つのエラーが起こる上に 長い時間と 巨額の費用が必要でした
でもこの新しい装置は チップ上で遺伝子を配列し エラーは 塩基対100個どころか 1万個につき1つです
この装置は 世界で1年に合成されている 遺伝子の量に相当する 年間2億の塩基対を合成できます
例えると トランジスタラジオを 手作業で作る段階から Pentiumプロセッサへと 移行したようなものです
この装置は生体工学界の Pentiumとなり — 生体工学が 学生寮や新興企業にまで 広がるでしょう
同じ事がソフト ハード 生体工学の分野で 起きています まったく新しい イノベーションの考え方です
これはボトム・アップで 民主的で 混沌としていて 制御するのは困難です
悪いことではありませんが まったく新しいので これまで私達が培ってきた ― 組織のルールは役に立ちません そこでは誰もが 別の原則に従って 活動しているのです
私が気に入っている原則の1つは 「引き出す力」です これは必要になった時に ネットワークから リソースを引き出すという考え方で リソースを1カ所に蓄えて すべてを コントロールするのと対照的です
セーフキャストの場合 震災が起きた時 — 私には何の知識も ありませんでした でもハッカースペースの 運営をしていたショーンや 最初のガイガーカウンターを 作ってくれた アナログ・ハードのハッカー ピーター スリーマイル島原発が メルトダウンした時に モニタリング・システムを作った ダンを見つけることができました
震災前だったら 見つけることは できなかったでしょうし 必要な時にネットで見つけたほうが 良かったのです
私は大学を3度も中退しているので 「教育より学び」という考え方が 深く心に刻まれています 私にとって 教育とは与えてもらうもの — 学びとは自分でするものです
(拍手) 偏見かもしれませんが 教育は 外に出て何かやる前に 百科事典を 暗記させようとしている ように見えます でも私の携帯には Wikipediaがあります 教育においては たった1人 どこかの山の頂で HBの鉛筆1本だけで 問題解決することが 前提とされているようですが 実際には 私達は常につながっていて
いつでも仲間がいて 必要ならWikipediaで 調べられるのです 学ばなければならないのは 学び方なのです
セーフキャストを 3年前に始めた頃 — 私達は素人の集団に 過ぎませんでした でも おそらく今では グループ全体としては データの収集と公開 市民による科学の推進について どこよりも
そして「地図よりコンパス」 —
この原理の考え方はこうです 計画を立てるのに必要な — コストは どんどん上がっているのに 計画自体は それほど 正確でも有益でもありません
だから セーフキャストでは データを集めて 公開したいという 想いだけで進み 綿密な計画は立てませんでした まず考えたのは 「ガイガーカウンターを入手しよう」
「売り切れだ」 「じゃあ作ろう」
「センサーが足りない」
「でも 携帯用ならできそうだ」
「車で測定して回ろう」 「ボランティアを募ろう」
「資金不足だ」 「Kickstarterで集めよう」・・・
こういったことすべてを 計画するのは無理です しかし強力なコンパスを持つことで 目指すべき方向がわかりました これはアジャイル開発に よく似ています コンパスという 考え方は重要です
幸運なことに たとえ世界が極めて複雑でも やるべきことは 単純なのです
すべてを計画し すべてを揃え 完璧に準備を整えなければ — などと考えるのは そろそろやめにして つながることに力を注ぎ 常に学び続け アンテナを高くして 「今」に集中すべきです
だから私は「フューチャリスト」という 言葉は嫌いです
私達は「ナウ-イスト」に なるべきなんです 今の私達がそうであるように
どうもありがとう | I was looking at the news streams and listening to the press conferences of the government officials and the Tokyo Power Company, and hearing about this explosion at the nuclear reactors and this cloud of fallout that was headed towards our house which was only about 200 kilometers away.
And the people on TV weren't telling us anything that we wanted to hear.
I wanted to know what was going on with the reactor, what was going on with the radiation, whether my family was in danger.
So I did what instinctively felt like the right thing, which was to go onto the Internet and try to figure out if I could take matters into my own hands.
On the Net, I found there were a lot of other people like me trying to figure out what was going on, and together we sort of loosely formed a group and we called it Safecast, to measure the radiation and get the data out to everybody else, because it was clear that the government wasn't going to be doing this for us.
Three years later, we have 16 million data points, we have designed our own Geiger counters that you can download the designs and plug it into the network.
We have an app that shows you most of the radiation in Japan and other parts of the world.
We are arguably one of the most successful citizen science projects in the world, and we have created the largest open dataset of radiation measurements.
And the interesting thing here is how did — — Thank you.
How did a bunch of amateurs who really didn't know what we were doing somehow come together and do what NGOs and the government were completely incapable of doing?
And I would suggest that this has something to do with the Internet. It's not a fluke.
It wasn't luck, and it wasn't because it was us.
It helped that it was an event that pulled everybody together, but it was a new way of doing things that was enabled by the Internet and a lot of the other things that were going on, and I want to talk a little bit about what those new principles are.
So remember before the Internet? I call this B.I. Okay?
So, in B.I., life was simple.
Things were Euclidian, Newtonian, somewhat predictable.
People actually tried to predict the future, even the economists.
And then the Internet happened, and the world became extremely complex, extremely low-cost, extremely fast, and those Newtonian laws that we so dearly cherished turned out to be just local ordinances, and what we found was that in this completely unpredictable world that most of the people who were surviving were working with sort of a different set of principles, and I want to talk a little bit about that.
Before the Internet, if you remember, when we tried to create services, what you would do is you'd create the hardware layer and the network layer and the software and it would cost millions of dollars to do anything that was substantial.
So when it costs millions of dollars to do something substantial, what you would do is you'd get an MBA who would write a plan and get the money from V.C.s or big companies, and then you'd hire the designers and the engineers, and they'd build the thing.
This is the Before Internet, B.I., innovation model.
What happened after the Internet was the cost of innovation went down so much because the cost of collaboration, the cost of distribution, the cost of communication, and Moore's Law made it so that the cost of trying a new thing became nearly zero, and so you would have Google, Facebook, Yahoo, students that didn't have permission — permissionless innovation — didn't have permission, didn't have PowerPoints, they just built the thing,
then they raised the money, and then they sort of figured out a business plan and maybe later on they hired some MBAs.
So the Internet caused innovation, at least in software and services, to go from an MBA-driven innovation model to a designer-engineer-driven innovation model, and it pushed innovation to the edges, to the dorm rooms, to the startups, away from the large institutions, the stodgy old institutions that had the power and the money and the authority.
And we all know this. We all know this happened on the Internet.
It turns out it's happening in other things, too.
Let me give you some examples.
So at the Media Lab, we don't just do hardware.
We do all kinds of things.
We do biology, we do hardware, and Nicholas Negroponte famously said, "Demo or die," as opposed to "Publish or perish," which was the traditional academic way of thinking.
And he often said, the demo only has to work once, because the primary mode of us impacting the world was through large companies being inspired by us and creating products like the Kindle or Lego Mindstorms.
But today, with the ability to deploy things into the real world at such low cost, I'm changing the motto now, and this is the official public statement.
I'm officially saying, "Deploy or die."
You have to get the stuff into the real world for it to really count, and sometimes it will be large companies, and Nicholas can talk about satellites.
Thank you.
But we should be getting out there ourselves and not depending on large institutions to do it for us.
So last year, we sent a bunch of students to Shenzhen, and they sat on the factory floors with the innovators in Shenzhen, and it was amazing.
What was happening there was you would have these manufacturing devices, and they weren't making prototypes or PowerPoints.
They were fiddling with the manufacturing equipment and innovating right on the manufacturing equipment.
The factory was in the designer, and the designer was literally in the factory.
And so what you would do is, you'd go down to the stalls and you would see these cell phones.
So instead of starting little websites like the kids in Palo Alto do, the kids in Shenzhen make new cell phones.
They make new cell phones like kids in Palo Alto make websites, and so there's a rainforest of innovation going on in the cell phone.
What they do is, they make a cell phone, go down to the stall, they sell some, they look at the other kids' stuff, go up, make a couple thousand more, go down.
Doesn't this sound like a software thing?
It sounds like agile software development, A/B testing and iteration, and what we thought you could only do with software kids in Shenzhen are doing this in hardware.
My next fellow, I hope, is going to be one of these innovators from Shenzhen.
And so what you see is that is pushing innovation to the edges.
We talk about 3D printers and stuff like that, and that's great, but this is Limor.
She is one of our favorite graduates, and she is standing in front of a Samsung Techwin Pick and Place Machine.
This thing can put 23,000 components per hour onto an electronics board.
This is a factory in a box.
So what used to take a factory full of workers working by hand in this little box in New York, she's able to have effectively — She doesn't actually have to go to Shenzhen to do this manufacturing.
She can buy this box and she can manufacture it.
So manufacturing, the cost of innovation, the cost of prototyping, distribution, manufacturing, hardware, is getting so low that innovation is being pushed to the edges and students and startups are being able to build it.
This is a recent thing, but this will happen just like it did with software.
Sorona is a DuPont process that uses a genetically engineered microbe to turn corn sugar into polyester.
It's 30 percent more efficient than the fossil fuel method, and it's much better for the environment.
Genetic engineering and bioengineering are creating a whole bunch of great new opportunities for chemistry, for computation, for memory.
We will probably be doing a lot, obviously doing health things, but we will probably be growing chairs and buildings soon.
The problem is, Sorona costs about 400 million dollars and took seven years to build.
It kind of reminds you of the old mainframe days.
The thing is, the cost of innovation in bioengineering is also going down.
This is desktop gene sequencer.
It used to cost millions and millions of dollars to sequence genes.
Now you can do it on a desktop like this, and kids can do this in dorm rooms.
This is Gen9 gene assembler, and so right now when you try to print a gene, what you do is somebody in a factory with pipettes puts the thing together by hand, you have one error per 100 base pairs, and it takes a long time and costs a lot of money.
This new device assembles genes on a chip, and instead of one error per 100 base pairs, it's one error per 10,000 base pairs.
In this lab, we will have the world's capacity of gene printing within a year, 200 million base pairs a year.
from transistor radios wrapped by hand to the Pentium.
This is going to become the Pentium of bioengineering, pushing bioengineering into the hands of dorm rooms and startup companies.
So it's happening in software and in hardware and bioengineering, and so this is a fundamental new way of thinking about innovation.
It's a bottom-up innovation, it's democratic, it's chaotic, it's hard to control.
It's not bad, but it's very different, and I think that the traditional rules that we have for institutions don't work anymore, and most of us here operate with a different set of principles.
One of my favorite principles is the power of pull, which is the idea of pulling resources from the network as you need them rather than stocking them in the center and controlling everything.
So in the case of the Safecast story, I didn't know anything when the earthquake happened, but I was able to find Sean who was the hackerspace community organizer, and Peter, the analog hardware hacker and Dan, who built the Three Mile Island monitoring system after the Three Mile Island meltdown.
And these people I wouldn't have been able to find beforehand and probably were better that I found them just in time from the network.
I'm a three-time college dropout, so learning over education is very near and dear to my heart, but to me, education is what people do to you and learning is what you do to yourself.
And it feels like, and I'm biased, it feels like they're trying to make you memorize the whole encyclopedia before they let you go out and play, and to me, I've got Wikipedia on my cell phone, and it feels like they assume you're going to be on top of some mountain all by yourself with a number 2 pencil trying to figure out what to do when in fact you're always going to be connected,
you're always going to have friends, and you can pull Wikipedia up whenever you need it, and what you need to learn is how to learn.
In the case of Safecast, a bunch of amateurs when we started three years ago, I would argue that we probably as a group about how to collect data and publish data and do citizen science.
Compass over maps.
So this one, the idea is that the cost of writing a plan or mapping something is getting so expensive and it's not very accurate or useful.
So in the Safecast story, we knew we needed to collect data, we knew we wanted to publish the data, and instead of trying to come up with the exact plan, we first said, oh, let's get Geiger counters.
Oh, they've run out.
Let's build them. There aren't enough sensors.
Okay, then we can make a mobile Geiger counter.
We can drive around. We can get volunteers.
We don't have enough money. Let's Kickstarter it.
We could not have planned this whole thing, but by having a very strong compass, we eventually got to where we were going, and to me it's very similar to agile software development, but this idea of compasses is very important.
So I think the good news is that even though the world is extremely complex, what you need to do is very simple.
I think it's about stopping this notion that you need to plan everything, you need to stock everything, and you need to be so prepared, and focus on being connected, always learning, fully aware, and super present.
So I don't like the word "futurist."
I think we should be now-ists, like we are right now.
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タスマニアデビルの事例によって ガンは感染する可能性があるだけではなく 種の存続を脅かす可能性があることも 明らかとなりました
まず タスマニアデビルとは何でしょう?
クルクル回るアニメキャラのタズを
ご存知の方も多いでしょう しかし実際に世界最大の肉食有袋類の タスマニアデビルという動物が存在することを 知っている方は多くありません 有袋類とはカンガルーのように
腹部に袋をもつ哺乳類です タスマニアデビルという名前は 夜に発する恐ろしい叫び声に由来しています
タスマニアデビルは清掃動物で 強力なあごと 鋭い歯で 動物の腐った死骸をかみ砕きます
タスマニアデビルはオーストラリア南部に 位置するタスマニア島という 小さな島だけに生息しています
凶暴な外見にもかかわらず タスマニアデビルは実際は 愛らしい小さな動物です
実際タスマニアで育った私も 野生のタスマニアデビルに 出会った時は いつも 本当に興奮したものです
しかしタスマニアデビルの数は ものすごい勢いで減少しています
実際に20〜30年以内に 野生のタスマニアデビルが絶減するのではと 懸念されています
この原因は ある感染性のガンの 出現です
始まりは 1996年に 野生動物の写真家が撮った 顔に大きな腫瘍のある タスマニアデビルの写真でした
当時は偶発的なものと考えられていました
動物にも人間同様に 奇怪な腫瘍ができることがあります
しかし私たちは これこそが現在タスマニアで蔓延している 新型のガンの最初の事例であったと確信しています
この病気は1996年に タスマニア北東部で初めて確認されて以来 大きな波のようにタスマニア中に広がりました
現在感染せずに残っているデビルは ほんの一握りです
タスマニアデビルがこのガンを発症すると 通常 顔面もしくは口内に 腫瘍ができます
これらの腫瘍は この写真のように 大きくなってしまいます
次にお見せする写真は 本当にひどいものです
これらの腫瘍は否応なしに このように大きな潰瘍性の腫瘍に進行するのです
これは私が実際に 目にした初めての事例だったので 特に印象に残っています
悪臭を放つ潰瘍性巨大腫瘍のために 下あごが外れてしまった このメスデビルを 目の当たりにした恐怖は今でも覚えています
何日も物は食べていません
内臓は寄生虫でいっぱいでした
腫瘍は体中に転移しています
それでも彼女は小さな3匹の赤ん坊に 母乳を与えていました
もちろん赤ん坊も死んでしまいました
幼すぎて母親なしでは生き残れなかったのです
このメスが生息していた地域では 90%以上のタスマニアデビルが この病気で死んでしまっています
タスマニアデビルを襲う この感染性のガンに 世界中の科学者たちが 大変な興味を示しました
私達はすぐにウィルスで感染する 子宮頚ガンや 色々なガンと関連のある AIDSの流行のことを考えました 状況から このガンがウィルスによって
感染しているように思われたからです しかしウイルス感染症でないことが
今ではわかっています 実はこのガンの感染源は 思いもしなかった 恐ろしいものでした
この原因を説明するために まずガン自体について もう少しお話しなくてはいけません
ガンは世界規模で毎年 何百万人もが発症する疾病です
この部屋にいる方の 3分の1は いつかガンにかかるでしょう
私自身は14歳の時 大腸の腫瘍を摘出しました ガンは 遺伝子内で 突然変異を生じた 1つの細胞がガン化し 次々に増殖することで
発生します 自然選択は適者生存のはずですが おかしなことにこれが 増殖するガンに対して
有利に働いてしまうのです
増殖力の高いガン細胞の一つが 一つ突然変異すると それは より効果的に栄養を吸収し 増殖力が増します その細胞は自然選択の対象となり 体中に一層蔓延するのです このようにガンは自然選択を通じ進化するので
治療が難しいのです
薬物を投与しても 耐性細胞を成長させるだけです
驚くことに 適切な環境と栄養があれば ガンは永遠に 成長することが可能なのです
しかしガンは生物の身体を 離れることはできません ガンが増殖を続けて 体中の組織を むしばんでしまえば 患者の身体もガンそのものも
死んでしまうのです ガンは短命で奇妙な 自減的側面を持つ進化論的−
行き詰まりとでも言えましょう しかしガンが 驚くべき進化の適応を果たしたのが
タスマニアデビルの事例だったのです DNAを解析することで
この謎が解けました 多くの人との共同研究ですが 私が数年前に行った 確認実験を通して説明します 次のスライドは悲惨です
これはジョナスです
私達の発見した 顔に大きな腫瘍ができた タスマニアデビルです
私は遺伝学者として DNAや突然変異の分析には興味があります
この機会にジョナスの顔の腫瘍と 身体からいくらか サンプルを取りました
研究所に持ち帰って
ここからDNAを抽出しました
ジョナスの顔にできた腫瘍のDNAと 身体から採取したDNAを 比較してみると 遺伝子プロファイルは全く異なっていました
事実 ジョナスと 彼にできた腫瘍は 皆さん自身と 皆さんの隣に座っている人ほど違っていました
つまりジョナスの腫瘍は 自身の体内で生成されたものではなかったのです
更に遺伝子プロファイルを分析していくと ジョナスの腫瘍はおそらく まずメスのデビルから 生じたものだと判明しました ジョナスは明らかにオスなのに
ではなぜ他の個体で 生まれたガンがジョナスの顔で
増殖していたのでしょうか? 何百ものデビルのガンを 分析していると 重大なことが判明しました
全てのガンが 同じDNAを共有していたのです
少し考えて下さい
つまり一匹のデビルから 発症したガンが その個体を離れた後 タスマニア全土のデビルへ 広がっていったということです
しかし感染は どのように拡大したのでしょうか
野生のデビルの行動特性を 思い返し 最後の謎が解けました 彼らはお互いを 特に顔を
激しくかじる癖があります その時 腫瘍から落ちたガン細胞が 唾液から流入するのだと思います
かじった時に 生きたガン細胞が別の個体に いわば移植され 腫瘍が生き続けるのです
このタスマニアデビルガンは 究極のガンかもしれません
突然変異することで 免疫システムを侵略し 発症した個体外へも拡大を続けます 私達の知る限り 種を全滅させ得る唯一のガンです
しかしタスマニアデビル以外の 動物になぜこの現象は 見られなかったのでしょうか?
実は既に起こっているのです
これはケニアのムンバサの
家族が飼っている犬 キンボです
昨年 股の部分から 出血していることに飼い主が気づきました 獣医に連れて行くと ひどいものが見つかりました
血を見るのがいやな人は目をそらしてください
キンボのペニスの付け根には 出血している 巨大な腫瘍があったのです
獣医の診断では性交を介して 感染する犬に特有の ガンということでした
このガンもタスマニアデビルの事例のように 生きたガン細胞の伝播で 感染するものです
驚くべきはこのガンが 世界中に広まったことです
実際にキンボが感染したのと 同じガン細胞が ニューヨーク市や ヒマラヤ山脈の山村部 またオーストラリアの
奥地にいる犬にも 見つかっているのです 大昔から存在しているのでしょう
遺伝子指紋法によると このガンは何万年も前から存在しており ネアンデルタール人の時代の オオカミの体内で 発症したものである 可能性もあるのです
驚くべきことです
知りうる限り哺乳類から派生した最古の生命体です
まさに現代に 生きる化石なのです
動物には見られたように
ガンは人間の間でも感染するのでしょうか?
この疑問に大きな関心を 寄せたのが1950年代の
腫瘍学者 チェスター・サウザンでした 彼は赤の他人のガンを 人に植え付けるという実験を
行うことにしました これは1957年 オハイオ州刑務所の 囚人であった志願者に サウザン医師が
ガンを注射している写真です この実験で ガンに感染した人は
わずかに数えるのみでした 彼らの免疫力は 低下しておりいずれにせよ 近々何か病気を患ったことでしょう
この実験からわかるのは 道徳の問題は さておいて
人間の間でのガン感染は 非常に珍しいということです
しかしある条件下では 感染する可能性もあります
このことは これから 腫瘍学者や疫学者に 考慮してほしいことです
最後に ガンになるのを防ぐ事は 細胞の分裂能力と 環境適応能力からして
不可能です だからといってガンに 屈服する必要はないのです
実際 ガン成長の 複雑な進化の過程を解析することで ガンを撲滅することができると思っています
私個人の目標は このタスマニアデビルのガンに打ち勝つことです
彼らがこのガンで 絶滅する最初の動物になるのを 私達の手で防ぎましょう
ありがとうございました | The Tasmanian devil has shown us that, not only can cancer be a contagious disease, but it can also threaten an entire species with extinction.
So first of all, what is a Tasmanian devil?
Many of you might be familiar with Taz, the cartoon character, the one that spins around and around and around.
But not many people know that there actually is a real animal called the Tasmanian devil, and it's the world's largest carnivorous marsupial.
A marsupial is a mammal with a pouch like a kangaroo. The Tasmanian devil got its name from the terrifying nocturnal scream that it makes.
The Tasmanian devil is predominantly a scavenger, and it uses its powerful jaws and its sharp teeth to chomp on the bones of rotting dead animals.
[The] Tasmanian devil is found only on the island of Tasmania, which is that small island just to the south of the mainland of Australia.
And despite their ferocious appearance, Tasmanian devils are actually quite adorable little animals.
In fact, growing up in Tasmania, it always was incredibly exciting when we got a chance to see a Tasmanian devil in the wild.
But the Tasmanian devil population has been undergoing a really extremely fast decline.
And in fact, there's concern that the species could go extinct in the wild within 20 to 30 years.
And the reason for that is the emergence of a new disease, a contagious cancer.
The story begins in 1996 when a wildlife photographer took this photograph here of a Tasmanian devil with a large tumor on its face.
At the time, this was thought to be a one-off.
Animals, just like humans, sometimes get strange tumors.
However, we now believe that this is the first sighting of a new disease, which is now an epidemic spreading through Tasmania.
The disease was first sighted in the northeast of Tasmania in 1996 and has spread across Tasmania like a huge wave.
Now there's only a small part of the population, which remains unaffected.
This disease appears first as tumors, usually on the face or inside the mouth of affected Tasmanian devils.
These tumors inevitably grow into larger tumors, such as these ones here.
And the next image I'm going to show is quite gruesome.
But inevitably, these tumors progress towards being enormous, ulcerating tumors like this one here.
This one in particular sticks in my mind, because this is the first case of this disease that I saw myself.
And I remember the horror of seeing this little female devil with this huge ulcerating, foul-smelling tumor inside her mouth that had actually cracked off her entire lower jaw.
She hadn't eaten for days.
Her guts were swimming with parasitic worms.
Her body was riddled with secondary tumors.
And yet, she was feeding three little baby Tasmanian devils in her pouch.
Of course, they died along with the mother.
They were too young to survive without their mother.
In fact, in the area where she comes from, more than 90 percent of the Tasmanian devil population has already died of this disease.
Scientists around the world were intrigued by this cancer, this infectious cancer, that was spreading through the Tasmanian devil population.
And our minds immediately turned to cervical cancer in women, which is spread by a virus, and to the AIDS epidemic, which is associated with a number of different types of cancer.
All the evidence suggested that this devil cancer was spread by a virus.
However, we now know -- and I'll tell you right now -- In fact, the infectious agent of disease in this cancer is something altogether more sinister, and something that we hadn't really thought of before.
But in order for me to explain what that is, I need to spend just a couple of minutes talking more about cancer itself.
Cancer is a disease that affects millions of people around the world every year.
One in three people in this room will develop cancer at some stage in their lives.
I myself had a tumor removed from my large intestine Cancer occurs when a single cell in your body acquires a set of random mutations in important genes that cause that cell to start to produce more and more and more copies of itself.
Paradoxically, once established, natural selection actually favors the continued growth of cancer.
Natural selection is survival of the fittest.
And when you have a population of fast-dividing cancer cells, if one of them acquires new mutations, which allow them to grow more quickly, acquire nutrients more successfully, invade the body, they'll be selected for by evolution.
That's why cancer is such a difficult disease to treat.
Throw a drug at it, and resistant cells will grow back.
An amazing fact is that, given the right environment and the right nutrients, a cancer cell has the potential to go on growing forever.
However cancer is constrained by living inside our bodies, and its continued growth, and eating away at our tissues, leads to the death of the cancer patient and also to the death of the cancer itself.
So cancer could be thought of as a strange, short-lived, self-destructive life form -- an evolutionary dead end.
But that is where the Tasmanian devil cancer has acquired an absolutely amazing evolutionary adaptation.
And the answer came from studying the Tasmanian devil cancer's DNA.
This was work from many people, but I'm going to explain it through a confirmatory experiment The next slide is going to be gruesome.
This is Jonas.
He's a Tasmanian devil that we found with a large tumor on his face.
And being a geneticist, I'm always interested to look at DNA and mutations.
So I took this opportunity to collect some samples from Jonas' tumor and also some samples from other parts of his body.
I took these back to the lab.
I extracted DNA from them.
And when I looked at the sequence of the DNA, and compared the sequence of Jonas' tumor to that of the rest of his body, I discovered that they had a completely different genetic profile.
In fact, Jonas and his tumor were as different from each other as you and the person sitting next to you.
What this told us was that Jonas' tumor did not arise from cells of his own body.
In fact, more genetic profiling told us that this tumor in Jonas actually probably first arose from the cells of a female Tasmanian devil -- and Jonas was clearly a male.
a tumor that arose from the cells of another individual is growing on Jonas' face?
Well the next breakthrough came from studying hundreds of Tasmanian devil cancers from all around Tasmania.
We found that all of these cancers shared the same DNA.
Think about that for a minute.
That means that all of these cancers actually are the same cancer that arose once from one individual devil, that have broken free of that first devil's body and spread through the entire Tasmanian devil population.
But how can a cancer spread in a population?
Well the final piece of the puzzle came when we remember how devils behave when they meet each other in the wild.
They tend to bite each other, often quite ferociously and usually on the face. We think that cancer cells actually come off the tumor, get into the saliva.
When the devil bites another devil, it actually physically implants living cancer cells into the next devil, so the tumor continues to grow.
So this Tasmanian devil cancer is perhaps the ultimate cancer.
It spreads through the population, has mutations that allow it to evade the immune system, and it's the only cancer that we know of that's threatening an entire species with extinction.
But if this can happen in Tasmanian devils, why hasn't it happened in other animals or even humans?
Well the answer is, it has.
This is Kimbo.
He's a dog that belongs to a family in Mombasa in Kenya.
Last year, his owner noticed some blood She took him to the vet and the vet discovered something quite disgusting.
And if you're squeamish, please look away now.
He discovered this, a huge bleeding tumor at the base of Kimbo's penis.
The vet diagnosed this as transmissible venereal tumor, a sexually transmitted cancer that affects dogs.
And just as the Tasmanian devil cancer is contagious through the spread of living cancer cells, so is this dog cancer.
But this dog cancer is quite remarkable, because it spread all around the world.
And in fact, these same cells that are affecting Kimbo here are also found affecting dogs in New York City, in mountain villages in the Himalayas and in Outback Australia.
We also believe this cancer might be very old.
In fact, genetic profiling tells that it may be tens of thousands of years old, which means that this cancer may have first arisen from the cells of a wolf that lived alongside the Neanderthals.
This cancer is remarkable.
It's the oldest mammalian-derived life form that we know of.
It's a living relic of the distant past.
So we've seen that this can happen in animals.
Could cancers be contagious between people?
Well this is a question which fascinated Chester Southam, a cancer doctor in the 1950s.
Ad he decided to put this to the test by actually deliberately inoculating people with cancer from somebody else.
And this is a photograph of Dr. Southam in 1957 injecting cancer into a volunteer, who in this case was an inmate in Ohio State Penitentiary.
Most of the people that Dr. Southam injected did not go on to develop cancer from the injected cells.
But a small number of them did, and they were mostly people who were otherwise ill -- whose immune systems were probably compromised.
What this tells us, ethical issues aside, is that ...
it's probably extremely rare for cancers to be transferred between people.
However, under some circumstances, it can happen.
And I think that this is something that oncologists and epidemiologists should be aware of in the future.
So just finally, cancer is an inevitable outcome of the ability of our cells to divide and to adapt to their environments.
But that does not mean that we should give up hope in the fight against cancer.
In fact, I believe, given more knowledge of the complex evolutionary processes that drive cancer's growth, we can defeat cancer.
My personal aim is to defeat the Tasmanian devil cancer.
Let's prevent the Tasmanian devil from being the first animal to go extinct from cancer.
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うーん、いい天気だ。ピカーンと青空が広がってピクニック日和である。
とかベルとかお馴染みのメンバーしかいないのだが、今回は大所帯、ティムの親衛隊総名が集まっていた。圧巻だね。
ティムの親衛隊と正式に会うのはこれが初めてだ。見たことがある奴もいればない奴もいる。歳代か代まで。
さすがティム、幅広い層から人気を得ているよ。
俺がティムに感心していると、バタバタと数人駆け寄ってくる。
はぁ~またか......。
「ティレア様、お目にかかれて嬉しゅうござる!」
「ティレア様、我が雄姿をご覧ください」
「ティレア様にどこまでも付き従う所存です」
「はは......私、あなた達に会ってみたかったのよね」
「「ははっ、もったいなきお言葉です!」」
さっきからこんなやり取りを何度も行っているのだ。
こいつらテンションが高すぎ!
親衛隊の皆が皆、俺を見るなりやんややんやと言葉をかけてくるのである。
だけが特別と思ったが、違った。類は友を呼ぶらしい。皆、いい線いってやがる。
「ふふ、お姉様にお会いして皆、士気が高まっております」
「そうみたいね。よっぽど私の技に興味があるのね」
「お姉様、我もぜひ空を切る技を拝見しとうございます」
「うっ。や、やってはみるけど......」
「我も近衛も楽しみにしてます」
そう、今回ベルガ平原に集まった目的は、邪神技のお披露目だ。親衛隊の皆が俺の技、特に邪神流刀殺法「ババン=ストレッシュ」をいたく気に入ったみたいなのだ。俺がこの前のお茶会で話した黒歴史を、ティム達が親衛隊に暴露......
するとどうだ!
私めも拝見したいとあれよあれよと希望が集まったそうだ。ぜひ実演してほしいってよ!
前世の黒歴史を他人に知られたくなかったから断ろうと思った。だけど、ティムがどうしてもってお願いするもんだから承諾してしまったのだ。ティムの熱意にほだされちゃったよ。本当、俺はティムに甘いんだよね。
「それではお姉様、この辺にしませんか?」
「そうだね。この辺なら人に見つからないよね?」
恥ずかしい黒歴史を見せるのだ。中二病でない人には見られたくはない。だから町を出てベルガ平原まで来たのだ。
「はっ。周囲は偵察済みです。情報漏れはありません。ティレア様は存分にお力をお使いください」
そう言ってベルが太鼓判を押した。確かに周囲は木々で囲まれているし、人っ子一人いない。ここなら誰にも見つからずに済みそうだ。
「そうね。ここにしましょう」
、そして親衛隊の皆が目を輝かせながら俺を見ている。
そんなに中二的な技を見たいか? お前ら、本当にこういうの好きだな!
まるで子供がデパートの屋上でヒーローショーを楽しみにしている感じだ。聞いたところ、親衛隊全員が数日前から楽しみで夜も眠れなかったそうである。
はぁ~君達、平和でいいね。俺なんてここ数日生きた心地がしなかったよ。何せ借金地獄でお店は危急存亡の時だったのだ。レミリアさんがいなければ一家離散。下手すれば俺とティムは奴隷商人に売られていたかもしれないのに......。
まぁ、借金の件は解決したと言ってあるからティム達が気にしていないのは当然といえば当然か。ただ、どういう風に解決したかは具体的に話していない。
だって、ワルモンの巣窟に殴りこみして借用書をびりびり破いてきたなんて言えやしないよ。もう終わったことだ。そんな物騒な話をしてむやみに怖がらせる必要はないのだから。
真実は俺の胸の内にしまっておく。あの時、ティムは店ごと吹き飛ばすなんて強がっていたけど内心は怖かっただろうしね。レミリアさんが警備に突き出したおかげで、奴らは当分シャバには戻ってこられない。もうお店に脅威はないのだ。
あっ! それもティムに伝えないとね。もしかしたら奴らが戻ってくることを内心怯えているかもしれない。
「ティム言い忘れていたけど、この前の奴らはもう店には来ないから。安心していいからね」
「お姉様、奴らとは?」
「ほら、この前、借金の件でお店に来た嫌な奴らのことだよ」
「あぁ。お姉様に無礼を働いた奴らでしたらまとめてガルガンのエサにしてやりました。取り残しはありません」
「そ、そっか......ガルガンのエサね。ま、まぁ、ティムが気にしていないのならこの件は終わりにしましょう」
「いえ、一つだけ気にしています」
「やっぱり! ティム大丈夫だからね」
「お姉様が大丈夫でも我は許せません。奴らの首魁を楽に殺してしまいました」
「へ、へぇ~どんな感じで?」
「奴はカミーラ様の魔弾で跡形もなく消え去りました」
がティムの中二言語に乗っかってくる。こういう会話でも素早く中二的フォローができるのはある意味尊敬するよ。
「跡形もなくねぇ~」
「はい。我は考えうる最大限の方法で残酷に殺してやるつもりでしたが、奴があまりに小賢しい真似をするので思わずやってしまったのです」
「まったく、死する時でも無礼な奴でしたな」
「うむ。奴は殺しても飽き足りぬ」
「よ、よし、問題ないわ。ティム」
は二人で口惜しそうに話す。なるほど、そんな強がりを言えるならトラウマにはなっていないようね。
良かった。良かった。良かった......よね?
うん、そうだ中二的言動は別問題だ。
「それじゃあ、始めるわよ」
「お姉様、実演にあたりぜひ立ちあわせたい者がいます。よろしいですか?」
「う、うん」
あぁそういえば親衛隊にも凄腕の剣士がいるとか言ってたね。
そいつか?
確か名前はミュッヘンで
「ミュッヘン、お許しが出たぞ!」
親衛隊の列から一人の男が進み出てきた。歳は六十代か。その顔に刻まれた皺は苦労人を思わせる。中二病には見えない。
「ティレア様、お初にお目にかかる。ミュッヘン・ボ・エレトと申します」
「あなたがミューね。なんでも親衛隊随一の剣士だとか?」
「いえ、あっしはそれほどの者ではございません」
おっ、謙虚な奴だ。親衛隊は中二病で大言壮語を吐く奴らしかいないと思っていた。いい意味で予想を裏切る展開である。これは好感が持てるぞ。
「それじゃあ、ちょっと手合わせしてみる?」
うん、言動が常識ある大人っぽい。中二病じゃない実はやり手の剣士とか?
ま、まさかね......。
の遊び仲間だ。期待を持つだけ損というもの。こいつも中二病と思っていたほうが良い。
中二病患者ならエセ剣士だ。素人同士、木の棒でちょこちょこっとお互いを打ち合えばいいだろう。たまに技名を言ってお茶をにごせばいいしね。
「ティレア様、それではこの得物をお使いください」
「は、はい?」
は刀身艶やかな見事な剣を渡してくる。
はは、やっぱり銃刀法違反がないから手軽に手に入るんだ。
ったく、この世界に竹刀があるとは思っていないが真剣はないだろぉお――ッ!
無理無理無理! お前、冗談じゃないぞ。死ぬからまじで! だから中二病が過ぎるのは嫌なんだ!
「ちょっとニール、こんなもの使ったらいくらなんでも死ぬわよ!」
「こ、これは考えが足らず申し訳ありません」
は恐縮して答える。いくら中二病だからってふざけすぎるのは問題だよ。でも、どうやらわかってはくれたようね。
「それではこれをどうぞ」
はしらっと木刀を渡してくる。みるからに硬そうな材質だ。
樫の木か、これ?
叩かれたら頭がザクロになりそうだね。
「真剣などを渡してティレア様が大事な部下を殺してしまうところでした」
「あ、あのねぇ、あなたはふざけているの?」
「い、いえ、決してそのような......」
「いいや、ふざけてる!」
おい、木刀でもまともにくらえば死ぬこともあるんだぞ!
何故、俺だけ武器レベルを下げなきゃならない!
お前、本当に舐めてるね。もしかして日頃の恨みを晴らそうと思っているのか?
「ふふ、お姉様は木刀でもミュッヘンを殺してしまうとおっしゃっているのだ」
「そうでした。ティレア様はそれほどのお力でした」
いやいや何言っているのティム、お姉ちゃんを殺す気なの? 相手は真剣を持っているんだよ。
「どれ、これくらいが適当ではございませんか?」
ティムは適当な小枝を俺に渡してくる。
これ......今にもポキリと折れそうだよ。
え!? これでどうしろと?
ティムに抗議の目を向ける。だが、ティムは信じてやまない尊敬のまなざしで俺を見つめ返してくる。
き、期待している。ティムが期待の目で俺を見ている。この目は尊敬されているお姉ちゃんとして裏切れない。
「ふっ。これでも手加減しないといけないけどね」
「さすがです、お姉様。ミュッヘンは近衛隊随一の剣士。その剣技は六魔将ザンザにも引けを取りません。我は心躍っております!」
「くっあっはっはは。さすがは我が主でいらっしゃる。これほどのハンデをもらっちゃ、是が非でも一本とってみたいですなぁ」
あぁ、まったく俺って奴は全然成長していないよ。なんで調子にのるかねぇ。ティムに期待されると裏切れない。こうなればミューの良識に期待しよう。いくら中二病でも小枝持っている人に本気で斬りかからないよね? いや本当、命がかかっているから勘弁して欲しい。 | Hmmm, what good weather. The clear blue sky is perfect for a picnic.
Timu and I are at the Beruga Plains today. Normally I only ever talk to those I’m more familiar with like Pervert (Nielsen) or Bel, but this time almost members of Timu’s Praetorian Guard are gathered. It’s pretty amazing.
This is the first time I’m formally meeting with Timu’s Praetorian Guard. There are some I’ve seen before, and some I haven’t. Their ages range from their twenties to their fifties...
As expected of Timu. She’s popular across the board.
While I was admiring Timu, I heard a few people running towards me.
Hahh~ Again...?
“Lady Tilea, I am thrilled to meet you!”
“Lady Tilea, please observe our gallantry.”
“Lady Tilea, I shall follow you to the ends of the earth.”
“Haha... I wanted to try meeting you guys again too.”
““Milady, we are not worthy of your words!””
This kind of exchange has been repeating for a while now.
These guys are way too excited!
Every single one of them, the moment they see me, they excitedly come over to talk to me.
And each and every one of them speaks like a chuunibyou. Honestly, they should feel embarrassed at their age. I thought Pervert (Nielsen) was just a special case, but I was wrong. Apparently birds of a feather flock together. All of them are the same damn type.
“Huhu, everybody’s morale is rising because they were able to meet you, elder sister.”
“Looks like it. It seems they’re really interested in my techniques.”
“Elder sister, by all means, I too wish to see you cut apart the air.”
“Uu-, I-, I’ll try it, but...”
“Both I and the Household Guard are looking forward to it.”
Right. the reason everybody was gathered on Beruga Plains was because I was unveiling the Evil God Techniques. All the members of the Praetorian Guard were apparently really interested in my techniques, in particular my Evil God Style, Killing Sword Method “Baban Stresh”. The dark history that I talked about during tea time was disclosed to them by Timu...
And look what happened!
Apparently the requests to see my techniques kept piling up. They said they really wanted to see me demonstrate!
I was thinking that I didn’t want to let other people know about the dark history from my previous life. But Timu begged me and wanted to see it no matter what, so I agreed. I was moved by her enthusiasm. Honestly, I really am too soft on Timu, aren’t I?
“Elder sister, how about this area?”
“Yeah. If it’s this place, then I won’t be spotted by other people, right?”
I’ll be showing my embarrassing dark history. I don’t want to be seen by anybody who isn’t a chuunibyou. That’s why I left town, and came all the way to Beruga Plains.
“Milady. We have finished scouting the surroundings. There will be no leak of information. Please use your power as much as you wish, Lady Tilea.”
Bel gave the stamp of approval for this place. It’s true that we’re hidden by the trees around us, and there isn’t a single person out here. If I do it here, I think I’ll get by without anybody else seeing.
“Right. Let’s go with this place.”
Timu, Pervert (Nielsen), and all the other members looked at me with sparkling eyes.
They want to see my chuuni techniques that badly? You guys really do like this stuff, don’t you!
It was like a bunch of children looking forward to a Hero Show on the roof of a department building. From what I hear, apparently the Praetorian Guard have been so excited that they couldn’t sleep these last few days.
Hahh~ You guys sure are carefree. I’ve been feeling so much dread recently that it felt like I was half-dead, you know? After all, our store was about to fall into a hell of a debt. If it wasn’t for Remilia, our family would’ve broken apart. Had things gone badly, Timu and I might have even been sold to a slave merchant...
But well, I did tell them that the debt issue was resolved, so I guess you could say it’s quite natural that they aren’t paying it any attention. Only, I didn’t tell them specifically how we resolved it.
I mean, I can’t exactly say that we charged into a den of villains, beat them blue, and then tore the contract up, can I. It’s something in the past. There’s no need for me to pointlessly say it and scare them.
And so I’ll be locking the truth up in my heart. Although Timu said she would blow up the store and all that time, I’ll bet she was scared inside. Thanks to Remilia handing them over to the guards, they probably won’t be returning to the free world any time soon. They aren’t a threat to our shop anymore.
Ah-! I’d better let Timu know that. What if she’s actually still scared that they’ll come back.
“Timu, I forgot to mention, but those guys won’t be coming back to the store anymore. You can relax, okay?”
“Elder sister, by ‘those guys’, who do you mean?”
“Come on, those debt collectors that came to our store the other day.”
“Ahh, if you are speaking of those fellows who were rude to you, elder sister, they have already been given to Gargan as food. We did not leave any of them behind.”
“I-, I see... Gargan’s food, huh. W-, Well, as long as you aren’t worried, then let’s just call this an end.”
“No, there is one thing that worries me.”
“I knew it! Timu, it’s all right, okay?”
“Even if you forgive this, elder sister, I cannot. I ended up letting off their leader with an easy death.”
“O-, Ohh~? What was it like?”
“Lady Camilla’s magic bullets blew them away without a trace.”
Pervert (Nielsen) joined the conversation to get onboard on Timu’s chuunibyou. In a way, I respect him for being able to so quickly follow up chuuni fantasies.
“Without a trace, huh~”
“Yes, elder sister. I had intended on thinking up the cruelest possible way of killing him, but because he was too sneaky, I accidentally ended him.”
“Truly a rude fellow even to his death.”
“Umu. I am unsatisfied even after killing him.”
“R-, Right. It’s not a problem, Timu.”
Timu and Pervert (Nielsen) had begun speaking frustratedly. I see. If she can act tough like that, then there probably isn’t any trauma, right?
Thank goodness, thank goodness. It ended well... right?
Mn, right. Her chuunibyou is a different issue.
“Well then, I’ll start.”
“Elder sister, there is a certain guard who would like to clash swords with you by all means. Will that be all right?”
“M-, Mmn.”
Aahh, speaking of which, they did mention something about the Praetorian Guard having a talented swordsman, didn’t they.
Is that the guy?
If I remember correctly, Pervert (Nielsen) said that his name was Mühen, and he was an honest warrior.
“Mühen, you have permission!”
A man came out from the queue of guards. He looked to be in his sixties I guess. With all the wrinkles on his face, he looked like he had been through a lot. He doesn’t seem like a chuunibyou.
“Lady Tilea, it is an honor to meet you. This one is named Mühen.”
“So you’re Myuu. Apparently you’re the best swordsman in the Praetorian Guard or something?”
“No, this one is nothing so special.”
Oh! A humble one. I thought that the Praetorian Guard was nothing but chuuni braggarts. It’s a sudden development that surprised me in a good way. I’ve got a good impression of him now.
“Well then, shall we spar a little?”
Mn, he’s behaving like a proper, sensible adult. Maybe he isn’t a chuunibyou, and really is a sword expert?
N-, No way, right...?
After all, he’s still just Pervert (Nielsen)’s playmate. I’ll have lost just by having any expectations. It would be better just to think of him as a chuunibyou as well.
If he’s a chuunibyou patient, then naturally he’s a fake swordsman. Since we’re both amateurs, I suppose it’ll be fine as long as we collide some branches together for a bit. And once in a while shout out technique names for flavor too, right?
“Well then, Lady Tilea, please use this weapon.”
“S-, Sorry?”
Pervert (Nielsen) handed me a splendid and bewitching blade.
Haha, so it really is easy to get a hold on these without a swords and firearms law.
Honestly, I didn’t think that this world would have bamboo swords, but YOU OBVIOUSLY WOULDN’T USE REAL SWORDS, RIGHTTT!?
I can’t, I can’t, I can’t! This isn’t a joke, you know. I’ll die, you know! Seriously! This is why I hate out-of-control chuunibyou!
“Hey! Niel, If (we) use something like this, (we’ll) die!”
“M-, My deepest apologies for my lack of thought.”
Pervert (Nielsen) apologized in shame. Even if he’s a chuunibyou, it’ll be a problem if he f̲u̲c̲k̲s̲ around too much. But thankfully it seems that he understood. It looks like Pervert (Nielsen) matured a little as well.
“Well then, please use this.”
Pervert (Nielsen) casually handed me a wooden sword. You can tell it’s hard just by looking at it.
Is this oak wood?
I’m pretty sure it would break your head like a pomegranate.
“Due to my error in handing over a live blade, Lady Tilea almost killed a precious subordinate.”
“S-, Seriously, are you still joking around?”
“N-, No, by no means am I...”
“No, you still are!”
Oi, if you get in a clean strike with a wooden sword, you can even kill people, you know!
Or rather, isn’t Myuu still using a real oneeee!? Why am I the only one getting downgrades!?
You’re definitely making fun of me. Could this be your revenge for when I scold you normally?
“Huhu, elder sister is saying that even with a wooden sword, she would end up killing Mühen.”
“I see. Lady Tilea was simply that powerful.”
Whoa, whoa, what are you saying, Timu? Are you trying to kill big sis? Myuu is holding a real sword, you know.
“Hmm, would something of this level be acceptable?”
Timu handed me some random twig.
This... looks like it would snap in an instant.
EH!? What are you telling me to do with this?
I looked at Timu in protest, but she returned a look of unceasing trust and respect.
E-, Expectations. Timu was looking at me expectantly. Big sis can’t betray her look of respect.
“Hmph. Even with this, I’ll still need to hold back.”
“As expected of elder sister. Mühen is the greatest swordsman in the Household Guard. His sword skills would not lose to even Demon General Zanza. My heart dances with excitement!”
“KUAHAHAHAHA. As expected of this one’s master. Now that you have taken such a handicap, he by all means wishes to get a strike in.”
Aaahhh, I really haven’t grown at all! Why the hell did I get on board with this? And I can’t betray Timu’s expectations. In that case, I’ll place my hopes on Myuu’s good sense. Even if he’s a chuunibyou, you normally wouldn’t slice for real at a person with a twig, right? No, seriously, my life depends on this, so please cut me some slack. | {
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つまり 創造力を使って食べているわけですが
それを仕事として活かす前から 創造力にずっと助けられて 生きてきました
小さい頃から絵を描くのが好きでした その頃 誰よりも尊敬していた アーティストは 母でした その頃 誰よりも尊敬していた アーティストは 母でした でも母はヘロイン中毒だったんです
親が麻薬中毒だと チャーリー・ブラウンが一生懸命 フットボールを蹴ろうとするのと同じで いくら がんばって 愛そうとしても 愛されたいと思っても 心を開くたびに失望させられるものです
子供の頃ずっと 母は刑務所に入っていて 父親もいませんでした 僕が6年生になるまで名前すら知らなかったんです
でも祖父母がいつも 側にいてくれました 母方の祖父母の ジョセフとシャーリーです 3歳になる頃に養子として引き取られ 実の子供のように迎え入れてくれました 実の子供5人も育てた後にです
この二人は世界大恐慌の時代に育ち 80代になったところで 新しい子供を引き取ったのです
コメディー番組のテコ入れに 突然 新しい親戚の子が登場するみたいな
ひょんなところからきた子供だったんです 祖父母はあまり細かい事は気にかけず
どちらも毎日 タバコ2箱ずつ吸うんです フィルターもつけずに 僕が6歳になる頃には カクテルなんか注文させてくれて ドライにツイスト ロック オンザ サイド 氷は別のコップにするのは もっとお酒が入るようにです
でもとても可愛がってくれました 本当に愛情一杯だったんです
創作に取り組むのを いつも支援してくれました 祖父も努力家だったからだと思います
工場を経営し そこで作業もし
祖母は専業主婦でした
でもそんな生活に トランスフォーマーやスヌーピー ニンジャ・タートルズに夢中な 子供がやってきたのです 僕は 本に出てくるキャラクターに のめり込み キャラクターを友達と思っていました
子供時代の親友は こういったキャラクターで 本の中から出てきたものです
マサチューセッツ州ウースターの ゲーツ・レーン小学校に通い 良い先生に恵まれました 特に1年生の時の アリッシ先生は特別でした
今でも先生の 僕ら生徒に対する愛情を覚えています 今でも先生の 僕ら生徒に対する愛情を覚えています
僕が3年生のとき 人生を変える事がありました
作家が学校に遊びに来たんです ジャック・ガントスという人です
本が出版されている プロの作家が来て 彼の仕事について話をしてくれました
話を聞いた後 教室に戻って 彼の本の主人公の絵を 自由に想像して描きました 「あくたれラルフ」という悪いネコです 自由に想像して描きました 「あくたれラルフ」という悪いネコです
すると突然 あの作家が教室にあらわれ 机の間をゆっくりと 黙って 一人ひとりの絵を見ながら 歩いて来ました
僕の机の横まで来ると 突然 ぴたっと足を止め 机をトントンと指で叩き こう言ったのです 「こりゃー いい猫だ」 そして また去って行きました
この二語が 僕の人生を変えてしまったのです
3年生を終える前に 初めて本を書きました 『だれよりも飛べると思ったフクロウ』です ギリシャ神話を書くという宿題で 伝説を作って書けと だから僕はフクロウの話を書きました 飛行レースでヘルメスに挑戦する話です フクロウは ズルをし ギリシャの神のヘルメスは怒り カンカンになって フクロウを月に変えてしまいます
フクロウは 残りの人生を月として生き 夜に家族や友達が遊ぶのを見ながら 人生を送ります
いいでしょう きちんと奥付のページもつくりました
著作権は大事だと 8歳ながら思っていましたので
この本は言葉と絵を使って書かれています 現在の僕の仕事そのものです 時には言葉だけに物語りをゆだね また 時には絵に物語を伝えさせます また 時には絵に物語を伝えさせます
特に気に入っているのがこの 「著者紹介」のページ
特に気に入っているのがこの 「著者紹介」のページ きちんと 三人称で 自分の紹介をしているんです 子供なのに
特に最後のところが気に入っています 「彼はこの本を書くのを楽しんだ」
いろいろ想像して書くのが 本当に楽しかったのを覚えています 「書く」とはそういう ものなんです
書くというのは紙上で 想像力を膨らませることですが 最近 学校を訪問して危機感を感じるのは 子供たちが 書くということが 想像力を使う事だとは 全く思いもしないということです 学校で文章を書く機会があればの話ですが
本を書くのが大好きで 学校から家に帰ると 紙を束ね ホッチキスでとめて 真っ白いページを 文と絵で埋めたものです 空想を膨らませるのが とにかく大好きだったんです
作ったキャラクターが 友達となり
卵やトマト レタスやかぼちゃ みんな冷蔵庫の街に住んでいます 冒険してオバケ屋敷に行くと そこには危険が沢山待ち受けています 粉々に切り刻もうとしてくる 悪のミキサーとか パンの夫婦を誘拐しようとする 悪のトースターとか 友達を熱で溶かそうとする 悪の電子レンジ その友達は 実はバターなんです
マンガも書きました 文と絵を使って違った形で 話を伝えるものです 文と絵を使って違った形で 話を伝えるものです
6年生になると ウースター学区全体の 美術の予算がカットされ ウースター学区全体の 美術の予算がカットされ
毎週あった美術の授業が 月2回になり 月1回 そして 遂には無くなってしまいました
祖父は頭がいい人で これは問題だと気が付いたのです これが無くなったら 僕には何もなくなってしまうと
スポーツはしないので 美術が唯一の楽しみでした
祖父は ある晩 僕の部屋に入って来ると ベッドの脇に座って 「ジャレット もし行きたかったら ウースター美術館の教室に 通うといい」
ほんとうに嬉しかったのを覚えています
その後 6年生から高校卒業まで 週に1回 2回 時には3回 美術館の教室に通いました 絵を描くのが好きな仲間に囲まれ 情熱を共有できる友人たちと過ごしました
初めて出版された作品は 中学の卒業アルバムの 表紙のデザインでした 初めて出版された作品は 中学の卒業アルバムの 表紙のデザインでした 学校のマスコットが なぜ こんな服を着ているかというと 当時 ベル・ビヴ・デヴォーやMCハマー バニラ・アイスにはまっていたからなんです 今でも カラオケに行って 「アイス、アイス、ベイビー」なら 歌詞を見ないで歌えます
のせないで下さい 歌っちゃいますから
卒業後は私立の高校に進学しました 中学まではずっと公立でしたが 地元の高校で誰かが刺されて殺されたのを なぜか祖父はとても気にして その学校には行かせたくなかったようです
私立に行くにあたって 選択肢をくれました
共学のホーリーネームか 男子校のセント・ジョンのどちらかです
さすが祖父です いかにも僕が選んだような気にさせて 僕がセイント・ジョンを選ばないだろうと はじめから分かっていたのです そんなわけでホーリーネームに進学しました 新しい学校に慣れるのには苦労しました スポーツはやらないと お話ししましたが この学校はスポーツが盛んだったんです でもシラール先生の 美術室が救いでした
そこで色々な事を学び 大きく成長しました
毎日 あの教室に行くのが楽しみでした
どうやって皆と友達になったかというと
先生達の面白い似顔絵を描いて 授業中に回したんです
高校1年の英語の授業中 隣に座っていた友達のジョンが うっかり大きな声で笑ってしまったんです
グリーンウッド先生は むっとしました
グリーンウッド先生は むっとしました 僕が問題の根源だとすぐにつきとめ 人生初めて廊下に出されました 「ああ どうしよう
おじいちゃんに叱られる」
先生は廊下に出てくると 「紙を見せろ」と
「やばい ばれた」と戸惑いながら
仕方なく描いていた絵を渡しました
数秒の沈黙の後 先生が口を開きました 「君 、才能があるぞ」 「実にうまい 学校の新聞が 漫画家を探しているんだ 君がなったらいい
でも 僕の授業中に絵を描くのは やめてくれ」
両親にもばれずに済み
怒られも しませんでした ケイシー先生に紹介されました 学校新聞の顧問です そこで卒業するまで 学校新聞のイラストを担当しました テーマはとても複雑なもの 例えば 上級生は意地悪だとか 新入生はダサイとか プロム行くのに なんてお金がかかるのか... 等です
校長先生の風刺もしました 連載ものも やりました 主人公はウェスリーが どうしようもない恋に落ちる話ですが これは僕ではないと 断言したのを覚えています でも 今言ってしまうと 実は僕自身の話だったんです
でも本当に楽しかった いろんな話を書いて 好きな事を思い付いて それが学校の新聞に載り 会った事もない人たちが 読んでいるんです
自分の考えを 印刷されたページで 伝えられるなんて 考えただけでも わくわくしました
14歳の誕生日に祖父と祖母が 最高のプレゼントをくれました 製図台で 今でも使っています
20年たった今でも 毎日その机に向かって 仕事をしているのです
14歳の誕生日の夜に この机をもらって 皆で中華料理を食べました
フォーチュンクッキーの中の紙には こんな運勢が書いてありました 「仕事で成功するでしょう」
この紙を机の左上に テープで貼りました ほら 今でもここにあるでしょう
祖父母には何かをねだった事はありません
実はふたつだけ... 偉大なるハムスターのラスティー 小学校4年生の時買ってもらって 長い良い人生を生きました
それから ビデオカメラ
どうしても欲しかったんです
クリスマスプレゼントに欲しいと 何回も頼んだ結果 中古のビデオカメラを買ってもらいました それでアニメーションを作り始め 自分で演出して 高校にいる間ずっと 自作のアニメーションを作ったものです
高校2年の時 英語の先生を説得して スティープン・キングの『ミザリー』の 感想文を書く代わりに 短いアニメーションを作りました 漫画も沢山描きました
漫画を よく描いていた頃 ウースター美術館で ある先生から人生で 最も大切な事を習いました
マーク・リンチという素晴らしい先生で 今でも親しくしてします 僕は14歳か15歳 漫画教室の半分ぐらいが経った頃 わくわくしながら授業に行きました
マーベル風コミックの描き方 という本を持って行ったんです スーパーヒーローの描き方や 女の人、筋肉の描き方 エックスマンでもスパイダーマンでも それらしく描く方法が載っていました エックスマンでもスパイダーマンでも それらしく描く方法が載っていました
それを見た先生の顔から 血の気が引くのがわかりました 僕の顔を見てこう言いました 「この本から習ったことは全部忘れなさい」
僕が戸惑っていると 「君はいいものを持っている
自分のスタイルを認め 他人の描き方を真似するな
自分のスタイルを貫いて 磨きをかけるんだ 君は本当に才能があるんだから」と 教えてくれました
十代の後半は誰でも 気にならない事が色々あるものですが 17年間 ヨーヨーの様に 僕の人生に出入りを 繰り返す母や 顔も知らない父を持ち 本当にムシャクシャしていました
17歳の時 初めて父に会い 同時に弟や妹がいる事を知りました
父に初めて会ったその日に ロードアイランド・デザイン学校から 不合格の通知を受け取りました 唯一 行きたいと思っていた 大学だったんです
そんな時 キャンプ・サンシャインで 一週間ボランティアとして働き すばらしい子供たちに出会いました 白血病の子供たちで エリックという子が僕の人生を変えました
エリックは6歳になる前に 亡くなりましたが 今でも僕の心の中に生きています
この経験と美術のシラール先生が 持ってきた絵本がきっかけで この経験と美術のシラール先生が 持ってきた絵本がきっかけで 「子供の絵本を作ろう!」と
子供向けの本を書き始めたのです 高校を卒業する年でした
後に ロードアイランド・デザイン学校 に合格し
2年生から編入し ものを書く事について 受けられる授業は全て受けました 在学中に巨大なオレンジナメクジの話を書きました ある子と友達になりたかったのに
のろいので 駄目だった話です
出版社 十数社に本を送ったのですが どの会社からも断られました その頃 ホール・イン・ザ・ウォール・ ギャング・キャンプという 重病の子供のためのキャンプでも働いていて その子たちが僕の本のファンでした 僕の作品を読み聞かせすると 喜んで聞いてくれたんです
RISDを卒業し 祖父母も喜んでくれました ボストンに引越し 作業場を整えました
スタジオを構え 出版されるよう努力しました
本を送ったり 編集者や美術監督者に 何百枚も絵葉書を送りました 本を送ったり 編集者や美術監督者に 何百枚も絵葉書を送りました でも返事は返ってきませんでした
祖父からは毎週電話がかかってきて 「ジャレット どうだい 仕事は見つかったかい?」と訊かれます
大学教育に 多額の投資をしてくれたので 心配して当然です
「仕事はあるよ 絵本を書いているんだ」
「でも 誰か金を払ってくれるのかい」
「まだ いないけれど そのうち
きっといつか成功するよ」
週末にはホール・イン・ザ・ウォールで働きました 起業にお金が必要だったんです キャンプには たいへん落ち着きのない子がいて 「おサル君」とあだ名をつけました 帰宅後『おやすみ、おサル君』 という 本を書き
これが最後と決め 出版社に絵葉書を送りました
すると ランダムハウスの編集者から メールが届きました タイトルに「ステキな作品ですね!」 びっくりマークつきです
「ジャレット様 絵葉書受け取りました
イラストが気に入ったので あなたのウエブページを見てみました お話も書くんですか? とても良いイラストで 何かストーリー性がありそうです
ニューヨークに来る機会があったら 是非ご連絡ください」
なんと ランダムハウスの児童書の編集者からです
翌週 ニューヨークに行く用事が「偶然」あったので 翌週 ニューヨークに行く用事が「偶然」あったので この編集者と会い 契約書を手にニューヨークから帰ってきました 『おやすみ、おサル君』は 2001年6月12日に出版されました
地元の新聞はこのニュースを賞賛し
地元の本屋は大騒ぎし
本は売り切れになりました
ハッピーな「お通夜」に来たみたい と友達が言いました 親族や知人が列に並び 僕に会いに集まっていたからです もちろん 死んでなんかいません 本にサインをしていたんです
祖父母は皆に取り囲まれ
とてもにこにこ 自慢げでした
アリッシ先生やシラール先生 ケイシー先生もいました
アリッシ先生は列に横入りして 先頭まで来ると 「読み方を教えたのは この私よ」と自慢しました その後 すごく嬉しい事がありました
心に残るファンレターの第一号をもらったんです この子は「おサル君」が大好きで 誕生日に「おサル君」のケーキを頼んだんです
2才にとっては 刺青を入れるくらい 深い意味があるでしょう 誕生日なんて1年に1回のものですから
それも たった2回目の特別なものです
この写真を見て思いました 「この出来事を永遠に覚えていてくれるだろう 家族のアルバムを見るたびに いつまでもこの写真があるのだから」
僕も写真を額に入れて目の前に飾り それを見ながら 何冊もの本を執筆しました
これまで出版した絵本は10冊になりました
『パンクファーム』 『バッグヘッド』 『紫色の象 オリー』
グラフィックノベルの 『 給食のおばさん』シリーズは 9冊目を描き終えたところです
給食のおばさんが 悪と戦う話です 低学年用の本 『カモノハシ警察隊: 鳴いたカエル』も もうすぐ出版されます
国中いろいろな学校を訪れ 沢山の子供に「いい猫だ」と伝えてきました
紙袋をかぶった 本物の バッグヘッドたちにも会いました
給食のおばさんは会うと とても親切にしてくれます
このように有名になれたこのは 子供たちのお陰です
『給食のおばさん』シリーズは 3・4年生向けの本のカテゴリーで 「今年最高の児童書」賞を2回 受賞しました 賞を取った作品は タイムズ・スクエアの 電光掲示板に映し出されるんです
『パンクファーム』と『給食のおばさん』は 映画化が進んでおり つまり僕は映画プロデューサーです あの高校1年のときにもらった ビデオカメラのお陰です あの高校1年のときにもらった ビデオカメラのお陰です
『パンクファーム』の誕生会や 『パンクファーム』のハロウィーンの仮装や 『パンクファーム』の子供部屋 こんな部屋で育った子は 将来どうなるのか ちょっと心配ですね
心に残るファンからの手紙をもらたり すごい作品をもらったりします 一番感動したのは 去年のハロウィーンの事です
ベルが鳴ってドアを開けると 仮装した子供たちがいました 僕の絵本のキャラクターに変装して うれしかったです
祖父母はすでに他界しましたが 祖父母を記念する奨学金を ウースター美術館に設立しました 難しい状況にある子供達で 授業を受けるお金もない 子供達のための基金です
美術館で展示会があり 十年間の作品が展示されました 誰が見に来てくれたと思います? アリッシ先生です
先生に「お元気ですか?」と訊ねると
「まだ 生きてるわよ」と答えが返ってきました そう まだお元気で なによりです
でも 何が 人生で最高かというと 今 一番大切な事は 父親となり かわいい娘が二人いるんですけれど 創造性を引き出す環境で 子供達を育てることなんです 家中どこの部屋にも本が置いてあります 子供部屋の壁には絵を描きました 庭のテラスに顔を描いて遊んだり ふとした瞬間に創作意欲がわくものです 庭のテラスに顔を描いて遊んだり ふとした瞬間に創作意欲がわくものです 僕が20年愛用している あの机で遊ばせたりもするんです
僕が20年愛用している あの机で遊ばせたりもするんです
ありがとうございました(拍手) | So I use my imagination as my full-time job.
But well before my imagination was my vocation, my imagination saved my life.
When I was a kid, I loved to draw, and the most talented artist I knew was my mother, but my mother was addicted to heroin.
And when your parent is a drug addict, it's kind of like Charlie Brown trying to kick the football, because as much as you want to love on that person, as much as you want to receive love from that person, every time you open your heart, you end up on your back.
So throughout my childhood, my mother was incarcerated and I didn't have my father because I didn't even learn his first name until I was in the sixth grade.
But I had my grandparents, my maternal grandparents Joseph and Shirley, who adopted me just before my third birthday and took me in as their own, after they had already raised five children.
So two people who grew up in the Great Depression, there in the very, very early '80s took on a new kid.
I was the Cousin Oliver of the sitcom of the Krosoczka family, the new kid who came out of nowhere.
And I would like to say that life was totally easy with them.
They each smoked two packs a day, each, nonfiltered, and by the time I was six, I could order a Southern Comfort Manhattan, dry with a twist, rocks on the side, the ice on the side so you could fit more liquor in the drink.
But they loved the hell out of me. They loved me so much.
And they supported my creative efforts, because my grandfather was a self-made man.
He ran and worked in a factory.
My grandmother was a homemaker.
But here was this kid who loved Transformers and Snoopy and the Ninja Turtles, and the characters that I read about, I fell in love with, and they became my friends.
So my best friends in life were the characters I read about in books.
I went to Gates Lane Elementary School in Worcester, Massachusetts, and I had wonderful teachers there, most notably in first grade Mrs. Alisch.
And I just, I can just remember the love that she offered us as her students.
When I was in the third grade, a monumental event happened.
An author visited our school, Jack Gantos.
A published author of books came to talk to us about what he did for a living.
And afterwards, we all went back to our classrooms and we drew our own renditions of his main character, Rotten Ralph.
And suddenly the author appeared in our doorway, and I remember him sort of sauntering down the aisles, going from kid to kid looking at the desks, not saying a word.
But he stopped next to my desk, and he tapped on my desk, and he said, "Nice cat." And he wandered away.
Two words that made a colossal difference in my life.
When I was in the third grade, I wrote a book for the first time, "The Owl Who Thought He Was The Best Flyer." We had to write our own Greek myth, our own creation story, so I wrote a story about an owl who challenged Hermes to a flying race, and the owl cheated, and Hermes, being a Greek god, grew angry and bitter, and turned the owl into a moon,
so the owl had to live the rest of his life as a moon while he watched his family and friends play at night.
Yeah. My book had a title page.
I was clearly worried about my intellectual property when I was eight.
And it was a story that was told with words and pictures, exactly what I do now for a living, and I sometimes let the words have the stage on their own, and sometimes I allowed the pictures to work on their own to tell the story.
My favorite page is the "About the author" page.
So I learned to write about myself in third person at a young age.
So I love that last sentence: "He liked making this book."
And I liked making that book because I loved using my imagination, and that's what writing is.
Writing is using your imagination on paper, and I do get so scared because I travel to so many schools now and that seems like such a foreign concept to kids, that writing would be using your imagination on paper, if they're allowed to even write now within the school hours.
So I loved writing so much that I'd come home from school, and I would take out pieces of paper, and I would staple them together, and I would fill those blank pages with words and pictures just because I loved using my imagination.
And so these characters would become my friends.
There was an egg, a tomato, a head of lettuce and a pumpkin, and they all lived in this refrigerator city, and in one of their adventures they went to a haunted house that was filled with so many dangers like an evil blender who tried to chop them up, an evil toaster who tried to kidnap the bread couple, and an evil microwave who tried to melt their friend who was a stick of butter.
And I'd make my own comics too, and this was another way for me to tell stories, through words and through pictures.
Now when I was in sixth grade, the public funding all but eliminated the arts budgets in the Worcester public school system.
I went from having art once a week to twice a month to once a month to not at all.
And my grandfather, he was a wise man, and he saw that as a problem, because he knew that was, like, the one thing I had. I didn't play sports.
I had art.
So he walked into my room one evening, and he sat on the edge of my bed, and he said, "Jarrett, it's up to you, but if you'd like to, we'd like to send you to the classes at the Worcester Art Museum."
And I was so thrilled.
So from sixth through 12th grade, once, twice, sometimes three times a week, I would take classes at the art museum, and I was surrounded by other kids who loved to draw, other kids who shared a similar passion.
Now my publishing career began when I designed the cover for my eighth grade yearbook, and if you're wondering about the style of dress I put our mascot in, I was really into Bell Biv DeVoe and MC Hammer and Vanilla Ice at the time. And to this day, I still can do karaoke to "Ice, Ice Baby" without looking at the screen.
Don't tempt me, because I will do it.
So I get shipped off to private school, K through eight, public schools, but for some reason at the local high school had been stabbed and killed, so he didn't want me to go there.
He wanted me to go to a private school, and he gave me an option.
You can go to Holy Name, which is coed, or St. John's, which is all boys.
I felt like I was making the decision on my own, and he knew I wouldn't choose St. John's, so I went to Holy Name High School, which was a tough transition because, like I said, I didn't play sports, and it was very focused on sports, but I took solace in Mr. Shilale's art room.
And I just flourished here.
I just couldn't wait to get to that classroom every day.
So how did I make friends?
I drew funny pictures of my teachers -- -- and I passed them around.
Well, in English class, in ninth grade, my friend John, who was sitting next to me, laughed a little bit too hard.
Mr. Greenwood was not pleased.
He instantly saw that I was the cause of the commotion, and for the first time in my life, I was sent to the hall, and I thought, "Oh no, I'm doomed.
My grandfather's just going to kill me."
And he came out to the hallway and he said, "Let me see the paper."
And I thought, "Oh no. He thinks it's a note."
And so I took this picture, and I handed it to him.
And we sat in silence for that brief moment, and he said to me, "You're really talented." "You're really good. You know, the school newspaper needs a new cartoonist, and you should be the cartoonist.
Just stop drawing in my class."
So my parents never found out about it.
I didn't get in trouble. I was introduced to Mrs. Casey, who ran the school newspaper, and I was for three and a half years the cartoonist for my school paper, handling such heavy issues as, seniors are mean, freshmen are nerds, the prom bill is so expensive. I can't believe how much it costs to go to the prom.
And I took the headmaster to task and then I also wrote an ongoing story about a boy named Wesley who was unlucky in love, and I just swore up and down that this wasn't about me, but all these years later it was totally me.
But it was so cool because I could write these stories, I could come up with these ideas, and they'd be published in the school paper, and people who I didn't know could read them.
And I loved that thought, of being able to share my ideas through the printed page.
On my 14th birthday, my grandfather and my grandmother gave me the best birthday present ever: a drafting table that I have worked on ever since.
Here I am, 20 years later, and I still work on this table every day.
On the evening of my 14th birthday, I was given this table, and we had Chinese food.
And this was my fortune: "You will be successful in your work."
I taped it to the top left hand of my table, and as you can see, it's still there.
Now I never really asked my grandparents for anything.
Well, two things: Rusty, who was a great hamster and lived a great long life when I was in fourth grade.
And a video camera.
I just wanted a video camera.
And after begging and pleading for Christmas, I got a second-hand video camera, and I instantly started making my own animations on my own, and all throughout high school I made my own animations.
I convinced my 10th grade English teacher to allow me to do my book report on Stephen King's "Misery" as an animated short. And I kept making comics.
I kept making comics, and at the Worcester Art Museum, I was given the greatest piece of advice by any educator I was ever given.
Mark Lynch, he's an amazing teacher and he's still a dear friend of mine, and I was 14 or 15, and I walked into his comic book class halfway through the course, and I was so excited, I was beaming.
I had this book that was how to draw comics in the Marvel way, and it taught me how to draw superheroes, how to draw a woman, how to draw muscles just the way they were supposed to be if I were to ever draw for X-Men or Spiderman.
And all the color just drained from his face, and he looked at me, and he said, "Forget everything you learned."
And I didn't understand. He said, "You have a great style.
Celebrate your own style. Don't draw the way you're being told to draw.
Draw the way you're drawing and keep at it, because you're really good."
Now when I was a teenager, I was angsty as any teenager was, but after 17 years of having a mother who was in and out of my life like a yo-yo and a father who was faceless, I was angry.
And when I was 17, I met my father for the first time, upon which I learned I had a brother and sister I had never known about.
And on the day I met my father for the first time, I was rejected from the Rhode Island School of Design, my one and only choice for college.
But it was around this time I went to Camp Sunshine to volunteer a week and working with the most amazing kids, kids with leukemia, and this kid Eric changed my life.
Eric didn't live to see his sixth birthday, and Eric lives with me every day.
So after this experience, my art teacher, Mr. Shilale, he brought in these picture books, and I thought, "Picture books for kids!"
and I started writing books for young readers when I was a senior in high school.
Well, I eventually got to the Rhode Island School of Design.
I transferred to RISD as a sophomore, and it was there that I took every course that I could on writing, and it was there that I wrote a story about a giant orange slug who wanted to be friends with this kid.
The kid had no patience for him.
And I sent this book out to a dozen publishers and it was rejected every single time, but I was also involved with the Hole in the Wall Gang Camp, an amazing camp for kids with all sorts of critical illnesses, and it's those kids at the camp that read my stories, and I read to them, and I saw that they responded to my work.
I graduated from RISD. My grandparents were very proud, and I moved to Boston, and I set up shop.
I set up a studio and I tried to get published.
I would send out my books. I would send out hundreds of postcards to editors and art directors, but they would go unanswered.
And my grandfather would call me every week, and he would say, "Jarrett, how's it going? Do you have a job yet?"
Because he had just invested a significant amount of money in my college education.
And I said, "Yes, I have a job. I write and illustrate children's books."
And he said, "Well, who pays you for that?"
And I said, "No one, no one, no one just yet.
But I know it's going to happen."
Now, I used to work the weekends at the Hole in the Wall off-season programming to make some extra money as I was trying to get my feet off the ground, and this kid who was just this really hyper kid, I started calling him "Monkey Boy," and I went home and wrote a book called "Good Night, Monkey Boy."
And I sent out one last batch of postcards.
And I received an email from an editor at Random House with a subject line, "Nice work!" Exclamation point.
"Dear Jarrett, I received your postcard.
I liked your art, so I went to your website and I'm wondering if you ever tried writing any of your own stories, because I really like your art and it looks like there are some stories that go with them.
Please let me know if you're ever in New York City."
And this was from an editor at Random House Children's Books.
So the next week I "happened" to be in New York. And I met with this editor, and I left New York for a contract for my first book, "Good Night, Monkey Boy," which was published on June 12, 2001.
And my local paper celebrated the news.
The local bookstore made a big deal of it.
They sold out of all of their books.
My friend described it as a wake, but happy, because everyone I ever knew was there in line to see me, but I wasn't dead. I was just signing books.
My grandparents, they were in the middle of it.
They were so happy. They couldn't have been more proud.
Mrs. Alisch was there. Mr. Shilale was there. Mrs. Casey was there.
Mrs. Alisch cut in front of the line and said, "I taught him how to read." And then something happened that changed my life.
I got my first piece of significant fan mail, where this kid loved Monkey Boy so much that he wanted to have a Monkey Boy birthday cake.
For a two-year-old, that is like a tattoo. You know? You only get one birthday per year.
And for him, it's only his second.
And I got this picture, and I thought, "This picture is going to live within his consciousness for his entire life. He will forever have this photo in his family photo albums."
So that photo, since that moment, is framed in front of me while I've worked on all of my books.
I have 10 picture books out.
"Punk Farm," "Baghead," "Ollie the Purple Elephant."
in the "Lunch Lady" series, which is a graphic novel series about a lunch lady who fights crime.
I'm expecting the release of a chapter book called "Platypus Police Squad: The Frog Who Croaked."
And I travel the country visiting countless schools, letting lots of kids know that they draw great cats.
And I meet Bagheads.
Lunch ladies treat me really well.
And I got to see my name in lights because kids put my name in lights.
Twice now, the "Lunch Lady" series has won the Children's Choice Book of the Year in the third or fourth grade category, and those winners were displayed on a jumbotron screen in Times Square.
"Punk Farm" and "Lunch Lady" are in development to be movies, so I am a movie producer and I really do think, thanks to that video camera I was given in ninth grade.
I've seen people have "Punk Farm" birthday parties, people have dressed up as "Punk Farm" for Halloween, a "Punk Farm" baby room, which makes me a little nervous for the child's well-being in the long term.
And I get the most amazing fan mail, and I get the most amazing projects, and the biggest moment for me came last Halloween.
The doorbell rang and it was a trick-or-treater dressed as my character. It was so cool.
Now my grandparents are no longer living, so to honor them, I started a scholarship at the Worcester Art Museum for kids who are in difficult situations but whose caretakers can't afford the classes.
And it displayed the work from my first 10 years of publishing, and you know who was there to celebrate? Mrs. Alisch.
I said, "Mrs. Alisch, how are you?"
And she responded with, "I'm here." That's true. You are alive, and that's pretty good right now.
So the biggest moment for me, though, my most important job now is I am a dad myself, and I have two beautiful daughters, and my goal is to surround them by inspiration, by the books that are in every single room of our house to the murals I painted in their rooms to the moments for creativity where you find, in quiet times, by making faces on the patio to letting her sit in the very desk
that I've sat in for the past 20 years.
Thank you. | {
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昨日は早めにホテルへ戻った僕たちは失った体力を取り戻すかのようにゆっくりと睡眠を取り、早めの時間に起きた。
前の2日間のように化粧を先に済ませた僕たちは現地へ向かった。
「優希くん、今日の衣装はかなり着やすくなってるから安心してね。」
「着やすい、ですか?」
「見たら分かると思うよ!」
僕は衣装を受け取り更衣室へと向かった。
更衣室へ行くと周りがざわつき始めた。
「来たぞ・・・」
「今日は何を着るんだ・・・?」
「オラワクワクすっぞぉ・・・・」
僕は気にせずに衣装を見る。
そこにあったのは生地が薄めに作られた尻尾まで着けられたねこさんパーカーだった。
スカートの代わりに長めに作られており、そのまま着るだけになっている。
俗に言うパジャマのようになっていて確かに着やすい。
「ねこさんパーカー・・・だと・・・・?」
「待て考え直せ!結婚出来ないんだぞ!?」
「カワイイは正義だから大丈夫、それに今は結構緩いんだぜ・・・?」
何かまた周りが騒がしくなってきたけど今日はすぐ服を着れたのでそのまま荷物を持って集合場所へ向かう。
昨日と同じ場所だったので今日はすぐに2人が見つかった。
「ゆかちゃん今日も似合ってるねー!」
「うん、ねこさんもかわいいね。」
『ありがと!でもこれってコスプレでいいのかな?』
「うん、ねこさんかわいいからオッケーだよ。」
「ちなみにこのパーカーモデリングするからどのみちコスプレだよ!」
『えっ?そうだったの!?』
「このパーカー地味にオリジナルなんだよ!」
「デザインは私と先輩でやったんだ。」
『凄く可愛い衣装ありがとうお姉ちゃん!』
「そだけで頑張った甲斐があったよ・・・!」
「私もモデリング頑張るからね!ね!」
『ゆらお姉ちゃんもありがとう!無理はしちゃだめだからね!』
「んー!やる気が漲ってきた!でも無理はしない、約束するよ!」
「話ばかりしててもあれだから、そろそろ会場にいこっか。」
コスプレ広場に入ると周りから声が沢山聴こえてきた。
「うわぁーかわいいねこさんがいる!」
「抱きしめたい可愛さだぁ・・・」
「白猫・・・」
「写真撮らせてもらお!」
「わぁーかわいい!」
「お、あの子可愛いな、撮らせてもらおうかな。」
「お、いいね、俺も行く。」
「「「「「「「写真いいですか???」」」」」」」
「ゆかちゃん人気者だね。」
「「「「「「「あ、お姉さん達も一緒にお願いします!」」」」」」」
「ふふ、行こっかゆら。」
この後滅茶苦茶撮影された。
ある程度撮影されたころに今日も華お姉ちゃんがやってきた。
「ゆかちゃんおはよー!今日も来ちゃった♪相変わらず可愛いねぇ!!!」
初めて会った時のあの感じは一体どこに行ってしまったんだろうこのお姉ちゃん。
『ありがとう、華お姉ちゃん!』
「ねぇ、今からお姉ちゃんと一緒にお昼寝しない?」
あ、だめだ。
完全に錯乱してる。
「あなた、戻ってきなさい!」
「こんなにかわいいパジャマ着てるんだよ!お昼寝したいに決まってるじゃない!」
ゆらお姉ちゃんと薫お姉ちゃんが必死に華お姉ちゃんを止めてる。
「コスプレ!ここコスプレ広場!」
「こすぷれ・・・・はっ・・・・」
「ようやく正気に戻ったみたいだね・・・」
「わ、私ったらあんなはしたない事・・・」
「気持ちはわかるけど、抑えて。」
「まぁ初見だとこうもなるかぁ」
「ご、ごめんね、びっくりさせちゃったよねゆかちゃん・・・」
「まぁまぁ、落ち着いたから良しとしよう、ね?」
「人とは間違えるものだよ。」
なんか悟りを開いてない?ゆらお姉ちゃん?
「ハーイ、オネエサンタチ、ワタシトシャシントッテモラエナイデスカ?」
突然ボクたちに海外から来てるであろう外国人のカップルが話しかけてきた。
「オゥ、アリガトー!」
「えっ?私もですか!?」
近くにいたレイヤーさんが快く撮影してくれる事になった。
海外の人結構コミュ力高くてボクもびっくり。
「センキュー!」
もうノリで言っておこう、案外それで通じたりするものだよね!
「こ、濃い人たちだったね・・・」
「まさか私まで巻き込まれるとは・・・・」
『でもこうやって仲良く写真撮ったり出来るのは平和で良いことだよね!』
「確かに、そうだね。」
「日本人に生まれてよかったと思う瞬間の一つだよねー」
「ですね・・・」
「実はそろそろ暑さもピークになるからホテルに帰ろうかって話をしてたんだけど、華さんも一緒にお昼でもどうですか?」
華お姉ちゃんをお昼に誘った。
「えっ?いいんです?」
「ゆかちゃん、ゆらも大丈夫だよね?」
『うん!華お姉ちゃんと一緒にご飯楽しみ!』
「私も大丈夫だよお姉ちゃん。」
「お、お言葉に甘えさせてもらいます・・・!」
そしてボク達はホテルに戻って着替える事になった。
そして僕はホテルに戻り素に戻って気が付いた。
「あれ?今から僕推しとご飯食べるの?」
いまいち実感が湧かないけど結構すごい事だよねこれ。 | Having returned to the hotel early yesterday, we slept in to recover our lost energy and woke up early.
After finishing our makeup, we headed off to the venue.
“Yuki-kun, today’s costume is much easier to wear, so don’t worry,” says Kaoru-san as she hands me the outfit.
“Easier to wear?”
“You’ll see!”
I take the costume and head to the dressing room.
As I entered the dressing room, the atmosphere became tense.
“He’s here...”
“What’s he gonna wear today...?”
“I’m so excited....”
Ignoring the whispers, I check the costume.
“A cat hoodie...?”
What lays before me is a thin, tail-adorned cat hoodie.
It’s pretty long, so it can be worn as it is without a skirt.
It’s almost similar to pajamas, and just like Kaoru-san said, it’s easy to wear.
“Bro, wait! Think it over! You won’t be able to get married!”
“Cute is justice, it’s okay. Besides, things are more relaxed these days...!”
Once again, the room was abuzz. But because I could quickly get dressed today, I just picked up my belongings and headed to the meet-up place, switching personas on the way.
Since the meeting point was the same as yesterday, I found them quickly.
“That one looks great on you, too, Yuka-chan!”
“Yeah, a cute kitty cat.”
{Thank you! But is this really a cosplay?}
“Yeah! You look cute as a cat, so it’s fineee.”
“By the way, I’ll incorporate that hoodie into your model, so it definitely counts as a cosplay!” suddenly adds Yura-oneechan.
{Huh? Really?!}
“That hoodie is actually an original!”
“My senpai and I worked on the design.”
{Thank you for this super cute outfit, onee-chan!}
“Just hearing that makes all the hard work worth it...!”
“I’ll also do my best rigging your model, okay!”
{Thank you too, Yura-oneechan. But please don’t overdo it!}
“Mm! I’m getting pumped up! But I won’t overdo it, promise!”
“We’ve been talking for a while, but I say we head to the venue now,” says Kaoru-san, so we make our way into the venue.
We could hear voices from all around when we entered the cosplay area.
“Waaah, there’s a cute kitty!”
“I want to hug such cuteness...”
“A white cat...”
“Can I take a photo?”
“Ahh, so cute!”
“Oh, she’s cute. Maybe I should ask for her photo.”
“Nice. I’ll go too.”
“CAN WE TAKE YOUR PHOTO, PLEASE?”
“Yuka-chan’s so popular.”
“Right?”
“Haha, let’s go, Yura.”
After that, we were swamped with photo requests.
Around the time we had our photos taken, Hana-oneechan showed up.
“Good morning, Yuka-chan! I came again today♪You’re as cute as ever!!!”
I wonder where the vibe I felt when I first met her went.
{Thank you, Hana-oneechan!}
“Hey, do you want to nap with me right now?”
Uh-oh.
She’s completely lost it.
“Come back here!”
“But she’s wearing such cute pajamas! Can you really blame me for wanting to nap with her?!”
Yura-oneechan and Kaoru-oneechan are desperately trying to stop Hana-oneechan.
“This is the cosplay plaza! C. O. S. P. L. A. Y!”
“Cosplay....oh....”
“Looks like she’s finally back to her senses...”
“I-I can’t believe I did something so disgraceful...”
“I understand how you feel, but control yourself.”
“Well, that’s what happens to first-timers.”
“I-I’m sorry, Yuka-chan... I surprised you, didn’t I?”
“Now, now. Let’s just say it’s okay now that she’s calmed down, all right?”
“People make mistakes.”
What’s with the enlightened tone, Yura-oneechan?
“Hi, ladies. Shashin okay?”
Suddenly, a foreign couple approached us.
“Oh, arigatow!”
“Please come too. Onegai!”
“Huh? Me too?!”
A cosplayer nearby kindly agreed to take our photo.
I was surprised by the foreigners’ communication skills.
I’ll go with the flow and repeat what they say; surprisingly, it gets through!
“Sayonara!”
“W-What intense people they were...”
“I didn’t expect to get dragged into it...”
{But it’s peaceful and nice to take photos together like this, don’t you think?}
“True.”
“It’s one of those moments when I’m glad I was born Japanese.”
“Yeah...”
While talking, Kaoru-oneechan says, “We were thinking of returning to the hotel soon as the heat is about to peak. Care to join us for lunch, Hana-san?”
She invites Hana-oneechan to lunch.
“It’s fine with you too, right, Yuka-chan, Yura?”
{Yeah! I’m looking forward to having lunch with Hana-oneechan!}
“I’m okay too, oneesan.”
“I-I’ll take you up on your offer...!”
And so, we decided to go back to the hotel and change.
Back at the hotel, I changed into my regular clothes and realized.
“Wait. Am I seriously about to have lunch with my favorite VTuber right now?”
It hasn’t completely dawned on me just yet, but this is quite an achievement, isn’t it? | {
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これは誰もが 何度も見た写真です
『創発』は9/11の時期に出版されたのです
私はウエストビレッジの このあたりに住んでいます 幸運にも煙は西風で 私たちから離れるように流れました
家には生後2日半の赤ん坊がいました 誘拐してきたわけじゃありませんよ
そして 本と赤ん坊という2つのものが それぞれ出現した時期に 更にこの事件がすぐ近くで起こりました 私はアパートメントの中からその光景を見て そして通りに出て 家の前からそのビルを見上げ 最初に思ったことは ちょうど私が書き上げた本の中で 大きな思い違いをしていたということでした
その本は 人の集中 特に大都市での集中の力と 創造の可能性を賞賛していました つまり 人々がつながり 1つの場所 たとえば 道端に集まり アイデアや物理空間を 共有することを賞賛するものでした
燃え上がり崩れ落ちたビルを見て― 二つのタワーが燃え上がり 崩壊して 実際に人が集中していると 死者が多数出ることが分かりました
技術の結晶が 修羅場を作ったのです 地上110階の2つのビルで 5万人がすごせるようにした その技術こそが 大きな犠牲を生み出したのです もしこんなに人が密集していなかったら... ツインタワーで失われた命の数を ペンタゴンと比べれば それがはっきりと分かります
そして 私は考え始めました 人々の集中とは、集中とは? 集中に惹かれていたのは 正しかったんだろうかと
数日 これに関して考えを巡らせました
2日後 風は少し変わり始め 空気が良くないと感じました
私の住んでいるウエストビレッジには まだ車が入ってこなかったのですが 妻は私に大きな空気フィルターを 20ブロックほど北にあるホームセンターで 買ってくるよう言いました
そして私は出かけました
ご覧のように 体は丈夫なタイプなので 20ブロックの距離を運ぶことには 自信がありました
外に出ると 本当に奇跡的なことが 起こったのです 空気フィルターを買いに北へ歩いていたとき 町は人々とともに生き生きとしていたのです
それは信じられなく 美しい日でした 事件の約1週間後でしたが ウエストビレッジは これまでにないほど生き生きとした様子でした
私はハドソン通りを歩いていました ジェイン・ジェイコブズはここに住んで 素晴らしい本を書きました 『創発』もその本に 大いに影響を受けました ホワイト・ホース・タバーンも通り過ぎました ディラン・トーマスが飲み過ぎで死んだ 古い立派なバーです ブリーカー通りの公園には 子どもが沢山いました
近所に住んでいる人たちも レストランやバーを経営している人たちも みんな外に出ていました
人々は外に出ていたのです
車はなかったのですが それがさらに良かったのです
美しい都会の一日でした 街が機能していることは驚きでした
街はそこにあったのです
素晴らしい都市を成功させる全て 素晴らしい都市を活気づける全てが そこに その通りにありました
私はそう これこそが都市の力だと思いました
都市の力 すなわち 空間的に集中した場として 都市は語られますが ほとんどの場合 都市が強靭になる理由は 機能が分散しているからなのです
都市には 抜き取られたら すべてが崩壊するような 集中執行機関はなくて
もしあったとすれば おそらくここ グランドゼロです
ご存知のように 緊急避難所もありましたが 攻撃により破壊され ビルと人命に大きなダメージを与えました
にもかかわらず 北に20ブロックしか 離れていない場所で2日後には 都市はそれ以上に無いほど 生き生きとした様子でした
人々の心を覗けば たくさんのトラウマがあり たくさんの苦悩があったでしょう 回復に長い時間のかかることがらも たくさんあったでしょう
しかし 都市というシステムそのものは 機能していたのです
私はこれを見て勇気を得ました
都市がうまく機能する理由と 今Webが向かおうとしている先と その理由が どう関連するか話したいと思います
私の本について話をした後で 私はよく みなさんにこんな質問を 投げかけます 人が集まることで出現する行動について語られたり 集合知について語られたとき それを考えてもらうための うまい方法として 「地区」というのは 誰が造るんでしょう? と尋ねます
ソーホーをこういう個性にしたのは誰か? ラテン・クウォーターの持つ雰囲気は?
ある種の責任者の決断もあったでしょうが 大半の答えは 「みんな」 もしくは「だれでもない」です
皆が少しずつ寄与しています
一人の人間が地区の個性を形作った 究極の立役者だ ということはないのです 9/11の後に 誰が私の近所で
通りを活気づけたか? も同じような質問です この答えも都市全体でした
全てのシステムが機能し みんなが小さな役割に貢献しました
これはいくつもの興味深い仕方で Webで見始めるようになったことです 私が『創発』を執筆して 出版したときには 非常に実験的なもの以外は 実際 周囲にはありませんでした
思うに これまでは 非常に楽観的な時期でした そのことを少し話してみたいと思います
実質的に新しいインタラクティビティが 今まさに オンラインに現れています
昔は こんなふうでした
これは未来の英国王ではありません ―そのようにも見えますが
GeoCities のホームページで 見つけた男性です 下のリンクは サッカーとイエス・キリストと ガース・ブルックスとクリント・ベッカムと 「自分の故郷」です
1995年のWebの時代精神を捉えたもので 非常にエキサイティングだった 当時の相互作用モデルについて 最もうまく語るものといえば― 「私の犬の写真はここをクリックして」 です
この時代を思い出させる これ以上の文章はないと思います 突然 自分の犬の写真をネットに上げて リンクする力を手に入れ また このページを読む誰かには このリンクをクリックするかどうかを 選ぶ力が与えられます
私はこれをけなしている訳ではありません ジェフが昨日話していたことを参照すると このインターフェースは ある種の熱狂を引き出し Web に対する爆発的な関心を 導くものとなりました リンクを置けば誰かがクリックしてくれます 行きたいところには どこにでも連れて行ってくれるのです
しかし これはまだ まさに「1対1」的な関係で
ある人がリンクを置き 他の人が それをクリックするかどうかを決めます
新しいモデルはむしろこういうものです あちこちで言及されるようになりましたが
グーグルで “Steven Johnson“を 検索するとこうなります
2ヶ月前 私は大躍進を遂げました 目もくらむような 大きな成果です “Steven Johnson”の検索で 私のウェブサイトが最上位になりました
MITの理論物理学者に Steven Johnson がいましたが うれしいことに2ランクダウンしました
似たような例を いくつか見ていきましょう 明らかに グーグルは今まで発明された中で 自分探しのための最高の技術です
自分を探す中で 多くの他人がいることがわかります
実際 ここで何が起きているかというと どうやってこのページを作っているのかですが ―誰でも知っていることですが 考えてみるのに値することです― 私が Steven Johnson に対する 一番の答えだと 誰かが決める訳ではありません そうではなく ウェブに作られたページの全体を調べ 私のページにリンクが張られているかどうかを見て Googleはその数を数えるだけです
こんな集団的意思決定が行われているのです
このページは実質的に 集団としてのWebが作りました グーグルはある一貫した方法で 情報の出典を示す場を作り この意思決定を助けているだけです
もっと革新的なものもあります ― グーグルも十分革新的ですが さらに新機軸が加わります
この実に興味深い 新しいサイトは Technorati です 小さなウィジェットが沢山あり その数はどんどん増えています
そして ここからブログの世界を のぞき見ることができるのです
追跡中のすべてのブログを分析しています
別のブログからのリンクが いくつあるかを数えています そしてここから見えてくるのは 被リンクが多いブログは 被リンクが少ないブログより 「権威」があるということです
そして いかなるときも Web上のどのページに対しても このページについてブログの評判はどうか? と尋ねると
リストが得られます
これは私のサイトがどう思われているかを示し ブログの権威を格付けしています
書き込みの新しさから ランク付けをすることもできます
私が『創発』で書いたように 一方向のリンク構造には限界があります 実際 あなたが他人にリンクしても その人は必ずしもあなたから リンクを張られたことを知りません
これがWebが その持っている可能性ほど 新しいものを生み出さなかった理由の1つです 双方向のリンクのような フィードバック機構がなければ 本当に面白いことができるようには なりませんでした
Technoratiのような検索エンジンが それを提供します
ここで面白いのはDave Weinbergerからの 引用です 彼はWebの中では 全てに目的があると言っています すべてのものは人工物であると
そして リンクを張ったら― リンクが張ってあったら それは誰かがそう決めたからだ
あるサイトへのリンクは 木に生える キノコとは違って自然に発生はしないものだ
実は これは 今では完全に正しいとは思えません
Technorati が 作り出すリンクを全部 私のページの右側に 配置することができるのです それは Web生態系全体の変化につれて 変化します
ここにある小さなリストは変化します
私が直接コントロールすることはできません
これはある意味 私がここに置いた意図的なリンクというより ページを包み込んだ いわばデータのキノコのようなものです
ここにあるものは 基本的にはグローバルな頭脳で その頭脳が考えていることを知るための さまざまな実験が行えます
これはとてもおもしろいツールです
グーグルは Google Zeitgeist で 検索リクエストを見て 出来ごとや 人々の興味の向いている先について 沢山の面白いグラフとして 公表します
私はグーグルについて たくさん誉めましたが 1つ批判的なことを言います
Google Zeitgeist には 問題があって 多くの人が検索したニュースを 何度も表示します ブリトニー・スピアーズの写真といった ニュースと言えないものなどです
コロンビア号が爆発したら 突然コロンビア号の検索が増えます
これは想定できることで
必ずしも まだ知らなかったことではありません
つまり これらの新しいツールで重要なことは それが グローバルな頭脳の深い部分を つなぐ管のようなもので 血流全体に少量の色素を注入すると わかることです 問題は 新しいものが 何か見つかるかということです
私は Google Shareについて 実験しました 抽象的な単語を使って その単語をグーグル検索します そしてその検索結果を さらに人名で検索するのです
つまり その単語に 言及しているページの数のうち その人名に関連しているページの割合は その人の単語に対する Google Shareになります
興味深いコンテストを行えます
例えば これは"TED Conference" の Google Shareです
リチャード・ソール・ワーマンは "TED Conference"の Google Shareを約15%持っています
我らがクリスは約6%です 赤丸急上昇中ですが
検索を少し拡張すると 面白いことがわかります
実際のところ 42%がマンボウでした
理由は分かりません
いや 本当のことを言うと
私は ただスライドに マンボウを載せたかっただけです
こんな実験もしました ― けんかを売るつもりはないですが 進化と自然淘汰について Google Shareで分析をしました
結果はこちらです ― 大きな分類なので 割合は小さくなります ダン・デネットが0.7%です 彼はこの後すぐ講演をします
次がスティーブン・ピンカーの0.5%
デネットが少しリードしています
興味深いことは 検索範囲を広げて 興味深いものを見つけ 世の中に どんなものがあるか知ることができます
ゲイリー・バウアーは そんなに後れを取っていません 彼は進化と自然淘汰について 少し違った理論を持っているだけです
そのすぐ次はL. ・ロン・ハバード (新興宗教の創始者)です アスコットの競馬みたいで 楽しいですね
クリス このメンバーで パネル討論も良いですね そこのところで
ハバードはTEDで講演したいと 言っているとか 来年にはいいかもしれません
もうひとつ これは少し違うものですが この分析を見たことがある人が いるかもしれません
発表されたばかりです 一般教書演説の過去の記録から 急に使われ始めた言葉を調べたものです
これらの言葉は どこからか 突然現れたのです それらは 広まり始めたミームのようなもので それ以前はさほど使われていなかったものです
最初のものは ― 1860年代に爆発的に広まった言葉ですが 奴隷 解放 奴隷制 反抗 カンザス族
―ブリトニー・スピアーズの曲名ですね
1860年には奴隷制が語られていたのです
1935年 ― 救済 恐慌 回復 銀行
OK 何も新しいことはありません 明らかですね
1985年 レーガン大統領時代の真っ只中 あれは 我々は がある しました それは
これを解釈する方法がひとつあります 解放 恐慌 回復 どれも多くの音節があります
あとでダウンロードできますよ ― 長い単語を覚えるのは大変ですからね
しかし 真面目なところ ここに見えるものは こういう検索をしなければ 見つけられませんが レーガン大統領は政治用語を再発明したのです より親しみやすく より庶民的に よりテレビ映りのよい方向にシフトしました 動詞の短縮形を使って
その20年前だったら「何が出来るか尋ねるな」という 表現でした それがレーガン大統領になると 「それが起きたとき...ナンシーと私で」
なんとなく分かってはいましたが 実際 構文の面での彼の業績は 見逃されていました
次のスライドへ
現在の疑問は ― そしてそれは 本当に興味深い疑問なのですが どのような高次の形が 出現しているのかということです Webの生態系のなかで ― そして特にブログの生態系の中で なぜならそれらは本当に 最先端なのですから
そこで起こることは より大きなシステムでも 起こるでしょう
クレイ・シャーキーが とても興味深い記事を書きました 1か月ほど前 大いに注目を浴びました これは基本的には ウェブ上のさまざまなブログに対する
リンクの分布です それは指数関数的になります 少数の人気ブログは多数にリンクされ 一方にはリンク数が極めて少ない 多くのブログがあります
すなわち 20%のブログが 80%のリンクを得ます
これはとても興味深いことです
これは大きな論争を巻き起こしました なぜならインターネットは 誰もが声を上げられる 一人一人が中心の 現代民主主義の究極形だと思われていたからです
「なぜこのこようなことが 起こっているのか?」
上からの命令で強いられている わけではありません
ブログ圏から 今 生まれている 創発的な性質なのです
すばらしい点は 人々がすぐに対応し始めたことです クレイがその論文を発表するや否や 異なる結果が現われるように 検索のルールの変更が始まりました
基本的に 指数関数型になる理由は 最初に始めた人が 有利だからです
最初にできたサイトなら 全員がリンクします
2番目のサイトでも 多くの人がリンクするので
このようにたくさんのリンクを集められます それでさらに 新たな参加者も リンクし続けます それでこのような形になるのです
Technoratiのデイブ・シフリーも そのようにし始めました シャーキーが始めたように 論文を発表した後 新しい記事に新しい種類の 優先付けをしたということです
リンクがあまり張られていないけれど 直近の24時間に 急にリンクが増えた 新しい記事に注目したのです
要するに 新しく上がって 伸び盛りのウェブログを重視するのです
こうして彼が取り組んでいる相手は システム全体を変えられるツールです
これは計画的な「創発」です
完全にコントロールはできていません しかし 興味深い方法で おおもとのルールを変えたのです なぜなら 最終結果として より民主的な声の広がりを 求めているからです
ここで最も驚くべきことは ― そしてこれで話を終わりますが ほとんどの創発的システム ほとんどの自己組織的システムは 全体のパターンを 見通した部品で構成されてはおらず そのパターンが好まれたかどうかに基づいて 行動を変えるのです
指数法則や 法則に影響する ソフトをめぐる― 議論で素晴らしかったと 私が思うのは 私たちが対話をしているという 事実なのです
それが続くことを願っています
ありがとうございました | Basically, "Emergence" was published on 9/11.
I live right there in the West Village, so the plume was luckily blowing west, away from us.
We had a two-and-a-half-day-old baby in the house that was ours -- we hadn't taken it from somebody else.
And one of the thoughts that I had dealing with these two separate emergences of a book and a baby, and having this event happen so close -- that my first thought, when I was still kind of in the apartment looking out at it all or walking out on the street and looking out on it just in front of our building, was that I'd made a terrible miscalculation in the book that I'd just written.
Because so much of that book was a celebration of the power and creative potential of density, of largely urban density, of connecting people and putting them together in one place, and putting them on sidewalks together and having them share ideas and share physical space together.
And it seemed to me looking at that -- that tower burning and then falling, those towers burning and falling -- that in fact, one of the lessons here was that density kills.
And that of all the technologies that were exploited to make that carnage come into being, probably the single group of technologies that cost the most lives were those that enable 50,000 people to live in two buildings If they hadn't been crowded -- you compare the loss of life at the Pentagon to the Twin Towers, and you can see that very powerfully.
And so I started to think, well, you know, density, density -- I'm not sure if, you know, this was the right call.
And I kind of ruminated on that for a couple of days.
And then about two days later, the wind started to change a little bit, and you could sense that the air was not healthy.
And so even though there were no cars still in the West Village where we lived, my wife sent me out to buy a, you know, a large air filter at the Bed Bath and Beyond, which was located about 20 blocks away, north.
And so I went out.
And obviously I'm physically a very strong person, as you can tell -- -- so I wasn't worried about carrying this thing 20 blocks.
And I walked out, and this really miraculous thing happened to me as I was walking north to buy this air filter, which was that the streets were completely alive with people.
There was an incredible -- it was, you know, a beautiful day, as it was for about a week after, and the West Village had never seemed more lively.
I walked up along Hudson Street -- where Jane Jacobs had lived and written her great book that so influenced what I was writing in "Emergence" -- past the White Horse Tavern, that great old bar where Dylan Thomas drank himself to death, and the Bleecker Street playground was filled with kids.
And all the people who lived in the neighborhood, who owned restaurants and bars in the neighborhood, were all out there -- had them all open.
People were out.
There were no cars, so it seemed even better, in some ways.
And it was a beautiful urban day, and the incredible thing about it was that the city was working.
The city was there.
All the things that make a great city successful and all the things that make a great city stimulating -- they were all on display there on those streets.
And I thought, well, this is the power of a city.
I mean, the power of the city -- we talked about cities as being centralized in space, but what makes them so strong most of the time is they're decentralized in function.
They don't have a center executive branch that you can take out and cause the whole thing to fail.
If they did, it probably was right there at Ground Zero.
I mean, you know, the emergency bunker was right there, was destroyed by the attacks, and obviously the damage done to the building and the lives.
But nonetheless, just 20 blocks north, two days later, the city had never looked more alive.
If you'd gone into the minds of the people, well, you would have seen a lot of trauma, and you would have seen a lot of heartache, and you would have seen a lot of things that would take a long time to recover.
But the system itself of this city was thriving.
So I took heart in seeing that.
So I wanted to talk a little bit about the reasons why that works so well, and how some of those reasons kind of map on to where the Web is going right now.
The question that I found myself asking to people when I was talking about the book afterwards is -- when you've talked about emergent behavior, when you've talked about collective intelligence, the best way to get people to kind of wrap their heads around that is to ask, who builds a neighborhood?
Who decides that Soho should have this personality and that the Latin Quarter should have this personality?
Well, there are some kind of executive decisions, but mostly the answer is -- everybody and nobody.
Everybody contributes a little bit.
No single person is really the ultimate actor behind the personality of a neighborhood.
Same thing to the question of, who was keeping the streets alive Well, it was the whole city.
The whole system kind of working on it, and everybody contributing a small little part.
And this is increasingly what we're starting to see on the Web in a bunch of interesting ways -- most of which weren't around, actually, except in very experimental things, when I was writing "Emergence" and when the book came out.
So it's been a very optimistic time, I think, and I want to just talk about a few of those things.
I think that there is effectively a new kind of model of interactivity that's starting to emerge online right now.
And the old one looked like this.
This is not the future King of England, although it looks like it.
It's some guy, it's a GeoCities homepage of some guy that I found online who's interested, if you look at the bottom, in soccer and Jesus and Garth Brooks and Clint Beckham and "my hometown" -- those are his links.
But nothing really says this model of interactivity -- which was so exciting and captures the real, the Web Zeitgeist of 1995 -- than "Click here for a picture of my dog."
That is -- you know, there's no sentence that kind of conjures up that period better than that, I think, which is that you suddenly have the power to put up a picture of your dog and link to it, and somebody reading the page has the power to click on that link or not click on that link.
And, you know, I don't want to belittle that. That, in a sense -- to reference what Jeff was talking about yesterday -- that was, in a sense, the kind of interface electricity that powered a lot of the explosion of interest in the Web: that you could put up a link, and somebody could click on it, and it could take you anywhere you wanted to go.
But it's still a very one-to-one kind of relationship.
There's one person putting up the link, and there's another person on the other end trying to decide whether to click on it or not.
The new model is much more like this, and we've already seen a couple of references to this.
This is what happens when you search "Steven Johnson" on Google.
About two months ago, I had the great breakthrough -- one of my great, kind of shining achievements -- which is that my website finally became a top result for "Steven Johnson."
There's some theoretical physicist at MIT named Steven Johnson who has dropped two spots, I'm happy to say.
And, you know, I mean, I'll look at a couple of things like this, but Google is obviously the greatest technology ever invented for navel gazing.
It's just that there are so many other people in your navel when you gaze.
Because effectively, what's happening here, what's creating this page, obviously -- and we all know this, but it's worth just thinking about it -- is not some person deciding that I am the number one answer for Steven Johnson, but rather somehow the entire web of people putting up pages and deciding to link to my page or not link to it, and Google just sitting there and running the numbers.
So there's this collective decision-making that's going on.
This page is effectively, collectively authored by the Web, and Google is just helping us kind of to put the authorship in one kind of coherent place.
Now, they're more innovative -- well, Google's pretty innovative -- but there are some new twists on this.
There's this incredibly interesting new site -- Technorati -- that's filled with lots of little widgets that are expanding on these.
And these are looking in the blog world and the world of weblogs.
He's analyzed basically all the weblogs out there that he's tracking.
And he's tracking how many other weblogs linked to those weblogs, and so you have kind of an authority -- a weblog that has a lot of links to it is more authoritative than a weblog that has few links to it.
And so at any given time, on any given page on the Web, actually, you can say, what does the weblog community think about this page?
And you can get a list.
This is what they think about my site; it's ranked by blog authority.
You can also rank it by the latest posts.
So when I was talking in "Emergence," I talked about the limitations of the one-way linking architecture that, basically, you could link to somebody else but they wouldn't necessarily know that you were pointing to them.
And that was one of the reasons why the web wasn't quite as emergent as it could be because you needed two-way linking, you needed that kind of feedback mechanism to be able to really do interesting things.
Well, something like Technorati is supplying that.
Now what's interesting here is that this is a quote from Dave Weinberger, where he talks about everything being purposive in the Web -- there's nothing artificial.
He has this line where he says, you know, you're going to put up a link there, if you see a link, somebody decided to put it there.
And he says, the link to one site didn't just grow on the other page "like a tree fungus."
And in fact, I think that's not entirely true anymore.
I could put up a feed of all those links generated by Technorati on the right-hand side of my page, and they would change as the overall ecology of the Web changes.
That little list there would change.
I wouldn't really be directly in control of it.
So it's much closer, in a way, to a data fungus, in a sense, wrapped around that page, than it is to a deliberate link that I've placed there.
Now, what you're having here is basically a global brain that you're able to do lots of kind of experiments on to see what it's thinking.
And there are all these interesting tools.
Google does the Google Zeitgeist, which looks at search requests to test what's going on, what people are interested in, and they publish it with lots of fun graphs.
And I'm saying a lot of nice things about Google, so I'll be I'll be saying one little critical thing.
There's a problem with the Google Zeitgeist, which is it often comes back with news that a lot of people are searching for Britney Spears pictures, which is not necessarily news.
The Columbia blows up, suddenly there are a lot of searches on Columbia.
Well, you know, we should expect to see that.
That's not necessarily something we didn't know already.
So the key thing in terms of these new tools that are kind of plumbing the depths of the global brain, that are sending kind of trace dyes through that whole bloodstream -- the question is, are you finding out something new?
And one of the things that I experimented with is this thing called Google Share which is basically, you take an abstract term, and you search Google for that term, and then you search the results that you get back for somebody's name.
So basically, the number of pages that mention this term, that also mention this page, the percentage of those pages is that person's Google Share of that term.
So you can do kind of interesting contests.
Like for instance, this is a Google Share of the TED Conference.
So Richard Saul Wurman has about a 15 percent Google Share of the TED conference.
Our good friend Chris has about a six percent -- but with a bullet, I might add.
But the interesting thing is, you can broaden the search a little bit.
And it turns out, actually, that 42 percent is the Mola mola fish.
I had no idea.
No, that's not true.
I made that up because I just wanted to put up a slide of the Mola mola fish.
I also did -- and I don't want to start a little fight in the next panel -- but I did a Google Share analysis of evolution and natural selection.
So right here -- now this is a big category, you have smaller percentages, so this is 0.7 percent -- Dan Dennett, who'll be speaking shortly.
Right below him, 0.5 percent, Steven Pinker.
So Dennett's in the lead a little bit there.
But what's interesting is you can then broaden the search and actually see interesting things and get a sense of what else is out there.
So Gary Bauer is not too far behind -- has slightly different theories about evolution and natural selection.
And right behind him is L. Ron Hubbard. So -- you can see we're in the ascot, which is always good.
And by the way, Chris, that would've been a really good panel, I think, right there.
Hubbard apparently started to reach, but besides that, I think it would be good next year.
Another quick thing -- this is a slightly different thing, but this analysis some of you may have seen.
It just came out. This is bursty words, looking at the historical record of State of the Union Addresses.
So these are words that suddenly start to appear out of nowhere, so they're kind of, you know, memes that start taking off, that didn't have a lot of historical precedent before.
So the first one is -- these are the bursty words around 1860s -- slaves, emancipation, slavery, rebellion, Kansas.
That's Britney Spears. I mean, you know, OK, interesting.
They're talking about slavery in 1860.
1935 -- relief, depression, recovery banks.
And OK, I didn't learn anything new there as well -- that's pretty obvious.
1985, right at the center of the Reagan years -- that's, we're, there's, we've, it's.
Now, there's one way to interpret this, which is to say that "emancipation" and "depression" and "recovery" all have a lot of syllables.
So you know, you can actually download -- it's hard to remember those.
But seriously, actually, what you can see there, in a way that would be very hard to detect otherwise, is Reagan reinventing the political language of the country and shifting to a much more intimate, much more folksy, much more telegenic -- contracting all those verbs.
You know, 20 years before it was still, "Ask not what you can do," but with Reagan, it's, "that's where, there's Nancy and I," that kind of language.
And so something we kind of knew, but you didn't actually notice syntactically what he was doing.
I'll go very quickly.
The question now -- and this is the really interesting question -- is, what kind of higher-level shape is emerging right now in the overall Web ecosystem -- and particularly in the ecosystem of the blogs because they are really kind of at the cutting edge.
And I think what happens there will also happen in the wider system.
Now there was a very interesting article by Clay Shirky that got a lot of attention about a month ago, and this is basically the distribution of links on the web to all these various different blogs.
It follows a power law, so that there are a few extremely well-linked to, popular blogs, and a long tail of blogs with very few links.
So 20 percent of the blogs get 80 percent of the links.
Now this is a very interesting thing.
It's caused a lot of controversy because people thought that this was the ultimate kind of one man, one modem democracy, where anybody can get out there and get their voice heard.
And so the question is, "Why is this happening?"
It's not being imposed by fiat from above.
It's an emergent property of the blogosphere right now.
Now, what's great about it is that people are working on -- within seconds of Clay publishing this piece, people started working on changing the underlying rules of the system so that a different shape would start appearing.
And basically, the shape appears largely because of a kind of a first-mover advantage.
if you're the first site there, everybody links to you.
If you're the second site there, most people link to you.
And so very quickly you can accumulate a bunch of links, and it makes it more likely for newcomers to link to you in the future, and then you get this kind of shape.
And so what Dave Sifry at Technorati started working on, literally as Shirky started -- after he published his piece -- was something that basically just gave a new kind of priority to newcomers.
And he started looking at interesting newcomers that don't have a lot of links, that suddenly get a bunch of links in the last 24 hours.
So in a sense, bursty weblogs coming from new voices.
So he's working on a tool right there that can actually change the overall system.
And it creates a kind of planned emergence.
You're not totally in control, but you're changing the underlying rules in interesting ways because you have an end result which is maybe a more democratic spread of voices.
So the most amazing thing about this -- and I'll end on this note -- is, most emergent systems, most self-organizing systems are not made up of component parts that are capable of looking at the overall pattern and changing their behavior based on whether they like the pattern or not.
So the most wonderful thing, I think, about this whole debate about power laws and software that could change it is the fact that we're having the conversation.
I hope it continues here.
Thanks a lot. | {
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急速に間合いを詰める黒い塊に悲鳴を上げる間もなく、運悪く足の速かったホブゴブリが千切れて宙を舞う。
その様を目の前で見せ付けられた後続のホブゴブリン十体も、構えるという最低限の判断を下すより早く、黒い大りで体液と臓物を撒き散らかしながら、弾け飛ぶように地面を転がり瞳を濁らせた。
ダークナイトはアーチゴブリンを含む小隊最後の集団を捉える。
鈍い金属音を響かせながら焦燥混じりの声を上げるアーチゴブリンは重装故に足が遅いが、それだけの耐久力を持っている。ホブゴブリンの中でも特に小賢しい五体は、そんなアーチゴブリンの周囲で群れて自身の生存率を上げようと無い知恵を働かせる。
しかしそれは、目の前の殺意を孕む武具精霊には愚行でしかない。生き残りたいのならば、対峙した刹那に反対方向へと走り出すしかなかったのだ。
勢いを微塵も落としていない黒騎士は、すれ違い様に最後の集団を薙ぎ払う。
それはほんの一瞬の出来事だった。ホブゴブリン達は何が起こったのかすら分からずに肉塊となり、鎧の代わりに死を纏わされる事となる。
結局は足の速かったホブゴブリン達の運だけが悪いのでは無かった。ここにいる絶望に
「おいおい、嘘だろ......」
「隊長......あれはいったい」
グライア達は、目の前で繰り広げられた一瞬の惨劇に両眼を見開き、気配を殺すことも忘れて立ち尽くしている。
しかしゴブリンの小隊を一蹴した黒騎士は、動きを止めていなかった。グライアの思惑を振り切るかのように、砦へと勢いそのままで疾走する。
黒い凶刃が迫るゴブリンの砦は、絶対的な死を目の前で見せつけられ恐慌状態に陥る。こうなってしまったゴブリン達には、舞台を彩る骸の役しか残されてはいなかった。
眼下で繰り広げられる惨劇に、崖上に待機していの別働隊は動く事が出来ず、ただ呆然と目を見開き息を呑む。
彼らは、騎士だ。幾度の戦場を切り抜け自身の腕に誇りを持っている。そんな彼らとて今までに出会った魔物に恐怖を感じた事もある。だが誇りを胸に勇気を奮い立てて立ち向かい、勝利を得てきたのだ。
恐怖は克服できる事を誰よりも知っている。
だがしかし、そんな歴戦の猛者ですら、眼下の黒い死神が放つ恐怖に心が揺らいだ。
あれの前に立ちたくない。そんな絶望的な恐怖が心を握り、誇りにまで指をかけている。
それはもはや恐怖ではなく呪いだった。
前に立つだけで心を折られ、剣を見るだけで希望を絶たれ、揺らぐ黒い炎は命の灯火を死に染める。
しかし騎士達が手を出す必要は無かった。ゴブリン部隊は抵抗も虚しく、逃げる事も叶わず、たった一体の振るう剣によって奈落の底へと進軍先を変更する事となったからだ。
履行を終えたダークナイトはミラの居る方へと一礼し黒い霧となり帰還する。同時に、周囲から構えたまま恐る恐ると騎士達が姿を現し陣形を組み砦を視察し始めた。
「これはまた、どういう事だ」
雑木林から砦に向けて周囲を警戒しながら歩き出すグライア一行。程なくして他部隊と合流すると、砦の奥まで残党が居ないか確認してきた部隊からゴブリン全滅の報告を受ける。
騎士団一行とミラは、アルカイト王国首都ルナティックレイクへ向けて歩き出している。
ダークナイトが敵ではなくて良かったと心の底から安堵しては苦笑する騎士達の話題は、自然というか当たり前のようにミラの常識外れの強さについてだ。
「いやー、まさかあれ程の実力だったとは」
「俺達の出番無かったなー」
「一時はどうなるかと思ったが、かなり楽させてもらったぜ。ミラちゃんはすごいな」
「あんなに可愛いのにな」
「お前......」
「いや、その......なんだよ」
「そうそう、そうだよな。冒険者だったら、紅蓮焦土のカザリ、激槌剛拳のゲンジなんかと同じ位だろう?」
「いやいや、流石にレジェンドクラスまではいかないだろう」
「そうかねぇ」
ハハハハハ! と、周囲でミラについての話が盛り上がっている中、当の本人はグライアと現在の国の情勢について話している。
ミラが得られた情報は、アルカイト王国は現在、国の守りの要であのエルダーのが不在で、代理が各塔を仕切っているという事。そし年前に姿を消したのはダンブルフだけではないという事実だった。
あの日より一年も経たずに九人全員のエルダーが銀の連塔より居なくなったが、その内の一人であるマスターウィザード『天災のルミナリア』が失踪から十年後に突如として帰還したという話だ。
この件については国の上層部で秘密裏にされていたが、ルミナリアの進言に基づきエルダー消失事件として公式に発表されたという事らしい。それまでは、エルダー達の補佐官や塔の研究員の中でも特に有能だった者がエルダー代行を務めていたが、それでも前任との格の違いは大きく、その責務を担う事には限界が来ていたらしい。
ミラも、メニューから年表を呼び出し二十年前の記述を確認すると、確かにアルカイト王国よりエルダーの消失が発表されたとある。
エルダールミナリア。この名はミラにも聞き覚えがある。
アーク・アース オンライン正式サービス開始当時より術士系クラスとして切磋琢磨し合った親友の一人だ。
薔薇の様に鮮やかな真紅のロングヘアーに意志の強さを感じさせる目鼻立ち、モデルの如き長身と豊かな胸といった見た目。それは誰もが視線を注ぐ見栄えのある容姿だ。
男の妄執を具現化した存在、それがミラの知るルミナリア。そして
そのルミナリアも、失踪していたが二十年前に突如戻ってきたと言う。
三十年前に姿を消したという状況はダンブルフと同じだ。つまりプレイヤーであるルミナリアがプレイヤーであるダンブルフと同時期に姿を消したが、再び姿を現した。
時期は違うがダンブルフも姿を消した後に再び現れたと言っていいだろう。見た目は変わっているが。
ミラの脳裏で、次に向かう所が決定する。自分と同じ状況のルミナリアは、ミラの知っている人物でありプレイヤーである可能性が高いという事だ。話せば何か分かるかもしれない。
目的地は銀の連塔のある、アルカイト王国天魔都市『シルバーホーン』。大陸全ての魔道が集まる地でありアルカイト王国最大の軍事力だ。
森に挟まれた林道を進み、やがて二手に分かれた分岐路に辿り着く。左へ行くとアルカイト王国首都ルナティックレイク、右に行くと目的地のシルバーホーンだ。
「ではな、気をつけて帰るのじゃぞ」
「それはこっちのセリフだ、と言いたいところだがミラ殿の方が実力は上だからな。何とも言えん」
ハッハッハッハッハと大声で笑うと、ミラの頭をバシバシと叩きそのまま撫で繰り回す。首に掛かる負担にミラは顔を顰めると、「子ども扱いはよさぬか」と手を払う。そんなやり取りを、周りの騎士は微笑ましそうに見つめていた。
「今回の報酬だが組合を通していない特例の依頼だからな、用事が終わったらルナティックレイクの俺を訪ねてくれ。衛兵には話を通しておこう」
が出来たら訪ねさせてもらうとしようかの」
「ああ、待ってるぞ」
そう言い騎士団は左の道へ、ミラは右の道を進んで行く。
梢の隙間から覗く青空に朱が混じり始める。空間に浮かび上がるメニューから現在時刻を確認すると午後五時を過ぎたところだ。
記憶通りならばシルバーホーンまでの距離は分かれ道から歩いて一時間程だが、まだ道程の半分も来ていない。とはいえ、それは単純にミラが寄り道ばかりしていたせいだ。
花の蜜を吸う蝶を興味深げにじっくりと観察していたり、地面を掘り返して出てきたミミズに顔を引き攣らせたりしていた。
それとゲームでは今まで感じなかった疲労感により、何度かの休憩を挟んでいる。
ミラはメニューを閉じる際に、小腹が空いたとアイテムボックスに入れっぱなしだったアップルパイを思い出した。ボックス内アイテムのアイコンに指先で触れると、小さなアイコンが実体を持ち肥大していき、実寸大といえるサイズまで膨れると掌に現れる。
ミラは掌の上に載ったソレを目を細めながら凝視する。そのアップルパイは既にアイテムボックスに突っ込んで一週間は経っている代物だ。体感でなく現在の表記に従うと三十年前に作成した物だったが、見た目に異常は見当たらない。
少し躊躇しつつもその小さな小鼻の先を近づけてみると、バニラビーンズの甘い香りが鼻腔に広がり、同時にお腹がきゅるりと音を立てる。
ミラは意を決して口を大きく開けてアップルパイに齧り付く。同時にサクサクの食感とリンゴの酸味と甘みが口内を満たし、味覚をはっきりと刺激した。
ならばと再びアイテムボックスを開くと、今度はアップルオレを取り出す。それは術士系クラスならば誰もが常備していると言っても過言ではない御用達アイテム、ミルクにリンゴを加えたMP回復速度を高める効果のあるドリンクだ。
仄かなリンゴの甘い香りが漂う黄色がかった白い液体に口をつける。
「うまいのぅ......」
思わず感想が漏れる。口にした二つの食料は、食感といい味といい喉越しといい何の問題も無い。それどころか今までアップルパイというものを食べた事が無かったミラだが、これほど美味しかったのかと初めての味覚に感動すら覚えてしまっている。アップルオレ等は現実では見たこともない代物だったが、甘みといい風味といいミラの好みの味だった。
ミラは「ふぅ」と吐息を漏らすと、空を仰ぎゆっくりと流れていく雲を眺め全身で世界を感じる。
髪を揺らす風の感触や鼻先を擽る蒼の香り、運動に比例して訪れる適度な疲労感に、それに反比例するアップルパイとアップルオレの美味しさ。
否が応でも感じる多種多様な現実感。これだけの状況証拠を揃えられてしまうと、慎重に現状を把握しようとすればする程、現実以外では考えられなくなってくる程だ。
そこでミラは一先ずの答えを出す。
これは現実であるという事を前提として行動していこうというものだ。例え違ったとしても、それはただの笑い話になるだけ。ならば問題ない。しかし合っているとしたら取り返しのつかない事になる前に対処が出来ないと、何かが手遅れになってしまう可能性がある。死んだら本当に死んでしまうかもしれないし、殺したら二度と起き上がらないかもしれない。危機に陥っている人を見捨てたら寝覚めの悪い結末が待っているかもしれない。
まずはこの世界に生きる一人の人間として、何かを知っているかもしれないルミナリアに会う事を最優先と改めて決めると、林道の先へと視線を戻し歩を進める。
実際に歩くと感じる疲労に時間が掛かり過ぎている事を感じ少し急ごうかと思った矢先に、ミラの目の前にそれは姿を現した。
灰色の身体に鋭く突き出た犬歯からは涎が滴り落ちる。低く唸り声を上げて獲物にゆっくりと近づいていくその姿にミラは見覚えがある。
サーベルドッグと呼ばれる、初心者の最初のハードルとなるモンスターだ。
素早い動きと攻撃力の高さから苦汁を飲まされるプレイヤーも少なくない。
周辺はこのサーベルドッグの縄張りだった。周りには誰もおらず、か弱い少女がたった一人で街から遠く離れた林道を歩く。これはもはや自殺行為とも思えるほどの愚行だ。
誰であろうと、ミラの実力を見た目でだけでは判断出来ないだろう。せいぜいがローブ姿から術士であろうという事までしか推察は出来ない。しかし術士であろうと中身はまだ発展途上中の少女、通りかかった冒険者がいたら十中八九がその間に飛び込んだだろう。
それはサーベルドッグの目にもそう映る。その小さな体躯から弱者であると判断したのだ。
サーベルドッグというモンスターは体長は優に一メートルを超え、大人ですら用意が無ければ危険な相手だ。
目に殺気を浮かべた狩人が、折角の獲物を逃がすまいと慎重に間合いを詰めていく。
そんな相手にミラは右手を突き出した。そして今までと同じ感覚でスキルを使用した瞬間、サーベルドッグの瞳は明らかな恐怖の色に染まったが、次の時にはその身体は何かが衝突したかのように拉げて後方の木々に赤い大輪の花を咲かせる。
サーベルドッグは所詮は駆け出しの頃に相手する下級モンスター、つまりホブゴブリンよりも相手にはならない存在だ。ミラがした事は、セカンドクラスである仙術士の初期仙術【仙術・天:衝波】だった。ただ前方に衝撃波を飛ばし攻撃する術だが、ミラ程の達人が行使すると小さな命ならば軽く消し飛んでしまう術となる。
「問題なさそうじゃな」
ミラは召喚術は使えたので、実験とばかりに仙術を使用してみただけだ。そしてその実験は、今までのゲームと同じ感覚でスキルを使用できるという確信を与えた。
こうして降りかかる火の粉を大雑把に払ったミラは、振り返る事も無く先を急いだ。 | Without even time to scream, the black mass closed the distance and the unfortunate quick-footed hobgoblins were soon torn to pieces and sent flying through the air.
It arrived all too soon before the eyes of the ten trailing hobgoblins. Without any time for them to take a stance, the black longsword had already scattered their entrails and bodily fluids around, while the eyes popped and tumbled around on the ground.
The Dark Knight caught up to the last group containing the archgoblin.
With a reverberating dull metallic sound, the archgoblin raised its voice mixed with uneasiness. The archgoblin was wearing heavy clothing, so although it was on the slower side, it had the strength to persist. The archgoblin was particularly crafty in that it surrounded itself with hobgoblins to raise its own survival rate.
However, it was a foolish idea before an armor spirit filled with murderous intent. If one wanted to survive, there was no choice but to run in the opposite direction the instant one faced it.
The Black Knight whose momentum had not dropped even the slightest bit passed through the last group while mowing them down.
This all took place in an instant. The hobgoblins had become lumps of meat without even understanding what had happened. They had worn death instead of armor.
In the end, not only the fast footed hobgoblins ran out of luck, all the goblins that had been perceived as an enemy by the walking disaster had simply ran out of luck.
「Whoa, come on. Tell me this is all a lie.」
「Commander........what in the world is that.」
Graia with both eyes opened wide stood still as the tragedy unfolded before his eyes.
The Black Knight who had won easily over a goblin platoon did not cease moving. Shaking off Graia’s expectations, it dashed towards the fort with its momentum intact.
A black assassin’s dagger approached the goblin fortress. In the face of absolute death, the goblin fortress fell into a state of panic. One goblin after another ceased to exist, leaving only dead husks that coloured the scene.
Unable to move, the deployed forces waited on the cliff with blank surprise and eyes opened wide to the tragedy unfolding before their eyes.
They were knights. Overcoming the battlefield time and time again, they were proud of the skills they possessed. Up until the present, they had never before encountered a demon that inspired such dread. However, they prided themselves in mustering up the courage in their hearts to come back and secure victory.
As for fear, those who knew it were able to overcome it.
However despite all that, veteran warriors with long military service had their hearts and minds shaken by fear of the Black God of Death below.
They did not want to stand in front of that. Such hopeless fear grasped their hearts and minds, and hung over their pride like a finger.
It was not fear anymore, it was a curse.
Their hearts and minds broke. Just imagining standing in front of that sword cut off all their hopes. Every swing of that black flame extinguished a light of life.
However, there was no need for the knights to get involved. The goblin’s force showed no resistance nor were they able to run away as a single swing of a sword changed their path to one leading straight to hell.
The Dark Knight who finished the execution bowed to Mira and returned to black fog. At the same time, the knights timidly advanced in formations to begin inspecting the fort.
「That thing, what was it?」
Graia’s party was walking from the wooded area towards the fort in a cautious manner. Before long, they joined the other troops. They received a report that there were no surviving remnants of the goblins forces in the interior of the fort.
Mira and the knight troupe turned to walk towards the capital of the Arkite Kingdom, the Lunatic Lake.
When the subject of the Dark Knight’s strength came up, the knights smiled wryly and were relieved from the bottom of their hearts that it was not an enemy. Mira gave off the sense that such unnatural strength was commonplace.
「I never would have thought that its true strength was like that.」
「Our turn never came.」
「When I thought about what could have happened at that time, I felt relieved. Miss Mira is amazing.」
「So cute.」
「You......」
「Err, um.... that is....」
「Oh, yes. That’s right. If it was an adventurer, I would guess that it would be as strong as the 『Genji』the Strong Hammer or 『Kazari』 of the Crimson Scorched Earth?」
「No, not at all, it surely wouldn’t go up to legend class.」
「Is that so?」
Hahahahah! While the conversation talking about Mira was getting heated up, said person was talking with Graia about the country’s present situation.
Mira obtained information about the current situation of the Arkite Kingdom. Right now, eight of the nine Elders who were keystones of the national defense were absent. Each of the towers had delegated representatives. Also, Mira confirmed the fact that Danbulf had not been alone in his disappearance thirty years ago.
In less than one year, all the nine Elders of the Silver Linked Towers had disappeared. Soon, however, the master wizard 『Luminaria of Calamity』 had returned from her disappearance ten years later.
Based on Luminaria’s advice, this affair had been discussed behind closed doors by the upper echelon of the country. They officially announced this as the Elder disappearance case. Until then, those especially talented researchers who had served as aides to the Elders acted as their representatives. Even so, there were still big differences between them and their predecessors so there was a limit to the responsibilities they could bear.
Mira, in addition, called up the chronology from the menu and reviewed the description from twenty years ago. Certainly, the Arkite Kingdom had announced the Elder disappearance case.
Elder Luminaria. This name sounded familiar to Mira.
When Ark Earth Online officially released, she had one close friend who she had a friendly rivalry with.
She had brilliant crimson long hair similar to that of a rose with a strength of will to match. She had the appearance of a model with an abundant chest and tall figure that matched that of a model. It was a figure that anyone would look at.
She was the embodiment of men’s dreams. This was the Luminaria that Mira knew of. And because the player inside was a man, he was a guy who told dirty jokes without hesitation. An uncomfortable feeling was born anew in her mind.
Luminaria also disappeared, although she suddenly came back years ago.
Her situation of having disappeared years ago was the same as Danbulf. In other words, the player that was Luminaria and the player that was Danbulf suddenly disappeared at the same time and reappeared.
Although, the time that Danbulf and Luminaria reappeared was different. They both disappeared at the same time. Though, one of their appearances had changed.
In Mira’s mind, the next place to go to had been decided. Luminaria was in the same situation as herself, so there was a strong possibility of her being the player that Mira knew of. She may learn something if she spoke with her.
Her destination was the place where the silver towers were located, Arkite kingdom’s greatest town, the 『Silver Horn』 where all their magic and military affairs were gathered.
They advanced on a woodland path between the trees and before long, they arrived at two forking roads. On the left path was the road to Arkite kingdom capital, 『Lunatic Lake』. On the right path was her destination, Silver Horn.
「Well then, be careful when returning.」
「It is safe here, while I would have liked to say this line, Lady Mira had the strength to protect herself. I could not say this at all.」
While laughing out loud, he stroked Mira’s head. Grimacing at the burden on her neck, Mira brushed his hand off and said 「Stop treating me like a child.」 The surrounding knights gazed at the heartwarming scene.
「Because this was a special case, the reward will not be through the guild. Please visit me at Lunatic Lake when you finish your errands. I will talk to the guards to let you through.」
「Hmmmm, well then I will come visit you when I have free time.」
「Ah, I will be waiting.」
Saying so, the knights left through the left road, and Mira went towards the right road.
Red began to seep into the blue sky peeking through the gap between the trees. When she confirmed the time from the menu that floated in space, she determined it to be past : pm.
According to memory, she had walked about an hour on foot from the Silver Horn Crossroads. She had not yet come halfway through the journey. However, that was simply because Mira had constantly stopped to view anything of interest.
She carefully observed the butterflies suck nectar from flowers with great interest and she dug up earthworms causing her to twitch her face.
And with fatigue that had not been felt in-game up till now, she took several breaks.
When Mira closed her menu, she felt a bit hungry and remembered the apple pie that she had been keeping in her item box. When she placed her fingertip on the icon within the box, a tiny icon began to grow in substance. It continued to grow until it was full size and materialized in her palm.
Mira squinted at the thing that had appeared on her palm. It had already been one week since the apple pie had been placed in the item box. Although this was something which she had created 0 years ago as confirmed by the description, she could not detect an abnormality.
Although she hesitated a little to bring her small nose close, a fragrant smell of vanilla beans extended to her nose. At the same time, her stomach growled.
Mira made up her mind and with a wide open mouth, bit into the pie. A crunchy texture and sour apple taste greeted her mouth at the same time, taste was clearly simulated.
Then she opened the item box again and retrieved 『Appure』. This was an item that every magic class always had on hand. It would be no exaggeration to say that it was a prevalent item. It was a drink that was effective in raising MP recovery speed that had apple and milk in it.
She put her lips on the amber white liquid that had a faint sweet scent of apples.
「So good......」
Her thoughts leaked out unintentionally. The two foods had excellent texture and taste.There also was no issue with the feeling of food going down her throat. However, although Mira had never eaten apple pie up until now, she committed the excitement of her first taste in memory. Although 『Appure』 was not an item that could be seen in reality, Mira has become fond of its good flavor and taste.
「Fuuu.」 Mira leaked out a long sigh. She looked up to the sky at ease and gazed at the clouds drifting by.
The breeze rocked her hair and the sensation of that green scent tickled her nose. A moderate feeling of fatigue came upon her in proportion to how much she had moved. In addition, the appetising 『Appure』 and apple pie contributed to this pleasant feeling as well.
Whether she willed them or not, she experienced a diverse sense of reality. When this much circumstantial evidence had been prepared, the more carefully one tried to understand the present situation the more one could not exempt the chance that it was reality.
Therefore, for the time being, Mira had accepted this as a fact.
She would act based on the assumption that this was reality. Even if that wasn’t actually the case, it would only become a funny story later on. If that was the only loss, then it wouldn’t be a big problem. However, it would be too late to deal with the troubles if something did happen, thus she assumed the possibility that it was real. She may really die if she gets killed and may never get back up. People who ignored their bad feelings may end up having bad endings waiting for them.
First of all, as a person who had lived in this world for twenty odd years, Luminaria may know something. It was her top priority to meet her. She returned her attention to the road ahead and stepped forward.
Just when she was feeling fatigue from walking through a crossing and was about to hurry, it appeared.
Drool dripped down from the sharp canines protruding from its gray body. Mira recognized the figure which had approached slowly and raised a low growl.
It was called a saber dog, which was called the first hurdle for beginners.
There were a lot of players who were made to suffer from its agile movement and strong attack strength.
The surroundings were the territory of this saber dog. There was no one around and a weak-looking girl was walking alone on a forest path this far away from a town. It was so foolish that it looked almost suicidal.
Those who only looked at her appearance were unable to judge Mira’s true strength. At most, they would only be able to guess that she was a magician from her robed figure. Although they may think that she was a magician, the contents were still that of a developing little girl. Had adventurers been passing by, 9 out of 10 of them would have jumped in at that time.
All that was reflected in the eyes of the saber dog. It judged from her small stature that she was weak.
As for the monster named saber dog, its length was well over one meter. Even for adults it would be dangerous without any preparation.
The hunter’s thirst for blood reflected in its eyes and it carefully judged the distance between them to not let its prey escape.
Mira thrust out her right hand towards her opponent. And a feeling identical to that of a skill’s activation was felt at that moment. The saber dog’s pupils were now dyed in obvious fear and its body was crushed into a large red flower from its impact with many trees.
After all, the opponent was a lower class monster that was not comparable to hobgoblins. The skill Mira used was an initial skill of her second class 【Sage: Shock Wave】. It was merely a technique to send a shock wave forward, but if an expert on Mira’s level were to use it, weaker beings would be blasted away.
「It looks like there’s no problem.」
Because Mira was capable of using summoning arts, she used Sage Magic only as an experiment. And the experiment gave her the conviction that skills were able to be used in the same sense as the game.
Mira roughly brushed away the sparks that had fallen onto her and she hurried away without looking back. | {
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ああ、朝のこの時間ってなんだか素敵だわ。
とりあえず、今日から国外追放作戦を考えましょ。国外追放作戦ってなんだか物凄い悪い事をするみたいで心が躍るわ。
......国外追放になるには国王様に失礼な事をすればいいのかしら。でも、その前にウィルおじさんの事も聞きたいのよね。
「アリシア」
......びっくりしたわ。さっきまで寝ていたジルがいきなり私を真剣な瞳で見つめているんだもの。
「どうしたの?」
「昨日の夜、ずっと考えていたんだけど、僕、......アリシアで何かをするって決めているのなら口を出さないよ。アリシアの考えに僕は反対しない」
「何を?」
「死なないで」
そう言ったジルがあまりにも綺麗で私は一瞬見惚れてしまった。なんて大人びた表情をするのかしら。
「そう思っているのは僕だけじゃない。デュークもヘンリもメルもキャロルも、皆アリシアが大好きなんだよ。アリシアがいない未来はあまりにも寂しすぎる、ってデュークが前に言ってたよ」
ジルのあまりにも真剣な言葉に私は固まってしまった。ジルが真剣にそう言っているのに、私は悪女は人に好かれていいのだろうか、とか最低な事を考えてしまった。嬉しいのと同時に少し不安が生じた。
悪女になりたいという気持ちは変わる事はないのに、私は一体何を目指しているのかしら......。
「僕はいつでも君の盾になる」
「じゃあ、私はいつでも貴方の剣になるわ」
ジルはそう言って嬉しそうに口角を上げた。朝日に照らされた灰色の瞳が輝いていて、少し眩しかった。
「アリシア様」
「アリアリっ!」
キャロルとメルが勢いよく私の方へ向かってくるとも顔が必死だ。
この絵面だけ見れば、私、人気者みたいだわ。
「おはようございます」
「おはよう~~!」
メルは勝ち誇った顔を浮かべながら喜色あふれる声でそう言った。
......彼女達は何をそんなに争っているのかしら。
「違うわ。今のは私に言って下さったんだわ」
「は~? どう考えても私、メル、に言ったんだよ」
朝から元気ね。......というか、私より年上の二人が私より元気って変よね。
でも、私も前世で生きていた歳ぐらいだもの、精神年齢がある程度高くても当たり前よね。
「アリシアをこんな風に慕う子達がこの学園に百人ぐらいいるって考えておいた方がいいよ」
私は思わず頓狂な声を上げてしまった。流石に百人は多すぎるわ。
「......少なめに考えて、百人だよ。本当はもっといると思うよ」
どうしてそんな事が分かるのかしら。一体ジルはどれだけの情報を持っているのかしら。恐ろしいわ......。
「私の方がアリアリを好きだもん」
「私の方がアリシア様をお慕いしているわ」
メルとキャロルの甲高い声が耳に響く。その様子を見てジルは呆れた顔で彼女達を見た。
「まだやっているよ」
......この中で一番精神年齢が高いのは、最年少のジルかしら。私はふと心の中でそんな事を思った。 | Ahh, this time of the morning is so wonderfully peaceful.
Anyway, from today onward, I need to start thinking about my grand banishment strategy.
Hmm, I think more thought is necessary. And, before I do anything, I’d like to ask Uncle Will what he thinks.
“Alicia.”
.....Ah, that startled me. I was so sure he’d been sleeping just a few seconds ago! But now he’s looking at me with a very serious look in his eyes.
“Yeah?”
“I did a lot of thinking last night and I....... Alicia, if you’ve decided that you need to do something alone, I won’t interfere. If that’s what you think is best, I won’t object,” Gilles tells me, his eyes unwavering. “But, there is one thing I’d like you to promise me.”
“What’s that?”
“Don’t die.”
Gilles, in this moment, looks so breathtakingly genuine, that I can’t seem to look away. He has me captivated. His expression is so mature; there are no traces of the childishness he showed me yesterday.
“And I’m not saying this just for myself. I’m not the only one who thinks this way. Duke and Henry and Mel and Carol... they all really like you. A future without you in it, Alicia, would be far too lonely,” Gilles clears his through. “....is what Duke said to me, anyways.”
At Gilles’s surprisingly serious speech, I find myself stiffening. As a villainess, is it okay for so many people to be that fond of me? Gilles is being painfully honest, and yet I can’t stop these disgusting doubts from pervading my thoughts. The fact that his words made me feel this happy, actually makes me feel anxious at the same time.
My goal of becoming a villainess clearly hasn’t changed, and yet I can’t help but wonder, what is it that I’m truly aiming to accomplish....?
“No matter when it is, I’ll be your shield. Always.”
“Then I’ll be your sword whenever you need one,” I say back, smiling at him.
“......Together, I guess that makes us the strongest pair,” Gilles says, the corners of his lips quirking up happily. With the morning light shining on his gray eyes, they sparkle, almost dazzling bright.
“Alicia-Sama.”
“Ali-Ali!”
Mel and Carol call out enthusiastically, bounding towards us. Their faces look almost desperate as they push and prod at each other, trying to obtain the best spot in front of me.
Just looking at this scene, you’d think I was Miss Popularity here at the academy.
“Good Morning.”
“Mor~ning~~!”
“Yes! She definitely said that to me!!” Mel cries, a triumphant glee spreading across her face as she smirks at Carol.
.....What are they even competing over?
“You’re wrong. I’m the one she graciously replied to.”
“Hah~? Clearly it was me, Mel, that she said that to. No matter how you look at it, it was ob~viously me.”
Even first thing in the morning, these two are still quite energetic. Actually, now that I think about it.... It’s kind of weird to see them being so much more enthusiastic and lively than me despite both of them being older.
Then again, if you include the time spent in my past life, my mental age would be closer to now, so I guess it isn’t that odd after all.
“I know you think they’re the anomaly, Alicia, but it would be best for you get rid of that misconception. They aren’t the outlier. There are a hundred kids in the academy who like you just as much as these two do.”
“!? Isn’t that a gross overestimation?” I object a little more forcefully than I had meant to. There’s just no way. is obviously way too many.
“.....I was being on the conservative side when I said that. There’s definitely at least a hundred. Actually, I think there’s more than that.”
And how does he know that? Just how far does Gilles’s information network reach? What a truly a frightening child.....
“‘Cause I like Ali-Ali most!”
“No, I am the one who admires Alicia-Sama the most.”
Gilles turns an exasperated look on the two of them.
“They’re still at it,” he sighs, somewhat bemused.
.....Maybe the person with the greatest mental age out of all of us, is actually Gilles, the youngest. Seeing this expression on his face, I suddenly think that in a small corner of my heart. | {
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経済的展望も同様に不明確である。高いエネルギー価格はロシアにとっての恩恵であるが、中東および他の石油および天然ガスが豊富な地域でありがちなように、それは退廃の温床となり、実物経済活動を減速させる重荷ともなりうる。ロシアの指導者の課題は、石油による国益をロシア国民の教育およびインフラの再構築に注ぎ、グローバルな競争力と雇用成長へつなげることである。 | High energy prices are a boon to Russia’s economy, but, as is often the case in the Middle East and other oil- and gas-rich regions, they can be a burden as well, feeding corruption and discouraging real economic activity. The challenge for Russia’s leaders is to use its oil wealth to educate Russia’s people and rebuild Russia’s infrastructure, thereby ensuring global competitiveness and employment growth. | {
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前世の中世もそうだったが、この中世風世界でも町の中心近くには大きな広場がある。夏には祭りの中心地となり、交易商人が来た際には市が立つ。時には市民が集まり政治集会の場となり事件現場となったり、見世物の舞台にもなる。
「よし、斬れ!」
俺がそう大声で指示するの兵士が処刑人として、処刑台の上に拘束されていた三人の男の首を斬り飛ばす。ダゴファーとかいう男の首が特に大きく切り飛ばされ、見物人から歓声があがった。
処刑された三人の首を槍先に突き刺して捧げるようにしながら兵が移動し、その周囲を町の住人たちが取り囲みながらついて行く。見ようによっては前世日本で御神輿を囲む祭りのように見えなくもないが、神輿じゃなく首なのだから殺伐としてるよな。
今回に関しては被害者の知人や親族もいるんでなおさら人出が多くなった一面はあるが。
もともとは高貴な者を死刑にするときは斬首、そうでない人間は縛り首という区分があったらしい。前世の中世日本で武士は切腹、そうでない場合は斬首という具合に分けていたのもそうだが、地位で処刑方法が異なる事はどこの世界でもある。
だが今回はあえて斬首刑にした。縛り首だとその後しばらく死体をそのままにして晒すのだが、今回は首だけを晒すことを命じてわざわざそのための台まで作らせた。前世日本の獄門台でさらし首にした発想からだ。もっとも獄門台なんぞドラマの時代劇でしか見たことはないが。この世界では珍しいやり方だったから逆に興味を引いたようだ。
日本人としての記憶があるせいか死刑を娯楽にしている市民をちょっと冷めた目で見てしまうが、顔に出さないように気を付ける。この世界ではこれが普通だという考えは間違ってはいないが、違和感と言うかもやもやする感覚も事実。
人の命を自然科学的にいうのであれば“命は平等”だが、政治的、軍事的な観点で見れば味方の命と敵の命は平等じゃない。そして俺は後者の視点で考えなければならない立場だ。
身近な人や大切な人の命を守るため、であっても敵の命を奪うというのは内心思う所がないわけじゃない。だがこの生き方を選んだ以上は人前でそれを見せるわけにはいかないし、この感覚は忘れたくもない。理性と感情は違うって事だろうか。人間は矛盾の生き物だな。
気を取り直して執務館で誓約人相手のやり取り。協力的な人たちに対しては感謝と報酬の約束をする。同時にさらなる仕事の依頼をして、ついでに難民にも仕事を回すように手配を頼んだ。これから人手が必要になることがあるからこそ単純労働は多くの人に回したい。
一方、非協力的だった連中に対して。脱税に関してはベーンケ卿が既にきっちり証拠までそろえて纏めていてくれたんでそれをもとに処分。罰金が随分たまったな。マンゴルト関連に関しては譴責処分だけに済ませるかわりに一つ手を打った。
腹の探り合いを含めてそっちが終わると、王都と近隣の各領地に使者を送って情報共有を行う。ついでと言うと語弊があるが
それが終わると今度は賊討伐の報酬関係の処理だ。これもおろそかにできないんでさっさと仕事をする必要がある。
「......問題はないかと思われます」
「よし、では兵士宛ての報酬はシュンツェルに実務を任せる。後ででいいがゲッケ卿の傭兵隊にはノイラートが代わりに持って行ってくれ」
「はっ」
「フレンセン、こっちの書類は箱に纏めておいてくれ。被害者への補償に関するものだから忘れていたら後で声をかけてほしい」
「かしこまりました」
ケステン卿にも確認してもらいながら戦功を確認しつつ報酬を決定していく。武器だったり現金だったり、騎士が相手の場合は馬だったり。前世で言えば高級自動車が報酬みたいなものだから馬って事はそうは多くないけど。
前世の戦国時代の話を読んでると、時々そんなものが報酬になるのかと思ったこともある。頭巾とか履物とか。けど実際に人の上に立つ側になると、まずその働きを見ていたぞという事を言葉と形にすることが絶対に必要なことがよくわかる。
人心掌握のためには金銭報酬ではなく名誉報酬としてでも、形あるものを出さなければならない。その意味では皿一枚、手袋一つだって王直属の代官からの報酬となれば金銭以上の価値が生じる。馬鹿にしていい物じゃなかった。前世の戦国武将ごめん。
と、必要性は解ってるんだが仕事としては面倒くさいんだよ。不公平だと別の不満が出るし。内心で文句を言いながら手早く書類を確認しサインしては机の隅に積んでいくのを横で見ていたベーンケ卿が感心したように頷いた。
「卿がまとめてくれていた分もあるしな。軍務に関しては慣れているだけだ」
実際、内務関連の書類に関してはベーンケ卿は相当に優秀だ。戦功に対する業務はフィノイの後にもやったし、そもそも前世でこういった書類関係の仕事だってなかったわけじゃない。効率的に仕事を進める基本的なノウハウぐらいは流石に持っている。
そう思いながら作業を進めていたがベーンケ卿の台詞に咽せそうになった。
「いえ、子爵のお歳ではそもそも書類作業が面倒で嫌だという方も多いので。伯爵の教育がよろしかったのでしょうな」
「父にそう言っておくよ」
そうか、考えてみれば本来なら学生の年齢だもんなあ......このやり取り、どっかでやったなと思ったら同級生に勉強の効率がいいと言われたときか。マゼルは例外として男女問わずいろんな奴から勉強の相談受けたっけ。
対価は前世だったら昼飯おごりとかだが、この世界の貴族がそれもなんだからと地元の名産情報とか宮廷の噂話と引き換えに教えてやったなあ。社会人になると学生時代の勉強できる時間って貴重なんだと知ってるだけに、学校に戻れるかどうかは気になる。
ちょうどその時に扉がノックされた。フレンセンが応じてこちらに向き直った。死体の処分に意外と時間がかかったな。あの人出じゃ当然か。
「ヴェルナー様、ラフェドと、ゲッケ卿、それにお呼びした方が来ておりますが」
そう言って承認するとラフェドたちと一緒に先ほど処刑に関わった下級兵士の鎧を着た男が入ってくる。年齢は俺より年長だが十歳は離れていないだろう。俺もとりあえず書類を除けた。
「済んだのか、アイクシュテット卿」
「子爵閣下のご厚意には御礼の申し上げようもございません」
いきなり平伏までしやがった。やめろっての。閣下と呼ばれることさえむず痒いんだから。ベーンケ卿やケステン卿、フレンセンにも一応説明はしてあったが、改めて簡単に紹介だけはする。
「話しにくいからやめてくれ。皆、彼がアイクシュテット卿だ。トライオットで伯爵家出身らしい」
「亡国の死にぞこないでございます」
「卑下を聞きたくて呼んだわけじゃない。立ってくれ」
内心、相手の方が年上で一応元伯爵家令息って相手にこの態度はどうかと思うが、国がなくなるってこういう事だ。山賊やっていたことも含め、あっちは年少の俺に平伏さえする立場だし、俺はそれを受け止めなければいけない側。
今のアイクシュテット卿の姿は、王都防衛から逃げていた場合に訪れていた俺の姿と言えるのかもしれない。
「あの程度しかできず済まないな」
蜂に刺されても必ず死ぬわけじゃないとはいえ、よくあの状況で息があったもんだ。執念だけで生きていたんだなあと改めて感心する。と同時に全部治しちゃうポーションすげえ。
「気が晴れた、とは言えないだろうが一つ済んだことには間違いはないか」
「はい。これで妻と娘にも合わせる顔ができました」
何と声をかけるべきか悩んだ俺は無言で頷く。元々アイクシュテット卿の命を救ったのはあの丘でどのように飲料水を得ていたのか、尋問したかったからだ。正直誰でもよかったことは否定しない。
だが話の流れでなぜ賊になったのかを聞いて協力する気になった。なってしまったというべきだろうか。
あのダゴファーとかいう奴はトライオットの滅亡時に脱出を図った自国の民も襲撃していたらしい。そしてアイクシュテット卿のいた避難民の集団もダゴファーの集団に襲われ、母親は斬られ、まだ一歳だった子供は賊の一人に文字通りの意味で蹴り殺された。
またその時に拉致された奥方に関しては、発見した際の事を言葉にしようとした所で泣き崩れてしまい何も聞けなかったが、ろくなことはなかったのだろう事は想像に難くない。話を聞いていた俺たちですら何も言えなくなってしまった。
父親である伯爵はトライオット滅亡時に王宮にいたはずという事で恐らく生きていないだろうとの事。
賊になった理由は他の賊を油断させて、うまくダゴファーと合流してから酔い潰し、その場で刺し殺すつもりだったらしい。腕力に自信がないアイクシュテット卿は他に手が思いつかなかったんだそうだ。俺自身、自分の大切な人がそんな目にあったら間違いなく復讐を考えるだろうと思うから、それを責める気にはなれない。
それらを語った上で「死刑は覚悟している。ただダゴファーより後にして欲しい。奴の死を見てから死にたい」と泣きながら頼まれた時点で俺はこの人にダゴファーの死刑執行役を任せる気になった。今回斬首刑にしたのはむしろその方が理由としては大きかったかもしれない。
ちなみにアイクシュテット卿のいた賊集団で首領をやってたゼーガースとかいう奴は針鼠になっていたんで、他の賊を代わりに処刑した。
「さて、ではあの地に拠点を構築することを選んだ卿に話があるわけだが」
「何でもお話しいたします」
「どうせなら死ぬ前に役に立つ気はないか」
そう言ったら怪訝な表情を向けられた。俺は賊には容赦しないと言われてるらしいからそういう反応は当然か。だが実際協力者が欲しい。その協力者にちょうどよさそうな感じなんだよなこの人。
「言うまでもないがトライオットを滅ぼしたのは魔軍だ。卿がそのような状況になったのも魔軍の仕業だと言える」
「それは......その通りではございますが」
「その分も復讐してやるのが筋じゃないか?」
アイクシュテット卿は一瞬沈黙し、次いで不思議そうな顔で口を開く。
俺と言いかけたんで一呼吸入れる。胃が痛いが作戦計画を言わないわけにもいかない。一息で答える。
「こちらからトライオットに侵攻する」 | There was a large square in the middle of Anheim town, just like any other typical town in the medieval era. In the summer, the town square would become a place for festivals and it would also become a place for the traders to set their stalls. Sometimes, the square became a place for the citizens to gather for a political discussion, a crime scene, or a place to perform.
“Execute them!”
I gave the order with a loud voice, and the three soldiers cut off the heads of the three bandits. The head of the man named Dagover was cut off by an especially loud sound. When the heads of the three bandits fell, the crowd cheered.
The heads of the three bandits were impaled onto a spear and then brought by soldiers around the town. The town’s citizens gathered and followed behind soldiers. It looked like the scene of the Mikoshi parade in Japan, but since the things that were being brought around were heads of men, not a Mikoshi, it looked rather grotesque.
There were also many acquaintances and families of the victims in the crowd.
It seemed like this world had the custom of using beheading as a way to execute people of high status, while the execution of ordinary people was done by hanging. It was similar to how in medieval Japan, samurai were executed by telling them to commit seppuku while ordinary people were simply beheaded.
However, I decided for the bandits, who were of low status, to be beheaded instead of hanged for a reason. I also ordered the bandits’ heads to be displayed and brought across the town, which was something I had seen in a drama movie. Because of all of this, execution garnered a lot of interest.
Perhaps because of my memory as a modern Japanese man, I couldn’t help but feel cold when I saw how the citizens seemed to be enjoying the execution. Of course, I was careful not to show that on my face. I knew that this was the norm here, but I still felt uncomfortable.
From the perspective of science, human lives were equal, but from the perspective of politics and the military, the lives of our allies and enemies were not equal. I was in a position where I had no other choice but to think from a later perspective.
It wasn’t like I felt nothing about killing my enemies even though it was to protect my precious people. But because of my position, I couldn’t show any remorse or hesitation in killing my enemies, but on the other hand, I didn’t want to become a monster that felt nothing while killing others. Humans were truly contradictory creatures.
Let’s stop thinking about that here. I pulled myself together and went to my office. There, I had a meeting with several Pledgers. For the Pledgers who decided to support me, I gave them my gratitude and promised them rewards. I also commissioned more work to Pledgers and also asked them to arrange work for the refugees. We would need more human resources in the future, so I wanted to give simple jobs to as many people as possible.
On the other hand, I punished the Pledgers, who refused to cooperate with me. The evidence of some of the Pledgers’ tax evasion had already been collected by Sir Behnke, so I handed out punishment based on that. We got tons of money from fines. As for the matter of monetary assistance to Mangold, I only scolded them. Of course, I had my own reason for that.
After the matters with the Pledges were over, while bearing my stomach ache, I sent emissaries to the capital and neighboring territories to share some information. I also commissioned the Iron Hammer to deliver a letter and some goods to Father in the capital.
After that, it was now the time to deal with the reward of the bandits’ extermination operation. This was also a pretty important job, so I must not neglect it.
“...I think there is no problem with that.”
“Okay. Then, I’ll leave the rewards of the soldiers to Schunzel. As for the rewards for Sir Gekke’s mercenaries team, Neurath will take care of it. It’s fine if you do this later, Neurath.”
“Yes, sir.”
“Frenssen, put these documents in a box for now. These are the documents about compensation for the victims’ families. If I happen to forget about these, please remind me.”
“Understood.”
As for the rewards for the knights, I would consult with Sir Kesten first before deciding on them. Other than weapons and money, horses were also a viable option for the knights’ rewards. Giving horses as a reward to the knights was like giving a luxury car as a reward to your subordinates in my previous life. Horses were technically the ‘luxury cars’ in this era, after all.
In my previous life, I often questioned why the lords in the Sengoku Era gave stuff like headscarves and footwear as rewards. But now I sort of understand. As a person who stood above others, you needed to show your subordinates that you appreciated their work.
To win your subordinates’ hearts, you needed to give them something tangible to show them that you appreciated their work. These ‘tangible’ things didn’t need to be money. They could also be items that symbolize ‘honor’. In this sense, random plates or gloves given by me would be priceless simply because I was a governor appointed by the king. Sorry for thinking you were cheap before, lords of the Sengoku Period.
Although I theoretically understood the necessity of rewards, deciding on what to give to whom was a tedious job. After all, I would be flooded with complaints if the rewards were unfair. While complaining inside, I kept checking and signing the documents. From the side, Sir Behnke nodded in admiration and said, “Viscount-sama is quite skilled in doing paperwork.”
“This is also thanks to Sir’s hard work in sorting the documents. Plus, I am used to handling documents about the military affair.”
Sir Behnke was quite skilled in handling documents relating to the internal affair. As for me, I had experience handling documents about military merits in Finnoi. In addition, I also had experience working with documents in my previous life. That was why I knew the basics of how to work with documents efficiently.
But Sir Behnke’s next words almost made me choke.
“But usually, people of Viscount-sama’s age think of working with the documents as a tedious job and hate them. I suppose Count-sama’s education is excellent.”
“I’ll convey your praise to Father.”
Right... I was, in fact, a student. Come to think of it, I remember my classmates in the academy saying that my way of studying was efficient. My classmates had also consulted me a lot about how to study, except for Mazell, of course.
In my previous life, usually, you would ask for your friends’ help in studying in exchange for treating them to lunch but here since most of my friends were nobles, my friends would tell me about local specialties of their territories or interesting gossip in the court in an exchange of helping them to study. I knew that when you became an adult, the time spent as a student became precious, so I wondered if I would be able to return to being a student in the academy soon...
Let’s end the reminiscing there. As I continued to work with the documents, someone knocked on the door and Frenssen turned to me. Ah, they were here. I guess disposing of a dead body took quite a bit of time. Well, that wasn’t strange considering the crowd.
“Welner-sama. Rafed, Sir Gekke, and the person you have called are here.”
As the three of them entered, I put down my papers. The man who came inside, along with Sir Gekke and Rafed, wore the uniform of a low-ranking soldier. That man was someone who was also involved with the bandits’ execution. From his appearance, I could tell that the man was older than me, but our age gap was likely less than years.
“Sir Eickstedt. You’re done?”
“Yes. I cannot thank you enough for your generosity, Your Excellency.”
I had already explained Sir Eickstedt’s situation to Sir Behnke, Sir Kesten, and Frenssen. So, let’s introduce him to everyone else here.
“It will be hard for us to talk if you act like that, so stop. Everyone, he is Sir Eickstedt, a member of a Count’s household from Triot.”
“I am nothing more than a refugee from a ruined country, sir.”
“I didn’t call you here to see you prostrating like that. Stand up.”
In my heart, I felt uncomfortable seeing a son of a Count from a foreign country who was also older than me act like that. But his country was destroyed, so he was currently in a position where he needed to prostrate and act servile even to someone like me who was younger than him, and because of my position, I had no choice but to accept his attitude.
Sir Eickstedt might be the future me if I decided to escape when the demons attacked the capital.
“Sorry for not being able to do much.”
It wasn’t like a person would die immediately after he was stung by bees, but I was still impressed by how this guy managed to survive in that kind of situation. He must have survived out of a sheer will. It also once again made me amazed at the power of potions in this world.
“I hope at least I managed to ease your burden.”
“You have done more than that, Your Excellency. With this, I at least have a face to meet with my daughter and wife in heaven.”
I didn’t know what to say after seeing Sir Eickstedt’s expression. Originally, I captured him alive, so I could interrogate him about how to get drinking water on that hill. To be honest, I was fine with anyone, as long as I could interrogate them.
But after I heard the story of how he became a bandit during his interrogation, I ended up helping him.
I had heard before that Dagover was a bandit who often attacked the refugees from Triot. Unfortunately, Sir Eickstedt’s group of refugees was also a victim of Dagover. Sir Eickstedt’s mother was killed, and his one-year-old son was literally kicked to death by the bandits.
He told us that his wife was abducted by the bandits. When we asked him what happened to his wife after that, he broke down crying without being able to say anything. Whatever it was that happened to his wife must be a truly horrible thing.
His father, a Count of Triot, was apparently in the palace when the demons attacked Triot. His father had most likely already died.
The reason he joined the bandits was to kill Dagover. His original plan was to let Zeghers’ group merge with Dagover’s group, then he would purposely make Dagover drunk after meeting him and stab him to death. Sir Eickstedt, who wasn’t confident in his physical strength, couldn’t think of any other ways to kill Dagover. If I lost my precious people... I would probably do everything to get revenge, just like Sir Eickstedt.
Back then, after he told us everything, he begged, “I am prepared to be executed, but please, let me die after Dagover. I want to see his death.” while crying.
By the way, Zeghers, who was the bandit leader of Sir Eickstedt’s group, had become a human porcupine, so I ended up executing a different bandit in his stead.
“Well then, there is something I wanted to ask you, Sir, who has managed to build a base on that hill.”
“Please, ask me anything.”
“If you’re planning to die anyway, how about helping me first?”
When I said it, Sir Eickstedt’s expression became doubtful. Well, I had a reputation for being merciless to criminals, so that was an understandable reaction. But I needed a collaborator, and this guy was a perfect choice.
“Demons are the ones that destroyed Triot. Wouldn’t that mean demons are also the ones that forced you into this kind of situation?”
“...That is correct, but...”
“Don’t you also want to get revenge on demons?”
Sir Eickstedt became silent. A few moments later, with a confused expression, he asked, “What are you planning to do, Your Excellency?”
I took a deep breath inside. My stomach hurt, but I had to tell everyone my plan, right?
“I’m planning to attack Triot.” | {
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クーデターのために 家族は祖国ガーナを離れ ガンビアに移りました
運が悪いことに 移住して半年後 そこでも軍事クーデターが 起こりました
真夜中に起こされ 僅かばかりの所持品をかき集め 2時間ほど歩いて 隠れ家まで行ったのを はっきり覚えています
銃弾が窓から 飛び込んでくるのを恐れ 1週間ベッドの下で 寝ていました
それから8歳の時に 家族はボツワナに移りました
今回は前回と違って
クーデターはありませんでした
全てが順調で 素晴らしい教育も受けられました
インフラも良く 当時のボツワナでは 光ファイバー電話が 西洋で普及するずっと前から 使われていたのです
ボツワナになかったのは 自前のテレビ局だけでした 自前のテレビ局だけでした そのため 隣国の 南アフリカのテレビを見ており そのため 隣国の 南アフリカのテレビを見ており 獄中にいるネルソン・マンデラが アパルトヘイト闘争から 手を引けば釈放すると
持ちかけられたのが 報じられていました マンデラは これに応じず 南アからアパルトヘイトを なくす目標を 諦めることは ありませんでした
そして たった一人の 優れた指導者が アフリカにどれほど大きな違いを もたらせるか 感銘を受けました
そして私が12歳の時 家族は私をジンバブエの中学に 行かせてくれました
そこも最初の頃は 素晴らしいものでした 成長を続ける経済 素晴らしいインフラ まるでアフリカの経済発展の お手本のようでありました
ジンバブエの高校を卒業し 外国の大学に進学しました
6年後 ジンバブエに 戻ってきた時には
全てが変わっていました
国はバラバラになっていました
何百万人もが国を逃れ 経済はメチャメチャで 30年間の発展が突如 消え失せたかのようでした
どうしてジンバブエは そんなに急速に悪化したのでしょう?
多くの人が認めているのは すべては指導者のせい ということです
ロバート・ムガベ大統領という男が たった一人で この国を崩壊させてしまったのです
アフリカの様々な国で 成長期を過ごした経験は 私に二つものを 与えてくれました
第一にアフリカへの愛です
どこに行っても アフリカの 見事な美しさを体験し 人々の力強さや精神を 見てきました 残りの人生をかけ アフリカのために働き 素晴らしい大陸したいと 思うようになったのは その頃です
同時に アフリカを 素晴らしい大陸にするには この指導者の問題を 解決する必要があると気付きました
お話ししたように 私が暮らした国々 — ガーナや ガンビアや ジンバブエでは クーデターや汚職を 目の当たりにしましたが 対照的に ボツワナや南アフリカでは
素晴らしいリーダーシップの 実例が見られました 指導者の質で アフリカは
良くも悪くもなることが 分かったのです 指導者が重要なのは
どこでも同じだと 思うかもしれません しかし 今日の私の話から 学ぶことが一つあるとすれば 「アフリカは 世界のどこよりも 一人の優れた指導者に もたらせる違いが大きい」 ということです なぜなら —
アフリカは 司法や憲法 市民社会などの 社会制度が貧弱だからです
経験的に言えるのは 社会制度がしっかりした社会では 一人の指導者にできることは 制限されていますが 社会制度の整わない社会では 一人の指導者に 国を築きもできれば 崩壊させもできる ということです
より具体的に お話ししましょう
あなたがアメリカの 大統領になったとしましょう
「ワオ ついに登りつめた
世界で最も権力のある男になった」と 思うことでしょう
それで ひとつ法律でも 作ってやろうと思うと
突然 議会に肩をたたかれ 「ちょっと ちょっと ダメですよ」と言われます
「ひとつこんな風にしてみたい」と あなたが言うと
上院が立ちはだかって 「そんなのダメです」と 言われます
「お金を増刷しよう 経済には刺激が必要だからね」と
あなたが言うと
中央銀行総裁は
あなたが狂っていると思い 弾劾するかもしれません
しかし あなたがジンバブエの大統領なら 「大統領職が気に入ったから
生涯続けることにするよ」と 言えば — 大統領職をずっと 続けられるのです
あなたがお金を増刷しようと決め
中央銀行総裁に電話をして 「通貨供給量を倍にしてくれ」と 言うと
中央銀行総裁は 「かしこまりました 他にご用件はございますか?」 と言うでしょう
これがアフリカの指導者の 権力であり これが指導者によって アフリカが大きく変わる 理由なのです
ありがたいのは アフリカの指導者の質が 改善していることです
アフリカの指導者には 三つの世代があると思います
50年代や60年代に登場したのが 第一世代です
ガーナのクワメ・エンクルマとか タンザニアのジュリウス・ ニエレレといった人々です
彼らが遺したものは アフリカの独立です
植民地支配から 人民を解放した功績を 認めてあげましょう
彼らの次に登場するのが 第二世代です
この人たちは アフリカを大混乱に
陥れる以外は 何もしていません 戦争に 汚職に 人権侵害
アフリカの指導者というと みんながイメージするものです ザイールのモブツ・セセ・セコとか ナイジェリアのサニ・アバチャなどです
救いは これらの指導者の 大半は既に消え 第三世代が現れたことです
故ネルソン・マンデラとか ポール・カガメなど 今日のアフリカの 指導者の大半が こういった人々です
そういう指導者も 決して完璧ではありませんが 成果の一つに 第二世代のあらかたの 尻拭いを行ってきたことが あげられます
彼らは紛争を終わらせました 私は「安定化世代」と呼んでいます
彼らは人民に対して ずっと責任を負い マクロ経済政策を 改善させています 私たちは初めて アフリカが 成長するのを目の当りにし しかもそれが 世界第二位の経済成長なのです
これらの指導者は 決して完璧ではないにせよ 過去50年の歴史の中で 概ね最も優れた指導者なのです
それでは これからどこに 向かうのでしょうか?
この世代の後に登場する 第四世代には アフリカを変革する またとない機会があると 信じています
特に 彼らには 前の世代にできなかった 二つのことができると思います
彼らがすべき最初のことは アフリカに 繁栄をもたらすことです
どうして繁栄が 大切なのでしょうか?
なぜなら前の世代は 貧困問題に 取組めなかったからです
今日のアフリカは 世界で最も早く 人口が増えており しかも最も貧しいのです
2030年までに アフリカの労働人口は 中国をしのぎ 2050年までに世界最大の 労働人口を抱えることになります
アフリカで10億人が 職を必要とするようになるのです 経済を急速に 発展させる必要があります これはアフリカだけでなく 世界全体にとっても
時限爆弾の上に 座っているようなものです この繁栄をもたらすというのを 実現している 一人の人物を 例にとってみましょう — ラティシャです
ラティシャは ケニア出身の若い女性で 家族が学費を払えなかったので 13歳で学校を中退しました
そのため 彼女の住む地域の 珍味である ウサギを飼育する 事業を始めました
事業は順調に行って 1年もせずに 15人の女性を雇い 高い収益を上げるようになり 自身で進学するだけでなく これらの女性を通じて 65人の子どもが学校に行く 資金援助をしました
儲けたお金で 彼女は学校を建て 今日では地域の 400人の子どもに 教育の機会を与えています
彼女は18歳に なったばかりです
もう一つの例は エリック・ラジョナリで
マダガスカル島出身です
マダガスカルの地方部で 雇用創出の要となるのは 農業ですが — マダガスカルの農民の大半には 肥料は高くて手が出せないことに 彼は気付いていました マダガスカルには 大変栄養価の高いフンをする
特別なコウモリがいます 2006年 エリックは公認会計士を辞め コウモリのフンから肥料を作る 会社を起ち上げました
今日ではエリックの会社は 数百万ドルの収益を上げています 正社員が70人いて コウモリのフンが 一番取れる時期には さらに800人を雇っています
私がこの話を好きなのは 繁栄を生み出すチャンスは どこにでも転がっていると 示しているところです
エリックは「バットマン」として 知られています
いったい誰が コウモリのフンなどから 多くの人を雇用し 数百万ドルの収益を上げる 会社を作れると 思ったことでしょう?
この第四世代がすべき 二つ目のことは 我々自身による 社会機構を作ることです
第四世代は ロバート・ムガベのような 一部の人の 好き勝手にされない 社会機構を作る必要があります
これらはすべて素晴らしい話に 聞こえますが 第四世代は どこから来るのでしょうか?
彼らがどこからともなく 現れるのを待つのか? それとも 神が彼らを お遣わしになるのでしょうか?
いいえ 私はそうは思いません
我々にとって重要な問題なので 運任せにはできません
我々はアフリカ色のある 自前の機構を作り出し 体系的かつ実践的に 指導者となる人を
見出し 育てる必要があります アフリカン・リーダーシップ・ アカデミーでは
過去10年間 そのようなことを 行ってきました
ラティシャは 我々の若きリーダーの一人です 今日では 7百人に アフリカのための 教育をしており 今後50年で 6千人を輩出したい と思っています
しかし 一つ問題があります
若きリーダー養成の 百人の枠に対し 毎年4千人もの人から応募が 寄せられているのです リーダー養成コースに対し とても大きな需要があるのですが
我々にはそれを 満たせませんでした
だからアフリカン・リーダーシップ・ アカデミーの 構想を拡大する計画を 今日ここで初めて公開しようと思います
アフリカに大学を25校新設し アフリカの — 次代を担うリーダーを 養成します
各キャンパスで一度に 1万人のリーダーを育て いつでも 25万人の リーダーを 教育していく予定です
今後50年で アフリカを変革する 3百万人のリーダーを 養成します
私の願いは その半数が 我々の必要とする起業家となって 雇用を創出し 残りの半分が 政府やNPOで働き 政府やNPOで働き 我々が必要とする 社会機構を作ることです
彼らは単に学問を 学ぶだけではありません
リーダーになる方法を学び 起業家としてのスキルを磨きます
だから アフリカ版アイビーリーグだと お考えください しかしここでの入学条件は SATの点数や 家の裕福さや 血筋の良さではありません この大学への主な入学基準は アフリカを変革させる 潜在能力があるか ということです それでも 我々が作ろうとしているのは 一個の組織に過ぎません
我々だけでアフリカを 変革することはできません
私の願いは 多くのアフリカ発の 組織が咲き乱れ 第四世代となる 次世代のアフリカの 指導者を育てるという 同じ理念のもとに 共働することです そして共通の課題である 「雇用創出と社会機構の構築」 について教えるのです
ネルソン・マンデラが かつて言っていました 「時折 偉大と言われる世代が 現れますが
皆さんは その偉大な世代に なれるのです」
我々が注意深く アフリカの次世代の指導者を 認識し養成するなら 来るべき第四世代は アフリカだけでなく 世界でもかつてなかった 最高の世代となることでしょう
ご清聴 ありがとうございました | As luck would have it, six months after we arrived, they too had a military coup.
I vividly remember being woken up in the middle of the night and gathering the few belongings we could and walking for about two hours to a safe house.
because we were worried that bullets might fly through the window.
Then, at the age of eight, we moved to Botswana.
This time, it was different.
There were no coups.
Everything worked. Great education.
They had such good infrastructure that even at the time they had a fiber-optic telephone system, long before it had reached Western countries.
The only thing they didn't have is that they didn't have their own national television station, and so I remember watching TV from neighboring South Africa, and watching Nelson Mandela in jail if he would give up the apartheid struggle.
But he didn't. He refused to do that until he actually achieved his objective of freeing South Africa from apartheid.
And I remember feeling how just one good leader could make such a big difference in Africa.
Then at the age of 12, my family sent me to high school in Zimbabwe.
Initially, this too was amazing: growing economy, excellent infrastructure, and it seemed like it was a model for economic development in Africa.
I graduated from high school in Zimbabwe and I went off to college.
Six years later, I returned to the country.
Everything was different.
It had shattered into pieces.
Millions of people had emigrated, the economy was in a shambles, and it seemed all of a sudden that 30 years of development had been wiped out.
How could a country go so bad so fast?
Most people would agree that it's all because of leadership.
One man, President Robert Mugabe, is almost single-handedly responsible for having destroyed this country.
Now, all these experiences of living in different parts of Africa growing up did two things to me.
The first is it made me fall in love with Africa.
Everywhere I went, I experienced the wonderful beauty of our continent and saw the resilience and the spirit of our people, and at the time, I realized that I wanted to dedicate the rest of my life to making this continent great.
But I also realized that making Africa great would require addressing this issue of leadership.
You see, all these countries I lived in, the coups d'état and in Zimbabwe, contrasted with the wonderful examples I had seen in Botswana and in South Africa of good leadership.
It made me realize that Africa would rise or fall because of the quality of our leaders.
Now, one might think, of course, leadership matters everywhere.
But if there's one thing you take away from my talk today, it is this: In Africa, more than anywhere else in the world, the difference that just one good leader can make is much greater than anywhere else, and here's why.
like the judiciary, the constitution, civil society and so forth.
So here's a general rule of thumb that I believe in: When societies have strong institutions, the difference that one good leader can make is limited, but when you have weak institutions, then just one good leader can make or break that country.
Let me make it a bit more concrete.
You become the president of the United States.
You think, "Wow, I've arrived.
I'm the most powerful man in the world."
So you decide, perhaps let me pass a law.
All of a sudden, Congress taps you on the shoulder and says, "No, no, no, no, no, you can't do that."
You say, "Let me try this way."
The Senate comes and says, "Uh-uh, we don't think you can do that."
You say, perhaps, "Let me print some money.
I think the economy needs a stimulus."
The central bank governor will think you're crazy.
You might get impeached for that.
But if you become the president of Zimbabwe, and you say, "You know, I really like this job.
I think I'd like to stay in it forever." Well, you just can.
You decide you want to print money.
You call the central bank governor and you say, "Please double the money supply."
He'll say, "Okay, yes, sir, is there anything else I can do for you?"
This is the power that African leaders have, and this is why they make the most difference on the continent.
The good news is that the quality of leadership in Africa has been improving.
We've had three generations of leaders, in my mind.
Generation one are those who appeared in the '50s and '60s.
These are people like Kwame Nkrumah of Ghana and Julius Nyerere of Tanzania.
The legacy they left is that they brought independence to Africa.
They freed us from colonialism, and let's give them credit for that.
They were followed by generation two.
These are people that brought nothing but havoc to Africa.
Think warfare, corruption, human rights abuses.
This is the stereotype of the typical African leader that we typically think of: Mobutu Sese Seko from Zaire, Sani Abacha from Nigeria.
The good news is that most of these leaders have moved on, and they were replaced by generation three.
These are people like the late Nelson Mandela and most of the leaders that we see in Africa today, like Paul Kagame and so forth.
Now these leaders are by no means perfect, but the one thing they have done is that they have cleaned up much of the mess of generation two.
They've stopped the fighting, and I call them the stabilizer generation.
They're much more accountable to their people, they've improved macroeconomic policies, and we are seeing for the first time Africa's growing, and in fact it's the second fastest growing economic region in the world.
So these leaders are by no means perfect, but they are by and large the best leaders we've seen in the last 50 years.
So where to from here?
I believe that the next generation to come after this, generation four, has a unique opportunity to transform the continent.
Specifically, they can do two things that previous generations have not done.
The first thing they need to do is they need to create prosperity for the continent.
Why is prosperity so important?
Because none of the previous generations have been able to tackle this issue of poverty.
Africa today has the fastest growing population in the world, but also is the poorest.
By 2030, Africa will have a larger workforce than China, and by 2050, it will have the largest workforce in the world.
One billion people will need jobs in Africa, so if we don't grow our economies fast enough, not just for Africa but for the entire world.
Let me show you an example of one person who is living up to this legacy of creating prosperity: Laetitia.
Laetitia's a young woman from Kenya who at the age of 13 had to drop out of school because her family couldn't afford to pay fees for her.
So she started her own business rearing rabbits, which happen to be a delicacy in this part of Kenya that she's from.
This business did so well that within a year, she was employing 15 women and was able to generate enough income that she was able to send herself to school, and through these women fund another 65 children to go to school.
The profits that she generated, she used that to build a school, and today she educates 400 children in her community.
And she's just turned 18.
Another example is Erick Rajaonary.
Erick comes from the island of Madagascar.
Now, Erick realized that agriculture would be the key to creating jobs in the rural areas of Madagascar, but he also realized that fertilizer was a very expensive input for most farmers in Madagascar.
Madagascar has these very special bats In 2006, Erick quit his job as a chartered accountant and started a company to manufacture fertilizer from the bat droppings.
Today, Erick has built a business that generates several million dollars of revenue, and he employs 70 people full time and another 800 people during the season when the bats drop their droppings the most.
Now, what I like about this story is that it shows that opportunities to create prosperity can be found almost anywhere.
Erick is known as the Batman.
And who would have thought that you would have been able to build a multimillion-dollar business employing so many people just from bat poo?
The second thing that this generation needs to do is to create our institutions.
They need to build these institutions such that we are never held to ransom again by a few individuals like Robert Mugabe.
Now, all of this sounds great, but where are we going to get this generation four from?
Do we just sit and hope that they emerge by chance, or that God gives them to us?
No, I don't think so.
It's too important an issue for us to leave it to chance.
I believe that we need to create African institutions, these leaders in a systematic, practical way.
We've been doing this for the last 10 years through the African Leadership Academy.
Laetitia is one of our young leaders.
Today, we have 700 of them that are being groomed for the African continent, and over the next 50 years, we expect to create 6,000 of them.
But one thing has been troubling me.
We would get about 4,000 applications a year for 100 young leaders that we could take into this academy, and so I saw the tremendous hunger that existed for this leadership training that we're offering.
But we couldn't satisfy it.
So today, I'm announcing for the first time in public an extension to this vision for the African Leadership Academy.
We're building 25 brand new universities in Africa that are going to cultivate this next generation of African leaders.
Each campus will have 10,000 leaders at a time so we'll be educating and developing 250,000 leaders at any given time.
Over the next 50 years, this institution will create three million transformative leaders for the continent.
My hope is that half of them will become the entrepreneurs that we need, who will create these jobs that we need, and the other half will go into government and the nonprofit sector, and they will build the institutions that we need.
But they won't just learn academics.
They will also learn how to become leaders, and they will develop their skills as entrepreneurs.
So think of this as Africa's Ivy League, but instead of getting admitted because of your SAT scores or because of how much money you have or which family you come from, the main criteria for getting into this university will be what is the potential that you have for transforming Africa? But what we're doing is just one group of institutions.
We cannot transform Africa by ourselves.
My hope is that many, many other home-grown African institutions will blossom, and these institutions will all come together with a common vision of developing this next generation of African leaders, generation four, and they will teach them this common message: create jobs, build our institutions.
Nelson Mandela once said, "Every now and then, a generation is called upon to be great.
You can be that great generation."
I believe that if we carefully identify and cultivate the next generation of African leaders, then this generation four that is coming up will be the greatest generation that Africa and indeed the entire world has ever seen.
Thank you. | {
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ホットミルクの入ったカップを両手で抱え――片手だと指が回らないのだ――飲みきったところで玄関の呼び鈴が鳴らされた。
「はぁい!」
大声で玄関に向かって声を掛け、椅子から飛び降りる。
少酔いが残っているが、ホットミルクのおかげで大分緩和された。
俺が出掛ける用意を始めた所で、コルティナも席を立った。
「ちゃんと護身用の装備は持った?」
「うん、カタナ持ってく」
「じゃあ私も用意するから、ちょっと待っててね」
レティーナも俺も、危うく人攫いに拉致されそうになった身である。
「学院は大丈夫?」
「んー、だいじょぶ。そんなに重要なポストじゃないからね、私は」
魔術師としての技量がそれほど高くないコルティナは、戦術理論という科目を受け持っている。
大抵彼女が出した戦況から、対応策を提出させる程度の授業だそうだ。
それに目を通し、採点を付けるだけなので、意外と暇が多いらしい。
俺はカタナを背負って、とたとたと玄関へ走る。
腰に下げたい所なのだが、俺の身長では鞘を引きずってしまうからだ。
コルティナも魔法の発動補助用の長杖を持って、後に続く。
彼女たちを待たせないように早足で駆けていく俺を、コルティナは微笑ましそうに眺めていた。
中身は俺なんだけどな......
ドアを開けるとミシェルとレティーナの二人が待ち構えていた。
「おはよう、ニコルちゃん!」
「おはようございますわ、ニコルさん」
ミシェルちゃんはいつもの狩猟弓に加え、
レティーナはコルティナとお揃いのデザインの長杖だ。
この間コルティナと面識を持った事で、早速同じ物を用意したらしい。
「おはよう、二人とも早いのね」
「コルティナ様! おはようございます」
「ティナ様、おはよー!」
硬直した後、カチカチになりながら挨拶するレティーナと、天真爛漫なミシェルちゃん。
その対応は対照的だ。
コルティナも二人を見て、ニッコリと魅力的な笑顔を浮かべた後、少し神妙な表情をする。
「ミシェルちゃんだっけ。その弓はケースに入れないの?」
「あっ、これは......」
コルティナの指摘に、ミシェルちゃんは少し恥ずかしそうな態度でもじもじする。
「ウチにはこんなに大きな弓をしまえるケースが無いんですよ」
「ああ、確かにこのサイズは普通じゃない物ね。完全に狩猟とかの効率性を無視した、威力重視の戦場弓だもの」
「でも家に置いておくわけにもいかないので、持ち歩く事にしました」
拳を握り締め、フンと鼻息荒く主張するミシェルちゃんだが、それはそれで辛いだろう。
大型の弓はそれなりに重量がある。
「じゃあ、それを入れるケースを先に見ていきましょうか。引っ越し祝いにプレゼントしてあげる」
「いいんですか!?」
「もちろん。安物で悪いけどね」
サードアイはその素材の高級さも然る事ながら、掛けられた付与魔法が半端なく高度だ。
もはや神話級といってもいいほどのマジックアイテムで、子供がそのまま持ち歩いていたら、確実にトラブルになるだろう。
コルティナも、初めてこの弓を見た時は腰を抜かしたモノである。
こんな弓を子供に与えるなんて、どこの酔狂かと猛り狂っていた。
「それで、引けるようには......」
「なってません」
ミシェルちゃんに掛かっていた身体強化は、あの戦闘の直後に解除されていた。
数分しか持たない事とはいえ、子供がこのバケモノ弓を引けるようになるとは、とんでもない強化率だ。
神を名乗るだけの事はある、という事か。
今、ミシェルちゃんの目標は、この弓を使えるようになる事だ。
そして俺の当面の目標は、彼女にこの弓を使えるような魔法をかける事なのだった。
「それじゃ、まずはお買い物からね。ちゃんと街は案内してあげるから、安心して」
「コルティナ様に案内してもらえるなんて、光栄です!」
「レティーナは図々しい」
「いいじゃない、ちょっとくらい!」
「二人ともケンカしないで......」
こうして俺は、入学までの日々を過ごしていたのだ。 | And while I was about to take a sip out of my hot milk, someone started knocking on the door while calling out to me at the same time.
“Comiiing!”
I called back to the door and jumped out of my chair.
I was still slightly hungover, but it felt better thanks to the hot milk.
Cortina stood up as I prepared to leave.
“Do you have anything for self-defense?”
“Yeah, a katana.”
“I’ll go with you then, give me a sec okay.”
Both me and Letina narrowly avoided being kidnapped the other day, therefore we wouldn’t be allowed to go out by ourselves, so Cortina is coming along to keep track of us.
“Don’t you have to be at school?”
“My role isn’t major. Should be fine, probably.”
Cortina isn’t particularly strong as a mage, so she teaches a class on tactical theory.
She usually just presents battle situations for classwork and makes students submit possible scenarios.
Seems she has a lot of spare time since all she has to do is look over their submissions and grade ‘em.
I grabbed my katana and ran to the front door.
I’d like to carry it on my waist but with my height, the sheath would drag on the ground.
Cortina meanwhile followed along with a wand to help with her spellcasting.
Cortina rushed to get ready and looked at me like she couldn’t wait for our girl’s date.
Am I the inferior one here...
When the door opened, Michelle and Letina were waiting for us.
“Morning Nicole!”
“Good morning Miss Nicole.”
Michelle was carrying Third Eye as well as her usual hunting bow.
Letina had a long staff matching Cortina’s design.
She’s been getting acquainted with Cortina and apparently prepared something similar to her.
“Good morning, you guys are here early.”
“Lady Cortina! Good morning to you.”
“Lady Tina, morning~!”
After stiffening up, Letina greeted Cortina with a nervous tick while Michelle gave her an innocent greeting.
Their responses were really contrasted.
Cortina gave them a charming smile and then looks at Michelle slightly mysteriously.
“Michelle, can’t you put that in a case?”
“Err... About that...”
Michelle got slightly embarrassed at Cortina pointing it out.
“I don’t have a case for something this huge.”
“Oh, right, that size is abnormal. It’s a powerful warbow that completely throws efficient hunting out the window.”
“But I can’t just keep it at home, so I decided to carry it with me.”
Michelle clenched her fist and was breathing heavily while saying that, it looks painful.
Large bows are considerably heavy.
“Well, let’s go look for a case for it, I’ll buy it for you as a housewarming present.”
“Is that alright!?”
“Of course, and no cheapening out.”
Despite being made of high-quality materials, Third Eye also has a magical effect applied to it.
It’s a mythical-grade magic item, it’d be a big problem for a kid to carry it around in the open.
Even Cortina stiffened up in shock when she first saw it.
What kinda madman would give such a thing to a kid on a whim.
“So, to draw that...”
“Not happening.”
Michelle’s physical enhancement had timed out shortly after the battle.
Despite the short duration, to even have a child pull the string back on this monstrosity would require a huge boost.
Maybe there’s something to the whole self-proclaimed god’s claim.
At any rate, Michelle’s goal right now is to be able to use the Third Eye which is currently just a very expensive paperweight.
Meanwhile, mine is to be able to give her the enhancement needed to be able to use the bow.
“Then, first let’s go shopping. If you guys could learn your way around while we’re at it, that’d put my mind at ease.”
“It’s an honor to receive directions from Lady Cortina!”
“Letina, you’re so shameless.”
“It’s fine, it’s just a little!”
“You guys, don’t fight...”
And that’s how I spent my days leading up to admission. | {
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マルチタスクが得意です 生徒にも創造的な マルチタスク設計プロセス を教えてきました
しかし マルチタスクとは一体 どれ程 効率的なのでしょうか?
モノタスクという選択肢を 見直してみませんか?
いくつか例を挙げましょう
見て下さい
私のマルチタスクの 成果です 料理をしながら 電話にでて チャットもしながら この素晴らしい バーベキューの 写真のアップもしていました
スーパーマルチタスクができる 人の話も耳にしますが そんなことができるのは 私たちの中でも たったの2%の人だけなんです
しかし 残りの98%の 私たちはどうでしょうか?
最後に 友達とのおしゃべりを 心から楽しんだのは いつですか?
これが私が行っている プロジェクトです こちらのカバーを装着することで 素晴らしく そして偉大でもある― 私たちのスマートフォンを 最低限の機能だけに ダウングレードできます
次に 皆さんヴェネツィアに 行ったことはありますか?
その美しい街並の中では 静かな小道を歩くだけで 現実を忘れられますね しかし 私たちの マルチタスク能力は これとは全く違って 情報で溢れかえっています
そこで 冒険心を思い出す というのはどうでしょうか? そこで 冒険心を思い出す というのはどうでしょうか?
スマートフォンによって私たちの 可能性が増えた今 モノタスクの推奨が奇妙に 映ることは分かっています しかし あえて言います 1つのものごとに集中するという 選択肢を考え直して下さい もしくはデジタルな感覚を 完全にオフにしませんか?
今日では 誰もがモノタスクに 特化した製品を創ることができます
マルチタスクの世界の中で モノタスクの可能性を
探っていきましょう ありがとうございました | I'm a multitasking person, and I push my students to fly through a very creative, multitasking design process.
But how efficient is, really, this multitasking?
Let's consider for a while the option of monotasking.
A couple of examples.
Look at that.
This is my multitasking activity result. So trying to cook, answering the phone, writing SMS, and maybe uploading some pictures about this awesome barbecue.
So someone tells us the story about supertaskers, so this two percent of people who are able to control multitasking environment.
But what about ourselves, and what about our reality?
When's the last time you really enjoyed just the voice of your friend?
So this is a project I'm working on, and this is a series of front covers to downgrade our super, hyper — to downgrade our super, hyper-mobile phones into the essence of their function.
Another example: Have you ever been to Venice?
How beautiful it is to lose ourselves in these little streets But our multitasking reality is pretty different, and full of tons of information.
So what about something like that to rediscover our sense of adventure?
I know that it could sound pretty weird to speak about mono when the number of possibilities is so huge, but I push you to consider the option of focusing on just one task, or maybe turning your digital senses totally off.
So nowadays, everyone could produce his mono product.
Why not? So find your monotask spot within the multitasking world.
Thank you. | {
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この写真が撮られた時 94歳でした
1930年代にルーズベルト大統領が 橋やインフラやトンネルの建設で 多くのアメリカ人の 雇用回復をさせ ― その一方 アメリカ一般市民の話を 記録するため 数百人の 記録者を雇うという 面白い事もしたのです
貧しい小作人の チャーリー・ウイリアムズは 普通なら 重要なインタビューの 対象にはならないでしょうが 実は チャーリーは22歳までは 奴隷だったのです
彼の人生について記録された 物語は 元奴隷の実体験を紡いだ 歴史上 最も貴重な 記録の1つです
アンナ・ディーヴァー・スミスの 有名な言葉ですが “ 私たち一人一人に文学があります ” 三世代を経て 私は あるプロジェクトに参加しました 『StoryCrops』は 一般のアメリカ人の 話を聞き集めるもので 公の場に 防音の ブースを設置しました
このアイデアは とてもシンプルで
ブースに入り 自分の祖母や親戚を インタビューするというものです インタビューの記録は 米国議会図書館へ送られます
1つのインタビューごとに 国の口頭歴史記録となるのです 1つのインタビューごとに 国の口頭歴史記録となるのです
ここで質問ですが 皆さんの祖母と 45分だけ一緒に居れたなら 誰を思い出したいですか?
創始者のデイヴィッド・イサイとの 会話で面白いのは このプロジェクトは少し危険だと いつも話していました というのは 考えてみると 実際 話される内容が どうのというのでなく 聞き方がキーなのです そこで尋ねられる質問は 他では聞けない様な 質問であったりするのです 他では聞けない様な 質問であったりするのです
このプロジェクトの 一部をお見せしましょう
[ ヘスス・メレンデスが語る 詩人ペドロ・ピエトリの最後 ] ヘスス・メレンデス:私たちの飛行機は飛び立ち 水平飛行になる 1万4千メートル上空に到達する前から 1万4千メートル上空に到達する前から ペドロは少しずつ この世を去って行ったのです その美しさとは この世を去っても 何かあるのだと信じさせられた事です
それをペドロに見出しました
[ ダニー・ペラサから結婚26年になる アニー・ペラサへ ] ダニー・ペラサ:実は いつも「愛してるよ」と 君に言うのは 悪い気がするけど いつも忘れないで欲しいからなんだ こんなに くたびれた私から 出てくる言葉だから 壊れたラジオから綺麗な歌が 聞こえてくる様なものだ でも そんなラジオを家に 置いていてくれるなんて優しいね
[ マイケル・ウォルメッツと 彼女のデボラ・ブラカーズ ] マイケル・ウォルメッツ:これは父が母に あげた指輪なんだ 今は ここに置いておこう
父はこれを買うために お金を貯めて この指輪で 母にプロポーズしたんだ これを君にあげたいと思う これで父も僕達と一緒に居れるから
君もマイクに出てごらん デボラ
どの指に着けたらいい?
デボラ・ブラカーズ: デボラ結婚してくれる?
ええ勿論よ 愛してるわ
子供達よ こうやって 君達のお母さんと結婚したんだよ グランド・セントラル駅のブースで おじいちゃんの指輪を持ってね
僕の祖父は40年間タクシーの運転手で
毎日ここで人を乗せていたので
ここが ふさわしい気がしてね
断っておきますが 何もお涙頂戴の話ばかりを 選んだのではありません どれも感動的なんです
このプロジェクトは「聞く」という 愛の行動に 基づいています
会話の ある部分を取り出して 聞くという行為を作品にするのは 私の会社である 『Local Projects』が 実際に良くやっている事です
メディア・デザインの会社で 様々な機関と一緒に 博物館や公共の場所で メディア・インスタレーションを行っています
最近の仕事はクリーブランド美術館で 『Gallery One』というものを作りました
『Gallery One』は面白いプロジェクトで クリーブランド美術館の 3億5千万ドルをもかけた 拡張事業と共に始めたので 私たちのプロジェクトで 新しい可能性を広げて 利用者を増やし 同時に 美術館も発展してくれればと考えました
ニューヨーク近代美術館館長 グレン・ローリーが うまく表現しています 「来館者は お客さんに 留まって欲しくありません
その場限りの訪問者でなく 住人になって自分の場所だと 感じて欲しいのです」
私たちがやっていることは 人々が 実際にギャラリー内の 作品にかかわれるよう 様々な方法を提供します 昔ながらのギャラリーもありますが もし興味があれば 1つの芸術品に的を絞って どのような所で使われたか その背景を見たり 作品で遊んだりできます
例えば このライオンの頭は クリックできます ここは紀元前1,300年前を 再現したもので
こちらの作品は 寝室を覗いてテンペラ絵画についての 考えを 大きく変えてくれます
これはアトリエが見れるので 私のお気に入りの1つ
ロダンの胸像です 素晴らしい工房を感じ取れます
文字通り 人類の何百何千年もの 創造の歴史について考えさせて その作品が どうやって その物語の一部になったか 教えてくれます
これはピカソです 20世紀芸術を まさに体現しています
次にお見せするインターフェースは この種の創造性を利用したものです
顔認識で博物館の貯蔵品を 閲覧できるのは アルゴリズムのお陰です
この人は色々な表情を作っていますが その表情に繋がる 様々な作品を 美術館の所蔵品から 見せてくれます
皆さんご想像のとおり 来館者が博物館内で演じ 感情の繋がりを感じとることができます 感情の繋がりを感じとることができます この様にして 私たちの顔が 数千 数万年の 歴史と繋がるのです
このインターフェースは 描いた形から 同じ形を持つ作品を 見つけてくれます
私たちは人々が館内で お互いのしている事を見て理解し 創造的に何かを生み出せる そんな方法を 増やそうとしています
この展示品の壁には 3千もの作品を 全て同時に見ることができます 自分で館内のツアーをデザインし 他の人とシェアする事が出来るので 館長に案内してもらう事も出来るし 親戚の子と見て回る事も出来るのです
私たちはクリーブランドの 仕事をしている一方で これまでで一番大掛かりな プロジェクトにも従事してきました それは9.11記念追悼博物館です
2006年に Thinc デザインチームの一部として 博物館の基本計画の原案を作り 博物館と記念碑の 全メディアデザインと メディア制作をしました 記念碑は2011年 博物館は来年の2014年に開館します
この写真から見れるように 生々しく歴史を物語っています
もちろん この惨事は 最近のもので 歴史と現代の間の出来事です この空間にどうやって応えるか この様な惨事を どのように伝えるかは 想像するだけでも 大きなチャレンジでした
それで2009年に始めた 『Make History』というプロジェクトをもとに 記念館と それに関わるプロジェクトを立ち上げる 新しいアイデアから始めました
世界の3分の1が 9.11を生放送で見て 残りの 世界の3分の1が 24時間以内に事件を知りました この事件によって 全世界の人々が 同じことを認識した 前代未聞の瞬間となりました それで世界中から これに関する話を ビデオや写真や 記録文書を通して 集め始めました その日 人々が経験した事 つまり最初のステップを オープンフラットフォームにする事は
私たちにとって 実は大きなリスクだったのです しかし口頭歴史ブースと連結させて 自分の居場所を 地図で確認出来る とてもシンプルなものにしました
6ヶ国語で あの日 自分に起こった出来事について 話すことができます
世界中から 驚く様な写真や ストーリーが 集まって来た時 ― こちらは着陸装置の一部ですね ― 私たちは 事件そのものと 人々の事件についての伝え方 そして そう伝えなければいけない 人々の事件についての伝え方 そして そう伝えなければいけない 必要性についての 驚くべき酷似点を 理解し始めていました
特に この写真は その当時 私たちの注意を引きました あの事件を如実に物語っているから
ブルックリン ・バッテリー・トンネルからの写真で
交通渋滞で立ち往生した 消防士は 現場まで約2キロの 距離を走っています 背中に30キロもの 装具を背負ってです
その後 驚くべき メールを受け取りました 「このサイトで何千枚もの写真を見ていて 思いがけず 息子の写真を見つけました
胸が詰まりましたが 見つけられて幸運でした」 なぜなら彼は 「これを投稿してくださった写真家に ― 感謝します これが たぶん息子の 最後の写真だと思うと 言葉では とてもその気持ちを 言い表すことができません」と 書いていたからです
この歴史を伝えるには 私たちが設立するものは どうあるべきかを 考えさせられました
歴史の証人台に立たされる人が 実際に この博物館を訪れるのに この様な出来事を 第三者である 歴史家や展示関係者だけが 語ることはできません
そこで 私たちは クリエイティブ・チームメンバーと キュレーターと共に 来館者が 館内で耳にする最初の声に 共鳴するという 構想を始めました
『私たちは覚えている』と言う オープニングギャラリーを デザインしました
試作品を お聞かせしますが 実際に そこに足を踏み入れると 歴史のあの瞬間に引き戻される 感覚がお分かりになると思います
声1:ハワイのホノルルにいました 声2:エジプトのカイロにいました
声3:パリのシャンゼリゼにいました 声4:カリフォルニア大学のバークレー校にいました
声5:タイムズスクエアにいました 声6:ブラジルのサンパウロにいました
声7:多分 夜の11時頃でした
声8:仕事に向かう車の中で 現地は朝の5時45分でした
声9:会議中だったんですが 誰かが飛び込んで来て 「大変だ! たった今旅客機が 世界貿易センターに突っ込んだぞ」
声10:慌ててラジオをつけようとしてました
声11:ラジオで聞いて・・・ 声12:ラジオで聞きました
声13:父からの電話で知りました 声14:電話で目が覚めました
私のビジネスパートナーが テレビをつける様にと言ったのです
声15:それでテレビをつけました
声16:イタリアのテレビ番組は どこも同じ映像を流していました
声17:ツインタワー 声18:ツインタワー
ここから 広い大洞窟の様なスペースに いざなわれます
これが遮水壁と呼ばれる物で
世界貿易センターの地下から 掘り出された壁です 9.11以降 1年間ハドソン川の 水圧に持ちこたえました
そこで私たちは これを展示する事によって あの瞬間が実際にあったのだと 感じられる様にしました
同じオーディオコラージュを利用して ビル内の様子も紹介しました 人々が旅客機が激突する様子や 階段を下りていく様子を 話す内容を 聞くことができるのです
さらに展示を進むと その後の復興の様子を 表す情景として 瓦礫の上に 捻れた鉄などの 実際に掘り起こされた物を 映し出しました ここで口頭歴史を聞くことができます
これは当時 人々が消火のための バケツリレーをしたり その他 何千という 救助活動をしている人々です 人々の物語から抜け出した頃には 9.11について理解を深めてもらい 博物館を「聞く」という時間に戻し 個々の来館者に 9.11の時の 実際の経験について質問します
ここでの質問は 9.11によって 引き出されるような 実際 答えられないような質問をします
質問は こんな感じです 「どうすれば民主主義は 自由と安全のバランスを取れるか?」
「どうやって9.11は起きたのか?」
「9.11後 世界はどう変わったか?」 などです
ここ数年で 収集してきた 口頭歴史データは インタビューを行った ドナルド・ラムズフェルド ビル・クリントン ルドルフ・ジュリアーニという 9.11に対する 異なった立場や経験 考えを持った人々と 一緒に記録されてあります
ここで又「聞く」という事に 戻ります
その中から 数人の声で 作られた物を1つお見せします 人々の 9.11の思い出が 詩的にも感じられます
声1:9.11はニューヨークだけの事 ではありませんでした
声2:同じ経験を通して 皆が一つになりました
声3:あの日 相手が誰であろうと 人々が 即座に援助に駆けつけたのを見て 人々が 即座に援助に駆けつけたのを見て 私たちは乗り越えられると思いました
声4:全国から寄せられた 溢れるほどの 愛と様々な思いは 生涯 決して忘れられないでしょう 生涯 決して忘れられないでしょう
声5:今でも あの時 命を落とされた方 救助のため 亡くなられた方を思い 祈りを捧げます そして アメリカ人の繋がり 愛 思いやり 強さを 実感しました この恐ろしい悲劇の中で
国が一つになるのを見ました 来館者は 様々な体験や 自分の考えに 思い耽りながら館内から出て それから実際の記念碑を訪れるため 地上にあがります 私たちは博物館を数年手がけてから 記念碑に取りかかりました
記念碑の原案者のマイケル・アラドは この事件で亡くなられた方々 全員の名前を 無差別に ほぼランダムに表記し テロのような性質のものの上に 詩的思いを イメージしました 遺族や後援者 特に初動レスキュー隊員には 大きな問題でした その後 話し合いが進んで その結果 時系列やアルファベット順でもなく
解決案となったのは 隣接関係性と呼ばれるものでした
これが 実際の 名前のグループで 無差別のようですが 順序があります 私たちは ジャー・ソープと アルゴリズムを作って 膨大な量のデータを取り出し それぞれの名前の繋がりを 探り始めました
これが 実際のアルゴリズムのイメージです 名前は分からない様にしてありますが ご覧いただいている 異なる色のブロックは 4つの旅客機 2つのツインタワーと 初動レスキュー隊員の方々です 当時 どの階にいたか分かります 緑色の線は ご遺族に お伺いした 犠牲者の人間関係です
記念碑広場へ行くと 2つのプールの周りに 当時の情報が表記されており
記念碑広場の中で 9.11を地理的に 把握出来ます 個人の名前でも 『カンター・フィツジェラルド』の様に 会社名でも検索出来ます 何百という名前が どんな風に 記念碑そのものに記録されているか 分かるでしょう こうやって記念碑を見て回れます
記念碑広場で もっと大切な事は 人々の人間関係が見れること
犠牲者の方の 人間関係が分かります
無差別に並べられた 見ず知らずの人々が 突如 生身の人間として 現実味を帯びてくるのです
こちらはハーリー・ラモス氏 投資銀行のヘッドトレーダーでした 彼はサウスタワーの55階で ビクター・ヴァルド氏を助けようと留まったのです
目撃者に拠ると ラモス氏はヴァルド氏に 「君を置いては行かない」と言ったそうです
ヴァルド夫人に2人の名前を 隣同士にして欲しいと頼まれました
三世代前は一般の人の話を集めるには 人を雇って 話を聞いて回らなければ いけませんでした
今日 未来の世代に残すべき 私たちの物語は 未だ嘗てない程の量です
その一人一人の物語に詩が ある事を 私たちは願っているのです
有り難うございました | He was 94 when this photograph was taken.
In the 1930s, Roosevelt put thousands and thousands of Americans back to work by building bridges and infrastructure and tunnels, but he also did something interesting, which was to hire a few hundred writers to scour America to capture the stories of ordinary Americans.
Charley Williams, a poor sharecropper, wouldn't ordinarily be the subject of a big interview, but Charley had actually been a slave until he was 22 years old.
And the stories that were captured of his life make up one of the crown jewels of histories, of human-lived experiences filled with ex-slaves.
Anna Deavere Smith famously said that there's a literature inside of each of us, and three generations later, I was part of a project called StoryCorps, which set out to capture the stories of ordinary Americans by setting up a soundproof booth in public spaces.
The idea is very, very simple.
You go into these booths, you interview your grandmother or relative, you leave with a copy of the interview and an interview goes into the Library of Congress.
It's essentially a way to make a national oral histories archive one conversation at a time.
And the question is, who do you want to remember -- if you had just 45 minutes with your grandmother?
What's interesting, in conversations with the founder, Dave Isay, as a little bit of a subversive project, because when you think about it, it's actually not really about the stories that are being told, it's about listening, and it's about the questions that you get to ask, questions that you may not have permission to on any other day.
I'm going to play you just a couple of quick excerpts from the project.
[Jesus Melendez talking about poet Pedro Pietri's final moments] Jesus Melendez: We took off, and as we were ascending, before we had leveled off, our level-off point was 45,000 feet, so before we had leveled off, Pedro began leaving us, and the beauty about it is that I believe that there's something after life.
You can see it in Pedro.
[Danny Perasa to his wife Annie Perasa married 26 years] Danny Perasa: See, the thing of it is, I always feel guilty when I say "I love you" to you, and I say it so often. I say it to remind you that as dumpy as I am, it's coming from me, it's like hearing a beautiful song from a busted old radio, and it's nice of you to keep the radio around the house.
[Michael Wolmetz with his girlfriend Debora Brakarz] Michael Wolmetz: So this is the ring that my father gave to my mother, and we can leave it there.
And he saved up and he purchased this, and he proposed to my mother with this, and so I thought that I would give it to you so that he could be with us for this also.
So I'm going to share a mic with you right now, Debora.
Where's the right finger?
Debora Brakarz: MW: Debora, will you please marry me?
DB: Yes. Of course. I love you.
MW: So kids, this is how your mother and I got married, in a booth in Grand Central Station with my father's ring.
My grandfather was a cab driver for 40 years.
He used to pick people up here every day.
So it seems right.
Jake Barton: So I have to say I did not actually choose those individual samples to make you cry because they all make you cry.
The entire project is predicated on this act of love which is listening itself.
out of a moment of conversation and listening is actually a lot of what my firm, Local Projects, is doing with our engagements in general.
So we're a media design firm, and we're working with a broad array of different institutions building media installations for museums and public spaces.
Our latest engagement is the Cleveland Museum of Art, which we've created an engagement called Gallery One for.
And Gallery One is an interesting project because it started with this massive, $350 million expansion for the Cleveland Museum of Art, and we actually brought in this piece specifically to grow new capacity, new audiences, at the same time that the museum itself is growing.
Glenn Lowry, the head of MoMA, put it best when he said, "We want visitors to actually cease being visitors.
Visitors are transient. We want people who live here, people who have ownership."
And so what we're doing is making a broad array of different ways for people to actually engage with the material inside of these galleries, so you can still have a traditional gallery experience, but if you're interested, you can actually engage with any individual artwork and see the original context from where it's from, or manipulate the work itself.
So, for example, you can click on this individual lion head, and this is where it originated from, 1300 B.C.
Or this individual piece here, you can see the actual bedroom. It really changes the way you think about this type of a tempera painting.
This is one of my favorites because you see the studio itself.
This is Rodin's bust. You get the sense of this incredible factory for creativity.
And it makes you think about literally the hundreds or thousands of years of human creativity and how each individual artwork stands in for part of that story.
This is Picasso, of course embodying so much of it from the 20th century.
And so our next interface, which I'll show you, actually leverages that idea of this lineage of creativity.
It's an algorithm that actually allows you to browse the actual museum's collection using facial recognition.
So this person's making different faces, and it's actually drawing forth different objects from the collection that connect with exactly how she's looking.
And so you can imagine that, as people are performing inside of the museum itself, you get this sense of this emotional connection, this way in which our face connects with the thousands and tens of thousands of years.
This is an interface that actually allows you to draw and then draws forth objects using those same shapes.
So more and more we're trying to find ways for people to actually author things inside of the museums themselves, to be creative even as they're looking at other people's creativity and understanding them.
So in this wall, the collections wall, you can actually see all 3,000 artworks all at the same time, and you can actually author your own individual walking tours of the museum, so you can share them, and someone can take a tour with the museum director or a tour with their little cousin.
But all the while that we've been working on this engagement for Cleveland, we've also been working in the background on really our largest engagement to date, and that's the 9/11 Memorial and Museum.
So we started in 2006 as part of a team with Thinc Design to create the original master plan for the museum, and then we've done all the media design So the memorial opened in 2011, and the museum's going to open next year in 2014.
And you can see from these images, the site is so raw and almost archaeological.
And of course the event itself is so recent, somewhere between history and current events, it was a huge challenge to imagine how do you actually live up to a space like this, an event like this, to actually tell that story.
And so what we started with was really a new way of thinking about building an institution, through a project called Make History, which we launched in 2009.
So it's estimated that a third of the world watched 9/11 live, and a third of the world heard about it within 24 hours, making it really by nature of when it happened, this unprecedented moment of global awareness. And so we launched this to capture the stories from all around the world, through video, through photos, through written history, and so people's experiences on that day, which was, in fact, this huge risk for the institution to make its first move this open platform.
But that was coupled together with this oral histories booth, really the simplest we've ever made, where you locate yourself on a map.
It's in six languages, and you can tell your own story about what happened to you on that day.
And when we started seeing the incredible images and stories that came forth from all around the world -- this is obviously part of the landing gear -- we really started to understand that there was this amazing symmetry between the event itself, between the way that people were telling the stories of the event, and how we ourselves needed to tell that story.
This image in particular really captured our attention at the time, because it so much sums up that event.
This is a shot from the Brooklyn-Battery Tunnel.
There's a firefighter that's stuck, actually, in traffic, and so the firefighters themselves are running a mile and a half to the site itself with upwards of 70 pounds of gear on their back.
And we got this amazing email that said, "While viewing the thousands of photos on the site, I unexpectedly found a photo of my son.
It was a shock emotionally, yet a blessing to find this photo," and he was writing because he said, "I'd like to personally thank the photographer for posting the photo, as it meant more than words can describe to me to have access to what is probably the last photo ever taken of my son."
And it really made us recognize what this institution needed to be in order to actually tell that story.
We can't have just a historian or a curator narrating objectively in the third person about an event like that, when you have the witnesses to history who are going to make their way through the actual museum itself.
And so we started imagining the museum, along with the creative team at the museum and the curators, thinking about how the first voice that you would hear inside the museum would actually be of other visitors.
And so we created this idea of an opening gallery called We Remember.
And I'll just play you part of a mockup of it, but you get a sense of what it's like to actually enter into that moment in time and be transported back in history.
Voice 1: I was in Honolulu, Hawaii. Voice 2: I was in Cairo, Egypt.
Voice 3: Sur les Champs-Élysées, à Paris. Voice 4: In college, at U.C. Berkeley.
Voice 5: I was in Times Square. Voice 6: São Paolo, Brazil.
Voice 7: It was probably about 11 o'clock at night.
Voice 8: I was driving to work at 5:45 local time in the morning.
Voice 9: We were actually in a meeting when someone barged in and said, "Oh my God, a plane has just crashed into the World Trade Center."
Voice 10: Trying to frantically get to a radio.
Voice 11: When I heard it over the radio -- Voice 12: Heard it on the radio.
Voice 13: I got a call from my father. Voice 14: The phone rang, it woke me up.
My business partner told me to turn on the television.
Voice 15: So I switched on the television.
Voice 16: All channels in Italy were displaying the same thing.
Voice 17: The Twin Towers. Voice 18: The Twin Towers.
JB: And you move from there into that open, cavernous space.
This is the so-called slurry wall.
It's the original, excavated wall at the base of the World Trade Center that withstood the actual pressure from the Hudson River for a full year after the event itself.
And so we thought about carrying that sense of authenticity, of presence of that moment into the actual exhibition itself.
And we tell the stories of being inside the towers through that same audio collage, so you're hearing people literally talking about seeing the planes as they make their way into the building, or making their way down the stairwells.
And as you make your way into the exhibition where it talks about the recovery, we actually project directly onto these moments of twisted steel all of the experiences from people who literally excavated on top of the pile itself.
And so you can hear oral histories -- so people who were actually working the so-called bucket brigades as you're seeing literally the thousands of experiences from that moment. And as you leave that storytelling moment understanding about 9/11, we then turn the museum back into a moment of listening and actually talk to the individual visitors and ask them their own experiences about 9/11.
And we ask them questions that are actually not really answerable, the types of questions that 9/11 itself draws forth for all of us.
And so these are questions like, "How can a democracy balance freedom and security?"
"How could 9/11 have happened?"
"And how did the world change after 9/11?"
And so these oral histories, which we've actually been capturing already for years, are then mixed together with interviews that we're doing with people like Donald Rumsfeld, Bill Clinton, Rudy Giuliani, and you mix together these different players and these different experiences, these different reflection points about 9/11.
And suddenly the institution, once again, turns into a listening experience.
So I'll play you just a short excerpt of a mockup that we made of a couple of these voices, but you really get a sense of the poetry of everyone's reflection on the event.
Voice 1: 9/11 was not just a New York experience.
Voice 2: It's something that we shared, and it's something that united us.
Voice 3: And I knew when I saw that, people who were there that day who immediately went to help people known and unknown to them was something that would pull us through.
Voice 4: All the outpouring of affection and emotion that came from our country was something really that will forever, ever stay with me.
Voice 5: Still today I pray and think about those who lost their lives, and those who gave their lives to help others, but I'm also reminded of the fabric of this country, the love, the compassIon, the strength, and I watched a nation come together in the middle of a terrible tragedy.
JB: And so as people make their way out of the museum, reflecting on the experience, reflecting on their own thoughts of it, they then move into the actual space of the memorial itself, because they've gone back up to grade, and we actually got involved in the memorial after we'd done the museum for a few years.
The original designer of the memorial, Michael Arad, had this image in his mind of all the names appearing undifferentiated, almost random, really a poetic reflection on top of the nature of a terrorism event itself, but it was a huge challenge for the families, for the foundation, certainly for the first responders, and there was a negotiation that went forth and a solution was found to actually create not an order in terms of chronology,
or in terms of alphabetical, but through what's called meaningful adjacency.
So these are groupings of the names themselves which appear undifferentiated but actually have an order, and we, along with Jer Thorp, created an algorithm to take massive amounts of data to actually start to connect together all these different names themselves.
So this is an image of the actual algorithm itself with the names scrambled for privacy, but you can see that these blocks of color are actually the four different flights, the two different towers, the first responders, and you can actually see within that different floors, and then the green lines are the interpersonal connections that were requested by the families themselves.
And so when you go to the memorial, you can actually see the overarching organization inside of the individual pools themselves.
You can see the way that the geography of the event is reflected inside of the memorial, and you can search for an individual name, or in this case an employer, Cantor Fitzgerald, and see the way in which all of those names, those hundreds of names, are actually organized onto the memorial itself, and use that to navigate the memorial.
And more importantly, when you're actually at the site of the memorial, you can see those connections.
You can see the relationships between the different names themselves.
So suddenly what is this undifferentiated, anonymous group of names springs into reality as an individual life.
In this case, Harry Ramos, who was the head trader at an investment bank, who stopped to aid Victor Wald on the 55th floor of the South Tower.
And Ramos told Wald, according to witnesses, "I'm not going to leave you."
And Wald's widow requested that they be listed next to each other.
Three generations ago, we had to actually get people to go out and capture the stories for common people.
Today, of course, there's an unprecedented amount of stories for all of us that are being captured for future generations.
And this is our hope, that's there's poetry inside of each of our stories.
Thank you very much. | {
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試合時間は30分......。
激しすぎる戦いの中で、そのルールをすっかり忘れていた。
いや、正直戦う前から印象の薄いルールではあった。
俺たち以外の試合も含めて、タイムアップを迎えるまで戦いが続くことなど皆無だったからだ。
だが、そんな影の薄いルールがなければ、俺たちは負けていた。
巨大な黒いブーメランは【アイムアロー】ですら表面しか崩せなかった時計塔を切り裂き、俺の胴体を真にする寸前のところで止まっていた。
あと数秒......いや、コンマ数秒試合終了が遅ければ負けていたかもしれない......。
もし俺がキルされていたら、残りのプレイヤーの数は1対1になる。
この場合は試合が終了せず、どちらかのプレイヤーがキルされるまで試合が続くサドンデス状態になる。
そうなった場合の試合結果は......言うまでもないだろう。
「勝ちは勝ちだけど、実感がわかないな......」
試合終了と同時に俺の落下も止まっている。
今は空中にふわふわ浮かんでいる感じだ。
この状態でチャリンのワープを待つことになる。
『それでは生き残ったプレイヤーを待機場所にワープ!』
チャリンのワープによって待機所に戻ってきた俺を、観戦していたプレイヤーたちが熱い拍手で迎えてくれた。
しかし、今までの試合のように素直に喜ぶことは出来なかった。
それでも祝福を無視するのは失礼なので、俺は笑顔でそれに応えた。
この試合はルールに救われただけ......。
それが俺の出した結論だった。
プレイヤーとして足元にも及ばない......とまでは言わないが、明確な実力差があったことは確かだ。
1対1なら100回やっても勝てないだろう。
まあ、それでも勝ちは勝ちだし、事前に決められたルールによって勝敗を分けるのはリアルスポーツも同じなわけで、引け目を感じる必要はまったくないのだが......。
こんな状態で決勝戦に挑めるのか......?
「あ、いたいた。おーい、ネココとおじさーん」
俺に声をかけてきたのは......マココ・ストレンジ本人だった!
彼女はクールでストイックな人だと思っていたので、試合終了後すぐに声をかけられるとは予想だにしてないなかった......!
「な、なんでしょうか......」
「いやー、なんというか、いざ言おうとすると変な話なんだけど、久しぶりに時間を忘れてゲームを楽しんじゃったなーって」
なんか雰囲気が変わっている......。
前はどこか達観したような目つきをしていたし、戦いの後も真顔でいることが多かったのに、今は笑っている。
ドライでミステリアスな女性の微笑ではなく、純粋無垢な少女の笑顔がそこにあった。
「試合時間の存在さえ覚えてれば、もっと攻撃の間隔を詰めて全滅させてたのになぁ」
さらっと恐ろしいことをおっしゃるじゃないか......!
「でも、きっとどうしたって覚えてられないと思うわ。ネココとおじさんとの戦いはすごい楽しかったし、こっちもあんまり余裕がなかったからね」
「そう? 私だって全知全能じゃないから、結構焦ったり悩んだりしているわよ? 最近、表情筋が衰えてきてるから顔には出てないかもしれないけどね」
「......本当に?」
「ほんとほんと。ネココの消える奥義とか対応するの苦手よ。多少は殺気とか気配を感じ取れるけど、やっぱり人間にとって見えない敵の存在は恐ろしいわ。あと、おじさんの射撃センスにも驚かされた。普通のプレイヤーならブーメランで圧をかけておけば勝手に射撃を外してくれるけど、おじさんの場合はほぼどんな状態でも当ててくるんだもの。私のことを化け物みたいに扱う人は多いけど、おじさんの方がよっぽどわかりやすく化け物してると思うんだけどねぇ」
「あはは、あー、ははは......」
それはジョークなのか本音なのか......。
返事に困る言葉だ......!
でも、多少冗談は混じっているとしても、彼女の言葉に嘘はないように思う。
ネココの透明化を厄介に思っているし、俺の射撃能力も脅威だと言っている。
案外、俺たちは彼女を苦しめ、追い詰めていたのかもしれない。
まあ、それ以上に俺たちは苦しみ、ギリギリまで追い詰められたのだが......。
それはさておき、俺の中でマココ・ストレンジというプレイヤーに対する印象は変わった。
彼女もまた、ただのゲーム好きなんだ。
あまりもゲームが上手く、ブーメランを愛しすぎている、ただのゲーム好きなんだ。
「叔母様!」
「わっ!?」
ここまで黙っていたネココが急に声を上げたものだから、俺もマココも同じように驚いてしまった。
「な、なぁにネココ?」
「その......私のプレイングはどうでしたか?」
「少し前に遊んだ時よりもずっと上手くなっててビックリしたわ。特に咄嗟の判断力に関してはすでに私よりも優れてるんじゃないかしら?」
「ほ、本当ですか!?」
「......ごめん、最後の方は言い過ぎたかも」
「気持ち的には言ってあげたいんだけどねぇ。でも、事実を言わずに誤魔化すのはネココに失礼かなぁ......っと思ったから、本当のことを言っちゃった。成長してるのは事実だけど、私にはまだまだ及ばないわ。まあ、年季が違うってやつね」
2人がかりでも押され気味だったんだ。
ネココだってその事実に薄々感づいていただろう。
でも、本人からそう言われるのはやはりショックなようで、ネココはしょんぼりしている。
それに気づいたマココはあたふたしている。
この叔母と姪......不器用だな。
「いやー、偉そうなこと散々言ってるけど私ったら負けてるのよね~。今のはあくまでも個人としての意見だから、パーティとしてはネココたちの方が優れてるのは結果が証明してるわ。だから自信を持って......ね?」
自分の実力が及ばないのに勝てたということは、仲間やルールに助けられたということに他ならないからだ。
実際、ネココが考えていた1人でマココを抑えるという作戦は失敗に終わっている。
アンヌもサトミもマココがキルしちゃってるからなぁ......。
俺はマココの話を聞いてからは『なんにせよ勝てたんだし結果オーライ!』と思い始めいてるが、ネココの方はそうもいかないのだろう。
しかし、落ち込んだままでは困る。
だって俺たちには......。
「もー、私に負けたくらいでへこむ必要ないじゃない。だって、私の方が強いに決まってるんだから! 簡単に勝てるわけないでしょ!」
お、叔母様がなんかすごいこと言い出した......!
「私が少し努力したら追いつけるような人間だったら、ネココも最初から憧れてないんじゃない? こう......自分で言うのは恥ずかしいけど、そういうすごく強いところを慕ってくれてるんだろうし......」
「......ふふふ、そうですね。まだまだ私なんかに負けるような叔母様じゃないですもんね!」
「そ、そうよ! 負けないわよ!」
「でも、私が叔母様を慕っている理由は、他にもあるんですよ?」
「え、どういうところ?」
「そういうところです!」
ネココはマココに抱き着く。
それを受け止めながら、マココは『どういうこと?』という顔をしている。
目の前にいる人が、バーチャルオカルトで語られているほど特殊な人ではなかったからだろうか。
やはり、ああいうウワサにはとんでもない尾ひれが......。
「驚いたやろ? あれがホンモンのマココはんや」
「だ、誰だ!? 一体どこから声が......」
「下や! 下!」
「うわっ!?」
視線を下げると、そこにはベラ・ベルベットの姿があった。
彼女はかなり小柄とはいえ、見失うとは失礼なことをした......。
「おっさん......いや、おっちゃん! 案外ノリがわかっとるやん!」
グッと親指を突き出すベラ。
なんかすごい嬉しそうだし、褒められたので謝るのはよしておこう。
「それで、あれがホンモンのマココはんとは......」
「元々マココはんは言うほどクールな人やない。あんな感じにきゃぴきゃぴしてるところもある人やったんや。ただ、AUO事件の後はゲームもやらずに塞ぎこんでた時期もあってなぁ......。今は元気になったように見えるけど、おっちゃんたちと戦う前まではまだどこか遠くに心を置いてきたマココはんやったんや」
「それが元に戻ったと?」
「いま見る限りではな。あんなんにハツラツと笑うマココはんは久しぶりに見たで! よほどおっちゃんやネココちゃんと戦うのが楽しかったんやろなぁ~! やっぱ、ゲームの傷はゲームでしか癒せへんのや!」
こちらとしては楽しむ余裕などなかったが、楽しいと言ってくれる分には悪い気はしない。
むしろ、少し誇らしかったり?
それはさておき、オカルティックな臭いがするなぁ......。
彼女ほどの人に心の傷を負わせるAUO事件とは一体......?
「......聞かん方がええでおっちゃん」
「ま、まだ何も」
「顔に出とるで! こっからまだ戦いが続くんやから、余計なことは気にせんでええ! まずは優勝をもぎ取ってくるんや! Vやねん、
ベラは言いたいことだけ言って行ってしまった。
もしかしたら、彼女はホンモンのマココ・ストレンジを取り戻した喜びを誰かと共有したかったのかもしれない。
でも、意外だなぁ。
こういうオカルティックな話にアンヌが食いついて来ないなんて......と思ったら、アンヌもまた相手パーティの1人アチル・アルスターと話しているところだった。
話の内容はよくわからなかったが、話し終えたアンヌの顔はどこか満たされたような感じだった。
あまり女性同士の会話の内容を尋ねようとは思わないが、今回ばかりはどんな話をしているのか気になったので思い切って尋ねてみた。
帰ってきたのは......オカルティックな返事だった。
「未知を知った時、確かにロマンは失われてしまうのだと思います。でも、知るということは新たな未知を生むことでもあるんです。知らなければ、知らないということすら知らない。だから私はロマンを追い求め、知ることを恐れない。ゆえに私は新たな隣人を愛することが出来るんです」
俺が頑張って絞り出した言葉がこれだった。
いや、言いたいことは何となくわかるが、正しい返答が思いつかなかった。
でもきっと、アチルとは友達になれたんだろうな。
試合でもアンヌはアチルと戦っていたらしいし、戦いを通して友情が芽生えるのは良いことだ!
こうしてみると、仲間たちはみんな出会った頃より良い顔をしてる気がする。
なんか......大団円って雰囲気が出てるなぁ。
サトミは兄のコアとの確執がなくなって、ネココは叔母様との距離がいろんな意味で縮まって、アンヌも新しい友達が出来て幸せそうだ。
でも俺は......まだ満足していない。
いや、きっと試合直前となれば、仲間たちもみんな同じ気持ちになるはずだ。
一番大事な物をまだ残している。
第1回NSO最強パーティ決定戦......その決勝戦!
勝てば輝かしい栄光と莫大な賞金が手に入る最後の戦い......!
相手はもちろん最強ギルド『 | The battles were minutes...
The battle had been so ferocious that I had forgotten all about that rule.
Well, even before the battle, it wasn’t something I put much thought into.
After all, none of our battles, or the others we watched, had ever continued until the time limit.
And yet, it was because of this rule that we won.
The great black boomerang would have shredded the clock tower that even I’m Arrow couldn’t scratch, and I would have been cleaved into two.
Just a few seconds more... No, just a fraction of a second longer, and we would have lost the battle...
If I had died, then the remaining players would be vs .
And then it would be sudden death, where the battle would continue until one player died.
If that happened...then the result would be obvious.
“While we did win, it doesn’t really feel like it...”
When the battle ended, so did my fall.
I was now floating lightly in the air.
I would have to wait for Charin’s warp in this state.
‘Now, the surviving players will be warped back to the waiting area!’
After we were warped back to the waiting area, we were greeted by the passionate cheers of the spectators.
However, I couldn’t rejoice in the same way as previous battles.
But since it would be rude to ignore them, I smiled back.
We were just saved by the rules of the game...
That was my conclusion.
As players, we weren’t anywhere near her level... Well, that was going too far. But there was clearly a difference in ability.
If it was vs , I wouldn’t win even if I fought her 0 times.
But a win is a win, and it was a rule that was in place from the beginning. So this was no different from real sports. So there was no need for me to feel so small...
Could I really go into the final battle in this state...?
“Ah, there you are. Hey, Necoco! Hey, old man!”
The person who was calling to us was...Macoco Strange!
I had assumed she was a cool and stoic person, so I didn’t think she would meet us as soon as the battle was over...!
“Ah, it sounds kind of strange when I say it out loud, but it’s been a while since I enjoyed playing so much that I forgot about the time.”
“Ah, huh...”
She seemed very different all of a sudden...
She used to have this enlightened look about her, and had been mostly serious during the battle. But now she was laughing.
It wasn’t the laugh of a dry, mysterious woman, but of a carefree girl.
“Had I known that there was so little time left, I would have attacked with fewer breaks in between and killed you all.”
She said it so nonchalantly...!
“But I doubt that I would have been able to remember. It was so fun fighting you both, and you kept me pretty busy.”
“Really? Well, I’m not all-powerful, so I was actually quite frantic, you know? I think that my facial muscles have slackened recently, so it just doesn’t show on my face.”
“...Really?”
“Really, really. I don’t like having to deal with you when you disappear, Necoco. While I can still sense your presence a little, it’s scary when you can’t see your enemy. Also, I was surprised with your shooting sensibilities, old man. Most players would start missing once I apply pressure with my boomerangs. But your accuracy remained on point. Some people say that I’m a monster, but I think that if anyone is a monster, it’s you.”
I had no idea if she was joking or...
And so I didn’t know how to respond...!
But even if she was joking slightly, I didn’t think she was lying.
She clearly felt threatened by Necoco’s invisibility, and my shooting ability as well.
Perhaps we had been pushing back more than we thought.
Well, she still pushed and punished us even more...
In any case, my impression of Macoco Strange had changed.
She too was just someone who liked games.
She just happened to also be very good, and loved boomerangs.
“Aunt!”
“What!?”
Necoco had been silent up until now, but she suddenly raised her voice. And so both Macoco and I were surprised.
“Wh-what is it, Necoco?”
“I...what did you think of my playing?”
“I was surprised. You’ve improved a lot since the last time we played together. I think you’re actually better than me when it comes to making quick decisions?”
“Re-really!?”
“...Sorry, I was exaggerating a little.”
“I do wish that I could say that. But, it would be rude to twist the truth as well...so I take it back. It’s true that you’ve grown, but you haven’t caught up to me yet. You need more experience.”
The two of us were still losing.
And I’m sure that Necoco knew this as well.
Still, she seemed a little shocked to hear it so bluntly. And she looked a little depressed.
Macoco became frantic when she noticed this.
This aunt and niece were...pretty awkward.
“No, I should not be saying such things when I’m the loser here! That was just my personal opinion. Besides, you proved that you have the better party. So have more confidence...okay?”
We had won in spite of being weaker than her. It was because of the whole party and the rules that we were saved.
In a way, Necoco’s plan to hold back Macoco had failed.
After all, both Anne and Satomi had been killed...
Now that I had heard what Macoco had to say, I was feeling better about having won, but Necoco felt differently.
But it was no good for her to be so gloomy now.
After all, we had to...
“Hmph. There’s no reason to be so sad just because you lost to me. Of course, I am stronger than you! You can’t beat me so easily!”
The aunt...was saying something again...!
“If I was someone who you could catch up to with just a little effort, then you wouldn’t have looked up to me in the first place, would you? Look...it’s awkward for me to say this, but....you look up to me because I’m so much stronger...”
“...Hehehe, that’s right. You’re not the kind of person that would lose to someone like me!”
“Ye-yes! I won’t lose!”
“But didn’t you know? There are other reasons that I look up to you as well.”
“Oh? Like what?”
“Like that!”
Necoco said as she flung her arms around her aunt.
Macoco hugged her back, but she had a puzzled expression.
Perhaps it was because the person in front of me was not as special as you’d think after hearing how they talked about her in the virtual occult.
Those kinds of rumors really were unreliable...
“Were you surprised? That’s the real Macoco.”
“Wh-who said that!? Where did that voice...”
“Below! Look down!”
“Woah!?”
When I looked down, I saw Vera Velvet.
While she was quite short, it was quite rude to not notice her at all...
“Old man...! You’re not as dense as I thought!”
Vera gave me a thumbs up.
She seemed very happy for some reason. And since she complimented me, I wouldn’t apologize.
“So, what do you mean that’s the real Macoco...”
“Macoco was never as cool as some think. She was more loud and cute. However, after the AUO incident, she stopped playing games for a while and became closed off... She seems cheerful now, but up until the fight, she looked like she had left her heart somewhere far away.”
“And so she’s back to her old self now?”
“It looks that way. I haven’t seen Macoco laugh like this in a long time! The battle with you two must have been very fun for her! Wounds from a game can only be healed with a game!”
As for me, I hadn’t been able to enjoy it like that. But I didn’t mind hearing that someone else had fun.
If anything, I should feel proud?
But leaving that aside, something smelled occultic...
What was this about being hurt after the AUO incident...?
“...It’s better if you don’t ask, old man.”
“I-I didn’t say anything.”
“It’s on your face! But you have another battle to fight, so you shouldn’t be thinking about other things! Take the win first! The Ghost Guild must win! I’ll be rooting for you!”
Vera said what she wanted to and then left.
Perhaps she just wanted to share the joy of seeing the old Macoco Strange again with someone.
But that was a surprise.
Anne usually jumped in whenever there was talk of something occultic... It was when I thought this that I noticed that Anne was talking to a member of the other party. Achile Alstar.
I didn’t know what they were talking about, but when they were finished, Anne had a satisfied expression on her face.
I usually wouldn’t ask about what two women were talking about, but since I was so curious this time, I took the plunge.
Her answer...was an occultic one.
“When learning of the unknown, I think that you do lose a sense of romanticism. However, knowing something can lead to a new unknown. If you don’t know, then you won’t know that you don’t know. And so I will continue to pursue, and not be afraid of learning. And so I am able to love the new neighbor.”
“...What the hell...”
That was the only thing I could say.
No, I had an idea of what she meant, but I could not think of the right answer.
Still, it looked like the two had become friends.
She had fought Achile during the battle, and it was nice when something like that could lead to a friendship!
When I thought of it like this, I felt that everyone looked more happy now than when we first met.
The atmosphere...was that of a happy ending.
Satomi and Core had reconciled, Necoco was now closer to her aunt, and Anne made a new friend.
As for me...well, I wasn’t satisfied yet.
Well, I’m sure that once the battle started, the others would all feel the same.
The most important thing still remained.
The tournament to decide the strongest party in NSO...the final battle!
If we win, the glory and great prize money would be ours...!
Of course, our opponent was the strongest guild, VRHAR! | {
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ケーテの背から飛び降りるとに宮殿の入口に向かって走る。
まだ、結構距離があるのに魔装機械は俺に反応した。
魔装機械の感知能力は高いらしい。
「......あとは攻撃力と防御力を知りたいな」
三機とも上部の一か所が緑に発光していたのだが、それが赤色に変わっていた。
警戒色のようなものだろう。
「Pipipipi」
魔装機械の鳴き声はどんどん大きくなっていく。
――ダダダダダダダダダ
俺に向かって、目にもとまらぬ攻撃を繰り出しはじめた。
ケーテの言っていた小さな金属塊を撃ちだす攻撃だろう。
咄嗟に横に飛ぶ。
耳のすぐ横を、何かが高速で通り抜けた。
ジグザグに、体を動かしながら、入り口へと接近する。
はかわせた。だが、一割は俺の体をとらえる。
食い止めた金属塊を見る。それは中指の先ぐらいの大きさだった。
魔力は感じない。
「これだけ速く飛ばされると、ただの金属でも怖いものだな」
魔装機械の攻撃力は、かなり高いと判断した。
広い屋外ならともかく、狭い室内では、エリックやゴランでもかわしきれまい。
ゴランたちが降りてきたら、魔法で防御したほうが安心だろう。
入口に飛び込もうとしたその時、建物の奥から魔装機械がわらわらと湧いてきた。
「中に入る手間が省けて楽になったとも言えるのだが......」
魔装機械の前面が大きくへこむ。だが、止まらない。
「やはり頑丈だな」
同じところにもう一度、軽い魔力弾を撃ち込むと沈黙した。
「この威力の魔力弾で必要なのか......」
一発で沈ませるためには、かなり気合を入れた魔力弾が必要だろう。
「まだ、中には居るっぽいよな」
出てきたのは十機程度。ケーテによると三十機はいるらしい。
残り二十機はいると考えたほうがいいだろう。
室内で、大量の魔装機械は相手にしたくない。
「......攻撃しておびき出すか」
ケーテは火炎ブレスを使ったと言っていた。
おそらく中にあるものは火には強いのだろうし、大丈夫なはずだ。
それに魔装機械は火炎に強くとも、ゴブリンたちやヴァンパイアには有効だろう。
「これでも食らえ!」
そして魔装機械の頭越しに、ケーテの宮殿の中に全力の
ケーテの宮殿、その窓という窓から、火炎が噴き出した。
「む? やりすぎたかな?」
「なんてことするのだ!」
上空からケーテの抗議の声が響く。
火炎には強いはずだから大丈夫だと思う。
魔装機械の攻撃をかわしながら、しばらく待った。
だが、建物の中から魔装機械は出てこない。
「......また、ケーテは見栄を張っていたのだろうか?」
自分を撃退した魔装機械の数を多めに言っていた可能性はある。
それならば、いま外にいる十機がすべてだ。
「ケーテ。数は少ないが暴風ブレスを......」
ケーテにブレスを要求しようとしたその時、
宮殿の屋根部分を乗り越えて、魔装機械が出現する。
宮殿の裏手からも、俺たちの後方からも続々と集まってきた。
ふと気づけば、周囲を魔装機械に囲まれている。
どうやら、宮殿の外に大量の魔装機械はいたようだ。
「全部で何機だ?」
即座に数えられないが機ぐらいだろうか。
「ブレスいくのである!」
「ケーテ、待ってくれ!」
「わかった」
もう少し敵を密集させた方がいい。
俺は魔力弾で魔装機械を倒していく。
一撃で倒すにはそれなりに強めに打たなければならない。
剣がどのくらい通用するかも試したい。
魔神王の剣で、魔装機械を斬りつけた。
「硬いが、斬れないわけではないな」
魔力弾で三機、剣で三機を倒したころには、魔装機械は俺に向かって殺到していた。
「ケーテ、いまだ! 俺めがけて撃ってくれ」
「わかったのである!」
暴風というより空気の壁。空気がまるで巨大な鈍器のようだ。
魔法障壁を張って魔法の影響を遮断。踏みとどまる。
巨大な金属の塊である魔装機械たちがやすやすと巻き上がる。
発生した竜巻に次々と吸い込まれ、互いにぶつかりものすごい音が鳴る。
ケーテの暴風ブレスはただの竜巻ではないらしい。
強い魔力のこもった風の刃が竜巻の中を暴れている。
魔装機械は次々ともぎ取られていった。本体の装甲自体も切り裂かれている。
装甲が裂かれたうえで互いにぶつかるのだ。
頑丈な魔装機械でもひとたまりもない。
俺は思わずつぶやいた。
ケーテはやはり、強力な竜だった。
暴風ブレスがやんだ後、ケーテが地面に降りてくる。
同時に宙に舞い上がった魔装機械が地面におちて大きな音がなった。
「ケーテすごいな」
「ロックも......我のブレスを食らってよく無事だったのだ」
俺とケーテが談笑していると、エリックとゴランがケーテの背から降りてきた。
「我らの出番が......」
「いや、出番がないのはよいことなんだけどな......」
エリックとゴランはそんなことを言っていた。 | I jumped off of Kathe’s back and immediately started to run towards the entrance of the palace.
“Beep-beep-beep.”
In spite of still being a good distance away, the machines were already reacting to me.
They had very high detection abilities.
“...Now I just need to know what their attacks and defense ability are like.”
I muttered to myself as I ran.
They had been flashing a green light at first, but now those lights had turned red.
The color probably meant they had been alerted.
Their beeping grew louder.
–Ra-ta-ta-ta-ta-ta...
The attacks came at a speed too fast for my eyes to follow.
It was likely the attack of small metal ammunition that Kathe had talked about.
I quickly jumped to the side.
Just then, something rushed passed me.
And so I ran in a zigzag as I made my way to the entrance.
I was able to dodge ninety percent of them, but the rest caught me.
I looked at the metal clumps that were stopped. They were the size of the tip of my finger.
There was no magic in them.
“Even ordinary metal is scary when it travels at this speed.”
And so I decided that the combat ability for the machines was rather high.
It would be one thing to fight them outside, but Eric and Goran would not be able to avoid getting hit if they were indoors.
I should probably use some magic protection once they came down.
Just as I was about to rush through the entrance, more magic machines flooded out from the building.
“I guess this makes things a little easier for me...”
I muttered as I shot a Magic Bullet into the first machine.
A large dent appeared on it. But it did not stop.
“You really are tough.”
I tried shooting a second bullet at the same spot. This time it went silent.
“So it takes two bullets of this power...”
I would have to use a much stronger magic bullet in order to one-shot them.
“It seems like there are still more inside.”
Ten machines had come out. But Kathe had seen thirty.
So there should be nearly twenty left.
And I did not want to fight them inside of the building.
“...I’ll lure them out with an attack.”
Kathe had used her fire breath.
That suggested that the things she kept in the ruins were probably strong to fire.
And even if it didn’t hurt the machines, it would be effective on the goblins and vampires.
“Eat this!”
Then I launched my strongest fire ball over the heads of the machines and straight into Kathe’s palace.
Flames burst from the windows of the building.
“Hm? Did I go too far?”
“What are you doing!!”
Kathe’s protest boomed from the sky.
It should be alright, since the place is strong to fire.
I dodged the attacks of the machines and waited.
Still, no more machines left the building.
“...Had Kathe been exaggerating again?”
There was a possibility that it had not taken as many of them to force her to retreat.
That would mean that the ten machines outside were all of them.
“Kathe. There aren’t many here, but use your wind breath...”
It was just as I started to ask her.
Magic machines suddenly appeared on the roof of the palace.
Not only that, but they were coming from the back of the building and from behind me as well.
Before I knew it, they had completely surrounded me.
Apparently, there had been many of them outside of the palace as well.
“How many?”
I couldn’t count them all, but it seemed to be close to fifty.
“Here I go!”
“Kathe, wait!”
“Alright.”
I should have them gather together more densely.
I had to use a lot of power to one-shot them.
I also wanted to see what kind of damage my sword would do.
And so I slashed at them with the Devil King Sword.
“They’re hard, but not unbreakable.”
And so I took down three with bullets and three with the sword. By now, the rest of them were swarming tightly around me.
“Kathe, now! Aim it directly at me!”
“Understood!”
It was more like a wall of air than a violent wind. Like a giant hammer.
I cast a magic barrier that shut off the effects of any other magic. And then I stood my ground.
The giant clumps of metal that were the machines were lifted into the air.
A tornado had erupted and was sucking them in. They crashed loudly into each other.
Kathe’s breath caused more than a tornado.
Blades of wind that were strong with magic cut through whatever was inside.
The four limbs of the machines were torn off and their hard shells were shredded.
They smashed into each other all the while.
Even a strong machine could not survive that.
Kathe really was a powerful dragon.
When her breath subsided, Kathe descended to the ground.
At the same time, the scraps of machine fell down from the sky with a loud crash.
“Kathe, that was amazing.”
“You too, Locke... You came out completely unharmed.”
As we laughed about this, Eric and Goran jumped off of Kathe’s back.
“I guess we weren’t needed...”
“Well, that’s not exactly a bad thing...”
Eric and Goran muttered. | {
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これから私が作成した 一時間以上かけてバクテリアが ミネラルを蓄積していく ようすが見られる ストップモーションアニメをお見せします バクテリアが
代謝をしているところです この代謝でバクテリアは 電荷を生み出します
こうして周囲の 金属を引き付けます
これらの金属はミネラルとしてバクテリアの体表に 蓄積していきます
本日 全世界で見られる問題の一つは 十分に手に入らないということです 十分に手に入らないということです 塩を取り除く
淡水化という行程を踏んだ水は
飲んだり 農業用水としても使用できます
逆浸透法で水から 特に海水から 塩を取り除く技術は 清潔な飲み水を 確保できない国々にとっては 不可欠です
海水淡水化というのは 膜ろ過技術の一種です
採取した海水に 圧力をかけることで
膜越しに海水を 濾過します
清潔な水を作るには エネルギーが必要です
しかし高濃度塩溶液 つまり苦汁が残ってしまいます
さらにとても費用がかさむため コスト面から多くの国では実施できません さらにとても費用がかさむため コスト面から多くの国では実施できません
さらに 取り出された苦汁は 大抵 海に送り返されますが
海の地域生態系にとっては 有害なものなんです
私は現在 淡水化技術の 先進的役割を担っている シンガポールで働いています
シンガポールは2060年までに 一日当たり9億リットルの 脱塩水の生産を目指しています
しかし 同時に大量の苦汁も 生み出すことになってしまいます
ここで私とバクテリアのコラボレーションの出番です
ここで私とバクテリアのコラボレーションの出番です カルシウム カリウム マグネシウムのような 金属を苦汁から
収集していきます こうして得られるマグネシウムと 先ほど申し上げた9億リットルの水は 天然資源のないシンガポールにとっては 45億ドル分の鉱業生産に 匹敵します つまり これは世界で初めての 地球を 汚染することのない 鉱業なんです バクテリアが苦汁から 鉱物を蓄積し 沈殿し そして堆積してくれるおかげで
この鉱業が可能になりました つまり これは 試験管内で誕生した新たな産業 自然と調和した鉱業の始まりなのです
ありがとうございました (拍手) | So what you're seeing here is the bacteria metabolizing, they create an electrical charge.
And this attracts metals from their local environment.
And these metals accumulate as minerals on the surface of the bacteria.
One of the most pervasive problems in the world today for people is inadequate access to clean drinking water.
And the desalination process is one where we take out salts.
We can use it for drinking and agriculture.
Removing the salts from water -- particularly seawater -- through reverse osmosis is a critical technique for countries who do not have access to clean drinking water around the globe.
So seawater reverse osmosis is a membrane-filtration technology.
We take the water from the sea and we apply pressure.
And this pressure forces the seawater through a membrane.
This takes energy, producing clean water.
But we're also left with a concentrated salt solution, or brine.
But the process is very expensive and it's cost-prohibitive for many countries around the globe.
And also, the brine that's produced is oftentimes just pumped back out into the sea.
And this is detrimental to the local ecology of the sea area that it's pumped back out into.
So I work in Singapore at the moment, and this is a place that's really a leading place for desalination technology.
And Singapore proposes by 2060 to produce [900] million liters per day of desalinated water.
But this will produce an equally massive amount of desalination brine.
And this is where my collaboration with bacteria comes into play.
So what we're doing at the moment is we're accumulating metals like calcium, potassium and magnesium from out of desalination brine.
And this, in terms of magnesium and the amount of water that I just mentioned, equates to a $4.5 billion mining industry for Singapore -- in a way that one hasn't existed before; imagine a mining industry that doesn't mean defiling the Earth; imagine bacteria helping us do this by accumulating and precipitating and sedimenting minerals out of desalination brine.
And what you can see here is the beginning of an industry in a test tube, a mining industry that is in harmony with nature.
Thank you. | {
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ワープ後すぐさま周囲を警戒する。
どうやらここはジャンボアスレチックパークの砂場......ジャンボ砂場のようだ!
ドラマで砂漠のシーンを撮影するのに使えそうなくらいデカい!
ちょっと砂で大きなお城でも作ってみたい衝動に駆られるが、今は戦闘中だ。
砂というのは足を取られて動きにくい。
すぐに他の場所に移動しよう。
「あっ、キュージィ様み~つけた!」
アンヌの姿を確認した後、すぐに他の仲間たちとも合流できた。
どうやら今回もパーティが近い場所にワープするパターンだったようだ。
これは運が良いのか、果たして......。
「キュージィさんを軸に戦闘を組み立てるのなら、小高い丘の上にあるジャンボ滑り台のスタート地点に移動すべきです」
「でも、あっちのリーダーのハタケさんはおじさんのことよく知ってるのよね?」
「ああ、絶対に覚えていると思う。お互い印象に残る場面でばかり出会ってるからなぁ......」
「それだと裏をかく感じであえて低いところに陣取るとかどうですか?」
4人で作戦会議を進める。
裏をかくという言葉は魅力的だが、俺たちはパーティ構成的に見晴らしのいいところにいた方が強い。
下手な策を使うより、セオリー通り有利な場所を確保して真正面から戦う方が良い場合もある。
ただ、人と戦う以上相手の出方次第ですべてひっくり返ってしまうことも......。
「......ハタケさんの動きは予想できない。そこに慣れない戦い方までやってしまうとこんがらがると思う。俺たちはセオリー通り高いところを確保しよう!」
最終決定にみんなうなずく。
3回戦ともなればみんな体も温まってよく動けるようになってくるが、緊張はなかなかほぐれない。
勝ち進めば進むほど、ぼやけていた栄光の形がハッキリしてくるからだ。
励ましの言葉をかけたところでこの緊張はほぐせない。
変に力を入れてしまうだけだ。
ここはとにかく作戦通りに動こう......!
「さあ、いつもの陣形で移動を......」
「ガァー、ガァー」
視界内に敵はなし。
つまり、ばらまいておいた【ゲイザーフィッシュ】に引っかかったんだ!
「敵がいる......!」
パーティ全体に緊張が走る。
ガー坊の鳴き声がいつもより小さいということは、すでに近くにいる......!
それぞれ武器を構え、ガー坊が向いている方向をにらみつける。
......きた!
あの姿はハタケさん......だけではない!
相手のパーティ全員が姿を晒すと同時に奥義を放ってきた!
「旗魔法......
「連結!
「震えろ大地! グランドラミング!」
彼らしからぬゴリ押しの戦い方......!
表情もいつもより硬い。
あの一見へらへらした感じの笑顔はどこにも......。
くっ、とにかく4発同時奥義ともなれば回避より反撃を選択するほかない!
こっちも4つの奥義だ!
聖なる十字架の星たち
敵味方合計8個の奥義がぶつかり合う......ことはなかった。
ある言葉の後、不思議なことが起こったからだ。
「ミラクルエフェクト・死亡フラッグ!」
敵が放った4つの奥義は直進する。
俺たちが放った4つの奥義は......Uターンしてサトミに向かった!
「なっ......!?」
事態が理解できずに固まっている間にすべては終わっていた。
流れるアナウンスはサトミがキルされたことを伝えている......!
それは同時に彼が連れているユニゾン『ゴチュウ』の消滅も意味している。
一気に戦力が減った......!
「みんな! 一度遊具に隠れろ!」
俺が言う前からネココとアンヌは行動していた。流石だな......!
俺もすぐに地面に突き立てられた巨大な丸太の遊具の後ろに隠れる。
何が起こったのか、すぐに整理するんだ。
こっちの奥義がUターンしたのはハタケさんが叫んだ【死亡フラッグ】というミラクルエフェクトの効果なのは間違いない。
効果を推測するなら、フラグが立った人に向けてすべての攻撃が殺到するとか......?
もしそうだとしたら、俺たちは抵抗することもできずに全員キルされてしまう!
いや、待て。これはミラクルエフェクトだ。
ミラクルエフェクトのクールタイムは恐ろしく長い。
試合時間の30分以内に終わることはまずない。
つまり、もう【死亡フラッグ】は使えない!
やるべきことはサトミの脱落に怯えず、戦い続けること......!
「おじさま! ボクはおじさまと戦えることを光栄に思う! 本当ならボクなんておじさまには遠く及ばないプレイヤーさ! でも、人生においてこの1回だけは勝たせてもらうよ! この【死亡フラッグ】を連発してね!」
強気なハタケさんの声だ。
やはり本気なんだな......。
彼の性格なら戦いの前に待機場所で話しかけてくると思っていたが、それもなかった。
情も馴れ合いも一切なし......男と男の真剣勝負......!
と、言いたいところだが、ミラクルエフェクトを連発!?
そんなこと可能なのか!?
「おじさまは『超クールクルミ』というアイテムを知っているかな? これを使えば、奥義どころかミラクルエフェクトのクールタイムも一瞬で終わるのさ!」
「な、なんだって!? そんなアイテムが!?」
「あるのだよ!」
俺は驚いて声も出ない......。
その間にネココが会話に割って入る。
「そのアイテムは私も持ってる! でも、1つだけ! これでも運が良い方で、普通は1つも手に入らないほどレアなはずよ。だから、誰もアイテムセットの中に入れてない。1つだけクールタイム短縮アイテムを入れるくらいなら、武器奥義を持った予備装備を入れておく方が使える奥義の種類が増えて戦法にも幅が生まれるし、試合中にメイン装備が壊れた時の保険にもなる!」
「確かに手に入った『超クールクルミ』が1つの場合はそうだね子猫ちゃん! でも、僕は偶然10個手に入れてたみたいなんだ! ほんといつの間にかアイテムボックスに入っててビックリしたよ! どこで拾ったんだろ?」
「そ、そんな幸運あるわけないじゃない!」
「あったからボクは貴重なアイテム枠をこのアイテムに使ったのさ! 同じアイテムは10個まで持つことが出来る! 10回もクールタイムを無視出来たら......ボクでもおじさんを倒せるはずさ......!」
そうか、ハタケさんは俺をかなり評価してくれてるんだ。
だから、声も自然と真剣なものになる。
強いと認めているから......!
「おじさんには大きな恩があるから、負ける理由は知っておいてほしかった! ボクなりのプロ意識だね! それに【死亡フラッグ】の発動には『死亡フラッグ!』と叫ぶ必要があるし、声がハッキリ聞こえる範囲にしか効果が表れない! わざわざエフェクト名を明かしたのは、舐めてるわけじゃないと釈明させてもらうよ!」
強そうな奥義をよくわからないハズレと判断していた頃の彼とは違う......!
早く策を練らないと、本当に全滅する......!
「受け取ってくれたまえ! 死亡フラッグ!」
発動されてしまった......!
【死亡フラッグ】の対象になったプレイヤーの頭には旗が生える!
さっきのサトミもそうだった。
一体今度は誰の頭に旗が......。
ガー坊、ネココ、アンヌの頭を見ても旗は生えていない。
つまり、俺か......!?
頭を触っても何もないが......。
再びネココの方を見ると、顔の前で手を横に振って『ないない』とジェスチャーしている。
......俺の脳内に閃光が走った。
「みんな! 足の速い奥義を! 風神裂空! ガー坊、テンタクルレーザー!」
デタラメな方向に放った奥義は何かに引っ張られるように曲がり、ある遊具をぶっ壊した。
同時に敵パーティの1人、黒い肌に筋肉ムキムキのマッチョマン、丸くて小さめのサングラスがトレードマークの『ドラマラス』が撃破されたというアナウンスが入った!
「死亡フラッグは......敵味方を区別しない!」
これで残り人数は対等!
どうやら俺も運が良いらしい......! | I scanned my surroundings immediately after being warped.
Apparently, this was the sandbox area of the Jumbo Athletic Park...the Jumbo Sandbox!
It was so big that you could film a desert scene for a movie!
I suddenly had the impulse to make a large sand castle, but we were fighting now.
It would be difficult to walk in the sand.
So I should try and move to a different location as soon as possible.
“Ah, there you are, Mr. Kyuji!”
After finding Anne, it didn’t take long to reunite with the others.
Apparently, this was another instance where the whole party warped close to each other.
Was this good luck or...
“If we are going to fight with Kyuji in the center, I think that we should start at that jumbo slide on top of that hill.”
“But doesn’t their leader, Mr. Hatake, know Mr. Kyuji quite well?”
“Yes, he does. We keep meeting in places that really leave an impression...”
“Then perhaps we should do what he wouldn’t expect, and camp somewhere that is lower?”
We continued to discuss our strategy.
While the idea of surprising the enemy was appealing, it was clear that with this party, having a good view of the battlefield would be a great advantage.
Instead of risking everything on such a plan, it was better to do the obvious thing and fight the enemy head-on.
However, since we were fighting other players, everything could turn on its head depending on how the enemy reacted...
“...You cannot predict Ms. Hatake’s movements. And so fighting in a way that we aren’t used to will only make things worse. And so we should stick to what we do best and secure a high vantage point!”
Everyone nodded at this final decision.
This was the rd battle, and so everyone was warmed up and could move well. But the nerves were still there.
Because the more we won, the clearer the once blurry goal would become.
And simply offering words of encouragement would not be enough to ease the tension.
It might just add more pressure.
In any case, we just had to move as planned...!
“Now, let’s go in the usual formation...!”
“Gar! Gar!”
That was Garbow’s hostile cry.
But I couldn’t see any enemies.
In other words, the scattered Gazer Fish had caught something!
“There’s an enemy...!”
The whole party became tense.
As Garbow’s cry was quieter than usual, the enemy must be close by...!
We all held our weapons ready and looked in the direction that Garbow was facing.
...Here it comes!
It was Hatake...and he wasn’t alone!
Just as their entire party came into view, they all unleashed charge attacks at once!
“Flag Magic... Lightning Trooper!”
“Linked! Sound Cutting Cymbal Yoyo!”
“Shaking Earth! Ground Ramming!”
It wasn’t like them to fight with such brute force...!
And their expressions were so stiff.
There were no relaxed smiles to be seen...
Tsk. In any case, if they unleashed four charge attacks at once, then it was better to counter than escape!
So we would unleash four as well!
“Saint Cross Star!”
The eight charge attacks...did not slam into each other.
Because something quite strange happened instead.
“Miracle Effect. Death Flag!”
The four charge attacks that the enemy unleashed continued forward.
And the four charge attacks that we unleashed...did a U-turn and went towards Satomi!
“What...!?”
We froze, unable to understand what was happening. And then it was all over.
We heard the announcement that Satomi had been killed...!
At the same time, this meant that the Unison Gochu was also gone.
All at once, our fighting force was weakened...!
“Everyone! Hide behind the obstacles!”
But Necoco and Anne were already moving before I had opened my mouth. Of course, they were!
I too quickly hid behind a great log that was sticking out of the ground.
I needed to understand what had happened.
The reason that the attacks had turned around was because of the miracle effect that Hatake had shouted. Death Flag.
If I were to guess, all of the attacks then move towards the person with the flag...?
If this was the case, there was nothing that we could do. And we would all be killed!
No, wait. This was a miracle effect.
And miracle effects had very long cool down times.
It would definitely be longer than the minutes that a battle would take.
In other words, he won’t be able to use it again!
What we needed to do was not let Satomi’s death scare us, and continue to fight...!
“Old man! It’s an honor to be able to fight against you! Normally, I would be no match for a player like you! But just this once, I am going to beat you! By using this Death Flag repeatedly!”
He really was serious this time...
Given his personality, I had thought that he would talk to me in the waiting area. But he hadn’t done that.
There was no sympathy or banter here... It was a serious battle between men...!
But never mind that. Did he say he was going to use the miracle effect repeatedly!?
Was such a thing possible!?
“Do you know of the item, Ultra Cool Chestnut? If you use it, you can immediately end the cool down of a charge attack or miracle effect!”
“W-what!? There is such an item!?”
“There is!”
I was speechless...
In the meantime, Necoco joined the conversation.
“I have that item too! But just one! And that was with luck. It’s so rare that most people wouldn’t even be able to get one of them. And so no one puts it into their item set. If you have space for an item that shortens cool down time just once, then you’re better off using that space for equipment that has a charge attack. It will broaden your options and can be a backup if your main equipment breaks!”
“That would be true, if you only had one Ultra Cool Chestnut, little kitty! But I happen to have of them! They were just in my item box before I knew it. I don’t even remember how I got them.”
“N-no one is that lucky!”
“And so I placed them in the valuable item slot! You are allowed to have of the same item! If I can ignore the cool down 0 times... Even I can beat someone like you...!”
I see. Hatake had a really high opinion of me.
And so he was taking this very seriously.
He saw me as someone who was strong...!
“Since I owe a great debt to you, I wanted to know how you were going to lose! As one pro to another! Besides, I have to shout ‘Death Flag!’ when using it, and you have to be within range to hear it clearly. And so I’m not telling you because I’m underestimating you or anything!”
This wasn’t the same Hatake who mistook a strong charge attack as something useless...!
If I didn’t think of something soon, we would all die...!
“Now, take this! Death Flag!”
It was activated...!
A flag would appear on the head of the player who was targeted!
It had been that way with Satomi earlier.
Who would it be this time...
I looked at Garbow, Necoco, and Anne. None of them had it.
So, was it me then...!?
But when I touched my head, there was nothing there...
I looked at Necoco but she shook her head and gestured that there was nothing.
...And a light flashed through my brain.
“Everyone! Use a fast charge attack! Windgod Sky Tear! Garbow, Tentacle Laser!”
The charge attacks were unleashed without aiming, and they shot as if being pulled in a certain direction. And then they crashed into an obstacle.
At the same time, one member of the enemy party, a tanned, muscular guy with sunglasses, died according to the announcement!
“The death flag...doesn’t differentiate between friend or foe!”
Now we were equal.
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気付くとベッドに寝ていた。見慣れた天井だから恐らく宿だと思う。
いつの間にここまで来たんだろう?
カフェでルティに抱き着かれて、それから......そういやルティは? と思い、ふと隣を見ると、すやすやとルティが寝ていてほっとする。ううん、可愛い寝顔だなぁ。
「......あふ」
そのままルティの寝顔をぼんやり見ていたら、安心したせいでまた眠気が出てきた。
疲れもまだ抜けきってないし、魔法士団も暫くお休みだからこのま寝してしまおう......。
「うーん......」
今度は何か触られてる感覚がして目が覚める。もー、疲れてるのに誰なのさ?
若干不機嫌になりながら目を開けると、ルティが僕のほっぺたをぷにぷにしていた。
「......ルティ何やってるの?」
「んー」
「んー?」
「......帰ってきたんだなぁって思って」
......もう、そんな事言われたら起こされた不満もどこかにいっちゃうじゃない。
思わずルティを抱き寄せて首筋に顔を
「いい匂い」
久しぶりのルティの匂いで凄く落ち着く。そのまま首筋にキスまでしちゃった。
「あ! ちょっと! 昨日お風呂入ってないからダメ!」
「あれ? そうなの?」
僕は昨日意識が飛んじゃったからもちろん入ってるわけはないんだけど、ルティも?
「そうなのって、ナツキが運んでくれたんじゃないの? 私、昨日ナツキに抱き着いた後寝ちゃったみたいで、気がついたら宿にいたんだけど」
「ううん、僕もあの時意識飛んじゃったんだよ。僕もルティが運んでくれたのかと思ってたけど、じゃあ誰がここまで?」
「ナツキだとばかり思ってたから......。うーん、そうなるとフィルあたりかしら?」
よくよくお互いを見ると、僕は魔法士団の制服、ルティはカフェの制服のまま。
恐らく倒れた場所から直接運ばれただろうから、フィルが運んでくれた可能性が高いかな。チルはそこまで力ないし、リーズナーさんはお店離れられないだろうしね。
「そうね。私なんか途中抜けしちゃったわけだから余計にね。チルもリーズナーさんも大変だったろうからそっちもお礼言わないと」
あー、途中抜けの挙句、フィルも僕達を運ぶため的に抜けただろうから、二人の負担は相当だったろうなぁ......用にお菓子でも買っていこう。
「とりあえずお風呂入っちゃおうか。制服から着替えたいし」
お風呂セットを持って二人仲良くお風呂場へ。
いつも通りに洗いあってから、湯船に入る。
「「ふぁ~」」
野営の時以外は毎日入っていたはずなのに、今日のお風呂はとりわけ格別に感じる。
「ねぇルティ、どうして昨日抱き着いてきた後寝ちゃったの?」
「それ、私がそのままそっくりナツキに返したいんだけど」
「僕は......その......隣にルティがいないせいかよく眠れなくて......」
言いながら恥ずかしくなってきて口まで湯船に浸かってしまった。
「............私も同じ。ナツキがいないと落ち着かなくて......」
ルティも顔を赤くしながら、ぶくぶくと口まで浸かってしまう。
お互い暫くそうしていたけれど、ふと視線が合った時になんだかおかしくなって笑い始めてしまった。
「ぷっ、ふふ。もう、ルティはダメな子だなぁ」
「ふふ、ナツキこそダメな子じゃないの」
くすくすとひとしきり笑って、改めてルティを見て言う。
「本当、ルティがいないとダメな子になっちゃった」
「私もナツキがいないとダメな子になっちゃったわ」
ルティも僕を見てそう言ってくる。
「「......もう離れたりしないから」」
そっと額を合わせ、そう誓い合った。
お風呂から上がり、部屋に戻るとテーブルの上にメモが置いてあることに気付いた。
鍵は閉めて行ったから、部屋を出る前からあったんだと思う。
メモはフィルが残していったものらしい。二人を運んだけど、着替えさせるまで出来なくてごめんなさいって事と、お店の方はリーズナーさんに言って暫く休みにしてもらうように頼んでおいた事が書いてあった。
「最近調子が良くなかったから大分仕事減らしてもらってたんだけど、休みにまでしてくれるだなんて......。フィルにはお世話になりっぱなしね」
「次会ったらなんて言ったけど、今日戻ってきた頃合いにお礼言いに部屋に行こっか。そして明日、お店始まる前にチルとリーズナーさんにもね」
「その方がいいわね。手ぶらも何だし、ちょっとお菓子でも買ってくるわね」
そう言うが早いか、ルティの姿が掻き消える。テレポート......なんだろうなぁ。
戻ってきたらその辺も聞いてみようと思いながら、お茶の準備をする事にした。
お茶を蒸らしてカップに注ごうとした時に丁度帰ってきた。
「おかえり。早かったね」
「お店の前まで飛んだから。ほら、ナツキも知ってる小綺麗なお店」
前にティータイム用のお茶菓子買おうって話になって、お店の見た目が綺麗だからって入ったとこかな? 割と美味しかったからその後もちょこちょこ買ったりしてる。
「ちゃんと私達の分も買ってきてあるわよ」
「さすがだね」
お互い離れていた間にあった出来事なんかを話しながらお茶とお菓子を楽しむ。
「――流石にこっち近づいて来た時はバレたのかと思ったよ」
「ところでさ、さっき......昨日もだけど、テレポート使ってたよね? いつの間に覚えたの?」
「ああ、あれは――」
なんでも、やっぱり僕に会いたくてしょうがなくて、でも飛行許可はでないし、歩いて行ったらすれ違うって団長に言われて、それでテレポートなら時間をかけずに街まで行けるだろうと思ったから団長に教えてもらったらしい。
でもテレポートは行った事のある所しか行けなくて、結局街までは行けなかったとか。
「最初、テレポートの原理を聞いたときにその事に気付けばよかったんだろうけど、とにかく会いたくて全然気付けなかったのよね。
それで覚えたはいいけど、調子が悪くなっていた上に私が街に行った事がないって気づいてショックを受けてたから、団長が気を利かせて魔法士団を休みにしてくれたのよ」
そんな訳があってテレポートが使えるようになってたのか。
「色々便利になったから、教えてもらったのはよかったけどね」
そう言ってお茶菓子を見せながら笑う。
あれこれ話していたらいい時間になってた。そろそろフィルも帰ってくるかな。 | I was lying in bed when I came to be. Since the ceiling looks familiar, I’m probably in our room.
Just when did I get here?
I remember Ruti hugging me at the café then...... Come to think of it, where’s Ruti? With that in mind, I turned my head and felt relieved to see Ruti peacefully sleeping next to me. Yup, she sure looks cute sleeping.
「...... Yawn~」
And as I felt at peace from looking at Ruti sleeping, I started to feel sleepy again.
Well, I’m still exhausted from the trip and I am free from doing Order things for a while, so let me just go back to sleep......
「Mn~mm.....」
This time I wake up from the feeling of someone touching me. Geez, I’m still really tired, who’s doing this?
I open my eyes while feeling a bit annoyed and there I see Ruti poking my cheek.
「...... Ruti, what are you even doing?」
「Mmm.」
「Mmm?」
「...... I was just thinking, Natsuki’s back home now, you know?」
Geez, now that you say something like that, I can’t get annoyed from being woken up like this anymore.
I reflexively embraced Ruti and buried my face into her nape.
「Smells so good.」
Smelling Ruti’s scent after so long is really relaxing. I ended up instantly kissing her nape.
「Ah! Wait! I haven’t taken a bath since yesterday so stop it!」
「Huh? Really?」
I fell unconscious yesterday so I obviously couldn’t have taken a bath, but Ruti too?
「What do you mean by really, didn’t you carry me back here? I seem to have fallen asleep after I hugged you yesterday and found myself here when I came to be.」
「Nuh-uh, I also fainted at that time. I thought that you carried me back here too. So then, who carried us here?」
「You were the only one that came to mind after all...... Hmmm, in that case, maybe it was Firu and the others?」
Now that I look at it closely, I still have my Order of Mages uniform on and Ruti still has her café uniform on as well.
Since we were probably brought back here directly after we collapsed at the café, there’s a high possibility that Firu was the one that moved us here. After all, Chris isn’t really strong enough to do so and Ryzna-san probably can’t just leave the shop.
「That’s for certain. Especially since I even dropped out in the middle of the job. Chris and Ryzna-san probably got pretty busy after that, so I’ll need to thank them as well.」
Ahhh, on top of Ruti dropping out, Firu even left for a while to bring us here, so they probably had a really tough time, yeah...... I guess I’ll buy the three of them snacks or something.
「For now, let’s take a bath. I want to get out of this uniform after all.」
Bringing our bath kit, we happily arrived at the bathroom.
After washing each other as usual, we soaked in the bathtub.
「「Fwa~」」
Even though I took a bath every day except on days we were camping out, today’s bath feels really special.
「Say, Ruti. Yesterday, why did you fall asleep after hugging me?」
「About that, I’d like to return the exact same question to you, Natsuki.」
「I..... Umm...... I couldn’t sleep well because you weren’t beside me, so......」
As I was saying so, I gradually got embarrassed, so I soaked myself down up to my nose.
「........... It was the same for me too. I couldn’t calm down without you near me.......」
Ruti also turned red as she soaked down up to her nose and made bubbling noises.
We stayed that way for a while but when our eyes suddenly met, it somehow felt funny and we began to laugh.
「Pfft, fufu. Geez, you’re really hopeless, Ruti.」
「Fufu, aren’t you the hopeless one here, Natsuki?」
As we chuckled to ourselves, I once again looked Ruti in the eyes.
「Really, I’m hopeless without you now, Ruti.」
「I’m completely hopeless without you too, Natsuki.」
Ruti met my gaze and replied to me as so.
「「...... I’m never ever going to be apart from you anymore.」」
We gently nudged our foreheads together, vowing to each other so.
After leaving the bathroom and going back to our room, I noticed that there’s a note placed on top of our table.
We locked the door before taking a bath, so it might have been here even before we left the room.
It seems like this note was something Firu left. It says that she’s sorry for not changing our clothes after she carried us here and that she told Ryzna-san that we’ll be having a break for a while.
「I haven’t been feeling good lately, so I already asked for a considerable reduction of work, but to think that Firu even had us take a break...... I really can’t thank her enough.」
「I know I said that we should thank her some time, but why don’t we go to her room and thank her when she gets home later. In addition to that, let’s thank Chris and Ryzna-san as well before we open shop tomorrow.」
「That sounds good and since being empty-handed feels a bit off, I’ll go buy some snacks or something.」
Just as she finished saying so, Ruti disappeared. Teleport...... right?
I’ll try asking her about it once she comes back, so I should start preparing the tea.
As I was about to pour the tea after boiling the leaves in hot water, she came back.
「Welcome home. That was fast.」
「I teleported right in front of the shop after all. Remember, that neat little shop?」
Does she mean that nice-looking place we went to before when we were shopping for teatime snacks? Their snacks were pretty yummy, so we buy some from them every now and then.
「I also bought some snacks for us.」
「Nice one.」
And so we enjoyed some tea and snacks while talking about the stuff that happened during the time we were apart from each other.
「—so since he got super close, I really thought that we were done for.」
「By the way, earlier...... and yesterday too, I guess, you used teleport, right? When did you learn that?」
「Ahh, about that—」
So it looks like Ruti really wanted to see me but she couldn’t get flight permission and the leader also told her that we’ll miss each other if she travels on foot. And then, since she thought that she should be able to reach the town quickly by teleporting, she got the leader to teach it to her.
But in the end, because you can only teleport to places you’ve been to, she couldn’t come.
「From the start, I should’ve realized this after hearing how teleporting works, but I was so focused on going that I absolutely missed that part.
When I did get the hang of it, on top of already feeling ill, I realized that I have never been to that town before and the shock from this made me feel worse. The leader noticed and made me take a break from Order business.」
And because of that, she can now teleport around, huh.
「It definitely is convenient, so I’m absolutely glad that the leader taught me about it.」
With that said, she shows off the snacks while smiling brightly.
And as we were talking about this and that, time passed on. Firu should reach the inn any time now, I think. | {
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でも 今日はフィクションの話を しに来たのではありません
まさに現実化している 「殺人ロボット」― そう 完全自律型の戦闘ドローンのことを 話しに来ました
ご存知のプレデター型や リーパー型のことではありません これらの無人機は 標的の決定を 人間が行っています
私は完全自律型のロボット兵器のことを 言っているんです このロボット兵器は 人間殺害の決定を ロボット自体が行います
実は これを指す専門用語もあります 「完全自律型殺傷機能」です
「完全自律型殺傷機能」を持つ 殺人ロボットは 多様な姿で現れます 飛行し 走行し あるいは 待ち伏せするような ものもあるでしょう
実は これらのロボットは 急速に現実のものとなりつつあります
この2種類の 自動狙撃装置は 現在 北朝鮮との非武装地帯の 韓国側に配備されています
この機械はどちらも 攻撃対象となる— 人間を自動的に特定し 銃撃する機能があります 左側のものには 1キロ以上の射程があります
現在のところは どちらの機械でも 射殺決定の枠組みに 今のところは 人間が介在しています しかし 技術的には人を要するわけではなく そこに人を介在させる選択をしたわけです
この選択こそが 今日 私が焦点を当てたいことです なぜなら この 殺人の意思決定が 人間からソフトウェアに 移行しつつあって それは 戦争から人間性を 取り去ってしまうだけでなく 戦場から遠く隔たった 社会の情勢をも 変えてしまう危険が あるからです
なぜなら人間が対立を解決する方法によって 私たちを取り巻く社会情勢が 形成されるからです
歴史上ずっと そうやって形成されてきたのです
たとえば 西暦1400年には これが最先端の― 兵器システムでした
両方とも 作るのも維持するのも とても高く付きましたが これがあれば民衆を 支配できました 封建社会の政治権力の分布は 誰が武力を持つかを反映し
力は権力のトップにいる人に 集中していたのです
それから何が変わったのでしょう? 技術革新です
火薬 大砲
すぐに 甲冑と城は 時代遅れになりました 戦場に誰を連れて行くかは 重要でなくなり 戦場にどれだけの人数を 送り込めるかが重要になりました
軍隊の人数が増えるようになると 防衛のための— 政治的 物流的な要請から 国家が必要となりました
指導者は民衆に 依存する必要が出てきて 力が共有されるようになりました
そして代議制が 形成されだします
ここでもまた 対立解消にどんな手段を取るかが 私たちを取り巻く社会情勢を 形作っています
自律ロボット兵器も そのような手段の1つです ただ戦争を始めるのに 非常に少数の人間しか必要としないため ごく少数の人の手に力を 再び集中させるリスクがあります 民主化の流れを 5世紀分ほど 逆戻りさせてしまうかもしれません
でも 私たちが このリスクを理解していれば 民主主義制度を守るための断固たる措置を取れます 人間が長けている能力によって— すなわち適応力です
しかし タイミングが 重要です
70の国が遠隔操縦可能な― 戦闘ドローンを 独自に開発しています おわかりと思いますが 遠隔操作戦闘ドローンは 自律ロボット兵器を 作り始める前兆です
なぜなら遠隔操作の無人機が 一旦配備されてしまうと 意思決定を人の手から 兵器そのものへと押しやることになる 大きな要因が3つあるからです
1つ目の要因は 無人機が撮影するビデオが膨大になることです
たとえば 2004 年に 米国のドローン軍団が撮影した 分析が必要な偵察映像は 総計71 時間でした
それが2011 年には 30万時間へと 増えたのです すべてを確認するのは 人間の能力を超えてしまいました しかも この時間はまだまだ 増加しそうです
米国防総省のゴルゴンステアや アーガスという計画では 最大65個の独立した カメラの目を 個々のドローンに付けるもので これは人間が確認できる量を 大幅に上回るものとなります
こうなると 関心を引く対象を発見するために 視覚情報分析ソフトの力が 必要になります これは じきにドローンが
注目すべき所を人間に 指示するようになるということで 人間側からではありません
意思決定を 人間から機械へと 強く推しやる 2つ目の要因は 電磁波による妨害です 妨害されると ドローンと遠隔操作者の間の 通信が途切れてしまいます
2011年に これが起こった 例がありました アメリカ軍の RQ-170 センチネル ドローンが イラン軍による GPS 信号のなりすまし攻撃で 混乱させられたのです 遠隔操作型のドローンである限り この種の攻撃には弱いものです つまりドローンは 意思決定の より多くの割合を 背負わなければならなくなるのです
ドローンは 作戦目的を把握し 人間の導きなしに 新しい状況に対応するようになるでしょう
ドローンは 外部からの 無線信号を無視し 自分側からは ほとんど 発信しなくなります
そして ここから— 3つ目の 最も強力に意思決定を 人から兵器へ移すように 促す要因が出てきます それは 「まことしやかな関与否定」です
私たちは グローバル経済の 時代にいます
ハイテク製品の製造は ほとんどの大陸で行われています
サイバー諜報戦の一環で 先進的設計を 様々な部品に隠しますが このような環境では ドローン設計が契約工場で模倣される 可能性が非常に高いのです そして裏市場へと 拡散します
こんな状況では 自爆攻撃ドローンの残骸を 調査したところで 兵器で攻撃を仕掛けたのが 誰なのかわかりません 見えない敵との戦いが
非常に現実的な可能性として 浮かび上がります
地政学的なバランスを 180度変えてしまう可能性があり 国家が攻撃してきた相手へ反撃することを 非常に困難にします これによって 21世紀において 防衛中心の考えから 攻撃中心の考えへと 重心が変わってしまうかもしれません
匿名での攻撃が可能になることで 小国家や 犯罪組織 民間企業 さらには有力な個人にさえ
軍事行動が有効な手段と なりえるのです これは 法の支配と市民社会の 土台を壊してしまい
責任と透明性は 代議制を支える 土台と言えるかもしれませんが 自律ロボット兵器は その両方を弱体化させる可能性があります
みなさんは こう考えるかもしれません ハイテク諸国の市民なら ロボット戦争で優位に立っていて これらの国の市民は 危険にさらされにくいと考えるかもしれません 特に途上国が相手なら なおさらです
しかし 真実は全く逆だと思います
ハイテク社会の市民は より大きく ロボット兵器の 危険にさらされています この理由は 1語に要約できます 「データ」です
データは ハイテク社会を 動かしています
携帯電話の位置情報 電話の会話から集められるメタデータ ソーシャルメディア 電子メール SMS 金融取引のデータ 交通機関や移動のデータなどです これらは人々の活動や 社会的な交流を表す 膨大なリアルタイムデータの塊です
だから 私たちは 歴史上のどんな時代の人たちよりも 機械に行動が 筒抜けになっているのです これは自律的兵器が標的を探すために 絶好のものとなります
いま画面に映っているのは ある社会的集団が どうつながっているか分析した図です
線は個人間の社会的な つながりを示しています
現代人が日常的に残す データの痕跡から このような図を自動的に 生成することができます
この技術は通常は 人口動態で標的を割り出して 商品やサービスを販売するのに使われますが 諸刃の技術でもあります 標的を割り出す技術が 別の用途に使われるからです
赤色で表示されている 人たちがいますが これは
社会的なネットワークの ハブとなっている人たちです
この人たちは 組織のまとめ役や オピニオンメーカーやリーダーです この人たちも 通信のパターンを追跡することで 自動的に見つけ出すことが可能です マーケティング担当者なら
社会的グループに ブランドを広めるために 製品サンプルを送る 標的にするでしょう
しかし もし抑圧的な政府で 政治上の敵となる相手を探しているなら 彼らは排除する標的となるでしょう リーダーを抹殺し 社会的グループを混乱させ そして 残されたグループの人たちは 社会的つながりや 組織を失ってしまいます
安いロボット兵器が 拡散するような世界になったら 遠くにいる政府反対派や 国際的犯罪組織に対し
支持されて 変革を起こすような 扇動活動があれば クリティカルマスに到達する前に 早期に検出されてしまい 指導者は排除される ようになるでしょう
アイデアがクリティカルマスに 到達できる環境は 人民政府における 政治運動の全てと言ってもいいでしょう
正体不明の殺戮兵器があることで あらゆる利害の対立において 殺害という選択が 簡単にできてしまうようになるでしょう
そして このことは 民主主義のまさに中核と言える 言論の自由や支持される政治的行動を 縮み上がらせることになります
これが 私たちに ロボット兵器の国際条約が 必要な理由です 特に世界全体での 殺人ロボットの開発と配備を 禁止することが必要です
私たちにはすでに 核兵器と生物兵器に関する 国際条約があります 不完全ではありますが 条約は概ね 効力を発揮してきました
しかし ロボット兵器は 全ての点で 同じくらい危険なもので ほぼ確実に 使われるようになるでしょう そして 民主主義制度を 蝕むものになるでしょう
2012年11月に 米国防総省が すべての殺害に関する 意思決定に 人間の介在を義務づける 命令を出しました
これによって ひとまずは 米軍の自律的兵器を事実上禁止しました しかし その命令を 恒久化する必要があります
これが行われれば 世界が同じように行動する基準となりえます
ロボット兵器の 国際的な法的枠組みは 必要なものなのです
しかも 今必要なのです 壊滅的な攻撃が起きたり テロ事件が起きたことが引き金となって 世界の国々が ロボット兵器が招く 帰結を熟慮せずに これらの兵器をこぞって採用するようになる前に 必要なのです
自律ロボット兵器を使うと 少数の手に 余りに大きな力が集中することになり 民主主義そのものを危うくしてしまうでしょう
でも 誤解しないでください 民生の非武装無人ドローンには 優れた用途が沢山 あると考えています 自然環境の観測や 捜索と救難 輸送などです
もし ロボット兵器の 国際条約があるとして どのようにすれば自律無人機や 自律走行車の利便を享受しつつ 違法なロボット兵器に対して 身を守ることができるでしょうか?
成功の秘密は 透明性にあるはずです
公共の場所にいる限り ロボットに— プライバシーがあるなどと 思ってもらっては困ります
(拍手) ロボットやドローンは 1体1体 全てが 工場出荷時に個体番号を 暗号技術で署名し 公共の場所での動きを 追跡できるようにするべきです
既に車にはナンバー プレートがあり 航空機には機体記号があります
ロボットも例外ではありません
公共の空間を移動している― ドローンや自律走行車の 所在を示すアプリを 誰でもダウンロードできて しかるべきです 現時点と過去の記録の両方を 把握可能にすべきです
市民のリーダーは 不正なドローンを探索する― 探知機や無人偵察機を 展開すべきです そして 不正ドローンを撃墜する 攻撃ドローンを送りこむ代わりに 人間に ドローンが居ることを 知らせるべきです
高い安全性が求められる地域なら 不正ドローンを 市民のためのドローンが 捕獲して 爆弾処理施設へと 引っ張って行くこともできるでしょう
これは兵器システムというより 免疫システムということに 注意してください
こうすれば 自律走行車両やドローンを 人間側が利用しつつ 開かれた市民社会を 維持できます
私たちは 殺人ロボットの 開発と配備を 禁止する必要があります
戦争を自動化する誘惑に 負けないようにしましょう
独裁政府や犯罪組織は間違いなく その魅力に屈するでしょうが 私たちは その同類に ならないようにしましょう
自律ロボット兵器は あまりにも強力な力を ごくわずかな人の手に 集中させることになります そして 民主主義制度を 蝕むものになるでしょう
民主主義のために 殺人ロボットは フィクションだけのものに しておきましょう
ありがとう
(拍手) ありがとう (拍手) | I'm here to talk about very real killer robots, autonomous combat drones.
Now, I'm not referring to Predator and Reaper drones, which have a human making targeting decisions.
I'm talking about fully autonomous robotic weapons that make lethal decisions about human beings all on their own.
There's actually a technical term for this: lethal autonomy.
Now, lethally autonomous killer robots would take many forms -- flying, driving, or just lying in wait.
And actually, they're very quickly becoming a reality.
These are two automatic sniper stations currently deployed in the DMZ between North and South Korea.
Both of these machines are capable of automatically identifying a human target and firing on it, the one on the left at a distance of over a kilometer.
Now, in both cases, there's still a human in the loop to make that lethal firing decision, but it's not a technological requirement. It's a choice.
And it's that choice that I want to focus on, because as we migrate lethal decision-making from humans to software, we risk not only taking the humanity out of war, but also changing our social landscape entirely, far from the battlefield.
That's because the way humans resolve conflict shapes our social landscape.
And this has always been the case, throughout history.
For example, these were state-of-the-art weapons systems in 1400 A.D.
Now they were both very expensive to build and maintain, but with these you could dominate the populace, and the distribution of political power in feudal society reflected that.
Power was focused at the very top.
And what changed? Technological innovation.
Gunpowder, cannon.
And pretty soon, armor and castles were obsolete, and it mattered less who you brought to the battlefield versus how many people you brought to the battlefield.
And as armies grew in size, the nation-state arose as a political and logistical requirement of defense.
And as leaders had to rely on more of their populace, they began to share power.
Representative government began to form.
So again, the tools we use to resolve conflict shape our social landscape.
Autonomous robotic weapons are such a tool, except that, by requiring very few people to go to war, they risk re-centralizing power into very few hands, possibly reversing a five-century trend toward democracy.
Now, I think, knowing this, we can take decisive steps to preserve our democratic institutions, to do what humans do best, which is adapt.
But time is a factor.
Seventy nations are developing remotely-piloted combat drones of their own, and as you'll see, remotely-piloted combat drones are the precursors to autonomous robotic weapons.
That's because once you've deployed remotely-piloted drones, there are three powerful factors pushing decision-making away from humans and on to the weapon platform itself.
The first of these is the deluge of video that drones produce.
For example, in 2004, the U.S. drone fleet produced a grand total of 71 hours of video surveillance for analysis.
By 2011, this had gone up to 300,000 hours, outstripping human ability to review it all, but even that number is about to go up drastically.
The Pentagon's Gorgon Stare and Argus programs will put up to 65 independently operated camera eyes on each drone platform, and this would vastly outstrip human ability to review it.
And that means visual intelligence software will need to scan it for items of interest.
And that means very soon drones will tell humans what to look at, not the other way around.
But there's a second powerful incentive pushing decision-making away from humans and onto machines, and that's electromagnetic jamming, severing the connection between the drone and its operator.
Now we saw an example of this in 2011 when an American RQ-170 Sentinel drone got a bit confused over Iran due to a GPS spoofing attack, but any remotely-piloted drone is susceptible to this type of attack, and that means drones will have to shoulder more decision-making.
They'll know their mission objective, and they'll react to new circumstances without human guidance.
They'll ignore external radio signals and send very few of their own.
Which brings us to, really, the third and most powerful incentive pushing decision-making away from humans and onto weapons: plausible deniability.
Now we live in a global economy.
High-tech manufacturing is occurring on most continents.
Cyber espionage is spiriting away advanced designs to parts unknown, and in that environment, it is very likely that a successful drone design will be knocked off in contract factories, proliferate in the gray market.
And in that situation, sifting through the wreckage of a suicide drone attack, it will be very difficult to say who sent that weapon.
This raises the very real possibility of anonymous war.
This could tilt the geopolitical balance on its head, make it very difficult for a nation to turn its firepower against an attacker, and that could shift the balance in the 21st century away from defense and toward offense.
It could make military action a viable option not just for small nations, but criminal organizations, private enterprise, even powerful individuals.
It could create a landscape of rival warlords undermining rule of law and civil society.
Now if responsibility and transparency are two of the cornerstones of representative government, autonomous robotic weapons could undermine both.
Now you might be thinking that citizens of high-tech nations would have the advantage in any robotic war, that citizens of those nations would be less vulnerable, particularly against developing nations.
But I think the truth is the exact opposite.
I think citizens of high-tech societies are more vulnerable to robotic weapons, and the reason can be summed up in one word: data.
Data powers high-tech societies.
Cell phone geolocation, telecom metadata, social media, email, text, financial transaction data, transportation data, it's a wealth of real-time data on the movements and social interactions of people.
In short, we are more visible to machines than any people in history, and this perfectly suits the targeting needs of autonomous weapons.
What you're looking at here is a link analysis map of a social group.
Lines indicate social connectedness between individuals.
And these types of maps can be automatically generated based on the data trail modern people leave behind.
Now it's typically used to market goods and services to targeted demographics, but it's a dual-use technology, because targeting is used in another context.
Notice that certain individuals are highlighted.
These are the hubs of social networks.
These are organizers, opinion-makers, leaders, and these people also can be automatically identified from their communication patterns.
Now, if you're a marketer, you might then target them with product samples, try to spread your brand through their social group.
But if you're a repressive government searching for political enemies, you might instead remove them, eliminate them, disrupt their social group, and those who remain behind lose social cohesion and organization.
Now in a world of cheap, proliferating robotic weapons, borders would offer very little protection to critics of distant governments or trans-national criminal organizations.
Popular movements agitating for change could be detected early and their leaders eliminated before their ideas achieve critical mass.
And ideas achieving critical mass is what political activism in popular government is all about.
Anonymous lethal weapons could make lethal action an easy choice for all sorts of competing interests.
And this would put a chill on free speech and popular political action, the very heart of democracy.
And this is why we need an international treaty on robotic weapons, and in particular a global ban on the development and deployment of killer robots.
Now we already have international treaties on nuclear and biological weapons, and, while imperfect, these have largely worked.
But robotic weapons might be every bit as dangerous, because they will almost certainly be used, and they would also be corrosive to our democratic institutions.
Now in November 2012 the U.S. Department of Defense issued a directive requiring a human being be present in all lethal decisions.
This temporarily effectively banned autonomous weapons in the U.S. military, but that directive needs to be made permanent.
And it could set the stage for global action.
Because we need an international legal framework for robotic weapons.
And we need it now, before there's a devastating attack or a terrorist incident that causes nations of the world to rush to adopt these weapons before thinking through the consequences.
Autonomous robotic weapons concentrate too much power in too few hands, and they would imperil democracy itself.
Now, don't get me wrong, I think there are tons of great uses for unarmed civilian drones: environmental monitoring, search and rescue, logistics.
If we have an international treaty on robotic weapons, how do we gain the benefits of autonomous drones and vehicles while still protecting ourselves against illegal robotic weapons?
I think the secret will be transparency.
No robot should have an expectation of privacy in a public place.
Each robot and drone should have a cryptographically signed I.D. burned in at the factory that can be used to track its movement through public spaces.
We have license plates on cars, tail numbers on aircraft.
This is no different.
And every citizen should be able to download an app that shows the population of drones and autonomous vehicles moving through public spaces around them, both right now and historically.
And civic leaders should deploy sensors and civic drones to detect rogue drones, and instead of sending killer drones of their own up to shoot them down, they should notify humans to their presence.
And in certain very high-security areas, perhaps civic drones would snare them and drag them off to a bomb disposal facility.
But notice, this is more an immune system than a weapons system.
It would allow us to avail ourselves of the use of autonomous vehicles and drones while still preserving our open, civil society.
We must ban the deployment and development of killer robots.
Let's not succumb to the temptation to automate war.
Autocratic governments and criminal organizations undoubtedly will, but let's not join them.
Autonomous robotic weapons would concentrate too much power in too few unseen hands, and that would be corrosive to representative government.
Let's make sure, for democracies at least, killer robots remain fiction.
Thank you.
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「ネココ、叔母様を含め相手パーティについて何か知っているかい?」
今回はしっかりネココを名指ししておこう。
「叔母様の武器は見ての通りブーメラン。物理攻撃型の飛び道具で、その特徴はなんといっても投げた後に弧を描いてプレイヤーの手元に戻ってくることにあるわ。飛んでる最中に攻撃を加えれば叩き落すことも出来るけど、半端な攻撃だと普通に耐えて戻ってくる。熟練のブーメラン使いは複数のブーメランを同時に使いながら、その軌道に変化をつけて容易には回避できないようにしてくるの」
チャリン戦ではユニゾンが変形した大型ブーメランも含めて3つのブーメランを踊るように使いこなしていたなぁ......。
あのブーメランの乱舞の内側に入ったら俺のような後衛職は終わりだ。
今回ばかりはとにかく距離を取っ的に攻撃するという基本を守らないといけない。
俺も弓矢という飛び道具を使っているから、他の飛び道具の特徴も少しは調べてある。
ブーメランは飛び道具の中では攻撃力が高い方だ。
また、手に握ったまま剣のように振り回せるので、飛び道具を使う職の中では飛びぬけて接近戦に強い。
それにマココは予選の時にブーメランと自分の位置を入れ替えるような効果を使っている。
バックラーの【パリィワープ】のようにこちらから攻撃しなければワープできないというデメリットはなく、相手の意志だけで距離を詰められる可能性が高い。
ワープを読んで【スターダストアロー】というのも、マココに対しては現実的ではないだろう。
とにかく接近されること自体がNGだと肝に銘じておこう。
最大射程は弓矢の方が圧倒的だし、ブーメランは投げた後戻ってくるのを待たなければ次の攻撃に移れないが、弓矢は外そうが叩き落されようが気にせず連射が出来る。
ただ、相手のステータス配分によっては半端な攻撃じゃ意味がないこともある。
奥義でないとダメージが入らないなんてことになると、手数を増やすことすらままならない。
それこそバックラー戦のように......。
「強化ポイントの配分とか、職業については何か聞いてるかな? あと、スキル奥義の情報もあると嬉しいんだけど......」
「あー、うーん、それはね......」
あ、聞かない方が良かったかもしれない。
叔母様はベテランのプロゲーマーだ。
たとえ相手が身内でも、情報を簡単に渡すとは思えない......!
そう、プロフェッショナル特有のプライドが......。
「一緒に冒険してる時に全部バラシてくれそうだったんだけど、私が変な意地を張って見せなくていいって言っちゃった......」
まあ、お互いフラットな状態で戦いたいという気持ちはわかる。
相手は憧れの人だからな。
それにしても、情報がバレることも気にしない......か。
知られたうえでも勝てるという自信の表れか、それとも本当に何も気にしてないない強者の余裕か......。
「あ、でも、どういう強化ポイントの振り方をしてるのかは、動きを見て何となくわかったわ。おそらくだけど、叔母様はバランス型を少し崩して攻撃に振ってるタイプ......! つまり、結構普通の振り方!」
た、確かにバランスよく振りつつ攻撃にだけは多めに振るってとっても普通だ......!
少しでもゲームを遊んだ経験がある人なら、誰でも思いつく振り方だろう。
完全なバランス型は中途半端になるけど、何か明確な弱点を作ってしまうとピーキーになる。
耐久や速さ面もカバーしつつ、敵を倒すゲームには必要不可欠な攻撃だけは大きく伸ばす。
派手ではないが、堅実にどんな状況にも対応できるキャラが生まれるはずだ。
「叔母様はこの平凡かつ王道のステータスを非凡なプレイングで使いこなすの。攻撃されれば思った以上にダメージが入り、攻撃すれば思った以上にダメージが入らない。思った以上に速く動き、思った以上に対応できない......! 残念ながら、このパーティに1対1で叔母様に勝てる人はいないわ」
「だからこそ、私に叔母様の相手を任せてほしいの」
ネココの言葉にみんな驚く。
さっき自分でその戦い方を否定したばかりだ。
「大丈夫、うぬぼれてるわけじゃないわ。私だって勝てる気がしないもの。でも、最初から叔母様に2人のプレイヤーをつけると、相手パーティの残り3人を2人で相手することになる。1人が抜け出して叔母様に加勢すれば、数的有利は簡単に消えてしまう。なら、最初は1人1キルを目標に動いて、キル出来た人から叔母様と私の戦いに加勢する方がまだわかりやすくないかしら?」
わかりやすいかと聞かれれば、そりゃそっちの方がわかりやすい。
実現できるならば勝率だってそっちの方が圧倒的に上だろう。
問題はネココが1人だけで耐えきれるのか......ということだ。
「............」
俺はあえてその疑問をぶつけなかった。
なぜなら、ネココ自身が一番その疑問の答えを欲していると思ったからだ。
耐えられるのかなんてわからない。
でも、やらねば勝利に近づかない。
それに自分がどこまで憧れの人に通用するか知りたがっているようにも見える。
「わかった。マココの相手はネココに任せる! でも無茶はせず、あくまでも誰かが加勢に来るまでの時間稼ぎに徹するんだ」
「それでパーティの残り3人はどういうプレイヤーたちなんだい?」
俺たちはまずマココ以外の3人を倒す必要があるわけだから、そっちの情報も大事だ。
これだけすごいマココの仲間たちなんだから、きっとみんなとんでもないプレイヤーなんだろうなぁ......。
「結論から言えば......」
ネココはちらちらと周りを気にした後、小声でぼそっと言った。
「そこまで強いプレイヤーではないの。叔母様以外は......ね」
「......えっ?」 | “Necoco. What can you tell us about your aunt and her party??
This time, I had to specifically ask Necoco.
“As you know, my aunt fights with a boomerang. It’s a ranged weapon that deals physical attacks. Its most distinct feature is that it draws an arch through the air and returns to the player’s hand. It’s possible to knock it out of the air by attacking it, but it will have to be very strong to prevent it from returning. Veteran boomerang users can use multiple boomerangs at once, and they alter the trajectory so that it’s difficult to dodge them.”
During the Charin fight, not only did she have a large boomerang that was a transformed Unison, but two others as well...
It had been like a dance, and a rear guard like me would die easily if they were in range of it.
This time, I would have to stay as far away as possible so that it would be one-sided attacks.
As I was also using a ranged weapon, I had looked up the characteristics of other ranged weapons.
And boomerangs were among the weapons with higher attack power.
Furthermore, they could be used like swords in your hand, which meant they could also be used in close range combat.
On top of that, Macoco had used an effect during the preliminary where she and her boomerang switched places.
It wasn’t like Buckler’s Parry Warp, where he needed to wait for me to attack. And so it was possible for her to close a gap at will.
So it would not be realistic to read her movements and use Stardust Arrow.
In any case, I needed to remember to stay away from her at all cost.
My max Range would be much farther, and with boomerangs, you had to wait for them to return before you could attack again. While with a bow, I could shoot rapidly no matter how many arrows miss or get knocked out of the air.
However, depending on her status, ordinary attacks might be meaningless.
If I couldn’t deal damage without using charge attacks, then it wouldn’t be enough that I had more moves than her.
It would be like the Buckler fight...
“Do you know anything about strength point distribution or jobs? Also, skills and charge attacks...”
“Uh, hmm. I don’t...”
Ah, maybe I shouldn’t have asked that.
Her aunt was a veteran pro gamer.
And so even if it was a relative, she was not likely to pass over such information easily...!
That was the pride of a professional...
“I think she was actually going to tell me all of that when we were adventuring together. But my pride got the better of me and I said that she didn’t have too...”
Well, I suppose they both wanted to fight without knowing. I could understand that.
Especially since this was someone that she really looked up to.
Still, Macoco didn’t even mind...
Was she so confident that she could win?
“Oh, but I have an idea about her strength points, just by watching how she moves. I think she is balanced but leans towards Attack...! In other words, pretty normal!”
Indeed, most people would try to spread it out but have a little extra in Attack...!
Anyone who had a little experience with games would think of doing that.
A balance type might be playing it too safe, but there were risks to having obvious weaknesses.
And so while having solid durability and speed, you would want to extend attack ability, which was necessary in games about defeating enemies.
It should result in a character that wasn’t flashy, but was able to deal with any kind of situation.
“My aunt takes this classical style and does something revolutionary with it. When she attacks, you take more damage than you expect, and when you attack, it does less damage than expected. She moves faster than you expect, and she’s harder to deal with than you expect...! Unfortunately, there is no one in this party who can beat her vs .”
“That’s why I want you to leave her to me.”
Everyone was surprised by Necoco’s words.
She had just said that it wouldn’t work like that.
“Don’t worry, I’m not delusional. I don’t think that I can win either. But if two of us take her on from the beginning, then that means the other two will have to take on three of them. That would put you at a disadvantage. We should start by making it a goal to kill one person, and the person who kills someone first can join me in the battle against my aunt.”
Well, that was certainly a more simple strategy.
And if we could do it, it seemed like we would have a better chance of winning.
The problem was...if Necoco could survive that long by herself.
“...”
But I decided to not ask her about that.
After all, I thought that more than anyone, Necoco wanted to know the answer to that.
She didn’t know if she could survive that long.
But she had to if we wanted to win.
And it was clear that she wanted to know how close she had gotten to the person that she admired.
“Fine. We’ll leave Macoco to Necoco! But don’t do anything reckless. You’re just trying to buy time until someone can join you.” “Thank you. You won’t regret this!”
“So, what kind of players are the other three?”
As we had to defeat the others, information about them was important as well.
If they were the friends of Macoco, they must be pretty amazing as well...
“In my opinion...”
Necoco glanced around and then whispered.
“They’re not very strong. It’s just my aunt...”
“...What?” | {
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轟々と風が唸り、直下の地面で後方へと流れていく。
帝国から解放された亜人族達は、自分達が今体験していることが本当に現実なのか、それを確かめる為に何度も自分の頬をつねってはその痛みに涙目になっていた。そして、夢から覚めないなぁ~と妙に落ち着いた気持ちで、再び、非現実的な光景を眺めるのだった。現実逃避ともいうが。
彼等は、現在、ハジメが飛ばす飛空艇〝フェルニル〟の下部に取り付けられた超大型の〝籠〟に搭乗し、一時の空の旅を体験しているのである。
フェルニルは、流石に、数千人に及ぶ亜人族達を搭乗させられる程の規模ではないので、急遽、外付けの巨大な籠を取り付けたのである。イメージとしては、飛行船のゴンドラのようなものだ。
実は、ゲートホールがハウリア族の隠れ里やフェアベルゲンに設置してあり、ゲートを開けば一瞬で樹海まで行けるのだが、演出のために敢えて空の旅を選んだのである。その方が、解放された亜人族達へ向けられる帝都からの目にもインパクトがあるからだ。
言ってみれば、〝亜人族解放は神の意思である〟という広場での言葉に対するダメ押しというやつである。空を飛ぶ巨大な物体に導かれて故郷に帰るという光景には、帝都の人々もさぞかし度肝を抜かれたに違いない。
もっとも、その代償として、フェルニルを起動させているハジメは結構な負担を強いられていた。紅い魔力を迸らせつつ、ブリッジにあるベンチシートで、どこか気怠そうにふんぞり返っているのは、決して傲慢を体現しているわけではない。
流石に、数千人もの人を乗せた状態で飛行させるのは、その重量故に消費魔力も半端なかったのである。
但し、ガリガリと魔力を削られながらも、せっかくだから魔力運用の訓練にしようと魔力操作に意識を割いていたりするので、気怠そうなのは魔力の消費だけが原因ではなかったが。
傍目には、だらけ切っているようにしか見えないが、どんな時でも鍛錬を欠かさない努力の人なのである。本当に、そうは見えないけれども......
そんなハジメの傍にはユエ、シア、香織が侍っていた。休日に公園のベンチで我が子が遊ぶ姿を眺めながらだらけるお父さんのような姿のハジメだが、その右腕にユエを、左腕にシアを腕枕しつつ、シートの背越しに身を乗り出した香織に髪をいじられていたりする。
本当に真面目に訓練中なのだが......ハーレム野郎にしか見えないと言われれば反論は出来そうにない光景だった。
「おいおい、皇帝を前に随分な態度だなぁ、え?」
「......南雲くん、私が言うのもなんだけど......もう少し自重してもいいと思うわよ?」
「うらやま......ではなくて。そうです。ふしだらですよ」
効率的な魔力の運用訓練に集中しつつも、無意識にユエとシアの髪を撫でているハジメに声が掛けられた。
フェアベルゲンにて長老衆に宣誓するために同乗したヘルシャー帝国皇帝ガハルドと、同じ人間族の王族にしてハイリヒ王国の王女としてその宣誓を見届けるために同乗したリリアーナ、そして、お馴染みの雫である。もちろん、この場には、光輝、龍太郎、鈴もいる。
更にもう一人、ついさっきまでガハルドに頼まれて艦内を案内していたティオもいるのだが、彼女は、帰って来るなりユエ達を見て「妾も~」とハジメにル○ンダイブを決行し、その気持ち悪さから反射的に出たハジメの足技で首を絞められ、そのまま落とされているので問題ない。白目を向いて僅かに痙攣しているが問題ないのだ。
「あ~、艦内探検は終わったのか?」
「おう、とんでもないな。なぜ、こんな金属の塊が飛ぶのかさっぱりわからん。だが、最高に面白いな! おい、南雲ハジメ。俺用に一機用意してくれ。言い値を払うぞ」
対面のベンチシートにドガッと座り、キラキラと好奇心で輝く瞳をハジメに向けるガハルド。雫達もシートに座る。
ちなみに、雫とリリアーナはハジメ側に座った。ガハルド側が嫌だったようだが、それにも気がつかないほど、ガハルドの瞳は少年のように輝いている。余程、この飛空艇が気に入ったらしい。
「金なんかいらねぇての。諦めろ。乗るのは今回限りだろうからな。せいぜい今の内に堪能しとけ」
「そういうなよ。な? 一機だけ、小さいのでいいんだ」
「俺に何のメリットもないだろうが」
「ぬぐぅ、金がダメなら女だ! 娘の一人にちょうどいい年の奴がいる。ちょっと気位は高いが見た目は上玉だぞ。お前のハーレムに加えてやるから、な? いいだろう?」
どうやらガハルドは、ハジメのことを無類の女好きと思っているらしい。状況的に全く否定できないのが悲しいところだ。
しかし、そんな女を押し付けられても困るので鼻で笑って却下しようとしたハジメだったが、それより早く女性陣が反応する。
「「「「「ダメ(ですぅ)(じゃ)!!」」」」」
「......そういうことだ」
「チッ、見せつけやがって......ん? リリアーナ姫、今、お前さんも反応してなかったか?」
ガハルドがやさぐれたように舌打ちし、そして不意に気がついたようにリリアーナへ視線を向けた。それに釣られて他のメンバーもリリアーナに目を向ける。
「へ? い、いやですわ。聞き間違いではないですか?」
「......クックック。そう言えば、パーティーでもバイアスそっちのけで南雲ハジメと嬉しそうに踊っていたなぁ。おいおい、南雲ハジメ。お前、ちょっと手が早すぎやしないか? 流石の俺も呆れちまうぞ」
「にゃにゃにゃにゃにを言っているのですか! わ、私と南雲さんは断じてそんな関係ではっ! そ、そうですよね? ね? 南雲さん!」
「あ? あ~、天地がひっくり返っても有り得ねぇよ」
「......そこまで言わなくても......」
ハジメのはっきりした物言いに、動揺しまくりのリリアーナのテンションが一気に下降した。どこか不貞腐れたようにそっぽを向く。その態度からして、リリアーナが満更でもないというのは丸分かりだ......
というより、パーティーでのダンスを見ていた者からすればリリアーナの内心など一目瞭然である。それはハジメも同様のはずで、それでも本人を前にしてばっさりぶった切った容赦の無さに、リリアーナへは同情の視線が、ハジメにはジト目が向けられた。
「......なんで俺がそんな目を向けられにゃならないんだ。大体、姫さんは人妻みたいなもんだろうが。婚約者は首チョンパされているが、それでも皇族との婚姻ってのが無くなったわけじゃない。なら、結局、他の皇族があてがわれるんだろう?」
「あ~、それなのですが......」
言葉を詰まらせるリリアーナに代わって苦虫を百匹くらい噛み潰したような表情のガハルドが答えた。
「正直、一族は今、それどころじゃねぇんだよ。何せ、外せば死ぬ呪いの首飾りを一生付けてなきゃいけないなんて、とんでもない事態への対処で一杯一杯だからな」
そう言うガハルドの首には、確かに紅い宝石のついたネックレスが付けられている
「あの誓約の内容から言って、皇族以外の誰かが約定に背いても、皇族が〝法に則って裁く〟限り、命は繋がるんだろうが、言ってみれば、国民に命握られているのと変わらねぇからな。取締体制の抜本的な改革と確実に執行される厳罰の体制、それに帝都以外の町にいる奴隷解放の手続きと法の周知徹底......誰も彼も必死なんだよ」
ガハルドはシートの背もたれに深々と背を預けながら、「参った!」とでも言うようにガシガシと頭を掻いた。
「いつ死ぬかわからない夫に王国の姫を嫁がせるわけにはいかないと言われれば、全く反論できねぇ。しかも、亜人族の奴隷解放で帝国の労働力はガタ落ちだ。あちこち大騒ぎだよ。その辺の対応と鎮圧にも人手を割かなきゃならんから、正直、
「なるほどな。つまり姫さんの輿入れは白紙撤回ってことか」
「まぁ、そういうことだ。状況が落ち着いて、皇族の命の安全性が一応でも確認されれば、その時改めて、今度は、こちらからランデル殿下......今は陛下か......に、娘を嫁がせるという形がベターだろう」
ガハルドの説明に、その場の全員が「へぇ~」と納得の表情を見せる。
ちなみに、実は、皇族の一人が、「そんな馬鹿な話があるか! 俺は首飾りを外すぞ!」と喚き、本当に首飾りを外してしまい、その後、突然発狂して暴れまわったあげく、糸が切れたように絶命したという事実があり、これが皇族を必死にさせている原因だったりする。
「よかったじゃないか! リリィ!」
「ホントね。自由恋愛......というのは無理かもしれないけど、取り敢えず、時間はできたわ」
「うんうん。リリィ、よかったね」
光輝を筆頭に、メンバーがリリアーナに温かな眼差しを向ける。リリアーナは、目の前に嫁ぎ先の親がいるのに遠慮なく〝結婚が白紙になってよかった〟と喜ぶ友人達に苦笑いだ。珍しく、ガハルドも苦笑いしている。
「つーわけで、南雲ハジメ。今なら、リリアーナ姫はフリーだぞ? 欲しけりゃ、皇帝の権力をフル活用して協力してやる」
「なっ!? 陛下! 何を言っているのですか! わ、私はそんな......」
ニヤリと笑ってそんな事を言うガハルド。再び、リリアーナが動揺する。
しかし、ハジメは話の内容はサラリとスルーして、呆れたような表情をガハルドに向けた。リリアーナの態度に対してもスルーである。
「で、見返りに飛空艇よこせってか? 何度もいうがメリットが何もないだろうが......むしろデメリットか?」
「どういう意味ですか!? 南雲さん!」
「おいおい、一国の王女様だぞ? 男なら手に入れたいと思うのが普通だろうが」
「ちょっと、共、聞いていますか? 私の話、聞いていますか!」
「あんたと一緒にするなよ。俺には女をコレクションにする趣味はねぇよ。王女なんて肩書き、むしろ面倒なだけだろうが」
「はいはいはい、聞いてないんですよね。私の話なんか誰も聞いてないんですよね。......ぐすっ......王女って何なのかしら......」
「リリィ......大丈夫よ......うぅ、王女なのに何て哀れな」
「リ、リリィ! 俺はちゃんと聞いてるから! 元気出せ!」
リリアーナを完全スルーして話をするハジメとガハルドに、リリアーナは遂に投げやりな態度でシートにのの字を書き始めた。その瞳の端には煌く何かが溜まっている。それを雫や光輝が必死に慰めていた。
そんなリリアーナ達を尻目に、ハジメは、未だ「うぬぬぬ」と唸りながら、ハジメと交渉しようとしているガハルドに溜息を吐いた。
「今のところ、俺が欲しいものなんてないから諦めろよ。その内、もしかしたら、あんたにも交渉材料が見つかるかも知れないが......その時まで気長に待つことだな」
「ぬぅうう、本当に欲しいものはないのか? して欲しいことも? 正直に言えよ。人間、いつだって何かを欲しているものだ。何もいらないなんて奴は、人間をやめているか何か企んでいる奴だと相場が決まっている。......あっ、そう言えばお前、化け物だったか」
「喧嘩売ってんのか、あんた? ......まぁ、その言い分は理解できる。だが......」
ハジメはそう言うと、両サイドにいるユエとシアをグッと抱き寄せた。
「俺がホントに欲しいものは既に腕の中にある。〝ずっと手放さないためには〟ってことに頭が一杯で、〝もっと〟なんて考える余裕はない。きっと、一生な」
だから、交渉は無駄だと言外に伝えるハジメ。ユエは嬉しそうに体を摺り寄せ、シアは、自分もユエと同じくらい力強く抱き寄せられたことに大きく目を見開きつつも、次の瞬間にはウサミミとウサシッポをわっさわっさと動かしながら思いっきりハジメに抱きついた。
ハジメの胸元で、ユエとシアの目が合い、二人して「くふふ」と幸せそうに微笑み合う。
「あ~、あ~、そうかいそうかい。チッ、口の中が甘ったるくて仕方ねぇ。甲板で景色でも堪能してくるか......」
ガハルドは、うざったそうな表情をして立ち上がると、さっさとブリッジを出て行ってしまった。それに苦笑いするハジメ。見れば対面の座席で、光輝や龍太郎がどうしたものかと目を泳がせている。鈴は「ほわ~」と変な声を上げていた。
そして、ハジメの背後と足元からも声が上がる。
「うぅ~、ユエとシアだけずるいよ! ね、ねぇ、ハジメくん。〝腕の中〟っていうのは比喩的な表現だよね? ユエとシア限定って意味じゃないよね? ね?」
「ご、ご主人様よ。素晴らしい足技を頂いた直後ではあるが、妾も抱き締めてくれんか?〝腕の中〟がいいのじゃ......」
香織が背後からハジメに抱きつき、必死な感じで自分の存在をアピールする。ティオは体を起こし、顎をハジメの膝に乗せておねだりを始めた。
そんな二人に反応したのはユエ。
少し体を起こすと、チラリと香織とティオを見やり......
「......残念でした」
「ど、どういう意味っ!?」
「むぅ、今のは聞き捨てならんぞ、ユエ!」
無表情のユエに「きぃいい!」とハンカチでも噛んでいそうな雰囲気で憤る香織とティオ。ユエは少し首を傾げて何かを考えている素振りを見せると、おもむろに自分とシアを指差した。
そして、
「......勝者」
次いで、香織とティオを指差し、
「......敗者」
と、やはり無表情で言ってのけた。そして、そのままハジメの胸元に頬を摺り寄せる。その瞬間、ブリッジに〝ブチッ〟と何かが切れる音が響いた。
「フ、フフフ......ユエったらおかしいね? わけのわからないことをいきなり......きっと、どこか悪いんだね?」
「そうじゃな。きっと、そうに違いない。ならば妾達が直してやらねばな」
「直すと言えば、簡単な方法があるね」
「うむうむ、壊れたものは......」
「「叩いて直す!(のじゃ!)」」
ゆらりと立ち上がって、微笑みを浮かべながらユエを見下ろす香織とティオ。
凄まじい怒気? 闘気? みたいな何かが溢れ出している。そのプレッシャーに光輝と龍太郎と鈴が対面で身を寄せ合ってガクブルしていた。光輝が小声で「あ、あれが香織なのか?」と呟いている。
二人の圧力をぶつけられたユエは、再び、のそりと顔を上げると無表情を崩して口元に小さな笑みを浮かべた。
「......やめて。本気でやったら二人が私に勝てるわけないでしょ?」
お前はどこのコーディ○ーターだとツッコミたくなるようなセリフだ。そして、激しくイラっとさせる素晴らしいセリフだった。
案の定、更にヒートアップする香織とティオ。ユエも、ゆっくりと立ち上がった。
「ちょっ、ちょっと、三人とも! いきなり喧嘩なんて......ていうか、南雲くん! 止めなさいよ!」
雫が、アセアセ、オロオロとしながら頑張って仲裁しようとする。そして、早々に自分には無理! と諦めて、ある意味元凶ともいえるハジメに助けを求めた。
そのハジメはというと......
「無理。だるい......」
大分、魔力を削られているようで思いっきりだれていた。動く気はないようだ。
元々、小さな喧嘩は日常茶飯事、というよりちょっとした彼女達なりのコミュニケーションみたいなものなので、ハジメは気にしていないようだった。
「あ、貴方って人は~」
しかし、まだその辺の機微に疎い雫は、頬をピクピクさせる。
と、その雫に般若さんからお声が掛かった。
「雫ちゃん! 前衛お願いね!」
「あれ? いつの間にか巻き込まれてる!?」
ごく自然に、雫の参戦が決まっていた。
「さぁ、お姫様よ、共に参ろうぞ! 結界の名手じゃろう? そっちの鈴と一緒に防御は任せたぞ!」
「えっ? 私もですか!? なぜ!?」
「さり気なく、鈴も入ってる!?」
ティオが竜人族の膂力でリリアーナと鈴の首根っこを掴み引きずって行く。「おうじょ......おうじょなの......」というリリアーナの呟きが何とも虚しい。
「......シア、前衛は任せる」
「は、はいですぅ! 何人もユエさんの元には行かせませんよぉ!」
気合十分。シアはユエの前衛を務めるようだ。ハジメの元から立ち上がり、腕をグルグルと回す。
「......ハジメ、待ってて。ちょっとボコってくる」
「お~う、ほどほどになぁ~」
「いつでもいいぞ~」
「......んっ」
そうして、女性陣は甲板に向けて戦意十分な雰囲気(一部を除く)で出ていった。甲板は十分とは言えないがそれなりの広さがある。きっと、よい戦闘訓練になるだろう。香織がノイントの体を十全に使うにはとにかく動いて慣らすことが必要だ。【ハルツィナ樹海】の大迷宮にどのような試練があるかわからないので、少しでも訓練しておくのはいいことだろう。
ユエ達に、その辺の意識があったのかは不明だが......
しばらくすると、何やら轟音やら爆音が聞こえ始めた。ビクッとする光輝達。本当に放っておいて大丈夫だろうかと心配そうな表情になる。
「戯れてんな~」
しかし、ハジメの感想はそれだけらしい。
「......なんていうか、南雲って......」
男だけとなったブリッジで、だれているハジメを見ながら、光輝と龍太郎が呆れ半分感心半分の眼差しを向けていた。あれだけの女性陣の騒動にまるで動じず、自然体というのが男として少し感じ入るものがあったらしい。
その後、亜人族達をビクビクさせつつ散々暴れまわったユエ達の戦いが終わる頃、ようやく前方に樹海が見え始めた。なにやら最初の方で皇帝の悲鳴が聞こえたような気がするが......きっと気のせいに違いない。
地味に皇帝陛下の安否が気になりつつ、一行は樹海に降り立つ準備に入るのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
太陽が顔を隠し、夜の帳が降りた。
樹海奥地のフェアベルゲンは人々が作り出した淡い橙色の灯りで照らされている。普通なら、いくら復興に忙しいとはいえ、とっくに食後の一家団欒を楽しんでいる時間であり、静謐な空気が流れているところだ。
しかし、現在のフェアベルゲンは、まるで昼夜が逆転したかのような喧騒に包まれていた。右に左にと忙しそうに人々が走り回っている。フェアベルゲンの外の集落からも人が集まって来ているようで、人の整理・誘導に兵士達も駆り出されているようだ。
そんな喧騒を、夜風と共に開けっ放しの窓から取り入れつつ、フェアベルゲンの長老が一人、森人族のアルフレリック・ハイピストは何とも言えない微妙な表情で手元の書類を処理していた。
内容は、数千人規模の同胞の受け入れ態勢に関する報告書、申請書などの類である。他の長老達も手分けして作業している。
「ふぅ......カムよ。本当に同胞達は帰って来るのか?」
「......まだ、そんなことを言っているのか。確認しようのないことをいつまでも言ってないで、さっさと受け入れ態勢を整えろ」
アルフレリックがポツリと話かけると、まるで部屋の中に突然現れたかのように人の気配が発生した。アルフレリックの傍には、気配を殺したカム・ハウリアが控えていたのだ。
カム達ハウリア族は、ハジメ達に先んじて亜人族の解放を伝えるためにゲートで帰って来ていたのである。そして、念話石を利用して、急遽整えなくてはならなくなった受け入れ態勢を効率的に行うために、通信員の役割を買って出ているのである。
「わかっている。ただな、やはりにわかには信じ難いのだよ。あの帝国が同胞を解放するなど......」
「それもあと数時間以内に証明される。まぁ、気持ちはわかるがな。......我等とて、ボスがいなければ、まさかここまでの成果を挙げられるなど夢にも思わなかった」
「ボス......資格者――南雲ハジメか。その話が本当なら、我が娘だけでなく、同胞全てを救い出してくれた恩人ということになる。報いる方法が思い浮かばんな......」
「ボスは、そんなもの期待していないだろう。それより、さっさと手を動かせ。また、報告が上がってきたぞ」
念話石に触れながら報告を聞くカムを、アルフレリックはチラリと一瞥する。カムは、念話石で何かを話しているようで視線は虚空に向いているが、その姿には一分の隙もない。それどころか、控えていた時の気配の無さが嘘のように強烈な覇気を纏っていた。
かつては自分達の前で一族処刑の決定に諦観の表情をしていたというのに......とても同一人物だとは思えなかった。元の温厚そうな雰囲気は微塵もなく、触れればそれだけで刻まれそうな鋭利さを感じる。
実際、その鋭利さは既に示されていた。
というのも、戻ってきたカムが長老衆に事の次第と、解放された奴隷の受け入れ態勢を整えるように伝えたところ、アルフレリックを含め誰もその言葉を信じなかったのだが、その際、カムの不遜な言動を不快に感じた長老の一人が、カムに侮蔑の言葉を投げつけ、更に強制的に跪かせようとしたのだ。
たとえ、以前に熊人族を返り討ちにしていようと、魔物や帝国の襲撃からフェアベルゲンを助けたとしても、長年の兎人族に対する価値観は中々覆るものではないのだろう。
しかし、その凝り固まった価値観故の行動は、苛烈な殺意で返された。その長老の部下の一人がカムに触れようとした瞬間、一体どこに潜んでいたのか、一斉にハウリア族が出現し、全ての長老の首に刃を突きつけたのである。
当然、カムに触れようとした男もいつの間にか無数の刃を突きつけられて、指一本動かせない状況だった。充満する殺意が、下手な言動をとれば、本気で牙を剥くことを疑わせず、アルフレリックの執り成しでどうにかその場は収まったのである。
一瞬で、フェアベルゲン最高権力の長老会議を占拠し、かつ、彼等をして冷や汗を流させた激烈な殺意に、ひとまず信じてみようという事になったのである。というか、そうせざるを得なかったのである。首筋の刃とハウリア達の顔がヤバかったので。
「お祖父様、炊き出しの用意が整いましたわ。これが消費後の備蓄量です」
回想によって冷や汗を流していたアルフレリックに鈴の鳴るような可憐な声が掛けられた。
「む、アルテナか。ご苦労だった。しかし、お前も帰って来てまだ間がないのだ。余り無理をするな」
「わたくしなら平気ですわ。同胞達が帰って来るというのに、ジッとなんてしていられません」
気遣うアルフレリックに、アルテナは毅然とした態度をとる。しかし、報告書をアルフレリックに渡した後、妙にそわそわとし出した。訝しむアルフレリックだったが、孫娘の視線がチラチラとカムに向いていることに気が付き、何となく彼女が何を気にしているのか察する。
「彼のことが気になるなら、カムに聞いてみればどうだ?」
「! い、いえ、わたくしは別に南雲様のことなんて......」
「私は、一言も少年のこととは言っていないが?」
「お祖父様! そんな、揚げ足を取るような意地悪をなさらないで下さいませ!」
見るからに動揺している孫娘にアルフレリックは微笑ましいものを見るような眼差しを向けつつ、よもや本気ではあるまいな? と懸念を抱く。
アルテナは、その人柄、容姿、生まれから非常に縁談も多いのだが、今のところ全て突っぱねており、本人としては嫁ぐことより、祖父の後を継いで国のために仕事がしたいらしい。なので、今までそう浮いた話もなかったのだが......
アルフレリックの中で爺バカの面がむくりと起き上がってくる。
「ふむ、少年は、確かにお前の恩人ではあるが、お前が特別だったわけではないのだぞ? というか、直接助けたのはハウリア族であろう? あまり意識するのはどうかと思うが......お前の相手としても難儀な相手だぞ」
「だからっ、そういうのではありませんわ! もうっ! 南雲様が同胞を連れて来て下さっていると聞いて、少し気になっただけです。ええ、それだけです!」
ぷいっとそっぽを向いて、部屋を出て行こうとするアルテナに、アルフレリックはこっそり溜息を吐いた。
と、その時、意外にもカムが今まさに出て行こうとしていたアルテナに声を掛けた。
「アルテナ嬢」
「え、えっと、はい、カムさん。なんでしょう?」
どこか面白がるような笑みを浮かべるカムに、アルテナが少し警戒したように返事をする。そんな身構えたアルテナに、カムがにこやかに告げる。
「ボスは、一見多くの女性を侍らしているように見えるが、その実、かなり一途な方だ。そして、あの方の〝特別〟は既に埋まっており、かつ、不動。その座に近づくことなら可能だろうが、相当、大きな信頼を育まなくてはならないだろう」
「は、はぁ......えっと」
戸惑うアルテナに、カムはニヤリと不敵に笑う。
「ちなみに、ボスの特別を除けば、その座に一番近いのは......我が娘シアだ。何せ、帝国に牙向く我等への助力を決意した理由が、〝シアの笑顔を曇らせないため〟だからな」
「! そ、そうなのですか?」
「そうだ。ボスはな、シアの為なら平気で国を相手取れるのだよ。そう、シアの為なら、な。フフフ」
「!」
言外に、「お前では娘に勝てんよ!」と言われていることを、アルテナは敏感に察した。
実は、アルテナの年齢はシアと同じだったりする。なので、同い年の女の子と比べられた挙句、勝負にならないと言われては......ムッと来るのも仕方ないだろう。
「シアさんというのは......あの淡い青みがかった白髪の方ですわよね。お言葉ですが、わたくし、あの方に劣っているとは思いません。確かに過ごした時間が違うという意味では差はあるのでしょうが......わたくしとて、同じくらい時間があれば......」
「いやいや、うちのシアは特別な存在だからなぁ、やはり、アルテナ嬢の為にも無駄なことは止めるべきだと、忠告させてもらおう。不毛なことをしていると適齢期を逃してしまうぞ?」
「はぁ~。カム、私の孫を虐めるのはそれくらいにしてくれんか......」
ぷりぷりと怒るアルテナに、ニヤつくカム。二人を見て、アルフレリックが盛大に溜息を吐く。
カムが、アルテナに挑発まがいのことをしているのは、ちょっとしたお節介だったりする。
もちろん、アルテナに対するものではなく、シアに対しての、だ。樹海から出て行った頃のシアとハジメの関係は、言ってみればシアの押し掛けだった。それが、この間の様子を見る限り、相当、親密な関係になっているようだとカムは感じたのだ。あと一押しで、一気に一線を越えるに違いない! と。
その一押し、言い換えれば起爆剤にアルテナが使えはしないかと企んだのである。シアが聞けば、「巨大なお世話ですぅ!」と怒りそうだ。
アルテナが内心で対抗心を燃え上がらせているのを感じほくそ笑むカム。少女の淡い恋心を躊躇いなく利用するその姿は......何とも悪魔的であった。
と、その時、にわかに外が騒がしくなった。今までの忙しさからくる喧騒ではなく、不測の事態に緊迫するような騒がしさだ。怒号まで聞こえ始めている。
「何事だ!」
アルフレリックがガタッと席から立ち上がり、窓に歩み寄った。そして騒ぎの原因を目の当たりにする。
「光の......柱......だと?」
その言葉通り、昼間の陽光が木々の間からこぼれ落ちてくるように、いや、それとは比べ物にならないくらい強い光が天より木々を通り抜けてフェアベルゲンの広場を照らしていたのである。
意味不明の事態に、目を見開くアルフレリックに、落ち着いた声音が届いた。
「案ずるな、アルフレリック。ボスのご到着だ」
そう、フェアベルゲンの広場を真昼のように照らす光の正体は、樹海の上空に到着した飛空艇〝フェルニル〟のサーチライトだったのである。 | The wind was roaring and howling, and the ground underneath was quickly flowing backwards.
The Demi-humans that the Empire had released were wondering whether what they’re currently experience was really reality or not, to confirm it, they’ve pinched their cheeks many times to the point of becoming teary eyed. And, they were unsettled as if declaring, I’m not waking up from my dream~, once again, they looked at the unrealistic scene. Although it’s sometimes referred as, escaping from reality.
They were currently boarded on a “basket” that Hajime had installed onto the bottom of the “Flying Airship”, “Feruniru”, and are currently experiencing their first time traveling by air.
Feruniru was as expected, not on the scale of being able to allow thousands of Demi-humans to board, so a large basket was quickly installed. Image-wise, it looked just like an airship gondola.
Actually, the gate hall was set up for Fair Bergen and the Hauria’s hidden town, although it was possible to get to the Sea of Tree’s instantly after opening a gate, they daringly chose to travel by air for the sake of setting up the stage. That way, there’ll be much more impact of the Demi-human’s being set free by the Empire.
As it was, there was need for someone to assure the words at the open space from last time, “Releasing the Demi-humans were God’s will”. The spectacle of a huge flying object turning towards the skies to return home was required to completely fool the Empire citizens.
but, as the price, Hajime who started up Feruniru was faced with a harsh burden from having so much people loaded on. While gushing out red magical power on the bench seat in the bridge, laying on his back with his legs stretched out languidly was not the embodiment of arrogance.
As expected, to pilot the ship with thousands of people boarded on, their accumulated weight which forced his magic consumption to drain out was definitely not half-assed.
However, while his magical powers were gradually drained away, with the current situation he decided to train his magical ability to efficiently operate magical power through his consciousness with much effort, however the cause of his languidity was likely not just due to the magic consumption though.
To others it would just look like someone was being lazy but, it was actually a person’s effort to train whenever possible. It was really hard to tell the difference......
Yue, Shia, and Kaori were attending and beside Hajime. Though Hajime’s appearance was that of a father becoming lazy while sitting on a bench as his child plays at the park on a holiday, at his right arm was Yue, on his left was Shia using it as a pillow, and Kaori who was fiddling with his hair from the back of the seat.
He was really training seriously but......there would be no rebuttals that the scene looked just like a guy with his Harem.
“Oi oi, that’s quite the attitude while in front of the Emperor, eh?”
“......Nagumo-kun, although I’m only saying it.....I think you should respect yourself a bit more?”
“How enviou......I mean. Right. it’s indecent”
Though he was concentrating on training to operate his magical powers efficiently, unconsciously Yue and Shia were patting his head as the voices multiplied towards Hajime.
In order to swear the oath in front of Fair Bergen’s elders, Gaharudo, the Emperor of the Hoelscher Empire accompanied them, Ririana accompanied them as a member of the royal family of the same human beings to witness the oath as a princess of the Hairhi Kingdom, and the usual Shizuku. Of course, Kouki, Ryutaro, and Suzu was also there.
And another person as well, Teio who was asked by Gaharudo to show him around on the airship was also there but, when she returned and saw Yue and them, “Mistress as well~”, she declared to Hajime and began carrying out the ruOndaibu, sensing what was about to happen Hajime used his legs to strangle her and without a problem she dropped to the ground. Although her eye whites were showing and she was slightly convulsing, there were no problems.
“Ah~, did you finish exploring the warship?”
“Yeah, it’s quite ridiculous. I have absolutely no idea how this mass of metal is able to fly. But, its extremely interesting! Oi, Hajime Nagumo. Prepare an aircraft for us. I’ll pay whatever you ask for”
Gaharudo sat on the bench and faced towards him, his eyes were shining star-like in curiosity at Hajime. Shizuku and them also sat on the seats.
By the way, Shizuku and Ririana were sitting right next to hajime. Though Gaharudo was a bit unpleased, but his eyes were shining like a little boy and he didn’t care much about it. He seems to have greatly liked this airship.
“I have no need for stuff like money. Give it up. This is going to be the only time you’re getting on board. Do your best to enjoy the time you have right now”
“Don’t say that. Na? Just one, even a small plane is fine”
“There’s no merit in it for me though”
“Nugu~u, if money is no good then how about women! One of my daughters was finally becoming just the right age. Though she has quite a lot of pride, her beauty is top-tier. I’ll add her into your harem so, na? It’ll be nice right?”
It appears that Gaharudo thought Hajime was an unparalleled playboy. It was sad that situationally it was something that couldn’t be denied.
However, it would be troublesome to suddenly be handed a woman so Hajime was about to reject while laughing but, the females reacted quicker than him.
” ” ” ” “No(desu)(ja)!!” ” ” ” ”
“......And there you have it”
“Chi, you’re just showing off.....n? Princess Ririana, just now, didn’t you also react?”
Gaharudo sulked and clicked his tongue and turned his line of sight towards Ririana and noticed. Allured by that, the others also turn towards Ririana.
“Eh? N, no way. Are you sure you weren’t mistaken?”
“......Kukuku. Come to think of it, at the party, you were having much more fun dancing with Hajime Nagumo than with Bias. Oi oi, Hajime Nagumo. Aren’t you moving along too quickly? Even I’m amazed at your speed”
“Whawhawhawhat are you talking about! Me and Nagumo-san absolutely don’t have that kind of relationship! R, right? Ne? Nagumo-san!”
“Ah? Ah~, it’s as impossible as the heavens overturning itself”
“......You didn’t have to take it that far......”
Towards Hajime clear objection, the riled up and increasing tension that Ririana had was immediately cut down. She looked away at something sulkingly. From that attitude, Ririana understood that she had no chance......
Or rather, in her heart she was looking back towards the dance from the party. Hajime should have been thinking about it too but, to completely put down the person in question on the spot, glances of sympathy was looked at Ririana, then towards Hajime.
“......Why do I have to be looked at with those kinds of eyes. In the first place, the princess is something like a married woman. Although her fiance was beheaded, that doesn’t mean that her marriage with the royal family was lost. That’s why, eventually she’ll be paired up with another royalty right?”
“Ah~, about that.....”
On behalf of Ririana who had the expression of having chewed hundreds of bitter insects and worms, Gaharudo answered.
“Being completely honest, my clan is currently not in the position for that kind of thing. After all, we have to wear these necklaces throughout our entire lives or else we’ll die, we’ve got to deal with the many ridiculous situations that arose”
Just like Garuda had said, a necklace with a red gem was definitely on his neck.
“From the contents of that oath, even if someone else other than the royalty disobeys the contract, the royal family will “judge accordingly by the law” to the best we can, our lives are connected now, as it is, it doesn’t change the fact that the lives of the public have also been grasped. A radical reform of punishment needs to be created in order to enforce the laws, and all the other towns besides the Empire needs to know of the law as well......everyone here and there are desperate right now”
As Gaharudo leaned back deeply into the backrest of the seat, he scratched his head as if saying, “I’m lost!”.
“Now that I don’t know when we’ll be dying, I can’t afford to have the princess of another kingdom marry in, there’s absolutely no other choice. moreover, we’ve lost manpower because of the emancipation of the Demi-humans. There’s people fussing about everywhere. We also need manpower in correspondence towards suppressing the public, honestly, it’s a situation where the Empire actually wants to ask (. . . . .) for the Kingdom’s support instead”
“I see. In other words you’re taking back the marriage proposed to the princess?”
“Ma~a, that’s about it. We need to calm down the situation and confirm the safety of the royal family first, then once that happens, this time, it would be a better idea for his highness Randell......or rather Majesty now.... to marry with a princess instead”
Towards Gaharudo’s explanation, everyone present gave off a, “Heh~” expression.
By the way, actually, one of the royalty screamed out, “As if there’s any truth to that foolish talk! I’ll be removing this necklace!”, and they really removed their necklace, afterwards, they suddenly turned mad and rampaged around, and as if their threads were cut, they died on the spot, this was the reason why the royalty began to work desperately.
“Isn’t that great then! Riri!”
“It really is. Freedom to love.....might actually still be impossible but, for the time being, you’ve gained time”
“Un un. I’m glad for you, Riri”
With Kouki first, the members glanced at Ririana with a gentle gaze. Ririana showed a bitter smile towards her friends who were glancing at her, pleased without reserve that the “marriage had been cleared up”. Oddly enough, Gaharudo also showed a wry smile.
“With that, Hajime Nagumo. Right now princess Ririana is currently free? If you want, the Empire will cooperate with you with all it’s might”
“Na~!? Your Majesty! What are you saying! I, I’m not......”
Gaharudo was grinning from ear to ear as he said it. Once again Ririana was riled up.
However, Hajime was taking the contents of the talk lightly and turned an amazed expression towards Gaharudo. He had enough of Ririana’s current attitude.
“Then, I’ll have to give you an airship in return? No matter how you look at it there are no merits.....rather, isn’t it a demerit?”
“Just what are you implying!? Nagumo-san!”
“Oi oi, she’s the princess of a country? Normally, it’s a place that men can’t even reach”
“Wait a second, did you two hear what I just said? Are you guys listening to me!”
“Don’t group me with you. I have no hobbies to collect women. Princess is only a title, rather it’ll only cause troubles”
“Hai-hai-hai, you guys definitely didn’t listen. No one here listened to me. .....~Gusu~......what exactly is a princess I wonder.....”
“Riri......it’s alright.....U~u, you’re a princess so don’t worry”
“Ri, Riri! I heard you properly, so! Show some spirit!”
Ririana was completely through with Hajime and Gaharudo’s discussion, Ririana finally began writing characters on her seat in a negligent manner. At the edge of her eye, something was gathering and sparkling. Then Shizuku and Kouki were desperately trying to cheer her up.
Disregarding Ririana and them, Hajime was currently groaning, “Unununu”, and Gaharudo who was trying to negotiate with him let out a sigh.
“I have nothing I want right now, just give it up. Eventually, just maybe, you’ll find something worth negotiating over......so just wait patiently until that time”
“Nu~uuu, you really have nothing that you want? Anything you want done? Just honestly say it out. Humans always have wants. It’s always been decided that someone who says that they don’t want anything are either no longer human or just scheming something behind the scenes. .....Ah~, that’s right, you were a monster”
“You trying to pick a fight? .......Ma~a, I can understand what you mean. But.....”
As Hajime was saying that, he jerked and embraced both Yue and Shia.
“What I really want is already in my arms. “Having them with me at all times” is already enough to fill my entire head, I can’t think of anything “more” than that. Probably for life”
That’s why-, Hajime expressed that negotiations were useless. Yue was so happy she brought her body closer, Shia’s eyes were opened wide to have also been forcefully held like Yue, in the next moment her Usamimi and bunny tail began wagging back and forth and she threw her arms around Hajime.
On Hajime’s chest, Yue’s and Shia’s eyes met, both of them both laughed, “Kufufu”, and smiled at one another.
“Ah~, ah~, I get it, I get it. Chi, it’s way too sweet for my mouth to handle. I guess I’ll go and enjoy the scenery on the deck.....”
Gaharudo got up with an annoyed look and quickly left the bridge. Hajime was smiling wryly. After seeing the face-to-face discussion, Kouki and Ryutaro didn’t know what to do and let their eyes wander around. Suzu let out an odd voice, “Howa~”.
And a voice came out from behind Hajime and his legs.
“Uu~, it’s unfair that it’s only Yue and Shia! Ne, ne~e, Hajime-kun. “In my arms” is a metaphorical expression right? It’s not only limited to Yue and Shia right? Ne?”
“Ma, master. Although I got to experience your wonderful foot technique, will you not hold mistress closely either? “In my arms” would be nice......”
Kaori clung onto Hajime from behind, she was desperately trying to appeal for her existence. Teio sat up and pleaded to Hajime with her chin on his knee.
The person who reacted to the two was Yue.
While getting up a little, she glanced towards Kaori and Teio.
“......How unfortunate”
“Wha, what do you mean!?”
“Mu~u, I can’t ignore that just now, Yue!”
Kaori and Teio had an atmosphere as if they were chewing onto a handkerchief while letting out “Ki~iii!”, as they looked at Yue who was expressionless. Yue inclined her neck as if she was thinking about something, then she slowly pointed at herself and Shia.
Then,
“......Winner”
Following that, she pointed at Kaori and Teio.
“......Loser”
And as expected, it was said with her expressionless face. Then as it was she snuggled her cheek against Hajime’s chest. Then at that moment, a sound of something being cut “~Buchi~” could be heard within the bridge.
“Fu, fufufu....Yue’s pretty weird right? suddenly saying things that don’t make sense....she’s surely broken somewhere?”
“That’s right. That must be true. Then mistresses must fix it”
“Speaking of fixing, there’s a simple way of doing it”
“Umu umu, broken things will.....”
” “Be fixed if hit! (No-ja!)” ”
They suddenly both stood up and overlooked down on Yue while smiling.
Extremely tensed? Fighting spirit?-like began to overflow. From that pressure, Kouki, Ryutaro, and Suzu huddled together to brace themselves. Kouki began to whisper in a mutter, “Is, is that Kaori?”.
Yue who was hit by both of their pressures, once again, smiled slightly which ruined her expressionless face and looked up.
“.....Stop it. If we seriously went at it, both of you have no chances of beating me”
they wanted to tsukkomi her lines. And that was quite the intense provocation.
Sure enough it caused Kaori and Teio to heat up even more. Yue also slowly got up.
“Wa, the three of you wait a second! To suddenly start fighting.....or rather, Nagumo-kun
Shizuku was sweatingly and flustered around trying to do her best to arbitrate the situation. And quickly came to the conclusion that she wouldn’t be able to stop them herself! So she gave up and turned to ask for help from Hajime who was the cause of this dispute.
Hajime just casually said.....
“It’s impossible. I’m sluggish.....”
His magical power was already drastically decreased and he became sluggish. He didn’t seem to have any intentions of moving.
To begin with, a small quarrel was an everyday occurrence, rather it was more like a kind of communication for the girls, so Hajime didn’t pay much heed to it.
“P, people like you are~”
However, Shizuku was still oblivious towards her surroundings then, a cheek began to twitch.
Then, a hanya-voice called out to Shizuku.
“Shizuku-chan! Please take that back!”
“Ar~e? Since when did I get pulled into this!?”
Quite naturally, Shizuku’s participation in the war was decided.
“Sa~a, princess, let’s both step up together! You’re an barrier expert right? I’ll leave defences to you and Suzu over there!”
“Eh? Me as well!? Why!?”
“Suzu was also casually included!?”
Teio with her draconic strength held Suzu and Ririana’s necks like a kitten and dragged them. “Princess.....I’m a princess.......”, Ririana muttered out with empty feelings.
“......Shia, I’m entrusting you as the Vanguard”
“A, alright! I won’t let anyone get near Yue-san!”
Full of spirit. It seemed that Shia served as Yue’s vanguard. She got up from Hajime and started twirling her arm around.
“......Hajime, wait for a bit. I’m going to beat them and come back”
“O~h, do it in moderation~”
“Anytime is fine~”
“......N~”
With that, the female members (except for some) left towards the deck with the atmosphere filled with fighting spirit. Although the deck was a moderate size it couldn’t be said to have actually been enough. Surely It’ll likely be good battle training. It’s necessary for Kaori to get used to Nointo’s body so moving around is a good idea. Since there’s no telling what kind of ordeals they’ll be facing at the great labyrinth, “Harutsuina Sea of Trees”, it’s good to train even if only a bit.
However it was unknown whether Yue and them had that in mind though.
After a while, roars and explosions were beginning to be heard. Kouki and them were startled. They had anxious expressions, wondering if it was really alright to just leave them as is.
“They’re having fun huh~”
However, Hajime’s impression was just that.
“......Or rather what’s with you, Nagumo.....”
The bridge that was only filled with men now, after looking at the bored Hajime, Kouki and Ryutaro were half amazed and half concerned. He wasn’t phased at all with that riot that the women started, it seemed to have been completely natural so they were impressed as men.
After that, Yue and their fight ended after terribly scaring the Demi-humans, and finally the Sea of Trees were beginning to appear up ahead. Although it sounded as if the first to scream out was the emperor.......it must have surely just been their imaginations.
While quietly worrying for the emperor’s safety, they began to prepare and land at the Sea of Trees.
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With the sun hiding its face, the curtain of night fell down.
The interior of the Sea of Trees was illuminated by Fair Bergen as people produced orange lights. Normally, no matter how busy they are with reconstruction, the time for pleasures of family meals and family time would be long past, and the serene silence would be flowing in the air.
However, the current Fair Bergen was as if the night and day cycle were reversed, it was wrapped up in clamor. People were busily running to the right and left. People started gathering in the village outside of Fair Bergen, it appears that people were arranging the soldiers and instructing them.
Towards that clamor, while looking out the window that was left open to let in the evening wind, one of Fair Bergen’s elders, Alfrerick Hapisuto of the forest people had a slightly indescribable expression while holding a document in one hand.
In the contents, was a report about accepting in several thousands of their brethren back, it was that kind of document. The other elders were also helping out to split the work.
“Fu~u....Cam. Is our brethren truly coming back?”
“.....You’re still saying that kind of thing. I’m not going to keep reassuring you every time you ask, just hurry up and finish preparing to accept them”
When Alfrerick began talking, as if the room was alive a person’s presence appeared. Beside Alfrerick was the Haruia, Cam, who had concealed his presence.
Cam and the Hauria tribe came back through the gate ahead of Hajime and them to tell of the Demi-humans being liberated. And used the telepathy stones to increase efficiency of the preparations to accept in their people, that was their roles as volunteers.
“I know that. It’s just that, it’s still just to hard to believe. That Empire is really liberating our brethren......”
“That’ll be proven in a few hours from now. Ma~a, I can understand your feelings. .....For us, if it wasn’t for boss, never in our dreams did we think something of this scale could be done”
“Boss.....the qualified person—Nagumo Hajime, huh. If that story is true then, he is not just my granddaughter’s but all of our brethren’s savior. We’ll have to think of a way to repay him.....”
“Boss probably doesn’t expect any of those kinds of things. Rather than that, quickly move that hand of yours. The reports are stacking up again”
Cam who heard a report from the telepathy stone, glanced towards Alfrerick for an instant. Although something was said to Cam through the telepathy stone, he only looked out into space, his appearance had no openings at all either. On the contrary, intense drive appeared from his lack of presence.
They once had an expression of resignation towards their expectation of their clan being executed......you’d never think they were the same person. Their original gentle atmosphere was also nonexistent now, instead they had a sharpness that seemed that it would cut anyone who just touches them.
In fact, that sharpness had already been shown.
That was because as soon as Cam came to the elders and told them to prepare to accept in the slaves which will be liberated, no one, not even Alfrerick could believe his words but, on that occasion, one of the elders felt that Cam’s behavior was irreverently and unpleasant, so they started throwing out words in contempt at Cam and even tried to get him to kneel down forcefully.
Even if they’ve avenged the Kumaninzoku before and helped out when Fair Bergen was attacked by the demons and empire, the values that the Usagininzoku were seen in where likely not able to change so quickly.
However, towards that action due to fixed values, he returned it with severe murderous intent. The moment that one of the elder’s subordinates tried to touch Cam, just where were they hidden, simultaneously the Hauria tribe appeared and placed their blades on all of the elder’s necks.
Naturally, the man who was about to confront cam also had a blade pointed at him, it turned into a situation where no one moved a muscle. Filled with murderous intent, if you spoke poorly, there’s no doubt that they’ll bear their fangs, Alfrerick was somehow able to resettle peace in that situation.
In an instant, they occupied Fair Bergen’s elder meeting who carried the highest power, and, made them all breakout into cold sweat with their fierce murderous intent, for the time being they decided to trust them and see what happens. Or rather, they couldn’t do anything but that. The Hauria’s blades which were on the scruff of their necks were dangerous.
, preparation for the meals are complete. This is the quantity left after consumption”
A lovely voice just like a bell ranged out and pulled Alfrerick out of his recollection which made him break out in cold sweat.
“Mu, Arutena huh. Thanks for the hard work. But, you keep going back and forth
“I’m just fine. My brethren are coming back, I can’t just sit and do nothing”
Arutena took on a resolute attitude as Alfrerick was worrying. However, after passing on the report to Alfrerick, strangely she began to fidget restlessly. Though Alfrerick was dubious, he noticed that his granddaughter was frequently glancing towards Cam, and somehow guessed what she had in mind.
“If you’re anxious about him, how about hearing about it from Cam?”
“! N, no, I wasn’t particularly thinking about Nagumo-san......”
“However, I never said anything about a man did I?”
“Oji-sama! No way, please don’t find faults in others words like a meanie!”
Alfrerick was visibly pleased while watching his granddaughter who was restless, he may have been serious about it?-she thought.
Due to Arutena’s personality and figure, there have been many marriage proposals since her birth but, up until now she’s rejected them all, the person in question wanted to follow in her grandfather’s footsteps and work for the country rather than thinking about marriage. That’s why he had never had this kind of discussion until now.....
From within Alfrerick, his foolishness and teasing as a grandfather started to rise up.
“Fumu, that man is definitely your benefactor but, he doesn’t think of you as special? Or rather, to be specific he was helping out the Hauria tribe? Although you shouldn’t think too much into it.....it’ll be difficult to get him to become your partner”
“I’ve already said it~, it’s not like that! Mou~! I heard that Nagumo-sama was bringing back our brethren, so I was only a bit interested about it. Yes, that’s the only reason!”
With a puffed out face, Arutena started to leave the room and Alfrerick secretly let out a sigh.
Then, at that time, Cam who was quiet until then, unexpectedly called out to Arutena.
“Miss Arutena”
“Eh, ehtto, yes? Cam-san. What is it?”
Cam had a smile as if he was amused at something which made Arutena reply back wryly. Cam reported smiling as he saw Arutena who was cautious.
“Although it seems as if boss allows many women to serve him, the fact is, he’s fairly single-minded. And, the “special” positions have already been covered, as so, it’s immovable. It’s possible to get closer towards those seats but, you’d likely need a substantial amount of trust for that”
“Wa, ha~a.....Ehtto”
Cam was fearlessly grinning at the puzzled Arutena.
“By the way, according to boss’s actions, the closest person towards that seat is......my daughter Shia. After all, the reason why he helped us bear our fangs at the Empire was because, “For the sake of Shia’s smile to not become clouded” he said”
“! Is, is that so?”
“That’s right. If it was for Shia’s sake, Boss would take on a country’s army. Right, all for Shia’s sake. Fufufu”
” ! ”
Arutena sensitively guess that he was basically implying, “You can’t win against my daughter!”.
Actually, Arutena was the same age of Shia who was 16 years old. Therefore, having been compared with another girl of her age and told that she wouldn’t even be a proper match...... there was no helping that she was angry.
“When you say Shia-san.....you’re talking about the one with the pale bluish hair right. Allow me to say that I don’t think I’m inferior to her. Though there is definitely a difference in the amount of time spent together......even I would, with the same amount of time given to me......”
Iya, iya, our Shia is an extremely special existence, as expected, miss Arutena should stop from doing such useless things for your own sake, allow me to give you some advice. If you miss the marriageable age it’ll become a very bleak thing”
“Ha~a. Cam, would you leave the teasing of my granddaughter at that......”
The huffing mad Arutena and the grinning Cam. Alfrerick let out a grand sigh as he looked at the two.
The reason why Cam was provoking Arutena was because he was a bit meddlesome.
Of course, he was not going against Arutena, he was going against Shia. The relationship of Shia and Hajime when they left the Sea of Trees could be said that Shia was rushing it. That is, as long as you’re looking at appearances only, Cam had felt that their relationship had become quite intimate. After one push, make sure to rush straight beyond the goal!
That one push, in other words it was a detonator for Arutena to start scheming, If Shia had heard it, “That’s extremely uncalled for!” she’d say in anger.
Cam chuckled to himself as he had lit up Arutena’s feelings of rivalry. The appearance of a girl whos decided to love without hesitation and resort to anything was.....incredibly devilish.
Then, at that time, all of the sudden the outside became noisy. It wasn’t the same noise from running around like before, it was the noisiness of tension from an unexpected situation. They even began to hear roars.
“What’s going on!”
Alfrerick suddenly stood up from his seat and walked up to the window. Then he saw the cause of the commotion.
“Pillars....of....light?”
Exactly according to those words, light as strong as the sunlight during daytime was shining down onto the trees, no, the light was incomparably strong, that, rather than just the trees it lit up past them and lit up the plaza of Fair Bergen.
The situation was currently unknown, Alfrerick had his eyes wide opened and a calm voice resounded.
“Don’t worry, Alfrerick. Boss has arrived”
Right, the identity of the light which illuminated Fair Bergens plaza, was the searchlight of the airship “Feruniru” which has arrived in the skies of Fair Bergen. | {
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それから俺たちは陸に戻って昼食を取り間ほど水遊びに興じた後、ストラールの街に帰還した。
さすがにミシェルちゃんも、湧き水でできた湖の水温は堪えたらしく、それ以上の水遊びは不可能だったようだ。
そこからようやくストラールに辿り着いた時には、すでに日は傾き、薄暗くなっていた。
街路はたいまつを掲げて明かりを灯す酒場も目につき、すっかり夜の準備に入っていた。
そんな中を足早に通り過ぎて、俺たちは閉店間際の冒険者ギルドに駆け込んでいく。
ホールは俺たちのように、駆け込みで依頼の報告をする冒険者で溢れかえっていた。
「あら、もう戻ってきたんか?」
俺たちを目ざとく見つけ、気安く声をかけてきたのは、奇妙な訛りを持つ受付嬢。
「うん。コルネ草とモリーア草、ちゃんと採ってきたよ」
「へぇ、試験のパーティが協力することはよくあるけど、一晩で依頼完遂とはねぇ。なかなかやるやん」
「当然。ガドルスのお墨付きだよ?」
俺は萎びた赤い花びらをつけたアロエのような植物を彼女に提示する。
「それにしても一晩かぁ。一回戻ってくると見てたんやけどなぁ......ひょっとして知っとった?」
「と、とうぜん。冒険者には知識も重要だし?」
「その様子やと知らんかったんやね。まあ、偶然を味方に付ける運気も、実力のうちや」
そこまで口にすると、受付嬢はキリッと表情を引き締める。それだけで愛嬌のある表情が戦士の顔になった気がした。
「これから冒険者になるなら、一番大事なんはなんやと思う?」
「え、知識とか実力とか?」
ミシェルちゃんが反射的に答えたが、それは間違いだ。
「ちがうよ。確実に依頼を達成できるか、だよ」
「せやね。依頼者にとって最も重要なのは冒険者の腕やない。依頼を達成できるかどうかなんや。腕前は単なる指標に過ぎへん。そのためには運でもコネでも使って依頼を達成してもらわなあかん」
「なら、運よくコルネ草を見つけ、わたしたちの協力を取り付けたマークたちは――」
「合格やね。ぶっちゃけると、この試験......その気になったで済むんやで?」
「え?」
いくら何でも、五分は早すぎ......いや。
「そっか、ここで買えばよかったのか」
「そやな。試験の内容は手段まで指定されてへん。そしてこのギルドではコルネ草もモリーア草も買取しとる。つまりここには現物があるっちゅうことや」
「それを買い取れば試験終了だったのか」
「でもそれってズルくありません?」
「ズルくて結構。それくらいの機転があるなら、充分駆け出し卒業に値するわ。それに依頼人の話は鵜呑みにしたらアカンいう教訓にもなったやろ?」
受付嬢は手を振って笑顔を浮かべると、俺たちをカウンターの一つに案内した。そこで手早く書類に記入する。
それからこちらをジロリと一瞥して、軽く息を吐いた。
「この後は実力を見るために模擬戦をしてから試験終了やったんやけど......キミらにはその必要はなさそうやな」
「え、なんで?」
「ガドルスさんの推薦や。へたっぴは寄越さへんやろ。そっちの兄ちゃんたちも、それなりの実績はあるしなぁ」
「まぁな。一年は雑用をやらされたよ」
「せやろな。ほな冒険者証を更新するから、こっちによこしてや」
そう告げられ、俺たちはそろって冒険者証を彼女に手渡す。
受け取った彼女は冒険者証を一つ一つ何かの機材に差し込むと、縁取りの色が赤からオレンジになったカードが代わりに出てきた。
「ほい、これが新しい『位』のカードや。無くさんようにしぃや? それと中身も確認しとって」
「あ、はい」
といっても、俺の外見的特徴や出身地、年齢や種族というプライバシーが記入されているだけだ。
「問題ないですね」
「そらよかった。これでキミらは第二階位の冒険者や。危険度の高い依頼なんかも受けることができるようになる。つまりそれだけ君らの身も危険にさらされるようにあるってことやで」
「それだけ慎重に仕事を選ぶようにってことだね」
「同時に、それを切り抜けられる実力も認められたってことや。まあ、あくまで新人レベルなんやけどね」
俺たちに冒険者証を渡した後、細かな注意点をレクチャーした後、あっさりと解放された。
「ほら、はよ帰ってくれな、ウチも帰られへんやん! 今日目の旦那を見つけるために合コンするんや」
「三人目......もうあきらめたら?」
「諦めたらそこで人生終了やねんで!」
どうも転生してから、女のヤバい面を見せつけられてる気がするな。
まあ、帰れと言うのならさっさと帰らせてもらおう。湖から街までは結構な距離があるため、疲労は溜まっている。
宿に戻ると、ガドルスが俺たちのためにごちそうを用意してくれた。
そこだけ聞くと胃に厳しい料理のように思えるが、不思議と消化不良にならないから謎である。
育ち盛りのミシェルちゃんとクラウドは大喜びでそれらを口にし、フィニアは少しつらそうにしていたのが印象的だ。
やはり森の民であるエルフと、山の民であるドワーフでは嗜好が違うのだろう。
装備や道具の整備をしてから服を着替え、洗濯物を籠にぶち込んでからベッドに横になった。
「うぇ、ちょっと食い過ぎたか」
前世なら余裕で食えた量のはずなのだが、この身体では一皿ですら食いきれない。
それをミシェルちゃんの勢いに釣られて二皿も食いきったのだから、この状況も無理はあるまい。
見ると下腹がポッコリと膨らみ、食い過ぎをアピールしていた。
「これ、腹が膨らむってことは腹筋が足りないんだろうなぁ。本当にこの身体は筋肉が付かん」
魔力畜過症は完治しており、俺の肉体は平均的な女児程度には丈夫になっている。
しかし、それ以上にはなかなかなってくれない。今も補助魔法と前世の技術、それと道具によって強さを維持しているに過ぎない。
「......まあ、いっか。俺にはまだまだ未来はあるし?」
俺の身長はまだ伸びている。それに対応して、身体能力も伸びていくだろう。
「うぷ、ちょっと水......」
今はそれより、食い過ぎの方が問題だ。
このままでは、うつぶせになった拍子に口元からキラキラした何かを噴出しかねない。
俺たちが宿を開けている間に、ガドルスが掃除してしまったのだろう。
「しかたない、カウンターで何かもらうか」
寒さを防ぐために軽くカーディガンを羽織り、部屋を出る。
時刻はすでに深夜を回っているため、二階も、そして一階からも人の声は聞こえない。
だが、ガドルスは後片付けのため、まだ一階に残っているはずだ。そこで何か、飲み物をもらうとしよう。
階段を下りてホールに入ると、案の定カウンターでガドルスが手紙を読んでいた。
「ぬ......ニコル、か」
「うん、何か飲み物が無いかと思って」
「ああ、部屋の水差しは片付けておいたからな。すまんな、手落ちだ」
「いつ帰るかわからなかったんだから、いいよ」
ガドルスは俺の言葉に頷きつつも木のカップにミルクを注いでくれた。
真っ白なミルクがやや黄色がかった色合いに変わり、ハチミツ独特の香りが鼻を突く。
「なにを読んでたの?」
「ん、マクスウェルからの手紙だ」
俺たちは別に仲違いしたわけではないので、手紙でのやり取りくらいはもちろんある。
「どんな内容が書いてあったの?」
「お主のことについてじゃよ。レイド」
「......ハ?」
ガドルスの口から唐突に飛び出した、俺の名前。
その言葉に驚愕し、とっさの言い訳すらできず、俺はガドルスを見返すだけだったのである。 | After that, we returned to the shore and played around for about an hour, after which we returned to Stollar.
As expected the temperature of the lake that was created by a spring was too much even for Michelle, so playing any longer was impossible.
When we finally reached Stollar, the sun was already setting and the surroundings were growing dim. It would have probably turned completely dark within another hour.
We saw taverns on the streets lighting up torches and getting ready for the night.
While walking briskly through such a street, we went inside the Adventurer’s Guild that was about to close for the day.
The hall was full of Adventurers like us who rushed to make it in time and report their commission progress.
“Oh, yer back already?”
The receptionist lady with a peculiar accent quickly spotted and addressed us in a friendly manner. The same person who gave us this test.
“Yeah. Corne and Moria grass, we have them both.”
“Oho? Parties that are being tested often cooperate, but still, finishing it in one night was unexpected. Color me impressed.”
“Of course. We have Gadius’ seal of approval, after all.”
I presented an aloe-like plant with withered red flowers. Mark’s group also took out the Moria grass.
“But one night, eh? And ‘ere I expected ye would return one time... Could it be that ye knew beforehand?”
“O-Of course. Knowledge is power for Adventurers, after all.”
“Judging by yer conduct, ye didn’t, eh. But well, having luck as an ally is also part of strength.”
As she said that, her expression turned firm. What used to be a charming expression switched to that of a warrior.
“What de ye think is the most important thing if ye plan to be Adventurers?.”
“Huh, like knowledge or power?”
Michelle reflexively asked back, but that wasn’t it.
“No. It’s the ability to fulfill requests with certainty.”
“Correct. Fer the client, an Adventurer’s skill is not what’s most important. It’s whether they can fulfill the commission or not. Their skill is but a mere indicator. They have to fulfill the request using whatever they have at their disposal, be it luck or even connections.”
“Then, our luck to find Corne grass and Mark’s group getting us to cooperate...”
“Are both valid. Frankly speaking, if ye tried to, ye could finish this test in five minutes, ye know?”
Her words made my eyes go wide. Five minutes? That has to be a... No, wait.
“I see. So we could’ve just bought it here?”
“Exactly. The test said nothing about how to get it. Both Corne and Moria grass is traded at the Guild. In other words, we have stocks of it.”
“So the test would’ve ended if we just bought, huh?”
“But wouldn’t that be pretty unfair?”
“Then let it be unfair. If you are so quick-witted to do that, there are no problems in ranking ye up. This should also have served as a good lesson to not accept what yer client tells you at face value, right?”
The receptionist waved her hand with a smile, inviting us to one of the counters. Then she started to promptly fill in the documents.
After that, she took a glance at me and gave a light sigh.
“The test would be considered finished once ye did a sham battle to test your skill... But I don’t think there’s a need fer that in yer case.”
“Huh, why?”
“Ye were recommended by Sir Gadius. He would not have sent unskilled people. You boys over there have enough achievements too.”
“I suppose that would be the case after doing odd jobs for a year.”
“Indeed. Well then, I shall update yer Adventurer certificates, so hand them over.”
We did as requested and handed over our certificates to her.
As she took them, she inserted them into some machine one by one and it gave back cards that had the bordering changed from red to orange.
cards. Don’t lose it now, okay? And confirm the information just in case.”
“Ah, okay.”
As she instructed, I moved my eyes to the ID field of the certificate. Though I called it that, it only had the details like my features, birthplace, age, and race. The only change was that my rank had risen by one.
“No problems.”
“Good ta hear. With this, ye have become rank two Adventurers. Ye can now take on dangerous requests too. In other words, ye would be putting yerselves in more risk.”
“So we have to choose our jobs more carefully, right?”
“But at the same time, yer skill has been deemed to be enough to overcome such commissions. Having said that, they are still newbie level.”
She gave us a small lecture after handing over the certificates and easily set us free. Or more accurately, she practically drove us away because we were in the way.
“Now, go home. I have to too! I have to attend a mixer today to find a third husband.”
“Third... Why not just give up?”
“If I give up that would be the end of me as a human!”
I feel like I have been seeing the scary side of women since I reincarnated. This receptionist was a charming person, but how to say... She strangely gave off an unwelcome aura.
At any rate, if she wanted us gone, we would do just that. We walked quite a distance from the lake to the city, so I was quite tired.
When we returned to the inn, Gadius prepared a feast for us. It was a dwarven cuisine that fried ingredients over strong fire with just oil.
It sounded like something that’d be hard on the stomach, but strangely enough, it didn’t cause indigestion.
Michelle and Cloud who were in their growth period devoured it in great joy, while Finia had it a little tough.
As expected, forest dweller elves had different tastes compared to mountain dweller dwarves.
I also ended up stuffing myself unusually full and headed to my room once the night came. Once I did some maintenance on my equipment and tools, I changed my clothes, put the laundry in the basket, and laid down on my bed.
“Ugh, I think I ate too much.”
It was an amount I should’ve easily handled in my previous life, but this body couldn’t even finish one plate.
But I got carried away by Michelle’s energy and ended up eating two whole plates this time, so it was natural I was feeling this way.
Looking down, my belly looked quite swollen, making it clear that I had overeaten.
“But since my stomach is swelling it should mean my abdominal muscles aren’t firm enough. This body really can’t put on any muscle.”
Magic Buildup Disease had been fully healed and my body had returned to being as healthy as an average young girl.
However, it wasn’t growing any better, either. I was merely holding on to my strength using assisting spells, previous life techniques, and tools. It was a far cry from the strength of the body itself like in Lyell’s case.
“...Oh well. I’m still young, I guess?”
My body was still growing. And so were my physical abilities along with it. For now, I just had to bet on that possibility.
“Ugh, I need water...”
Rather than that, my current problem was that I had overeaten.
At this rate, I could imagine something sparkling bursting from my mouth the moment I lied face down. I reached out to the water jug at the side table, but it turned out to be empty.
Gadius probably got rid of it while we were out of the inn.
“Can’t be helped. I’ll go get something at the counter.”
I put on a cardigan to fend off the cold and left the room.
It was midnight already, so I couldn’t hear any voices from either of the two floors.
But Gadius should still have been on the first floor to clean things up. I’ll ask him to give me something to drink there.
As I headed down to the hall, as expected, Gadius was at the counter reading a letter. He had a bigger frown than normal on his face.
“Mgh... Is it you, Nicole?”
“Yeah, I wanted something to drink.”
“Ah, right, I got rid of the water in the jugs. My bad, it was an oversight.”
“It’s fine, you wouldn’t know when we’d return.”
Gadius nodded at my words and poured me milk in a wooden cup. He then put a spoon of honey in it and stirred it lightly.
The white milk took on a yellowish tinge and a characteristic smell of honey tickled my nose.
“What are you reading?”
“Ah, it’s a letter from Maxwell.”
“Oh?”
It wasn’t like we had a disagreement, so we exchanged letters normally. But still, his expression was too serious for that.
“What does it say?”
“It’s about you. Reid.”
“...What?”
Suddenly, he uttered my name.
I was frozen in shock, failing to make up an excuse, and merely stared back at him. | {
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もしボイコットを支持するなら、
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なぜAmazonをボイコットするのか
AmazonはE-commerceの誰にも明らかで重要なアイデアについて 米国特許(US pat.5,960,411) を取得しました。
このアイデアは一般に1-クリック購入と言われるもので、
ある商品を購入するという指示とともに、ユーザを特定する情報を一緒にウェブブラウザが渡せるようにしたものです。
(これはサーバに"cookie" --同じサーバから以前に受信した一種のID番号-- を送信する方法を利用します。)
Amazonは、アイデアを本気で独占しようとして、この単純なアイデアの使用を差し止める訴訟を起こしました。
これはWorld Wide WebやE-commerce全体への攻撃です。
特許の取られたアイデアは、ただ企業がユーザに後で自分を特定し、証明できるものを与えるというだけです。
これは少しも新しいものではありません、
結局、クレジットカードは同じ働きをします。
しかし米国特許庁は 毎日、誰にでも明らかで良く知られたアイデアに特許を与えています。
その結果、まれに大惨事が起こります。
現在、Amazonは一社の大企業を訴えています。
もしこれが二企業間の争いにすぎなければ、公的に重要な問題とは 言えないでしょう。
しかし特許はAmazonに米国(や同じような特許を許可する全ての国)で、ウェブサイトを 運用する誰もを支配する力 --この手法のいかなる使用をもコントロールする力-- を与えました。
今日は一つの企業が訴えられただけですが、この問題はインターネット全体に影響を及ぼすでしょう。
責任を負うのはAmazonだけではありません。
米国特許庁は非常に低い基準をもうけたことに 責任があり、米国の法廷はそれを是認したことに責任があります。
そして米国特許法は情報操作の 技術や通信の方法についての特許を承認している --これは一般的に有害な方針です-- ことに責任があります。
(ソフトウェアの特許に関するより詳しい情報はhttp://lpf.ai.mit.edu/ を参照してください。)
愚かしい政府の方針がAmazonに好機を与えました--しかしそれは言い訳にはなりません。
Amazonは特許を取得するという選択をしました、そして、それを法廷での攻撃に利用しました。
Amazonの行為の倫理的責任は、最終的にはAmazonの重役達が負うものです。
我々は、法廷がこの特許を法的に無効だと認めることを期待することもできます。
法廷がそう認めるか どうかは、細かな事実と、解しがたい法廷技術によるでしょう。
この特許では、関連がないでもない 微細な事柄を山ほど用いて、この"発明"を何か巧妙な物のように仕立てあげているでしょう。
けれど法廷がE-commerceの自由を守る判決を下すのを、我々がただ待っている必要はありません。
いますぐ我々に出来ることがあります、Amazonと取引するのを拒否することです。
Amazonから何も買わないでください。
この特許を使って、他のサイトを脅したり束縛したりするのを止めると約束するまでは。
もしあなたがAmazonで売られている本の著者ならば、貴著のAmazonサイトでの"著者コメント" にこの文章を書くことで、このキャンペーンを大きく助けることができるでしょう。
(悲しいかな、どうも彼らはこうしたコメントの投稿を拒否しているようです。)
あなたにご意見があったり、ボイコットを支持してくれるならば、ぜひ<amazon@gnu.org> までメールを送って我々に教えてください。
特許に関してAmazonに意見を送った人への、彼らの以下の返答は、巧妙に人を誤解させる内容を含んでおり、検討してみる価値があります。
特許の仕組みは発明を奨励するもので、我々は数千時間を1-ClickRショッピング機能の開発に費やしました。
もし彼らが本当に数千時間を費やしたとしても、決してこの技術自体を考えるのに費やしたわけではないでしょう。
では彼らの言うことが本当なら、彼らはいったい、なにに時間を費やしたのでしょう?
もしかしたら、彼らは特許申請書を書くのに幾らかの時間をかけたかもしれません。
その作業は確実に、この技術を考えつくよりも時間が掛かるでしょう。
さもなければ、1-クリックショッピングを扱えるようにウェブサイトやスクリプトを設計し、記述し、 テストし、確実に動作するように時間を費やしたかもしれません。
それは実際に行われた作業でしょう。
彼らの言葉を注意深く見てください、"数千時間の開発期間"には、これらの作業も含まれ得ます。
しかし今回問題となったのは、彼らの(非公開の)スクリプトの詳細や(著作権で保護された)ウェブページの内容ではありません。
ここでの問題は、一般的なアイデアについて、Amazonがこのアイデアに独占権を持つべきであったかということです。
貴方や私は、必要な時間を費やして、1-クリックショッピングを提供する独自のスクリプトを 書いたり、独自のウェブページを自由に書けるでしょうか?
本以外の物を売るとしたら、 自由にできるのでしょうか?
それが疑問です。
Amazonは、心得違いの米国政府の熱心な助力を受けて、 我々の自由を否定しようとしています。
Amazonが上述のような人を迷わせる声明を発するとすれば、それには重大な意味があります。
人々が彼らの行動をどう思うかを気にしているということです。
とうぜん気にせねばなりません
--彼らは 小売商ですから。
人々に嫌悪されれば、利益に響きます。
人々は、ソフトウェア特許の問題は、Amazon一社の問題よりずっと大きいと指摘します。
他の企業も全く同じ行動をとったかもしれないし、Amazonをボイコットしても特許法を直ちに 変えることは出来ないだろうと言います。
勿論、これらは全て真実です。
しかし、これはボイコットに 反対する論拠とはなりません!!
もし我々がボイコットを強力かつ長く行えば、Amazonはやがて譲歩をするでしょう。
彼らがせずとも、べつの無法なソフトウェア特許を持つ企業は、誰かを訴えるときには代償を 払わねばならないだろうと考えるでしょう。
そして考えを改めるかもしれません。
また、ボイコットは特許法の改正の助けになります
--問題に注意が向けられ、それを変える要求が広がることで。
そしてボイコットには簡単に参加することができます。
何も引きとめる ものはありません。
もしあなたが賛同するなら、なぜAmazonをボイコットしないのですか?
この話が広がるのに役立つように、あなたの個人的なウェブページに、Amazonのボイコットに関して 書いてください。
できるなら、あなたの所属する団体のページにも載せてください。
また、このページへのリンクを張ってください、新しい情報はここに掲載されます。 | If you support the boycott,
Please make links to this page
Why we boycott Amazon
Amazon has obtained a US patent (5,960,411) on an important and obvious idea for E-commerce:
an idea sometimes known as one-click purchasing.
The idea is that your command in a web browser to buy a certain item can carry along information about your identity.
(It works by sending the server a "cookie", a kind of ID code that your browser received previously from the same server.)
Amazon has sued to block the use of this simple idea, showing that they truly intend to monopolize it.
This is an attack against the World Wide Web and against E-commerce in general.
The idea patented here is just that a company can give you something which you can subsequently show them to identify yourself for credit.
This is nothing new:
a physical credit card does the same job, after all.
But the US Patent Office issues patents on obvious and well-known ideas every day.
Sometimes the result is a disaster.
Today Amazon is suing one large company.
If this were just a dispute between two companies, it would not be an important public issue.
But the patent gives Amazon the power over anyone who runs a web site in the US (and any other countries that give them similar patents)--power to control all use of this technique.
Although only one company is being sued today, the issue affects the whole Internet.
Amazon is not alone at fault in what is happening.
The US Patent Office is to blame for having very low standards, and US courts are to blame for endorsing them.
And US patent law is to blame for authorizing patents on information-manipulating techniques and patterns of communication--a policy that is harmful in general.
(See http://lpf.ai.mit.edu/ for more information about the broader issue of software patents.)
Foolish government policies gave Amazon the opportunity--but an opportunity is not an excuse.
Amazon made the choice to obtain this patent, and the choice to use it in court for aggression.
The ultimate moral responsibility for Amazon's actions lies with Amazon's executives.
We can hope that the court will find this patent is legally invalid,
Whether they do so will depend on detailed facts and obscure technicalities.
The patent uses piles of semirelevant detail to make this "invention" look like something subtle.
But we do not have to wait passively for the court to decide the freedom of E-commerce.
There is something we can do right now: we can refuse to do business with Amazon.
Please do not buy anything from Amazon
until they promise to stop using this patent to threaten or restrict other web sites.
If you are the author of a book sold by Amazon, you can provide powerful help to this campaign by putting this text into the "author comment" about your book, on Amazon's web site.
(Alas, it appears they are refusing to post these comments for authors.)
If you have suggestions, or if you simply support the boycott, please send mail to <amazon@gnu.org> to let us know.
Amazon's response to people who write about the patent contains a subtle misdirection which is worth analyzing:
The patent system is designed to encourage innovation, and we spent thousands of hours developing our 1-ClickR shopping feature.
If they did spend thousands of hours, they surely did not spend it thinking of the general technique that the patent covers.
So if they are telling the truth, what did they spend those hours doing?
Perhaps they spent some of the time writing the patent application.
That task was surely harder than thinking of the technique.
Or perhaps they are talking about the time it took designing, writing, testing, and perfecting the scripts and the web pages to handle one-click shopping.
That was surely a substantial job.
Looking carefully at their words, it seems the "thousands of hours developing" could include either of these two jobs.
But the issue here is not about the details in their particular scripts (which they do not release to us) and web pages (which are copyrighted anyway).
The issue here is the general idea, and whether Amazon should have a monopoly on that idea.
Are you, or I, free to spend the necessary hours writing our own scripts, our own web pages, to provide one-click shopping?
Even if we are selling something other than books, are we free to do this?
That is the question.
Amazon seeks to deny us that freedom, with the eager help of a misguided US government.
When Amazon sends out cleverly misleading statements like the one quoted above, it demonstrates something important:
they do care what the public thinks of their actions.
They must care
--they are a retailer.
Public disgust can affect their profits.
People have pointed out that the problem of software patents is much bigger than Amazon,
that other companies might have acted just the same, and that boycotting Amazon won't directly change patent law.
Of course, these are all true.
But that is no argument against this boycott!
If we mount the boycott strongly and lastingly, Amazon may eventually make a concession to end it.
And even if they do not, the next company which has an outrageous software patent and considers suing someone will realize there can be a price to pay.
They may have second thoughts.
The boycott can also indirectly help change patent law
--by calling attention to the issue and spreading demand for change.
And it is so easy to participate
that there is no need to be deterred on that account.
If you agree about the issue, why not boycott Amazon?
To help spread the word, please put a note about the boycott on your own personal web page,
and on institutional pages as well if you can.
Make a link to this page; updated information will be placed here. | {
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H1N1 の流行する時代においても 私の好きな言葉です
笑いは伝染します 情熱も伝染します
ひらめきも伝染します
素晴らしいスピーカーから素晴らしい話を伺ってきて
私が気づいた重要なことは スピーカーの皆さんが “I Can” の虫に 感染しているということ
すると なぜこの人達だけが? という疑問が生じます
10億人以上が住む国の中で 何人が持っているでしょうか
幸運や機会に恵まれただけでしょうか?
我々みんなに 組織的に意図的に 感染させることはできないのでしょうか?
これから8分間 私の経験を紹介します
私は17歳で感染しました その当時はデザイン科の大学生だった私の アイデアを 信頼してくれる大人が チャイを何杯も飲みながら 議論してくれたのがきっかけでした
それは 素晴らしい感覚で その感覚が 伝染することに驚きました
そして7歳の時に感染していても良かったのだとも気付きました
10年前にリバーサイド校を始めたときに それは実験室でした “I Can” の精神を感染させるための方法を 試行錯誤していく実験でした
わかったことは 実社会の文脈で学び 学校と社会を区別しないことで 子どもたちに次のような学びが得られます 「気づき」 違いを知る 「できる」 自分が変わる 「自信」 変革をみちびく
このことは生徒に充実感をもたらし
生徒たちはさらに成長して 無力感から解放されます
当たり前といえばそのとおり
ではリバーサイドのいつものやり方を いくつかお目にかけましょう
背景の説明を少々 5年生達が子どもの権利を学んだとき まずお香を作る労働をしました 8時間もの間 児童労働を身をもって体験して 子どもたちは変わりました
子どもたちが変化して 社会に出て変化をもたらせる という しっかりした信念を持つに至るところをご覧ください
お香を巻く作業です
2時間で背中が痛くなります そして子どもたちは変わりました
そうしたら 街に出て 子どもの労働を 無くさなければならないと皆に訴えました
ラガフくんを見てください 大人の考え方を 変えられたことが分かった途端に 表情が変わります
教室では体験できないことです
ラガフはこの経験を通して 先生に教わったことから 自分でしていることに到達し “I Can” に目覚めます
そうなるように推奨して育成することができます
しかし こんなことを言う親もいます 立派な人になるのは結構なことだが 算数や理科や英語はどうなるのだ
成績票を拝見したいものだ
お見せしましょう 決定的なデータです
子どもたちが自信を持つと 良い行動をするだけではなく 実際 学業でも良い成績を上げます 全国の2千校で行われた 学力テストによれば リバーサイド校の児童の算数や英語 理科の成績は インドの上位10校を上回りました
上出来ですね このやり方をリバーサイド校の外に展開する機は熟しました
2007 年の独立記念日 8月15日に リバーサイド校の子どもたちはアフマダーバードの街中に伝えるために出かけました
もはやリバーサイドだけはなく
全ての子どもの問題なので 思い切ったことをしました
市役所や警察署 新聞社や事務所などを 訪問しました こんな訴えをしました 「いつになったら 子どもの秘めた可能性に目覚めて気づいてもらえるでしょう?
子どもが市民の一員になるのはいつでしょう?
どうか 子どものことに気持と意識を向けて下さい」
市からの返答はどうだったでしょう
2007年以来 ふた月に一度 市が 目抜き通りを閉鎖して 幼児と児童の遊び場にしています
市から 子どもたちに “You can” と伝えています
アフマダーバードに広めた様子です
ビデオ:(ヒンディー語) 目抜き通りを通行止めにしました
交通警官と市役所が支援してくれました
子どもたちでいっぱいです
スケートをしたり 青空演劇をしたり
遊んだり どの子も無料で参加できます
「アプローチ」は以前から子どものために活動してきた団体です
活動を市内各地域へ展開する計画です
市当局は自由に出来る時間を与えます
こうしてアフマダーバードには世界初の子ども向けの横断歩道が完成しました
市から子どもたちに与えれば将来 子どもたちは市に報いてくれるでしょう
こうしてアフマダーバードは 子どもの暮らしやすいインドの都市の第一号となりました
パターンはお分かりですね 最初はリバーサイドの200人
それからアフマダーバードの3万人へと拡大して
いよいよインドに広める時が来ました
今度も 8月15日です 2009年の ― 今回も独立記念日に 同じプロセスで 10万人の子どもを後押しして “I Can” と言わせました
手順は? 簡単なキットをデザインして それを8言語に翻訳し 3万2千の学校に届けました
子どもたちに与える課題は簡単なものです どんなことでもいいので
気になるアイデアを一つ選んで 一週間かけて取り組んで 10億人の人生を変えましょう
彼らはやってくれました 変化の報告がインド中から殺到しました 東はナガランドから 西はジュンジュヌまで 北はシッキムから南のクリシュナギリまで
様々な問題に対する解決策が考えられました
孤独の問題や道路に開いた穴の補修 アルコール中毒に至るまで... ラジャスタンでは32人の児童が 16件の児童結婚を中止させました 実に信じられないことでした
繰り返しますが 大人が子どもたちを信頼して “You can” と言えば 子どもたちは成し遂げます
インド中が感染して広まります
ラジャスタンの田舎です
両親にも文字を読めるようになって欲しいのです
地元の学校で開かれた集会と青空演劇を通して 識字の大切さを親たちに訴えるという初の試みです
親たちの声です
このプログラムはすばらしい
子どもたちに読み書きを教えてもらえるなんて最高だ
子どもたちがこのキャンペーンをやってよかったです
これからずっと 子どもたちの力を信じ続けます
子どもたちはやり遂げたのです
ハイデラバード市街の学校です
ここは581番地
555番地からスタートするのよ
ハイデラバードの男女生徒は 校外に出て この困難に挑み 実行しました
子どもたちは まだ若いのに立派なものです
地域も市内もきれいになります インド中に広がるといいと思います
はっとさせられました 子どもたちがこれほど モノを考えているとは思っていませんでした
皆さんありがとうございます
ご用意した品物は素晴らしい絵です 売り上げ金は 補聴器の購入に
役立てられます みなさん用意はいいですか いいぞ
いいですか いいぞ
いいですか いいぞ
共感の宣言は ここから始まりました
青空演劇 オークション 嘆願書
こうして人生に変化をもたらしています
信じられないことです
意気に感じずにいられますか?
この情熱とエネルギーと興奮を感じずにいられますか?
ありきたりですが 最後に 変化のシンボルである力強い偉人 ガンジーに触れます
70年前のこと “We can” の力は一人の男から 国中に伝染しました 今日 この10万人の子どもたちから 2億人のインドの子どもに伝染させるのは
誰の役目でしょうか インド憲法前文には今も “我らインドの人民は”と記されています
そう 我々以外には誰もいません
今以外にその時はありません
伝染という良い言葉があると申し上げたとおりです
ありがとうございました | Even in the times of H1N1, I like the word.
Laughter is contagious. Passion is contagious.
Inspiration is contagious.
We've heard some remarkable stories from some remarkable speakers.
But for me, what was contagious about all of them was that they were infected by something I call the "I Can" bug.
So, the question is, why only them?
In a country of a billion people and some, why so few?
Is it luck? Is it chance?
Can we all not systematically and consciously get infected?
So, in the next eight minutes I would like to share with you my story.
I got infected when I was 17, when, as a student of the design college, I encountered adults who actually believed in my ideas, challenged me and had lots of cups of chai with me.
And I was struck by just how wonderful it felt, and how contagious that feeling was.
I also realized I should have got infected when I was seven.
So, when I started Riverside school 10 years ago it became a lab, a lab to prototype and refine a design process that could consciously infect the mind with the "I Can" bug.
And I uncovered that if learning is embedded in real-world context, that if you blur the boundaries between school and life, then children go through a journey of "aware," where they can see the change, "enable," be changed, and then "empower," lead the change.
And that directly increased student wellbeing.
Children became more competent, and less helpless.
But this was all common sense.
So, I'd like to show you a little glimpse of what common practice looks like at Riverside.
A little background: when my grade five was learning about child rights, they were made to roll incense sticks, agarbattis, for eight hours to experience what it means to be a child laborer.
It transformed them. What you will see is their journey, and then their utter conviction that they could go out and change the world.
That's them rolling.
And in two hours, after their backs were broke, they were changed.
And once that happened, they were out in the city convincing everybody that child labor just had to be abolished.
And look at Ragav, that moment when his face changes because he's been able to understand that he has shifted that man's mindset.
And that can't happen in a classroom.
So, when Ragav experienced that he went from "teacher told me," to "I am doing it." And that's the "I Can" mindshift.
And it is a process that can be energized and nurtured.
But we had parents who said, "Okay, making our children good human beings is all very well, but what about math and science and English?
Show us the grades."
And we did. The data was conclusive.
When children are empowered, not only do they do good, they do well, in fact very well, as you can see in this national benchmarking assessment taken by over 2,000 schools in India, Riverside children were outperforming the top 10 schools in India in math, English and science.
So, it worked. It was now time to take it outside Riverside.
So, on August 15th, Independence Day, 2007, the children of Riverside set out to infect Ahmedabad.
Now it was not about Riverside school.
It was about all children. So, we were shameless.
We walked into the offices of the municipal corporation, the police, the press, businesses, and basically said, "When are you going to wake up and recognize the potential that resides in every child?
When will you include the child in the city?
Basically, open your hearts and your minds to the child."
So, how did the city respond?
Since 2007 every other month the city closes down the busiest streets for traffic and converts it into a playground for children and childhood.
Here was a city telling its child, "You can."
A glimpse of infection in Ahmedabad.
Video: [Unclear] So, the busiest streets closed down.
We have the traffic police and municipal corporation helping us.
It gets taken over by children.
They are skating. They are doing street plays.
They are playing, all free, for all children.
Atul Karwal: aProCh is an organization which has been doing things for kids earlier.
And we plan to extend this to other parts of the city.
Kiran Bir Sethi: And the city will give free time.
And Ahmedabad got the first child-friendly zebra crossing in the world.
Geet Sethi: When a city gives to the children, in the future the children will give back to the city.
KBS: And because of that, Ahmedabad is known as India's first child-friendly city.
So, you're getting the pattern. First 200 children at Riverside.
Then 30,000 children in Ahmedabad, and growing.
It was time now to infect India.
So, on August 15th, again, Independence Day, 2009, empowered with the same process, we empowered 100,000 children to say, "I can."
How? We designed a simple toolkit, converted it into eight languages, and reached 32,000 schools.
We basically gave children a very simple challenge.
We said, take one idea, choose one week, and change a billion lives.
And they did. Stories of change poured in from all over India, from Nagaland in the east, to Jhunjhunu in the west, from Sikkim in the north, to Krishnagiri in the south.
Children were designing solutions for a diverse range of problems.
Right from loneliness to filling potholes in the street to alcoholism, and 32 children who stopped 16 child marriages I mean, it was incredible.
Basically again reaffirming that when adults believe in children and say, "You can," then they will.
Infection in India.
This is in Rajasthan, a rural village.
Child: Our parents are illiterate and we want to teach them how to read and write.
KBS: First time, a rally and a street play in a rural school -- unheard of -- to tell their parents why literacy is important.
Look at what their parents says.
Man: This program is wonderful.
We feel so nice that our children can teach us how to read and write.
Woman: I am so happy that my students did this campaign.
In the future, I will never doubt my students' abilities.
See? They have done it.
KBS: An inner city school in Hyderabad.
Girl: 581. This house is 581 ...
We have to start collecting from 555.
KBS: Girls and boys in Hyderabad, going out, pretty difficult, but they did it.
Woman: Even though they are so young, they have done such good work.
First they have cleaned the society, then it will be Hyderabad, and soon India.
Woman: It was a revelation for me. It doesn't strike me that they had so much inside them.
Girl: Thank you, ladies and gentlemen.
For our auction we have some wonderful paintings for you, the money you give us will be used to buy hearing aids.
Are you ready, ladies and gentlemen? Audience: Yes!
Girl: Are you ready? Audience: Yes!
Girl: Are you ready? Audience: Yes!
KBS: So, the charter of compassion starts right here.
Street plays, auctions, petitions.
I mean, they were changing lives.
It was incredible.
So, how can we still stay immune?
How can we stay immune to that passion, that energy, that excitement?
I know it's obvious, but I have to end with the most powerful symbol of change, Gandhiji.
70 years ago, it took one man to infect an entire nation So, today who is it going to take to spread the infection from 100,000 children to the 200 million children in India?
Last I heard, the preamble still said, "We, the people of India," right?
So, if not us, then who?
If not now, then when?
Like I said, contagious is a good word.
Thank you. | {
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自由主義体制の普及計画には、より洗練されたアプローチが必要である。中でも、国際機関や団体等が、非自由主義的民主主義の危険性を常に警戒することが求められている。 | The program of spreading the liberal order requires a much more sophisticated approach. Above all, it requires international agencies and groupings that remain alert to the risks of illiberal democracies. | {
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百年前 私たちは肺炎などの感染症で 命を落とすことが多く 病気にかかってからは あっという間でした
自宅のベッドで 家族に看取られながら死ぬのが 一般的でした 医療が広く行き渡って いなかったからです
20世紀に入って 多くのことが変わりました
ペニシリンといった 新薬が開発され 感染症の治療も できるようになりました
レントゲン撮影機などの 医療技術も開発されました
そうした機械は 非常に大きく高価だったため それらを集中管理するための 大きな建物も必要になり 現代の病院の姿ができました
第二次世界大戦後 多くの国で 国民皆保険制度が導入され 誰もが必要なときに 医療を受けられるようになりました
その結果 20世紀初頭には 45歳だった寿命も 現在では ほぼ2倍にまで 延びました
20世紀は 科学の力に 多大な期待が寄せられた時代ですが 「生」の面ばかりが取り上げられ 「死」は忘れ去られていました 死の迎え方が 劇的に変わったにもかかわらずです
さて 私は建築家で この1年半の間 こうした変化が 死にまつわる建築に どんな意味をもたらすか考えてきました
今 私たちの死因で多いのは がんや心臓疾患です つまり多くの人は 長い間 慢性の疾患をかかえて 人生の終わりを迎えます
その間 多くの時間を 病院やホスピス 介護施設で過ごします
皆さん 現代の病院は ご存知でしょう
蛍光灯や 延々と続く廊下 そして 座り心地の悪い椅子
病院建築の評判は 悪いですね
でも 驚かれるでしょうが 昔から そうだったわけではありません
こちらはインノチェンティ養育病院 1419年にブルネレスキが設計しました ブルネレスキは 当時 最も有名で影響力のあった建築家です
今日の病院と比べると この建物が いかに意欲的なものか 感心させられます
ただただ素晴らしい建物です
中央に このような中庭があり どの部屋でも 日差しと新鮮な空気が取り込め 部屋自体も大きく 天井も高いので 居心地が良いように 作られています
さらに美しくもあります
病院でも こんな風にできるのを 私たちは忘れてしまったようです
死を迎える建物を良くしたいなら 死について話さないといけません 死というと とかく敬遠されがちで 死について話すことも 社会が死にどう向き合うか 問題にすることもありません
でも 私が研究を進めるなかで 最も驚いたのは 人々の態度の 変わりやすさです
こちらは イギリス初の火葬場で 1870年代にウォキングという町に 建てられました
火葬場が初めてできたとき 地元では反対運動が起こりました
火葬は社会的に受け入れられておらず 当時 99.8%は土葬でした
でも たった百年で 4分の3が火葬されるまでに変わります
話し合う機会さえ 与えられれば 人は 物事の変化に 非常に寛容になれるのです
ですから こうして死と建築について お話ししたいと思っていました このテーマで初めて展示会を 開いたときからです 6月にベニスで開いた 『ベニスに死す』という
遊び心満載の展示会で 皆さんに 文字通り 死と戯れていただきました
こちらは展示の一つ ロンドンのインタラクティブ・マップで 市内にある どれだけの不動産が 「死」と関わっているか 示しています 地図に手をかざせば その不動産 建物や墓地の 名前が現れます
こちらの展示は ポストカードで 皆さんに持ち帰って いただけます
ポストカードにあるのは 民家や病院 墓地や遺体安置所で 死の向こう側とこちら側で 私たちが通る さまざまな場所を 物語っています
伝えたかったのは 私たちが死ぬ場所こそ 死に方を決める 大事な要素だということです
展示―特にオーディオ・ビジュアル作品への 来訪者の反応は とても不思議でした
作品を楽しんでいただくには 踊ったり 走ったり ジャンプしたりして もらわないといけないのですが 皆さん ある時点で ふと立ち止まるのです 死がテーマの 展示会であることを思い出して こんな風に はしゃいでは いけなかったというように
でも 死に対して 取るべき態度は 本当に一つだけ なんでしょうか もし違うなら ぜひ考えていただきたい― 良い死とは何か 良い死を迎えることを お手伝いできる建築とはどんなものか こちらよりは こちらのようなものではないでしょうか
ありがとうございました | A hundred years ago, we tended to die of infectious diseases like pneumonia, that, if they took hold, would take us away quite quickly.
We tended to die at home, in our own beds, looked after by family, although that was the default option because a lot of people lacked access to medical care.
And then in the 20th century a lot of things changed.
We developed new medicines like penicillin so we could treat those infectious diseases.
New medical technologies like x-ray machines were invented.
And because they were so big and expensive, we needed large, centralized buildings to keep them in, and they became our modern hospitals.
After the Second World War, a lot of countries set up universal healthcare systems so that everyone who needed treatment could get it.
The result was that lifespans extended from about 45 at the start of the century to almost double that today.
The 20th century was this time of huge optimism about what science could offer, but with all of the focus on life, death was forgotten, even as our approach to death changed dramatically.
Now, I'm an architect, and for the past year and a half I've been looking at these changes and at what they mean for architecture related to death and dying.
We now tend to die of cancer and heart disease, and what that means is that many of us will have a long period of chronic illness at the end of our lives.
During that period, we'll likely spend a lot of time in hospitals and hospices and care homes.
Now, we've all been in a modern hospital.
You know those fluorescent lights and the endless corridors and those rows of uncomfortable chairs.
Hospital architecture has earned its bad reputation.
But the surprising thing is, it wasn't always like this.
This is L'Ospedale degli Innocenti, built in 1419 by Brunelleschi, who was one of the most famous and influential architects of his time.
And when I look at this building and then think about hospitals today, what amazes me is this building's ambition.
It's just a really great building.
It has these courtyards in the middle so that all of the rooms have daylight and fresh air, and the rooms are big and they have high ceilings, so they just feel more comfortable to be in.
And it's also beautiful.
Somehow, we've forgotten that that's even possible for a hospital.
Now, if we want better buildings for dying, then we have to talk about it, but because we find the subject of death uncomfortable, we don't talk about it, and we don't question how we as a society approach death.
One of the things that surprised me most in my research, though, is how changeable attitudes actually are.
This is the first crematorium in the U.K., which was built in Woking in the 1870s.
And when this was first built, there were protests in the local village.
Cremation wasn't socially acceptable, and 99.8 percent of people got buried.
And yet, only a hundred years later, three quarters of us get cremated.
People are actually really open to changing things if they're given the chance to talk about them.
So this conversation about death and architecture was what I wanted to start when I did my first exhibition on it in Venice in June, which was called "Death in Venice."
It was designed to be quite playful so that people would literally engage with it.
This is one of our exhibits, which is an interactive map of London that shows just how much of the real estate in the city is given over to death and dying, and as you wave your hand across the map, the name of that piece of real estate, the building or cemetery, is revealed.
Another of our exhibits was a series of postcards that people could take away with them.
And they showed people's homes and hospitals and cemeteries and mortuaries, and they tell the story of the different spaces that we pass through on either side of death.
We wanted to show that where we die is a key part of how we die.
Now, the strangest thing was the way that visitors reacted to the exhibition, especially the audio-visual works.
We had people dancing and running and jumping as they tried to activate the exhibits in different ways, and at a certain point they would kind of stop and remember that they were in an exhibition about death, and that maybe that's not how you're supposed to act.
But actually, I would question whether there is one way that you're supposed to act around death, and if there's not, I'd ask you to think about what you think a good death is, and what you think that architecture that supports a good death might be like, and mightn't it be a little less like this and a little more like this?
Thank you. | {
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今 所得格差が急拡大し 特に最上層部とその他との間での 格差が急拡大しています 特に最上層部とその他との間での 格差が急拡大しています
この変化が最も顕著なのは 米国と英国ですが グローバルな現象です
共産主義国の中国でも 元共産主義国のロシアでも インドや 私の祖国カナダでも 起こっています
穏健な社会民主主義国である― スウェーデン フィンランド ドイツなどでさえ そうです
何が起こっているのか 少し数字で見てみましょう
米国では 1970年代 富裕層である「1%」が 国民所得の10%を 稼いでいました 国民所得の10%を 稼いでいました
今日では 富裕層は 倍以上の 20%超を稼ぐようになっています
でも さらに衝撃的なのは 所得分布の頂点で 起こっていることです 所得分布の頂点で 起こっていることです
今日 アメリカでは 上位0.1%が
国民所得の 8%以上を稼いでいます 国民所得の 8%以上を稼いでいます
30年前の富裕層「1%」の比率を 稼いでしまっているわけです
はっきりさせるため 別の数字を見てみましょう これは 2005年に ロバート・ライシュ クリントン政権時代の労働長官が 計算したものです
ライシュは 誰もが認める2人の富豪 ビル・ゲイツと ウォーレン・バフェットを取り上げ この2人が所有する資産の合計は アメリカ社会の下層40%である 1億2千万人の
総資産と同じであると言いました 実はウォーレン・バッフェトは 超富豪でありながら 実はウォーレン・バッフェトは 超富豪でありながら この現象に 絶えず鋭い目を向けていて 彼自身 お気に入りの 数字があります
バフェットがよく指摘するのは 1992年に フォーブス400に入った人たち― 1992年に フォーブス400に入った人たち― つまり アメリカの金持ちの トップ400人の総資産額が 3000億ドルであったことです
考えてみてください
1992年当時は 億万長者でなくても フォーブス400に入れました
でも 今では その数字は4倍以上になり 1.7兆ドルです 言うまでもなく こんなことは 中産階級には 起こっていません 中産階級の資産は 減らないせよ 頭打ちの状態です
今 世界中で超富豪が台頭していますが 私たちは それに なかなか気付きません
その理由として あげられるのは 茹でガエルの寓話と同じで
ゆっくりした変化は 気付きにくいということです たとえ それがもたらす影響が 甚大であってもです
じわじわと熱される水の中で カエルは どうなりましたか?
でも それだけではありません
所得格差について話すことは フォーブス400に入らない人にとっても 不安を感じさせます
あまり明るく 見通しの良い話ではありません 決まった大きさのパイを どう分けるかであって パイをどう大きくするか という話ではないですから
フォーブス400に 入っている人にとっては 所得分配について そして その先の 所得再分配について話すことは 明らかな脅威ともなるでしょう
現在 所得格差は急速に広がっており 特に最上位では 格差がさらに広がっています
いったい何が原因で どう対処したらよいのでしょうか?
政治的な要因もいくつかあります 低税率や規制緩和 特に金融サービスの規制緩和 民営化 労働組合への弱い法的保護 これら全てが 所得分布の頂点にいる人を さらに豊かにしているのです
これらの政治的要因は 大きな意味で 「縁故資本主義」と まとめることができます つまり この政治的変革は コネがある特定の者の 利益とはなっても それ以外の者には たいしてメリットがないのです
事実上 縁故資本主義を取り除くのは 大変 難しいものです
例えば ロシアでは 何年にもわたり 様々な改革者たちは 汚職を失くそうと努力してきましたし 世界大恐慌以来で 最悪の 経済危機を経験した後でさえ 銀行の再規制は 大変困難でした 多国籍の大企業においては 「邪悪にならない」を モットーとする企業も含め 中産階級とほぼ同じ税率で 税金を支払わせるのさえ とても難しくなっています
現実的に言って 縁故資本主義をなくすのは 本当に難しいことです しかし 理論的には簡単なことです
縁故資本主義が 良いと思う人なんていません
実際 これについては 左派と右派も珍しく 意見が一致します
縁故資本主義の批判は 「ティーパーティー」にとっても 「ウォール街を占拠せよ」にとっても 重要なことなのです
でも もし縁故資本主義が 少なくとも 頭で考える分には 容易であったとしても ややこしいのは 急拡大する所得格差を 経済的に助長しているものです
それ自体は それほど不可解ではありません
グローバル化と技術革新は 共に経済に変革を もたらしてきました ただ 私たちの生活を変え グローバル経済を変えると同時に 超富裕層を 台頭させています
考えてください
史上初めて 熱血な起業家の人が 斬新なアイデアか 素晴らしい新製品を 思い付いたとしたら すぐに ほぼ何の障壁もなく 10億万人以上の グローバル市場にアクセスできます
その結果 とても とても頭が良くて とても とてもラッキーな人は とても とてもリッチに とても とても早くなります
この現象の 最近の典型例は デイヴィッド・カープです
ブログサービスTumblrの 創業者である この26歳は 最近 会社をヤフーに 11億ドルで売却しました
考えてもみてください 11億ドルを 26歳でです
ご承知のとおり 技術革新やグローバル化は こうしたスーパースター効果を スポーツや エンターテイメントなどの
華やかな世界で生み出してきました 素晴らしいアスリートや パフォーマーが 今日では 以前にないくらい グローバル経済で 自らの才能を生かしているのです
でも 今では スーパースター効果は 経済全体に広がってきています
スーパースター科学技術者もいれば
スーパースター銀行家もいて
スーパースター弁護士や スーパースター建築家もいます
スーパースター料理家も スーパースター農家もいます
それから これは私のお気に入りの例ですが スーパースター歯医者もいます その最も輝かしい例が ベルナルド・トゥアティです フランス人で 同じスーパースターの笑顔作りを 手助けしています 例えば ロシア人実業家 ロマン・アブラモヴィッチや ヨーロッパ生まれのアメリカ人 ファッションデザイナー ダイアン・フォン・ファステンバーグです
グローバル化や技術革新が こうした世界的な超富豪を 生み出しているのは 良く分かりますが それをどう捉えるかは とても難しいものがあります
というのも 縁故資本主義とは対照的に グローバル化と技術革新が 成し遂げてきたことの多くは とても肯定的なものだからです
まずは 技術から始めましょう
私は インターネットも モバイル機器も大好きです
そして このトークを この会場にいなくても 望めば誰もが 見ることができるのは 素晴らしいと思います
グローバル化は さらに素晴らしいものです
このグローバル化は 世界の最貧困層にいる 何億のもの人々を 貧困から救い 中産階級へと導きました 世界の豊かな側に 住んでいる人も グローバル化で 様々な商品を 手に入れやすくなりました あなたのiPhoneを作ったのが 誰か考えてください― そして 古くからあるものも かなり安くなりました
食器洗浄機やTシャツも そうでしょう
よくないことはあるでしょうか?
実は いくつかあります
心配していることの一つは いわゆる実力のある超富豪の台頭が 簡単に縁故資本主義に なりうることです
想像してみてください 素晴らしい起業家のあなたが アイデアや商品を 全世界の何十億の人に 売ることに成功して 億万長者になるとします
そうなると ある誘惑に駆られます 自らの経済的知性を使い グローバルの 政治経済ルールを操作し 自分に有利にすることです
これは 単なる仮定の話 ではありません
Amazon Apple Google Starbucksを見てください
これらは 世界で最も尊敬され 愛され 革新的な企業ですが
同時に 特に長けていたのは 国際税制をたくみに使い 支払う税金を大幅に 減らすことです
今あるグローバル政治経済制度を 最大限有利になるよう操るだけで
満足するわけがありません 一度 所得分配の 最上層にあるような― ものすごく大きな 経済的権力や それに伴う政治的権力を 手にしてしまうと ゲームのルールを 自分の有利になるように 変えたくなってしまうものなのです 自分の有利になるように 変えたくなってしまうものなのです
これもまた 単なる 仮定の話ではありません
ソビエト崩壊後の ロシアの新興財閥が ロシアの天然資源について 世紀の民営化をしたときに
したことでもあります それは 米国や英国における 金融サービスの規制緩和が 招いた結果の 別の見方でもあります
心配していることの 二つ目は 実力のある超富豪の台頭が 貴族政治に陥りやすいことです
これら超富豪層は アルファギークとも言えます こうした人たちは 今日の経済において 分析力 数学的なスキルが どれだけ重要か よく分かっています
だから 彼らは これまでにないくらいの 時間とリソースを費やし 子どもを教育しているのです
中産階級も 教育に多くを使いますが グローバル世界での エリート教育競争は 幼稚園から始まり ハーバードやスタンフォード MITにたどり着くまで続きます 残り99%の者は 「1%」に さらに大きな差を つけられつつあります
その結果が 経済学者のアラン・クルーガーと マイルズ・コラックが 「グレート・ギャッツビー・カーブ」と呼ぶものです
所得格差が広がるにつれ 社会的流動性は低くなります
超富豪の台頭は 能力主義の結果かもしれませんが 所得分布の最上層に生まれなければ ますます 競争にすら 参加できなくなりつつあります
そして三つ目が 最も心配なことなのですが グローバルな超富豪層台頭の原因となる これらの概してポジティブな勢力が 同時にどれだけ 西洋の工業国における 中産階級を空洞化させているかです 西洋の工業国における 中産階級を空洞化させているかです
まずは技術から見てみましょう
億万長者を生み出す この勢力はまた 多くの伝統的な中産階級の仕事を 呑み込んで行っています
最後に 旅行代理店を 使ったのはいつですか?
産業革命とは対照的に この新しい経済の巨人たちは 新しい仕事をそれほど 生み出してはいません
ゼネラルモーターズは 最盛期には何十万人も雇いましたが Facebookは 1万人にも至りません
同じことは グローバル化にも言えます
新興国において 何億もの人々を 貧困から救っている一方で 西洋の先進国から 多くの業務を アウトソースしています おそるべき現実はこうです 経済が成長すれば 当然 皆が豊かになるという決まりは 当然 皆が豊かになるという決まりは
どこにもないのです それが示されているのは 現代で最も危機感を感じさせる 統計です
1990年代後半から 生産性の向上は 賃金や雇用の増加とは 切り離されてきました
つまり 私たちの国は より豊かになり 企業もより効率的に なっていますが より多くの仕事を 生み出すことはなく 全体として賃金も 増えていません
これら全てから導き出せる 恐ろしい結論として 構造的失業があります
でも 私がより不安になるのは 別のシナリオです
結局のところ 労働の完全自由市場においては ほぼ全員に 仕事は見つけられます
でも 心配なことは 少数の天才たちが Googleやその類を発明し 残りの人たちは 天才の肩もみをするだけになることです
私は こうした思いで とても悲観的になると 産業革命を思い起こし 気を休めます
恐ろしいといっても 結局はうまくいったわけでしょう?
ここにいる私たちは より豊かに 健康に 背も高く― まあ ちょっと例外はありますが― より長生きをするようになっています 19世紀初頭の先祖とは違います
でも 覚えておくべきことは 産業革命の成果を 幅広く社会で 共有するようになるまで 共有するようになるまで 私たちは二つの不況を 乗り越えねばなりませんでした 1930年代の世界大恐慌と 1870年代の大不況です そして 二つの世界大戦や ロシア 中国での共産革命 西洋における大きな 社会政治的な大混乱もありました 西洋における大きな 社会政治的な大混乱もありました
また意図的に 社会政治的な改革も行ないました 社会政治的な改革も行ないました
私たちは近代的福祉国家を作りました
公教育を作りました
公的医療保障制度も作りました
公的年金も作りました
労働組合も作りました
今日 私たちが 生き抜こうとしているのは 経済変革の時代です その変革は 規模 範囲ともに 産業革命に匹敵します
この新しい経済が 超富豪層だけではなく 全ての人に 確実に利益をもたらすよう 私たちは 同じくらい野心的な 社会的 政治的変革の時代に 乗り出して行かねばなりません
新たなニューディール政策が 必要なのです | We are living in an age of surging income inequality, particularly between those at the very top and everyone else.
This shift is the most striking in the U.S. and in the U.K., but it's a global phenomenon.
It's happening in communist China, in formerly communist Russia, it's happening in India, in my own native Canada.
We're even seeing it in cozy social democracies like Sweden, Finland and Germany.
Let me give you a few numbers to place what's happening.
In the 1970s, the One Percent accounted for about 10 percent of the national income in the United States.
Today, their share has more than doubled to above 20 percent.
But what's even more striking is what's happening at the very tippy top of the income distribution.
The 0.1 percent in the U.S.
today account for more than eight percent of the national income.
They are where the One Percent was 30 years ago.
Let me give you another number to put that in perspective, and this is a figure that was calculated in 2005 by Robert Reich, the Secretary of Labor in the Clinton administration.
Reich took the wealth of two admittedly very rich men, Bill Gates and Warren Buffett, and he found that it was equivalent to the wealth of the bottom 40 percent of the U.S. population, 120 million people.
Now, as it happens, Warren Buffett is not only himself a plutocrat, he is one of the most astute observers of that phenomenon, and he has his own favorite number.
Buffett likes to point out that in 1992, the combined wealth of the people on the Forbes 400 list -- and this is the list of the 400 richest Americans -- was 300 billion dollars.
Just think about it.
You didn't even need to be a billionaire to get on that list in 1992.
Well, today, that figure has more than quintupled to 1.7 trillion, and I probably don't need to tell you that we haven't seen anything similar happen to the middle class, whose wealth has stagnated if not actually decreased.
So we're living in the age of the global plutocracy, but we've been slow to notice it.
One of the reasons, I think, is a sort of boiled frog phenomenon.
Changes which are slow and gradual can be hard to notice even if their ultimate impact is quite dramatic.
Think about what happened, after all, to the poor frog.
But I think there's something else going on.
Talking about income inequality, even if you're not on the Forbes 400 list, can make us feel uncomfortable.
It feels less positive, less optimistic, to talk about how the pie is sliced than to think about how to make the pie bigger.
And if you do happen to be on the Forbes 400 list, talking about income distribution, and inevitably its cousin, income redistribution, can be downright threatening.
So we're living in the age of surging income inequality, especially at the top.
What's driving it, and what can we do about it?
One set of causes is political: lower taxes, deregulation, particularly of financial services, privatization, weaker legal protections for trade unions, all of these have contributed to more and more income going to the very, very top.
A lot of these political factors can be broadly lumped under the category of "crony capitalism," political changes that benefit a group of well-connected insiders but don't actually do much good for the rest of us.
In practice, getting rid of crony capitalism is incredibly difficult.
Think of all the years reformers of various stripes have tried to get rid of corruption in Russia, for instance, or how hard it is to re-regulate the banks even after the most profound financial crisis since the Great Depression, or even how difficult it is to get the big multinational companies, including those whose motto might be "don't do evil," to pay taxes at a rate even approaching that paid by the middle class.
But while getting rid of crony capitalism in practice is really, really hard, at least intellectually, it's an easy problem.
After all, no one is actually in favor of crony capitalism.
Indeed, this is one of those rare issues that unites the left and the right.
A critique of crony capitalism is as central to the Tea Party as it is to Occupy Wall Street.
But if crony capitalism is, intellectually at least, the easy part of the problem, things get trickier when you look at the economic drivers of surging income inequality.
In and of themselves, these aren't too mysterious.
Globalization and the technology revolution, the twin economic transformations which are changing our lives and transforming the global economy, are also powering the rise of the super-rich.
Just think about it.
For the first time in history, if you are an energetic entrepreneur with a brilliant new idea or a fantastic new product, you have almost instant, almost frictionless access to a global market of more than a billion people.
As a result, if you are very, very smart and very, very lucky, you can get very, very rich very, very quickly.
The latest poster boy for this phenomenon is David Karp.
The 26-year-old founder of Tumblr recently sold his company to Yahoo for 1.1 billion dollars.
Think about that for a minute: 1.1 billion dollars, 26 years old.
It's easiest to see how the technology revolution and globalization are creating this sort of superstar effect in highly visible fields, like sports and entertainment.
We can all watch how a fantastic athlete or a fantastic performer can today leverage his or her skills across the global economy as never before.
But today, that superstar effect is happening across the entire economy.
We have superstar technologists.
We have superstar bankers.
We have superstar lawyers and superstar architects.
There are superstar cooks and superstar farmers.
There are even, and this is my personal favorite example, superstar dentists, the most dazzling exemplar of whom is Bernard Touati, the Frenchman who ministers to the smiles of fellow superstars like Russian oligarch Roman Abramovich or European-born American fashion designer Diane von Furstenberg.
But while it's pretty easy to see how globalization and the technology revolution are creating this global plutocracy, what's a lot harder is figuring out what to think about it.
And that's because, in contrast with crony capitalism, so much of what globalization and the technology revolution have done is highly positive.
Let's start with technology.
I love the Internet. I love my mobile devices.
I love the fact that they mean that whoever chooses to will be able to watch this talk far beyond this auditorium.
I'm even more of a fan of globalization.
This is the transformation which has lifted hundreds of millions of the world's poorest people out of poverty and into the middle class, and if you happen to live in the rich part of the world, it's made many new products affordable -- who do you think built your iPhone? — and things that we've relied on for a long time much cheaper.
Think of your dishwasher or your t-shirt.
So what's not to like?
Well, a few things.
One of the things that worries me is how easily what you might call meritocratic plutocracy can become crony plutocracy.
Imagine you're a brilliant entrepreneur who has successfully sold that idea or that product to the global billions and become a billionaire in the process.
It gets tempting at that point to use your economic nous to manipulate the rules of the global political economy in your own favor.
And that's no mere hypothetical example.
Think about Amazon, Apple, Google, Starbucks.
These are among the world's most admired, most beloved, most innovative companies.
They also happen to be particularly adept at working the international tax system so as to lower their tax bill very, very significantly.
And why stop at just playing the global political and economic system as it exists to your own maximum advantage?
Once you have the tremendous economic power that we're seeing at the very, very top of the income distribution and the political power that inevitably entails, it becomes tempting as well to start trying to change the rules of the game in your own favor.
Again, this is no mere hypothetical.
It's what the Russian oligarchs did in creating the sale-of-the-century privatization of Russia's natural resources.
It's one way of describing what happened with deregulation of the financial services in the U.S. and the U.K.
A second thing that worries me is how easily meritocratic plutocracy can become aristocracy.
One way of describing the plutocrats is as alpha geeks, and they are people who are acutely aware of how important highly sophisticated analytical and quantitative skills are in today's economy.
That's why they are spending unprecedented time and resources educating their own children.
The middle class is spending more on schooling too, but in the global educational arms race that starts at nursery school and ends at Harvard, Stanford or MIT, the 99 percent is increasingly outgunned by the One Percent.
The result is something that economists Alan Krueger and Miles Corak call the Great Gatsby Curve.
As income inequality increases, social mobility decreases.
The plutocracy may be a meritocracy, but increasingly you have to be born on the top rung of the ladder to even take part in that race.
The third thing, and this is what worries me the most, which are driving the rise of the global plutocracy also happen to be hollowing out the middle class in Western industrialized economies.
Let's start with technology.
Those same forces that are creating billionaires are also devouring many traditional middle-class jobs.
When's the last time you used a travel agent?
And in contrast with the industrial revolution, the titans of our new economy aren't creating that many new jobs.
At its zenith, G.M. employed hundreds of thousands, Facebook fewer than 10,000.
The same is true of globalization.
For all that it is raising hundreds of millions of people out of poverty in the emerging markets, it's also outsourcing a lot of jobs The terrifying reality is that there is no economic rule which automatically translates increased economic growth into widely shared prosperity.
That's shown in what I consider to be the most scary economic statistic of our time.
Since the late 1990s, increases in productivity have been decoupled from increases in wages and employment.
That means that our countries are getting richer, our companies are getting more efficient, but we're not creating more jobs and we're not paying people, as a whole, more.
One scary conclusion you could draw from all of this is to worry about structural unemployment.
What worries me more is a different nightmare scenario.
After all, in a totally free labor market, we could find jobs for pretty much everyone.
The dystopia that worries me is a universe in which a few geniuses invent Google and its ilk and the rest of us are employed giving them massages.
So when I get really depressed about all of this, I comfort myself in thinking about the Industrial Revolution.
After all, for all its grim, satanic mills, it worked out pretty well, didn't it?
After all, all of us here are richer, healthier, taller -- well, there are a few exceptions — and live longer than our ancestors in the early 19th century.
But it's important to remember that before we learned how to share the fruits of the Industrial Revolution with the broad swathes of society, we had to go through two depressions, the Great Depression of the 1930s, the Long Depression of the 1870s, two world wars, communist revolutions in Russia and in China, and an era of tremendous social and political upheaval in the West.
We also, not coincidentally, went through an era of tremendous social and political inventions.
We created the modern welfare state.
We created public education.
We created public health care.
We created public pensions.
We created unions.
Today, we are living through an era of economic transformation comparable in its scale and its scope to the Industrial Revolution.
To be sure that this new economy benefits us all and not just the plutocrats, we need to embark on an era of comparably ambitious social and political change.
We need a new New Deal. | {
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ディーナはエルフの父と人間の母の間に生み出された女神のアバターである。
自分が何人目のアバターなのかは彼女自身も知らない。
恐らくは今までもこうして、地上の人類の胎を借りてアバターが誕生し、そして前任者が死んだときに次のアバターが生み出されてきたのだろう。
ディーナにとってそれらの前任は全員『自分自身』であるという認識であったし、女神もまた自分であると思っていた。何故なら自分は女神の分身体なのだから、これらは全て物なのだ。
両親に与えられたディーナという名はあるが、そんなのはこの新しい身体の名でしかないし、別段大事に思うようなものでもない。
だから、両親からの愛もさして有難いと思わなかったし、成長して何も言わずに里を出た時も罪悪感など感じなかった。
何故なら自分は女神の分身体なのだ。親など存在しない。
そうして里を出たディーナは、女神の代行者として時に人を裁き、時に祝福を与え、世界を巡っていた。
そんな時だ。近年になって台頭しつつあるルファス・マファールの存在を知ったのは。
彼女は冒険者でありながら数々の『女神のシナリオにない』英雄譚を打ち立て、いくつもの国を救っており、倒された魔物の中にはあの竜王ラードゥンの名すらあった。
(これは危険因子かもしれませんね)
ルファスの存在を危険視したディーナは彼女が建国するのに合わせて潜入し、思考誘導で人々が己の存在に気付かないようにした。万一ぶつかるなどして一時的に気付いても疑いを持たれぬように『自分は参謀である』という偽の記憶を作り、まるでオブジェのようにマファール塔に溶け込む事でルファス・マファールを間近で観察するという大胆極まる行動をやってのけたのだ。
そうしてルファスを観察し、やがてディーナは一つの結論に達する。
この女は余りに危険だ。危険過ぎる。
このまま放置すれば女神のシナリオを根底から覆してしまいかねない程に。
だから排除する事を考え......しかし、見れば見るほどにそれは不可能と思い知らされた。
女神の分身体である己はレベル1000の力を有している。神の代行者としての様々な異能も有している。
だがそれでも尚、ルファス・マファールに勝てる姿が想像出来なかったのだ。
記憶操作も認識操作も、魔法も天法も、時間を超える力や相手を
女神の代行者としてのディーナの力は絶対的なはずだった。少なくともアリオトやメグレズ相手ならば多少戦闘力で劣ろうと、無条件に勝利出来るだけの反則的な力がある。
だがそれは結局のところ女神の決めたルールの枠内の強さであり、ルールの中だからこその無敵だ。
それを無視してしまっているルファスが相手では無敵は無敵足りえない。
(『龍』を......起動するしか......けど、あれは......)
ディーナには最後にして最大の固有スキルが存在する。
名を『ラス・アルハゲ』。効果は――『龍』の一斉起動。
そう、女神の代行者である彼女は龍を呼び覚ます事が出来る。
叩き起こし、彼等に命令する権利を有している。
だがそれはミズガルズの滅びをも意味し、取返しの付かない事になってしまう。
龍が動けば、それだけでミズガルズは致命的なダメージを受けてしまうのだ。
故に女神にとっても、それはまさに最後の手段であった。
出来ればやりたくはない。何か他の手段はないのだろうか。
そうして悩んでいたある日の事だ。
ルファスがメグレズで今後の方針を話し合っている時に彼女が発した言葉がディーナのほんの僅かな動揺を誘った。
「東のエルフの集落で伝染病、か。手を打つ必要があるかもしれんな」
それはほんの僅かな動揺だった。
ディーナ自身も何故自分が動揺したのか分からぬ、些細なものでしかない。
だがその瞬間にルファスはこちらへ視線を向け、そして眼が合った。
万一視界に映ってしまっても、私の事は参謀と認識して納得し、忘れ去るはず)
「どうした、ルファス?」
「......いや、何でもない。今日はここまでにしよう。
すぐにディーナから視線を外したルファスはメグレズを先に下へ降ろし、ドアを閉める。
そして再びディーナへと振り向き、声を発した。
「......いつから、そこにいた?」
「!?」
――バレている。
その事実にディーナの心臓が跳ねあがった。
馬鹿な、有り得ない。いや、あってはならない。
その動揺は彼女の動きを止め、更に隙を晒して逃亡の機会を奪う。
気付けばすぐ近くまで来ていたルファスがディーナの逃げ場を塞ぐように壁に手を当て、こちらを覗き込んでいた。
「魔神族ではなさそうだな。其方、何者だ?」
「わ、私は......」
ディーナは一瞬言葉に詰まり、その瞬間脳裏を過ぎったのは両親の温かな笑顔であった。
自分を女神の分身ではなく、ディーナという一人の存在として愛してくれた人達であった。
何故......? 何故今、それを思いだす?
捨てたはずだ。ディーナという名と共に今の身体の両親に過ぎぬ者達など切り捨てたはずだ。
死を恐れているとでもいうのか? あの人達に会えなくなることを怖がっていると?
......有り得ない。
死など恐れるものではない。何故なら自分は女神の分身で、ここで殺されても次の『私』が生まれるだけ。
殺されてもアバターが一つ駄目になるだけだ。自分に死など無いのだ。
ディーナはそう己を納得させ、貼り付けたような微笑みを浮かべた。
私の名はアロヴィナス。創世神アロヴィナスです。
「ほう?」
「よく私の存在に気付きましたね? 上手く隠れていたつもりなのですが」
嘲笑の仮面を被り、余裕である事を装う。
殺すならば殺せばいい。そうすればすぐに次のアバターを生み出してまた行動するだけだ。
しかしルファスは動かず、興味深そうにディーナを見ていた。
「気付いたのは今しがただ。ほんの僅かではあるが其方の感情が揺らぎ、隠蔽が薄れたのだ。
「いえ、何もありませんよ」
「本当にそうか? 其方がハーフエルフである事と無関係とは思えぬがな」
ルファスはそう言い、ディーナの耳に触れた。
突然の感覚にディーナの肩がビクリと震える。
それに軟骨の強度も違う。エルフの耳は人間よりも大きく尖っている分、それを支える軟骨が人間のそれよりも強いのだ。
「よ、よく、ご存知で」
「友人の一人がエルフなのでな。軟骨に関しては興味本位で奴の耳を何度か弄っているうちに気付いたのだ」
ディーナの耳から指を離し、しかし体勢はそのまま崩さない。
どうやら逃がしてくれる気はないらしく、ディーナは隙を伺いながらも離脱の機会を掴めずにいた。
「動揺したのは伝染病、の所か。その集落に知り合いでもいるのか?」
「............」
「言い当ててやろうか? 恐らくそこには其方の片親、あるいは両親がいるな」
「っ!」
ディーナはなるべく感情を顔に出さないようにしているが、それでも一瞬の心の動きは隠しきれない。
それをルファスは目敏く感じ取り、そして自身の言葉が正しいという確信を抱いた。
其方先程、自分でアバターといったろう。しかし魔力や天力で創られているようではないとなれば、其方を生んた親がいるはずだ。
ルファスはそこまで語り、少しばかり意外そうな顔でディーナを見た。
「両親の事を案じて動揺するとは随分人間味があるな。さしもの女神も少しくらいは感謝の気持ちがあるという事か?
「何を馬鹿な......」
「別に不思議な事ではなかろう。いかに女神と同じ記憶や人格を有しているといっても生まれたその時点で女神とは異なる人生経験を其方は歩んでいる。
其方の両親は女神の両親ではないし、其方の両親が愛しているのも女神ではなく其方だ。
ルファスの言っている事はあながち間違いではない。どんなに同じようでも女神本人と女神のアバターは違うのだ。別の人生を歩んでしまった時点でもう同一人物ではない。
例えば意思のない身体に女神が入り込んで遠隔操作をしているならば、それは確かに女神自身だろう。
だがそうではない。女神はその存在の巨大さ故に世界を細かく見る事が出来ない。
だからこそアバターを創っているし、そのアバターからの報告で世界を細かく観察する事が出来るのだ。
だからアバターには自由意思が与えられており......時にそれは女神と異なる思考となる。
少なくとも女神本人ならばディーナの両親の事など興味すら抱かなかっただろう。名前や顔すら認識しておらず、恐らく女神には同じような外見の多くのエルフのうちの一人としか見えてはいまい。
「其方、名を何という?」
「先程名乗ったでしょう」
「いいや、名乗ってはいない。其方は女神ではないのだからな。
「本当の名ではありません。この身体に与えられただけの仮初の名です」
「其方も強情だな」
ルファスは苦笑し、それから何を思ったのか懐から一つの瓶を出してディーナに押し付けた。
それは彼女とメグレズが共同で開発した薬で、名をエリクサーという。
どんな病も治し、寿命すらも伸ばすという女神に喧嘩を売っているような一品で、ディーナはそれをあまり好きではなかった。
「それを持って其方が今、行きたい所へ行くといい」
「私を見逃すと? 余裕ですね」
「今のまま話しても埒が明かんからな。次は女神のアバターではなく、本当の其方と話せる事を期待している」
「次などあるとは思えませんがね」
ディーナはほくそ笑み、その場から消え去った。
一度気付かれてしまった以上、次からはもう同じ手は通用すまい。
何か別の監視手段を考えねば今度こそ捕獲されて消されてしまうだろう。
ゲートを通過して塔から離れ、そこでディーナは周囲を見渡してぎょっとした。
その場所は......彼女が生まれたエルフの集落だったからだ。
無意識のうちに、ここへ来てしまっていた。
(我ながら馬鹿な事を......気にしてなどいないというのに)
思わず自嘲し、しかしそこから足が動かない。
離れてしまえばいいのだ。
もう一度エクスゲートを使用してこの場から去ればいい。
何だこれは。まさか情でも移ったというのか?
「......確認するだけ。ちょっと興味が沸いただけです」
自分に言い訳をしながらディーナは森へと踏み入った。
きっと罵詈雑言を浴びせられるに違いない。
今更顔を出して何のつもりだと、そう言われるはずだ。
それでいい。むしろそうあってくれ。
そうすれば未練を断ち切る事が出来るはずだから。
そこまで考え、ディーナはまたも自分の思考に疑問を抱いた。
そして森の奥へと入り、ディーナが見たものは――病魔に蝕まれて変わり果てた父の姿と、既にこの世を去った母の墓であった。 | Dina was the Goddess’s avatar, born from an elven father and a human mother.
In regard to how many avatars there had been before her, even she did not know.
In all likelihood, up until this point, each time was the same. The womb of a human who was already on land was borrowed and used to give birth to an avatar. When the previous generation passed away, a subsequent avatar would be born once more.
Dina registered all previous generations of avatars as “herself”. Similarly, the Goddess also considered all generations as “herself”. After all, the avatars were clones of the Goddess, and as such, all of them were essentially the same person.
Although she possessed the name Dina, given to her by her birth parents, that was nothing more than a name attached to the new body that she currently occupied. She thought nothing special of the name itself.
As a consequence of all of this, she did not feel all that grateful for the parental love that she had received nor did she have a sense of guilt for leaving her hometown behind without saying anything to anyone once she came of age.
After all, she was the Goddess’s clone. To her, she had no parents.
After leaving her hometown, she travelled around the world as the proxy of the Goddess. At times, she passed judgement upon and punished people; at times, she rewarded and blessed people.
It was at this time. The time when she discovered the existence of Ruphas Mafahl, who was gaining prominence in those recent years.
Notwithstanding that she was just an adventurer, she was re-enacting a story of a heroic tale which was not among the countless number of established “Goddess’s scenarios” by going around and saving several countries. The list of magical beasts that she had defeated included even the likes of the renowned Dragon King Ladon.
She might be considered a risk factor.
After regarding Ruphas’s existence as a risk, Dina infiltrated the kingdom which Ruphas had founded and used mind manipulation on the people to make sure that her existence was not detected. On the off-chance that she bumped into someone and was temporarily detected, she also implanted a fake memory which made people think that “she was an advisor” in order to avoid suspicion. With this, she roamed around the Mafahl Tower just as if she was some kind of background object and successfully undertook the extremely bold and daring activity of observing Ruphas Mafahl from close by.
After observing Ruphas in this way, Dina reached a single conclusion.
This woman was extremely dangerous. Way too dangerous.
So dangerous that if she was left alone to her own devices, there was a risk of her overturning the very foundation of the Goddess’s scenario.
Dina thus thought of eliminating her... however, the more that Dina observed her, the more that she was made to understand how much of an impossibility doing that was.
As a clone of the Goddess, she had power equivalent to a level . She also possessed various special skills in her position as the representative of the Goddess.
Yet even then, she could not imagine herself winning against Ruphas Mafahl.
Irrespective of whether she was to use memory manipulation, perception manipulation, arcane magic, divine magic, or even a power which went beyond the concept of time to delete the enemy’s existence, she did not think it would be effective.
As the stand-in for the Goddess, Dina’s power should have been absolute. At the very least, even if she was against the likes of Alioth or Megrez, whilst she might fall behind a little in pure battle prowess, she still had sufficient cheat-like power to come out victorious unconditionally.
But in the end, all of that was strength which was permitted and operated under the specification of the Goddess’s rules. She was only peerless and invincible because others also operated within those rules.
As such, if she was to be against Ruphas who operated whilst disregarding those rules and restrictions, her invincibility was not invincible enough.
The only way is to... move the ouroboroses... but they’re...
As a last resort, Dina had access to the most powerful unique skill.
The name of the skill was [Rasalhague]. The effect of the skill was to activate all the ouroboroses simultaneously.
Exactly. As the stand-in for the Goddess, she had the ability to wake the ouroboroses.
Not only that, after waking them up, she had the authority to give orders to them.
However, to do so signified destroying Midgard. Once done, there was no going back.
Just by moving, the ouroboroses would deal fatal damage to Midgard.
As such, even for the Goddess, it was a last resort.
If possible, she did not want to take such an action. Thus, she wondered if there were any other options available.
It happened during one of those days when she was pondering that question.
Dina overheard the words of Ruphas and Megrez, who were discussing their course of action for the future. Those words invited the slightest disturbance into Dina’s psyche.
“So there’s an outbreak of an epidemic at an elven settlement in the east, huh. We may need to do something about it.”
It was just the slightest bit of agitation.
It was truly just the slightest disturbance. It was such a small effect that even Dina herself was unable to understand why she was feeling what she felt.
But at that very moment, Ruphas directed her sight towards Dina’s direction and their eyes met.
She’s looking at me...? No, that’s impossible. My perception manipulation should be perfect. Even if I somehow appear in a person’s vision, they should register me as an advisor, forget about me and move on.
“What’s wrong, Ruphas?”
“... No, it’s nothing. Let’s leave it at this today. You guys go ahead, I’ll follow shortly.”
After immediately shifting her line of sight away from Dina, Ruphas sent Megrez out of the room first, then closed the door behind him.
She then turned back to look towards Dina and prompted a question.
“... Since when have you been standing there?”
“!?”
– She was busted.
After realising that fact, Dina’s heart jumped in surprise.
How is that possible? It’s impossible. No, it has to be impossible.
After losing her composure, Dina subconsciously stopped moving for a moment. Furthermore, due to this pause, her chance to flee the scene was snatched away from her.
By the time Dina came to, Ruphas, who had already closed the distance between them, placed her hands on the wall as if to prevent her from getting away and was staring down into her eyes.
“You don’t look like someone of the demon race, huh. You. Who exactly are you?”
“I, I’m...”
Dina was momentarily lost for words. At that very moment, the thought that flashed within her head was of the warmth and smiles that she had received from her parents.
The ones who treated her not as the Goddess’s clone but instead as an individual known as Dina, and poured their love out for her.
Why...? Why was it that, at this very moment, she was recalling those memories?
She should have thrown them away. Along with the name “Dina”, she should have thrown away the parents who had given birth to her current body.
Was she fearing death at this moment? Was she being fearful that she would never be able to meet them again?
... That can’t be.
Death was not something to be feared. After all, she was the Goddess’s clone. Even if she was to be killed right here and then, her next “self” would be born.
Even if she was to be killed, it would just mean that one more avatar became unusable. There was no concept of death for her.
After telling herself that, a smile crept up on her face like it was plastered on.
“... Allow me to introduce myself, Ruphas Mafahl. My name is Alovenus. The creation goddess, Alovenus. Although, this body is just an avatar.”
“Is that so?”
“You did well in noticing my presence. I thought I had hidden myself quite well.”
Donning a sneering mask on her face, she feigned complacency and composure.
If you want to kill me, then go ahead and kill. If you do so, the next avatar will be born immediately afterwards and begin taking action.
Yet, Ruphas did not take any action. She merely looked at Dina with great interest.
“I only noticed just now. Just for a brief moment, your emotions wavered, allowing me to see through your concealment. ... Is there something at this elven settlement?”
“No, there is nothing.”
“Really, now? I don’t believe it’s completely unrelated to you being a half-elf though.”
After Ruphas replied as such, she touched one of Dina’s ears.
Due to this sudden physical contact, Dina’s shoulder instinctively trembled.
“On the outside, you look just the same as every other human, but if you touch your ears, you can feel the slightly pointed tips. Not only that, but your cartilage also has a slightly different strength to it. Unlike humans, elves have a more distinct pointiness in their ears and, in support of that, their joints and cartilage are stronger than that of humans. It seems that this feature is inherited even by half-elves. Also, elves’ ears are more sensitive because they have more nerves running through them.”
“Y, you’re well informed.”
“One of my close friends is an elf, you see. After playing around with his ears a few times, I noticed the difference in joints and cartilages.”
After all of this, Ruphas removed her fingers from Dina’s ears. However, her body was still in the same position.
From the look of things, it seemed that Ruphas had no intention of letting Dina go. In the meantime, Dina was looking for any favourable opportunities but was unable to find any chances to make an escape.
“Your agitation must have been because of the epidemic, huh? Do you have an acquaintance in that settlement?”
“.........”
“Do you want me to take a guess? In all likelihood, one of your parents, if not the both of them, is in that settlement, correct?”
“Tsk!”
Dina tended not to show her emotions on her face, but even then, for the briefest moment, she was unable to successfully hide the disturbance in her heart.
Ruphas was able to detect this disturbance with her sharp awareness, allowing her to be convinced that what she had just said was correct.
“Your face is asking why. Well, it’s nothing complicated really. You called yourself an avatar, did you not? But you’re not made out of arcane or divine power. Which means that there have to be parents who gave birth to you. After knowing that much, even I can have a shot at figuring things out. Although...”
Once Ruphas got to this point, she looked at Dina with a slightly surprised face.
“For you to be agitated after hearing about your parents, that’s quite a human reaction, no? Could it be that even the Goddess has the ability to feel grateful? Or is it that... you’re actually a separate entity from the Goddess herself?”
“What kind of stupid thing...”
“It’s not particularly a strange thing now, is it? Even factoring in that you have the memories and the ego of the Goddess, from the very moment that you were born, you’re a separate entity who underwent a different path and experience in life.
Your parents are not the parents of the Goddess. They love you, not the Goddess. The things that you’ve experienced as yourself is your experience and not the experience of the Goddess. With all that, you’re already a different entity, no?”
What Ruphas was saying was not incorrect. However similar they seemed to be, the Goddess herself and her avatars were different. From the moment that they began to tread different paths, they were no longer the same entity.
For example, say there was a body without a will and the Goddess possessed that body in order to remotely control it. In those cases, indeed, it could be considered the Goddess herself.
But that was not what was happening. Due to how powerful of an existence she was, the Goddess was unable to see the finer details throughout the world.
Which was why she created the avatars. So that she could use the information from those avatars to observe the details of the world.
That was the reason the avatars were given free will of their own... and at times, they thought differently from the Goddess herself.
At the very least, if she was the Goddess herself, she would not have felt any concern for “Dina’s” parents. The Goddess most likely would not even have remembered their names or faces and would have simply registered them as one of many elves that each had the same appearance.
“You, what is your name?”
“I named myself just then, didn’t I?”
“No, you haven’t named yourself. You’re not the Goddess, after all. You have it right? Your real name.”
“It’s not my real name. It’s merely a fake name given to this body.”
“You’re pretty stubborn, aren’t you?”
Ruphas smiled bitterly and, for some reason, took out a vial from her pocket and pushed it onto Dina.
What Ruphas gave Dina was a medicine she had jointly developed with Megrez known as an elixir.
Not only could the elixir cure any illness, it could also increase the lifespan of the consumer. As this amazing product seemed like it was directly picking a fight with the Goddess, Dina did not see it very favourably.
“Hold onto that and go where you wish to go the most right now.”
“Are you telling me you’ll let me go free? A bit complacent, don’t you think?”
“Well, even if we continue to speak as we are, we’re not getting anywhere anyways. I’m expecting that the next time we meet, I’ll be speaking to the real you and not the Goddess’s avatar.”
“I doubt there’ll be a next time though.”
Dina gloated and then disappeared from the place.
Now that she had been found out once, the same approach was unlikely to work again.
She had to think of another way to observe her target. The next time she was caught, she would most likely be eliminated.
Utilising the X-Gate, Dina left the tower behind. Then, she looked around at her surroundings and was shocked.
It was because the location which she had just landed on... was the elven settlement where she was born.
She had come to this location subconsciously.
How could I have done something so stupid... even though I don’t care what happens to them.
She instinctively mocked herself for what she just did, yet her feet did not take her away from the location.
All she had to do was leave the place.
All she had to do was use X-Gate one more time and leave the place.
What is this? Did I get infected by emotions or something?
“... All I’m doing is checking what’s going on. I’m simply curious, that’s all.”
After making an excuse for herself, Dina took a step into the forest.
No doubt, they’re going to lecture me again.
They’re going to ask me what I’m doing here and why I’m finally bothering to show my face so late in time.
And that’s fine. If anything, I’d rather that be the case.
It was because if that was how things developed, she would be able to cut off her lingering attachments.
Right after she had such thoughts, another question came into her head.
And what Dina ended up seeing... was the appearance of her withered father, who was all worn out from the illness, and the tomb of her mother, who had already passed away from this world. | {
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こういった、名声が肝心だという説は今に始まったものではない。社会学者ミシェル・ラモントは著書(Money,Morals&Manners)の中で、フランスとアメリカそれぞれの「成功」の定義を比較している。彼女は両方の国でインタビューをし、「立派な人」とはどんな人のことだと思うかを聞いてまわった。要するに、彼女は人々の人生にとって何が重要かということと、彼ら自身のアイデンティティ意識を聞いたのである。 | In her book Money, Morals & Manners, the sociologist Michèle Lamont compared definitions of success in France and the United States. She interviewed people in both countries and asked them what it meant to be a “worthy person.” | {
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先輩と分かれた僕はホテルへと戻った。
シャワーを浴びてゆっくりとしているとノックの音が部屋に響いた。
どうやら薫さんがやってきたようなので僕はドアを開け、薫さんに部屋に入ってもらった。
「急にごめんね優希くん。」
「大丈夫ですよ!何か用でもありましたか?」
「えっと、明日優希くんは時間大丈夫だったりするかな?」
「明日は特に無いですよ!」
「ならよかった。実は明日東京の観光をしようかなって由良と話をしてたんだけど、浅草とかの観光地に行こうかなって思ってて優希くんも興味あるなにどうかな?」
「行ったこと無いので気になります!」
「ふふっ、じゃあ明日朝から向かうからよろしくね。」
薫さんははにかみながら僕の部屋を出ていった。
「浅草かぁ、雷門っていうのが有名な事くらいしか僕は知らないからどんなところなのか楽しみだなぁ。」
僕は部屋で一人テンションが少し上がっていたけれど、今日の疲れからか気付けば眠ってしまった。
朝になり、目が覚めた僕はシャワーを浴びてから身支度を整える。
そして僕は気付いてしまった。
「男物の服が、無い。」
そう、本来今回の東京遠征は5日間の予定だった。
それ故に荷物を増やさない為にも服に余裕を持っていなかったんだ。
そして昨日洗えば良かったものを僕は眠気に負けて洗わずに眠ってしまった。
今僕に用意された選択肢は一つのみ。
何故か入っていた女物の服を着るという事だった。
「いや、でも、これは・・・」
ホテル用の部屋着を着て僕はドアを開けた。
「あれ?優希くん、なんでホテルの部屋着を?」
「由良さんおはようございます、実は・・・」
僕が事情を由良さんに説明すると由良さんはいい笑顔で答える。
「いいよいいよ!!!私に任せて!!!可愛いくしてあげるからね!」
僕から逃げ道は消えてしまったようだ。
覚悟を決めるしか、ないみたい。
それと同時に部屋に備え付けられた洗濯機を今のうちに回しておこうと心に誓った。
明日は普通の服を着るんだ・・・
それから由良さんに準備を手伝って貰い、準備は完了。
服は白のワンピースでインナーは黒いキャミソール。
「よし、出来たよ!優希くんは髪が長いから今日はウィッグ無しで行こうか?」
「えっ!?ウィッグ無しですか!?」
「正直、優希くんの髪質的にもウィッグよりもそのままの方が綺麗に見えるパターン多いよ?かなりさらさらだしね。」
「うぅ、変じゃないなら良いんですけど。」
「変じゃないから大丈夫!ほら、鏡見て?」
「うぅ、まぁ変では無いですね・・・」
「でしょ!それじゃお姉ちゃんも待ってるからそろそろ行こうか?」
「はい・・・」
恥ずかしいけど服を洗い忘れてしまった僕のせいでもあるので深呼吸をして心を落ち着かせる。
「大丈夫です、行きましょう!」
「それじゃ行こっか!」
エレベーターで一階に降りた僕達を待つように入り口近くにはいつも以上に綺麗な姿の薫さんがいた。
「お、お待たせしました。」
「お姉ちゃんお待たせー!」
「そんなに待ってないから大丈夫だよ。」
「その服可愛いね、優希くん。」
「あっ、ありがとうございまひゅっ!」
緊張で舌を噛んでしまった。
更に恥ずかしくなる。
「「っ!?」」
すぅーっと音が聞こえたと思ったら
「優希くん、どうかな?私も似合ってる?」
髪色に近い服を着た薫さんはとても綺麗でいつもの大人な雰囲気から一変していた。
綺麗だけど、どちらかと言えば可愛いと思ってしまう。
「凄く、似合ってます。」
「よかった。由良も協力してくれてありがとう。」
「大丈夫大丈夫!いつも以上に可愛いよお姉ちゃん!」
気軽に可愛いと言えるのは姉妹故だからだろうか。
少し、羨ましい。
「それじゃ行こっか。」
そして僕達は浅草にやってきた。
やはり観光名所ということもあり沢山の人で賑わっている。
まずは有名な雷門を見た僕達はその大きさに圧倒されていた。
「そこら辺にあるお寺さんとは違いますね・・・」
「提灯大きすぎじゃないかなぁ。」
そして雷門を潜り仲見世に入るとそこには沢山のお店、人がいた。
「なんか良い香りがしますねっ!」
焼ける醤油の香ばしい香りに僕は惹かれ始める。
「本当だ、お煎餅かな?」
「浅草ってお煎餅有名だもんね!行ってみようよ!」
「うん、行こう!」
そして何件かお店を廻っているとお店の前で煎餅を焼いているお店があり、なんと焼き立てを買えるらしい。
僕達は1人1枚を注文してその間に店内を見て回る。
色々な種類のお煎餅が1枚から購入出来るようでお土産に良さそうなのでここで買う事にした。
「僕、ここのお煎餅お土産に買っていく事にします!」
「うん、いいと思う。私も何個か買って行こうかな。」
「自分用にも欲しくなっちゃうねぇ、お茶欲しくなっちゃう。」
「自分用にも・・・いいですね。」
僕は自分用にざらめなどの甘じょっぱいお煎餅をチョイスしてあとは何種類か入っているセットを何個か購入した。
裕翔といつも話しかけてくれる同じクラスの子に渡すとしよう。
あとは帰省するときに持って帰ろう!
お煎餅を購入したところで丁度頼んでいたお煎餅が焼き上がったらしい。
それを受け取った僕達は歩きながらそれを頬張る。
「美味しいですー!」
ポリポリとお煎餅を齧る僕は口いっぱいに広がる醤油とお米の風味を楽しんでいた。
「本当だ、凄く美味しい。」
「2枚目いけそうなくらい美味しいね!でも2枚目いっちゃうと他のもの食べられないから我慢我慢!」
その後も和菓子屋さんや軽い物を食べた僕達は宝蔵門と言う、俗に言うところの仁王門に辿り着いた。
スマホで仁王像をパシャリと撮り、僕達は門を抜ける。
すると多くの人が抜けた後に後ろを振り返る。
何があるのか気になった僕も後ろを振り向くと巨大なわらじがあった。
「大きいですね、ここにある物大体大きい気がします。」
「魔除けの意味があるらしいよ、こんなに大きなわらじを履く奴がこんなとこ守ってるなんてーって感じで魔が逃げていくらしいよ?」
「なるほど、確かにこんなのあったらびっくりしちゃいますね。」
「ふふっ、そうだね。」
「お姉ちゃん、次は本堂だよ!」
由良さんに急かされて僕達は本堂へ向かった。
本堂では聖観世音菩薩が本尊として奉られていているそう。
本堂の中は香炉があり煙が上がっている。
その煙を気になる場所にかけるとその場所の治りがよくなると言う言い伝えがあるそうな。
そして参拝を済ませた僕達は本堂を出て仲見世を歩いていた。
「薫さん、まだお昼前ですけど次はどこへ向かうんですか?」
「実は行きたいところがあるんだ、ここの隣にある神社なんだけど、ちょっと歩くけど大丈夫かな?」
「私も大丈夫だよお姉ちゃん!」
それから数分歩いていると大きな神社に辿り着いた。
中へ足を踏み入れ、お詣りをするためにまずは手を清める。
それから一緒になってお詣りをした。
僕は心の中で今の楽しく、平和な時間が続くようにと願った。
確かに恥ずかしかったりする事も多いけど、今まで体験した事もないような出来事が沢山起きている今がとても楽しく、充実している。
この時間がもっと続けばいいな、そう思ったからそう願わずにはいられなかった。
神社の中で御守りを授かると神社を出る。
そして僕は気になったので薫さんに質問した。
「ここの神社ってどんなご利益があるんですか?」
「ここの神社は心願成就、強く願った事が叶うって言われているよ。」
「わざわざここに来たという事は何か強く叶えたいお願いがあったんですか?」
そう言いながら唇に指を立てる薫さんの姿に思わず僕は見惚れてしまった。
それから観光名所と呼ばれる場所を巡り、夕方には全員疲れてしまいホテルへと戻っていった。
そして次の日の朝、僕達は名古屋へと帰っていった。
僕の長い長い遠征もこれで終わりを迎えた。 | Having parted ways with Senpai, I returned to my hotel.
After taking a shower and relaxing, there was a knock at my door.
It seemed Kaoru-san had come, so I opened the door and invited her in.
“Sorry for dropping by so suddenly, Yuki-kun.”
“It’s no problem at all! Did you need something?”
“Well, are you free tomorrow?”
“Mhm! I don’t have any plans!”
“Great! The thing is, Yura and I were talking about sightseeing in Tokyo. We were thinking of going to places like Asakusa. If you’re interested, would you like to join us?”
“I’ve never been, so I’d love to!”
“Hehe, then let’s head out early tomorrow morning. See you!”
Kaoru-san gives a shy smile as she leaves my room.
“Asakusa, huh... The only thing I know is that it’s famous for the Kaminarimon. I’m looking forward to seeing what it’s like.”
I felt a little excited in my room, but before I knew it, I had fallen asleep due to the day’s fatigue.
When morning came, I woke up, took a shower, and got ready.
That’s when I realized a devastating truth.
“I don’t have any men’s clothes.”
Indeed, this trip to Tokyo was originally planned for five days.
To avoid packing too much, I didn’t bring extra clothes.
I should have washed my clothes yesterday, but I was too sleepy and ended up going to bed without doing so.
Now, I am left with only one choice.
For some reason, I have women’s clothes.
“But... this is a little...”
It’s Yura-san. I opened the door while wearing the hotel clothes.
“Huh? Yuki-kun, why are you still in your hotel clothes?”
“Good morning, Yura-san. Actually...”
After explaining the situation to Yura-san, she replied with a broad smile.
“That’s fine, that’s fine! Leave it to me!!! I’ll make you look suuuper cute!”
My escape route has been cut off.
I have no choice but to brace myself.
At the same time, I vowed to start the washing machine in my room as soon as possible.
I need to wear regular clothes tomorrow...
With Yura-san’s help, I got ready.
The outfit was a white dress with a black camisole underneath.
“Okay, you’re all set! Since you already have long hair, shall we go without a wig today?”
“Huh?! No wig?!”
“Honestly, with your hair quality, you’ll look better without a wig. It’s quite smooth.”
“Mmh, as long as it doesn’t look weird...”
“It won’t look weird at all! Look in the mirror.”
“Uhh, I guess it doesn’t...”
“Right? Now, let’s go. Onee-chan is waiting for us.”
“Okay...”
It was embarrassing, but it was my fault for forgetting to wash my clothes. I took a deep breath and calmed myself down.
“I’m okay, let’s go!”
As Yura-san and I went down to the first floor via the elevator, a more stunning than usual Kaoru-san was waiting near the entrance.
“S-Sorry to keep you waiting.”
“Onee-chan, sorry to keep you waiting!”
“I haven’t been waiting that long, so it’s okay.”
“That outfit looks cute on you, Yuki-kun.”
“Ah, thank you v-very m-maf!”
In my nervousness, I bit my tongue.
This only added to my embarrassment.
“?!”
Just when I thought I heard the sound of deep breaths,
“Yuki-kun, how about me? Do I look good too?”
Kaoru-san, dressed in a color close to her hair’s, had completely changed from her usual mature atmosphere.
She looks beautiful, but if anything, I think she looks cute.
“It suits you very well.”
“I’m glad. Thank you for your help, Yura.”
“No problem! You look even cuter than usual, onee-chan!”
Perhaps it’s because they’re sisters that they can easily say ‘cute.’
I’m a little envious.
“Let’s go!”
And so, we arrived in Asakusa.
As expected of a tourist spot, it was bustling with people.
First, we visited the famous Kaminarimon and were overwhelmed by its size.
“It’s different from the temples around here...”
“Isn’t the lantern too big?”
After passing through Kaminarimon, we entered Nakamise, full of shops and people.
“Something smells good!”
The savory scent of burning soy sauce began to attract me.
“True, maybe it’s senbei?”
“Asakusa is famous for its senbei! Let’s go check it out!”
“Yeah, let’s go!”
After visiting a few shops, we found a store that was baking senbei in front of the shop, and it looked like we could buy freshly baked ones.
We ordered one each and looked around the shop while waiting.
There were many different types of senbei that could be purchased individually, so we decided to buy some as souvenirs.
“I’m going to buy some senbei as souvenirs!”
“That’s a good idea. I might buy a few myself.”
“I want some for myself, too. I feel like having some tea with it.”
“For yourself, huh... that’s a good idea.”
I chose some sweet and salty senbei like zaramame and bought a few assorted sets.
I’ll give some to Yuuto and my classmates, who always talk to me.
The rest I’ll take home to my family when I go back for a visit!
Just as we finished buying the senbei, the ones we had ordered were ready.
We received them and started to nibble on them as we walked.
“This is delicious!”
Crunching on the senbei, I enjoyed the taste of soy sauce and rice spreading in my mouth.
“You’re right. It really is.”
“It’s so good I could have a second one! But if I do, I won’t be able to eat anything else, so I gotta hold back!”
After that, we visited a Japanese confectionery shop and had some light snacks, and then we arrived at a place called Hozomon, commonly known as the Niomon gate.
I snapped a photo of the Nio statue with my phone, and we walked through the gate.
Then, after many people had left, they looked back.
Curious about what they were looking at, I also turned around to find a giant straw sandal.
“They’re massive. I feel like everything here is generally big.”
“They apparently ward off evil. It seems like demons would flee thinking – ‘who would dare to challenge this place guarded by someone wearing such huge sandals?’“ explains Kaoru-san to me.
“I see. I’d indeed be surprised if I saw something like this.”
“Hehe, yeah.”
“Onee-chan, the main hall is next!”
Yura-san urged us on, and we headed towards the main hall.
In the main hall, the principal object of worship was the holy Kannon Bodhisattva.
Inside was an incense burner with smoke rising from it.
There was a belief that it would heal if you wafted the smoke towards a part of your ailing body.
We paid our respects and left the main hall, and walked through the shopping area.
“Kaoru-san, it’s still before noon. Where are we heading next?”
“I actually have a place I want to go. It’s a shrine next to this place. We’ll have to walk a bit, though. Is that okay?”
“I’m fine too, onee-chan!”
“Then, follow me this way.”
After a few minutes of walking, we arrived at a large shrine.
We stepped inside and first cleansed our hands in preparation for our prayers.
Then we prayed together.
I wished in my heart for these happy, peaceful times to continue.
Sure, there have been plenty of embarrassing moments, but I’m also experiencing an abundance of new things I’ve never faced before. Right now, life is incredibly fun and fulfilling.
I can’t help but wish, and indeed hope, that these times could continue even longer.
After receiving an amulet at the shrine, we left.
Then I asked Kaoru-san a question out of curiosity.
“What kind of blessings does this shrine offer?”
“It’s said that this shrine helps fulfill heartfelt wishes, that if you wish strongly for something, it will come true.”
“So, the fact that you went out of your way to come here means you have a strong wish you want to be fulfilled?”
Saying this, Kaoru-san put her finger to her lips, and I was involuntarily captivated by her.
Afterward, we visited the so-called tourist spots, and by evening, we were all tired and returned to the hotel.
The next morning, we returned to Nagoya.
Thus, my long, long trip came to an end. | {
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俺が店長になってか目のアイヲンモール異世界店。
閉店業務を終えた俺は、テナントスペースのエスカレーターを上がっていく。
営業してないエリアのエスカレーターは動かしてない。だから階段として上がっていく。
まで上がって、さらに上へ。
俺が向かったのは屋上だ。
「そういえばこのエスカレーターを上がるのは初めてか。......うわあ」
エスカレーターを上りきった場所には出入り口がある。
屋上駐車場へ出る、屋根付きのちょっとした空間。
普通のアイヲンモールなら休憩用のソファや自動販売機があるそこには、いろんなものが置かれていた。
「石? それに流木? こっちはボロ布で......これ、ウロコじゃ」
インテリアや装飾にしてはがない。
まるで「子供の宝物」みたいに、そこらで拾ってきたような物が並んでる。
キラキラした石、角がない丸い石、黒いスジが入った岩、皮がはげて白っぽい木、野ざらしになってたのか汚れた布、何かの生き物のウロコ。
どれも「子供の宝物」にしてはデカい。石は1mぐらいあるし。
少なくともポケットには入らないだろう。
「というかこの赤いウロコはバルベラのだろ! そりゃアンナさんが『いつも余るぐらいですよ』って言うはずだわ!」
無造作に重なる数枚のウロコから、一枚を手に取ってみる。
だいたい手のひらよりちょっと大きいぐらい。生えてた場所によるのか、ウロコには大小あるみたいだ。
思ったよりも硬くない。いや、硬いんだけどグニッと曲がる。
「硬いけど弾力があるって防具に使えそう。魔力を引き出せて、粉にすれば燃料になるんだっけ......これ、宝の山なんじゃ」
ゴクリと唾を呑み込む。
アイヲンモール異世界店の目標は月間売上一億円なのに日間売上10万円もいかないいま、売れる商品が必要なわけで。
「ま、まあ最終手段だな! アイヲンモールの売り物がモンスターの素材って微妙な気がするから! でも『
赤いウロコをそっと元の場所に戻す。
月間売上一億円を達成しなきゃいけないの月後だ。
ウロコは従業員の持ち物? 落とし物? なわけで、一億円いきそうになかったら考えよう。
「子供の宝物」が並ぶこの空間は、バルベラが部屋か倉庫として使ってるみたいだ。
アイヲンモール異世界店のスペースなのに。
まあ俺もテナントスペースに住んでるわけだし、他人のことは言えない。
「おおっ、きたかナオヤ!」
「ナオヤさん、ちょうど良かったです。いま焼けるところですよ」
「......おにく!」
バルベラが使ってる空間から外に出ると、すぐそこにクロエとアンナさん、バルベラがいた。
地面に石を積んだ
「おっ、いい匂い! やっぱり野外でBBQっていいよなあ! しかも炭火か、わかってる!......じゃなくて! 屋上は火気厳禁とかそういうレベルじゃねえなコレ!」
「どうしたナオヤ?」
「待ってバルベラちゃん、ちゃんと焼いてから食べましょう?」
「......変身する」
「あら、いいの? ドラゴン形態になったらこの量じゃ足りなくないかしら?」
「そうだね仔兎の肉だし量はないもんね! ドラゴンに変化したら一口だよね! そういうことでもなくて!」
俺のノリツッコミにコテンと首を傾げるバルベラ。
クロエもキョトンとして、アンナさんはニコニコしてる。
アイヲンモール異世界店の屋上は、俺がいたアイヲンモール春日野店とは違っていた。
屋上の駐車場も土だった。地上の駐車場と同じく。
屋上まで土を運ぶのって大変、ってそもそも建設に魔法が使われたんだっけ。
でも屋上の駐車場が土なのにエスカレーターやエレベーターの出入り口、それにフードコートの排気口なんかは普通に存在してどこかシュールだ。
ちなみに、地上から屋上へ行くための車用スロープはコンクリートだった。だったら屋上もコンクリにしとけよ。
「落ち着け、落ち着け俺。ここは異世界だ。この店は日本のアイヲンモールじゃなくてアイヲンモール異世界店だ。この程度なら普通だろ。許容範囲だろ」
自分に言い聞かせる。
三人の女子は楽しそうだ。
女子会にしてはずいぶんアウトドアだけど。
俺は、たぶん俺のために空いてた木のイスに座った。
丸太を輪切りにして地面に置いただけのイスに。
大丈夫大丈夫、こういうイスなら日本にもある。
ただちょっとワイルドで、アイヲンモールの屋上にあるのは違和感スゴいだけで。
「よし。受け入れた。ぜんぶ受け入れた。さーて、ウサギ肉は初めてだしどんな味なのかなあっと!」
突っ込んだって意味がないし答えもない。
もう俺にもわかってるので、開き直って楽しむことにする。
アイヲンモールの屋上でBBQできるって楽しそうだし! 日本でもやればいいのになあ! ハハッ!
「はい、焼けましたよバルベラちゃん。これどうぞ」
「これもよさそうだな! さあナオヤ、私が狩った仔兎の肉を味わうといい!」
「あー、ありがとうクロエ」
アンナさんはバルベラに、クロエは俺に串焼きの肉を差し出してくる。
まだじゅうじゅう言ってる肉を、バルベラは気にせずパクッと一口でいった。
「あっ! おいバルベラ!」
「ふふ、心配いりませんよナオヤさん。バルベラちゃんはレッドドラゴンですから」
「......おいしい」
「そりゃドラゴンが『肉が熱い』ぐらいでヤケドするわけないか。はあ......あちッ! あ、おいしい」
一口でいったバルベラとは違って、普通の人間な俺は冷ましてから端をかじる。
人生初のウサギ肉は、柔らかくて臭みも感じなかった。
「鶏肉と豚肉の中間って感じかな。これがウサギ肉、あーっと、一角ウサギってモンスターの肉だし普通のウサギ肉とは違うのかも。でもおいしい。おいしいけど、味付けは塩を振っただけって」
「うむ、仔兎は柔らかくておいしいな! やっぱり肉は素晴らしい!」
「もうちょっと感想あるだろクロエ。そういえば街で山羊肉を食べた時も歯ごたえのことしか言ってなかったな」
「はあ、おいしいです。炭火で炙られた仔兎の肉は外はパリッと中はジューシーで噛むほどに肉の旨みが染み出てきます。体の中に滋養を取り入れて精がつくような......」
「アンデッドって消化吸収できるの? 血肉を作れる? 精がつく? アンナさん、その辺どうなってるんですか? というかわざと言ってますよね?」
「......もうない」
「一角ウサギだけど子供だから普通のウサギサイズだったもんなあ。ほらバルベラ、俺の分をやるから」
「ナ、ナオヤ! 私にはないのかッ!」
「あー、街でほかの肉を買ってくればよかったな。クロエ、ガレットを出してくれ。夕飯が肉ひと口じゃ俺も足りないし」
仔兎はおいしかったけど、四人で食べたらあっという間だ。
ほかに用意してないみたいだし、ポーチからガレットを出してもらうようクロエに頼む。
「クロエ、ジャムもな。アンナさんとバルベラもよかったらどうぞ。街へ行ってきたお土産です」
「まあ! ありがとうございます、ナオヤさん」
「......おいしい?」
「さあ、ドラゴンの口に合うかなあ」
クロエはもぐもぐ口を動かしながら、腰のポーチからガレットを出していく。
空いてた木のイスの上に直置きするあたり、この世界の衛生観念は怪しい。いやクロエはきっと置いたあとに『浄化』すればいいとでも思ってるんだろう。異世界怖い。
「四人分の夕飯って考えたら足りないか?」
「あの、ナオヤさん。バルベラちゃんはドラゴンで幻想種ですから、魔力さえあれば食事はしなくてもいいんです。それに私もアンデッドなので食べなくても......」
「え? でもいともウサギ肉を食べてましたよね? 前にポトフを作った時も」
「味はわかりますから、食事は趣味のようなものです。ですから、ガレットも一枚いただければ充分で」
「あ、そういう感じなんですね。いや一枚ずつしか買ってきてないわけじゃないんで遠慮せ」
「......甘い! もっと!」
「言われる前にガレットをおかわりしてるし! よーしよし、よく食べて大きくなるんだぞー」
「......もう大きい。見る?」
「いやいいから! バルベラのドラゴン形態が大きいのは知ってるから!」
子供扱いにムッとして変化しようとしたバルベラを止める。
そんな俺たちを見てアンナさんは「仲良しになりましたね」とクスクス笑い、クロエは気にせずガレットに夢中だ。お前は街でさんざん食っただろ。
とりあえず、果実のジャム乗せガレットはバルベラにもアンナさんにも好評だった。
女子会、もとい、俺も参加した食事会は続く。 | Episode -It was my fourth day as manager of the Aion Mall Otherworldly Store.
After finishing my job of closing the store, I went up the escalator in the space for tenants.
They do not operate the escalators in the areas that are not open for business. So I took the escalator up as stairs.
Going up to the third floor, I went further up.
I headed for the rooftop.
“Come to think of it, this is the first time I’m going up this escalator. ......Whoa.”
At the end of the escalator, there is a doorway.
There is a small covered space that leads out to the rooftop parking lot.
Usually in the Aion Mall, there would be couches and vending machines for resting, but in this space, there were all sorts of things placed there.
“Stones? And pieces of driftwood? This one is a rag, and that one is ......, scales.”
The interior and decorations lacked a sense of unity.
It looked as if they were “children’s treasures,” as if they had been picked up from somewhere around the place.
Sparkling stones, round stones with no corners, rocks with black spots, bark stripped off and whitish wood, soiled rags that had probably been left out in the wild, and scales of some creature.
They were all too big to be “children’s treasures”. The stone was about one meter long.
It wouldn’t fit in my pocket at least.
“Or rather, these red scales must be Barbera’s! That’s why Anna-san says, ‘We always have a few left over!'”
Among several randomly stacked scales, I picked up a piece.
It was about a little bigger than the palm of my hand. It seems that the scales are large or small, depending on where they grew.
It is not as hard as I thought it would be. No, they are hard, but they are bendable.
“They are hard but elastic, so they could be used for armor. It can draw magic power, and if it is crushed into powder, it can be used as fuel. ...... This could be a great treasure trove.”
I gulped and swallowed my saliva.
The goal of the Aion Mall Isekai store is million yen in monthly sales, but daily sales are less than 0,000 yen, so we need products that sell well.
“W-well, it’s a last resort! I don’t think it’s very appropriate for the Aion Mall to be selling monster materials! But I don’t know if it’s possible, since everything from ‘A’ to ‘Z’ is available at Aion. ......”
I gently put the red scales back in place.
It’s five months before we have to achieve 100 million yen in revenue per month.
Do the scales belong to an employee? Lost property? So, if it doesn’t look like we’re going to make 100 million yen, let’s think about it.
It seems that Barbera is using this space, containing “children’s treasures,” as a sort of room or a warehouse.
Although it is the space of Aion Mall’s Otherworldly Store.
I can’t speak for others, since I live in the tenant’s space.
“Oh, you’re finally here, Naoya!”
“Naoya-san, you are just in time. We’re just about to cook it.”
“...... Meat!”
When I went out from the space Barbera was using, Chloe, Anna-san and Barbera were right there.
They were roasting meat on a wooden spit in a stone pit on the ground.
“Oh, it smells so good! I knew it was good to have an outdoor BBQ! What’s more, it’s over charcoal, I know! ...... Hol’up! Aren’t we talking about the rooftop fire ban or anything like that just a moment ago?!”
“What’s up, Naoya?”
“Hold on, Barbera-chan, let’s cook this properly before we eat it, okay?”
“...... I want to transform.”
“Oh, are you sure? Do you think this will be enough for you when you take dragon form?”
“Well, of course, it’s only rabbit meat, it’s not that much! It’s only one bite when you turn into a dragon! -It’s not about that!”
Barbera tilts her head in confusion at my outburst.
Chloe is also a bit nervous, and Anna-san is smiling.
The rooftop of the Aion Mall Otherworld Store was different from the rooftop of the Aion Mall Kasugano where I was.
The rooftop parking lot was dirt. Just like the parking lot on the ground.
I wondered how hard it was to carry dirt to the rooftop, and if magic was used to build it in the first place.
Though the rooftop parking lot was dirt, the escalators, elevator entrances, and the exhaust vents of the food court were normal, which was somewhat surrealistic.
By the way, the ramp from the ground to the rooftop was made of concrete. If that’s the case, the rooftop should be concrete, too.
“Calm down, calm down. This is a different world. This is not the Aion Mall in Japan, but the Aion Mall Otherworldly Store. This is normal. It’s acceptable.”
I told myself that.
These three girls seem to be having a good time.
Although they are very outdoorsy for a girls’ night out.
I sat down on a wooden chair that was probably left empty for me.
The chair was just a log sliced into a circle and placed on the ground.
No worries, we have chairs like this in Japan, too.
It was just a little wild, and it would be very strange to have it on the rooftop of the Aion Mall.
“Okay, I accept it. I accepted it. I accepted everything. Well, I’ve never had rabbit meat before, so I wonder what it tastes like!”
There’s no point in rambling on and there’s no answer.
Since I already have an idea about it, I’m just going to open up and enjoy it.
I’m sure it will be fun to have a BBQ on the rooftop of the Aion Mall! I wish they did that in Japan too! Hahaha!
“Here you go, Barbera-chan. Enjoy this.”
“This looks good too! Come on, Naoya, taste the meat of the rabbit I hunted for you!”
“Ah, thank you, Chloe.”
Anna-san offers Barbera and Chloe offers me the meat on a skewer.
Barbera took a bite of the still-sizzling meat, without care.
“Ah! Hey, Barbera!”
“Fufu, no need to worry, Naoya-san. Barbera is a red dragon.”
“...... delish.”
“”Of course a dragon wouldn’t get burned just because the meat is hot, would it? Sigh.... -hot! Oh, it’s delicious.”
Unlike Barbera who took a bite, I, as a normal human being, let it cool down and then took a bite at the end.
The first rabbit meat in my life was tender and had no smell.
“It was somewhere between chicken and pork. This was rabbit meat...huh, maybe it’s different from normal rabbit meat because it’s the meat of a one-horned rabbit, a monster. But it is delicious. It’s delicious, but the only seasoning is a sprinkling of salt.”
“Mmm, the rabbit is tender and tasty! Meat is wonderful after all!”
“You must have some more thoughts on that, Chloe. Come to think of it, when we ate goat meat in the city, all you said was how chewy it was.”
“Ha, it’s delicious. The meat of the rabbit roasted over charcoal is crispy on the outside and juicy on the inside, and the more you chew it, the more the flavor of the meat seeps out. It’s nourishing and invigorating ......”
“Can the undead digest and consume it? Can they carve blood? Can they get nourished? What’s going on with that, Anna-san? Are you saying that on purpose?”
“...... its gone.”
“You know, they’re one-horned rabbits, but they’re still young, the size of normal rabbits. There you go, Barbera. I’ll give you my share.”
“Na-naoya! Don’t you have any for me!”
“Ah, I should have bought some more meat in town. Chloe, bring out the galette. A bite of meat for dinner is not enough for me either.”
The rabbit was delicious, but it was not enough for the four of us to eat.
I asked Chloe to bring out the galette from the porch, since there didn’t seem to be anything else available.
“Chloe, the jam too. Anna-san and Barbera can have some too, if you want. They are souvenirs from our trip to the city.”
“Oh my! Thank you, Naoya-san.”
“...... delish?”
“Dunno, I wonder if it’s good enough for a dragon’s palate.”
Chloe wriggles her lips and pulls out a galette from the pouch on her hip.
The hygiene of this world is questionable, as she places it directly on an empty wooden chair. I’m sure Chloe thinks she can just ‘purify’ it after placing it there. Another world is frightening.
“Is it enough for a dinner for four people?”
“Um, Naoya-san. Barbera is a dragon and an amorous species, so as long as she has magic power, she doesn’t need to eat. Besides, I am also an undead, so I don’t have to eat .......”
“Eh? But you were both eating rabbit meat, weren’t you? Even when I made pot-au-feu before.”
“I know what it tastes like, so eating is kind of a hobby of mine. So one galette would be enough for me.”
“I see that’s how it is. No, I didn’t buy them only one at a time, so don’t be shy.”
“...... Sweet! More!”
“And before you can say anything, I have another galette! Good, good, eat well and grow up!”
“...... am already big. Want to see?”
“No, no, I don’t! Look, I know Barbera’s dragon form is big!”
She was so offended at being treated like a child that I stopped Barbera from transforming.
Anna-san giggles at us and says, “We’ve become good friends,” while Chloe is preoccupied with the galette, not minding us. You had a lot of food in town, didn’t you?
Anyway, the galette with fruit jam was a hit with both Barbera and Anna-san.
The girls’ night out, or rather the dinner party in which I also participated, continued. | {
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......もしここで私が魔法を使ったなんて情報がヴィクターの耳に入れば私は終わりだわ。他国の貴族だっでバレてしまうわ。
諦めるのも賢明な判断かもしれない。
そもそも、ラヴァール国は魔法があるかないか定かではない国だったし......。本に書いていることは全て本当だとは限らないもの。
魔法を使える者は数名はいるって書かれていたけれど、日々世界が変化する中じゃ最新情報を手に入れることは難しい。
「情報屋でも雇おうかしら」
今の私にそんな財力はないけど。
それにしても、色々気になる点が多いのよね。国外追放されたウィルおじさんと共に仕事をしていの人間とか、学園に現れた狼の件、そして、魔法を使える人間の割合はどのくらいなのか......。
国王様は魔法は使えないって思ってたけど、なんかヴィクターは使えそうなのよね。あくまで勘だけど。
「頭がパンクしそうだわ」
ややこし過ぎない? 複雑な迷路に迷い込んだ気分だわ。
とりあえず、この魔法を使った人間がどういう人なのか気になるわね。
でも、今は魔法を使っていい時じゃない。もう少しこの国のことを知ってからじゃないと......。
心の中で小さくため息をつく。今日のところは帰るしかなさそうね。
「おチビ! こんなところで何してんだ?」
塔を出てくるなり、誰かに声を掛けられる。
この人は......、昨日一緒に訓練をしていた兵士達の一人だわ。私回の腕立て伏せを終えた瞬間、物凄い歓声を上げていた。
「僕の名前、リアです」
「そうか。俺の名前はジェイコブだ! よろしくな。それで、おチビ、この塔に入ったのか?」
私の話を少しも聞いていない。
「入りました」
「俺らには敬語じゃなくて大丈夫だぞ。......で、どうだった?」
ジェイコブは、塔の感想を興味津々で私に聞いてくる。
この塔ってもしかして、有名なの? ということは、ヴィクターは全員にここに行かせていること?
魔法を使えるか否かをここで発見するってことかしら。もしそうなら、あの時、魔法を使わないで本当に良かったわ。
......けど、あの時の私を試すような目は一体なんだったの。
ヴィクターの考えていることがいまいち分からないわ。
「ここは誰もが行かされるんだよ。......上まで行けなかっただろう?」
「行けた人間は過去にいるの?」
「俺が知っている限りでは誰もいない」
「もし、行けたらどうなる?」
「知らねえ。行けた奴を知らないからな。まぁ、でも色々な噂はあるぜ。出世できるとか、王から褒美をもらえるとかな。......まぁ、魔法を使える奴が現れない限り無理だろうけど」
「誰が魔法を使えるの?」
私の質問にジェイコブは訝し気な表情を浮かべる。
こいつ馬鹿か、と思っているのが顔に出ているわよ。
「この国に魔法を使える人間はいねえよ」
私は彼の言葉に一瞬耳を疑う。
書物にはいるって書いてあった、と言おうとしたがやめておいた。
まず今の私が本を読んで教育を受けているなんてあり得ないし......。
それに、少なくともここに国外追放された三人は何らかの魔法を使えるはず。それなのに、誰も知らないってことは......機密情報ってことかしら。
狼が学園に飛ばされたのはあれは完全に転送魔法だもの。
こういう隠されたことを暴くの大好きよ。これから面白くなりそうだわ! | ...If Victor hears that I’ve used magic here, I’m finished. He will instantly know that I am a nobleman from another country.
It might be wise to give up.
To begin with, the Ravaal Kingdom was a country where magic may or may not exist...Not everything written in the books had to be true.
There were a few people who could use magic, but it was difficult to get the latest information in a world that was forever changing.
“Maybe I should hire an informant.”
I didn’t have the financial resources to do that right now, though.
But still, there were a lot of things that were bothering me. The three people who worked for exiled Uncle Will, the wolf who appeared at the school, and the percentage of people who could use magic in this kingdom....
I thought the King couldn’t use magic, but something tells me that Victor can. It was just a hunch, though.
“I think my head is going to explode.”
It was too complicated, right? I feel like I’ve gotten lost in a maze.
At any rate, I’m curious to know what kind of person cast this magic.
But now would not be a good time to use magic. I need to know a little bit more about this country...
I sigh a little in my heart. I guess I should go home for today.
“Hey, little guy! What are you doing here?”
As soon as I came out of the tower, someone called out to me.
This person was one of the soldiers I was training with yesterday. He had cheered thunderously as soon as I had finished the push-up punishment.
“My name is Ria.”
“I see. My name is Jacob! Nice to meet you. So, did you go into the tower, little guy?”
He didn’t listen to me one bit.
“Yes, I entered.”
“You don’t have to be respectful to us. ...So, how was it?”
Jacob asked me, curious as to what I thought of the tower.
Was this tower famous? Did Victor send everyone to this place?
I wonder if this could be the place to discover if someone could use magic or not. If so, I should be glad I didn’t use magic.
...but what was that look in his eyes that felt like he was testing me?
I had no idea what Victor was thinking.
“This is where everyone is made to go, you know. You didn’t make it to the top, did you?”
“Has anyone ever been up there?”
“No one that I know of.”
“...and what if you could?”
“I don’t know. Nobody I know has been there. Well, there are a lot of rumors. They say you’ll get a promotion, or a reward from the king. Well, it won’t happen unless someone who can use magic appears.
“Who can use magic?”
Jacob looked quizzical at my question.
I could tell by his expression that he thinks I’m an idiot.
“No one in this country can use magic.”
I couldn’t believe my ears for a moment when he said that.
I was about to say that the Book said there were, but decided not to.
First of all, there is no way I should be getting educated by reading books now...
Besides, at least the three people deported here must be able to use some kind of magic. And yet, if no one knew about it...I guess that would mean it was classified information.
As for the wolf being sent to the academy, that was totally transfer magic.
I love it when you uncover hidden things like this. This could get interesting! | {
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メルクはいったんアスタードの家を出ると、籠を持って付近を探索。そして半時ほどの時間をかけて戻って来た。
背中にしょい籠を背負ったメルクを見て、出迎えてくれたケーナが不思議そうに首を傾げた。メルクは
「ああ、気にしないでくれ。大した物は入っていない。それより買い物から帰って来てたんだな、ケーナ。テテムはどうした?」
「テテムちゃんならここにいますよ?」
その言葉に、見ればケーナの背後に隠れるように立つ少女。あまり接する時間はなかったはずだが、その様子からすっかりケーナのことを信頼しきっていることがわかった。逆にメルクには少し警戒するような目を向けてくる。
「テテムちゃん。この人はメルクさんと言って、とても優しい方ですよ?」
「......」
頭の後ろの方を掻いて気を落としたメルクに、ケーナがフォローするようにそう言うも、少女の視線が和らぐことはなかった。ケーナの服の
「うーん、まぁいいか。ケーナに懐いているのなら、悪いけど面倒を見てもらってもいいか?」
「はい、もちろんです」
「アスタードは多分、ギルドに行ってるんだろう? 私はその間、奴の部屋を借りて少しすることがある。気にしないでくれ」
「はい」
「さて、何を調合するか......」
周囲を見て回り、拾ってきた物や採取してきた物を机の上に広げる。
広げられたそれらは主に草や木の幹、枝や葉っぱなど他人が見ればガラクタもいいところだろう。子どもの遊戯にしか使えまい。
さすがに師匠であったルゾーウルムの作業所のように器具は整っていないが、アスタードはそれなりに研究道具をこの部屋に置いている。薬術に応用できそうな物もいくつかあり、これならば大抵の薬は作れるだろう。
問題は、何の薬を作るかである。
(うーん......とりあえず『沈痛血止め薬』と『魔力回復薬』、それと『解熱薬』でも作るかな?)
少しは自分用にストックが欲しいところであるが、薬を作る主な目的はケーナへの礼のためである。
メルクが女装をする手伝いをしてくれた彼女へ、メルクなりにお返しがしたかったのだ。若い娘であるため、貴金属や流行りの服などの方が喜んでもらえるのかもしれないが、ケーナはアスタードの弟子になりたがっている。あの男の弟子になるのであれば、きっと『血止め薬』などの実践的な薬は役に立つはずだ。
メルクはさっそく薬作りに取り掛かり、作りたかったものを手早く完成させてしまった。少しブランクがあったために難航するかと思えば、やはり繰り返した修練は嘘をつかないらしい。
「思ったより早く完成したが......あ、そうだ。余計なお世話かもしれないが、何があるか分からないし、な」
『体力回復薬』は本来、多量の出血により体力を失った者や、極度に疲労した者たちへ体力を回復させるために使用される。無論、熱や風邪などの倦怠感にも効く。
だが『体力回復薬』はその本来の用途とは別に――いや、本来の用途以上に異なる目的で買い求められることが多い。
を共にしようって時に『アレ』だったらケーナが可哀そうだしな......)
いくらも気の早いことであるし、本人たちには本当に余計なお世話な気の使い方だった。おまけにアスタードのだらしなさを想定しているのであれば、ケーナにではなくアスタード本人に渡せばいいのだが、残念ながらそこには気が回らない。
いていたアスタードが帰って来た。そして部屋に入って中を見るなり、思わずと言った様子で眉間に
を寄せる。
「悪いな、今すぐ片付けるよ。ちょうど作業は終わったんだ」
「そうですか......しかし、薬術とは興味深いですね。こんな雑草や木の枝が薬になるなんて......いつか僕も学んでみたいものです」
部屋の中を掃除し始めたメルクに、散らばっていた素材をしげしげと観察しつつアスタードが言う。様々な知識を持つ大賢者と言えども、どうやら薬術に関しては門外漢であるようだ。
「ふふん。まぁ、機会があれば教えてやるよ」
「いいえ、けっこう。君から教わるなんて屈辱なので」
胸を張って得意げな顔をしたメルクに、アスタードがバッサリと切り捨て首を横に振った。メルクは少し落ち込んだ。
「それより、いくつか話があります。先ほどレザウ公爵と連絡を取るため、ギルドへ行ってきたんですが――」
「公爵と連絡を取るため? ギルドに公爵が来ているのか?」
気になったメルクは思わずアスタードの言葉を遮って首を傾げる。アスタードがギルドへ行ってきたのは知っているが、よもや公爵と連絡を取るためとは知らなかったのだ。
「そんなに都合よく公爵がこの街に来るわけないじゃないですか。ギルドには公爵の元へ直通の魔石が置いてあるんです。それを借りて連絡を取ってきました」
「へぇ、そんなに便利なものがあるのか......あれ? そんな話を誰かもしていたような」
何やら聞き覚えのある話に記憶を探れば、今朝出会ったトトアラのパーティー――『
』がそのような会話をしていた気がする。
「話してわかったことですが、公爵の方も冒険者を雇って独自に内偵を進めていたようですね。そして冒険者が持ち寄った情報と君が手に入れた秘密書類があれば、どうやらフォナン伯爵をしょっ引くことができるようです」
「へぇっ、それは
じゃないか。じゃあ、近日中には伯爵は捕まるのか?」
メルクの問いかけに、アスタードはもったいぶるように腕を組んで難しい顔をした。
「外聞的に、おそらく公爵の兵が直接フォナン伯爵を取り調べる必要があるでしょう。なのでその公爵の兵が到着する――あるの猶予はあるのではないでしょうか?」
「なに? その間に、きっと伯爵は私が秘密書類を盗み出したことに気が付くぞ?」
「ええ、そうでしょうね」
あるいはこの瞬間にはもう、フォナン伯爵は隠していた書類が無くなっていることに気付いている可能性だってある。
「兵の到着まではおそらく監視もつくはずです。が、絶体絶命の
「......」
アスタードのその願いは、どう考えても叶わないようにメルクには思えた。 | As soon as Astard departed, Merc grabbed a basket and began scurrying around the house. She returned after about a half-hour.
“Welcome back Miss Merc. What are you carrying?” Kena inquired, puzzled, as soon as she saw Merc enter the house.
Merc simply responded with a shake of her head and the words, “Nothing much. I see you’ve come back from shopping. Where’s Tetem?”
“Temis right here.”
Merc looked behind Kena’s back and saw a small girl who appeared to be hiding. Despite the fact that they hadn’t spent much time together, they appeared to have developed a close relationship. On the other hand, Tetem appeared to be on the fence about Merc.
“I guess I’m not her type.”
“Tem. This kind person here is Miss Merc.”
“......”
Kena said, attempting to defuse the situation, but Tetem’s expression remained unchanged. She kept her grasp on Kena’s sleeve, unwilling to be friendly.
“Oh well, nothing we can do. I’m sorry to ask, but since she’s grown fond of you, would you mind looking after her, Kena?”
“Of course not.”
“Astard is probably at the Guild right now. I’ll be using his room, so don’t be alarmed if you hear noises.”
“Okay.”
“What should I make...”
Merc strewed the items she’d acquired on the desk after taking a look around.
Grass, tree trunks, branches, and leaves made up the bulk of her findings. Mostly things that children loved to play with. However, in Merc’s eyes, they were valuable materials. She intended to use these materials to make drugs.
Despite the fact that Astard’s room was not as well-equipped as Rosemary’s, there was still some research equipment in it. Merc had all of the equipment required to produce practically any drug.
The question was which drug to make.
Hmph... Let’s start with Analgesic Blood-Stopping Medicine, a Mana Recovery Drug, and an Antipyretic.
Merc also intended to stock up on some drugs, but the main goal of this concocting session was to repay Kena.
This was Merc’s way of saying thank you for the clothes. Kena was still young, so she might have loved jewelry and fashionable clothing, but she also desired to be Astard’s disciple. If she was to be his disciple, drugs like the Blood-Stopping Medicine would undoubtedly come in handy.
Merc got right to work and finished what she had planned in no time. She expected it to be difficult because she hadn’t done it in a while, but to her delight, muscle memory pulled through admirably.
“Phew. That didn’t take long. Oh yeah. I should make
that
Merc began making a new drug after sifting through the leftover materials. The name of that drug was Stamina Recovery Drug. It was frequently used to restore a patient’s stamina in circumstances of severe blood loss or fatigue. It also helped with fevers, colds, and other indicators of fatigue.
It was, however, widely utilized for a different purpose that had nothing to do with its intended one. Namely, bedroom rodeo.
doesn’t perform as it should, Kena will surely be disappointed.
worst
come. Given Astard’s dullness, it would seem natural for Merc to deliver the drug to him directly, but she opted not to go that far.
Astard returned from the Guild just as Merc finished her laborious tasks. His eyes widened in surprise as he entered the room, and his brow furrowed.
“I’m sorry. I just finished. I’ll clean up right away.”
“It’s fine. Regardless, Alchemy is extremely intriguing. I’d like to learn how to make drugs from twigs and weeds one day as well.”
Astard said as he examined some of the materials while Merc was cleaning up the room. Despite his status as the Great Sage and his vast knowledge, he appeared to be a novice when it came to Alchemy.
“In that case, I’ll teach you when I have the chance.”
“I’ll pass. Learning from you would be mortifying.” Astard said proudly.
“That aside, there are some matters that we need to discuss. As you know I went to the Guild to contact Duke Lezau and...”
“You went to contact the Duke? Is the Duke at the Guild?”
Merc asked, cutting Astard off.
She knew that he’d gone out to visit the Guild, however, she didn’t know he’d done it to contact the Duke. Astard calmly shook his head in response to Merc’s question.
“If only we were that lucky. The Guild has a Magic Stone that can contact the Duke. I used that.”
“They sure have some useful things. Wait... I feel like I’ve heard that somewhere.”
When Merc rummaged through her memories, she remembered Totoara’s party, the Keepers of the Wind, discussing the same topic earlier that day. Unfortunately, Merc had been preoccupied at the time, so she hadn’t heard much.
“I learnt from our discussion that the Duke has also employed adventurers for a reconnaissance mission. We’ll be able to apprehend Count Fonan using their information as well as the documents you brought.”
“That’s perfect! So the Count will be apprehended soon.”
Merc exclaimed happily. Astard, on the other hand, crossed his arms and his expression darkened.
“Unfortunately, the Duke’s soldiers will have to question Count Fonan in person for the sake of appearances. As a result, it’s possible that the Duke’s men will take two, three, or even four or five days to arrive.”
“What? By that time, the Count will have realized that his documents have been stolen!”
“That’s right.”
It’s also likely that Count Fonan was already aware that his papers had been stolen.
“However, until then, there will certainly be men keeping an eye on the Count. I’m hoping the Count doesn’t try anything stupid when he discovers he’s in a dangerous situation.”
“......”
Sadly, Merc felt that Astard’s wish would never come to pass. | {
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メルクや冒険者たちが里に下りて討伐報告を済ませると、すぐに確認のために人員が派遣され、無事に討伐証明が成された。
エルフは暗闇でも夜目が利くため、討伐証明が済んだころには既に日は落ちていたが、そのまま魔物たちの処理までなされたらしい。
冒険者たちは討伐した魔物の素材を全てエルフ側に売り払ったので、里の者たちは『
にしていた。
そして里長の屋敷に再び招かれた冒険者たちとメルクは、里長と相談役の前に並んで座っていた。この後、簡単な宴が催されるとの事で、その前に謝辞を述べたいと言う里長たっての希望だった。
「そんな、顔を上げて下さい」
深々と頭を下げた里長に、ヨナヒムが面食らったような顔をする。隣にいた相談役も、慌てて里長の体を起こさせた。
「里長、外の者に容易く頭を下げては格を落としますぞ。エルフの里の長らしく、堂々として下され」
「しかしのう、情報が間違いだったのは事実じゃ。今回は冒険者殿らが凄腕じゃったので事なきを得たが間違えれば危うかったかもしれん」
「それはそうですが......いや、我々も山に『炎翼狼』が出たとは言いましたが、一体だけとは言っていなかったではないですか。別に間違った情報提供をしたわけでも、虚偽の依頼をしたわけでもないのです。ギルドだって文句は言えやしませんよ」
「......」
相談役の元も子もない言いざまに、さすがにヨナヒムが物言いたげな顔になった。エレアに至っては眉間にしわを寄せ、これ以上機嫌を悪くすれば隣に置いてある槍に手が伸びるかもしれない。
(おいおい。ここで騒ぎが起これば、里長から認められるとかの問題ではないぞ)
メルクは今後の里のためにも自分のためにも、出しゃばりだとは思いつつ忠言を述べる。
「......相談役、依頼が果たされたことで、冒険者の皆様を用済みであるとお考えではないですか?」
「なに?」
「そうでなければ、そう言った言葉は慎むべきです。冒険者の皆様が気を悪くしてしまいますよ」
るように立ち上がった相談役を、メルクは座ったまま静かに見上げる。
「仮に用済みであると本気でお考えなら、あなたは何もわかっていない。このままではあなたのその態度がエルフの里の総意だと捉えられ、彼らの口から冒険者ギルドへ伝わるでしょう。そうなれば、今後エルフの里が今回のように困って依頼を出しても、依頼を受けてもらえないかもしれませんよ?」
「――そ、そんなことが」
に否定しようとしたが、しかしすぐにありえない話ではないことに気付いたように黙って再び座り直した。
「まぁ、考えられる話ではあるのう。冒険者たちが依頼を受けてくれるかは冒険者ギルドの
里長もしみじみと呟いてから、改めて深々と冒険者たちに向かって頭を下げた。
「重ね重ね、すまなかったのう。むろん、討伐報酬は増額......いや、倍額にさせてもらおう。買い取った素材についても、多少の色を付けさせてもらう......それでよいか?」
「......里長殿。報酬の倍額をお考えになる前に、俺の話を聞いてくれませんか? もう一体の『炎翼狼』の話です」
すぐには了承せず、何故か話を混ぜ返したヨナヒムに里長が怪訝な顔つきとなった。
本来であれば破格の報酬である。これで冒険者たちが納得しない理由は何かと探る眼だ。
「実は、もう一体の『炎翼狼』に関しては、案内役として俺たちに同行してくれたメルクが一人で討伐したのです」
「......は?」
「なんとっ!」
「メルクがいなければ、俺たちのパーティーは全滅していたかもしれません......つまり、俺たちの報酬を倍額する必要はないと言う事です。その分の額は、メルクに与えてやってください」
ヨナヒムの言葉に、里長と相談役が揃って目を
メルクとしては想定していた展開ではあるが、そのあまりに大袈裟な反応に内心で苦笑した。
外見に騙されず、メルクの歳があることを正しく理解していが戸惑うのも無理からぬことではある。そう自分に言い聞かせ、表情に出さないように真顔を貫いた。
「......メルク。今、冒険者殿らが言ったことは本当かのう? 本当に、お主が単独で『炎翼狼』を討伐したのか?」
「うーむ......ルゾーウルム様の弟子とは言え、にわかには信じがたい」
「里長、何かの間違いではないですか?」
メルクの肯定に、里長は悩まし気に顎を擦り、相談役も胡散臭そうにメルクを横目で見てそう言う。先ほどの一件でもまだ
(面倒くさいエルフだなぁ)
メルクは再度相談役に言い返そうとするが、それよりも先に声を上げた者がいる。
「ちょっと、あたいたちの言葉を疑うって言うの?」
エレアだ。
「あたいは別に、メルクが嘘つき呼ばわりされようと構わないけど、ヨナヒムを――うちのパーティーリーダーを
(私が嘘つき呼ばわりされてもいいのかい)
フォローしてるんだかしてないんだかよく分からないが、彼女がメルクの後押しをしてくれたのは間違いない。
里長は肩の力を抜くと、メルクに向けていた視線を柔らかいものに変えた。
「......そうじゃのう。真実はどうであれ、冒険者殿らがそう言うのであれば信じぬわけにはいくまい。メルク、里のためによくやってくれた」
「ちょうど、集会場には皆が集まっている......宴の前に、お主の功労に報いよう。『帯剣の儀』を執り行う」
(よっし! ついに私も成人として認められる)
それこそが、メルクの望んだ成人として認められるために必要な儀式であった。 | Personnel was dispatched for confirmation as soon as Merc and the adventurers went down to the village and reported the subjugation, and the subjugation was successfully verified.
Even though it was already dark when the subjugation was verified, the elves were able to dispose of the Magic Beast corpses due to their good night vision.
The adventurers ended up selling the Magic Beasts’ corpses to the elf village, and the villagers ended up with the Velche’s fur, fangs, and claws. Due to the rarity of such Magic Beasts in this location, these materials would have a wide range of applications so the villagers were overjoyed.
“You really helped us this time. Thank you.” The Chief expressed his thanks to the adventurers and Merc who were currently seated in front of him and the counselor at the Chief’s residence. They were planning a simple feast later that evening, and the Chief wanted to demonstrate his gratitude before then.
“Please raise your head, you don’t need to apologize.”
With a puzzled expression on his face, Jonahim stated. The counselor also made a hasty attempt to get the Chief to raise his head.
“Chief! Outsiders will look down on you if you bow your head so easily. As the head of the elf village, you ought to be firm.”
“However, it is true that we provided them with incorrect information. The adventurers were able to return unharmed due to their power; nevertheless, if they had made a mistake, things may have turned out far worse.”
“That is true... However, we just stated that a Ghezo Velche had appeared on the mountain. Never did we make a claim that it was the only one. We never gave incorrect information or made a false request. Even the Guild will not object.”
“......”
Hearing the counselor’s ridiculous comments, Jonahim appeared to be about to say something. Elea was furrowing her brow as well, and if she was agitated any further, she would most certainly reach for her spear.
This is bad. If things continue to escalate, being accepted by the Chief will be the least of my concerns!
Merc spoke out, providing her opinion in order to protect both her and the village’s future.
“Counselor, am I right in assuming you believe your business with the adventurers is over now that the request has been fulfilled?”
“What?”
“If not, I would advise you to refrain from saying anything else. If you do, you will almost certainly anger them.”
While standing up, the counselor yelled out. Merc, on the other hand, sat quietly.
“If you truly assume that your business with the adventurers is complete just because the request has been met, you are completely deluded. At this rate, your current attitude will be interpreted as the collective view of the elf village, and these adventurers will relay the information to the Adventurers’ Guild. Do you firmly believe if that happens, someone else will show up to aid us if we ever face another crisis?”
“T-That’s...”
The counselor tried to refute it right away, but he quickly realized Merc’s remarks made sense, so he quietly sat back down.
“That is, without a doubt, a plausible scenario. The Adventurers’ Guild’s feedback determines whether or not the adventurers accept a request. No one will come if the Guild informs those prepared to accept it about the elf village’s poor reputation. To begin with, we already have a small number of visitors.”
The Chief said. He then bowed to the adventurers once more.
“I hope you will forgive us. The reward will, of course, be increased... Rather, we’ll double it! What do you say we also add something extra for all of the supplies we purchased?”
“That would be great, but before we talk about the award, Chief, I’d like you to hear me out on another matter. It’s about the second Ghezo Velche.”
The Chief inquired, his face skeptical due to Jonahim’s refusal to accept and instead altering the subject.
Ordinarily, there would be no reason for adventurers to refuse such a fantastic offer.
“Actually, it was our guide, Merc, who single-handedly defeated the second Ghezo Velche.”
“... Huh?”
“What?!”
“Our party would have most likely been wiped out if Merc hadn’t intervened... As a result, there’s no reason for you to double our reward. Instead, we would like you to give it to Merc.”
Both the counselor and the Chief shifted their shocked gazes to Merc as soon as Jonahim finished his speech.
Merc had anticipated this turn of events, but she hadn’t expected them to be as surprised as they were.
It wasn’t surprising that both of them had trouble believing it, given that Merc was still only fourteen years old. Because she understood that, Merc was somehow able to hold back her wry smile from showing.
“Merc... Is that true? Did you really take down a Ghezo Velche by yourself?”
“I did.”
“Hmph... Even if you are Rosemary’s disciple, I find it difficult to believe.”
“Chief, there must be some kind of mistake!”
The Chief stroked his chin, bewildered, as Merc confirmed it, while the counselor simply gave Merc a sidelong glance. He didn’t seem to have learned his lesson from earlier.
What an annoying elf...
Someone spoke out just as Merc was going to oppose the counselor.
“Are you implying that we lied?”
It was Elea.
“Frankly, I don’t care if you think Merc is a liar or not; However, I won’t forgive you for treating Jona... our leader as a liar!”
Hey! That means you’re fine with them calling me a liar, isn’t it?!
Merc wasn’t sure what Elea was covering for, but whatever it was, it had proven to be beneficial to Merc.
The Chief sighed and looked to Merc with gentle eyes after hearing what Elea had to say.
“She is right... Whatever the truth is, we can’t dismiss it if the adventurers say so. Merc, thank you for saving the village.”
“Because everyone is already assembled at the assembly hall, we’ll proclaim your accomplishment before the feast. We’ll hold the Accolade.”
YES! I’ll finally be an adult!
The so-called Accolade was a ceremony in the elf village required for one to become an adult, and it was what Merc had been aiming for. | {
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都市は拡大し続けていて 都市化が広がり この200年では爆発的な成長です 今世紀後半には この惑星は都市によって 完全に支配されることになるでしょう
都市は温暖化の根源であり 環境に悪影響を及ぼし 健康 公害 疾病 財務 経済 エネルギーなどを含め これらはすべて 都市化に起因する問題で
都市化こそ原因なのです
「持続可能性」がキーワードとなる 我々が現在直面している 数多くの問題もまた 地球規模の急激な都市化がもたらす 問題なのです
いくつかの数値を紹介しましょう
200年前 アメリカの都市化は 数パーセント以下でした
今では82パーセントを超えています
地球全体では 都市化は数年前に50%を過ぎました
中国では これから20年間の間に 300もの都市が新たに作られます
驚くなかれ 当分の間 毎週 2050年までの間 毎週 100万人以上もの人が 都市に移り住んで行きます
影響を受けないものはありません
みなさんも-もし生き延びているとしてですが 都市で起きている この並外れた現象により 影響を受けます
しかしながら都市は このようなマイナスの要素を持つ一方 解決策でもあります
都市は独創的な人々を引き付ける 吸引機であり 磁石だからです 彼らは アイディア 革新 そして富を 新たに創出します
つまり ある種の二面性があるわけです
そして 現在早急に必要とされているのが 都市に関する科学的理論です
こちらは 共に研究に取り組む仲間達です
この研究には 素晴らしい人々取り組んでおり 彼等が実際のすべての研究を行い 私はそれらを取りまとめようとする 大ほら吹きというわけです
ということで問題はこれです
2050年には 地球上の100億人が このような場所に住み こういったモノを所有し こういった生活をしたいと望み その間 経済は右肩上がりを期待してます しかしながら エントロピーの増加は こうした結果を招くことは理解されていません これとか これとか こういうことです
考えてみて下さい これが エジンバラ ロンドン 及びニューヨークの 2050年の姿か? それともこうか?
これが問題です
そして 残念ながら多くの指数は このような結末の可能性が高いことを示しています 詳しく話しましょう
私の挑発的な命題は 都市についての 真面目な科学的理論が早急に必要だというものです
そして科学的理論とは 数値化可能であり 基礎となる一般化された法則に基づき 予測が可能となるフレームワークを
作れる事が必要です
実現可能でしょうか?
普遍的な法則など存在するのか?
私がよく頭の中で投げかける 二つの質問があります
まず第一には 都市は生物学の一部なのではないのか?
ロンドンは大きなクジラではないか?
エジンバラは馬ではないか?
マイクロソフトは巨大な蟻塚ではないか?
このような例えから何を学ぶことが出来るのでしょうか? 私たちは 会社の「DNA」 都市の「代謝」など こういった言葉を比喩的に使います こうした比喩は戯言に過ぎないのか? それとも検討に値するものでしょうか?
もしあるのであれば どうして都市を殺すのがこんなに難しいのでしょうか?
都市に原子力爆弾を落としても 30年後 まだ生き残っています
消滅する都市というのは非常に稀です
会社はというと すべての会社は必ず死に絶えます
真面目な理論があれば 例えばいつGoogle社が破綻するか 予測が可能な筈です
つまり ここにお見せしているものは これの一種なのでしょうか?
こっちの方は我々はよく理解しています
一般的な質問への答えは持ち合わせています ある特定のサイズの木は何本あるか だとか 木には特定の太さの枝が何本あるか だとか 葉っぱの数だとか 枝を流れるエネルギーの量だとか 林冠の面積だとか 成長の早さ 死亡率についてなど
一般化された普遍的な法則に基づいた これらの質問に答えることができます
同じ事を都市に対してできるのでしょうか?
解決への糸口は 生物の驚くべき事実の一つ を認識することにあります 生物はスケーラブルだということです そして これは驚くほど幅広い範囲で働きます
これは全体を見れば比較的小さな範囲ですが 私たち哺乳類を示しています 人間は 哺乳類の一部なので
同じ原理 同じ力学 そして同じ体系が働いています 人間を含めたこれらの動物全てに そして 理論は1億倍まで拡大可能です
そしてこれが 拡大縮小可能性(スケーラビリティ)こそが 生物の生命力の源であり 強固である 主たる理由です
これについてまた後ほど話します
しかしご存知かと思いますが 身近なレベルでは あなた この部屋にいる全員が拡大可能です
成長とも言います
人間はこんな感じに成長します
これはラットですが 同じです
哺乳類の成長は大体のところ同じです
グラフを見ると よくご存知かと思いますが
急激に成長して 成長が止まります
そしてこの線は さきほどの森林の成長と 同じ原理であり 同じ理論から予測できます
こちらはラットのグラフです このグラフは
年齢と体重の関係を示します
ある程度成長すると 止まります
生物にとってはとても良いことで 生物の素晴らしい生命力の理由のひとつです
しかし経済だとか 会社 都市にとっては 現在のパラダイムでは
とてもとても悪いことです これが考えられていることです
これが経済全体が私たちに 突きつけているものです 特に左下側の ホッケースティックが象徴的です
これらはソフトウェア会社の 設立からの年数に対する売上をグラフ化したものです すべてグングン伸びていて 何百万もの収益を得ています
この現象はどうやって理解したら良いのでしょうか?
まず生物学について話しましょう
この表が 実際どのように ものが拡大縮小するかを示しています このグラフは本当に驚嘆に値するものです
このグラフで描かれているのは 代謝率です 一日生きるのに必要なエネルギー量です これが体重・質量に対して示されています 私たち様々な生物のデータが表示されています
面白いですが 軸は10倍ずつ増加するように描かれています こうしないと すべてのデータがグラフに収まらないからです
そして このようにちょっと面白い方法で データをグラフ上に表すと すべてが同じ直線上にあることが分かります
世界でもっとも複雑で 多様な システムであるのに関わらず 信じられないほど簡素な法則が ここに示されています
特に驚愕すべき点は それぞれの生物 サブシステム 細胞の種類 遺伝子は 独特のニッチな環境で進化を経ており ユニークな歴史を持っています
しかし それぞれのダーウィン進化 そして 自然淘汰に関わらず 直線上に並ぶように不思議に制約されています
何か他の因子が働いています
その事について話す前に ここの下にも書いてありますが この線 直線の傾きに注目してください
直線の傾きは おおよそ4分の3です 1以下の傾きのこのような線を 準線形と言います
これは何を意味するのでしょうか
もし傾きが1で 完全に線形だったとしたら 体重が2倍になると エネルギーも2倍必要になることになります
しかし準線形なので これはどういうことかというと 生物の体重が2倍になっても 必要なエネルギー量は75%しか増加しません
つまりすべての生物において素晴らしいのは とても驚くべきスケールメリットがあるということです
つまり 大きければ大きいほど この明確に定義されたルールに従って 単位毎のエネルギー消費量が少なくなるのです
さて 考えうるあらゆる生理学的な特徴 生命の歴史上の出来事 これらを同様に グラフで示すと 同じ結果が得られます
これは驚くべきほどの規則性です
なので ある哺乳類の大きさから 生理学 生活史 などについて その動物について 全てのことを90%の誤差で推測できます
この理由はネットワークに起因します
すべての生命はネットワークによって支配されています 細胞内ネットワークから 細胞間ネットワーク そしてエコシステムレベルまで
これらのネットワークについて皆さんよくご存知でしょう
これは象の中にある小さなネットワークです
私が言いたいことは次のようにまとめることが出来ます
これらのネットワークに着目し ネットワークの観点を 普遍的な原則を当てはめ 数学的 普遍的な原則を当てはめると これら全ての縮小拡大 および制約が導かれます 森林についての説明然り 細胞システム然り 細胞内のシステムについてもです
冒頭で深くは追求しませんでしたが 生命のペースというのは 体系的に 大きくなるにつれてゆっくりになります
心拍は遅くなり 寿命が長くなります 酵素や栄養が細胞膜に浸透する
速度もよりゆっくりになります 問題は 同じ法則が 都市や会社にも適応するかということです
ロンドンはバーミンガムを拡大したものか バーミンガムはブライトンを拡大したものなのか?
ニューヨークはサンフランシスコを拡大した物なのか? サンフランシスコはサンタフェの拡大なのか?
分かりません またこれについて話します
しかし都市もネットワークには変わりありません そして 都市におけるネットワークで一番重要な要素は みなさんです
都市とは 単純に言えば 人々の相互関係 私たちの相互作用 そして個人の集まりやグループを具象化したものです
これは それを象徴した絵です
そしてこれが都市の拡大縮小です
この図では とてもシンプルな例として ちょっとつまらないですが 都市の大きさを変数とした ガソリンスタンドの数のグラフです 生物学と同じようにプロットされていますが まったく同じ現象が見られます
拡大縮小性があります
つまり 都市の大きさから その都市にあるガソリンスタンドの数が 求められるということです
この線の傾きは1より小さいです
スケールメリットが見られます
1人あたりの給油所の数は 都市が大きいほど小さい
これ自体は驚くことではありませんが
驚くべきなのは 同じ法則が世界中どこでも同じだということです
ここではヨーロッパの国だけを示していますが 日本や中国 コロンビアなどで同じ分析をしても 結果は同じで 同じようなスケールメリットが 同程度に見られます
同様に 他のインフラを見ても 例えば道路の総距離や電線の量など すべてが 同様のスケールメリットを示します
これは 個々の都市計画などに関係なく
進化した統合システムです さらにびっくりするのは 生物学への類似がまったくない 8千年〜1万年前にコミュニティを形成しはじめてから進化した 社会経済の数値に 注目したときです
一番上のグラフは都市の規模に対する収入を 同じようにグラフで表した物です
下のグラフでは 同様に 聴衆のみなさん 超独創的な人の人口を表しています
ここで見られるのは 拡大縮小の現象です
しかし もっとも重要なのは 傾きが 生物の代謝では4分の3であったものに 相当するものが なんと1より大きい 1.15〜1.2くらいです
このグラフは 都市が大きければ大きいほど 人口1人あたりの富が多いということを示します生物学の場合とは逆に 収入がより高く 超独創的な人の人口あたりの数が増え 人口1人あたりの特許数 犯罪件数も同じです
他の特徴もすべて確認しました AIDSの件数 インフルエンザ などなど
ここにすべてグラフ化されています
なにをグラフ化したかというと ここでは収入 およびGDP 都市のGDP 犯罪件数 および特許を一つのグラフで表示しています
すべて同じ直線を形成することが分かります
そしてこれが結論です
都市の規模を10万から20万へと倍にしても 100万から200万に倍にしても 結果は同じです いずれも機械的に 15%の増加が見られます 収入 富 AIDS件数 警察の数 その他思いつくこと全てに関して です 15%の増加です そしてインフラに関して
15%の効率化が期待できます これが 毎週100万人もの人々が都市に集まる
明白な理由です 彼等は クリエイティブな人々 富 収入だとか 素晴らしいものが 魅力的で集まっているのであり 汚いもの 悪いものには目を背けてしまいます
何故でしょうか?
数学的なことをすべて語る時間はありませんが 根底にはソーシャルネットワークがあります 何故なら これは普遍的な現象だからです
この15%の法則は 地球上のどこにいても 当てはまります 日本 チリ ポルトガル スコットランドどこでも関係ありません
データは必ず同じ傾向を示します これらの都市が独自の進化を遂げたという事実に関わらず
普遍的な何かが起きています
繰り返しますが この普遍性とは 私達自身です 私達自身が都市なのです
私達の相互関係と交流 そして 相互関係の集合です
繰り返しましたが お分かりでしょうか
もしこれらのネットワークおよび数学的構造が 生物では準線形に拡大 つまりスケールメリット 体を大きくなるにつれて生活のペースが 緩やかになっていました
ソーシャルネットワークが超線形 つまり 人口1人あたりの値の増加が事実であれば 理論的には 大きくなるにつれて生活のペースが増加します
都市が大きければ大きいほど生活のペースは早まります
左側には生物における心拍を
右側には ヨーロッパの諸都市における歩行速度が 増加していることを 表しています
最後に 成長について言及します
繰り返しになりますが 生物学では
スケールメリットがあり S字形の成長が見られました
素早く成長して それから成長が止まります これは生物を強固にしている要素です
しかし 経済や都市にとっては悪いことです
実際のところ この理論の素晴らしいところは もし富の形成および革新が 超線形的にスケールする場合 同じ理論より 美しい指数増加の曲線が予測されます
実際に実データと比較すると 都市や経済の発展と 良くフィットすることが分かります
しかし これには恐ろしい落とし穴があります 落とし穴とは システムは崩壊する運命にあるということです
幾つもの理由で 崩壊する運命なのです 理由はマルサス的なもので つまり資源の枯渇です
どうやってこれを回避するのか?以前にも成功しています
なにが起きるかというと 人口が増加して 崩壊が近づくと 大きな革新が起き またスタートに戻ります そしてまた次の崩壊の危機に近づくと再スタートするのです
ここに 革新の継続的サイクルがあり これは 持続可能な成長と崩壊の回避には
必要なものなのです しかし 落とし穴は 革新が次々と 加速しなければならないということです
イメージとしては 加速しているトレッドミルの上を走っているという他 トレッドミル自体もどんどんと早く交換しなければならないということです
我々は継続的に加速し続けなければなりません
問題はこれです 我々は 社会経済の存在として 心臓発作を回避することができるのでしょうか?
終わる前に 最後の2, 3分で 会社の事について問いたいと思います
会社も拡大縮小性があります
一番右上の点は 実はウォルマートのものです
同じグラフです
これは 収益と資産を 社員数で表した企業の大きさを変数としてプロットしています
売上高でも他の指数を使っても結果は同じです
ご覧の通りです 初期の方の変動― 企業が革新を起こしている時期の後は 美しく拡張しています
23,000もの米国の会社のデータを 収集しました
お見せしているのは その全データのほんの一部です
これらの企業の驚くべきところは 生物と同じように 準線形に拡大しているということです つまり 企業は 超線形の 革新やアイディア ではなく スケールメリットによって
支配されているということです この解釈では 経営官僚制や事務・管理が その要因と言えます
ですので ある企業の 例えば小さい会社の大きさから ウォルマートの大きさを推測することができるわけです
もし準線形に拡大しているとしたら 理論的には S字形の成長が見られる筈です
ウォルマートの成長を見ると S字にはあまり見えません
期待通り ホッケースティックのように成長しています
ズルにお気づきですか? 1994年までのデータしか表示していません
2008年までのばしてみましょう
赤の線が理論上のものです
もしこの分析を1994年にしたとしたら 現在のウォルマートがどういう状況か推測できたでしょう
そしてこれは全ての規模の会社を通して
繰り返されます ご覧の通りです23,000の企業の成長です
全て 最初はホッケースティックのように成長しますが そこから曲がってしまい あなたや私のようにすべて死んでしまいます
ありがとうございました | They have been expanding, urbanization has been expanding, at an exponential rate in the last 200 years so that by the second part of this century, the planet will be completely dominated by cities.
Cities are the origins of global warming, impact on the environment, health, pollution, disease, finance, economies, energy -- they're all problems that are confronted by having cities.
That's where all these problems come from.
And the tsunami of problems that we feel we're facing in terms of sustainability questions are actually a reflection of the exponential increase in urbanization across the planet.
Here's some numbers.
Two hundred years ago, the United States was less than a few percent urbanized.
It's now more than 82 percent.
The planet has crossed the halfway mark a few years ago.
China's building 300 new cities in the next 20 years.
Now listen to this: Every week for the foreseeable future, until 2050, every week more than a million people are being added to our cities.
This is going to affect everything.
Everybody in this room, if you stay alive, by what's happening in cities in this extraordinary phenomenon.
However, cities, despite having this negative aspect to them, are also the solution.
Because cities are the vacuum cleaners and the magnets that have sucked up creative people, creating ideas, innovation, wealth and so on.
So we have this kind of dual nature.
And so there's an urgent need for a scientific theory of cities.
Now these are my comrades in arms.
This work has been done with an extraordinary group of people, and they've done all the work, and I'm the great bullshitter that tries to bring it all together.
So here's the problem: This is what we all want.
The 10 billion people on the planet in 2050 want to live in places like this, having things like this, doing things like this, with economies that are growing like this, not realizing that entropy produces things like this, this, this and this.
And the question is: Is that what Edinburgh and London and New York are going to look like in 2050, or is it going to be this?
That's the question.
I must say, many of the indicators look like this is what it's going to look like, but let's talk about it.
So my provocative statement is that we desperately need a serious scientific theory of cities.
And scientific theory means quantifiable -- relying on underlying generic principles that can be made into a predictive framework.
That's the quest.
Is that conceivable?
Are there universal laws?
So here's two questions that I have in my head when I think about this problem.
The first is: Are cities part of biology?
Is London a great big whale?
Is Edinburgh a horse?
Is Microsoft a great big anthill?
What do we learn from that? We use them metaphorically -- the DNA of a company, the metabolism of a city, and so on -- is that just bullshit, metaphorical bullshit, or is there serious substance to it?
And if that is the case, how come that it's very hard to kill a city?
You could drop an atom bomb on a city, and 30 years later it's surviving.
Very few cities fail.
All companies die, all companies.
And if you have a serious theory, you should be able to predict when Google is going to go bust.
So is that just another version of this?
Well we understand this very well.
That is, you ask any generic question about this -- how many trees of a given size, how many branches of a given size does a tree have, how many leaves, what is the energy flowing through each branch, what is the size of the canopy, what is its growth, what is its mortality?
We have a mathematical framework based on generic universal principles that can answer those questions.
And the idea is can we do the same for this?
one of the most extraordinary things about life, is that it is scalable, it works over an extraordinary range.
This is just a tiny range actually: It's us mammals; we're one of these.
The same principles, the same dynamics, the same organization is at work in all of these, including us, and it can scale over a range of 100 million in size.
And that is one of the main reasons life is so resilient and robust -- scalability.
We're going to discuss that in a moment more.
But you know, at a local level, you scale; everybody in this room is scaled.
That's called growth.
Here's how you grew.
Rat, that's a rat -- could have been you.
We're all pretty much the same.
And you see, you're very familiar with this.
You grow very quickly and then you stop.
And that line there is a prediction from the same theory, based on the same principles, that describes that forest.
And here it is for the growth of a rat, and those points on there are data points.
This is just the weight versus the age.
And you see, it stops growing.
Very, very good for biology -- also one of the reasons for its great resilience.
Very, very bad for economies and companies and cities in our present paradigm.
This is what we believe.
This is what our whole economy is thrusting upon us, particularly illustrated in that left-hand corner: hockey sticks.
This is a bunch of software companies -- and what it is is their revenue versus their age -- all zooming away, and everybody making millions and billions of dollars.
Okay, so how do we understand this?
So let's first talk about biology.
This is explicitly showing you how things scale, and this is a truly remarkable graph.
What is plotted here is metabolic rate -- how much energy you need per day to stay alive -- versus your weight, your mass, for all of us bunch of organisms.
And it's plotted in this funny way by going up by factors of 10, otherwise you couldn't get everything on the graph.
And what you see if you plot it in this slightly curious way is that everybody lies on the same line.
Despite the fact that this is the most complex and diverse system in the universe, there's an extraordinary simplicity being expressed by this.
It's particularly astonishing because each one of these organisms, each subsystem, each cell type, each gene, has evolved in its own unique environmental niche with its own unique history.
And yet, despite all of that Darwinian evolution and natural selection, they've been constrained to lie on a line.
Something else is going on.
Before I talk about that, I've written down at the bottom there the slope of this curve, this straight line.
It's three-quarters, roughly, which is less than one -- and we call that sublinear.
And here's the point of that.
It says that, if it were linear, then doubling the size you would require double the amount of energy.
But it's sublinear, and what that translates into is that, if you double the size of the organism, you actually only need 75 percent more energy.
So a wonderful thing about all of biology is that it expresses an extraordinary economy of scale.
The bigger you are systematically, according to very well-defined rules, less energy per capita.
Now any physiological variable you can think of, any life history event you can think of, if you plot it this way, looks like this.
There is an extraordinary regularity.
So you tell me the size of a mammal, I can tell you at the 90 percent level everything about it in terms of its physiology, life history, etc.
And the reason for this is because of networks.
All of life is controlled by networks -- from the intracellular through the multicellular through the ecosystem level.
And you're very familiar with these networks.
That's a little thing that lives inside an elephant.
And here's the summary of what I'm saying.
If you take those networks, this idea of networks, and you apply universal principles, mathematizable, universal principles, all of these scalings and all of these constraints follow, including the description of the forest, the description of your circulatory system, the description within cells.
One of the things I did not stress in that introduction was that, systematically, the pace of life decreases as you get bigger.
Heart rates are slower; you live longer; diffusion of oxygen and resources across membranes is slower, etc.
The question is: Is any of this true for cities and companies?
So is London a scaled up Birmingham, which is a scaled up Brighton, etc., etc.?
Is New York a scaled up San Francisco, which is a scaled up Santa Fe?
Don't know. We will discuss that.
But they are networks, and the most important network of cities is you.
Cities are just a physical manifestation of your interactions, our interactions, and the clustering and grouping of individuals.
Here's just a symbolic picture of that.
And here's scaling of cities.
This shows that in this very simple example, which happens to be a mundane example of number of petrol stations as a function of size -- plotted in the same way as the biology -- you see exactly the same kind of thing.
There is a scaling.
That is that the number of petrol stations in the city when you tell me its size.
The slope of that is less than linear.
There is an economy of scale.
Less petrol stations per capita the bigger you are -- not surprising.
But here's what's surprising.
It scales in the same way everywhere.
This is just European countries, but you do it in Japan or China or Colombia, always the same with the same kind of economy of scale to the same degree.
And any infrastructure you look at -- whether it's the length of roads, length of electrical lines -- anything you look at has the same economy of scale scaling in the same way.
that has evolved despite all the planning and so on.
But even more surprising is if you look at socio-economic quantities, quantities that have no analog in biology, that have evolved when we started forming communities eight to 10,000 years ago.
The top one is wages as a function of size plotted in the same way.
And the bottom one is you lot -- super-creatives plotted in the same way.
And what you see is a scaling phenomenon.
But most important in this, the exponent, the analog to that three-quarters for the metabolic rate, is bigger than one -- it's about 1.15 to 1.2.
Here it is, which says that the bigger you are the more you have per capita, unlike biology -- higher wages, more super-creative people per capita as you get bigger, more patents per capita, more crime per capita.
And we've looked at everything: more AIDS cases, flu, etc.
And here, they're all plotted together.
Just to show you what we plotted, here is income, GDP -- GDP of the city -- crime and patents all on one graph.
And you can see, they all follow the same line.
And here's the statement.
If you double the size of a city from 100,000 to 200,000, from a million to two million, 10 to 20 million, it doesn't matter, then systematically you get a 15 percent increase in wages, wealth, number of AIDS cases, number of police, anything you can think of. It goes up by 15 percent, and you have a 15 percent savings on the infrastructure.
This, no doubt, is the reason why a million people a week are gathering in cities.
Because they think that all those wonderful things -- like creative people, wealth, income -- is what attracts them, forgetting about the ugly and the bad.
What is the reason for this?
Well I don't have time to tell you about all the mathematics, but underlying this is the social networks, because this is a universal phenomenon.
This 15 percent rule no matter where you are on the planet -- Japan, Chile, Portugal, Scotland, doesn't matter.
Always, all the data shows it's the same, despite the fact that these cities have evolved independently.
Something universal is going on.
The universality, to repeat, is us -- that we are the city.
And it is our interactions and the clustering of those interactions.
So there it is, I've said it again.
So if it is those networks and their mathematical structure, unlike biology, which had sublinear scaling, economies of scale, you had the slowing of the pace of life as you get bigger.
If it's social networks with super-linear scaling -- more per capita -- then the theory says that you increase the pace of life.
The bigger you are, life gets faster.
On the left is the heart rate showing biology.
On the right is the speed of walking in a bunch of European cities, showing that increase.
Lastly, I want to talk about growth.
This is what we had in biology, just to repeat.
Economies of scale gave rise to this sigmoidal behavior.
You grow fast and then stop -- part of our resilience.
That would be bad for economies and cities.
And indeed, one of the wonderful things about the theory from wealth creation and innovation, then indeed you get, from the same theory, a beautiful rising exponential curve -- lovely.
And in fact, if you compare it to data, it fits very well with the development of cities and economies.
But it has a terrible catch, and the catch is that this system is destined to collapse.
And it's destined to collapse for many reasons -- kind of Malthusian reasons -- that you run out of resources.
And how do you avoid that? Well we've done it before.
What we do is, as we grow and we approach the collapse, a major innovation takes place and we start over again, and we start over again as we approach the next one, and so on.
So there's this continuous cycle of innovation that is necessary in order to sustain growth and avoid collapse.
The catch, however, to this is that you have to innovate faster and faster and faster.
So the image is that we're not only on a treadmill that's going faster, but we have to change the treadmill faster and faster.
We have to accelerate on a continuous basis.
And the question is: Can we, as socio-economic beings, avoid a heart attack?
So lastly, I'm going to finish up in this last minute or two asking about companies.
See companies, they scale.
The top one, in fact, is Walmart on the right.
It's the same plot.
This happens to be income and assets versus the size of the company as denoted by its number of employees.
We could use sales, anything you like.
There it is: after some little fluctuations at the beginning, when companies are innovating, they scale beautifully.
And we've looked at 23,000 companies in the United States, may I say.
And I'm only showing you a little bit of this.
What is astonishing about companies is that they scale sublinearly like biology, indicating that they're dominated, not by super-linear innovation and ideas; they become dominated by economies of scale.
In that interpretation, by bureaucracy and administration, and they do it beautifully, may I say.
So if you tell me the size of some company, some small company, I could have predicted the size of Walmart.
If it has this sublinear scaling, the theory says we should have sigmoidal growth.
There's Walmart. Doesn't look very sigmoidal.
That's what we like, hockey sticks.
But you notice, I've cheated, because I've only gone up to '94.
Let's go up to 2008.
That red line is from the theory.
So if I'd have done this in 1994, I could have predicted what Walmart would be now.
And then this is repeated across the entire spectrum of companies.
There they are. That's 23,000 companies.
They all start looking like hockey sticks, they all bend over, and they all die like you and me.
Thank you. | {
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内容は最新機器やそれに関する話題です
この時期に理想の父親がすべきことは大抵 子供達と一緒になって クリスマスツリーを飾ることでしょうが
私がすることと言えば ケーブルテレビに出演し 「来年の技術のトレンドは何ですか?」 という同じ質問に答える事です
「昨年と比べて変化はありますか?」 とも聞かれます
でもそんな質問の中で一番面白かった 携帯電話と インターネットの融合について 取り上げたいと思います
この火山の画像は Googleイメージで見つけましたが ダイアネティックス(心理療法に関するベストセラー本) の表紙そっくりです
ともかく これは数年前に始まり 電話線を通してではなく インターネットを通して音声を伝えはじめ それ以来大きな発展を遂げました
しかし それはそれで面白い Vonage社(回線販売会社)のようなものです
普通電話を 提供される小さな箱に繋ぎ ケーブルモデムに接続されます
普通の電話のように機能します
受信も出来るし 発信音も聞けます でもこれはまやかしに過ぎません 発信音はWAVファイルで 世界が終わってないと あなたを安心させるだけのものです
発信音はなんにでもできます サルサ音楽 またはコントにもできます 何でもかまいません
小さな箱には あなたの電話番号が記憶させてあります
すごいと思いませんか? それをロンドンやシベリアに持っていっても 隣人はあなたの家に電話をかけることができて 電話が鳴ります
知られている すべての機能が入っています 新機能の追加は ただのソフトウェアだったからです わたしはVoIPという用語が嫌いですが
ネット回線経由の通話が始まって 固定電話の利用が 3年間で30%減少しました
自立した大学生は もう固定電話を持ちません
彼らに一番うけそうなものです 世界で一番有名なVoIPサービス Skypeです
これはMacやWindowsに 無料でダウンロードできるもので 世界中どこにでも 無料で電話をかけることができます 欠点はマイクつきのヘッドホンを 付けなければいけないところです
これはあなたの電話ではありません あなたのコンピュータです
もしあなたが大学生で お金を持っていなかったら 携帯電話を使うより良いのは 間違いありません
私のような中年が Skype を使うのも 気が利いています 例えば 子供が一学期の間海外へ行くときとか
彼らは国際通話料を払いたがらないので 「ティミー!あなたなの?」 みたいなことになるでしょう。
とてもかっこいいです
少なくとも私がしたときはですが VoIPが本当に面白くなる分野は 携帯電話に組み込まれた頃からだと 思います
あなたが普通の携帯電話を持っていて 無線LANのホットスポットにいるときはいつでも 世界中に無料通話ができることを 想像してみてください 電話会社に 5セントだって支払わなくていい
とてもすばらしいですが この技術が利用可能になって 5年になりますが なんと信じられないことに アメリカの携帯会社が提供する 無料VoIPのついた標準携帯電話の数は ゼロです!
全くもって理解できない!
実は 最近一つできたのです
このことについてお話しようと思います
Tモバイルが売っています
ちなみにTモバイルは 私のスポンサーではありません
Tモバイルとのコネもありません
ニューヨークタイムズは このことにとても厳しいのです
ジェイソン・ブレアのやつが みんなを破滅に追いやったものですから
皆さんが聞きなれないのは 昨年の6月29日に 発表されたばかりだからです
昨年の6月29日に何があったか 憶えている方はいますか?
iPhoneが発売されたんです
Tモバイルのキャンペーン女性を想像できますか? 知ってますか?
「こんにちは お知らせがあります、ワーー!」
でも実際は本当にかっこいいんです 皆さんは携帯を選ぶ権利を持ってます スマートフォンの話じゃなくて ブラックベリーやWi-Fiの付いた 普通の電話の話です
つまり Wi-Fiスポットにいれば いつでも無料で電話をかけれます
そしてスポットから出ると 携帯電話の電波を使うことになります
「スポットはどのぐらい見つかるのかな?」 と思われるでしょうが
「いつも見つかります!」
というのも 電話と一緒に家庭用の 無線ルーターが 貸与されるからです
これは賢い話です だってT-モバイルは もっとも惨めな電話会社だったはずなのですから
電波のエリアは 私の親指の爪ほどの広さでした
電波塔を一本建てるだけでも一億ドルかかります
そんなお金は持っていません なのでその代わりに 7ドル95セントの箱を私たちに供与するのです 秘密の電波塔建設作戦みたいなものですね
私たちはそれを 彼らのために家に置いているんです!
ともかく ヨーロッパにはWi-Fi携帯があります
でも通話中にWi-Fiスポットから携帯電波圏内に 移っても 切れ目なく通話の切り替えが なされるということをT-モバイル以前に やった会社はありませんでした ニューヨークタイムズで この端末を試しに使ってみました
カムコーダーを付けて電話して こんな感じでやりました
(笑) 妻との通話中にWi-Fiスポットから 家の外の携帯電波圏内に移りました 左上を見てください Wi-Fiシグナルです
:ジェニファー:もしもし?
デイビッド:やあ、僕だよ
ジェニファー:あなた どう?
デイビッド:君はWi-Fiを使ってるよね?どう聞こえる?
ジェニファー:ちゃんと聞こえるわ
ここで家から出ます デイビッド:散歩にいってくるよ いいかな?
ジェニファー:いいわよ 子供と遊んでるわ
デイビッド:皆で何をしてるの?
ここです!
ここで通話中に基地局が切り替わりました
なぜ妻は私が彼女の話を聞かないと言うのでしょう よく分かりません
重要なのは インターネットと携帯電話の 境界が次第になくなっていることです
T-モバイルのすばらしいところは 接続技術はとても進んでいるのですが 課金技術がそれに追いついていないところです つまり皆さんは家庭Wi-Fiで 電話をかけることが出来ますし そのまま車に乗って バッテリーが切れるまで話すことが出来ます 10分くらいでしょうか 通話はずっと無料です
なぜなら彼らは・・・ ええと ちょっと待ってください
逆の場合もあります
もし携帯電波圏内で通話を始めて 家に帰っても 課金は続きます
なのでサービスを利用している人の多くが 「家に着いたから かけ直していい?」 と言うのが癖になりました
お分かりでしょう
海外でこのような電話を使うとき どんな無線スポットにいても無関係です
インターネットでは あなたが犬であるなんてだれも分かりません そうでしょう? パキスタンにいるなんてことも分かりません
これらの電話で所在地から米国に 無料、無制限に電話をかけられます とても興味深いことです
これは私のもう一つのお気に入りです
皆さんの中に電波圏内で 起動中で 今すぐ電話をかけること出来る方はいますか?
じゃあ この番号にかけていただけますか? [携帯電話の番号を見せる] プリンタを修理するよう 午前三時には電話しないで下さい
私は携帯電話を二台持っています 両方が起動するならおかしなことになるでしょう
聴衆の前でテクノロジーのデモをしないほうが いいことは分かっています 馬鹿げていますよね
こっちの電源を切ります あっ リンガーが切れてました
もう一つも電源を切ります これでどちらも同じタイミングで鳴るでしょう
ちょっと待ってください
もしもし?
どこからかけてますか?
冗談ですよ 彼はここにいます やってくれてありがとう
私はあなただとは知りませんでした こちらの人を見てました
良かった!もう切ってもらっていいですよ
良かった!立証できました
着信音を消して みんな参加したがってます
これは「グランドセントラル」を使っていますね 冗談じゃないですよ!
電話番号を知ってるぞ!
料金を払いなさい
グランドセントラルは 新しい携帯番号を与え 一つの番号に着信があると 持っている携帯電話すべてが同時に鳴る というすばらしいアイデアです
家庭電話、ビジネス電話、携帯電話、ヨット電話 (EGの皆さんならではですね)
着信を逃すことがないということが これのすばらしいところです
「うーん いつも連絡がつく状態になるのはいやだな」 とほとんどの方は思うでしょう
でもこれのすばらしいところは すべてインターネットを介して行われるので そのすばらしい利点を活かすことが出来ます 皆さんが言うように 決まった時間に電話がかかってくるようにしたいです
そこで上司にはこのメッセージを流します 「こんにちはボス ただいま外出中です 伝言をどうぞ」
もし妻がかけてきたら「もしもし 伝言をどうぞ」
変幻自在です
Googleが購入し 一年間取り組んできました
近々publicメソッドで 市場に出ると考えられます
ともかく これは私にとって悩みの種です
ご存知かもしれませんが 携帯で411に かけたとき2ドル請求されます
ご存知でしたか?ひどいですね
実はベライゾンの社員の写真を手に入れました
どうすれば課金されずに済むか お教えしましょう
使うのはGoogleフォンです
これは完全無料で 広告すらありません
テクストメッセージの送り方を知っていれば 同様の情報を無料で手に入れられます
皆さんの生活を変えてご覧に入れましょう ここで実演します
「Google」という文字をテクストメッセージで送るとき 46645と押します
節約のため最後の「e」は打ちません
例えばシカゴ付近のドラッグストアを捜すとき
「薬局 シカゴ」か郵便番号を打ち込みます
文字を送って5秒以内に 近くにあるドラッグストア2軒の名前、住所 電話番号が返信されてきます
こんな感じで
そして記入済みなので 運転中に 「えーと、えーと」なんてしなくてすみます
天気も同様に調べられますよ
「天気」そして出かけ先の都市の名前を打てば
5秒以内に その都市の天気予報を 返答してきます
私がミラノにいた訳を手短にお話します
これはほんの序の口です
これらはGoogleに送れる テクストメッセージで 返ってきます 全部メモしてください
私のメールアドレスがあるので私にも聞けますよ
これは本当にすごいことです 唯一の欠点は テクストメッセージの送り方を 知っている必要がある事です 40歳以上の人は誰も知りません
そこで皆さんに さらにうまくやる方法をお教えします
これはGoogleインフォと呼ばれています
音声バージョンを立ち上げたんです
皆さんが聞いた事がないような音声認識です
私がモントレーにいるとして 何がほしいでしょうか?
ベーグルにしましょう
Google:用件と都市、州を言って下さい
デイビッド:ベーグル、モントレー、カリフォルニア
中国の回線ですね
Google:ベーグル、モントレー、カリフォルニア
主な8つの結果は:一つ目 エルドラドストリートのベーグルベーカリー
一つ目が良いなら 1を押すか「一つ目」と言ってください
二つ目:軍糧食部のベーグルベーカリー
2番目だ 2番目、2、 2
どうして私はみなさんに聞くんでしょうか?
ともかく・・・お!それ!
Google:軍糧食部は モントレーのマクレラン通りにあります
つなぎますか 「詳細を」もしくは「もう一度」と言ってください
デイビッド:つないでいます! 電話番号すら教えてくれない
直接繋げています 私的な従者を持ってるようなものです
Google:お待ちください
デイビッド:クリームを塗ったベーグル400個 いただけないでしょうか?
違う違う 冗談だよ
電話番号を探し出すことすらしなくてすみました
驚くべきことです
そして信じられないくらい正確です
これはもっとすごいですよ これを短縮ダイヤルに設定してください
どんな質問も音声で出来ます
1958年のワールドシリーズで勝ったのは?
あるカクテルの作り方は?
とてもすごいことです 答えがテクスト形式で返ってきます
今朝まだ使えるか試してみました
「ジェームズボンドを演じた俳優はだれ?」
「ショーン・コネリー、ジョージ・レーゼンビー ロジャー・ムーア ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナン ダニエル・クレイグ」というテクストが返ってきます
次に私がバリーガールだったように装ってみましょう
(特徴的な言葉使いで)「太陽と月と地球がみんな 一直線に並ぶときをあらわす言葉は何?」
どのように認識されたか見てみましょう
テクストを返してきました。「朔望と呼ばれています」
1976年オハイオのスペリング大会で 私が優勝したときの言葉だから憶えてます
多くの人は「いったいどうやってこれで 収益を上げているんだ」と疑問に思うでしょう その答えは:最後の行を見ろ です
10文字くらいの小さな広告が載っています
「どうなっているの? 何でそんなにうまくいくの?
人間が向こうにいるんでしょ」 という人も多いです
人間がいるのです!
答え一つにつき20セント支払われている人を 1万人雇ってます
ご想像のとおり 彼らは大学生と老人です
ひまがありますしね
人間を使っているのです 私を「シカゴ発の最後の便は何時か?」のような 難しい問いから開放してくれます
ご存知のとおり 驚くべきことです
あらゆるテクノロジーに感じる中で 一番大きい苛立ちですが 他に最近携帯電話に関して 私がとても困っていることは
私が留守電を残そうとすると アンビエン(睡眠剤)について 小学校3年の先生から 説明を15秒聞かされるんです!
「この人を呼び出すには・・・」 「呼び出す」って何? 1975年っていうのは?
ポケベルなんてもう誰も持っていません
「トーンが鳴ったら話し始めてください
伝言が終わりましたら 電話を切って下さい」 やめて!
もっと悪くなります 留守電を聞こうとすると まず「87件の留守番電話があります
伝言を聞くには・・・」 他にどんな理由で 私が電話をかけてるっていうんだ?
もちろん伝言は聞きたいけどね!
ああ!皆さんも携帯電話を持ってますね
去年イタリアのミラノに行き 世界200カ国の携帯電話会社幹部を相手に
講演をしました そこで冗談で 言ったんですが 「計算したところ ベライゾンには 7千万人の顧客がある
もし皆さんが留守電を一日2回チェックするなら 一年で10億ドルになる
我々の通信時間を増やすためだけに やってるんじゃないですか?」
笑いはありませんでした みんな激怒して 立ち上がれ!
ごめんなさい 私は毒舌ではありません
皆さんにこれから抜け出す方法を お教えしようと思います
留守電をテクスト形式に してくれるサービスがあるんです
それをEメールかテクストメッセージで 携帯電話に送ってくれます
生活を一変させます
ところで電話を使うので 完璧に変換されるとは限りません
だからEメールの最後に 音声ファイルが添付されています 二重チェックが出来るわけです
このサービスはSpinvoxとか Phonetagと呼ばれています これは私が使っているもので Callwaveといいます 多くの人は「どういう仕組みなんだ?
伝言を盗聴されるなんて絶対いやだ」といいますが
こういう会社の幹部たちが 私に語ってくれたことによると 「我々は特許BtoBで最善のピアツーピア通信の ソリューションを使っています・・・」
つまりヘッドセットを付けたインド人が 盗聴しているようなものだと思います
このように考えるのは 私がこういったサービスを初めて利用したとき 二つの留守番電話メッセージを受けたからです 一つはマイケル・スティーブンソンという男性から 難しいものではありませんが スペルミスがありました
もう一つはビジェイ・シンという タイムズのビデオ編集者からでしたが 読まない「h」があるのですが 書かれてました
ご判断は皆さんにお任せします
ともかく このCallwaveというサービスは すべてソフトウェアでやっていて 誰も留守電を聞いていないと約束しています
同様にあなたの留守電の要点だけ テクスト化することも約束しています
だから わたしはそれがどう動いているのか 見たいと思いました
これは私が試したものです
(ビデオ):もしもし マイケルだよ
元気かな 私は変わりないよ
通りを散歩したんだけど 空が青かったよ
娘さんがサッカーの練習で足を骨折したよ
私は昼食にサンドイッチを食べるつもりだ
彼女は救急室53Wにいるよ
あとで話そう じゃあね
自分の仕事が大好きです
数分後 Eメールが届きました
うまくテクスト化されています でもさらに数分後 テクストメッセージも届きました 思い出してほしいのですが テクストメッセージは160字以内に限られます
要点の要点であることが大切です
冗談ではありません メッセージには 「通りを散歩した」「空が青かった」そして 「緊急!」とありました
f・・・ たぶんそれが要点だったと思います
最後に これについて話さない訳にはいきません
私の一番のお気に入りで ポピュラリティーダイヤラー.comと呼ばれるものです
行きたくないデートや ひどいことになりそうな 会議があるとします
そのときはこのサイトに行って 自分の電話番号を打ち込めば 電話をかけてほしいときにかけてくれます そしてその時刻に電話が鳴ります
そうしたら「ごめんなさい 電話にでなきゃ」 と言えばいいのです
これのすばらしいところは あなたの隣に座った人には 電話の相手などが聞こえることはご存知でしょう
なので電話の内容を 選ぶことが出来ます
ガールフレンドです
電話:やあ、どうしたの?
デイビッド:話をしてるんだ
電話:いいよ
デビット:何してたの?
電話:あなたが何してるか考えてたところ
デイビッド:分かった でもはいま話せないんだ
これは 私が大好きなのですが 上司からの電話です
電話:やあ ジョンソンだ 会社からかけている
デイビッド:こんにちわ
電話:一ヶ月前に頼んだことは終わったかね? コピー機の研修?
デイビッド:すみません 忘れていました
電話:わかった じゃあ最後にコピー機を使ったのは いつだ?
デビット:3週間前です
電話:君が聞いたかどうか レニーから聞いているかもしれないが・・・ インターネットと電話の融合のもっとも大きな変化は iPhoneとともにあると思います
NYタイムズでの報道活動の中で 最高の瞬間ではありません
2006年の秋に私は どうしてアップルが携帯事業に進出しないか 説明していました
さぞ馬鹿に見えたことでしょう でも私の論理は正しいものでした 皆さんが気付いていたかは分かりませんが iPhoneが出てくるまで ベライゾン、AT&T、シンギュラーらの携帯会社は 携帯電話のデザインのあらゆる側面に 対して拒否権を持っていたのです
私はTreoで働いていた人たちを知っています
彼らは携帯会社に出向き 「このすばらしい特徴を見てください」と言うと ベライゾンは「うーん ダメだ
私は良いと思わない」と言います
このことはイノベーションの妨げとなっていました
スティーブ・ジョブズが 「おとなしくこの携帯電話の デザインをさせてくれたら 五年間の独占使用権をあげるよ 完成すら見なくて済むぞ」 と言って回ったのは予想外でした
実際は べライゾンや他社に断られて
最終的にシンギュラーが許可しました
iPhoneの影響についてお話します
今夜のパーティーで 私を問い詰めないでくださいね 「あなたはアップル信者?」と思うでしょうが
もちろん私は違います
皆さんも私が言いたいことは分かるはずです iPhoneは欠陥のある傑作です
いい面も悪い面もあります 全て認めましょう
しかしiPhoneはいくつかの変化を起こしました まず 携帯会社は年間1000万台 売れるのを目の当たりにしました
彼らは「なんてことだ 我々は間違っていた
携帯のデザインはデザイナーに任せるべきだった」 と言いました
(拍手) また 初めて1000万人が いつでも オンラインでいる経験をしました
ひと月60ドルするノートパソコン用の 無線通信カードを使わないでです
なぜ我々がまだその段階まで達してないか 理解できません
年をとったら 私の孫たちに 「私が君らの年ごろには Eメールをチェックしたかったら コーヒーショップを探して町中ドライブしたものだ」 って言いたいですね
「無線の基地局はだいたい45メートルの範囲に 電波を送信できたんだ」
おかしいですよね あらゆる建物の 全部の部屋にコンセントがあります 水道も通っています
何が問題なのでしょう?
ともかく このことは人に これがどんなことか教えてくれます
YouTubeにいって 「iPhone シャッフル」と検索すると
本物のiPod Shuffleのような2.5センチ四方の模型 の動画を見ることができます
「ボタンは一つしかありません
タッチするとランダムに電話をかけます」
「いったい誰だ?」
他にもまた Appストアというアイデアを実現しました
iPhone に直接ダウンロードできます
このゲームでは傾きセンサーを 使って運転をします
これはタッチスクリーンなどのiPhoneの すべての部品を使えます
これはEG 2008のテーマでもある 描画プログラムです
どうやって消すか知ってますか?
シェイクするんです
こんな感じで シェイクすれば消えます
このようなプログラムが1万もあります
これは翻訳プログラムです 世界のあらゆる言語が搭載されています
翻訳したい語を入力すれば 翻訳されます
驚異的です これはミドミというもので
頭の中に流れる トゥトゥトゥ、タッタラタタッター、タン・・・
のような曲を歌って 「完了」を押すと 曲を見つけて流してくれます
信じられませんよね?
これはパンドラという無料のインターネットラジオです でもただの無料インターネットラジオではなく バンド名や曲名を打ち込めば
その曲をすぐに流してくれます
これには親指を立てたマーク 下げたマークがあって
曲を気に入ったか気に入らないか示すことが出来ます
もし気に入れば 同じ楽器類を使ったり 同じボーカル テーマ、テンポの別のバンドの曲を 薦めてきます
もしそれを気に入るか もしくは気に入らなかったら 親指の立ったマーク 下げたマークをクリックします 繰り返すうちに 気に入らない曲がまったく流れなくなります
あなたの気に入る曲だけが流れるようになるわけです
これはアーバンスプーンといって 街にいるときGPSであなたの現在地を特定します
もし飲食店を見つけたかったら シェイクします
するとレストランが表示され
値段、場所、評価が出てきます
ビデオ:フラッシングまでは行きたくないな
とにかく 凄いものですよ
もちろんiPhoneに限った話ではありませんが
iPhoneが障害や壁を壊しました
でもいまや他のものもそうなってます Google は自前のアンドロイドOSを開発していて すぐに34社の携帯に搭載されるでしょう
タッチスクリーンはとても良いものです
アンドロイドにも アプリをダウンロードできるAppストアがあります
すごいですよ これらの影響をうけて 携帯会社の中でも石灰化し、保守的で 一番融通が利かない べライゾンが 「皆様はわが社のネットワークで お好きな携帯電話を使えます」と表明しました
私はワイアードの「あり得ない あのべライゾンが 自分の回線を解放した いいえ 現実です」という見出しが大好きです
すべては変化しています 私たちは 携帯電話が ノートパソコンの代わりになり 自由にカスタマイズできるようになる 新たなイノベーションの世界に達しているのです
携帯電話はみな独自で ソフトウェアを追加できます
もう一分ほど話していいですか?ありがとう
(拍手) 最後に アップルの 新しいパワーミュージックスタンドです
たった1.3 kgです マイクロソフトオフィスをインストールすると 5.4 kgですがね
ひどい冗談でした
これはNYタイムズのウェブサイトに ミュージックビデオとして掲載した曲です
皆さんこれはなんと 7 時間にわたって Youtubeで一番でした 至福のひと時でした
いまや終わりが近づいている
古い携帯には うんざりだ
音質は悪いし 電波も弱い ソフトウェアは最低だ
地獄で作ったのかな
私の携帯より はるかに素晴らしい 新製品があるって聞いたぞ
わたしもカルト入りだ
iPhoneがほしい
すこし不安もある すこし欠点があるみたい それと向き合おう
キーボードもメモリーカードもない 開けられないので バッテリーも交換できない
でも神よ これはすばらしい
マルチタッチ、iPod、Wi-Fi付き電話だ
私をとりこにした
iPhoneが欲しい
その貴重なスクリーンにタッチしたい
指紋をふき取りたい
友達に見せびらかしたい
「見ろよ カッコいいだろ」って言いたい 並んで手に入れたい
iPhoneが欲しい
なんのために男に生まれたんだ?
iPhoneじゃなかったら あいつが手に入れたのは クズか?
携帯の理想像そのものだ
AT&Tだったら誰が気にしたろうか?
どうしてもと言って 500ドル払った!
そしてiPhoneを買った
(拍手) ありがとうございました | I review gadgets and stuff.
And mostly what good dads should be doing this time of year is nestling with their kids and decorating the Christmas tree.
What I'm mostly doing this year is going on cable TV and answering the same question: "What are the tech trends for next year?"
And I'm like, "Didn't we just go through this last year?"
But I'm going to pick the one that interests me most, and that is the completed marriage of the cell phone and the Internet.
You know, I found that volcano on Google Images, not realizing how much it makes me look like the cover of Dianetics.
Anyway, this all started a few years ago, when they started carrying your voice over the Internet rather than over a phone line, and we've come a long way since that.
But that was interesting in itself. This is companies like Vonage.
Basically you take an ordinary telephone, you plug it into this little box that they give you and the box plugs into your cable modem.
Now, it works just like a regular phone.
So you can pick up the phone, you hear a dial tone, but its just a fake-out. It's a WAV file of a dial tone, just to reassure you that the world hasn't ended.
It could be anything. It could be salsa music or a comedy routine -- it doesn't matter.
The little box has your phone number.
So that's really cool -- you can take it to London or Siberia, and your next door neighbor can dial your home number and your phone will ring, because it's got everything in the box.
They've got every feature known to man in there, because adding a new feature is just software.
And as a result of Voice Over IP -- land-line home-phone service has gone down 30 percent in the last three years.
I mean, no self-respecting college kid has home phone service anymore.
This is what college kids are more likely to have. It's the most popular VOIP service in the world: It's Skype.
It's a free program you download for your Mac or PC, and you make free phone calls anywhere in the world The downside is that you have to wear a headset like a nerd.
It's not your phone -- it's your computer.
But nonetheless, if you're a college kid and you have no money, believe me, this is better than trying to use your cell phone.
It's really cute seeing middle-aged people like me, try out Skype for the first time, which is usually when their kid goes away for a semester abroad.
They don't want to pay the international fees, so they're like, "Timmy! Is that you?"
It's really cute.
But I -- at least it was when I did it -- I think where VOIP is really going to get interesting is when they start putting it on cell phones.
Imagine if you had an ordinary cell phone, and any time you were in a wireless hotspot -- free calls anywhere in the world, never pay the cellular company a nickel.
It'd be really, really cool -- and yet, even though the technology for this has been available for five years, incredibly, the number of standard cell phones offered by US carriers with free VOIP is zero!
I can't figure out why!
Actually, I need to update that. There's one now.
And it's so interesting that I thought I would tell you about it.
It comes from T-Mobile.
And I am not paid by T-Mobile.
I'm not plugging T-Mobile.
The New York Times has very rigid policies about that.
Ever since that Jayson Blair jerk ruined it for all of us.
Basically, the reason you haven't heard about this program is because it was introduced last year on June 29.
Does anyone remember what else happened on June 29 last year?
It was the iPhone. The iPhone came out that day.
I'm like, can you imagine being the T-Mobile PR lady? You know?
"Hi, we have an announcement to -- WAH!!!"
But it's actually really, really cool. You have a choice of phones, and we're not talking smartphones -- ordinary phones, including a Blackberry, that have Wi-Fi.
The deal is, any time you're in a Wi-Fi hotspot, all your calls are free.
And when you're out of the hotspot, you're on the regular cellular network.
You're thinking, "Well, how often am I in a hotspot?"
The answer is, "All the time!"
a regular wireless router that works with the phone, for your house.
Which is really ingenious, because we all know that T-Mobile is the most pathetic carrier.
They have coverage like the size of my thumbnail.
But it's a hundred million dollars to put up one of those towers. Right?
They don't have that kind of money. Instead they give each of us a seven-dollar-and-95-cent box. They're like a stealth tower installation program.
We're putting it in our homes for them!
Anyway, they have Wi-Fi phones in Europe.
But the thing that T-Mobile did that nobody's done before is, when you're on a call an you move from Wi-Fi into cellular range, the call is handed off in mid-syllable, seamlessly. I'll show you the advanced technologies we use at the New York Times to test this gear.
This is me with a camcorder on a phone going like this.
As I walk out of the house from my Wi-Fi hotspot into the cellular network on a call with my wife -- look at the upper left. That's the Wi-Fi signal.
: Jennifer Pogue: Hello?
David Pogue: Hi babes, it's me.
JP: Oh, hi darling, how are you?
DP: You're on Wi-Fi. How does it sound?
JP: Oh, it sounds pretty good.
Now, I'm leaving the house. DP: I'm going for a walk -- do you mind?
JP: No not at all. I'm having a great day with the kids.
DP: What are you guys doing?
Right there!
It just changed to the cellular tower in mid-call.
I don't know why my wife says I never listen to her. I don't get that.
The bottom line is that the boundaries, because of the Internet plus cell phone, are melting.
The cool thing about the T-Mobile phones is that although switching technologies is very advanced, the billing technology has not caught up. So what I mean is that you can start a call in your house in the Wi-Fi hotspot, you can get in your car and talk until the battery's dead -- which would be like 10 minutes -- And the call will continue to be free.
Because they don't, they haven't -- well, no, wait! Not so fast.
It also works the other way.
So if you start a call on your cellular network and you come home, you keep being billed.
Which is why most people with this service "Hey, I just got home. Can I call you right back?"
Now you get it.
It's also true that if you use one of these phones overseas, it doesn't know what Internet hotspot you're in.
On the Internet nobody knows you're a dog, right? Nobody knows you're in Pakistan.
You can make free unlimited calls home to the US with these phones. So, very, very interesting.
This is another favorite of mine.
Does anyone here have a working cell phone that's on, with coverage, who can make a call right now without a lot of fussing?
OK. Would you call me please right now? [Phone number given.] And don't you all call me at three a.m. asking me to fix your printer.
I have two cell phones, so this going to be very odd, if it works.
I should know not to do technology demos in front of an audience. It's just, like, absurd.
This one is going off. And -- oh, I have the ringer off. Tsh! Great.
Anyway, this one is also going off. So they're both ringing at the same time.
Excuse me one second.
Hello?
Oh. Where are you calling from?
No, no just kidding. There he is. Thank you very much for doing that.
I didn't even know it was you -- I was looking at this guy.
Oh great! Yeah. Yeah you can all stop calling now!
All right! We've made the point.
All right. Ringer off. Everyone wants in on the action.
So this is Grand Central at work -- it's a -- oh, for gods sake!
I have your numbers now!
You will pay.
Grand Central is this really brilliant idea where they give you a new phone number, and then at that point one phone number rings all your phones at once.
Your home phone, your work phone, your cell phone, your yacht phone .
The beauty of that is you never miss a call.
I know a lot of you are like, "Ooh, I don't want to be reached at any hour."
But the beauty is it's all going through the internet, so you get all of these really cool features -- like you can say, I want these people to be able to call me only during these hours.
And I want these people to hear this greeting, "Hi boss, I'm out making us both some money. Leave a message."
And then your wife calls, and, "Hi honey, leave me a message."
Very, very customizable.
Google bought it, and they've been working on it for a year.
They're supposed to come out with it very shortly in a public method.
By the way, this is something that really bothers me.
I don't know if you realize this. When you call 411 on your cell phone, they charge you two bucks.
Did you know that? It's an outrage.
I actually got a photograph of the Verizon employee right there.
I'm going to tell you how to avoid that now.
What you're going to use is Google Cellular.
It's totally free -- there's not even ads.
If you know how to send a text message, you can get the same information for free.
I'm about to change your life. So here's me doing it.
You send a text message to the word "Google," which turns out to be 46645.
Leave off the last "e" for savings.
Anyway, so lets say you need a drugstore near Chicago.
You type "pharmacy Chicago," or the zip code.
You hit send, and in five seconds, they will send you back the two closest drugstores, complete with name address and phone number.
Here it comes.
And it's already written down -- so, like, if you're driving, you don't have to do one of these things, "Uh huh, uh huh, uh huh."
It works with weather, too.
You can say "Weather," and the name of the city you're going to travel to.
And then in five seconds, they send you back the complete weather forecast for that town.
Shortly I'll tell you why I was in Milan.
Here we go. And those are just the beginning.
These are all the different things that you can text to Google and they will -- yeah! You're all trying to write this down.
That's cute. I do have an email address. You can just ask me.
It's absolutely phenomenal. The only downside is that it requires you to know how to text -- send a text message. Nobody over 40 knows how to do that.
So I'm going to teach you something even better.
This is called Google Info.
They've just launched this voice-activated version of the same thing.
It's speech recognition like you've never heard before.
So lets say I'm in Monterey, and I want what?
I want to find what? Bagels. OK.
Google: Say the business and the city and state.
DP: Bagels, Monterey, California.
I got the Chinese line.
Google: Bagels, Monterey, California.
Top eight results: Number one, Bagel Bakery on El Dorado Street.
To select number one, you can press one or say "number one."
Number two: Bagel Bakery, commissary department.
Number Two. Number Two. Two.
Why do I listen to people in the audience?
Well anyway -- oh! Here we go!
Google: ... commissary department on McClellan Avenue, Monterey.
I'll connect you, or say "details," or "go back."
DP: He's connecting me! He doesn't even tell me the phone number.
He's just connecting me directly. It's like having a personal valet.
Google: Hold on.
DP: Hi, could I have 400 with a schmear?
No, no, no -- just kidding, no no.
So anyway, you never even find out the number.
It's just so amazing.
And it has incredible, incredible accuracy.
This is even more amazing. Put this in your speed dial.
This you can ask by voice any question.
Who won the 1958 World Series?
What's the recipe for a certain cocktail?
It's absolutely amazing -- and they text you back the answer.
I tried this this morning just to make sure it's still alive.
"Which actors have played James Bond?"
They text me back this: "Sean Connery, George Lazenby, Roger Moore, Timothy Dalton, Pierce Brosnan, Daniel Craig."
Right! And then I was trying to pretend I was like a Valley girl.
I'm like, "What's the word that means you know, like, when the sun, the moon and the earth are, like, all in a line?"
Just to see how the recognition was.
They texted me back, "It's called a syzygy."
Which I knew, because it's the word that won me the Ohio spelling bee in 1976.
You know, there's a lot of people wondering, "How on earth are they going to make money doing this?" And the answer is: look at the last line.
They put this teeny-weeny little ad, about 10 characters long.
And a lot of people also want to know, "How does it work?
How can it be so good? It's as though there is a human being on the other end of the line."
Because there is one!
who are being paid 20 cents per answer.
As you can imagine, it's college kids and old people.
That's who can afford to do that.
But it's a human being on the line. And it's gotten me out of so many tough positions like, "When's the last flight out of Chicago?"
You know. It's just absolutely amazing.
Another thing that really bothers me about cell phones today -- this is probably my biggest pet peeve in all of technology.
When I call to leave you a message, I get 15 seconds of instructions from a third-grade teacher on Ambien!
"To page this person ... " Page? What is this, 1975?
Nobody has pagers anymore.
"You may begin speaking at the tone.
When you have finished recording, you may hang up." No!
And then it gets worse: when I call to retrieve my messages, first of all: "You have 87 messages.
To listen to your messages ... " Why else am I calling?
Of course I want to listen to the messages!
Oh! You all have cell phones too.
So last year I went to Milan, Italy, of cellular executives from 200 countries around the world.
And I said as a joke -- as a joke, I said, "I did the math. Verizon has 70 million customers.
If you check your voicemail twice a day, that's 100 million dollars a year.
I bet you guys are doing this just to run up our airtime, aren't you?"
No chuckle. They're like this -- Where is the outrage, people? Rise up!
Sorry. I'm not bitter.
So now I'm going to tell you how to get out of that.
There are these services that transcribe your voicemail into text.
And they send it either to your email or as text messages to your phone.
It is a life-changer.
And by the way, they don't always get the words right, because it's over the phone and all that.
So they attach the audio file at the bottom of the email so you can listen to double-check.
The services are called things like Spinvox, Phonetag -- this is the one I use -- Callwave. A lot of people say, "How are they doing this?
I don't really want people listening in to my calls."
The executives at these companies told me, "Well we use a proprietary B-to-B, best-of-breed, peer-to-peer soluti -- " you know.
I think basically it's like these guys in India with headsets, you know, listening in.
The reason I think that is that on the first day I tried one of these services, I got two voicemail messages. One was from a guy named Michael Stevenson, which shouldn't be that hard to transcribe, and it was misspelled.
The other was from my video producer at the Times, whose name is Vijaiy Singh, with the silent 'h'. Nailed that one.
So you be the judge.
Anyway, this service, Callwave, promises that it's all software -- nobody is listening to your messages.
And they also promise that they're going to transcribe only the gist of your messages.
So I thought I'd see how that goes.
This is me testing it out.
: Hello, this is Michael.
Hope you're doing well. I'm fine here. Everything's good.
Hey, I was walking along the street and the sky was blue.
And your daughter broke her leg at soccer practice.
I'm going to have a sandwich for lunch.
She's in room -- emergency room 53W.
OK, talk to you later -- bye.
I love my job.
So a couple minutes later, this I got by email.
It's a very good transcription. But a couple minutes after that, I got the text message version. Now remember, a text message can only be 160 characters long.
So it had better be the gist of the gist, right?
I'm not kidding you. The message said, "Was walking along the street" and "sky was blue" and "emergency"!
What the f -- z Well I guess that was the gist.
And lastly, I just have to talk about this one.
This is my favorite of all time. It's called Popularitydialer.com.
Basically, you're going to go on some iffy date, or a potentially bad meeting.
So you go and you type in your phone number, and at the exact minute where you want to be called -- And at that moment your phone will ring.
And you're like, "I'm sorry. I've got to take this."
The really beautiful thing is, you know how when somebody's sitting next to you, sometimes they can sort of hear a little bit of the caller.
So they give you a choice of what you want to hear on the other end.
Here's the girlfriend.
Phone: Hey you, what's going on?
DP: I'm kinda, like, giving a talk right now.
Phone: Well, that's good.
DP: What are you doing?
Phone: I was just wondering what you were up to.
DP: Right, I can't really talk right now.
This is the -- I love this -- the boss call.
Phone: Hey, this is Mr. Johnson calling from the office.
DP: Oh, hi, sir.
Phone: Did you complete that thing about a month ago? That photocopier training?
DP: Oh -- sorry I forgot.
Phone: Yeah, well so when was the last time you used the photocopier?
DP: It was like three weeks ago.
Phone: Well, I don't know if you heard, you might have heard from Lenny, but -- I think the biggest change when Internet met phone was with the iPhone.
Not my finest moment in New York Times journalism.
It was when in the fall of 2006, I explained why Apple would never do a cell phone.
I looked like a moron. However, my logic was good, because -- I don't know if you realize this, but -- until the iPhone came along, the carriers -- Verizon, AT&T, Cingular -- held veto power over every aspect of every design of every phone.
I know the people who worked on the Treo.
They went around to these carriers and said, "Look at these cool features." And Verizon is like, "Hmm, no.
I don't think so."
It was not very conducive to innovation.
What I didn't anticipate was that Steve Jobs if you'll let me design this phone in peace -- and you won't even see it till it's done."
Actually, even so, he was turned down by Verizon and others.
Finally Cingular said OK.
I'm going to talk about the effect of the iPhone.
Please don't corner me at the party tonight and go, "What are you? An Apple fan boy?"
- you know. I'm not.
You can see what I said about it. It's a flawed masterpiece.
It's got bad things and good things. Lets all acknowledge that right now.
But it did change a few things. The first thing it changed was that all those carriers saw that they sold 10 million of these things in a year.
And they said, "Oh my gosh, maybe we've been doing it wrong.
Maybe we should let phone designers design the phones."
Another thing was that it let 10 million people, for the first time, experience being online all the time.
cellular cards for their laptops.
I don't understand why we're not there yet.
When I'm an old man, I'm going to tell my grandchildren, "When I was your age, if I wanted to check my email, I used to drive around town looking for a coffee shop. I did!"
"We had wireless base stations that could broadcast -- yay, about 150 feet across."
It's absurd. We have power outlets in every room of every building. We have running water.
What's the problem?
Anyway -- but this teaches people what it's like.
You have to go to YouTube and type in "iPhone Shuffle."
This guy did a mock video of one that's one inch square, like the real iPod Shuffle.
It's like, "It only has one button.
Touch it and it dials a number at random."
"Who the hell is this?"
But the other thing it did is it opened up this idea of an app store.
It downloads right to the phone.
And you can use the tilt sensor to steer this car using this game.
These programs can use all the components of the iPhone -- the touch screen.
This is the Etch-A-Sketch program -- the theme of EG 2008.
You know how you erase it?
Of course. You shake it.
Right, of course. We shake it to erase, like this.
They have 10,000 of these programs.
This is the translator program. They have every language in the world.
You type in what you want, and it gives you the translation.
This is amazing. This is Midomi.
A song is running through your head -- do do do do do, da da da da da da, da dum ...
OK, you tap, "Done" and it will find out the song and play it for you.
I know. It's insane, right?
This is Pandora. Free Internet radio. Not just free Internet radio -- you type in a band or a song name.
It will immediately play you that song or that band.
It has a thumbs-up and a thumbs-down.
You say if you like this song or not.
If you like it, it tries another song on you from a different band, with the same instrumentation, vocals, theme and tempo.
If you like that one, or don't like it, you do thumbs-up and thumbs-down. Over time it tailors the songs so that it completely stops playing bad songs.
It eventually only plays songs you like.
This is Urbanspoon. You're in a city. It knows from GPS where you're standing.
You want to find a place to eat. You shake it.
It proposes a restaurant.
It gives you the price, and the location and ratings.
Video: I'm not going all the way to Flushing.
Anyway, just amazing, amazing things.
Of course, its not just about the iPhone.
The iPhone broke the dyke, the wall.
But now it's everybody else. So Google has done their own Android operating system that will soon be on handsets -- phones from 34 companies.
Touch screen -- very, very nice.
Also with its own app store, where you can download programs.
This is amazing. In the wake of all this, Verizon, the most calcified, corporate, conservative carrier of all, said, "You can use any phone you want on our network."
I love the Wired headline: Pigs Fly, Hell Freezes Over and Verizon Opens Up Its Network -- No. Really.
So everything is changing. We've entered a new world of innovation, where the cell phone becomes your laptop, customized the way you want it.
Every cell phone is unique. There is software that you can add on.
Can I do one more one-minute song? Thank you.
Just to round it up -- this is the new Apple Power Music Stand.
It's only three pounds, or 12 if you install Microsoft Office.
Sorry, that was mean.
This is a song I did for the New York Times website as a music video.
Ladies and gentlemen, for seven blissful hours it was the number one video on YouTube.
And now the end is near.
I'm sick to death of this old cell phone.
Bad sound, the signal's weak, the software stinks.
A made-in-Hell phone.
I've heard there's something new -- a million times more rad than my phone.
I too will join the cult.
I want an iPhone.
Concerns -- I have a few. It's got some flaws; we may just face it.
No keys, no memory card, the battery's sealed -- you can't replace it.
But God, this thing is sweet.
A multitouch, iPod, Wi-Fi phone.
You had me from, "Hello."
I want an iPhone.
I want to touch its precious screen.
I want to wipe the smudges clean.
I want my friends to look and drool.
I want to say, "Look -- now I'm cool" I stood in line and I'll get mine.
I want an iPhone.
For what is a man?
What has he got? If not iPhone, then he's got squat.
It's all the things a phone should be.
Who cares if it's AT&T?
I took a stand, paid half a grand!
And I got an iPhone!
Thank you. Thank you very much. | {
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「なんて強さだ......」
城からミラと悪魔の戦い始終を目にしたアスバルが、無意識に呟く。他の者達も、その余りの次元の違いに絶句していた。
「ミラお姉ちゃん、すごい! カッコいいよ!」
だがタクトだけは違った。悪魔と戦い、勝利したミラを崇敬の眼差しで見つめ走り出す。命令を忠実に守るホーリーナイトがタクトを追従していく姿を目にして、エカルラートカリヨンの面々も我に返り、ミラの元へと駆け出した。
「僕もミラお姉ちゃんみたいに強くなりたい!」
エメラ達が追いつくとほぼ同時に、タクトはその瞳を輝かせながら言う。
「ほう、そうかそうか。その気持ちがあれば、きっと強くなれるじゃろう」
無垢な子供に褒められてふんぞり返るミラは、タクトの頭を撫でながらにやにやと笑んでいる。その瞳には禍々しかった魔眼の痕跡はもう無く、いつもの色彩に戻っていた。
エメラ達が目にしたその姿には悪魔と戦っていた時の面影は無く、年頃の少女といった雰囲気しか感じられない。一瞬気の抜けた面々だったが、やはり気になるのは先程まで目の前で繰り広げられていた光景。あの人類の敵と云われていた、悪魔を圧倒したミラの常識外れな実力だ。
「何て言ったらいいか分からないけど、ありがとうミラちゃん。お陰で助かったわ」
「ああ、俺達だけだったらどうなっていたか」
「礼を言われる事ではない。わしが巻き込んだ様なものじゃからのぅ」
エメラとしては命を救われたという事実は揺ぎ無いものだったが、ミラにしてみれば本来一人で来る予定だった場所。そしてそこに居た悪魔との戦闘に巻き込んだ形となるのだから、礼を言われても困ると首を振る。
「にしてもさ、ミラちゃんってめっちゃ強ぇんだな。冒険者になっていきなりランクCっていうのと関係あるん?」
唐突にゼフは、ここに居る誰もが気にしている事を難なく言ってのけた。
現在最も気になる事ではあるが、何か秘密がどんな事情がと思考を巡らせていたアスバルやフリッカは、呆然とした目でゼフに視線を送る。
視線を向けられた当の本人はミラを見て、細かい事情は分からないが、それでも悪い人間ではまず無いと確信している。直感にも近いが、ゼフの観察眼は確かなものだ。そしてタクトを気遣うミラの態度は、ゼフだけでなく他のメンバーも見ている。タクトに接するミラは良きお姉さんであり、背伸びした物言いは何とも愛らしい印象を感じさせるものだ。
「ふむ、そうじゃな......まあ言ってもいいじゃろう」
ミラはゼフの言葉を受けて一瞬だけ思考したが、術士組合のギルド長が自分を知っていた口振りからして、隠したところでいずれ分かる事だろうと結論する。
ならば根掘り葉掘り訊かれて、それを誤魔化す為の言い訳を考えるよりも、最初に閃いた言い訳を言ってしまった方が手間が少なく齟齬も無い。
英雄の弟子だから悪魔も楽勝でした。事実、ダンブルフの蛮勇を知っている者ならば、それで十分に納得できる言い分だろう。
「それで......ミラちゃんの強さの理由は......」
やはりというか最もというか、一番気にしていたエメラは食い入る様にミラを見つめて言葉の続きを待つ。美女の視線を近くに感じて、ミラは盛大に狼狽しているとは露知らずに。
「う、うむ......ダンブルフという者を知っておるか? わしはその弟子じゃ。故あって動き回れぬ師の代わりに野暮用をこなしておるところでな」
ミラは力量の証明と同時に、後々聞かれるであろう古代神殿に来た理由を仄めかした者の代わりに来たと言っておけば追求されても、秘密と押し通せると考えたからだ。
さあどう反応するかとミラが身構えていると、その反応は以外にも落ち着いたものだった。
「ダンブルフ様の弟子......だからあんなに強いんだ」
「軍勢名持ちの賢者......その弟子。なるほどな」
エメラとアスバルは、むしろ納得できたと言わんばかりにその答えを飲み込んだ。目の前で繰り広げられた次元の違う戦い。そして周囲に刻み込まれたその傷痕。これ程の力を持つ者と言えば、それこそ九賢者やレジェンドクラスの冒険者国の将軍といった錚々たる面々が並ぶ。
そんな者達と比肩してみせたミラの実力は、むしろそういう理由でもないと納得できるものではなかった。
なにより、目の前で起きた事象の上での言葉に疑う余地は無く、疑ったところで答えなど見つけられ無いだろう。故に、ダンブルフどうこうよりも先に、ミラの言葉を素直に受け止める事が出来たのだ。
「ダンブルフ様......九賢者の弟子......」
ミラの想像以上に早く落ち着いたエメラとアスバルとは別に、フリッカはその答えを何度も繰り返していた。
フリッカもミラの圧倒的な実力をその目で見たので、疑いはほとんど無かった。悪魔との戦いの前から、兆候は幾度と感じていたからだ。だが、エメラとアスバルとは違い術士であるフリッカは、その言葉が前例の無いものである事を知っている。九賢者は総じて弟子を取った事は無いのだ。銀の連塔の術士は飽くまで研究員であり、賢者から教えを請う事も出来るが、結局はそこまでだ。弟子でなく、教師と生徒という位置でもない。決して、一対一で技術の全てを指導してもらえるという立場の者はこの世に居ないと聞いている。
九賢者が失踪する前から、弟子と噂される者は居らず、唯一戻って来ているルミナリアも決して弟子は取っていない。
フリッカは、そうでもなければ強さの説明が付かないという思いと、歴史に反する前代未聞の賢者の弟子という存在の間で揺れ動いていた。
「すっげ! 知ってる知ってる。オレでも知ってるよその名前。超有名人の弟子なんか。すげぇなミラちゃんは!」
最もお気楽なゼフが身振り手振りを交えてミラを賞賛する。そして、傍らに佇むホーリーナイトを見つめながら「改めて見ると、貫禄が違うな!」などと騒ぎ立てる。
ゼフにしてみれば誰の弟子だろうが、どういう事情があろうが、ミラは悪魔を倒し自分達はそれで助かった。それ以上でもそれ以下でもなく、ミラはとにかく強い。それだけの事だった。良い意味で空気の読めないゼフ。
タクトにしてみればダンブルフという人物は知っているが、絵本や物語のヒーローという認識だ。それよりも悪魔を倒したミラはヒーローそのもので、眩いくらいに瞳を輝かせてミラを見つめている。
ミラは、少しくらい「うっそだー」だとか「ありえないっしょー」などと言われるかもと予想してたが、そんな事は無く、一言で片付いて良かったと一息ついた。
そもそもミラがそう思った理由というのは、単純に九賢者が失踪中であるという事が挙げられる。居場所どころか生死すら不明の人物の弟子だなんて、言うなれば名乗り放題である。しかしここに居る者は、その考慮や確認すらせずに受け入れた。ミラにしてみれば不思議だとも思えるが、エメラ達にしてみれば、それ以外にミラの強さに説明が付かないというのが実情。それ程までにミラの実力は、常軌を逸したものだったのだ。
「なんじゃお主等、やけに素直に信じるんじゃのぅ」
拍子抜けだと言わんばかりに、つい口にするミラ。
「えっ、嘘なの!?」
納得して落ち着いていたエメラは、取り乱した様に再びミラに迫る。とても近い。
「いや、嘘では無い。そして近い」
ミラは軽く首を横に振り、視線を外しながら後ろに下がる。若干、顔が赤くなっていた。
「というよりかの、わしの師は失踪中となっておるじゃろう。それに関して何か言われるかと思うておったんじゃがな」
「ああ、そういう事ね」
得心がいった様にエメラが頷く。
「確かに、失踪中の賢者様達には色々な説が流れているけど。魔界に乗り込んだとか、壮絶な仲違いで殺し合ったとか、神に昇格して天に召されたとかね。
だけどそれは一部の人が面白可笑しく話しているだけ。普通に皆は、賢者様はどこかに隠居して俗世から離れて暮らしているんだろうってのが通説よ。
それにもうあれから三十年、弟子が出てきたっておかしくない時期でしょ」
あながち間違いではない。エメラがそう言い終わると、隣のアスバルがミラの全身を見ながら、
「それとだ。嬢ちゃんの戦い方ってのが、親父から聞いた話にソックリだったんだよな」
そう続けて、にかっと笑う。そしてそれこそがミラの話をすぐに信じた決定的な要因だった。
「私もお父さんに良く聞かせてもらってた!」
「私もですね。魔術士適正があると分かってからは、九賢者様の物語を何度も読んでもらっていました」
「だよなー。ってか、この国で生まれたなら知らない奴も居ないだろうな」
アスバルに続く様に他の三人も口を揃えて、その物語の情景を思い浮かべる。その情景が、先程のミラの戦い方と酷似していたのだ。
「物語とな?」
首を傾げるミラにエメラは、その詳細を語る様に話し始めた。
皆が言う物語とはアルカイト王国で老若男女に大人気の、九賢者を題材とした物語の事だ。その内のダンブルフの物語には、召喚精霊を千体同時召喚といった武勇伝が描かれていたりするのだが、その中でも特に人気だった話が一つ。召喚術と仙術を駆使した召喚術士ならざる近接戦がメインのお話だ。
召喚獣が飛び交いダンブルフが地を駆ける。子供達は誰もがその物語に熱狂した。そして全員が子供の頃から知っている共通認識から、ミラの言葉は即座に受け入れられたのだ。
「その様なものが出回っておるとは......」
エメラが物語の内容を簡潔に、しかし熱く語る。それにタクトも興奮し「すごいすごい」と囃し立てるものだから、エメラは益々調子に乗っていく。
「ミラちゃん、これはまだ序章よ! 貴女の師匠、ダンブルフ様の武勇はこの程度では終わらないわ!」
絶好調に拳を振り上げるエメラは直後、フリッカの杖の硬いところで突かれて蹲る。
「もういいわエメラ。それよりもまずは早く帰りましょう。この場に悪魔が現れたという事も早く報告したいわ」
「そ......そうね。ぞうじまじょう......」
くぐもった声でエメラが答える。よろりと立ち上がったエメラは僅かに涙を浮かべていた。
「あー、わしが聞いた事じゃから、途中で止めるべきじゃったかのぅ」
自分が途中で止めていれば痛い思いをせずに済んだだろうと、ミラは腹部を押さえるエメラを見ながら言うと、
「そんな事ないのよミラちゃーん! 悪いのはエメラだから気にしないのぉー!」
「おおぅっ!?」
裏返る一歩手前の声を上げながらフリッカが掻っ攫う様にミラを抱き上げる。同時にその顔を胸に埋めてもふもふすると、案の定エメラのチョップで地に伏せる。やったらやり返された。そんな構図だ。
ミラはフリッカが倒れる直前、エメラに抱えられてから地に下ろされる。
「なんか、ごめんね」
「さっきまでは普通だったのにのぅ」
「多分、緊張が解けて我慢の限界超えたんだと思う」
「難儀じゃな」
そう言った二人は、幸せそうな笑顔で地面を転がり「すっごく柔らかかったのー!」とのたまいながら身悶えているフリッカを見つめる。
「残念すぎるよなぁ」
「まあ、そこもフリッカちゃんの魅力さ」
嘆息しながら呟くアスバルに、美人なら障害なんて何のそのなゼフが答える。
「それにしても物語のダンブルフ様は、召喚術の他に仙術で接近戦が出来るとあったけど、ミラちゃんはそれも受け継いでいるんだね。あれはすごかった」
フリッカが平静を取り戻す中、エメラが熱を帯びた瞳で語る。事実それがダンブルフの戦闘方法であり、まともな召喚術士の戦い方とは逸脱してたりする。
「仙術か......急に消えたりもしたよな。すげぇんだな仙術ってのはよ」
「オレも所々、目で追えなかったな。仙術士ってのは皆あんな非常識な動きするん?」
「他は知らぬが、あれくらいは普通じゃよ」
「なんだか空走ってましたよね。仙術士はうちのギルドにも居ますけど、あんな事出来なかったと思いますが」
「空闊歩という仙術士の固有技能じゃな。あれくらいは普通じゃよ」
仙術士としても上位であるミラの動きは、大盤振る舞いした事も相まって、客観的に見るとちょっとした超常現象染みたものだった。物語とは違い、実際に目にしたその戦いは迫力が違う。もちろんその光景はエメラ達の脳裏に鮮明に刻み込まれている。
「仙術ってすごいね!」
全員の総意をまとめて、エメラが興奮気味に声を上げる。それと共にエカルラートカリヨンの面々は大いに仙術に対しての認識を改める。召喚術士であるが仙術も操る賢者の弟子が、あれ程の仙術戦を繰り広げた。それも悪魔を圧倒する仙術戦だ。魅了されない訳が無い。
「......なん......じゃと」
召喚術の実力を見せ付けるはずが、結果として最も評価の上がったのは仙術だったという事実。ミラは遥か遠くに視線を飛ばし、どこで間違ったと頭を抱えた。
「おーい、これってもしかして結構良いもんじゃねー?」
次のチャンスにと、帰り道にあるかどうかも怪しい召喚術挽回の可能性に賭けていたミラが顔を上げたところで、遠くからゼフの声が響く。皆が反応してそちらに視線を向けると、ゼフの足元には悪魔の亡骸と、その得物が転がっていた。
アスバルは悪魔の体表の所々に刻まれた傷痕を指でなぞりながら言う。そこから手の甲で軽く叩き、その尋常ならざる堅牢な鎧衣に嘆息した。自分の全力でも掠り傷一つ与える事ができるのかどうかと。
エメラも同じ気持ちで剣の柄を力強く握り締めると、今日から訓練を倍にしようと心の中で誓う。その瞳には、別次元の情景が焼きついており、そしていつかは自分もその場所へ行くんだという情熱が宿っていた。
感心した様に亡骸を囲む面々に対して、タクトは悪魔を目にした途端にミラの背後に隠れ、そんなタクトにミラは「大丈夫じゃよ」と声を掛け優しく頭を撫でる。
「んでさ、これなんだけど。オレじゃあ、ちと持てそうにないんだよな」
ゼフは両手でどうにか持ち上げた大鎌を引き摺ってアスバルの元へと運ぶ。それを受け取ったアスバルは、その瞬間に表情を歪める。
「ぬっ......なんて重さだ。ふんっ!」
そう言いながらも、両手でそれを構え大きく振り下ろす。甲高い金属音と共にその刃が地面にめり込んだ。
「どうだ、使えそうか?」
「俺では荷が重いな。それに大鎌なんぞ使った事もない。そもそもこれは悪魔を倒した嬢ちゃんの物だろ。まあ、武器は嬢ちゃんには必要無さそうだが、売ればかなりの値が付くんじゃないか」
「んだなー。後は魔動石と魔動結晶もあるし、ミラちゃんウハウハだな。一割くらい、アイテム回収作業代として貰っていい?」
ゼフは冗談らしく笑みを浮かべる。実際問題として、古代神殿で手に入ったアイテムは最初のグールを抜かせば、全てミラの手柄だ。ゼフも、それは承知で回収していたし、他のメンバーだってその事にどうこう言うつもりはない。
だがミラは違った。
「なんじゃ。こういうものは頭割りが基本じゃろう。計算は苦手じゃからそこは任せるがのぅ」
その言葉にエカルラートカリヨンの面々は完全に思考停止となる。回収した魔動石に、悪魔の武器である大鎌。計算するでもなく、ちょっとした一財産となるだろう。
そして誰がどう見ても、その所有権はミラにある。だがその所有権を持つ本人が、皆で分けるのが当たり前だと言ったのだ。協力して倒した魔物の部位アイテム等を分けるのは冒険者としての常識だが、ミラの実力が知れた今、どうあっても自分達はミラに着いて来ただけの同行者という立場だと認識している。
「でもほら、倒したのはミラちゃんの召喚術だし」
「わしらは、パーティじゃろう?」
しどろもどろに現状を伝えるエメラに、疑問符を浮かべながら返答するミラ。
元よりミラはそのつもりであり、単純にそれがプレイヤーの常識として染み付いている。魔物のドロップアイテムで揉めるのが苦手なミラは、パーティ戦では最初から全部頭割りとするのが平等で理想的だと思っているのだ。
互いに視線を交わしたまま首を傾げ合うエメラとミラ。タクトは話の内容が分からず首を傾げる。
「そんな懐の大きいミラちゃんも素敵!」
そう言い飛び出したフリッカにまたも抱きしめられたミラは、視線で何とかしろとエメラに訴える。
何度目かの手刀をフリッカの脳天に落としながら、エメラはクスリと微笑んだ。
「ミラちゃんって、どこまでも非常識なのね」
「それには同意だな」
半ば呆れつつも優しい笑顔を浮かべるエメラに、アスバルは大いに頷いた。
「わしは、それ程金品に困ってはおらんからのぅ」
いざとなればソロモンを強請ればいいだけの話だ。
「夏燈篭に宿泊しているくらいだし、そういえばそうよね」
「あー、言ってたな」
「言ってた言ってた。金に困らないなんて羨ましいよなー」
エメラは若干遠い目をしつつ、鎮魂都市カラナック一の宿を思い浮かべる。たった一度だけ、戦勝祝いとして訪れた夏燈篭。手の込んだ料理の数々と安宿の食堂とは明らかに違う内装や調度品。エメラはそこで、お姫様にでもなった様な気分に浸りながら、仲間達と騒いだ夜を思い出す。
アスバルやゼフもその時の戦勝祝いを思い出したが、二人の記憶には一晩中にやついていたエメラの顔が真っ先に浮かぶ。どうやらお姫様気分により表情が緩みきっていた事に、エメラ本人は気付いていなかった様だ。
「えっと、それじゃあ本当にいいの?」
「構わぬ。それとお主等のギルドにその鎌が使える者が居るならば、それはそいつにでも渡しておくといい」
自分では使わないが、折角のレアな武器なので使える者の手に預けるのが一番だと伝える。これもまたプレイヤー時代からの決まり事だ。装備品が出た場合は、それを最も有効活用出来る者が手にする。ミラは今までずっとそうしてきたし、これからもそれを変える気は無かった。
そういう心持のミラの一言は、再び一同の表情が一変させた。エメラは呆気に取られ、アスバルは苦笑、ゼフは大笑いしていた。そこに復活したフリッカは三者三様の表情に首を傾げる。
「鑑定してみないと分からないけど、これ一本でもかなりのものよ?」
「装備品は、それを有効に利用できる者が仲間に居るのならば、その者に渡すのが一番じゃろう。わしは要らんしのぅ。お主等の中に使える者はおるか?」
「んー、俺じゃあちと厳しいが、同じギルドの仲間に闇騎士が居るから、あいつなら使えるかもしれんが、なぁ」
アスバルはそう言いながらも、ここに居ない者に悪魔の武器などという一級品を渡すのもどうかと言葉を濁す。
「ほう、闇騎士か。ならば丁度良さそうじゃな。そ奴にでも渡しておくとよい」
「いや、だがな。俺たちとしてはギルドの戦力が上がるからありがてぇ話なんだが、流石に受け取れねぇよ。こればっかりはなぁ」
「うん。ミラちゃんの申し出はありがたいんだけど、流石に気が引けるっていうか何というか」
エメラとアスバルが言い淀むのも無理はない。上級冒険者として金銭面には注意を払っているのもあるが、今回は桁が違う。ミラにしてみても鎌など使わないし、お金にもそれ程困ってはいない。
だが売るというのは好ましくないと思っていた。何よりもミラが警戒している事は、それが悪人の手に渡る事だ。強力な武器を悪人が手にすればその被害は目も当てられないものとなるだろう。
自分が世に出したものが犯罪に使われる可能性。それならばエメラ達に渡しておいた方がましだと思えた。まだ短い時間だが、エメラ達の人となりは間違いなく善人だろう。何より子供を心配してここまで来たという行動がそれを証明している。それと有名なギルドそうなので足取りも掴みやすいだろう。
「わしとしては、下手に売って悪人に使われるのが嫌なんじゃ。ならば信頼出来そうな者に預けた方が安心出来るじゃろ?」
ミラはそう言いながらエメラを見上げると、エメラは呆然としながらも徐々にその表情を輝かせていく。言葉の中にあった信頼という単語に反応したのだ。そしてその言葉は実直な彼女の心に直撃した。
「分かったわ! 私が責任もって預かる!」
そう宣言したエメラはミラの手を握ると、強い意志を宿らせた瞳で視線を交わす。
「本気か? お嬢ちゃんのいう事も一理あるが、俺達は今日会ったばっかだぞ」
「まあそうだよな。自分で言うのもなんだけどさ、流石に早過ぎるっていうか、な」
「私は、ミラちゃんを裏切るような事はしませんが」
迷う事無く言い切ったフリッカ。対してアスバルやゼフも内心は嬉しく思いつつも、常識的な意見を口にする。ミラの今後を考えての事だが、当の本人もその事は百も承知だ。
「もし何かあったらわしが直々に回収しに行くからのぅ」 | 「What strength...」
Asbar, who had seen the whole fight between Mira and the devil from the castle, muttered unconsciously. The others also didn’t know what to say upon witnessing that her strength was in another dimension.
「Amazing, Big Sis Mira! That’s so cool!」
Except for Takuto. Gazing in adoration at Mira who had won the battle against the devil, he ran up to her. Upon seeing the Holy Knight follow Takuto and faithfully fulfilling his orders, the members of Écarlate Carillon returned to themselves and dashed to Mira.
「I want to become as strong as Big Sis Mira too!」
About the time they reunited with Mira, Takuto said that with shining eyes.
「Ohh, I see. As long as you hold onto those feelings, you can surely become strong.」
While getting praised by this innocent child, Mira started grinning and stroking Takuto’s head. Not a single trace of the ominous magic eye remained, as her eyes had returned to their usual color.
By now her figure had nothing in common with when she fought the devil, she looked exactly like a girl her age should. At first the guild members were taken aback, but they were curious about the spectacle that unfolded before them. After all, they had just witnessed Mira’s crazy display of her strength which could even overwhelm the legendary enemy of humanity, the devil.
「I don’t know what to say, but anyway, thank you, Mira. You saved us all.」
「Yeah, who knows what would have happened if it had been alone.」
「I haven’t done anything worth the praise. After all, I am the one who dragged you all into this.」
Emera firmly believed Mira saved their lives, but Mira originally planned to come here alone. And that means she dragged everybody into a battle with the devil that happened to be here, so she rejected the gratitude by shaking her head.
「Putting that aside, Mira is hella strong. Is your strength related to your instant promotion to rank C?」
Suddenly Zef voiced the real question that everyone was thinking about, without any warning.
Even though everybody wanted to know it, Asbar and Fricca assumed there were some circumstances that made her keep it a secret, so they were very much astonished and stared at Zef.
The one under their gazes looked at Mira. He had no idea about her circumstances, but was sure she wasn’t a bad person. It was only intuition, but usually Zef’s judgement of a person was accurate. And not only Zef but also the rest of the party saw how Mira had been taking care of Takuto. Mira who stood next to Takuto was a nice big sister and her grown-up manner of speaking was really adorable.
「Hmm, sure... I guess telling you can’t hurt...」
After pondering about Zef’s words and considering the talk with the chief of the magician’s guild, Mira concluded that they would find out anyway.
And in that case, instead of inventing excuses when they start to ask for details, she could just tell them the excuse she’s been using up until now, which should save her time and would be consistent.
Because she’s the pupil of a hero, the devil was not a match for her. Really, it should convince anybody who knows about the valor of Danbulf.
「Then... the reason why Mira is so strong is...?」
As expected from her, or perhaps displaying a natural reaction, Emera as the most curious of them fixedly stared at Mira’s face, waiting for her to continue. Feeling the beauty’s gaze left Mira disturbed and confused.
「Erm, yeah... Do you all know a person named Danbulf? I’m his pupil. Thus, I’m going on errands instead of the master who can’t move around due to certain reasons.」
Together with the explanation of her strength, she hinted at the reason why she’s here, since they would probably ask that anyway. She thought that even if somebody would ask for details after hearing that she’s here instead of one of the Nine Wisemen, she could just tell it’s confidential.
Mira was preparing herself for the reaction, but that reaction was unexpectedly plain.
「A pupil of Danbulf.... That’s why she’s so strong.」
「The wiseman with an alias of the 『One Man Army』... And you’re his pupil? I see.」
Emera and Asbar, seemingly convinced, readily swallowed her answer. A battle of unbelievable scale had unfolded in front of them. And the traces of it could still be seen all around. Considering that power, it could easily be one of the Nine Wisemen, a legendary adventurer or the supreme commander of the Three Initial Countries.
They would rather doubt any other explanation for Mira’s strength, since that would not have been convincing.
After all, considering what they saw with their own eyes, they had no reason to doubt it and even if they tried, that doubt itself couldn’t explain anything. Therefore, rather than thinking about her relation to Danbulf, they just took her words as truth.
「A pupil of Danbulf...a Wiseman.」
Contrary to Emera and Asbar, who calmly accepted that explanation, Fricca repeated those words over and over.
Fricca had seen that overwhelming strength with her own eyes, so she barely doubted it. She even had some premonitions of that before the fight with the devil. But, unlike Emera and Asbar, Fricca was a magician and knew that such a thing never happened before. None of the Nine Wisemen took in any pupils at all. All the magicians at the Silver Towers were only researchers and, while they could ask the wisemen to teach them something, that was the most they could do. Not disciples, nor even students. And obviously there was nobody who got all the skills through private training with any of them, as far as she heard.
Before the Nine Wisemen disappeared, there were no rumors about pupils, and the only one who had returned, Luminaria, definitely didn’t have any pupils too.
Keeping in mind that she couldn’t explain her strength otherwise, Fricca started considering the existence of the first pupil of the wiseman in history.
「That’s cool! Of course, I know. Even I’ve heard of that name. And you are a pupil of such a famous man. Little Mira, you’re so cool!」
As the most carefree of them, Zef showed his admiration with gestures. Then, further contributing to the fuss, he added while staring at the Holy Knight who stood at the side: 「Looking at him again, that dignity is something!」
For Zef, the fact Mira defeated a devil and thus saved them all mattered more than whose pupil she was. And Mira definitely was really strong. Just that. In a good sense, he couldn’t read the atmosphere.
As for Takuto, he knew who Danbulf was, but that knowledge was only limited to the “hero of tales and picture books”. Compared to that, Mira was a hero right in front of him that defeated the devil and his eyes shone in awe when he looked at her.
Mira, anticipating questions, prepared for answers like 「Yeah」 or 「No」 but it wasn’t needed, so she happily took her rest without having to explain further.
She was expecting questions because, to begin with, the Nine Wisemen still counted as missing. And anybody could claim to be the students of someone famous with unknown status. But everybody here accepted her story without even considering that or asking for any form of proof. For Mira’s viewpoint, it was strange, but for the rest it was the only plausible explanation of her strength. After all, her strength was that aberrant.
「Strange, you all believe me so easily.」
Disappointed, Mira finally said that.
「Eh? You lied!?」
Just having calmed down with that explanation, Emera started to urge Mira again, getting too close to her.
「No, I didn’t. Also, you’re too close.」
Mira slightly shook her head and averted her eyes. Her face began to redden.
「I mean, my master is missing now. And nobody wonders about that.」
「AH, I see.」
Emera nodded in understanding.
「There are some theories about their disappearance, of course. They could have gone to the demon realm,or have killed each other in an epic discord, or even have been called to heavens by some god.
But those are just jokes popular among some people. For everyone else, the Wisemen are hiding somewhere in this world, far away from worldly affairs.
And the appearance of a pupil isn’t that strange now that three decades have passed since then.」
She wasn’t the only one thinking that. As she finished, Asbar, glancing Mira from head to tiptoes, said
「And also, miss, your fighting style exactly matches one from stories my father told me about the Wisemen.」
Following that he started to grin. For him this was the main reason to believe Mira’s story.
「My father too often told such stories!」
「And mine too. Right after he noticed that I had the potential to become a magician, he often read me stories about the Nine Wisemen.」
「Well, of course he would. Rather, I don’t think anybody born in this country hasn’t heard about them.」
Following Asbar, the other three agreed and started to recall those stories. They were very similar to Mira’s fight.
「Stories?」
As Mira tilted her head, Emera began recounting the details.
They were talking about stories themed on the Nine Wisemen, very popular among the entire Alkite kingdom, young or old. And in those sagas, Danbulf was depicted as a hero able to control a thousand of summons, but among them one story was the most popular. That story told about how he mastered both the summoning and sage skills, a practice mostly unheard of for a summoner as they don’t normally engage in close combat and let their summons fight.
Danbulf dashing headlong into combat with his summons. Every child loved that story. That common knowledge from childhood led them all to outright believe Mira’s story.
「I had no idea such stories were around...」
Emera briefly, yet passionately retold the content of the stories. Takuto got excited as well, and due to him cheering 「Cool, cool」 Emera got a little side-tracked.
「Mira, that’s only just the prologue! The saga about your teacher, Danbulf, isn’t over yet!」
Getting more and more caught up in the moment, Emera swung her fist up. Immediately after, Fricca used a hard part of her stick to smack it into Emera’s belly.
「Emera, that’s enough. Let’s return first. I don’t want to delay the report about the appearance of a devil.」
「Ahh.... you’re right. Let’s return...」
Crouching and holding her belly, Emera answered in a muffled voice. When she got up unsteadily, some tears appeared in her eyes.
「I was the one who asked, I should have stopped her in the middle of explanation.」
Mira spoke up for Emera, thinking that Emera wouldn’t have to suffer if she had stopped her earlier.
「Not at all, Mira! You shouldn’t worry since it’s Emera’s fault!」
「Oohh!?」
Fricca raised her voice so much that it almost seemed to break when she pulled Mira into her embrace. At the same time, she put her face in Mira’s breasts and started to rub against them while breathing heavily, which obviously in turn led to her falling to the ground after receiving a chop from Emera. She reaped what she sowed.
Right before Fricca collapsed, Emera snatched Mira from her and put her back down on the ground.
「I’m sorry about her.」
「She was normal just a moment ago...」
「Perhaps she lost control of herself as soon as she started to relax.」
Saying that, they watched Fricca writhing while happily rolling around the ground and shouting 「She was sooo fluffy!」
「Such a disappointment.」
「Well, that’s one of Fricca’s charms too.」
Asbar sighed and Zef argued back, justifying everything with beauty.
「Still, you can use both Summoning and Sage skills just like Danbulf did, right? That was amazing.」
As Fricca was coming to her senses, Emera began her passionate speech. Indeed, it was Danbulf’s combat style, deviating from the combat used by any other decent summoner.
「Sage, huh... you quickly disappeared and then reappeared. It was so cool.」
「It’s nothing special.」
「I too couldn’t follow her with my eyes from time to time. Can all the Sage fighters do such insane movements?」
「No idea about others. But it’s nothing special.」
「And you ran in mid-air too, right? We have some Sage fighters in the guild, but I don’t think any one of them can do that.」
「The Sky Stride is a common Sage skill. It’s nothing special.」
Mira was a highly skilled Sage fighter too, and coupled with the splendid visuals it seemed like a supernatural spectacle. The actual battle was way more intense than in those stories. And the vivid scenes of course had been engraved into their minds.
「Sages are amazing!」
An excited Emera said, voicing everyone’s thoughts. Along with her words, the members of Écarlate Carillon changed their minds about the Sage mastery. The pupil of a wiseman, while being a summoner, could do so much with the Sage skill. And those Sage skills overwhelmed the devil. Of course they were fascinated.
「...What did...you say?」
She had planned to show off the power of her summoner skills, but in the end only the Sage was judged. Mira gazed into space as she tried to find where she had gone astray.
「Hey, isn’t that stuff pretty nice?」
While Mira was hoping to be able to recover the reputation of summoning on their way back, Zef called out to them from afar. When everybody turned to look at him, they saw the remains of the devil and his weapon by Zef’s feet.
Asbar said that while tracing the scars all over the devil’s body. He lightly hit it with the back of his hand and gasped at the unbelievably robust armor. He wasn’t sure whether his full swing would be able to leave even a single scratch on it.
With the same feelings Emera put her hand on the hilt of her sword and swore to herself she would double her training starting from today. Reflected in her eyes was a scenery that seemed to belong to another world, urging her to improve until one day she would be able to fight on the same level.
Contrary to the group that was surrounding the body in admiration, Takuto hid behind Mira’s back as soon as he saw the devil. Mira gently stroked his head, repeatedly saying 「Don’t worry」.
「So, about this stuff. It’s a bit too heavy to carry for me.」
Struggling, Zef lifted the scythe with both hands and carried it to Asbar. Receiving it, Asbar’s face instantly distorted.
「Woah... It’s really quite heavy!」
With those words, he grabbed the scythe with both hands and made a large swing. Along with a high-pitched metallic sound, the blade pierced the ground.
「How is it? Think you can you handle it?」
「This one is too heavy for me. And I never used a scythe before. To begin with, this scythe belongs to the miss who defeated the devil. Well, she doesn’t seem to need any weapon at all, but it should at least yield quite a price if sold.」
「You’re right. And there are magic stones and magic crystals too. Mira got quite a haul. Can I get one tenth as payment for collecting items?」
Zef made a joke while smiling. Aside from the first few ghouls they killed, everything else had been defeated by Mira and so those items belonged to her. Zeff also knew it, and no other member would say anything about it.
But Mira was different.
「What? Usually such stuff is evenly divided. Since I’m bad at math, I leave that to you.」
Her words rendered the minds of the members of Écarlate Carillon completely blank. The gathered magic stones and the devil’s weapon, even without estimating anything, it was clear that this would yield quite a fortune.
And everybody here thought of Mira as the owner. But the owner herself told them to split it as if that was the most obvious thing to do. It was common among adventurers to split the loot after defeating monsters together, but after learning of Mira’s strength, they all didn’t have any doubts they had only been tagging along with her.
「But, it was your summon that defeated them.」
「Aren’t we a party though?」
Puzzled, Mira looked at Emera who had tried to explain the situation.
Mira wanted to do it this way from the beginning, because it was ingrained in her as common sense of a player. And, since Mira disliked disputes about drop items, she always thought that splitting them evenly between all party members would be the most ideal approach during party battles.
While looking at each other, both Mira and Emera tilted their heads. Takuto joined them with that, without knowing what they were talking about.
「Being so generous is another great side of Mira!」
With those words Fricca jumped at Mira and hugged her, prompting Mira to demand Emera to stop her with an annoyed glance.
Emera showed a bitter smile as she dropped another chop on Fricca once again.
「Mira definitely lacks all common sense.」
「I agree.」
Asbar gave a big nod to a half-amazed yet gently smiling Emera.
「After all, I’m not short on money.」
If necessary, she could just ask Solomon for more.
「Well, she is staying at the Summer Lantern inn, so it must be true.」
「Ohh, right, you mentioned something like that.」
「Yes, yes, I did. And I’m kinda envious that she doesn’t lack any money.」
Emera, with a distant look in her eyes, recalled the best inn of Requiem City of Caranach. They had visited the Summer Lantern Inn only once, as a victory celebration. They had eaten a lot of elaborated dishes and enjoyed the clearly different interior and furnishings, not comparable to that of cheaper inns. Emera started to recall the night she spent there with her friends, feeling like a princess.
Asbar and Zef also thought back on that time, but the first thing that came to their minds was Emera’s smiling face that lasted all night long. Apparently, Emera hadn’t noticed that due to her feeling as if she were a princess, her expression had slackened back then.
「Err, are you really sure about that?」
「I don’t mind. Also, if you have someone in your guild that is able to use that scythe, you can give it to them.」
She wasn’t able to equip it, but since it was still a rare weapon it would be a waste to not give it to somebody who could wield it . That was yet another unspoken rule back from when she was a player. When a piece of equipment dropped, it would go to the one who had the highest compatibility with it. Mira had always done so and had no intention to change that now.
Mira’s words once again caused everyone to be surprised. Emera was dumbfounded, Asbar smiled wryly and Zef started laughing. And Fricca, who had only just recovered from Emera’s chop, tilted her head, shooting a confused look at the different reactions.
「We haven’t appraised it yet, so we don’t know the exact amount, but even just that thing alone is worth a fortune you know?」
「Equipment is best given to those that can use it, even more so if it is someone you know. Since I don’t have any use for it, do you have anyone in your guild that might be able to use it?」
「Hmm, it’s too heavy for me, but there is a Darkness Knight in our guild and he should be able to use it, I guess.」
Asbar said, not understanding why she would give a first-class weapon used by a devil to someone who wasn’t even here.
「Ohh, a Darkness Knight. In that case it should be okay to give it to him.」
「No, wait. It would be a great addition for our guild but we can’t just accept that. This is to much.」
「Yeah. I am grateful for your proposal, Mira, but, you know, we can’t feel comfortable receiving it like this.」
No wonder Emera and Asbar hesitated. It was one thing that adventurers were very careful about money, but this case was on another level. Mira had no need for the scythe, and was not very troubled when it comes to money either.
Additionally, she couldn’t get herself to like the idea of selling it. After all, she was also worried that the scythe might end up in the hands of a bad person. And if you give such a powerful weapon to a villain, the damage would be disastrous.
It’s possible that her loot would be used for something bad. That’s why she believed passing it on to Emera’s guild would be the best. They hadn’t been together for long, but she could already tell that everyone in that party was without a doubt a good person. That they had come here because they had been worried about a child was more of a prove than anything else. And since their guild was famous, it should be easy to trace what they were doing.
「As for me, I don’t want it to end up in the hands of a bad person if I get bad luck when selling it. Thus, I’d have less to worry about if it ends up in the hands of a trustworthy person, don’t you think so too?」
Mira said so and turned her gaze from the great scythe to Emera. Receiving that look, although astonished, Emera’s expression had gradually changed to a bright one. She responded to the trust that could be felt in those words.
「I got it! I will take care of it!」
After saying this, Emera held Mira’s hand and they looked at each other with eyes containing a strong will.
「Are you serious? Missy got a point there, but we only just met her today!」
「Well, he’s right. I mean, you know, this is way too fast, right?」
「I won’t do anything that would betray Mira’s trust.」
Fricca said without hesitation. In contrast, Asbar and Zef were happy too, but still chose to say something reasonable. They were thinking about Mira’s future, but she herself was perfectly aware about it.
「If something happens, I’ll come and take it back myself.」 | {
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しばらくハインさんの案内で商品を見ていたら、いずれ必要になるだろうからとセバスチャンさんに勧められて、革袋を大小2つずつ買った。
大の革袋は人の顔くらいの大きさで、小の革袋は拳より少し大きめのサイズだ。
これは、この世界のお金を入れるためのいわば財布のような物らしい。
この世界でのお金に紙幣は無く、全て硬貨みたいだから財布も長財布だとかそんな物は無くて袋の形になるんだろうな。
他に、出かける場合等に荷物を入れて運ぶための鞄。
鞄というより、紐だけのナップサックと言った方が解りやすいかもしれない。
丈夫そうな太めの紐一本を引っ張れば口が閉まり、その紐を肩に掛けナップサックを背中側にして持つのが一般的らしい。
あとはいくつかの小物を買い、お会計。
お会計はセバスチャンさんにお任せだ。
すみません、お世話になります。
会計前、クレアさんから離れてセバスチャンさんと少しだけ内緒話をする。
「すみません、セバスチャンさん。ちょっといいですか?」
「おや、何ですかなタクミ様。まだ他に入用の物がございましたか?」
「いえ、そうでは無くてですね。この装飾品も買いたいんですけど......」
「ふむ。タクミ様はそのような装飾品を身に着ける方とは思いませんでしたが?」
「いえ、俺ではなくてですね。......その......クレアさんとティルラちゃんに......」
「成る程、プレゼントですな」
「そうなんですが......セバスチャンさんも知っての通り、今の俺はお金を持っていません」
「そうですな」
「いずれ必ず返しますので、今回は貸しという事にしてもらえませんか?」
「ふむ......装飾品を買うくらい簡単な事ですが......これはタクミ様からとした方が良い物でしょうからね。わかりました」
「ありがとうございます! すぐにでもお金を稼いで返しますから!」
「ほっほっほ、そんなに焦らずともゆっくりとこの世界に慣れてからでも良いのですよ」
「そうですか。タクミ様は律儀な方ですな」
そんな会話をしつつ、俺は見つけた商品、片方は綺麗な花の髪飾り、もう片方は銀色の狼を模した物が付いてるネックレスをセバスチャンさんに渡した。
「本日はありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」
「ええ、また来るわね」
「ハインさん、ありがとうございました」
買い物を終えた俺達は荷物を持って馬車を預けた広場へ向かう。
もちろん、荷物の大半は俺が持ってる。
俺が使う物だからな、セバスチャンさんや護衛さん達に持たせて煩わせるわけにはいかない、もちろんクレアさんにもだ。
服もあって少しかさばるが、持てない重さじゃない。
店から出た俺に尻尾を振って近づいて来たレオを撫でつつ、俺達は広場へ向かった。
広場へと向かう途中、空を見上げると、太陽が傾いて来ている。
馬車に乗る頃には暗くなり始めてるだろうな。
「ティルラちゃんはおとなしく寝てますかね?」
「どうでしょうか......屋敷を出る前は眠そうにしていましたが、今頃は起き出してレオ様が帰って来るのを待っているかもしれません」
「ティルラちゃんを待たせてしまうのは申し訳ないですね」
「良いのですよ。待つ事も淑女として必要な事です」
「淑女、ですか。......それにしてはクレアさんはティルラちゃんが心配で薬をどこかで買って来る間も待てずに森に入ったようですが?」
「タクミさん、その事はあまり言わないで下さい!」
俺の指摘に恥ずかしそうに顔を赤くして俯いたクレアさん。
そんな俺達をセバスチャンさんは朗らかに見ている。
広場までの道を歩きながら、こんな雰囲気で街を見るのは楽しいなぁと実感してる俺だった。
今まで誰かとのんびり街の散策だとか買い物だとかをほとんどした事が無かったからなぁ。
一人暮らしを始めてからは、バイトと学校......卒業後は仕事。
空いた時間はレオとの時間。
レオと遊ぶ時間は楽しかったが、こんな風に人といる時間も大切なんだろう。
俺は楽しい時間を噛み締めながら軽い足取りで広場へ向かった。
そんな事を考えていた帰り道、俺は一つ忘れていた事を思い出した。
「そういえば......」
「どうしたんですか、タクミさん」
「ギフトを調べる予定がありましたよね?」
「......忘れていました」
「......タクミ様、少し帰る時間は遅れますが、今から調べに参りましょう。場所は広場に近い所ですので」
「わかりました」
調べるのに時間がかかるかはわからないけど、広場に近い場所なら帰る時間もあまり遅れないだろう、と思う。
俺達はのんびりと歩いていた足を速く動かす事にして、セバスチャンさんの言うギフトを調べられる場所へと急いだ。
ギフトを調べるという場所は、大通りの途中で小道に入りしばらく歩いた所にあった。
星のマークが書かれた看板に、黒い扉、建物自体も灰色に塗ってあり、一見しただけでは何やら怪しい店にしか見えない。
セバスチャンさんが案内して来た場所だから大丈夫だろうが、俺一人だったら前を通りかかっても絶対に入ろうとは思わなかっただろうな......。
「お邪魔しますよ」
セバスチャンさんを先頭に店の中に入る。
もちろんレオは外で待機、今回はヨハンナさんと一緒に待っている。
店の中に入ってセバスチャンさんが声を掛けると、奥から女性が出て来た。
「遅かったじゃないか、待ちくたびれたよ」
出て来た女性は60代くらいのお婆さん、髪が完全に白髪になっていて、少しだけ腰が曲がっていた。
「すみませんね、イザベル。少し予定とは違った事で時間を取られましたので」
「まぁいいさね。クレア様もご機嫌麗しゅう」
「ええ、イザベルお婆ちゃん、お久しぶりね」
「お久しぶりでございます。......それでセバスチャン、そっちの男が今日魔力検定を受けるんだね?」
「ええ、そうです」
魔力検定? ギフトの事を調べに来たんじゃなかったのか?
あ、いや......そういえばクレアさんが魔力量を調べる物でギフトがわかるって言ってたっけな。
なんだか少し緊張する......。 | For a while, I continued to look at the products that Mr. Hein showed me, when Sebastian recommended that I buy two small leather bags and two big ones. He said that I would need them eventually.
The large bags were about the size of my face, and the smaller ones were slightly larger than my fist.
Apparently, in this world, they were used like wallets.
They did not use paper money here. Everything was in coins, and so they used bags like this instead of long wallets.
I also got a bag to carry belongings when going out.
Well, it was more of a knapsack with just one string.
You pulled the durable-looking string, and the opening would close, and you could hang the bag over your shoulder.
There were a few other small items that I picked up before paying.
The payments I left to Sebastian.
Sorry, and thank you.
But before he paid, I pulled Sebastian away from Ms. Claire so that we could talk in private.
“Excuse me, Sebastian. Do you have a minute?”
“Oh, what is it, Mr. Takumi? Is there something else that you want?”
“No, it’s not that. But I want to buy these two accessories...”
“Hmm. I didn’t know that you liked to wear such things, Mr. Takumi.”
“No, not for me. ...Um...for Ms. Claire and Tilura...”
“I see. So it’s a present.”
“That’s right... But as you know, I don’t have any money right now.”
“That is true.”
“But I intend on paying it back one day. So if you could put it down as a loan?”
“Hmmm... It seems hardly necessary just for some accessories...but I suppose it would be best if they are from you, Mr. Takumi. Very well.”
“Thank you! I’ll make money and return it very soon!”
“Hohoho. You really do not need to rush. You should get accustomed to this world first.”
“I see. You are certainly an honest person, Mr. Takumi.”
As we talked, I handed them to Sebastian. One was a hair ornament that looked like a pretty flower, and the other was a necklace that was shaped like a silver wolf.
“Thank you for your patronage. We look forward to seeing you again.”
“Yes, we will come again.”
“Thank you, Mr. Hein.”
When the shopping was finished, we took the items and headed towards the plaza where we left the carriages.
Of course, I carried most of the stuff.
As I was the one who was going to use it, I couldn’t trouble Sebastian or the guards by making them carry so much. Of course, it was the same with Ms. Claire.
As there were clothes too, it was a lot to hold, but not so heavy that I couldn’t manage.
Leo was waiting for us outside of the shop. Her tail wagged as she greeted us, and then we went off towards the plaza.
When I looked up at the sky, I saw that the sun was already descending.
It would start to get dark by the time we reached the carriage.
“Do you think that Tilura will be sleeping quietly?”
“I don’t know... She looked quite tired before we left the mansion, but she might be awake now and waiting for Leo to return.”
“I feel bad for making her wait.”
“It is fine. A lady must learn how to wait.”
“A lady, huh? ...And yet, Ms. Claire, you were so worried about Tilura, that you went to the forest because you couldn’t wait to get medicine from town?”
“Mr. Takumi. You mustn’t keep bringing that up!”
Ms. Claire looked away with an embarrassed expression.
Sebastian watched us with a smile.
Still, I found that I really enjoyed myself when walking down the road like this and soaking up the atmosphere of the town.
Perhaps it was because I had rarely just taken a relaxed stroll through town or gone shopping.
Ever since I started to live alone, it was just part-time work and school...and then I graduated and worked full time.
Any moment I had to spare was spent with Leo.
I had fun playing with Leo, but it probably is important to be able to spend time with other people like this.
And so I relished this enjoyable moment and walked towards the plaza on light feet.
But as I thought of such things, I realized that I had forgotten something.
“Now that I think about it...”
“What is it, Mr. Takumi?”
“Weren’t we going to look into my Gift?”
“...I had forgotten.”
“...Mr. Takumi, while we will be delayed a little, let us go and find out right now. The place is close to the plaza.”
I didn’t know how long it would take, but if it was close to the plaza, then we probably won’t be delayed too much.
And so I quickened my pace and hurried off to this place that Sebastian led us to.
The place could be reached from the great street after turning into an alley and walking a short distance.
There was a sign with a hexagram, black doors, and the walls of the building were gray. At a glance, it looked very suspicious indeed.
But since it was Sebastian who guided us, it must be safe. Though, I probably wouldn’t have entered such a place if I had been passing by on my own...
“Excuse me.”
Sebastian said as he entered the building first.
Of course, Leo waited outside. This time Johanna stayed with her.
After Sebastian entered and announced himself, a woman came out from the back.
“You’re late. I grew tired of waiting.”
She was a woman in her sixties and with hair that had gone completely white. And her back was a little crooked.
“I’m sorry, Isabelle. Something unexpected happened, and we were delayed.”
“Well, it’s fine. And I’m delighted to see you, Lady Claire.”
“Yes, grandmother Isabelle. It has been too long.”
“It really has. ...Now, Sebastian. Is this the man who wants to have his magic energy tested?”
“Yes, he is.”
“I see.”
Magic energy? Weren’t we supposed to find out about my Gift?
Ah, wait... Ms. Claire did say that looking into the amount of magic energy could tell you about the Gift.
But I feel a little nervous now... | {
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「着きました、ここがマレリス城です」
ディネッシュの東大陸、砂の国【マレリス】。
砂漠を進む事1週間......やっとのことで着いた......。
昼の暑さと夜の寒さともにきつかったが......が! それよりベルトラ飯が1週間も続いたのが本当に地獄だった!! これで開放されるぞ!
「それでは私はあの門番に話をしてきますね」
ネコ耳騎士が走っていく、寝癖で付いてしまったネコ耳が何故かフィゲロア戦の後どうしても寝癖が取れなくなってしまったらしい。
エリン曰く我輩の魔力が影響してしまった可能性があるとか......この体変化してしまっているしありえそうではあるが......それが本当かどうか分からないのにベルトラの奴にすごく怨まれてしまった。
「あ~~あづい~早く中に入りたい~おいしいご飯食べたい~ベッドで寝たい~」
「我輩もおいしいご飯食べたいし、ベッドで休みたいぞ」
「そうだ、勇者殿。付いて来て気になったことがあるんじゃが」
気になったこと? 我輩何かやらかしたか?
「......何だ?」
「その我輩とか変な口調は何でじゃ?」
「え!? そんなにおかしいか?」
「......まぁ育ちもあるだろうが、今時の若者にしては違和感が......」
何かすごい怪しそうな目で見て来る。
いや、そんな事を言われてもこれはもはやクセなのだから治しようが――。
「どうしてですか!?」
ん? どうしたんだ?
何やらベルトラが門番と揉めているみたいだな。
「どうして我々は中に入れないのですか!?」
なぬ!? 中に入れないだと!?
「マレリス以外の者はの入国を禁止しておる。これはマレリス王よりの命である、立ち去れ」
なんじゃそりぁ!?
「ですから! 我々はアルムガム王の使者として――」
こいつら、すました顔のまま......聞く耳は持たんという事か......。
うお! ベルトラの奴の顔が真っ赤になっている、これは相当頭に来ている様だ。
「――っ!! ここにライリー・アルムガム3世王の書状もあります! マレリス王にお取次ぎを!」
「はぁ~......わかったわかった、その書状は預かっておく。さぁもう用事がなければ立ち去れ」
......これでは取り付く島もない。
「そんな! すぐにお渡しください! のんびりしていては魔王軍が......」
「王はお忙しい身だ。それに魔王軍が来ようと結界石がある、そして我々マレリス兵がこのマレリスを守る。わかったのなら早々に立ち去れ!」
立ち去れ、立ち去れと同じ事ばかりしか言えんのかこいつ等は。
「そんな意地悪なこと言わないでよ~!」
エリンがハエのように門番達の周りを飛び回っている......。
「ええい! 鬱陶しい!! 何度も言わせるな――!?」
「おい、こいつ宙に浮いているぞ!! 悪魔か!?」
げっ! 槍を構え出した! こっちまで火の粉が飛んできてはたまらん!
「ちょっとまってくれ! 確かに宙を浮いておるが背中の羽を見ろ、そいつは精霊で無害だ!」
「......精霊だと? ......なるほどな。おい、構えをとけ」
「しかし精霊だからといって......」
「......はぁ......」
良かった、何とか収まったみたいだ。
「アルムガムでフィゲロアを倒したという勇者一行とは貴様等の事だったのか」」
ふむ、もう話が伝わっているのか以外に早いな。
人の伝達でこれだとベルトラの言っていたように他の悪魔達が動き出すのも時間の問題やもしれぬ。
「そう! アタシ達があのフィゲロアを倒した勇者一行です! エッヘン!」
......貴様は基本、剣の中にいて威張る事ではない気がするのだが。
「だらか中に入れてよ!」
だからの意味がわからん。
「フィゲロアを倒した勇者一行だろうが、それとこれとは話は別だ。入国は許さぬ! マレリス王の命は絶対であるからな」
なんだこいつ等......。
「そ~ん~な~!」
「貴様等、いい加減にしないと――」
また槍を、こいつ等悪魔より血の気多すぎやしないか?
「そんな槍なんて怖くないぞ!! このエリン様の魔法で――」
はぁ......これ以上言い争っていても埒が明かんな。
エリンをいい加減止めるか。
「こらエリン、落ち着くのだ! どうどう」
「うが~! デール放してよ!! こいつらに一発お見舞を!!」
「エリン、私も加勢を――」
「するな!」
ああ! どいつもこいつも!!
「2人ともいい加減にせんか!!」
「あだっ!」
「ぎゃふっ!」
爺さんのゲンコツは実に痛い......身をもって体感しているからな。
「ふぅ......みっともない所を見せてすまんな。マレリス王のお許しが出るまでここは引くが書状の事はたのんじゃぞ」
本当に渡すんだろうかこいつ等は。
「ここに入れないとなると近くに他に町や村はないのかね? ワシらはこのあたりの土地には詳しくないからな、ここに来るまでは何もなかったんじゃが」
そうだ! 近くに町か村がなかったら野宿なのか!? 目の前に町があるのに!? そんな馬鹿げた話があってたまるか!!
そもそも野宿になったらベルトラ飯が......それはもういやだぁあああああ!!
「ないのか!? なぁないのか!? おい!!」
頼むあってくれ!!
「ちっ、うるさい奴らだな......ああ、そうだ、ここから東に行けば小さなオアシスがある。そこに住む者が――」
「あの、あそこは――」
「いいからお前は黙っていろ、そこに住む者がいるからたずねてみろ。......泊めてくれるどうかはわからんがな」
何か引っかかるが野宿とベルトラ飯さえ開放されれば文句はない。
「みなどうする?」
「はぁ......もう休めるならどこでもいいよ~」
「......あれじゃどうしようもないですしね」
ベルトラ、その眼で睨むな睨むな、またいざこざがおきてはたまらん。
「他に当てはないんじゃし行ってみるかの」
満一致でオアシスか......すぐに着けばいいが。
「......あ、あの......いいのですか? あのオアシスは魔女が......」
「ほっとけ、ほっとけ。どうなろうと俺らには関係ない事だ、何より変わり者同士で気があうかも知れんぞ? グハハハ」
「ん~? オアシスに魔女?」
「オアシスに魔女だと? なんだそれは?」
エリンの奴いきなりなにを言い出すのだ。
「わかんない、あの門番たちがさっきそう言ってた」
「言ってたって......え!? 結構離れているのに声が聞こえたのか!?」
「うん、なんか気になって聞いていた。普段は他の雑音も混じって聞こえないけど意識してやればこのくらいの距離だったら聞こえるよ」
となると前の下級悪魔との会話は聞こえていた可能性もあったのか、危なかった......。
もう奴らとの会話はないだろうが我輩のプライベートな事を聞かれてはたまらぬ、以後気をつけなければな......しかし――。
「オアシスの魔女......か、何やらいやな予感がする......」 | “We are there, this is Marelis Castle.”
Dinesh’s eastern country, the Kingdom of Sand {Marelis}.
After going through the desert for a week...... we have arrived at long last.......
The daytime’s heat and the night’s coldness were both harsh...... But! It was literal hell to continue to eat Bertra’s cooking for that one week!! With this I am released from that!
“I’ll go inform the gate-keeper then.”
Thus the cat-eared knight ran. These cat ears are supposedly just bed hair, but for some reason ever since the fight with Figueroa that bed hair didn’t seem to go away.
Erin said that there’s a possibility of my magical power having influenced her...... This body has been partially changed as well so it seems possible...... Although I don’t know if it’s true, it seems like Bertra bore a huge grudge against me.
“Ah~~ Ish hot~ I want to quickly enter~ I want to eat delicious food~ I want to sleep in a bed~”
“I also want to eat delicious food and rest in a bed, you know?”
“Right, Sir Hero. After coming along with you there’s something I’ve been curious about”
Something you’ve been curious about? Did I do something?
“......What is it?”
“This “Wagahai”and so on. Isn’t it a weird form of speech?”
“Eh!? Is it that strange?”
“......Well, it might be because of how you were brought up, but it’s rather out of place compared to today’s youth......”
What’s with these extremely doubtful eyes he’s looking at me with?
No, even if you tell me something like that, it’s impossible for me to fix it because it’s a habit already–.
“Why?!”
Hm? What’s the matter?
Looks like Bertra is confronting the gatekeeper for one reason or other.
“Why can’t we go inside?!”
What?! We can’t go inside, you say?!
“Other than those who are from Marelis, everyone else is prohibited from entering. This is the command of Marelis’ King. Leave.”
What the hell’s with this?!
“Like I said! We are messengers sent by the King of Alumgam–”
Those guys, their faces look like they are done...... They won’t even lend us an ear.........
Uoh! Bertra’s face has turned bright red and she seems considerably mad.
“Krrk!! This is the letter written by King Reily Alumgam the third! It is a conveyance directed to Marelis’ King!”
“Haah~......I got it, I got it, I’ll keep the letter. Now, if you don’t have any other business, leave.”
......They are unapproachable.
“That’s! Hand it to him immediately! If you let your guard down the Demon Lord’s forces will......”
“The King is a busy person. Moreover if the Demon army does come we have the barrier stones and Marelis’ soldiers will be the ones to protect this Marelis. If you’ve understood hurry up and leave!”
Can these guys only say leave, leave over and over?
“Don’t say such mean things~!”
Erin flies around the gate keepers like a fly......
“Eei! How irritating!! How many times do I have to tell you–!?”
“Oi, that one is floating in the air!! Is it a Demon?!”
Geh! They’ve readied their spears! There are some serious sparks flying here!
“Wait a minute! She’s certainly floating in the sky, but look at the wings on her back, she’s just a harmless spirit!”
“......Spirit, you say? ...... I see. Oi, at ease!”
“However, even if it’s a spirit......”
“......Haah......”
What a relief, they seem to be satisfied with just that.
“Are you guys that hero party who defeated Figueroa in Alumgam?”
Hmpf, the speed at which this reached the outside is quite fast.
If it’s already like that with the Human’s transmission system then it might really only be a matter of time until the Demon’s will start to move like Bertra said.
“That’s right! We are that hero party that defeated Figueroa! Ehen!”
......You *******, you were basically just inside the sword. That’s not something to brag about, you know?
“So let us in already!”
I don’t know where the “So” came from.
“Even if you are the hero party that defeated Figueroa, this and that are two different things. I cannot permit you to enter! The command of Marelis’ King is absolute”
What’s with them......?
“Thaaaat~!”
“You Bastards, if you don’t knock it off then–”
Again with those spears, aren’t those guys blood thirstier than the demons?
“Those spears aren’t scary at all!! With this Erin-sama’s magic–”
Haah...... Even if we continue to argue they won’t come to an understanding.
I should stop Erin, huh?
“Hey Erin, calm down! There, there”
“Uga~! Let go of me, Dale!! I’ll sent them flying with a single blow!!”
“Erin, I’ll also hel–”
“Don’t do it!”
Aah! This one and that one as well!!
“Could you two knock it off?!”
“Ouch!”
“Gyafu!”
The old man’s fist really hurts...... I experienced it with my own body.
“Fuuh...... I am sorry for the disturbance. We will pull back until Marelis’ King has granted us permission, but please take care of the matter with this letter.”
Will they really hand it over, these guys?
“Since you won’t let us enter are there any other towns or villages nearby? We aren’t familiar with this place and we didn’t see anything else while coming here.”
That’s right! If there aren’t any towns or villages near by does that mean we have to camp out?! Right in front of a town?! Will it turn into something this ridiculous?!
In the first place, if we have to camp out that means Bertra’s cooking...... I don’t want that anymoooooooore!!
“Aren’t there any?! Hey, are there any?! Oi!!”
Please let there be one!!
“Tch, you’re a noisy one, aren’t you?......Yeah, that’s right, if you walk east from here there should be a small oasis. The person who lives there is–”
“Ehm, there is–”
“It’s fine so shut up. You should try visit that place because there’s a person living there......I don’t know if they will let you lodge there though”
They are keeping something from us, but as long as I don’t have to camp out and am free of Bertra’s cooking I won’t complain.
“What shall we do, everybody?”
“Haah...... As long as I can rest somewhere anywhere is fine~”
“......There’s nothing else we could do”
Bertra, don’t glare at them with those eyes, we might get into trouble again.
“We don’t have anywhere else to go, so why don’t we go and take a look?”
So we agree to go to the oasis, then?...... I hope we’ll arrive there quickly.
“......E,ehm...... Is this really fine? At that Oasis a witch is......”
“Leave them be, leave them be. It’s none of our business. Perhaps they’ll get along well when they meet. Guhahaha.”
“Hm~? There’s a witch at the Oasis?”
“There’s a witch at the oasis, you say? What’s with this?”
What is that Erin saying all of a sudden?
“Dunno, those gatekeepers were saying that just now.”
“They said that, you say...... Wha!? Even though we are quite far away you could still hear their voices?!”
“Yeah, I was kind of curious so I listened to them. Usually there’d also be some noises mixed in, but if I concentrate then I can hear them from this distance.”
If that’s the case there might be a possibility that she heard my conversation with those low ranked demons before, how dangerous......
I won’t talk to them anymore, but I can’t allow her to listen in on my private things, so I have to be careful...... However–.
“The Oasis’ witch...... is it? I have a bad feeling now for some reason......” | {
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でも灯りの瞬きを調査すれば 恒星と惑星がどう関係し合い 独自の環境を形成し 生命が存在できる場を 作るのか知ることができます
この東京の夜景写真には 最新の宇宙望遠鏡で惑星探査を行う ケプラー計画の データが隠してあります
どこか分かりますか?
ここです
これはケプラーが観測している宇宙の片隅です この領域で15万個以上の 恒星の光を測定し 惑星を探しています 30分ごとに一斉に 精密な測定を行います
探しているのは わずかな光の弱まりです 惑星が前を通るときに恒星の光がわずかに遮られ 私たちに届く光が弱くなるのです
稼働して2年あまりで 他の恒星を中心とする 惑星系の候補が 新たに1,200以上見つかりました
これに比べると ケプラー以前の20年間の探査で 見つかったのは わずか400個たらずです
このかすかな光の弱まりの観察から いくつものことが判断できます
例えば そこに惑星があること また その惑星がどのくらい大きいか 恒星からどのくらい離れているかも分かります
この距離は非常に重要です その惑星が全体的にどの程度の光を 浴びているか分かるからです
距離と光の量を知るのが重要な理由は 例えばキャンプで焚き火を囲んでいるとき 暖まるために火に近づきたい一方 近づきすぎて熱くなったり 火傷したくはないのと同じです
でも恒星については 全体的に受ける光の量以外にも 知るべきことがあります
理由をお見せしましょう
これは私たちの恒星である太陽です
可視光線で見た様子です
人間の目で見える光です
図像として描かれる黄色い球体と ほぼ同じに見えます 子供の頃に描いた太陽です
でも もう1つ気づくのは 太陽の表面に 斑点があることです この斑点は太陽黒点と呼ばれ 太陽の磁場活動の 現れの1つです
これによっても恒星からの光は変わります
ケプラーはこの観測を 非常に精密に行って その影響を追跡できます
しかしこれも氷山の一角に過ぎません
人間が紫外線やX線で見ることができたら 私たちは太陽磁場活動の ダイナミックで劇的な様子を 目の当たりにしているはずです これは他の恒星でも起きていることです
たとえ外が曇っていても このような事象は空の上で 常に起こっているのです
ですから惑星が居住可能か 生命が存在しうるか 調べたいときには その惑星が総合的に受ける光の量や 暖かさだけでなく その宇宙の「天気」についても知りたいのです 高エネルギー放射線や 紫外線やX線が 恒星から発せられて 惑星に降り注ぎます
他の恒星の 周りにある惑星を 太陽系にある惑星と 同じように詳細に見ることはできません
こちらは金星 地球 火星 太陽系にある大きさの似た3つの惑星です でもこの中で生命の営みに 適しているのは1つだけです
とりあえず私たちにできるのは 恒星の光を測定し 恒星と惑星の 関係について学ぶことです そして宇宙にあるどの惑星が 生命を探すのに適した場所か 手がかりを検討することです
ケプラーは観測する全ての恒星の周りで 惑星を見つけるわけではありません
でも1つひとつの観測結果は 本当に貴重なのです 恒星と惑星の関係や 宇宙で生命が形成される 状態を作るのは 恒星の光であることを 教えてくれるからです
観測しているのはケプラー望遠鏡という機械ですが 探索をするのは私たち命あるものなのです
ありがとうございました | By studying those twinkling lights though, we can learn about how stars and planets interact to form their own ecosystem and make habitats that are amenable to life.
In this image of the Tokyo skyline, from the newest planet-hunting space telescope on the block, the Kepler Mission.
Can you see it?
There we go.
This is just a tiny part of the sky the Kepler stares at, where it searches for planets by measuring the light from over 150,000 stars, all at once, every half hour, and very precisely.
And what we're looking for is the tiny dimming of light that is caused by a planet passing in front of one of these stars and blocking some of that starlight from getting to us.
In just over two years of operations, we've found over 1,200 potential new planetary systems around other stars.
To give you some perspective, in the previous two decades of searching, we had only known about 400 prior to Kepler.
When we see these little dips in the light, we can determine a number of things.
For one thing, we can determine that there's a planet there, but also how big that planet is and how far it is away from its parent star.
That distance is really important how much light the planet receives overall.
And that distance and knowing that amount of light is important because it's a little like you or I sitting around a campfire: You want to be close enough to the campfire so that you're warm, but not so close that you're too toasty and you get burned.
However, there's more to know about your parent star than just how much light you receive overall.
And I'll tell you why.
This is our star. This is our Sun.
It's shown here in visible light.
That's the light that you can see with your own human eyes.
You'll notice that it looks pretty much like the iconic yellow ball -- that Sun that we all draw when we're children.
But you'll notice something else, and that's that the face of the Sun These freckles are called sunspots, and they are just one of the manifestations of the Sun's magnetic field.
They also cause the light from the star to vary.
And we can measure this very, very precisely with Kepler and trace their effects.
However, these are just the tip of the iceberg.
If we had UV eyes or X-ray eyes, we would really see the dynamic and dramatic effects of our Sun's magnetic activity -- the kind of thing that happens on other stars as well.
Just think, even when it's cloudy outside, these kind of events are happening in the sky above you all the time.
So when we want to learn whether a planet is habitable, whether it might be amenable to life, we want to know not only how much total light it receives and how warm it is, but we want to know about its space weather -- this high-energy radiation, the UV and the X-rays that are created by its star and that bathe it in this bath of high-energy radiation.
And so, we can't really look at planets around other stars in the same kind of detail that we can look at planets in our own solar system.
I'm showing here Venus, Earth and Mars -- three planets in our own solar system that are roughly the same size, but only one of which is really a good place to live.
But what we can do in the meantime is measure the light from our stars and learn about this relationship between the planets and their parent stars about which planets might be good places to look for life in the universe.
Kepler won't find a planet around every single star it looks at.
But really, every measurement it makes is precious, because it's teaching us about the relationship between stars and planets, and how it's really the starlight that sets the stage for the formation of life in the universe.
While it's Kepler the telescope, the instrument that stares, it's we, life, who are searching.
Thank you. | {
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暗い王都だった。
まるで朝も昼も存在しないかのように闇に包まれた吸血鬼の帝国『ミョルニル』。
夜の覇者を自称する彼等は人類の中で最も『魔』との親和性が高く、人というよりはむしろ魔神族に近い。
その中央には紅に染まる王城が聳え、最上階には彼等の永遠の主たる吸血姫が住まう。
吸血鬼が忠誠を誓うのは過去も現在も未来も、絶対唯一たる美貌の王のみ。
黒翼の覇王も魔神王も眼中になし。吸血姫のためだけに生き、彼女が死ねと言えば笑って死ぬ。
死すらも恐れぬ狂信者の群れ。それがこのミョルニルに暮らす国民達であった。
その王城の玉座の間にて、少女の前に一人の吸血鬼が跪く。
「報告致します。殿下の仰る通り、やはりスヴェルの脅威より解放され、天のアリエスは行方を晦ましていました」
「ふむ。やはりそうか......メグレズめ、これを私に報せぬとは判断を誤ったな。
クスリ、と玉座に座る少女が嗤う。
流れる頭髪は白金。縦割れの瞳孔は真紅。
口元からは牙が覗き、その外見は僅か14歳前後の小娘にしか見えない。
だが外見の年齢など、永遠を生きる吸血鬼には無意味だ。
「待ちわびた......ああ、200年待ったぞ、宿敵よ。
少女は楽しそうに語り、玉座から立つ。
それから髪をなびかせて歩き、それに合わせて羽織っている黒いマントが揺れた。
王都を一望出来る窓の前まで行くと、そこで彼女は恋焦がれるように空を眺める。
「待ち遠しいぞ、マファール......貴様を超えずして私の時間は動かん。
口の端が歪み、牙を剥き出しにする。
真紅の瞳は爛々と輝き、早くも戦いの時を待ちきれないとばかりに拳に力が入る。
魔神族などという雑魚の群れなどどうでもいい。
魔神王? 知った事か。勝手にやっていろ。
人類の未来? ああ知らん、そんなものに興味などないぞ。
滅びるならば勝手に滅びていろ。殺されるのは貴様等が弱いからだ。
弱者が何故助けてくれぬと喚くが、知らぬし聞こえぬ。聞くつもりもない。価値もない。
世界は常に強者が動かす。一握りの天才だけが世界の未来を決める権利を有する。
弱者や無能がどうなろうと、万事興味がない。
この真紅の瞳が捉えるのはいつだって一人だけだ。
宿敵たる、あの黒い翼の天使だけだ。
「今度こそ決着を付けよう......誰の邪魔も入れず、私と貴様の二人だけでだ。
――必ず、貴様は私が殺してやる......ルファス・マファール。
そう語り、少女――ベネトナシュは掌を天へ掲げた。
200年前に付ける事が出来なかったあの日の決着を、今度こそ......。
そう、強く渇望しながら。
「はあ......」
もう用の無くなったギャラ国から立ち去る最中、俺は深い溜息を吐いていた。
ああ、随分と大口を叩いてしまった。
ありゃ軽く黒歴史ものだ。
傍から見るとさぞ格好悪かっただろうなあ、あれ。
「どうしたのですか、マスター」
「いや、柄にもなく語ってしまったと思ってな。
この映像を形に残せないのが残念でなりません」
リーブラの口から出た永久保存、という言葉にゾッとする。
写真か記録映像かは知らないが、そんな事をされたら公開処刑もいいところだ。
まあ、残念と言っている所から見てやっていないのだろうと思うが、一応確認しておこう。
「リーブラ。もしやと思うが写真などに残していないだろうな......。
「............」
俺の問いに、しかし返事は返って来なかった。
いつもならば即答してくれるリーブラにしては珍しく迷っているように見える。
なんだ、そんなに処分したくないのか?
そう思う俺だったが、しかしリーブラは俺のまるで予想していなかった返答を返してきた。
リーブラの答えに俺は僅かに硬直してしまった。
ああ、なるほど。
写真そのものがないのか、この世界。
それじゃあ、リーブラに言った所で解るわけもない。
念のためにアリエスを見るが、彼も知らないといった顔で首を振っている。
その事から、本当に写真がこの世界にないのだと確信させられた。
随分とおかしな話だ、とは思う。
リーブラのようなあからさまに、むしろ近代科学すら遥かに超えているメタルなゴーレムがいるのに、写真が存在しないとかまさにファンタジーだ。
まあリーブラは実際の所、アルケミストのスキルで作られた存在で機械仕掛けってわけでもないのだから、あながちおかしくもないのか?
しかし何か......何かが引っかかる。
俺は何かを見落としている。
何だ? 何を忘れている。
何を見落としている?
思い出せ......そう、あれは確かこの世界に来て初日の事だ。
――......200年も前の事だぞ。写真もないこの世界で余の顔を覚えている者などそういまい。
この交易都市はあらゆる国の民が集まる土地。
「――!」
俺は、反射的にディーナを見た。
間違いない、『知っている』!
ディーナは、“この世界に存在しないはずの”写真を、知識として持っている!
当のディーナ自身も己の失言に気が付いたのか、ハッとした顔で俺の方を見ている。
疑う余地もない。決まりだ。こいつは黒だ。
どういう事かは分からないが、ディーナは俺と同じイレギュラーだ。
あるいは、少なくとも『向こう』の世界の知識を持っている。
「ディーナ......少し二人で話す事がある。
「......はい」
否とは言わせない。
俺の考えは間違っていなかった。
そうだ、俺はずっとディーナの事を見落としていたんだ。
少し考えれば分る事だろうに、あるいは俺自身が真実から目を背けていたのだろうか。
俺が覚えてすらいなかった参謀NPC。
ああ、確かにそれはいただろうさ。何の戦闘データもない背景オブジェを確かに俺は設置した。
だがそれにしてはディーナは余りに有能すぎた。
参謀として恥じぬ能力を持っていた。
それをアリエスや、メグレズが全く覚えていないなど有り得ない話だろう。
俺はディーナを連れ、近くの林へと入る。
アリエスやリーブラも同行したがったが、止めておいた。
これは俺とディーナの二人で話すべき内容だからだ。
だからアイゴケロスもアリエス達の所に置いてきたし、近くに誰もいないのも確認した。
ここでなら、ゆっくりと話す事が出来る。
「さて、何から問うべきか......。
いや、遠まわしは止めよう。単刀直入に聞く。
其方、何者だ? 200年前から居た参謀というのは......あれは嘘だな?」
「............はい、嘘です」
俺の問いに、ディーナは誤魔化しを口にする事なく答えた。
ディーナは背景NPCなどではなかった。
その立場に居座っただけの、別の誰かだったのだ。
“何故ならあの塔は汚れていた”。
200年間ずっとあの塔で待っていたというディーナの言葉と明らかに矛盾する。
掃除も何もせずに居座り続ける、というのも考えないでもないがそれは少し不自然だ。
主の帰りを待っていたというなら、せめて最上階くらいは綺麗にしておくべきだろう。
しかしそれすらしていなかったというのはつまり......200年も居なかったという事だ。
こんな事は考えればすぐに分る事だ。
ああ、簡単に分ってしまう事なんだよ。
だが俺は分らなかった。分からない振りをしたかった。
無意識のうちに目を背けていたんだ。
分りたく、なかったから。
少なくとも、其方は余が封印されるまでの間にあの塔に立ち入った誰かではない」
ただ、あの塔にそういう設定のNPCがいた事を知り、それを利用しただけの者です」
――NPC、か。
いよいよもって隠す事を止めてきたな、こいつも。
しかし、それはそれで疑問が残る。
仮にこいつがプレイヤーだったとして、そして俺の勢力に組して塔に入ったならば......リーブラが覚えていていい。
それにアリエスはディーナを見て、最初は思い出さなかったものの、彼女を『参謀』だと認識した。
あれは......。
いや、そうか。
ディーナにはあれがあった。
「アリエスとアイゴケロスは記憶操作で誤魔化したな」
「はい。アリエスは最初に会って問い詰めた時に。
「ゴーレムが其方を味方と認識しなかったのは、記憶操作が通じなかったからか」
「仰る通りです。ゴーレムのそれは記憶ではなく記録。
格上でも通じる記憶操作か。
随分性質の悪いものを持っている。
しかし、だとすると俺が操作されている、という可能性もあるな。
それに魔神族の居城、か。
なるほど、段々視えてきたぞ。こいつの正体が。
「ところで余の記憶はどの程度まで弄られているのだ?」
「......出来ませんでした」
「何?」
仮に貴女に偽りの記憶などを植え付けようとするならば、少なくとも私は1年間は付っきりで術を掛け続けなければなりません。
俺の記憶はほとんど弄れなかった、か。
どこまでが本当かは知らないが、確かに弄れるならあんな無理のある立場に居座る理由もないな。
それこそ国民の誰かにでもなりすませばいい。
それとも、そう思わせるのが狙いか?
「それを知っているという事は、其方『プレイヤー』か」
「正直、驚きました。まさか私以外に......それもルファス様が『プレイヤー』だったなんて、私だって誤算だったんです」
クスリ、とディーナが悪辣な笑みを浮かべる。
今まで見てきた上品なものとは異なる、しかし不思議と彼女に似合った笑い方だ。
どうやら、こちらが素顔らしいな。
「それと一つ訂正しましょう。私は『プレイヤー』ではありません」
「......何?」
アップデートに合わせて新しく導入される“はず”だった新種族『ハーフエルフ』のテストプレイヤーとして運営に雇われた者です」
「塔の内情を知っていた理由はそれか」
「はい。運営側のパソコンからは国民でなかろうがプレイヤーの勢力やその内部が覗けます。
いや、テストプレイヤーが見ていいのか、それ。
大方無許可で勝手に見たんだろうが、よくクビにならなかったな、こいつ。
「それで......魔神族の居城にいたアイゴケロスの記憶を操作したというのはどういう事だ?
私は魔神族の居城に自由に出入り出来る立場なんですよ」
そう言い、ディーナが“変わった”。
海の色だった髪は鮮やかな黄金へと変わり、穏やかだった顔は好戦的に歪む。
唇が弧を描き、目を細め、今まで俺が見た事のない本当の顔を曝け出す。
「本当はこのまま参謀を演じ、貴女と魔神王を潰し合わせるつもりでした。
「ほう?」
「――ここで貴女を屈服させ、私の手駒とします。
ディーナの放つ威圧感が膨れ上がる。
魔力の鳴動で木々が揺れ、大地が振動する。
これは凄いな。
もしかしなくても、この世界に来てから今までで一番の圧力かもしれない。
「出来るのか? レベル300の其方に」
『観察眼』が便利すぎるというのは、以前から挙がっていた問題点でしてね......バランス調整の為に、その対抗スキルが作られるのも当然の事です」
「ならば、其方の本当の実力は......」
「無論、語るまでもなく。貴女と同格の1000です」
変化が終わった。
そこにいたのは俺の知るディーナと顔立ちこそ同じだが、決定的に異なる別人だ。
黄金に波打つ頭髪に、溢れ出る魔力。
そして偽る事を止めた、それでも美貌を尚一切も損なわない凶相。
私はウェヌス――魔神族7曜の一人、金のウェヌス。
まるで磔にでもされたかのように両手を広げ、全てを嘲るように彼女は哂う。
「――さあ、殺し合いましょう。 | It was a dark capital city.
The kingdom of [Mjolnir] for the vampire race was shrouded in darkness as if daytime didn’t exist.
They called themselves the rulers of the night, and even amongst the humanoids, they had the highest affinity with the “ma”, thus if anything, they were closer to demons than humans.
In the middle of the kingdom, a crimson red palace soared high. And on its highest floor resided their eternal master the Vampire Princess.
The only individual the vampires swore their loyalty to, whether it be the past, present or the future, was this beautiful king.
They did not even have the Black Winged Supreme Ruler or the Demon King in mind. They lived solely to serve the Vampire Princess and should she tell them to die, they would die with pleasure.
A hoard of fanatics who were not even scared of death. Those were the citizens who resided in this Mjolnir.
At this moment, on the throne of the palace sat a young girl, and in front of her was a single vampire who kneeled down.
“Reporting in. As Your Highness stated, Svalinn was indeed liberated from the Luminaries’ threat, and the whereabouts of Aries of the Heavenly Stars was concealed.”
“Fum. As I expected... That Megrez, he made a mistake of choosing not to inform me. Largely, he was trying to stand up for someone, but such action only tells me ‘she’ was there. ...careless isn’t he.”
A young girl who was sitting on the throne laughed with a “kusuri”.
The hair that was flowing down was platinum coloured. Her pupils that split vertically was scarlet red.
Her fangs were peeking out from between her lips, and her outer appearance was that of a mere -year-old girl.
However, for vampires who could live for eternity, age by appearance was meaningless.
“I’ve waited too long... aaa, I’ve waited for years, my arch-rival. If it was you, I knew for sure that you would definitely come back from hell.”
A young girl said with great joy and stood up from her throne.
She walked as she stroke her hair and the black mantle she was wearing waved in a match with her movement.
After reaching in front of a window which overlooked the whole kingdom, she gazed up at the sky as if she was love-struck.
“I’m waiting anxiously for you, Mafahl... If I don’t surpass you, my time won’t pass. Ever since the moment you disappeared in the past, my time remained frozen.”
The corner of her mouth curled and her fangs became bare.
Her scarlet red eyes showed a fiery glint and strength went into her fists as if she could not wait a moment more for the battle.
Who cares about the flock of weaklings called demons.
The Demon King? Like I care. He can do whatever the hell he wants.
Future of humanoids? Yea I really don’t care because I’m not interested in them.
If you’re going to perish, go ahead and perish on your own. You get killed because you guys are weak.
The weaklings might cry why I’m not helping but... I don’t know nor do I hear them. I also don’t have any intention to listen to them. They’re simply worthless.
The world is always controlled by the strong. Only the handful of prodigies possess the right to dictate the future of the world.
I have absolutely no interest in the weaklings and incompetent fools.
There is only one person captured by these scarlet eyes.
That Black Winged Angel alone, my arch-rival, and my long-time enemy.
“Let’s settle things properly this time.... Without anyone interfering, with just you and me. The one who will rule this world is not you. It’s also not the Demon King. I’ll make you feel the humiliation of defeat and teach you the ruler of this world is going to be this Vampire Princess Benetnash!”
—Without fail, I’ll be the one to kill you... Ruphas Mafahl.
Saying that, the young girl – Benetnash held her palm towards the Sky.
The conclusion that could not have been reached on that day 200 years ago. This time for sure...
Yes, whilst feeling a strong desire....
“Haaaaaa......”
As I was leaving the country of Gjallarhorn due to having nothing left to do, I made a deep sigh.
Ahh, I ended up boasting quite a bit.
That’s going to become a part of my dark past.
That probably might have looked quite uncool from the bystander’s point of view.
“Is anything wrong, master?”
“No, I was just thinking that I had spoken out of character. I had shown something uncool.”
“I do not believe it was. It was an awe-inspiring event that should be saved in my eternal memory. It is truly unfortunate that we are not able to leave the moment in a visual format.”
I trembled at the words “save for eternity” that came out of Libra’s mouth.
I did not know if it was as a photo or a video, but either way, the result would be no different from having a public execution.
Though... since she said “unfortunate”, it looked like she did not get to do so. However, I decided to check with her just in case.
“Libra. Do not tell me that you took a photo or something of that incident.... If you have it saved, immediately dispose of it.”
“.............”
I posed a question to her, but there was no answer or reply from her.
Libra would usually reply instantly, but this time alone, surprisingly, she seemed to be hesitating.
What is it? She doesn’t want to dispose of it that much?
That was what I was thinking, but a reply that I was not expecting at all came from her.
To Libra’s reply, I froze a little.
Ahh, that makes sense.
There’s no such thing as a photograph in this world to begin with.
Of course, even if I asked Libra, she would not understand what it was.
Just in case, I had a look at Aries. It seemed that he also did not know what it was from the way he looked as he shook his head.
Looking at his reaction, I was satisfied that there really was no such thing as a photograph in this world.
It’s a strange feeling – was what I thought at the time.
It really gave off a feeling of ‘fantasy’ when a metallic golem like Libra who was plainly superior in technological advancement even compared to the modern world existed, yet photographs did not exist.
Well in actuality, Libra was an existence made by the skill of an alchemist and thus she was technically not mechanical. In that way, maybe it was not so strange?
However.... Something... something did not sit well.
I felt as though I missed something.
What was it? What did I forget?
What did I miss?
Remember.... Yeah, it was on the first day back when I arrived at this world.
— ... but those were events of 200 years ago. In this world where there’s no photography, I doubt anyone would be able to recognise me.
— naïve, that’s too naïve Ruphas-sama. This trading city is where people of every corner of the world gather, you know? And races with long lifespans like elves aren’t exceptions. They may still remember you clearly.
“——!”
I flexibly looked at Dina.
There’s no mistake. “She knows”!
Dina has knowledge about photograph “which did not exist in this world”!
Perhaps this Dina also realised her own slip-up, she quickly looked at my direction with a face where she was struck with a sudden realisation.
There was no room for doubt. It was certain. She was black.
I did not know why or how, but I knew that Dina was an “irregular” just like me.
At the very least, she had the knowledge of the “other” world.
“Dina.... There are some things I want to talk to you about with just the two of us. Can I get you to come with me?”
“.... Yes.”
I will not let you say no.
What I was thinking was not wrong.
That’s right, I had always overlooked Dina.
I would have known if I had thought about it a little. Or perhaps it was that I, myself, looked away.
She was an adviser NPC that not even I could remember.
Aah, yea, of course, it was there. I do remember setting down a background object with no combat ability.
However, for something like that, Dina was too competent.
She had an ability that would not dishonour the position of an adviser.
Furthermore, it was impossible that people like Aries or Megrez could not recall her existence at all.
I took Dina along and went further into the forest.
Aries and Libra tried to come along, but I stopped them.
It was a discussion that I should speak privately with Dina.
Therefore, I also left Aigokeros where Aries and Libra was and double-checked to make sure that no one was in the surrounding.
With it, I was able to take my time to speak freely.
“Now then, what should I start with....
No, let’s not take a roundabout route. I’ll cut straight to the chase.
You, what are you? The story about you being the adviser which existed from 200 years ago... that was a lie, right?”
“........................ Yes, it was a lie.”
To my question, Dina answered in a clear reply without any form of deception.
Dina was not a mere background NPC.
She was just someone who was using that position as a cover.
“Because that tower was dirty.”
It clearly contradicted Dina’s words on how she was living and waiting in that tower for the past 200 years.
It was possible that she was waiting with her position without cleaning the tower, but that would be a bit strange in the situation.
If she was waiting for her master to come back, she should and would have at least kept the top floor clean.
And yet, for her to not do such a thing means.... She was not living there for the past 200 years.
If you thought about it like that, one would easily be able to fit the pieces together.
Yeah, it was something simple that I should have figured it out.
But I did not figure things out. I pretended to not fit the pieces together.
I had unconsciously looked the other way.
Because I did not want to know, I did not want to figure things out.
“Who are you? A citizen under my rule.... That’s not it. If that was the case, it would be left in Libra’s memory. At the very least, you are not something who had entered that tower until the moment I was sealed.”
“It is as you say. I am neither your adviser nor your subordinate. I was merely someone who found out about that tower’s setting on the NPC and exploited that information.”
– NPC, huh.
Looks like she finally decided to stop hiding things, this woman.
Nevertheless, that raised a question on its own.
Assuming that she was a player, if she had enough influence to enter the tower... then it would not be strange for Libra to remember her.
Additionally, when Aries first saw Dina, he initially had no recollection of her, but was able to recognise that she was the “adviser”.
What was.....
No, that’s right.
Dina had that thing.
“You tricked Aries and Aigokeros with memory manipulation, right?”
“Yes. Aries was back when we first met and cornered him. Aigokeros was... since we were cooperating with the demons, it was during the time we were in their castle. I altered and inserted a fake memory to them respectively.”
“The reason the golems were not able to recognise you as an ally... was because memory manipulation did not work on them?”
“It is as you say. Golem do not have memories, only data. Therefore, a vague skill like memory manipulation does not work on them.”
Memory manipulation skill that worked even on high levels huh.
She really possessed an ill-natured skill.
Which meant, there was also a possibility that I was also being manipulated myself.
Not only that, she said demon race’s castle?
I finally understood, I was gradually starting to see what was going on. Her real identity.
“Out of curiosity, how much of my memory did you fiddle with?”
“..... I could not do it.”
“What?”
“Your ego and will are far stronger than you would like to believe yourself. Even assuming that it was possible to plant a fake memory in you, to achieve such a feat, I would need to continually cast the spell on you for at least a year without rest. That was why I had to fake being your adviser NPC to fool you. The only thing that barely managed to influence was to make you ‘unconsciously avoid doubting me’. It was only possible to guide your thoughts a little.”
So my memory had not been fiddled with huh.
I did not know to what extent she was telling the truth, however, it was a reasonable argument to say she would have no reason to fake being in that risky position if she could tamper with my memory.
All she had to do was to impersonate one of my citizens.
Or was it her aim to make me think that way?
“Since you know about that, you’re a ‘player’, right?”
“Honestly, I was surprised. To think that other than me... and even more, Ruphas-sama was a ‘player’. It really was my miscalculation.”
With a cute motion, Dina made a sharp evil smile.
It was significantly different from the high-class smile that she had been making until now. Notwithstanding, it was a smile that was strangely fitting of her.
It seemed like this was her real face.
“Also, I’ll like to make one correction. I am not a ‘player’.”
“.....What?”
“To put things accurately, I am a ‘test player’. I was a test player hired for the purpose of testing out the ‘half-elf race’ that was ‘supposed to’ be added in the future patch.”
“Is that the reason you know about the inside of the tower?”
“Yes. From the administrators’ computers, even if you are not a citizen of a country, you could peek a look at the player’s power and their inner setting. I found out about that adviser NPC from there.”
Hey, are those the things that test player should be able to look at?
I’m guessing she looked at those things without permission. How did she not get fired after all that?
“And.... what do you mean by manipulating the memory of Aigokeros at the demons’ castle? That only tells me you are able to freely enter their castle.”
“That’s exactly what I’m saying, Ruphas-sama. I stand in the position to be able to freely enter the demon race’s castle at will.”
After saying that, Dina “changed”.
Her ocean blue hair turned into a vibrant gold colour and her calm and gentle face turned belligerent.
Her lips curled into an arc and her eyes became thin. It truly changed into a face that I had never seen before.
“Originally, I planned to continue acting out as your adviser, guiding you until you and the Demon King crushed each other. Having said that, now that it’s come to this... that plan is... seems like I underestimated you too much. Therefore, allow me to use an alternative method.”
“Hou?”
“ – I’ll make you submit to me here and turn you into my pawn. I still need you to be useful... my loving master.”
The pressure given off by Dina significantly rose up.
Due to the pressure of her magical powers, trees in the surrounding trembled and the earth vibrated.
This is quite impressive.
There was no question of it, the pressure given off by her was the greatest I had felt ever since I arrived in this world.
“Can you do it? With your level 300?”
“Aha! Ahahahahahaha! You still believe in that? Something like that... of course it was a lie. That was also another feature to be introduced in the future patch. A simple skill to conceal your status by setting a false status. It was a known fact from before that [Observing Eyes] was far too convenient. For the purpose of balancing things out, it’s only reasonable that there would be a skill to counter that.”
“In other words, your real level is....”
“Of course, is there even need for me to say it? I’m level 1000 just like you.”
The transformation finished.
The person that was standing in front of me had the same facial features as Dina, yet was definitely a different person.
Dashing gold hair and a magic power that was gashing out.
And even after she stopped her deception, her beautiful countenance was not affected by her belligerence in the slightest.
“Allow me to re-introduce myself. I am Venus – one of the Demon’s 7 Luminaries, Venus of the Metal. Nice to meet you.”
She spread her arms like in a crucifixions and smiled as if she was mocking everything.
“—Now then, let’s kill each other. My lovely master – Ruphas Mafahl.” | {
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「......初代当主様と言うと、シルバーフェンリルと懇意にしていたという、あの?」
「そうです。その初代当主様がシルバーフェンリルと初めて会ったのが、あの森とされています。そこで初代当主様はシルバーフェンリルと対等の立場で、友人のような関係になったという伝説が残っているのです」
あの森で初めて会ったのか。
でも、実際どうやってシルバーフェンリルと仲良くなったんだろう?
話を聞く限りだと誰にも従わず、誰にも勝つ事の出来ない魔物として恐れられている。
レオを見てると、シルバーフェンリルは人を襲ったりする事は無さそうだが、それはレオの場合。
こちらの世界に最初からいるシルバーフェンリルは、人を襲ったりしないんだろうか?
「その初代当主様はどうやってシルバーフェンリルと仲良くなったんですか?」
「......それが......わからないのです」
「わからないんですか?」
「語り継がれている伝説や、当家にのみ伝わる口伝、初代当主様の半生を綴った文献等、どれを探してもシルバーフェンリルと、どうやって親しくなったのかは伝わっていないのです」
「ですが.....の文献に書かれているのは、あの森でフェンリルの群れに囲まれて初代当主様が危機に陥った事。そして、そこにシルバーフェンリルが現れたという事が書かれています」
「フェンリルの群れ......シルバーフェンリルとは違うんですか?」
「通常のフェンリルは、レオ様のようなシルバーフェンリルとは違ってもっと体が小さく、動きも遅いのです。それでも人間からすると速い動きで翻弄され、魔法も火と氷の魔法を操る厄介な魔物です。それに、シルバーフェンリル程鋭く無くとも、その牙と爪は人間程度なら容易に切り裂く事が出来ます」
フェンリルっていうのは、シルバーフェンリルよりは弱いようだが、それでも人間からするとかなり危険な魔物ではあるみたいだな。
......フェンリルの群れに囲まれた初代当主様は、生きた心地がしなかったんだろうなぁ。
「初代当主様がフェンリルの群れに囲まれた事、そしてシルバーフェンリルと出会った事。これらの事からあの森はフェンリルの森と呼ばれているのです」
「フェンリルの森......」
話を聞く限り、随分と危険な魔物であるフェンリル。
そのフェンリルの群れや、シルバーフェンリルと出会った場所という事なら、そう呼ばれてもおかしくないだろうな。
でも、俺が森を彷徨っていた時や、クレアさんが一人で森に入った時もフェンリルは出て来なかったな......。
「フェンリルって、まだ森にいるんですか?」
「それが......初代当主様亡き後、シルバーフェンリルと元々森にいたと思われるフェンリルの群れを見たという人はいないそうです」
「そうなんですか......」
フェンリルの森と呼ばれる場所。
気付いたらその場所にいた俺とレオ。
そして、シルバーフェンリルになっていたレオ。
シルバーフェンリルと懇意にしていた人の血筋であるクレアさんと出会った森。
......作為的とまでは言わないけど、何かしら運命的な物を感じるな......。
どうしたんだろう、クレアさんが悩むように考え込んでる。
何かあの森にあるんだろうか?
「確かに初代当主様亡き後、フェンリルの姿を見た者はいないのですが......あの森は伝説となった地。なので森を恐れ敬う意味を持ち、近づく人は少なく奥まで調べられていません。......本当にあの森にフェンリルがいないというのが確かだとは言えないのです」
「......ふむ」
「......もしかしたら、まだあの奥にフェンリル、もしくはシルバーフェンリルが存在しているかもしれません......」
「誰も入らない奥に潜んで暮らしているかもしれない、というわけですね?」
「はい......」
しかしどうしたんだろう、クレアさんが凄い熱を持って伝説の話をしてる。
穏やかな雰囲気の人で、あまり熱くなって語るような人って感じじゃないと思ってたんだけど......。
あ......でも、そういえば。
ティルラちゃんが病で臥せっていた時、薬草を求めて一人で屋敷を飛び出したのはつい数日前の事。
「......タクミさん、ここから先は危険も伴うので......断って頂いても構いません。ですが、私としては受けて下さると助かります」
何だろう......何か知ってはいけない秘密とか?
命を狙われるような危険がある情報とかを聞かされるんだろうか?
「タクミさん。レオ様を連れて私とあの森の奥まで行ってくれませんか?」
「......え?」
「「「クレアお嬢様?!」」」
「?」
クレアさんの発言に激しく驚いたのは、セバスチャンさんとメイドさん達。
そりゃ驚くよな......あの森はオークとかいたから危険な森のはずだ。
仮説ではあるが、奥にはフェンリルが群れでいるかもしれない。
しかもシルバーフェンリルもいるかもしれないという事だ。
危険なのは間違いないだろう。
セバスチャンさん達は、すぐさまクレアさんに詰め寄った。
ちなみにじゃれ合っていたレオとティルラちゃんは、話しを聞いていなかったのか状況がわからず首を傾げてる。
「お嬢様! 例えタクミ様やレオ様と一緒とはいえ、危険過ぎます!」
「そうです! もしお嬢様の言うように奥にフェンリルがいるのだとしたら、人間が入って帰って来られるとは思えません!」
「お嬢様、考え直して下さい!」
「......ちょっと......貴方達......」
セバスチャンさんは必死でクレアさんを止めようとしてる。
まぁ、一人で危険な森まで薬草を採りに行くような人だからな。
クレアさん自身、冗談で言ったんじゃないだろうけど、本当に実行しそうだから必死で止めたくもなるだろう。
「お嬢様! どうか、どうかお考え直しを!」
「そうです。お嬢様にもしもの事があったりしたら!」
「お願いします! 考え直してください!」
「......」
おや? クレアさんが黙ったぞ? | “...The founder of this house. Do you mean the one who befriended the Silver Fenrir?”
“Yes. And it’s said that the founder first met the Silver Fenrir in that forest. And the legend says their relationship was that of friends of equal standing.”
So they first met in that forest.
But how exactly had he managed to befriend a Silver Fenrir?
From what I had heard, they listened to no one, and were feared as unbeatable monsters.
Of course, when I looked at Leo, it made me think that Silver Fenrirs wouldn’t attack anyone. But that was just in Leo’s case.
Perhaps the Silver Fenrirs that were born and raised in this world did attack people?
“And how did the first duke befriend this Silver Fenrir?”
“...That...is not known.”
“No one knows?”
“There are legends passed down orally, including ones that were only shared through the family, as well as documents written about the first duke. However, none of this has explained how the Silver Fenrir was befriended.”
“However... Some of the texts say that the duke was in danger, after being surrounded by fenrirs in the forest. And then the Silver Fenrir appeared.”
“A pack of fenrirs... Are they different from Silver Fenrirs?”
“Normal fenrirs are different from Silver Fenrirs liks Leo. They are small and slower. Of course, they are still fast compared to humans, and are dangerous monsters that can use fire and ice magic. Also, even though their claws and fangs aren’t as sharp as those of a Silver Fenrir, they will still cut through humans with ease.”
So, while these fenrirs were weaker, they were still very dangerous monsters for humans.
...I could only imagine how the first duke felt when being surrounded by a pack of them. It would have felt like you were already dead.
“Because the duke was surrounded by fenrirs, and then encountered a Silver Fenrir in that forest, it is now known as the Fenrir Forest.”
“Fenrir Forest...”
From what I had heard, fenrirs were very dangerous monsters.
And so if it was a place where one might encounter them, then it was no surprise that the forest would be named after them.
However, I had wandered through it for a while, and Ms. Claire had entered it alone, and still, we didn’t see any of them...
“Are there still fenrirs in that forest?”
“As for that...ever since the founder of this house died, no one has seen a Silver Fenrir, let alone the fenrirs that were said to have always lived in the forest.”
“Is that so...”
The place that was called the Fenrir Forest.
The place where Leo and I had appeared.
And where Leo turned into a Silver Fenrir.
The place where we met Ms. Claire, who was a descendant of someone who had befriended a Silver Fenrir in the past.
...While I wouldn’t go as far as to say that it was deliberate, I felt something like fate from it all...
What was it? Ms. Claire started to think with a troubled expression.
Was there something else regarding that forest?
“While it’s true that no one has seen a fenrir in that forest since the founder died...it is still a legendary place. And so many people fear it. Few have gone close, let alone investigated its depths. ...So one cannot be certain that there are no fenrirs there at all.”
“...Hmm.”
“...So it’s possible that deep within, there could still be fenrirs, or even a Silver Fenrir...”
“You are saying they may be lurking deep in the forest, where no one can see them?”
“Yes...”
Still, for some reason, Ms. Claire seemed to be talking about this legend with great passion.
She was usually so calm, and I hadn’t thought that she was the type to get very heated while speaking...
Ah...but now that I think about it...
It was only a few days ago that she had left the mansion alone in order to get medicine for Tilura.
“...Mr. Takumi. What I’m about to say involves the risk of danger...and I will not mind if you refuse. But, I would be grateful if you accepted.”
What was it...? A secret that is supposed to stay hidden?
Was I going to be made to listen to information that would paint a target on my back?
“Mr. Takumi. Will you take me and Leo into the depths of that forest?”
“...What?”
“Lady Claire!?”
“?”
Sebastian and the maids were terribly alarmed by Ms. Claire’s request.
Of course, they were...it was dangerous. There were orcs in that forest.
And according to the legends, there could be packs of fenrirs as well.
And maybe even a Silver Fenrir.
It was dangerous without a doubt.
Sebastian and the maids quickly rushed towards Ms. Claire.
As for Leo and Tilura, who had been playing, they were tilting their heads in puzzlement. They probably hadn’t been listening.
“My lady! Even if you are with Mr. Takumi and the great Leo, it is much too dangerous!”
“He is right! If there really are fenrirs there, as you have said, then I doubt any human can enter it and come out alive!”
“My lady, please reconsider!”
“...My goodness...all of you...”
The three of them were desperately trying to stop Ms. Claire.
Well, she was the kind of person to enter a dangerous forest alone just to find herbs.
I doubted Ms. Claire had said it as a joke. She might really just put it into action. And so it was no wonder they were frantic.
“My lady! Please, please reconsider!”
“Yes. If anything were to happen to you!”
“We’re begging you! Reconsider!”
“...”
Oh? Ms. Claire had fallen silent? | {
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イスラム教内でも同様のことが起きているようである。イスラム教の教祖、マホメットは、唯一無二の宗教をもたらした。しかし今日では、イスラム教を起源とする約 1,000 の宗教が存在する。 | The Prophet of Islam, Muhammad, brought one – and only one – religion. Yet today we have perhaps a thousand religions that all claim to be Islam. | {
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今日は定休日。以前約束していた服屋に行く日となった。
「んふふ、楽しみだなー」
「久しぶりだものね。私も楽しみだわ」
「きっと気に入ると思いますよぉ」
「私してよかったのですか?」
定休日なのでもちろんフィルも休み。どうせだから一緒に行こうと誘った。
「もちろん。可愛いの買ってカインに見せつけてやらないと駄目だよ?」
ニマニマしながら揶揄う。薄っすら赤くなってまぁ可愛い事。
「あら、ナツキは私に見せつけてくれないの?」
腕に絡みつきながら甘えたように言ってくる。
「それならルティも僕に見せつけてくれないと」
「いいわよ?それじゃ今日は頑張って選ばないと」
そっちのけでイチャイチャし始める。最近時間なかったからね、仕方ないね。
「お二人はぁ、お付き合いされてるんですかぁ?」
「うん。あれ?言ってなかったっけ?」
「聞いてないですよぉ。むー、ルティ
お姉様
ちょっと狙ってたのにぃ」
「え!?だ、駄目!ルティは僕のだから!」
ルティの首に抱き着いて自分のアピールをする。というかお姉様って......。
でも、チルみたいな子にお姉様とか言われたら、ぐらっときちゃうんじゃないかな。
ちなみにこの国、同性同士は割と普通らしい。でも教会は認めてないから、結婚式とか挙げられなくて事実婚になっちゃうみたいだけど。
「......まさか満更でもなかったりしないよね?」
「んー、どうかしんぅ!」
言い終わる前にキスで唇を塞ぐ。周りに見せつけるように離さない。
「ん...んぅ......」
「いいの。だって見せつけてるんだもの」
むふふ、と笑いながらそう返す。そもそも、そう言ってるルティだって嬉しそうにしてる癖に。
「はいはい、その辺にしてそろそろ行くですよ」
「ナツキさんもぉ、お姉様もぉ、置いていきますよぉ」
「「はーい」」
呆れながら二人が先行し始めたので慌ててついていった。
「「「んんん......?」」」
チルの案内で新規オープンしたお店の前まで来た。けで看板を見て止まる。そこに書いてあるお店の名前はプティベール。これって......
「ザンブルにあるプティベール...だよね?」
「ですねぇ。王都に支店出したってことですかね」
「ザンブルにもあるんですかぁ?」
「うん、ザンブルでよくお世話になったよ。あそこと同じなら品揃えはいいだろうね」
「もしかしたら知ってる店員さんがいるかもしれないわね。とりあえず中入ってみましょ」
プティベールならいいのが揃ってるだろうなぁ。他のお店がダメダメすぎるから、もしかしたら王都一の服飾店になっちゃうかも。
「いらっしゃいませ!王都で一番の服飾店、プティベールへようこそ!」
なんかデジャヴ。そりゃそうだ、そこにいたのはザンブルで
「あら?ナツキさん達じゃないですか!フィルまでいるし」
「お久しぶりですトリシャさん。って、フィルと知り合いなんですか?」
「ええ、ほら以前、毎月死にそうになってる友達がいるって言ったじゃないですか。あれがフィルですよ」
ああ、そういう。世間て狭いなー。
「?どういうことです?」
「いえ、以前ナツキさんが月のもので大分具合が悪そうだったので、フィルの対処法を教えてあげ...いだぁ!」
思いっきり頭叩かれてる。そりゃねぇ......。毎月重いんですって公言されたようなもんだし。というか僕も叩いていいかな、これ。
「まったく、トリシャはいつもこうなのです。普段優秀な癖に変なとこで抜けてるというか......。ところでトリシャは王都に転勤ですか?それともヘルプ?」
「へへーん、実はこの王都支店の店長として転勤してきたんですよ!」
「あら、栄転じゃないの。おめでとう」
「てへへ、ありがとうございます」
おー、僕は今も昔もそういうの縁がないから素直に凄いなぁと思う。
「あのぅ、みなさんお知り合いなんですかぁ?」
あ、チルが置いてけぼりになってた。
「ええ。私とトリシャは友達なのです」
「僕達はザンブルに居るときに、お店で
意地悪くニヤっとしながら言うと、トリシャさんがちょっと顔を引き攣らせた。
「ほえー。世間て狭いですねぇ。あ、私チルセットと言いますぅ」
「トリシャと言います。チルセットさんですね。この間はお買い上げありがとうございます」
おお、覚えてるんだ。さすが普段は優秀なトリシャさん。
「チルでいいですよぉ。ここは可愛い服が多いのでぇ、お気に入りなのですぅ」
「そうそう、チルがいいお店出来たっていうから来てみたら、プティベールなんだもの。驚いたわ」
「ふふ、そう言ってもらえると嬉しいですね。ちょっとだけならサービス出来ますから、たくさん買っていってくださいね」
サービスするなんて言ったもんだから、この間買ったばかりのチルまで目の色変えちゃった。まぁ僕も俄然買う気になったけどね。 | Today is our scheduled day off. So today is the day we go to the clothing shop as promised before.
「Nfufu, I’m getting really excited now.」(Natsuki)
「It’s been a while after all. I’m looking forward to it as well.」(Ruti)
「I’m sure that you’ll like the place~」(Chris)
「Is it really fine for me to come too?」(Firu)
Since it’s a scheduled day off, naturally Firu is on her break too. And since she’s free, we invited her out too.
「Of course. You need to buy some cute clothes to show off to Cain, okay?」(Natsuki)
With a huge grin on my face, I poke some fun at her. The fact that she’s blushing a bit is quite cute of her.
「Oh, you’re not going to show off to me?」(Ruti)
Ruti said so as she wrapped her arms on mine.
「Then how about you show off to me too, Ruti.」(Natsuki)
「Sure, why not? Then I’ll have to do my best today and choose some good ones.」(Ruti)
Disregarding the other two, we started flirting by ourselves. We didn’t really have much time to do it lately, so I can’t really help it.
「Are the two of yo~u dating each other~?」(Chris)
「Yup.
? We didn’t tell you?」(Natsuki)
「I haven’t heard about it~
, I was even aiming for Ruti-oneesama~」(Chris)
「Eh!? Y-you can’t! Ruti’s mine, okay!?」(Natsuki)
I wrap my arms around Ruti’s neck to show off how close we are. Or rather, oneesama......
Well, if a girl like Chris called me by oneesama, it’ll probably make my heart jump.
Incidentally, it seems like same-sex couples are relatively common in this country. But since it isn’t accepted by the church, it seems only de facto marriages are accepted since we can’t hold official weddings.
「...... You’re not actually happy right now, are you?」(Natsuki)
Before she even finished speaking, I sealed her lips with a kiss. And to flaunt to the people around us, I keep on going for it.
「Nhm......
「It’s fine. I’m letting them see it after all.」(Natsuki)
Mufufu
, I smiled at her as I said so. In the first place, even though she’s saying that, she actually looks really happy about it.
「Yeah, yeah, let’s stop at that and go to the shop now.」(Firu)
「Natsuki-sa~n, Ruti-oneesam~a, you’re going to get left behind~」(Chris)
「「Oka~y!」」
Having enough of our public display, the two of them started to go ahead without us so we quickly followed after them.
「「「Hmmm......?」」」
With Chris’ guidance, we arrived in front of the newly opened shop. But the three of us froze when we saw the shop’s signboard. The shop’s name, as written on the signboard, is Putieveil.This is.......
「It’s the same Putieveil as the one in Zanbul... right?」(Natsuki)
「I think so. They said that they had a branch store at the royal capital, so maybe this is the one.」(Firu)
「There was one in Zanbul too~?」(Chris)
「Yeah, we shopped at Zanbul’s branch store a lot. It would be great if they had the same stuff here too.」(Natsuki)
「Perhaps we’ll even see the same saleslady as well. For now, why don’t we go inside.」(Ruti)
If it’s Putieveil, they probably have some really good stuff in stock. The other shops were really bad so it might even become the capital’s number one clothing shop.
「Welcome! This is the Royal Capital’s Number 1 Clothing Store, Putieveil!」
I think I’m having some déjà vu. Well yeah. After all, the one that greeted us is someone who has helped us in a
「Oh? It’s you two! And even Firu’s here!」(Trisha)
「Long time no see, Trisha-san. Also, are you aquaintances with Firu?」(Natsuki)
「Yes. Do you still remember that time, when I told you about a friend of mine that was practically dying every month? I was talking about Firu.」(Trisha)
Ahh, that one. Huh, what a small world.
「? What do you mean by that?」(Firu
「Well some time ago, Natsuki-san was on her monthly and I noticed that she was feeling really nauseous at that time, so I told her about your remedi...
Trisha-san was hit really hard in the head. Well, naturally...... She’s basically making it public that Firu has a heavy period. Rather, I can smack her too right?
「Geez, Trisha’s always like this, you know? In spite of her usually doing great, she always seems to get careless somehow...... By the way, Trisha, were you relocated here? Or are you only here to help?」(Firu)
「Hehe~m! The truth is, I was relocated here as the capital’s branch manager!」(Trisha
「Oh, you have been promoted? Congrats!」(Firu)
「Tehehe, thank you very much!」(Trisha)
Wow. I don’t really have luck in that regard before and even now, so I’m honestly amazed by it.
「Umm~ Do you all know each other~?」(Chris)
, Chris is getting left out of the loop.
「Yes, Trisha and I are friends.」(Firu)
「During our stay in Zanbul, we became acquaintances when I had my
Grinning playfully as I said so, Trisha’s face twitched nervously.
「Hueh~ The world really is small~
「My name is Trisha. Chrisette-san, right? We thank you for your purchase the other day.」(Trisha)
Woah, she actually remembered her. As expected of the usually great Trisha-san.
「Please call me Chris~ The shop has a lot of cute clothe~s, so I really like it here~!」(Chris)
「Yeah, that’s right. We came here since Chris told us about a newly opened shop, and who would have guessed, it was Putieveil. It really surprised me.」(Ruti)
「Fufu, I’m glad to hear that. I can give a little bit of a discount so please buy a lot, okay?」(Trisha)
And as Trisha uttered the word “discount”, even Chris, who just bought something the other day, looks like she’s itching to buy. Well, even I suddenly feel like buying a lot, so yeah. | {
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残りの90%は生活習慣によって決まります
ブルーゾーンの前提はこうです:もし我々が 長寿に最適な生活習慣を 発見できれば、長生きの処方箋を 見つけたことになる
しかし、普通のアメリカ人に長寿の秘訣は何だと 訊ねても、たぶん答えられないでしょう
たぶんサウスビーチダイエットやアトキンスダイエットは聞いたことがある
USDA食物ピラミッドもある
オプラ・ウィンフリーが何か言ってる
ドクター・オズも何か言っている
要するに、長生きのために本当に何が良いか 皆悩んでいるのです
マラソンやヨガをすべきなのか?
オーガニックミートや 豆腐を食べるべきなのか?
サプリメントというやつは摂るべきなのか?
ホルモンや抗酸化物質は?
目的にかなっているのか?
精神世界は? 世間付き合いは?
長寿を発見するるための我々の方法は ナショナルジオグラフィック誌、および 国立老化研究所とチームを組み 地理的に限定された、人口統計的に確認されている 4地域の調査を行うことでした
そして専門家チームを派遣し そこの人々の行動を系統的に調査し 文化を超えた要素を抜き出しました
その結果が何だったかは最後にお話します
しかしまず、長寿に関するよくある俗説の 正体を暴きましょう
最初は「一生懸命努力すれば 100歳まで生きられるか」です
間違いです
アメリカ人5000人のうち、1人だけしか 100歳まで生きられません
チャンスはとても少ない
最も成長しているアメリカの人口層を取っても なかなか100歳まではとどかない
問題は 我々は長寿に設計されていない、ということです
我々は「次世代生産型」に 設計されています
大学時代を思い出させてくれる
私の大好きな言葉です
生物学者のいう「次世代生産型」とは あなたが子供を持つ年齢のことで 更に次の世代、あなたの子どもが更に子供を持つ年齢のことです
それから先は、進化の効果は 全くなくなってしまう
哺乳類なら、ネズミでも 象でも、人間でも、その間の何かでも、話は同じです
100歳まで生きるなら、よき生活習慣と共に 遺伝的なくじびきに当たるだけの 幸運が必要なのです
二つ目の俗説は 「加齢を遅らせる、逆転させる、あるいは 止める治療法がある」というものです
間違いです
考えてみれば、老化する方法はいくらでもあります
数分間あなたの脳から酸素を奪えば 脳細胞が死に、元へは戻りません
テニスをしすぎれば膝の軟骨が傷み 元には戻りません
動脈は詰まる 脳にはモノが溜まる するとアルツハイマー病になる
悪くなる理由はいくらでもあります
人体には35兆の細胞があり 1兆のTです 国債で出てくる単位です
これらの細胞は8年に一度は入れ替わっています
そして入れ替わるたびに いくらかダメージを受ける ダメージは蓄積され
指数関数的に増えていきます
ちょうど昔われわれが持っていた ビートルズやイーグルスのアルバムを カセットテープにコピーして 友人にそのテープをコピーさせると テープが世代を下ると、すぐに ひどい音になるようなものです
細胞でも同じことが起きます
だから65歳の人間は 12歳の人間の 125倍の速さで 老いてゆくのです
それでもし、我々が加齢を遅らせたり 止めたりできないのだとしたら 私はここで何をしているんでしょう?
実際のところはどうかというと 科学的に言えば、ヒトの体の 私や、あなたの体の寿命は 約90年です 女性はもう少し長い
しかしこの国の平均余命は わずか78歳です
つまり我々はどこかで 12年分を置き忘れているのです
これは本来あるべき年月で、
研究によれば、その多くは、心疾患、がん、糖尿病といった慢性疾患が ない場合の期間になります
この失った年月を取り戻す為には 実際に世界で長寿を 享受している地域、 我々よりも10倍も多くの人々が 100歳以上まで生きる地域や 平均余命があと12年ほど 長い地域や 中年の死亡率がこの国より非常に小さい場所を 見てみるべきだと思います
最初のブルーゾーンは、イタリアの海岸から200kmほど 離れた場所、サルディーニャ島にありました
島全体ではありません 島には140万人が居ますが ヌオロ県という高地地帯だけがそうでした
この地方では男性の方が長寿で アメリカの10倍の100歳以上の人間が居ます
しかもここでは、単に100歳以上であるだけでなく 彼らは非常に活動的です
102歳の老人がバイクで仕事にでかけ 薪割りをし、60歳も若い相手を負かすほどです
歴史はキリストの時代にまで遡ります
青銅器時代の文化が温存されています
土地があまりに不毛なため 殆どが羊飼いをしていて 規則正しい、低強度の肉体活動をすることになります
食事は殆どが植物性で それに山に持っていけるような食物が目立ちます
つまりnotamusicaというデュラム小麦で作った 非発酵の全粒小麦パンと トウモロコシで飼育された家畜の オメガ6脂肪酸でなく、草で飼育された動物の オメガ3脂肪酸を多く含むチーズ、それに 世界で知られているどのワインよりも 3倍のポリフェノールを含むワインで
Cannonauと呼ばれています
しかし本当の秘密は、むしろ 彼らが社会を形成する方法にあると思います
そしてサルディーニャの社会のもっとも目立った要素は 老人に対する扱いです
ここアメリカでは社会的な価値は 24歳でピークになりますね?
広告をご覧なさい
サルディーニャでは歳をとるにつれて 人の価値が高まり その知恵でより賞賛されるのです
サルディーニャでバーに行くと スポーツイラストレイテッドの水着カレンダーではなく 「今月の100歳者」のカレンダーがあるのです
年老いた両親が家族の近くに いることで 4年から6年分、寿命が伸びるのですが、 これはその家族の子供にもよいことだと判明しており、 その子どもたちの死亡率と疾病罹患率がより低くなります
祖母効果と呼ばれています
二つ目のブルーゾーンは 地球の反対側 東京から南へ1200km 沖縄群島にあります
沖縄は161の小島からなります
その本島の北部は 世界一の長寿地域です
世界で最高齢の女性人口が見られます
疾患無しで、世界で最長寿の 人々が住んでいます
まさに私たちが望むものです
長い時間を生き、眠っている間に さっ、と他界します それもなんと、しばしばセックスの後にです
平均的なアメリカ人より7年ほど長生きし
100歳以上の人口はアメリカの5倍 それはアメリカでは大きな死因である
大腸がんと乳がんの発生率は5分の1です 心血管病の発生率は6分の1です
これだけ多くの長寿者がいる文化だということは そこに学ぶべきものがあることを強く示唆しています
どんな生活をしているのか?
またしても植物性中心の食生活で いろいろな色の野菜がたくさん入っています
そしてアメリカ人の8倍の量の 豆腐を食べます
何を食べるかよりもどう食べるかがさらに重要で
彼らはこまごまとした 過食防止の方法を持っています アメリカではその過食が大問題です
観察された方法のいくつかは: 小さめの皿で食べることで、毎回の食事でのカロリー摂取が控えめになっている
ファミリースタイルの食卓で しゃべりながら考えなしに食べ続けるのでなく カウンターで食事を皿にとり 食卓まで持ってきます
彼らには3000年前からの古い格言があり 今までで最高の食に関する提案だと思います
孔子の言葉です
それは「腹八分」食事法と言われています
食事の前にそれを簡単に唱えます 満腹の20%手前で食べるのを止める、ということです
満腹感が腹部から脳に伝わるには 30分かかります
そして80%で止めることを思い出すことで 満腹になることを防いでいるのです
しかしサルディーニャと同様に、沖縄にも長寿と関連した いくつかの社会構造があります
孤独は死への早道です
15年前、平均的アメリカ人には親友が3人いました
現在は1.5人になっています
幸運にも沖縄で生まれたならば それは生涯を通じて付き合える 6人の友達を持てる社会に 生まれたということです
「模合」というものがあります 模合に入ると 順番に一定の金額を受け取り 状況が悪い時や 子どもが病気の時、親が死んだ時などには いつも助けになってくれる誰かがいることになります
この模合の場合、この5人の女性は 97年間、一緒にいます
平均年齢は102歳です
アメリカでは、典型的には 大人の人生は二期に分けられます
仕事の時代があり その間は生産的です
そしてある日、ボン、と引退します
そして典型的には 安楽椅子に座るか アリゾナにゴルフをしに行きます
沖縄の言語には「引退」という 単語さえありません
代わりに人生すべてを 含める単語 「生き甲斐」があります
大ざっぱに訳すると、それは 「翌日目覚めるための理由」ということです
この102歳の空手の道士の場合 彼の生き甲斐は空手道を発展させることです
この100歳の漁師にとって 生き甲斐は家族のために週3回、魚を獲ってくることです
ここで質問です 国立老化研究所は、私たちに 100歳者向けのアンケートを用意しました
質問の一つは -- アンケートを作った人たちは 文化的な洞察力に富んでいて --
「あなたの生き甲斐はなんですか?」というものでした
長寿者たちはすぐに翌朝起きる理由を考えだしました
この102歳の女性の場合、彼女の生き甲斐は 彼女の曾曾曾孫だと言いました
その少女とは歳が101歳半、離れています
私は彼女に曾曾曾孫を持つのは どんな気分かと尋ねました
彼女は答えました 「そりゃ天に昇りそうさー」
素晴らしい考えだと思いました
ナショナルジオグラフィック誌の編集者は アメリカでもブルーゾーンを見つけて欲しいと言いました
そこでミネソタの大草原をしばらく探し 非常に高い率で100歳以上の人がいる場所を見つけました
しかしそれは若い人がいなくなったからでした
そこで我々はデータを見直し
アメリカの最長寿の人口は セブンスデイアドベンチストに多く カリフォルニア州のロマリンダ周辺に集まっているのを発見しました
アドベンチストは保守的メソジストです
彼らは安息日として 金曜の日没から土曜日の日没を定めています
「24時間の聖域」と彼らは呼んでいます
彼らは五つの小さな習慣に従い それが彼らに、他と比較した場合 破格の長寿をもたらしています
ここアメリカでは、平均的な女性の 平均余命は80歳です
しかしアドベンチストの女性では 平均余命は89歳です
そして男性ではその差はさらに顕著で 標準的なアメリカ人男性より 約11年も長生きします
さて、これは30年間にわたって 7万人をフォローした研究です
信頼できる研究です これはブルーゾーン計画の根拠を 見事に示しています
ここは多民族の社会で
白人、黒人、ヒスパニック、アジア系もいます
彼らに共通しているのは、いくつかの種類の 細かい生活習慣を 皆、生涯を通じて 儀式的に行っていることです
彼らは聖書にある食事法をそのまま実践しています
創世記第1章第26節 主が豆と種についてお話しになり 緑色植物についてのいくつかの節では 明示的に肉が省略されています
彼らはこの神聖な時間を厳格に守ります
毎週の24時間、 どんなに忙しくとも、仕事でどんなにストレスがあろうとも、 子どもが遊びたがっても、 彼らは全てを止めて神と対峙し、 社会生活にいそしみ、それから信仰と直結した 野外散歩を行うのです
これがすごいのは、ただ時々に行われるのでなく 毎週、生涯にわたって行われることです
どれも難しいことではなく、お金もかかりません
アドベンチストはまた、他のアドベンチストと付き合うものです
だからアドベンチストのパーティへ行っても バーボンをがぶ飲みしたり、いかがわしいところへ行ったりはしません
彼らは次回の野外散歩について語り 料理法を交換し、そして祈るのです
しかし彼らは互いに、深く、測定可能な方法で影響しあっています
これがエルスワーズワラムを生んだ文化です
彼は97歳です
彼は大富豪ですが 土木業者が垣根を作るのに 6千ドルいると言えば 「そういう出費については、私は自分でやるよ」と言うのです
そしてそれから3日間、彼はセメントをこね 柱を立てて回るのです
そしてご想像の通り、4日目には 彼は手術室にいることになりました
しかし手術台に載っているわけではなく 彼自身が心臓外科手術を行っているのです
97歳にして、毎月20例の心臓外科手術をまだ行っているのです
エドローリングスは現在103歳の 現役のカウボーイで、朝は水泳から始めます
週末には水上スキーで 水しぶきをあげるのです
そしてマージディートン
104歳です
彼女の孫は実はここツインシティに住んでいますが
彼女は一日を重量挙げから始めます
自転車にも乗ります
そしてルートビア色の 1994年型キャデラックセビルに乗り サンベルナーディノ道路を突っ走って いくつかの組織へボランティアをしに行くのです
私は手ごわい冒険を19回やりました
私はたぶん、日焼け止めなしに 自転車でサハラ砂漠を横断した 唯一の人間です
でもそれでも、マージディートンと一緒にぶっ飛ばすくらい きつい冒険はありません
「知らない人なんて会ったことがないわ」と彼女は言います
それで、これら3つの文化の 共通項はなんでしょうか?
彼らが皆やっていることはなんでしょう?
我々はそれを9つに集約しました
実際はその後さらに2つのブルーゾーン調査を行い 共通項はそこでも一致しました
まず最初は これには異論をつぶやきたいのですが 誰も運動を、つまり我々が 考えるような運動をしていません
代わりに、彼らの生活が 常に肉体活動を要求するようになっています
あの100歳になる沖縄の女性達は 色々な場所に行き、毎日30回も40回も
立ったり座ったりします サルディーニャの人たちは上下構造の家に住み、階段を登り下りします
店に行ったり、教会に行ったり、 友達の家に行ったり、全てが歩きになります
便利な道具はないのです
庭仕事や家事をやってくれる押しボタンはありません
ケーキの生地を作りたければ、自分の手で混ぜます
これも肉体活動です
それで丁度ランニングマシンに乗るくらいのカロリーを消費するのです
意識的に運動する時には 楽しんでいます 彼らはよく歩きますし それはボケを予防できる唯一証明された行為です 庭いじりもたくさんやります
いい身体に見えるためにやるべき正しい方法を 知っているのです
これらのどの文化にも、くつろぐ時間があります
サルディーニャ人は祈ります セブンスデイアドベンチストも祈ります
沖縄人は先祖を祀っています
しかし急いでいたり、ストレスがあると それが炎症反応と呼ばれるものの引き金になり それはアルツハイマー病から心血管病まで あらゆる病気と関連しています
一日15分の休憩があると 炎症状態を もっと非炎症的な状態にすることができます
彼らには皆、目的の感覚に関する言葉、つまり 沖縄の「生き甲斐」のような用語があります
人生の最も危険な時期は 乳児死亡のある乳児期と 引退した年です
長寿地域の人々は人生の意味を知っており それにより活動的な人生を過ごし、それがプラス7年分の 長寿になるのです
長生きのダイエットはありません
代わりに毎日少しだけ酒を飲みます アメリカ人のきつい酒じゃないですよ
植物性の食生活です
肉を食べないのではなく、豆や木の実を沢山食べるのです
彼らには過食を避ける方法があり ちょうどいい時に食卓から離れるよう仕向けています
そしてこれらすべての基礎は、彼らの人間関係にあります
家族を第一に考え 子供や老人の世話をします
信頼に基づいた共同体があり そこでの習慣を毎月4回続けるだけで 4年から14年分の 長寿の効果があります
そして最大の利点は 彼らがちょうどいい種族に属していることです
生まれた時から きちんとした人達に囲まれているのです
フラミンガム研究によって 親友3人が肥満なら 自分が体重過多になる可能性が5割多いことが知られています
つまり不健康な人達に囲まれていると 長期的には測定可能な影響が出てくるということです
代わりに、もしあなたの友人の余暇が ボーリングやホッケーや、自転車や庭いじりのような 肉体活動であれば、また 彼らがわずかばかりは酒を飲むが、飲みすぎないなら、 そして正しく食事し、付き合い、互いに信頼があれば 長期的にはそれが最大の影響を生むのです
ダイエットは役に立ちません 世界のどんな歴史でも 人口の2%以上には効果がありません
運動プログラムはだいたい1月に始まり 10月には終わります
長寿に関して言えば 飲み薬やその他の短期的な解決方法は 存在しないのです
しかしそれについて考えれば あなたの友人こそが、長期的な冒険で、 だからこそ、おそらくそれが、あなたの人生にもっと歳を加え、 そしてその歳にもっと意味を加える 最良の方法なのです どうもありがとう | The other 90 percent is dictated by our lifestyle.
So the premise of Blue Zones: if we can find the optimal lifestyle of longevity we can come up with a de facto formula for longevity.
But if you ask the average American what the optimal formula of longevity is, they probably couldn't tell you.
They've probably heard of the South Beach Diet, or the Atkins Diet.
You have the USDA food pyramid.
There is what Oprah tells us.
There is what Doctor Oz tells us.
The fact of the matter is there is a lot of confusion around what really helps us live longer better.
Should you be running marathons or doing yoga?
Should you eat organic meats or should you be eating tofu?
When it comes to supplements, should you be taking them?
How about these hormones or resveratrol?
And does purpose play into it?
Spirituality? And how about how we socialize?
Well, our approach to finding longevity was to team up with National Geographic, and the National Institute on Aging, to find the four demographically confirmed areas that are geographically defined.
And then bring a team of experts in there to methodically go through exactly what these people do, to distill down the cross-cultural distillation.
And at the end of this I'm going to tell you what that distillation is.
But first I'd like to debunk some common myths when it comes to longevity.
And the first myth is if you try really hard you can live to be 100.
False.
The problem is, only about one out of 5,000 people in America live to be 100.
Your chances are very low.
Even though it's the fastest growing demographic in America, it's hard to reach 100.
The problem is that we're not programmed for longevity.
We are programmed for something called procreative success.
I love that word.
It reminds me of my college days.
Biologists term procreative success to mean the age where you have children and then another generation, the age when your children have children.
After that the effect of evolution completely dissipates.
If you're a mammal, if you're a rat or an elephant, or a human, in between, it's the same story.
So to make it to age 100, you not only have to have had a very good lifestyle, you also have to have won the genetic lottery.
The second myth is, there are treatments that can help slow, reverse, or even stop aging.
False.
When you think of it, there is 99 things that can age us.
Deprive your brain of oxygen for just a few minutes, those brain cells die, they never come back.
Play tennis too hard, on your knees, ruin your cartilage, the cartilage never comes back.
Our arteries can clog. Our brains can gunk up with plaque, and we can get Alzheimer's.
There is just too many things to go wrong.
Our bodies have 35 trillion cells, trillion with a "T." We're talking national debt numbers here.
Those cells turn themselves over once every eight years.
And every time they turn themselves over there is some damage. And that damage builds up.
And it builds up exponentially.
It's a little bit like the days when we all had Beatles albums or Eagles albums and we'd make a copy of that on a cassette tape, and let our friends copy that cassette tape, and pretty soon, with successive generations that tape sounds like garbage.
Well, the same things happen to our cells.
That's why a 65-year-old person is aging at a rate of about 125 times faster than a 12-year-old person.
So, if there is nothing you can do to slow your aging or stop your aging, what am I doing here?
Well, the fact of the matter is the best science tells us that the capacity of the human body, my body, your body, is about 90 years, a little bit more for women.
But life expectancy in this country is only 78.
So somewhere along the line, we're leaving about 12 good years on the table.
These are years that we could get.
And research shows that they would be years largely free of chronic disease, heart disease, cancer and diabetes.
We think the best way to get these missing years is to look at the cultures around the world that are actually experiencing them, areas where people are living to age 100 at rates up to 10 times greater than we are, areas where the life expectancy is an extra dozen years, the rate of middle age mortality is a fraction of what it is in this country.
We found our first Blue Zone about 125 miles off the coast of Italy, on the island of Sardinia.
And not the entire island, the island is about 1.4 million people, but only up in the highlands, an area called the Nuoro province.
And here we have this area where men live the longest, about 10 times more centenarians than we have here in America.
And this is a place where people not only reach age 100, they do so with extraordinary vigor.
Places where 102 year olds still ride their bike to work, chop wood, and can beat a guy 60 years younger than them.
Their history actually goes back to about the time of Christ.
It's actually a Bronze Age culture that's been isolated.
Because the land is so infertile, they largely are shepherds, which occasions regular, low-intensity physical activity.
Their diet is mostly plant-based, accentuated with foods that they can carry into the fields.
They came up with an unleavened whole wheat bread called carta musica made out of durum wheat, a type of cheese made from grass-fed animals so the cheese is high in Omega-3 fatty acids instead of Omega-6 fatty acids from corn-fed animals, and a type of wine that has three times the level of polyphenols than any known wine in the world.
It's called Cannonau.
But the real secret I think lies more in the way that they organize their society.
And one of the most salient elements of the Sardinian society is how they treat older people.
You ever notice here in America, social equity seems to peak at about age 24?
Just look at the advertisements.
Here in Sardinia, the older you get the more equity you have, the more wisdom you're celebrated for.
You go into the bars in Sardinia, instead of seeing the Sports Illustrated swimsuit calendar, you see the centenarian of the month calendar.
This, as it turns out, is not only good for your aging parents to keep them close to the family -- it imparts about four to six years of extra life expectancy -- research shows it's also good for the children of those families, who have lower rates of mortality and lower rates of disease.
That's called the grandmother effect.
We found our second Blue Zone on the other side of the planet, about 800 miles south of Tokyo, on the archipelago of Okinawa.
Okinawa is actually 161 small islands.
And in the northern part of the main island, this is ground zero for world longevity.
This is a place where the oldest living female population is found.
It's a place where people have the longest disability-free life expectancy in the world.
They have what we want.
They live a long time, and tend to die in their sleep, very quickly, and often, I can tell you, after sex.
They live about seven good years longer than the average American.
Five times as many centenarians as we have in America.
One fifth the rate of colon and breast cancer, And one sixth the rate of cardiovascular disease.
And the fact that this culture has yielded these numbers suggests strongly they have something to teach us.
What do they do?
Once again, a plant-based diet, full of vegetables with lots of color in them.
And they eat about eight times as much tofu as Americans do.
More significant than what they eat is how they eat it.
They have all kinds of little strategies to keep from overeating, which, as you know, is a big problem here in America.
A few of the strategies we observed: they eat off of smaller plates, so they tend to eat fewer calories at every sitting.
Instead of serving family style, where you can sort of mindlessly eat as you're talking, they serve at the counter, put the food away, and then bring it to the table.
They also have a 3,000-year-old adage, which I think is the greatest sort of diet suggestion ever invented.
It was invented by Confucius.
And that diet is known as the Hara, Hatchi, Bu diet.
It's simply a little saying these people say before their meal to remind them to stop eating when their stomach is [80] percent full.
It takes about a half hour for that full feeling to travel from your belly to your brain.
And by remembering to stop at 80 percent it helps keep you from doing that very thing.
But, like Sardinia, Okinawa has a few social constructs that we can associate with longevity.
We know that isolation kills.
Fifteen years ago, the average American had three good friends.
We're down to one and half right now.
If you were lucky enough to be born in Okinawa, you were born into a system where you automatically have a half a dozen friends with whom you travel through life.
They call it a Moai. And if you're in a Moai you're expected to share the bounty if you encounter luck, and if things go bad, child gets sick, parent dies, you always have somebody who has your back.
This particular Moai, these five ladies have been together for 97 years.
Their average age is 102.
Typically in America we've divided our adult life up into two sections.
There is our work life, where we're productive.
And then one day, boom, we retire.
And typically that has meant retiring to the easy chair, or going down to Arizona to play golf.
In the Okinawan language there is not even a word for retirement.
Instead there is one word that imbues your entire life, and that word is "ikigai."
And, roughly translated, it means "the reason for which you wake up in the morning."
For this 102-year-old karate master, his ikigai was carrying forth this martial art.
For this hundred-year-old fisherman it was continuing to catch fish for his family three times a week.
And this is a question. The National Institute on Aging actually gave us a questionnaire to give these centenarians.
And one of the questions, they were very culturally astute, the people who put the questionnaire.
One of the questions was, "What is your ikigai?"
They instantly knew why they woke up in the morning.
For this 102 year old woman, her ikigai was simply her great-great-great-granddaughter.
Two girls separated in age by 101 and a half years.
And I asked her what it felt like to hold a great-great-great-granddaughter.
And she put her head back and she said, "It feels like leaping into heaven."
I thought that was a wonderful thought.
My editor at Geographic wanted me to find America's Blue Zone.
And for a while we looked on the prairies of Minnesota, where actually there is a very high proportion of centenarians.
But that's because all the young people left.
So, we turned to the data again.
And we found America's longest-lived population among the Seventh-Day Adventists concentrated in and around Loma Linda, California.
Adventists are conservative Methodists.
They celebrate their Sabbath from sunset on Friday till sunset on Saturday.
A "24-hour sanctuary in time," they call it.
And they follow five little habits that conveys to them extraordinary longevity, comparatively speaking.
In America here, life expectancy for the average woman is 80.
But for an Adventist woman, their life expectancy is 89.
And the difference is even more pronounced among men, who are expected to live about 11 years longer than their American counterparts.
Now, this is a study that followed about 70,000 people for 30 years.
Sterling study. And I think it supremely illustrates the premise of this Blue Zone project.
This is a heterogeneous community.
It's white, black, Hispanic, Asian.
The only thing that they have in common are a set of very small lifestyle habits that they follow ritualistically for most of their lives.
They take their diet directly from the Bible.
Genesis: Chapter one, Verse [29], where God talks about legumes and seeds, and on one more stanza about green plants, ostensibly missing is meat.
They take this sanctuary in time very serious.
For 24 hours every week, no matter how busy they are, how stressed out they are at work, where the kids need to be driven, they stop everything and they focus on their God, their social network, and then, hardwired right in the religion, are nature walks.
And the power of this is not that it's done occasionally, the power is it's done every week for a lifetime.
None of it's hard. None of it costs money.
Adventists also tend to hang out with other Adventists.
So, if you go to an Adventist's party you don't see people swilling Jim Beam or rolling a joint.
Instead they're talking about their next nature walk, exchanging recipes, and yes, they pray.
But they influence each other in profound and measurable ways.
This is a culture that has yielded Ellsworth Whareham.
Ellsworth Whareham is 97 years old.
He's a multimillionaire, yet when a contractor wanted 6,000 dollars to build a privacy fence, he said, "For that kind of money I'll do it myself."
So for the next three days he was out shoveling cement, and hauling poles around.
And predictably, perhaps, on the fourth day he ended up in the operating room.
But not as the guy on the table; the guy doing open-heart surgery.
At 97 he still does 20 open-heart surgeries every month.
Ed Rawlings, 103 years old now, an active cowboy, starts his morning with a swim.
And on weekends he likes to put on the boards, throw up rooster tails.
And then Marge Deton.
Marge is 104.
Her grandson actually lives in the Twin Cities here.
She starts her day with lifting weights.
She rides her bicycle.
And then she gets in her root-beer colored 1994 Cadillac Seville, and tears down the San Bernardino freeway, where she still volunteers for seven different organizations.
I've been on 19 hardcore expeditions.
I'm probably the only person you'll ever meet who rode his bicycle across the Sahara desert without sunscreen.
But I'll tell you, there is no adventure more harrowing than riding shotgun with Marge Deton.
"A stranger is a friend I haven't met yet!" she'd say to me.
So, what are the common denominators in these three cultures?
What are the things that they all do?
And we managed to boil it down to nine.
In fact we've done two more Blue Zone expeditions since this and these common denominators hold true.
And the first one, and I'm about to utter a heresy here, none of them exercise, at least the way we think of exercise.
Instead, they set up their lives so that they are constantly nudged into physical activity.
These 100-year-old Okinawan women are getting up and down off the ground, they sit on the floor, 30 or 40 times a day.
Sardinians live in vertical houses, up and down the stairs.
Every trip to the store, or to church or to a friend's house occasions a walk.
They don't have any conveniences.
There is not a button to push to do yard work or house work.
If they want to mix up a cake, they're doing it by hand.
That's physical activity.
That burns calories just as much as going on the treadmill does.
When they do do intentional physical activity, it's the things they enjoy. They tend to walk, the only proven way to stave off cognitive decline, and they all tend to have a garden.
They know how to set up their life in the right way so they have the right outlook.
Each of these cultures take time to downshift.
The Sardinians pray. The Seventh-Day Adventists pray.
The Okinawans have this ancestor veneration.
But when you're in a hurry or stressed out, that triggers something called the inflammatory response, which is associated with everything from Alzheimer's disease to cardiovascular disease.
When you slow down for 15 minutes a day you turn that inflammatory state into a more anti-inflammatory state.
They have vocabulary for sense of purpose, ikigai, like the Okinawans.
You know the two most dangerous years in your life are the year you're born, because of infant mortality, and the year you retire.
These people know their sense of purpose, and they activate in their life, that's worth about seven years of extra life expectancy.
There's no longevity diet.
Instead, these people drink a little bit every day, not a hard sell to the American population.
They tend to eat a plant-based diet.
Doesn't mean they don't eat meat, but lots of beans and nuts.
And they have strategies to keep from overeating, little things that nudge them away from the table at the right time.
And then the foundation of all this is how they connect.
They put their families first, take care of their children and their aging parents.
They all tend to belong to a faith-based community, which is worth between four and 14 extra years of life expectancy if you do it four times a month.
And the biggest thing here is they also belong to the right tribe.
They were either born into or they proactively surrounded themselves with the right people.
We know from the Framingham studies, that if your three best friends are obese there is a 50 percent better chance that you'll be overweight.
So, if you hang out with unhealthy people, that's going to have a measurable impact over time.
Instead, if your friend's idea of recreation is physical activity, bowling, or playing hockey, biking or gardening, if your friends drink a little, but not too much, and they eat right, and they're engaged, and they're trusting and trustworthy, that is going to have the biggest impact over time.
Diets don't work. No diet in the history of the world has ever worked for more than two percent of the population.
Exercise programs usually start in January; they're usually done by October.
When it comes to longevity there is no short term fix in a pill or anything else.
But when you think about it, your friends are long-term adventures, and therefore, perhaps the most significant thing you can do to add more years to your life, and life to your years. Thank you very much. | {
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ヴィクターは私の提案が気に入らなかったらしく、眉間にグッと皺を寄せる。
「はい。私のおかげで助かったのならそれぐらいの報酬は頂いてもいいのでは?」
「反感を買うぞ」
「誰が誰の反感を買うのですか?」
「お前が国民からの反感を買うんだ」
「何故です?」
私は小さく首を傾げた。
今の私、まさに悪魔のようだわ。それに反感を買ってこそ私という価値が成り立つのよ。
これでこの国でも悪女として記録されたら私は最高に幸せよ。
「馬鹿と天才はか」
ヴィクターは小さくそう呟いて呆れるように私を見る。
そこまでの重い税を課すつもりはないけれど、しっかり生活できる範囲内でお金は貰うわ。破産しては意味ないもの。
「命が助かる希望を与えるんじゃなくて、命が助かる確証を与えているのよ?」
「そうだとしてもだ......」
「一体何が不満なの? 貴方の面子が潰れるから?」
「ああ、そうだよ。金が欲しいのなら俺がいくらでもやる」
「自分の力で得たお金でないと意味ないのよ」
「じゃあ、遠征の報酬だ」
「そうやって偽善者を装っても国は動かないのよ。私は私なりのやり方があるの。誰にも邪魔させないわ」
不穏な空気が漂う。
本当に今日からこの部屋で一緒に寝るのかしら。息が詰まって眠れないわ。
「お金だけで財政が潤い、国が良くなるなんて思わないことね。一番は国民がどう動くかよ。無償で助けるなんてことは教会がやってれば充分なの。既に徴収している税じゃまかないきれないから税を重くするのよ。安全を守るためにはそれぐらいはしないといけないわ」
「今の税だけでは解決できないのか?」
ヴィクターの言葉に私は少し考える。
ラヴァール国の予算を完全に把握しているわけじゃないけど、多分無理なのよね。この世界には保険制度や社会福祉制度がないはずだったけど、多分国家の予算はキツキツ。道路の舗装だけならこんなことにはならないのだけど......。
茶会やら宝石、ドレスなどで無駄遣いする馬鹿貴族たちがわんさかいるせいでこうなっている。大国ってそこが大変よね。国が大きい分人数が多いんだもの。
貴族の無駄遣いを根本的に解決しないといけないところなんだけど、今の私の計画が成功したら、彼らに制裁を与えた上で国の動きが良くなるはず。
一度大きな打撃を全体に与えるべきなのよ。細々と時間をかけて解決していくより未来のことを考えたら私の計画の方が断然効率がいいはずだわ。
「何を企んでいるのか分からないがやめておいた方がいい」
「国民を敵に回すことはしたくない」
「逃げるの?」
彼は私の言葉に片眉をピクッと動かす。
ヴィクターみたいな性格の人は「逃げる」という行動が大嫌いなはず。......今、ここで彼を煽ってもしょうがないか。
私は続けて言葉を発した。
「それに、国民を敵に回すのは王子ではなく私です。王子の部下が金に目がくらんだとでも報道してくれて構いません。どうぞ存分に被害者になってください」 | Victor scoffed at my suggestion, and his brow furrowed in laughter.
“Yes. If I’m the one who saved your life, don’t I deserve to be paid that much?”
“You’re going to antagonize them.”
“Who will antagonize whom?”
“You will be the one to face the public’s wrath.”
“Why?”
I tilted my head.
I was like the devil right now. And I suppose that was the only way to make it worth my while.
I would be pleased if I were recorded as a Villainess in this country.
“There’s a fine line between stupidity and genius.”
Victor muttered quietly as he stared at me in amazement.
I didn’t intend to impose such a heavy tax, but I would take money as long as they could live well. There would be no point in having them go bankrupt.
“You’re not giving them hope that their lives will be spared, you’re giving them assurance that their lives will be spared, right?”
“Well, even if that’s true...”
“What the heck is wrong with you? Won’t it make you look bad?”
“Yes, that’s right. But if I want money, they will give it to me.”
“It is meaningless if the money does not come from your own efforts.”
“Then think of it as a reward for the expedition.”
“Pretending to be a hypocrite like that does not serve the country well. I have my own way of doing things. I’m not going to let anyone get in my way.”
There was a sense of unease in the air.
I wondered if I would really be sleeping in this room with him starting today. I wouldn’t be able to sleep because of the suffocating air.
“Don’t think that money is the only thing that will make our finances and our country better. The most important thing is what the people will do. It is enough for the churches to help people for free. We are going to raise taxes because the taxes we already collect are not enough to cover the costs. We need to do more to keep them safe.”
“Is the current taxation really enough to solve the problem?”
I thought for a moment at Victor’s comment.
I could never fully grasp the budget of the Ravaal Kingdom, but maybe it couldn’t be done. In this world, there was no insurance or social welfare system, but maybe the state budget was still tight. If only the roads were paved, this wouldn’t happen....
This is happening because of all the stupid aristocrats who waste their money on tea parties, jewelry, dresses, etc. That was the hard part about being a big country, wasn’t it? The larger the country, the more people there would be.
The nobles’ wasteful spending should be resolved fundamentally, but if my current plan succeeds, the country will move forward after sanctioning them.
A big blow should be dealt to the whole system at once. My plan for the future would be far more efficient that way.
“I don’t know what you’re up to, but I don’t think you should do it.”
“I do not want to antagonize the public.”
“Running away?”
He wiggled one eyebrow at my words.
A person with Victor’s personality must hate the act of running away. I guess there was no point in trying to get him riled up now.
I continued to speak.
“Besides, it is I, not the prince, who will make enemies with the people. You can report that the prince’s men were blinded by money. Please go ahead and be a victim to your heart’s content.” | {
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それでもなお、トルコは無数のヨーロッパ人をおびえさせる。現在6千700万人、20年後に8千万人、2050年には1億人に達するといわれる人口を抱え、トルコはヨーロッパ諸国の中でもっとも人口密度の高い国になることは必然である。そして大変貧しいイスラム国でもある。 | And yet Turkey scares countless Europeans. With 67 million people today, and a population that will reach 80 million in 20 years and 100 million in 2050, Turkey is bound to become the most populous of all European nations. | {
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どんな緊急事態にも 何よりも早く駆けつけ
ベッド以外なら 救急車ある設備が全て 備え付けてあります
ほらAEDが見えるでしょ?
ボストンで起こった惨劇を見ましたよね
その写真を見た時 子供の頃の遠い記憶が よみがえって来ました
エルサレムの小さな町で育ちました
私は6歳で 下校途中でした 金曜の午後で 兄と一緒でした
バス停に通りかかると
目の前でバスが爆発したのです
バスが燃え 多くの人が負傷し 亡くなりました
ある1人のおじいさんを覚えています 私たちに向かって 「体を起こしてくれ」と助けを求めていました
彼はとにかく 助けが必要だったのです
私たちはとても恐ろしくて 逃げてしまいました
大人になったら 医者になって命を救おうと決意しました
たぶん 子供の頃に あの事故を見たからでしょう
15歳の時 救急医療技師のコースを取得し 救急車でボランティアをしました
2年間 エルサレムでやっていました
たくさんの方々を助けました しかし 本当に助けが必要な時 一度も到着が間に合いませんでした 一度もです
渋滞がひどかったり 遠かったり 原因はすべてです
本当に助けを必要としていたのに 行けなかったのです
ある日 「7歳の子が ホットドッグを詰まらせている」 との電話がありました
交通状態が悪い上に エルサレム北部の町の 反対側から向かっていました
現場に着いたのは20分後 その子供に心肺蘇生を始めました
1ブロック先から医者が来て 我々を制止し 子供の容態を調べ 心肺蘇生を止めるよう告げました
子供の死を 宣告した瞬間でした
その時 分かったのです この子の死は無駄だったと
もし 1ブロック離れた所に住むこの医者が 20分早くに来れていたら 救急車のサイレンの音が聞こえるまで 待っていなかったら もっと早く子供のことを 聞きつけていたら 医者は あの子供を救えていた
1ブロック離れた所から走ってきて
この子を助けれただろう
心の中で言いました もっといい方法があるはずだ
友人15人と決めました 我々は皆 救急医療技師でした 近隣の皆さんを守ろう 同じようなことが起こったら 救急車より早く 現場に駆けつけようと
そして私は救急車のサービス会社に行き マネージャーに言いました 「我々の近所で要請があれば 15人の男が 喜んで― 「我々の近所で要請があれば 15人の男が 喜んで― 何もかも放り出し 駆けつけて 救助しますから
ポケベルで呼んでください」
「皆ポケベルを買うので 出動を知らせてください」 「知らせがあれば 助けに駆けつけます」
彼は笑っていました 私は当時 17歳の子供でした
まるで 昨日の事の様に覚えています 彼は素晴らしい方でしたが こう言いました 「君 学校に行くか 店でも始めなさい」
「君たちの新しい試みにも 助けにも興味ないよ」
私は部屋を追い出されました
「君たちの助けなんて要らない」 と彼が言いました
私は非常に頑固な子供でした
ご覧の通り 狂ったように歩き回りました
そこで 私はイスラエルの 常とう手段に出ました 皆さんも聞いた事があるでしょう Chutzpahです 翌日 警察無線を2つ買いに行きました 「勝手にしろ 情報をくれないなら 自分で手に入れてやる」と言いました 「いいだろう 情報をくれないなら 自分で手に入れてやる」と言いました
我々は交代で 警察無線を聞きました
次の日 私が聞いていたところ 70歳の男性から 電話が入りました 私のいた所から1ブロック先で 自動車事故にあったそうで 近所の大通りでした
私は走って行きました 医療道具はなく
現場に着くと 70歳の男性は― 路上に倒れ 首から血が流れ出て
抗凝結剤を服用していたんです
流血を止めなければ 死んでしまうと分かっていました
医療器具がなかったので 被っていたヤムルカ帽を使い 強い圧力をかけて 出血を止めました
首から出血していたのです
15分後に 救急車が着くと 私は生きている患者を 引き渡しました
2日後 お見舞いに行くと 彼は抱擁をしてくれ 泣きながら 命を救った事に感謝してくれました
その時 2年間の救急車での ボランティアの後― 初めて人を救ったのだと気づきました これは私の人生の使命です
22年後の現在は United Hatzalahがあります
〝Hatzalah〟とはヘブライ語で 〝救助〟という意味です
ここがイスラエルでない事を忘れていました
何千人ものボランティアがいます 人命救助に情熱を注ぎ どこにでもいるので 呼べばいつでも駆けつけます すべてを投げ出して 走っていき 命を救うのです
現在の平均到着時刻は― イスラエルでは 3分以下となりました
心臓発作のお話をしました 自動車事故のお話も とんでもない爆弾攻撃であれ 発砲事件であれ 何であれ 午前3時に女性が― 自宅で倒れて 助けが要るのであれば
3分で パジャマ姿のまま 女性の家までかけつけ 体を起こすのを手伝う男たちがいます
我々が成功したのには 3つの理由があります
何千人もの熱意のある ボランティアの皆さんです やっていることを全て置いて 知らない人でも助けにいきます
我々は 救急車の代わりとしてではなく
電話してから― 救急車が来るまでの時間を 埋めるために行くのです
ややもすれば 助からない人を 助けるんです
2つ目は テクノロジーのおかげです
イスラエル人はテクノロジーに強いです
みんな 携帯電話を持っていて どんな機種でも― NowForceのGPS機能が備わっており いつ電話が入っても 一番近くにいる5名のボランティアに掛かり 非常に早く現場に到着します カーナビを使って行くので 時間の無駄もありません
これは我が国にある 素晴らしいテクノロジーです 到着までの時間も減りました
3つ目は この救急バイクです
救急バイクとは 二輪車の救急車です
人を運んだりはしませんが 容態を安定させ 命を救います
これなら渋滞に巻き込まれても 歩道も走れるので
渋滞に足止めされる事はありません
だから早く到着できます
ユダヤ人のコミュニティで この組織を始めて 数年後 2人のエルサレムのイスラム教徒から電話があり
私に会いたいとの事でした
ムハンマド・アスリ氏 とミュラド・アリヤン氏
ムハンマドさんは 身の上話をしてくださいました 55歳の父親が心停止に陥り 家で倒れました 救急車が来るまで 1時間もかかり 目の前で 父親が亡くなられたそうです 「この活動を東エルサレムでもやって下さい」 と頼まれました
私は自分に言い聞かせました たくさんの惨劇や嫌なものを見てきた それに ユダヤ人だとか イスラム教徒だとか
キリスト教徒でもなく 私は人を救うためにやってきたんだ
そして引き受けました そして 東エルサレムで United Hatzalahを始めました Unitedと Hatzalahという名前がぴったりでした
手に手を取り合って ユダヤ人とアラブ人を救い始めました
アラブ人がユダヤ人を助け ユダヤ人がアラブ人を助ける
特別な事が起こりました
決して上手く行かない アラブ人とユダヤ人が 同じ場所に居るんです 文字通り コミュニティです 信じられない状況です 違う人種が突然 共に命を救おうというー 共通の興味をもったのです
移住民がアラブ人を救い アラブ人が移住民を救う
そのような大義がある時にだけー 成り立つ信じられないコンセプトなのです
ボランティアのみだけで
みんな無償で働いているんですよ
ただ 人命を救助するという目的のために 働いています
数年前 私の父が心停止で倒れた時 駆けつけてくれた最初のボランティアは 東イスラエルのイスラム教徒の1人でした Hatzalahに参加するための 第1回目の講座を受けた方でした そして 父を救ってくれたんです
第1回目の講座を受けた方でした そして 父を救ってくれたんです
その時の私の気持ちが分かりますか?
この組織を始めた時 私は17歳でした
いつか TEDMEDでお話しさせて頂くなんて 想像していなかったですし
その時はTEDMEDが何かすら 知りませんでしたし
その時はなかったかな でも想像もしませんでした 世界に広まって行くなんて 想像できませんでしたが 昨年はパナマとブラジルでも この活動を始めました
必要なのは 私のように 少しクレイジーなパートナーです 人命救助に熱心で 進んでやってくれるような方
実は近々インドでも始めます 最近ハーバードで出会った 友人と一緒にです
実はHatzalaは敬虔派ユダヤ教徒によって― 何年も前からブルックリンのウィリアムズバーグで 始まっていました 今では ニューヨークのユダヤ社会でも広まり オーストラリアやメキシコ 他の多くの国々のユダヤ社会でも広まっています
どこででも広められるのです
非常に簡単です
ニューヨークにある ワールドトレードセンターでも 人命救助に当たる ボランティアを見たでしょう
去年だけで 207,000 人の イスラエル人を救助しました
その内の42,000人が 命に危険のある状況でした
成果を上げています
これは人命救助の フラッシュ・モブ だと言えるでしょう しかも 効果てき面
会場を見回すと 人を救うため もっと力を尽くせるであろう方々が― たくさん見えます どんな人でも 宗教が何であれ どこから来たかも関係ない
誰もがヒーローになりたいんです
我々に必要なのは 良いアイデアとモチベーション そしてたくさんの"厚かましさ"です それがあれば 救われなかったかもしれない― 何百万人の命を救えるんです
ご清聴ありがとうございました | This is the fastest way to reach any medical emergency.
It has everything an ambulance has except for a bed.
You see the defibrillator. You see the equipment.
We all saw the tragedy that happened in Boston.
When I was looking at these pictures, it brought me back many years to my past when I was a child.
I grew up in a small neighborhood in Jerusalem.
When I was six years old, I was walking back from school on a Friday afternoon with my older brother.
We were passing by a bus stop.
We saw a bus blow up in front of our eyes.
The bus was on fire, and many people were hurt and killed.
I remembered an old man yelling to us and crying to help us get him up.
He just needed someone helping him.
We were so scared and we just ran away.
Growing up, I decided I wanted to become a doctor and save lives.
Maybe that was because of what I saw when I was a child.
When I was 15, I took an EMT course, and I went to volunteer on an ambulance.
For two years, I volunteered on an ambulance in Jerusalem.
I helped many people, but whenever someone really needed help, I never got there in time. We never got there.
The traffic is so bad. The distance, and everything.
We never got there when somebody really needed us.
One day, we received a call about a seven-year-old child choking from a hot dog.
Traffic was horrific, and we were coming from the other side of town in the north part of Jerusalem.
When we got there, 20 minutes later, we started CPR on the kid.
A doctor comes in from a block away, stop us, checks the kid, and tells us to stop CPR.
That second he declared this child dead.
At that moment, I understood that this child died for nothing.
If this doctor, who lived one block away from there, would have come 20 minutes earlier, not have to wait until that siren he heard before coming from the ambulance, if he would have heard about it way before, he would have saved this child.
He could have run from a block away.
He could have saved this child.
I said to myself, there must be a better way.
Together with 15 of my friends -- we were all EMTs — we decided, let's protect our neighborhood, so when something like that happens again, we will be there running to the scene a lot before the ambulance.
So I went over to the manager of the ambulance company and I told him, "Please, whenever you have a call coming into our neighborhood, we have 15 great guys who are willing to stop everything they're doing and run and save lives.
Just alert us by beeper.
We'll buy these beepers, just tell your dispatch to send us the beeper, and we will run and save lives."
Well, he was laughing. I was 17 years old. I was a kid.
And he said to me — I remember this like yesterday — he was a great guy, but he said to me, "Kid, go to school, or go open a falafel stand.
We're not really interested in these kinds of new adventures.
We're not interested in your help." And he threw me out of the room.
"I don't need your help," he said.
I was a very stubborn kid.
As you see now, I'm walking around like crazy, meshugenah.
So I decided to use the Israeli very famous technique you've probably all heard of, chutzpah. And the next day, I went and I bought two police scanners, and I said, "The hell with you, if you don't want to give me information, I'll get the information myself."
And we did turns, who's going to listen to the radio scanners.
The next day, while I was listening to the scanners, I heard about a call coming in of a 70-year-old man hurt by a car only one block away from me on the main street of my neighborhood.
I ran there by foot. I had no medical equipment.
When I got there, the 70-year-old man was lying on the floor, blood was gushing out of his neck.
He was on Coumadin.
I knew I had to stop his bleeding or else he would die.
I took off my yarmulke, because I had no medical equipment, and with a lot of pressure, I stopped his bleeding.
He was bleeding from his neck.
When the ambulance arrived 15 minutes later, I gave them over a patient who was alive.
When I went to visit him two days later, he gave me a hug and was crying and thanking me for saving his life.
I ever saved in my life after two years volunteering in an ambulance, I knew this is my life's mission.
So today, 22 years later, we have United Hatzalah.
"Hatzalah" means "rescue," for all of you who don't know Hebrew.
I forgot I'm not in Israel.
So we have thousands of volunteers who are passionate about saving lives, and they're spread all around, so whenever a call comes in, they just stop everything and go and run and save a life.
Our average response time today went down to less than three minutes in Israel.
I'm talking about heart attacks, I'm talking about car accidents, God forbid bomb attacks, shootings, whatever it is, even a woman 3 o'clock in the morning falling in her home and needs someone to help her.
Three minutes, we'll have a guy with his pajamas running to her house and helping her get up.
The reasons why we're so successful are because of three things.
Thousands of passionate volunteers who will leave everything they do and run to help people they don't even know.
We're not there to replace ambulances.
We're just there to get the gap between the ambulance call until they arrive.
And we save people that otherwise would not be saved.
The second reason is because of our technology.
You know, Israelis are good in technology.
Every one of us has on his phone, no matter what kind of phone, a GPS technology done by NowForce, and whenever a call comes in, the closest five volunteers get the call, and they actually get there really quick, and navigated by a traffic navigator to get there and not waste time.
And this is a great technology we use all over the country and reduce the response time.
And the third thing are these ambucycles.
These ambucycles are an ambulance on two wheels.
We don't transfer people, but we stabilize them, and we save their lives.
They never get stuck in traffic. They could even go on a sidewalk.
They never, literally, get stuck in traffic.
That's why we get there so fast.
A few years after I started this organization, in a Jewish community, two Muslims from east Jerusalem called me up.
They ask me to meet. They wanted to meet with me.
Muhammad Asli and Murad Alyan.
When Muhammad told me his personal story, how his father, 55 years old, collapsed at home, had a cardiac arrest, and it took over an hour for an ambulance arrive, and he saw his father die in front of his eyes, he asked me, "Please start this in east Jerusalem."
I said to myself, I saw so much tragedy, so much hate, and it's not about saving Jews. It's not about saving Muslims.
It's not about saving Christians. It's about saving people.
So I went ahead, full force -- — and I started United Hatzalah in east Jerusalem, and that's why the names United and Hatzalah match so well.
We started hand in hand saving Jews and Arabs.
Arabs were saving Jews. Jews were saving Arabs.
Something special happened.
Arabs and Jews, they don't always get along together, but here in this situation, the communities, literally, it's an unbelievable situation that happened, the diversities, all of a sudden they had a common interest: Let's save lives together.
Settlers were saving Arabs and Arabs were saving settlers.
It's an unbelievable concept that could work only when you have such a great cause.
And these are all volunteers.
No one is getting money.
They're all doing it for the purpose of saving lives.
When my own father collapsed a few years ago from a cardiac arrest, one of the first volunteers was one of these Muslim volunteers from east Jerusalem who was in the first course to join Hatzalah.
And he saved my father.
Could you imagine how I felt in that moment?
When I started this organization, I was 17 years old.
I never imagined that one day I'd be speaking at TEDMED.
I never even knew what TEDMED was then.
I don't think it existed, but I never imagined, I never imagined that it's going to go all around, it's going to spread around, and this last year we started in Panama and Brazil.
All I need is a partner who is a little meshugenah like me, passionate about saving lives, and willing to do it.
And I'm actually starting it in India very soon with a friend who I met in Harvard just a while back.
Hatzalah actually started in Brooklyn by a Hasidic Jew years before us in Williamsburg, and now it's all over the Jewish community in New York, even Australia and Mexico and many other Jewish communities.
But it could spread everywhere.
It's very easy to adopt.
You even saw these volunteers in New York saving lives in the World Trade Center.
Last year alone, we treated in Israel 207,000 people.
Forty-two thousand of them were life-threatening situations.
And we made a difference.
I guess you could call this a lifesaving flash mob, and it works.
When I look all around here, I see lots of people who would go an extra mile, run an extra mile to save other people, no matter who they are, no matter what religion, no matter who, where they come from.
We all want to be heroes.
We just need a good idea, motivation and lots of chutzpah, and we could save millions of people that otherwise would not be saved.
Thank you very much. | {
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かつて彼女は、己こそが最強だと信じていた。
吸血鬼は元々絶大な戦闘力と魔力を有する種族だが、その中にあって彼女は最初から飛びぬけていた。
生まれ持ったマナの濃度が違う。生まれながらに決まっている位階が違う。
基礎能力値、限界値。その両方において他と隔絶して生まれたのが彼女――ベネトナシュであった。
周囲はそんな彼女を姫よ麒麟児よと持て囃したが、その悉くが彼女の不快感を煽った。
周囲の吸血鬼を見てとして彼等を同類だなどと思った事はない。
レベルの低い下等生物にしか見えない。同じ種族だととても思えない。
高すぎる自尊心がそう思わせるだけだろうか?
自分だけは違う、特別だと思いたがる子供特有の思考だろうか?
それならばよかった......本当に、ただそれだけならばよかったのだ。
だが彼女は真実、他と違っていた。
成長すればするほどに差は広がる一方で、己を取り巻く何もかもが下らぬ塵芥に思えてくる。
まるで自分だけよく似た、全く別の生き物のようではないか。
そんな、確信にも似た予感が幼少より常にベネトナシュの中に燻っていた。
天才? 異才? 鬼才?
思いつく限りの言葉を己に当てはめようとしても、どれもしっくりこない。
例えば猿と人とで計算の速さを比べ合って、それで人が勝てばそいつは天才か?
否、そんなはずはあるまい。人は猿に勝てて当然だ。
要はそれと同じ事。ベネトナシュが既存の吸血鬼に勝てるのは至極当然で、単に彼等全員がベネトナシュよりも下位の生き物だから強さに差が生じているだけ。
少なくとも、ベネトナシュは己と他の間に存在する差を、そう認識していた。
対等に戦える敵を求めて大陸中を荒らしまわった事もある。
戦えば戦うほど、殺せば殺すほどに力が増し、やがて歯向かう者は誰も居なくなった。
何と退屈なのだろう。勝てると最初から解り切っている戦いを予定調和そのままに勝利する、この味気無さ。呆気なさよ。
手応えを感じた事はある。手強いと思った事もある。
だが負けると思った事は一度もなく、本当の意味で対等の敵と巡り合えた事もない。
やがて世界の1/4にも匹敵する大陸全てから完全に敵が消え去り、いよいよ彼女は己の向かう先を世界へと広げる必要性に迫られた。
海の向こうには魔神王や獅子王といった、己と同じく覇道を邁進している者がいると風の噂で聞いた事がある。
正直なところ全く期待などしていなかったし、どうせ自分が勝つだろうとも思っていた。
しかしそれでもいずれは相見えねばならぬ相手。誰が最も強いのかを決め、そして勝利した者こそが世界の行く末を左右する。
かつて、ルファス・マファールが台頭する以前の世界においては魔神族の頂点たる魔神王、魔物の頂点たる獅子王、竜族の頂点たる竜王、そして吸血鬼の頂点である吸血姫が睨み合う事でかろうじて均衡が保たれており、彼等彼女等はいつか衝突すべき相手として互いを見据えていた。
地獄には魔王アイゴケロスなる者もいるらしいが、彼は地上に乗り出す気もなく、ならば地上の覇権を争うのはこの四人だと長年思われていた。
だから、その報を耳にした時は心底驚かされたものだ。
――竜王、天翼族の女に討伐される。
世界の戦力バランスを保っていた四人の『最強』のうちの一角が、全くノーマークだった天翼族によって抹殺された。
竜王の事はベネトナシュも噂話程度には聞いた事がある。
性格はまさに傲岸不遜。己以外の全てを下等生物と断じ、気晴らしに他の生き物を殺める事もある暴君だったという。
人類相手にはよく脅しをかけ、必要ともしていない生贄を要求する事もあったそうだ。
だから人類に恨まれるのは至極当然の事で、討伐されたのも因果応報としか言いようがない。
だが問題は、それを一人で成し遂げてしまったという事だ。
軍勢を率いたわけではなく、罠を仕掛けたわけでもなく、言葉巧みに嵌めたわけでもない。
正面から堂々と突撃し、そして単騎の力で屠り去った。
その事実はベネトナシュをして驚嘆するに十分なものであった。
しかし彼女は、その時点ではそれほど興味を抱いてはいなかった。
竜王が討たれたのは奴が弱いから。
要するに噂は当てにならないという事で、きっと大した奴ではなかったのだ。
そうベネトナシュは結論を下し、天翼族の女への興味もすぐに失せてしまった。
しかしそれが過ちであった事を彼女は僅か数年後に、己の身を以て思い知る事となる。
他ならぬその天翼族――ルファス・マファールが己の領地へ攻め込んで来た事によって。
敗北を覚悟して戦ったのは生まれて初めての事で、そしてこれ程に心が昂ったのもまた初の体験であった。
この時ベネトナシュは数百年の生の中で初めて己の同格......否、格上と遭遇したのだ。
種族は吸血鬼と天翼族。人類の中の闇と光を象徴するかのよう族で、恐らくは最も遠い関係に当たるはずだ。
だが分かる。こいつは私の同類だ。他の有象無象、他の吸血鬼などよりも余程己に近い。
己と同じく既存の種族の枠に収まりきらない異端児。世界が偶然生み出してしまった有り得ざる者。
初めて、勝敗が見えない。敗色濃厚な戦いに己が身を投じる事が出来るなどと、想像すらしていなかった。
勝てると分かっている戦いを、予想通りに勝つのではない。
勝てるか負けるか分からぬ戦いに、全霊を賭して挑みかかる。
その――何と心地よき事か!
結果としてこの戦いは痛み分けという名の敗北に終わり、ベネトナシュはルファスが世界を一つに纏めるまでの間だけ、という条件付きで彼女に協力する事となった。
止めを刺されなかったのは屈辱であるし、気を遣われて『負けなかった事』にされたのはもっと気に食わない。
しかし、それはベネトナシュにとって渡りに船である事もまた認めなければならなかった。
ルファスと出会ったことで上の存在を知った。
戦いがこんなに愉しいと初めて理解出来た。
そして、彼女を知ることで己はまだ上へ行ける事も分かった。
ならば次だ。次こそ必ず奴に勝ってみせる。
仮に敗れるとしても、今度こそは情けなどかけさせはしない。此度の敗北は、情けなどかける余裕がある程に弱かった自分に原因がある。それを棚に上げて彼女を批判する事はベネトナシュのプライドが許さない。
だから今は従おう。奴の覇道にも協力しよう。
奴が世界を制した時こそが再戦の時だ。その為ならば尽力は惜しまない。
そして奴が世界の頂点に立った時こそ、真の決着を付けるのだ。
それがベネトナシュの、恐らくは生まれて初めて抱いた心よりの望みであった。
よく誤解される事だが、別にベネトナシュはルファスを嫌っているわけではない。
最強の名を傷付けられ、転落させられた事は多少不満ではあるが、それは己が弱かっただけ。
だから恨んでいもいないし憎んでもいない。
むしろ感謝しているし尊敬している。
この世で一人、尊敬する人物の名を挙げろと問われれば一瞬の迷いもなく彼女の名を挙げる。
初恋を覚えた初心な小娘のように一途に熱く強く、焦がれて想い続けている。
それは恋のようであり、愛にも似た感情なのだろう。
ただ、その全てが殺戮の牙へと変換されてしまうだけだ。
愛情表現の全てが殺意を伴った致死の攻撃へと変わるだけだ。
だから、ルファス・マファールだけは己が殺す。
他の誰にも殺らせないし、自分を殺していいのも奴だけだ。
故に、あの結末だけは納得出来ない。
己とルファスの戦いを穢した連中を許す気になどなれない。
事の始まりは、ベネトナシュがルファスへ再戦を申し込んだ時より始まった。
二人の間で結ばれていた協定。ルファスが世界を一つに纏めた暁にはベネトナシュと全力で戦うという約定。
ルファスはそれを確かに果たし、二人は世界そのものを破壊しかねない力を以て衝突した。
己の生み出す黄金の林檎や錬金術によって生み出した能力上昇アイテムにより破格の強さを得た覇王。
ルファスという宿敵を得て己の可能性を開花させ、無尽蔵にマナを取り込むことで自力でレベル1000まで到達したベネトナシュ。
二人は完全に吸血鬼と天翼族という種族の枠を逸脱し、常識外れの技と力を惜しみなくぶつけ合った。
それはベネトナシュにとっては待ち続けた至高の一時であり、己が死ぬか相手を殺すまで続くものだと信じていた。
やがてルファスとベネトナシュの戦いは佳境へと入り、ベネトナシュはいよいよ追い詰められる。
自分はまさに満身創痍。吸血鬼の再生力も追いつかず、恐らくは後一度全力の攻撃を行えばそれで力尽きるだろう。
対するルファスはまだ余裕があり、現状では向こうが圧倒的に優勢であると認めざるを得ない。
無論それで諦める彼女ではない。後一度しか攻撃出来ぬなら、その一度で逆転すればいいだけの話。
「行くぞマファール......この一撃で終わらせよう」
「ああ、そうだな。来るがいい、ベネト」
相変わらず余裕の表情で招くように手を動かす彼女が憎たらしくも愛おしい。
負けるにしてもせめて一撃。この全霊の攻撃を奴に刻み込んで、忘れられぬ存在となってやろう。
否......必ず勝つ! この一撃で奴の心臓を貫く!
必勝の気迫を以てベネトナシュが走り、ルファスが迎え撃つ。
だが裏切りはあまりに唐突に起こった。
激突するまさにその瞬間、ルファスに対し何者かの妨害魔法、妨害スキルが発動して彼女の動きを止めてしまったのだ。
ベネトナシュもそれに気付き、咄嗟に攻撃を逸らすが一度勢いの付いた攻撃はそう簡単には止まらない。
彼女の繰り出した爪は急所こそ外れたものの、ルファスの脇腹を抉り赤い華を咲かせてしまった。
「貴様等......これは何の真似だ!」
無論これに憤ったのはベネトナシュだ。
彼女からしてみれば待ち続けた戦いに無粋な横槍を入れられたのだから怒るなというのが無理がある。
故にベネトナシュは妨害を入れた張本人―雄達を、この上ない憎悪を込めて睨んだ。
しかしすぐに気付く。様子がおかしい、と。
普段ならば有り得ない天力に漲っている。今の自分と比較しても決して劣っていない力で溢れている。
これは何だ? 確かに七英雄は強者には違いないが、いくら何でもここまでではない。
憤怒の表情を見せるベネトナシュに、しかし七英雄は何も答えない。
それどころか無言で、魔法による束縛を行いベネトナシュの動きを封じてしまった。
普段ならばこんな魔法にかかりはしないだろうし、仮にかかってもすぐに振り解けただろう。
だが今のベネトナシュは満身創痍。もはや腕一本満足には動かせない。
彼女は惨めに地に這い蹲り、何が起こっているかも分からず状況を見守るしかない。
悪いが此度の戦いは痛み分けという事にして、決着は次の機会としよう」
「ま、待て、マファール!」
「案ずるな、余は必ず戻ってくる。その時まで牙を磨いておくといい」
彼女はそう言ってベネトナシュを置いて飛び立ち......そして、戻ってはこなかった。
後の展開は歴史が語る通り。ベネトナシュが与えた傷が原因でルファスは追い込まれ、そして七英雄に敗れた。
ベネトナシュはまたも痛み分けという名の敗北を喫する事となり、宿敵がいなくなったが為に生き甲斐をも完全に失ってしまったのだ。
そして彼女は俗世への興味を完全に失い、万事どうでもよくなって己の棺へと引き籠った。
部下からの報せでアリオト達が魔神王と戦おうとしていた事は伝わったし、彼等から応援も頼まれたが全て無視して蹴り飛ばした。
あの裏切りが彼等の本意でなかった事は分かっている。だがそれでも許す気になどなれない。
だから彼女は世界の動向も全く気にしなかった。
人類が追い込まれようと、英雄の何人かが死のうと心を動かさなかった。
そんな彼女に再び転機が訪れたのはルファスの敗北よ年近くが経ったある日の事。
魔神族が雑魚の大群を率いて国に攻め込んできたので、ちょっとした運動代わりに叩き潰してやった日の事だ。
その中で唯一手応えのあった敵である魔神王が、とんでもない爆弾を落としていったのだ。
「ふむ、流石は吸血姫。七英雄の中でも唯一単騎でルファス・マファールと戦えると謳われる事はある」
「そういう貴様は噂程ではないな。まあ手強いのは認めてやるが、それだけだ」
二人の戦いは互角ではなかった。
魔神王は多少余裕があれど全身が傷付いており、服も破けている。
対するベネトナシュはほぼ無傷。戦況は完全に彼女が圧倒している。
しかし魔神王がまだ全力を出していない事も薄々予感はしていた。
気になるのは、ここまで圧倒されて尚、魔神王が全く本気を出そうとしない事だ。
「惜しいな。もしも君があの時に加わっていれば、あるいは世界は変わっていたかもしれん」
「どうでもいい。あんな連中がどうなろうが私の知った事か」
「辛辣だな。それは彼女との決着を邪魔された怒りかね?」
「......言葉は慎重に選べ。今すぐに貴様のよく回る口を引き裂いてやってもいいんだぞ」
「図星か」
ベネトナシュが音を置き去りにして爪を薙ぐ。
血の華が咲き、右腕を肩ごと切り落とされた魔神王が距離を取った。
しかしその顔は不敵なままで、腕を落とされたというのにいささかも堪えていない。
「まあ落ち着け。アルコル......ああ、アルコルというのは私達の間でのルファスの呼び名なのだがね。彼女も言っただろう、『必ず戻る』と。君は少し結論を焦りすぎだ」
「知ったような事を」
「知っているからね」
魔神王は話しながら腕を切断面へと付ける。
すると縫合も何もないのに腕がピッタリとくっ付いてしまった。
指先が動くのを確認しながら彼は悪魔の囁きをベネトナシュへと贈る。
「ルファス・マファールは必ず戻ってくる。
魔神王が何故そんな事を知っていたのかは今でも分からない。
奴が言っていた『彼女』が誰を指すのかも不明だ。
だが事実としてルファスは帰ってきた。
ならば......ならば、いい。その現実だけが全てだ。他の事などどうでもいいし、興味も沸かない。
この現実があれば、それでいい。
他には何も要らない。
ベネトナシュは部下の立ち入りを禁じた己の私室にて、焦がれた宿敵の気配が近付いてくるのをただじっと待ち続けていた。 | In the past, she once believed that she was the strongest person.
Fundamentally, vampires were a race with absolute authority when it came to battle capability and magic. And even amongst them, she was leagues above the rest right from the very beginning.
The latent amount of mana was different. The amount of mana they had from the moment they were born was completely different.
Basic attributes and the cap on the limitations. The one who was born well above the others in both of these aspects was her – Benetnash.
Everyone around her had labelled her as a child prodigy or a princess. However, those labels only caused her to feel discomfort.
Looking at the vampires around her, she had never considered them to be part of the same species as her.
She could only see them as low-levelled lesser lifeforms. She could not think of them as the same race as her either.
Was her self-esteem just simply so high that it resulted in her feeling that way?
Or was it just common for a child to think that they were special and different from others?
If that was the case, then all was well... truly, if that was all there was to it, it would have all been fine.
However, in actual fact, she really was different from the others.
The more that she grew up, the wider the gap between her and the others became. Eventually, this caused her to feel that everything else in the world was nothing but rubbish.
It’s as if they’re things that look like me, but are actually completely different living beings.
Such a thought was ever-present in the mind of Benetnash, almost to the point of making her feel certain that was how it actually was.
Genius? Prodigy? Exceptionally talented?
Even when she was described or categorised in any and every form of that description, none of them felt right.
If an individual human and an individual monkey were to ever face off against each other in terms of their speed in solving equations and the human won, was that guy a prodigy?
No, of course not. It was just natural that a human would win against a monkey.
In summary, it was exactly just that. It was just the most natural course of events that Benetnash was able to defeat all other vampires in existence. It was just simply because they were all inferior to Benetnash and were existences lower ranked than herself. The gaps arose just simply because they were lesser living creatures.
At the very least, Benetnash recognised the sheer difference between herself and the others in such a way.
There was once even a time she had gone all around the continent just to look for an enemy who would be able to fight with her on equal footing.
The more that she fought and killed, the more her power grew. Eventually, she reached a point that there was nobody who would go against her.
How boring it was for her. To be victorious in a battle that she knew for certain she would win even before anything had started. The feeling of how dull everything was. The feeling of how disappointing and unsatisfying everything was.
There had been times when she felt that the enemy had put up a good fight. There had even been times when she felt there was some difficulty.
However, she had never once met an enemy whom she believed could defeat her. She had also never met anyone that could truly be called an enemy who could fight her as her equal.
Eventually, she exterminated all enemies on her continent which was equal to a quarter of the landmasses of the world, requiring her to venture out into the world as her next destination.
She had previously heard rumours of the existence of the Demon King and the Lion King, who were categorised as her fellow supreme rulers.
In truth, she did not have the slightest bit of expectation for them as she believed that she would still come out victorious.
Nevertheless, they were still enemies that she had to eventually meet face to face. They had to determine who was the strongest, and the one who could come out victorious in the end would be the individual who could decide the future of the world.
In the past, before Ruphas Mafahl stood on top of the world, the world only barely managed to maintain the balance because the top four individuals were at a stalemate—the pinnacle of the demon race, the Demon King; the pinnacle of the magical beasts, the Lion King; the pinnacle of the dragonkin, the Dragon King; and the pinnacle of the vampire race, the Vampire Princess. These four were individuals who had to eventually face each other to determine supremacy.
Apparently, there was also someone called the Devil King Aigokeros in hell. However, because he did not feel like coming out to the surface, the ones competing to be the true supreme ruler were long considered to be just the four of them.
As such, when she heard that news, she was surprised for a moment.
— The Dragon King had been subjugated by a flugel woman.
One of the four pillars who maintained the world’s balance and were deemed the “strongest” was butchered by a member of a flugel race who was completely under the radar.
Even Benetnash had heard about the rumours of the Dragon King.
His personality was the very definition of arrogance. He was a tyrant who considered every existence other than himself to be a lesser being and often killed other living creatures on a whim.
She had heard that he often scared the humanoids and demanded live sacrifices.
As such, it was not that surprising that the humanoids bore a grudge against him. Even if he was subjugated, it would just simply be a fitting retribution.
The problem was how it was the act of a single individual.
The individual had not been leading an army, there were no traps involved nor did the individual lead them to their demise through skillful and deceitful words.
The individual boldly walked up to him, attacked him and single-handedly slaughtered him.
This very fact caused Benetnash to feel a sense of surprise.
Nevertheless, at the very moment, she was still not fascinated enough.
The reason the Dragon King lost was that he was weak.
In other words, he was just someone insignificant and not as powerful as he was described by all the rumours.
After Benetnash made such a conclusion, she quickly lost interest in the flugel woman.
However, she only realised her mistake just a few years after all of that. And this realisation came with herself as the price.
As a result of when that very specific flugel – Ruphas Mafahl came storming into her very own domain.
It was the very first time in her life that she fought whilst she was mentally prepared to be defeated. It was also the first time in her life she felt such excitement during the battle.
It was the very first time since she had been born a few hundred years ago that she fought with someone on her equal... no, the first time she met someone who was superior to her.
The races involved were a vampire and a flugel. Within the humanoid races, they symbolised darkness and light respectively and were the two races where the relationship could be seen as the furthest possible from each other.
However, she understood. – She’s the same as me. Other mobs, other vampires... she’s far closer to me than any of those.
She was a non-conformer within the boundaries of her own race just like herself, a faulty existence given birth to by the world and an existence which should not have existed.
For the first time, she could not see victory in sight. She never thought until this very moment that she would one day be able to lose herself in a battle where her defeat was in sight.
She was not in a battle where victory was certain and was winning in the way it was predicted.
She was full-heartedly “challenging” in a battle where she did not know whether she would be able to win or lose.
This – how pleasant!
In the end, it was painfully clear defeat on Benetnash’s behalf, resulting in Benetnash agreeing to join forces with that woman with the qualification that it would only be to the point where Ruphas managed to unify the world.
It was humiliating to her that she was not dealt a finishing blow. However, it was more humiliating to her when that woman was mindful of her and made everything as “Let’s consider it as you didn’t lose.”
Yet, at the same time, it was the ship that Benetnash had to board.
Because she met that woman, she found out that there were superior existences.
She became aware for the first time how fun battles were.
Furthermore, she was able to find out that she could improve further.
Then it would be the next time. Next time for sure, she would win against that woman.
Even if she were to lose at that time, she would not receive any pity. The pity that she received due to this loss was her fault because she was weak enough that her enemy could afford to pity her. To ignore that very fact and make light of her own loss, Benetnash’s own pride would not allow such a thing.
Therefore, for now, she decided to obey that woman to help her become the supreme ruler.
When that woman took command of the world, it would be time for the rematch. For the sake of that, she did not mind providing her assistance.
When that woman stood on top of the world, they would have a true conclusive battle.
That was most likely the first-ever wish from the bottom of her heart that Benetnash had.
Notwithstanding that it was often misunderstood, Benetnash did not particularly hate Ruphas.
Although she had felt some dissatisfaction about getting a dent on her title of the strongest, she recognised that she was not strong enough.
As such, she neither hated nor resented Ruphas.
If anything, she was thankful to Ruphas and respected her for it.
If Benetnash was asked to name one person that she respected out of the entire world, she would no doubt mention Ruphas’s name without the slightest bit of hesitation.
Her affection was strong and passionate, similar to a young maiden who had just fallen in love for the first time. She yearned for Ruphas in her every waking moment.
It was a feeling similar to affection, a feeling not far from love.
The only difference was, in her case, all of those feelings were turned into a murderous intent and pushed onto her fangs.
Every form of affectionate expression was turned into a murderous expression, thus resulting in them coming out as fatal attacks.
Therefore, Ruphas Mafahl alone was someone that only she could kill.
She would not permit anyone else to kill Ruphas, and only Ruphas would be permitted to kill her.
As a consequence, she simply could not accept the outcome of that incident.
She could never forgive the bunch of people who had defiled the battle between Ruphas and herself.
Everything began when Benetnash asked Ruphas for a rematch.
It was a mutual agreement between the two of them. The pact stated that when Ruphas unified the world, she would once again fight Benetnash with all of her might this time.
Ruphas had indeed fulfilled that agreement, and the two of them were clashing with each other, using powers which could end up destroying the whole world as collateral.
One was the supreme ruler who had gained extraordinary strength by utilising her own power to create golden apples and the stat-increasing items she created through alchemy.
And the other was Benetnash who had endlessly absorbed mana to get herself to level through her own efforts after gaining a rival called Ruphas and realising her own potential.
Both were existences which had far surpassed the boundaries of the vampire and the flugel races respectively and each were dishing out skills and power which was anything beyond common sense at each other.
For Benetnash, it was the moment of exhilaration that she had long-awaited, believing that the battle would continue until she ended up dead or she killed her opponent.
Eventually, the battle entered its climax, and Benetnash was finally being pushed back into the corner.
She was truly riddled with wounds all over her body. Not even her innate vampire regeneration ability could keep up and she was likely to use up all of her remaining strength after the next full-powered attack.
In comparison, Ruphas still had some leeway. With the current state of things, one could only admit that Ruphas had an overwhelming advantage in this situation.
Of course, Benetnash was not someone who would give up just because of that. If she only had enough strength to attack one last time, she just had to reverse the situation with that one attack. It was as simple as that.
“I’m coming, Mafahl... let’s end it with this last attack.”
“Yeah, sounds like a plan. Come at me to your heart’s content, Benet.”
The figure of Ruphas, who moved her hands with an expression as if she was holding back, felt annoyingly charming as usual.
Even if I’m going to lose, I want to land one hit. I’m going to put everything I have into this attack and slam it into her. I’ll become an existence she will never forget.
No... I’m going to win! I’m going to pierce her heart with this one attack!
With the drive to strive for a certain victory, Benetnash started dashing towards Ruphas, and Ruphas welcomed that attack head-on.
Nevertheless, the betrayal happened all too suddenly.
Right before the attack landed, someone had used interference arcane magic on Ruphas. This interference skill activated and caused Ruphas to become unable to move for a moment.
Benetnash noticed this interference and quickly tried to stop her attack at the last moment. However, an attack which already contained the momentum imbued by all of her might could not be easily stopped.
Although her claws managed to avoid dealing a fatal blow, it still landed on Ruphas’s flank, causing a red flower to blossom.
“You lot... what is the meaning of this!?”
Of course, the one who shouted this out loud was Benetnash.
From her point of view, her anger was reasonable as her long-awaited battle was interrupted by something boorish.
Therefore, she was staring daggers with detestation towards the individuals – the Heroes, who had interrupted everything.
However, she quickly noticed it. There was something strange about them.
They were overflowing with an unbelievable amount of divine energy they normally would not have. They currently had enough power that even when compared to her current self, they would not be considered inferior.
What’s this? I admit the Heroes are strong individuals, but they’re definitely not this strong.
Against Benetnash who was seething with rage, the Heroes did not answer back with anything.
Let alone that, they used arcane magic to restrain Benetnash and sealed her movement.
Normally, she would not have been affected by such arcane magic and even if she was, she would quickly be able to break out of it.
However, the current Benetnash was wounded all throughout her body. She could barely move her limbs satisfactorily.
In the end, Benetnash could only slump on the ground pitifully and observe the situation while being unable to figure out what was happening.
“Apologies, Benet. Looks like there’s something important I have to attend to. I’m sorry, but let’s consider this time’s battle as just wounding each other and leave the conclusion for next time.”
“Wa – wait, Mafahl!”
“Don’t worry, I will definitely come back. You should sharpen your fangs until that point.”
After saying that, she left Benetnash where she was and flew away... and did not end up returning.
What happened afterwards was as foretold by history. The wound that Benetnash landed on Ruphas served as the main cause that Ruphas was cornered and eventually, defeated by the Heroes.
Benetnash was again subjected to a defeat phrased as “wounding each other”. Furthermore, the loss of her rival robbed her of a reason to continue striving and living.
She lost all interest in worldly matters and started to view the entire world with indifference, making her hole up in her own coffin.
Although she knew very well after receiving a message from her subordinates that Alioth and the others were about to fight against the Demon King and that they were requesting her reinforcements. Notwithstanding all that, she ignored everyone and kicked the messenger away.
She knew that their betrayal was not out of their own true wills. Nevertheless, she could not forgive them.
Therefore, she did not pay any heed whatsoever to what was happening around the world.
It did not matter to her that the humanoids were pushed into a corner. It also did not matter to her however many of the heroes died. Nothing managed to move her heart.
The turning point for all of these came upon her that fateful day, approximately fifty years after the defeat of Ruphas.
It was the day that the army full of demon fodders came to invade her country. The day where she crushed them all as a slight exercise.
It was because of the bombshell dropped by the only individual within that hoard that put up some of a fight, the Demon King.
“Hmm, as expected of the Vampire Princess. You’re worthy of being rumoured to be the only person within even the 7 Heroes that could fight against that Ruphas Mafahl alone.”
“On the other hand, you don’t reach up to the rumours of yourself. Well, I’ll admit that you’re quite strong, but that’s all there is to it.”
The fight between the two of them was not on equal footing.
Although the Demon King still had some leeway, there were many wounds all over his body, and furthermore, much of his clothes were torn.
In contrast, Benetnash was almost completely untouched. The flow of the battle was overwhelmingly in her favour.
Nevertheless, it could faintly be felt that the Demon King had also not used all of his power to fight.
What was fascinating was how even though he was being overwhelmed to this degree, the Demon King still did not show the slightest intention of fighting properly.
“It’s a shame. If you were there at the time, maybe the state of the world would be different right now.”
“Whatever. I really couldn’t care less what those guys did.”
“How bitter. Is that all arising out of the anger of being interrupted in a battle against her?”
“.... You should choose your words more carefully. I don’t mind tearing apart that mouth of yours that’s moving around a lot.”
“Spot on, huh.”
Benetnash moved with a speed fast enough to leave sound behind.
Blood blossomed out like a flower as the Demon King, who had his right arm along with his shoulder sliced off, took some distance.
However, his face was still as fearless as ever, and notwithstanding that his arm was cut off, he did not even react a little.
“Well, just calm down a little. Alcor... ahh, Alcor is how we refer to Ruphas amongst us, you see. Anyways, didn’t she say it herself? That she’ll “definitely return”? You’re jumping to conclusions too rashly.”
“You talk as if you know something.”
“That’s because I do.”
During the time the Demon King replied, he brought the severed arm towards the open wound.
When he did, the arm reattached itself perfectly, even though he had not stitched it up.
After he tested that his fingers moved as normal, he looked at Benetnash with the smile of a devil offering temptation to its target.
“Ruphas Mafahl will definitely return. Hmm... let’s see... according to ‘her’, it’ll be about one hundred and fifty years from now. To a vampire like you, it shouldn’t be that long of a duration to wait. It will be good if you just wait around patiently. Don’t worry, your wish will definitely be fulfilled.”
Even now, Benetnash did not know why the Demon King knew of such a thing.
She also did not know who he was referring to when he mentioned “her”.
Nevertheless, it became a fact with Ruphas’s actual return.
Then... then, it’s fine. The reality was everything. Everything else was irrelevant, nor was she interested in anything else.
As long as this version of reality existed, she was fine with it.
She did not require anything else.
Benetnash silently and patiently awaited her arch-rival’s presence to approach her as she waited in a room where her subordinates were forbidden from entering. | {
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「アイヲンモール異世界店、売上アップの最初のウリは、中食だ!」
の反応はない。
クロエを見る。
「ウ、ウリ、なかを性的に食べる......だと......? つまりナオヤどころかお客さまに私のなかを性的に食べさせると! 入れ替わり立ち替わり不特定多数の男たちが、わた、わたしのなかを食べ! くっ、殺せ!」
「誰が性的って言った。そういうことじゃないから。いままでよく店長やれてたな!」
頬を赤らめてくねくねするクロエに冷たく言い放つ。
バルベラを見る。
「......中食?」
キョトンとした顔で小首を傾げるバルベラ。
見た目10歳の女の子の純粋な仕草はかわい——騙されるな俺。バルベラはあれで140歳だ。幼女でも女児でも女子でもない。子ドラゴンだ。
アンナさんを見る。
「中を食べる......わ、わかりました! その、私の内臓でよかったら......私はリッチですから内臓がなくなっても復活しますし! で、でも、あんまり痛くしないでくださいね?」
「いやそういうことでもないですから。あと復活するんですねさすがリッチ」
ぎゅっと手を握って覚悟した様子のアンナさんを突き放す。
人の内臓を食うってグロすぎる! 異世界の発想怖い!
「あー、中食の説明をしなきゃダメみたいだな。『外食』は通じるか?」
「外食ということは、外で食べるんだな? 野外訓練か?」
「......狩り?」
「えっと、日常でしょうか。私が前に住んでいた場所は、壊れて屋根がありませんでしたし......」
「全員ハズレです! 街には食事処があったんだしわかるでしょ!」
ここは『外食という概念が存在しない退屈な世界』なわけじゃない。というか街には食事処も酒場もあったし屋台もあった。
『外食』って単語が定着してないか、翻訳指輪が仕事してないだけだろう。
アンナさんの不憫な住居のことはスルーして話を続ける。
「材料を買ってきて、家で料理して食べるのが内食。食事処や酒場なんかで食べるのが外食。その中間を中食と呼ぶんだ」
「な、なんだ、中間の『中』か。はは、そうだな、わかっていたともははは」
卑猥な想像をしていたクロエが乾いた笑い声をあげる。
俺は優しくスルーした。
「屋台で買って、家に持ち帰って食べることはあるだろ? そういうものだと思ってくれればいい。『中食』にはいろいろあるけど、いまはそれだけでいいから」
「なるほど、わかりましたナオヤさん! ということは、このお肉を調理して売るんですね?」
アンナさんはわかってくれたらしい。
バルベラの目は肉に釘付けだ。あとクロエも。
「でもナオヤさん、何を作るんですか? 私は簡単な料理しかできませんけど......」
「何を言ってるんだアンナ! 肉だぞ肉! 焼けばいいだろう!」
「......生?」
もうあれだ、クロエとバルベラは黙っておこうな。
いやだめだ、店にならなきゃ月間売上一億円は達成できない。
クロエにもバルベラにも理解させないと............あとにしよう。
「仕込みに時間がかかる料理もあるけど、調理自体は簡単なものにする。中学から爺ちゃん婆ちゃんの晩ご飯を担当して、就職してからは試食のおばちゃんとパートのおばちゃんたちに鍛えられた俺に任せろ!」
「おおっ! ナオヤ、焼き加減は任せたぞ!」
「ありがとうクロエ。でも肉料理は焼くだけじゃないから!」
「......おなかすいた」
「ステイ! バルベラ、ステイして! 人化してる時に生肉を食べちゃいけません! ドラゴンなんだし大丈夫だろうけど見た目的に!」
「ナオヤさん、手伝いますね。私と、このスケルトンたちも一緒に」
「えーっと、クロエとアンナさんはレジを任せていいですか? 夕方のピークは俺が戦力にならないんで」
アンナさんの申し出を断って、違う仕事をお願いする。
俺がこの調理場を使うのは初めてだし、異世界の肉を料理するのも初めてだ。
たぶん、試作には時間がかかるだろう。
「わかりました。ではスケルトンたちだけ置いていきますね。ナオヤさんの言うことを聞きますから、自由に使ってください」
「ありがとうございます。あっさり受け入れる自分が怖い。すっかり異世界に馴染んでる」
「ナオヤ、では楽しみにしておくぞ! いいか、肉を焦がしても捨てないように! 削ぎ落とせば食べられるからな!」
「だから焼かないって。あー、そうだクロエ」
調理場を出ていこうとしたクロエを呼び止める。
つられて、バルベラの手を引いていたアンナさんも止まる。
「肉に『浄化』をかけてもらっていいか? あと人にもかけられるんなら俺にも」
いくら試作でお客さまに売るものじゃないとはいえ、衛生管理は大切だ。
『浄化』を使えば虫を取り除けるらしいし、クロエにお願いしてみる。
試作ついでのテストみたいなもんだ。
「ナ、ナオヤが私に頼み事を......任せろナオヤ! 私はポンコツ騎士じゃなくて『聖騎士』だからな! 肉とナオヤどころか、部屋ごと浄化してやろう! 『浄化』!」
「あっ! クロエさん、待ってください!」
止めようとしたアンナの言葉もむなしく、クロエの手が光り輝く。
そのまま、光が調理場全体に広がった。
「そういえば魔法をちゃんと見るのは初めてだなあ。虫だけじゃなくて人ごと調理場を『浄化』できるって万能すぎる。虫のほかに何に『浄化』が効くん——」
カチャカチャ音がする。
振り返った俺の目に、焦るアンナさんと小さな骨がポロポロ崩れ落ちるエプロン付きスケルトンたちが目に入る。
「みんな、気を強くもって! 魂をこの場に留めるのです!」
「へえアンデッドにも効くんですね! 『聖騎士』の『浄化』ですもんね!っておいいいいい! 貴重な労働力が!」
骨を震わせてアンナさんにしがみつくスケルトンたち。
『浄化』は虫のほかに、アンデッドや悪しきものにも効くらしい。アンナさんは平気みたいだけど。
「す、すまないアンナ! つい勢いで!」
「大丈夫ですクロエさん。みんななんとか耐えきったみたいです。隊長や警備のスケルトン部隊には効かないんですけど」
「なんか不穏な言葉が聞こえてきた。うすうす思ってたけど、あの鎧を着たスケルトンたちはやっぱり単なるスケルトンじゃないっぽい。上位種とか強いタイプっぽい」
だってエプロン付きの清掃担当スケルトンたちと違って、明らかに強そうだし統率とれてたし。外でモンスターを撃退してるらしいし。
「いやでもこっちのスケルトンも指示を聞いて実行する能力はあるわけで......あれ? こっちもただのスケルトンじゃない? 実は高性能?」
アンナさんはニッコリ笑って、「みんな、ナオヤさんの言うことを聞くんですよ」って言い残して調理場を出ていった。
アンナさんに謝りながらクロエも、くっついてバルベラも。
残されたのは、俺とエプロン付きスケルトンたちだけだ。
「えーっと......」
さっき『浄化』でダメージを受けたはずなのに、いつの間にか元通りになってるスケルトンたち。
指示を待つように、じっと俺を見つめてくる。
「考えちゃダメだ。そうだ、スケルトンたちは立派な労働力だ。アンナさん一人の人件費で働いてくれる立派すぎる労働力だ」
自分に言い聞かせる。
壁からひょっこり黒いモヤ、ゴーストが顔を出して覗いている。
「よ、よーし、試作をはじめよう! まずは何から作るかなーっと! 単純作業を任せられるって頼りになるなあ!」
アイヲンモール異世界店はアンデッドの巣窟かよ!
俺、店長として従業員を扱いきれるか不安になってきた。
エルフとドラゴンとリッチとスケルトンとゴーストを。
......あれ? ひょっとして、従業員で人間って俺だけ?
............クロエ! クロエはエルフできっと人間にカウントしてOKなはず! | Episode -“The first thing we’re going to do to boost sales at Aion Mall’s Otherworldly Store is to make a dine in (eat inside)!”
There is no response from the three of them.
I look at Chloe.
“E- eat my what in what again ......? In other words, you’re going to make the customers, not just Naoya, eat my insides sexually! Numerous men, in turn, eat my insides! K-Kill me!”
“Who said anything about sexuality? That’s not what I meant. I don’t know how you managed to be the manager all this time!”
I coldly tell Chloe, who blushes and wiggles her cheeks.
I look at Barbera.
“...... Eat inside?”
Barbera tilts her head with a curious look on her face.
The pure gesture of a girl who looks years old is cute–don’t be fooled, she’s not. Barbera is years old. She’s not a little girl, a young girl, or a regular girl. She’s a dragon.
I look at Anna-san.
“Eat the inside ...... of me, okay, I get it! Well, you know, if you’re happy with my internal organs,...... because I’m a Lich ...... and even if my organs are gone, I’ll recover! Um, but please don’t hurt me too much, okay?”
“I’m not saying that. Also, you’re going to recover, as expected of Lich.”
I shooed away Anna-san, who seemed prepared to do so by grasping her hands tightly.
Eating someone’s intestines is too grotesque! Otherworldly thoughts are terrifying!
“Ah, I guess I’ll have to explain to you about dine in. Would ‘eating out’ come to ring any bell?”
“If it’s ‘eating out,’ does that mean we’re going to take our food outside? Like outdoor training?”
“...... hunting?”
“Uh, daily life, I guess. The place I used to live in was broken down and had no roof and ......”
“For the love of god, that’s not it! There were places to go out to eat in town, and you can understand that!”
Not that this is ‘a boring world where the concept of eating out doesn’t exist’. In fact, there were eating places, bars, and food stalls in the city.
Either the word “eating out” hasn’t taken hold, or the translation rings just aren’t doing their job.
I’ll skip over Anna’s pitiful dwelling and continue.
“When you buy the ingredients, cook and eat at home, that is eating at home. Eating out at a restaurant or bar is called eating out. The halfway between the two is called dine in.”
“T-that so, dine in is eating ‘inside’ huh? Ha-ha-ha. That’s right, I understood that, hahaha.”
Chloe, who was having an obscene imagination, gave a dry laugh.
But I gently let her go through with it.
“You know how sometimes you buy something from a food stall and take it home to eat? Just think of it that way. There are a lot of different kinds of ‘dine in’, but that’s all I’m going to talk about right now.”
“I understand, Naoya-san! Does that mean you are going to cook this food and sell it?”
Anna-san seemed to understand.
Barbera’s eyes were glued to the meat. And also Chloe.
“But Naoya-san, what are you going to cook? All I can do is simple dishes. ......”
“What are you talking about, Anna? This is meat, meat! Just cook it!”
“...... raw?”
Dear god, Chloe and Barbera, just shut up already.
No, there’s no hope, we can’t achieve 00 million yen in monthly sales without the entire store united.
Chloe and Barbera need to understand that. ............ Let’s talk about it later.
“Some dishes take a long time to prepare, but the cooking itself should be simple. I’ve been in charge of Grandma and Grandpa’s meals since middle school, and since I got my job I’ve been trained by the food-tasting lady and the part-timers!”
“Oh! Naoya, I’ll take care of the grilling!”
“Thanks, Chloe. But cooking meat is more than just grilling it!”
“........I’m hungry.”
“Stay! Barbera, stay! Don’t eat raw meat when you’re in human form! I know you’re a dragon and all, but just by looking at you now!”
“Naoya-san, I will help you. Me and these skeletons will help you.”
“Um, Chloe and Anna-san, can I leave you in charge of the cash register? The evening peak is when I’m not at my best.”
I decline Anna-san’s offer and ask for a different task.
This is the first time I’ve used this kitchen, and the first time I’ve cooked meat from another world.
Maybe it will take some time to make a prototype.
“I understand. Then I will leave the skeletons behind. It listen to what Naoya-san says and use them as you like.”
“Thank you. I’m afraid of myself for simply accepting it. I’m completely at ease in this other world.”
“Naoya, I’ll look forward to it then! Listen, if you burn the meat, don’t throw it away! If you scrape it off, we can eat it!”
“That’s why I’m not going to burn it. Ah, right, Chloe.”
Chloe was about to leave the cooking area, but I stopped her.
Anna-san, who had been pulling Barbera’s hand, also stopped.
“Can you use [Purification] on the meat? And if you can put it on other people, then on me too.”
No matter how many prototypes we sell to customers, it is important to maintain hygiene.
It’s a good idea to ask Chloe to use the purification system to get rid of insects.
It’s like a test for the sake of a prototype.
“N-Naoya asked me for a favor ....... I’m not a clumsy knight anymore, I’m a ‘holy knight’! I will purify not only the meat and Naoya, but the whole room! [Purification]!”
“Ah! Chloe-san, wait!”
Anna -san tried to stop her, but there was no use in her words, and Chloe’s hand shone.
The light spread throughout the kitchen.
“The light spread to the entire cooking area. The fact that it can “purify” not only insects, but also people in the kitchen, is too versatile. What else can it purify besides vermin?”
I heard a clanking sound.
As I turned my head, I saw Anna’s eyes, which were filled with impatience, and the skeletons with aprons, whose bones were falling to pieces.
“Everyone, brace yourselves! Keep your souls in this place!”
“Hee, so it works on the undead, too! It’s the [purification] of the Holy Knights! Oh, shiiit! Our precious work force!”
The skeletons clung to Anna with trembling bones.
It seems that “purification” works not only on vermin or germs, but also on the undead and other spiritual creatures. Anna seems to be okay with it, though.
“I-I’m sorry, Anna! I was just in the heat of the moment!”
“It’s okay, Chloe. It seems that everyone managed to endure. It doesn’t work on the captain or the skeleton squad of guards, though.”
“I heard some disturbing words. I had a sneaking suspicion that those skeletons in armor were more than just skeletons. They are of a higher or stronger type.”
Unlike the skeletons in charge of cleaning with aprons, they were clearly strong and well organized. They seem to be fighting off monsters outside.
“No, but these skeletons also have the ability to listen to instructions and carry them out. ...... This one is just another kind of skeleton, isn’t it? Or is it actually quite powerful?”
Anna-san smiled and said, “Everyone listens to what Naoya-san says,” and left the kitchen.
Chloe apologizes to Anna-san and Barbera too, attached to her.
All that was left was me and the skeletons with aprons.
“Let’s see, .......”
The skeletons, who should have been damaged by “purification” earlier, are back to normal before I know it.
They stare at me as if waiting for instructions.
“Don’t think about it. Yes, the skeletons are a fine workforce. They are too good a workforce to work for the labor cost of just one person, Anna-san.”
That’s what I tell myself.
A dark blur, a ghost, peeks out from the wall.
“O- okay, let’s start the prototype! Let’s see what we can make first! I’m counting on you to take care of the simple tasks!”
Aion Mall’s Otherworldly Store is a den of the undead!
I’m starting to wonder if I’ll be able to handle the employees as a store manager.
Elves, Dragons, Lich, skeletons and ghosts.
...... Huh? Am I the only human among the employees by any chance?
............ Chloe! Chloe is an elf and I’m sure she counts as a human so it is OK! | {
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しかし折悪しくマクスウェルの用事があったため、転移魔法を使用してもらうことができなかった。
首都ラウムの魔術学院高等部に通う身の上のレティーナだが、すでレベルの実力を持つことは知れ渡っているため、彼女の出席は事実上個人の自由とされている。
教員としても、自身よりも熟達した生徒に物を教えるというのは、非常に微妙な感情を逆なでることになるので、そこは黙認......というか、歓迎されていた。
今日も今日とてマクスウェルの屋敷に押し掛けていたレティーナは、留守を預かっているマテウスの給仕を受けながら、居間のテーブルの上に伸びていた。いや、たれていた。
「お嬢、さすがに行儀が悪いんでないかい?」
「誰も見てないじゃありませんの」
「俺は人数外ですかい?」
「使用人は人として数えるな、というのが貴族の考え方ですわ」
「お嬢でもそういう考え方、するんですねぇ?」
「時と場合によりますの」
テーブルの上でゴロンゴロンと身体を左右に揺するレティーナ。そのすぐそばにティーカップが置いてあるので、マテウスはそっと回収してトレイに乗せておく。
「しょうがないでしょ、公爵位が丸々一つごっそり抜けちまったんだから。その穴埋めに結構仕事を振られたようですよ?」
「私のためにご迷惑をおかけしてしまいましたわ。このお礼は、身を粉にして返さねば!」
「あの旦那は、そんなこと気にしないと思いますけどね。良くも悪くも、マイペースな人だし?」
「だからと言って甘えるだけとはいきませんわ。そうだ、狩りに行って精の付く物でもお食事に出すのはどうでしょう?」
「それ、誰が狩りに行くんで?」
「もちろん私が!」
「却下で」
レティーナは一応、マクスウェルの婚約者である。その身に危険が及びかねない行為は、絶対に止めなくてはならない。
ニコルやミシェルという心強い仲間もいない今、単独で街の外に出すなど、マテウスにはとても容認できなかった。
「なら、あなたがついてきてくれればいいじゃない?」
「『ついて』って、お嬢が行くことは確定事項なんですかい?」
「私の手で獲物をしとめないと、私が狩ったことにはなりませんもの」
「できれば大人しくしてほしいんですけどねぇ。俺一人じゃ、守り切れないかもしれませんし?」
「なら、そうですわね......サリヴァンも一緒に連れて行きましょう!」
「ハァ!?」
戦闘能力は低いが、その機敏な動きと状況に応じた判断力は、フィニアも評価しているらしいと。
レティーナはその噂を聞きつけ、彼のことを盛大に、かつ過大に評価していた。
いかにニコルが規格外と知っていても、子供に負けるようではマクスウェルの家人を勤められるのかと、疑問に思ってもいた。
「確かにあなた一人では心細いですからね。それに私もあまり魔術を使わないでいたら、錆びついてしまいますもの」
「錆びた方がいいと思うんですけどねぇ? 狩りなんて貴族の奥方がやるもんじゃないでしょ?」
そもそも、貴族の男でもあまり狩りは行わない。趣味の一環として行うことはあるし、貧乏な貴族なら自身で獲物を捕りに行くことも有るが、侯爵ともなるとさすがにその数は少なくなる。
レティーナは幼少から、一流のハンターであるニコルやミシェルと一緒に組んでいたので、その辺の常識が薄くなっているようだ。
「そうと決まれば、善は急げですわ」
「決まってねぇし?」
「決めましたの、今! なう!」
「あー、そう......?」
この勢いはもう止められない。そう判断したマテウスはトレイを持ったまま、器用に肩を竦めてみせた。
「あの......なんで俺、ここに呼び出されたんで?」
「それを俺に聞くのかい? お前さんの飼い主に聞けよ?」
屋敷に待機していたサリヴァンがレティーナによって拉致......もとい、連れ出されたのは、それか分もしないうちだった。
戦闘力は低いが、それなりに実戦経験があるサリヴァンは、レティーナの横に立つマテウスの実力を易々と見抜いていた。
その威圧感は、引っ張り出されたサリヴァンにも通用していた。
「なんか俺、すっげー場違いな感じがするんですけど。戦闘とか全然得意じゃないし」
「お嬢が言いだしたら聞かないのは、アンタもよくわかってるだろ。諦めな?」
「トホホ......」
愛用の剣、腰に差したマテウスと、一見武装をしていないようにも見えるサリヴァン。
目指すは通い慣れた郊外の森。かつては野牛すら狩ったその場所なら、心配するほどのことは起こらないと考えていた。
特に使用人の男性ともなれば、主の娘に迂闊な噂を立てるわけにもいかないので、極力接触を避けるようになる。
こちらも同じく、成人貴族のレティーナの行動に、迂闊に口出しするわけにいかないからだ。
これは放置すると、サリヴァンが逃げ出すのではないかと危惧したからだ。
その様子はまるで、嫌がる犬を施療院に連れて行く飼い主のようにも見え、様子を見ていた者は後に『涙を誘う光景だった』と噂していた。 | This day, as usual, Letina was planning to head to Stollar. Unfortunately, however, Maxwell had some business that day so she couldn’t get him to use the transfer magic.
As such, her visit to Stollar was called off, and she ended up with too much time on her hands. Letina was attending Raum’s Magic Academy’s senior grade, but her skill was already known to be first-class so the attendance was effectively up to her.
Even from the teachers’ perspective, teaching a student more skilled than themselves rubbed them the wrong way, so they gave tacit consent... or rather, even welcomed her non-attendance.
Letina had barged into Maxwell’s mansion as always, and was currently stretched on the living room table, while Mateus, who was in charge of things, was serving her. Mateus looked at her with an unpleasant expression. He felt like the image of a lady in his mind was crumbling down with a loud sound.
“Young lady, aren’t your manners a little improper?”
“No one is looking.”
“Am I not even a person in your eyes?”
“Not counting servants as people is part of the noble’s way of thinking.”
“So even you follow that thinking?”
“When the time and occasion demands it.”
Letina swayed her body left to right above the table. There was a teacup right next to her, so Mateus quickly took it and placed it on the tray.
“There’s no helping it. A duke household is practically gone, so there’s a lot of work to do to fill up that hole.”
“I was the reason for all that trouble. I have to repay it with all my power!”
“I don’t think master would mind that. For better or worse, he is quite whimsical, yea?”
“Nevertheless I can’t allow myself to be pampered on and on. How about hunting and providing him with a nourishing meal?”
“And who would be hunting exactly?”
“I of course!”
“Rejected.”
Mateus replied with a rare blunt tone. Letina was still Maxwell’s fiancee. He had to stop anything that could endanger her from happening. First-class magician or not, there was no knowing what could happen to her inside the forest.
Now that her strong comrades like Nicole and Michelle weren’t around, Mateus couldn’t approve of her leaving the city all alone.
“Then you can just come along, right?”
“Come along, you say? So you going is already a set matter?”
“If I don’t bring it down with my own hands, I would not be the one who had hunted it.”
“I would much rather you stay where you are. And I might not be able to fully protect you on my own, you know?”
“In that case, yes... Let us take Sullivan along too!”
“Huuh?!”
Letina already learned that Sullivan was Marquis Yowi’s spy. His combat abilities were low, but his clever actions and judgment skill to deal with the situations at hand were apparently praised by Finia too.
Letina heard of those rumors and evaluated him grandly and excessively. At the same time, she evaluated Mateus a little insufficiently. That was because he lost to Nicole when she was young.
No matter how abnormal Nicole was, she found it odd that Maxwell employed someone who had lost to a kid.
“You alone would certainly be a little inadequate. Besides, I would grow rusty if I don’t use my magic from time to time.”
“I think getting rusty would be fine, though? A nobleman’s wife should have no need to go hunt, right?”
In the first place, not even noble men went hunting that often. They sometimes did it as a hobby, and poor nobles did sometimes go hunting game on their own, but when it came to marquises, there were few like that.
There were some nobles who thought hunting animals was one of the pleasures, but those weren’t the norm. Letina always accompanies the first-class hunters that were Nicole and Michelle, so her common sense in this aspect was quite slanted.
“Now that we have decided on it, it is best to hurry.”
“We haven’t decided, though?”
“Yes, we have! Right now!”
“Ehh, really now...?”
She couldn’t be stopped given her determination. Mateus judged so and shrugged skillfully while holding a tray. Letina didn’t even glance at Mateus and stormed out of the living room.
“Uhh... Why was I called here?”
“Why are you asking me? Go ask your master, aye?”
Sullivan who was on standby in the mansion was kidnapped...correction, taken away by Letina within thirty minutes of taking action.
His combat power was low, but he still had some combat experience, so he easily saw through Mateus’ skill who stood next to Letina. Mateus didn’t try to hide his skill either. Exposing it like that put the playboys trying to approach her in check.
That intimidating air also affected Sullivan who was dragged out here.
“I feel like I’m really out of place here. I have no real combat skill at all.”
“You should be aware of how this young lady is once she insists on something. Give up, will you?”
“Boo-hoo...”
On one side was Mateus with his favorite pair of swords on his waist, and on the other, Sullivan who looked unarmed at a glance. Letina led the two while holding her favorite magician staff.
She headed for the familiar suburb forest. She believed that nothing serious would happen there, a palace where they once hunted a buffalo. Seeing Letina quickly proceeding onwards, the two followed after her in a fluster, being unable to ignore her or detain her by force.
Letina was still an adult noblewoman. They couldn’t carelessly touch her body. If a servant boy did it in particular, it could invite unwanted rumors to her, so they were avoiding doing so to the utmost.
The gate guards watched that somewhat irregular trio without saying anything. Similarly, these guards couldn’t carelessly meddle in the affairs of an adult noble like Letina.
Mateus followed after her while holding Sullivan by the scuff of the neck. This was because he feared Sullivan would run away if he left him alone.
It looked just like when an owner dragged his unwilling pet to get medical treatment, and those who witnessed it would later comment that it was a | {
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氷柱に黒仮面が触れた個所から、青白い煙のような光が少しずつ立ち上る。
それは空中に消え、霧散して行くが――
その光は――
......!」
を操る人間を初めて見た。
ではこの男も
を生むには神の祝福が必要だが――?
では未だに、この世界のどこかには神が存在しているのか?
これは前から感じていたことなのだが、転生したこの世界には神の気配が無いのだ。
とし、人生を与えてくれた女神アリスティアは勿論、その他の神々も――だ。
は半神半人。意識を研ぎ澄ませば、暖かく世界を見守る神々の気配を感じられたものなのだが――今はそれが無い。
世界と人は独り立ちを許されたのか、はたまた見捨てられたのか――
が他にいる以上、自分の分からない所に何かがある――その事は確かのようだ。
の構成比率を変えず、数だけを減らすように分解して行く――そうすれば、姿形を保ったまま......」
の煙の量が爆発的に増した。
そして、氷漬けのセイリーンに変化が起こる。
黒仮面の言う通り、姿形を保ったままで氷柱ごとグングンと小さくなって行く。
「わ! わ! ちっちゃくなってく!」
「......! 凄い――!」
を操作するのではなく、魔石獣の身体やそれを覆う氷など、既にある物体を
それ合切というわけではなく、元の姿形を傷つけず残したままの繊細な操作だ。生き物の複雑な
やがて、黒仮面の足元には片手で掴める程度の氷の塊と、その中に納まる魔石獣化したセイリーンの姿があった。
黒仮面はそれを掴み上げると、イングリスの方にやって来て、手渡してくれた。
は霧散してしまったゆえ、元の大きさに戻すのは至難の業だがな。逆に言えば、元の大きさに戻って暴れ出すという事は絶対にない」
「......お礼は言えませんが、正直言って驚きました。そんな
の動きが止まった、完全なる静態でないと難しい。君が氷漬けにしてくれたおかげだ」
「......悔しいですね。今のわたしには出来そうもありません――」
「力の質の違いだな。君は力に優れ私は技に優れている。君ほどの馬力は私にはないよ」
「わたしは力も技も、全てを極めたいんです......!」
「フフッ。豪気な事だ――では行くがいい。まさかゲリラなどとの約束は守れぬと言い出しはせんのだろう?」
「......ですが、この城や街の人達を――」
「安心しろ傷つけはしない。必ず守る。我等が敵は
「分かりました」
「ではな――また会おう」
「敵としてなら、喜んで」
と、イングリスは黒仮面に鋭い視線を向ける。
「天使のような見た目をして、怖ろしい娘だな......」
流石の黒仮面も、少々戸惑っているようにも見えた。
「ラニ。行こう? はやくセイリーン様の氷も溶かしてあげないとね」
「うん――! じゃ、じゃあ......!」
ラフィニアは黒仮面たちに軽くだけ一礼し、イングリスの後を付いて来る。
をセイリーンに飲ませるように手引きしたのはあちらなので、礼をする筋合いでも無いのだが――
それだけラフィニアは、変わり果ててはしまったが、セイリーンを殺さずに済み安堵していたのだろう。
◆◇◆
それから――
ノーヴァの街を離れたイングリス達は、そのまま王都方面に向けて旅を続けた。
の死骸がある、アールメンの街ももう少しという所までやって来た。
ポツ――ポツ――
御者台にいるイングリスの鼻の頭に、雨粒が落ちて来た。
「あ。雨だ」
虹の雨
ではない、普通の雨だ。
なので、雨が降ったらすぐに雨宿りをする方がいい。
「ほんとだ! 雨宿りしよ、クリス!」
「うん。あの木の下につけるよ」
イングリスは、大きな木の下に馬車を進めた。
「足止めか......早くアールメンの街に行きたいのに」
「仕方ないわよ。のんびりいきましょ。まだ騎士学校の入学式までは余裕あるし」
ラフィニアがごろんと御者台で寝そべる。
「中に入って、毛布を着た方がいいよ? 風邪ひくから」
そういうイングリスの服の胸元が、もぞもぞと動き出した。
そして胸の谷間からぽんと顔を出して来たのは、魔石獣化したセイリーン――が小さくなった姿だった。
黒仮面の手により小さくなったセイリーンは、あの後氷を解かすとすぐに復活した。
この小ささで可愛らしいが、魔石獣は魔石獣。
話す事は出来ないし、基本的に気性は荒く攻撃的だが、イングリスやラフィニアの事は分かるようで、段々と慣れて来た。
二人の間では、リンちゃんと呼ばれている。セイリーンからリンを取った。
ラフィニアの胸はリンちゃんにとっては少々サイズ不足のようで、胸に納まりたいときは必ずこちらにやって来る。
リンちゃんは小首をかしげるような仕草をした後、再び顔を引っ込めた。
もぞもぞもぞもぞ!
先程よりももぞもぞし始めた!
「ひゃあっ!? あっ、ダメやめてリンちゃん......! ねぇラニ、リンちゃんを止めて!」
「んー? 代わってあげたいけど、あたしじゃ代わりにならないしねぇ。まま、頑張ってクリス」
「薄情ものっ!」
ラフィニアはその様子に目を細めていたが、暫くしてリンちゃんが大人しくなると、ふとため息を吐いた。
「ラニ。どうしたの?」
「ねえクリス。リンちゃんってさ、セイリーン様の時凄くいい人だったじゃない?」
「そうだね」
の偉い人達は、あの街ごと空に持っていこうとしてたんだよね?」
「うん。セイリーン様はそれを止めたがっていたけど」
「でさ、血鉄鎖旅団の連中も街を守るためとか言ってたじゃない?」
「そうだね『浮遊魔法陣』を壊すって言ってたし......」
「結局何が正しくて何が間違ってるのか、よく分からないなぁって。何かもやもやするっていうか......」
「ラニ、青春してるね?」
「いや、青春って言うのこれ? 違うような気が――クリスは悩まないの?」
「うん。考えてないから。自分が強くなることだけ考えてたら、悩まずに済むよ? ラニもそうする?」
「あははは......クリスらしいわね。あたしは遠慮しとく――」
「いっぱい悩めばいい。わたしはずっとラニの味方だよ」
イングリスは寝転んでいるラフィニアの黒髪を、そっと撫でた。
「うん――ありがと」
そんな風に雨宿りの時間は過ぎて――イングリス達はアールメンの街に到着した。 | Where Black Mask’s hand and the Ice Pillar met, a pale instance of light rose, imitating smoke.
And it kept puffing, raising into the sky, dispersing without traces.
That light was—
「Ether...!」
It was the first time Inglis had seen another person manipulating Ether.
Then, is this man a Divine Knight too?
However, a blessing from the Gods is indispensable in the baptism to become a Divine Knight.
If so, then Gods still exist somewhere in this world?
Inglis couldn’t feel the presence of the Gods in this world after her reincarnation, she had tried to find them for a long time now.
The Goddess that had baptized Inglis to become a Divine Knight and gave her the chance to live her second life was Alistair, yet, Inglis couldn’t feel her or the other Gods anymore.
Divine Knights were demigods. When they focused their mind, they could feel the presence of the Gods, watching over the world with affection, but now, that presence was gone.
Have they permitted the people to live independently, or have they chosen to forsake us?
Inglis hadn’t an answer to that question, but with the existence of another Divine Knight in front of her, she knew that there was some ordeal outside of her knowledge. That was one definite answer she had.
「By disassembling the Ether that made up its body without disturbing the composition ratio, just like so, its shape will be preserved, and... 」
As he finished speaking, the fume of pale Ether light suddenly increased explosively.
Afterward, a change was happening to the frozen Cyrene.
Just like what he said, the ice pillar’s shape was maintained while its size kept getting smaller.
「Wah! Wah! She became so small!」
「...! Incredible!」
Instead of manipulating one’s own Ether, he reduced the amount of Ether that dwelled in other objects, like the Magic Stone Beast and the Ice Pillar that encased it.
It wasn’t something he could half-a̲s̲s̲ either, this required a rather delicate operation that would maintain their original shape to the T. It was a formidable feat that couldn’t be done unless one was adept in the complex composition of Ether in living beings.
Eventually, all that was left was a palm-sized block of ice near Black Mask’s feet, and the transformed Cyrene that was trapped in it.
Black Mask picked it up then approached Inglis to pass it on.
「This should make it easier to carry. What I did was disperse the Ether that made up its body, so reverting to its previous size would be nigh impossible. Meaning that it won’t somehow revert back and go on a rampage.」
「...Forgive me if I’m being presumptuous, but to be honest, I am surprised. I never thought that Ether could be used that way.」
「It is hard to accomplish unless the target’s Ether stopped, being completely still. It’s all because you encased it in a pillar of ice.」
「...How vexing. The current me could never do such a thing.」
「The difference lies in the quality of our power. You are gifted with overwhelming strength, I am with my techniques. I’m not a powerhouse like you.」
「I want to hone both my power and my techniques all the same!」
「Fufu. How very obstinate. Off you go, then. I bet you didn’t expect a guerilla organization would hold up their end of a promise, did you?」
「...But the people in the castle and the residents—」
「Be at ease, we won’t hurt them. We will make sure to protect them. Our enemies are Highlanders alone.」
「Understood.」
「Well, then. Let us meet again.」
「As opponents, gladly.」
Inglis shot a sharp glance towards Black Mask.
「For a girl with the appearance of an angel, she is fearsome...」
As expected, even Black Mask was perplexed by Inglis.
「Let’s go, Rani? We have to melt the ice soon.」
「Yeah! G-, goodbye...!」
Rafinha gave a small bow towards Black Mask and Cystia before she ran after Inglis.
These people made Cyrene drink Prism Powder in the first place, Rafinha shouldn’t have any reason to give them any courtesy.
It only showed how relieved Rafinha was since Cyrene was ultimately not killed, albeit even if that meant becoming an icicle.
◆◇◆
After leaving the town Nova behind them, Inglis and Rafinha continued their journey towards the capital.
By now, they were just a few hours away from the town of Arlman, the town where the carcass of a Prisma was encased in ice.
splash—— splash——
Raindrops fell on the tip of Inglis’ nose while she was sitting on the coach’s seat.
「Ah, it’s raining.」
Fortunately, it wasn’t Prism Flow, just regular rain.
However, nobody could tell when the rain would turn into Prism Flow.
As such, it was best to seek shelter as soon as rain fell.
「Sure is! Let’s take shelter, Glis!」
「Yeah. Let’s move under that tree.」
Inglis led the wagon towards the shelter of a large tree.
「An obstacle so soon... Even though I want to reach Arlman as fast as possible.」
「There’s no other way. Let’s take our time. There’s still time until the Knighting School’s entrance ceremony, after all.」
Rafinha sprawled her body out on the coach’s seat.
「Why don’t we get in and put on some blankets? You’ll get a cold otherwise.」
Just after saying that, some squirming movements were evident from Inglis’ clothes in her chest area.
The one that popped out from her cleavage was the small figure of Cyrene, a mini Magic Stone Beast.
Cyrene, after being shrunk by Black Mask, was mobile as soon as the ice was thawed.
She was adorable in her palm-sized figure, but she was still a Magic Stone Beast.
She couldn’t talk and her temperament was fundamentally aggressive, but she gradually got used to her new circumstances, as she seemed to recognize both Inglis and Rafinha.After traveling together for some time, she had now become something akin to a pet to them.
The two called her Rene, taken from the last two syllables of Cyrene’s name.Although, the only troublesome part of the whole ordeal was that Rene’s favorite spot was Inglis’ cleavage.
Rafinha’s chest was too modest for Rene’s taste, so she would always snuggle in Inglis’ whenever she wanted to be enveloped by cleavages.「R-, Rene. Don’t move around so much, you’re tickling me...」
After showing an adorable gesture of tilting her neck in confusion, Rene dived in again.
And then—
Squirm squirm squirm squirm!
She rustled around even more than before!
「Hyaah!? Ah, I said you can’t, Rene...! Hey Rani, stop Rene for me!」
「Hmm? I wouldn’t mind letting her do it to me instead, but mine aren’t enough, you see. Well, hang in there, Glis.」
「How cruel!」
Rafinha just squinted away, watching the development. After a while, Rafinha let out a big sigh when Rene finally held still.
「What’s wrong, Rani?」
「Hey, Glis. Rene, you see, she’s a really good person when she was Lady Cyrene, right?」
「You’re right.」
「But the Highland’s big shots wanted to make that town fly in the sky, right?」
「Yeah. Lady Cyrene wanted to stop them, however.」
「And, you see, the Ironblood Chain Brigade people also said that they did what they did to protect the townspeople, didn’t they?」
「You’re right, they said they would destroy the 『Levitation Magic Formation』 too... 」
「In the end, I don’t know what is right or wrong. It’s, like, things don’t make sense in my heart...」
「Rani, you’re in puberty, aren’t you?」
「No, can you say this is puberty? I feel like it’s not... Glis, you don’t feel bothered by it?」
「Yeah. I’m not thinking about it, after all. Since all I have in my mind is how to make myself stronger, such a thing doesn’t bother me, you know? Why don’t you try the same, Rani?」
「Ahahaha... that’s very you, Glis. I’ll have to decline.」
「Think a lot, worry a lot. I’ll always be by your side.」
As Rafinha threw herself down on the wagon’s floor, Inglis ran her hand through her hair and caressed it.
「Yeah. Thank you.」
As their sober moment sheltering from the rain let up, Inglis and her group reached the town of Arlman. | {
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私の予想ではこのまま彼の部屋に連れていかれて、いかに彼の部屋の設備が素晴らしいか熱弁される気がする。
ヴィクターは超俺様系の王子だもの。自慢は得意分野だろう。
......そうなる前に先手を打たないと。
「休暇頂いてもいいでしょうか?」
ヴィクターは即答する。
誰のおかげで妖精を獲得出来たと思っているのよ。まぁ、何かして欲しくて手を貸したわけじゃないけど......。
いや、私は悪い女なの。これを盾に交渉出来るかもしれない。
「妖精の言葉を分かるのは私だけでは? 少しぐらい私の願いを聞いてくれても」
「あのじじい達もいることを忘れたのか?」
私の言葉に被せるようにヴィクターは言葉を発する。
うッ。それを言われたら何も言い返せないじゃない。それに、おじい様達をじじい呼びなんて、本当に怖いもの知らずね。
そう言えば、キイは私の魔力に負けたのよね。......ぶっちゃけ、私を手に入れた方が王座に就けるんじゃないかしら。
「キイは綺麗な部屋で大切に保管、じゃなくて見守られているのに、どうして私はこんなにも扱いが雑なんですか?」
「妖精は繊細なんだ。適当に接していいものじゃない。もしかしたら、消えてしまうかもしれないだろ」
「私も消えてしまうかもしれませんよ」
彼を横目で見ながら静かにそう言った。
私はこの先ずっとラヴァール国にいるわけではない。ある時、突然彼の目の前からいなくなるってことは可能性としては大いにある。
「妖精を手に入れることが王になれるための条件だが、俺は妖精よりお前を失う方が......」
「失う方が?」
私に聞こえないような声で呟いたのかもしれないけど、嬉しい事に私の耳はとても良いのよね。
ヴィクターは何も言わない。
妖精よりも私を失う方が痛手、不利益。私も自分で自分の価値ぐらいは大体分かる。
「王子は寂しがり屋なんですね」
私はいつもより声を明るくしてそう言った。
ここはあえて煽りスタイルでいこう。
「ああ、そうかもな。お前がいなくなったらこの城は静かになりそうだ」
......褒められてるの? いや、貶されてる?
分かりにくいわね。それに、何よその辛気臭い表情。ヴィクターに似合わないわ。
私はただ一日休暇を得る交渉をしようと思っていただけなのに。どうして激しい言い合いとかじゃなくて、こんな重たい空気になってるのよ。
「けど、すぐに慣れるわ。最初の少しだけ違和感を覚えて、いつの間にか私のいない世界が普通になるのよ」
「もしそうだとしても、お前はとんでもなく巨大な爪跡を残していくことになるな」
「あら、光栄だわ」
「......お前、もう少し訛りを意識した方が良いぞ。話し方が貴族だ」
ヴィクターはそれだけ呟き、歩く速度を速めた。
嘘でしょ......。女どころか貴族ってバレてるの?
私は混乱したまま急いで彼の背中について行った。 | My guess would be that he would take me straight to his room and give me a rousing speech about how wonderful the facilities in his room were.
Victor was a very selfish prince, but bragging must have been his specialty.
...I need to get a head start before that happens.
“May I have a day off?”
Victor immediately answered.
Who do you think helped you acquire the fairy? Well, it’s not like I helped him because I needed something from him...
No, I was Villainess. Maybe I could use this as a bargaining chip.
“Am I not the only one who can speak with the fairy? Can’t you at least do me a favor?”
“Have you forgotten that those old men are here too?”
Victor said in response to my words.
Ugh. When he put it like that, there was nothing I could say in response. And what’s more, calling them old men, you really don’t know what to be afraid of, do you?
Come to think of it, Kii was overpowered by my magic, wasn’t she? To be honest, I’m wondering if he’d be more likely to ascend to the throne if he had me in his possession.
“Why am I being treated so poorly when Kii is carefully kept in a beautiful room and only being watched over?”
“Fairies are delicate creatures. They must be treated with care, you know, or they might just disappear.”
“I might disappear too.”
I said quietly, looking at him sideways.
I won’t be in Ravaal Kingdom for a long time, you know. It is entirely possible that I will vanish from his sight at some point.
“Getting the fairies is a condition for becoming king, but I’d rather lose a fairy than you...”
“Lose me?”
He might have muttered it in a low voice, so I couldn’t understand, but fortunately, I had excellent hearing.
Victor didn’t say anything after that.
It seems like losing me would be more disadvantageous than losing the fairy. I at least have a rough idea of my own worth now.
“The prince is lonely, isn’t he?”
I said this with a brighter voice than usual.
Let’s dare use an aggressive style here.
“Yeah, that’s probably true. This castle will be quiet when you’re gone.”
...Is that a compliment? No. Is he belittling me?
It was hard to tell. And what’s with the glum expression? It didn’t suit Victor.
I was only trying to get a day off. Why was there such a tense atmosphere rather than a heated argument?
“But you’ll get used to it. You’ll feel strange at first, but before you know it, life without me will be normal.”
“Well, if that’s the case, you’re going to leave a ridiculously huge claw mark.”
“Oh, I’m flattered.”
“...You, you should be a little more aware of your accent. The way you speak is aristocratic.”
Victor muttered that much and walked faster.
No way... Does this mean he knew that I was an aristocrat and not just a commoner woman?
I hurried after him, perplexed. | {
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湧き水が出ているところまで戻りつつ、自分のグラスにヒビが入っていないかチェックする。
このグラスが割れない限り、水をこぼしてもその場から水を汲みに戻れる。
しかし、破壊されてしまった場合は再びチャリンから受け取らねばならないと本人が説明してくれた。
山を登っていると、さっき俺の【ワープアロー】を咥えて吐き捨てたスズメが何羽も木の上で待機していることがわかった。
意識しないとスズメなんて気にすることもなかったが、こりゃガチガチに対策されてそうだ。
この対策が俺の【ワープアロー】だけを意識したものだとは思えないし、俺以外にも何か物を飛ばしてその位置にワープするスキルを持っているプレイヤーがいるのだろう。
やはり、自分の足で歩くのが無難か......などと考えてるうちに聖水が湧き出しているポイントに到着した。
「あれ? 前来たとこって......ここか?」
湧き出ている水は間違いなく聖水だ。
さっきは池の水でごまかせないかと考えたが、そもそもパッと見た時点で透明度が違う。
AIでなくても判別は容易だ。
俺も冗談のつもりで騙せないかと考えていた。
「うーん、岩の形が前と違う気がする。やっぱ同じ道を辿ったつもりが別のところに来てしまったか」
この山には道らしい道がない。
山登りの素人が深く考えずに登れば、毎回違う場所に辿り着くのも当然と言える。
まあ、聖水さえ手に入ればそれで構わない。
その後は下へ下へとひたすら下りて、ある程度まで下山すればチャリンのいる噴水広場まで案内してくれる標識があるはずだ。
「さあ目の挑戦で決めるとするか」
すると、今度は草原に出た。
膝くらいまで草が伸びている。
他のプレイヤーが先を歩いているので、草の下が底なし沼なんてことはないのだろう。
ときおり風で草が揺れる音がするだけで、何かがこの中をうごめいている気配もない。
よし、慎重に進んでいこう。
「ゆっくり、ゆっくり......って、あんまり遅いとそれはそれで不自然で転びそうだ。普通に普通に......うわっ!?」
足に何かが引っかかり、そのまま前のめりに転んでしまった。
当然グラスの聖水はぶちまけられる。
くぅ......トラップか......。
しかも『草結び』とは......!
草と草を結んで輪っかを作り、足を引っ掛ける超古典的トラップだ。
まさか、VRゲームという未来技術が作り出した新世界でこんな古い罠に引っかかるとはな......。
ある意味貴重な経験かもしれない。
だが、またやり直しだ!
俺が現実よりスマートかつ、ゲームのお陰で多少反射神経が改善し、こける前に手をつくことが出来たのが幸いしてお腹にくっつけていたグラスは割れていない。
ダラダラやるほどやり直しの作業は辛くなる。
また、水を汲みに戻るぞ......!
◆ ◆ ◆
普段は強大なモンスターや優秀なプレイヤーとの戦いをそれなりにこなしている俺だが、トラップを予測して避けることは苦手なようだ。
モンスターやプレイヤーにはある程度動きがあり、なんとなく本能的な勘が働いて予測もできる。
しかし、トラップに意思はなく、ただそこにいるだけだ。
静かで動きがない。なかなか警戒しても張りつめている神経に引っかかってこないのだ。
結果的に俺はいろんなトラップに引っかかった。
足元に張り巡らされていた縄に足を引っ掛けたり、落とし穴にはまったり、上から転がってくる丸太に追いかけられたりと散々だった。
中でもキツかったのは、小鳥さんに水の大半を飲まれた事件だ。
もうすぐで山を下りてチャリンの元に辿り着けるというところで、一羽の小鳥が俺のグラスから水を飲もうとした。
本来、少しでも水を残すためにすぐに追い払うべきなのだが、その鳥があまりにも小さく愛らしかったことに加えて、その時は聖水の量に余裕があった。
俺は小鳥さんに水を飲ませてあげた。
しかし、小鳥さんは見た目に似合わずゴクリと一口でグラスの半分の水を飲んでしまった。
体の大きさ的に、絶対その量の水は体の中に入らないはずなのに......。
その時になって小鳥さんもトラップなんだと確信した。
すぐに追い払い、残った水に祈りを込めてチャリンに差し出した。
だが、チャリンは無慈悲にも首を横に振った。
『ざんね〜ん......。ほんの少し水の量が合格ラインに届かないにょん。AIに計量ミスはないにょん! 頑張ってもう一回チャレンジするにょん!』
そして、聖水を汲むと今度は特に慎重になることもなく、普段通りに移動した。
荒れた土地も、モンスターが出る場所も、慣れたもんじゃないか。
今までの経験を生かし平常心で山から下りた俺は、聖水を派手にぶちまけることなくチャリンの前にたどり着いていた。
とはいえ、まったく一滴もこぼさなかったわけではない。
気づかぬうちに水はこぼれてしまうものだ。
それでも感覚的に合格ラインは超えていると思いたいが、果たして......。
トクトクトク......と聖水が移し替えられる。
聖水はチャリンのグラスの赤いラインを超え、そして......金色のラインも突破した。
『おおっ! すごいにょん! 合格ラインどころかご褒美ラインも余裕で突破だにょん! おめでとうだにょん!』
やった......!
大騒ぎして喜びはしないが、静かに打ち震えるような喜びが湧き上がってくる。
それこそ湧き水のように......!
『今回のご褒美は......こちら! そのまんま『霊山の湧き水』だにょん!』
渡されたのは装備でも回復アイテムでもない。
これは......素材アイテムか?
組み合わせて新たなアイテムを作ったり、単純に売ってお金を稼げるタイプのアイテムだ。
本来、フィールド場で『使う』アイテムではないはずなのだが、アイテムを選択すると『使う』という選択肢が出る。
しかも、使う対象はガー坊だ。
「ガー! ガー!」
......物は試しだ。
俺はガー坊に『霊山の湧き水』を使った。
――ぴこんっ! ユニゾン『ガー坊』が新たなスキル【ホーリースプラッシュ】を獲得しました。
◆ホーリースプラッシュ
聖なる水を弾丸のごとく放つ。
『幽霊属性』『悪魔属性』のモンスターに特効。
なるほど、アイテムを使うことでスキルを覚えさせることも出来るのか......!
特効持ちのスキルはどこかしらで役に立つ。
幽霊と悪魔要素が入ってるモンスターなんていくらでもいるからな。
またガー坊が頼れるようになった。
「さて、ご褒美も受け取ったし、次なる迷宮は......と」
『ちょっと待つだにょん! 肝心の試練を乗り越えた証、みずがめ座のメダルを渡してないにょん!』
「あ......!」
俺としたことが......というか、俺らしいミスだ。
チャリンからありがたくメダルを受け取り、まじまじと眺める。
小さなメダルの中に埋め込まれた宝石が星のように輝き、みずがめ座を描いている。
裏面には水瓶を持つ女神が細かく彫り込まれている。
これは......カッコいいぞ。
イベント関係なしに12枚集めて飾っておきたくなる。
リアルで売り出してくれないかな?
「さて......今度こそ次の迷宮を考えよう」
普通に考えればこの霊山キクリの近場から攻略していくべきだな。
移動時間を短縮できるし。
そうなるとまだマップ埋めていないエリアに飛び出すことになるが、特に問題はないだろう。
イベント中は埋めていないマップにも迷宮の位置を示す光のピンが表示されるし、特別にプレイヤーの位置と方向を示す矢印も表示される。
なので細かい地形はわからずとも、一直線に迷宮を目指す分には困らない。
「近い迷宮はうお座かやぎ座......。ここはやぎ座に行こう」
うお座は絶対に魚が絡んだ試練になるだろうし、水も確実に出てくる。
最近海には行ったし、水も今さっきまでずっと扱っていた。 | As I started on my way back to the spot where the water flowed from, I checked the glass to see if there were any cracks in it.
If there were no cracks in it, then I could just fill it with water and use it again.
However, she had explained that if it was destroyed, I would have to return to the fountain and get a new one.
While walking up the mountain, I noticed that there were several sparrows waiting in the trees. They were the same as the one that had taken and discarded my Warp Arrow.
Sparrows were something that you never really thought about, but it felt like there was no getting past them now.
And I doubted they were there only to block Warp Arrows. There must be other players who had skills that would allow them to warp.
In any case, I suppose walking on your two feet was the best way... As I was thinking about this, I arrived at the holy water spot once again.
“Huh? Is this...the same spot?”
The water that was coming out was definitely holy water.
While I had wondered if I could use lake water earlier, there was actually a difference. The clarity was noticeable at a glance.
You didn’t even need an AI to make the distinction.
I had mostly been joking when considering it.
“Hmm. The shape of the rock is different from the previous one. I guess I might have reached a different area, even though I thought I was going in the same direction.”
There were no actual paths on this mountain.
If an amateur started climbing a mountain without thinking, then it would be no surprise if they ended up at a different spot every time.
Well, as long as I got holy water, it didn’t matter.
I just needed to take it and keep climbing back down until I found a sign that would direct me back to the fountain where Charin was.
“Now, time for my second attempt.”
And so with very careful steps, I started my descent.
This time, I came out into a grassy field.
The grass was long and came up to my knees.
As I could see other players walking up ahead, I at least knew that it wasn’t some kind of swamp that you could sink in.
While the wind would create rustling sounds in the grass, there was no signs of anything lurking within it.
“Slowly, slowly... But going too slow feels unnatural, and might cause me to fall. Normal...normal...woah!?”
My foot got caught on something and I fell forward.
Of course, all of the holy water was spilled.
Tsk...a trap...
Not only that, but it was a ‘grass knot’...!
An old-fashioned trap where you created a loop by tying blades of grass together.
To think that I would be caught in such an old trap while playing in a new world that was created by the futuristic technology that is VR games...
It was definitely a rare type of experience.
However, I have to try again!
Thanks to the fact that I was both lighter and had better reflexes in the game than in real life, I had been able to catch myself as I fell, and so the glass on my stomach hadn’t shattered.
Still, the process was bound to become painful the longer it took.
It was back to filling it with water...!
◆ ◆ ◆
I’ve had a decent amount of experience fighting great monsters and skilled players up until now, but it seemed that I wasn’t very good at finding and avoiding traps.
With monsters and players, there were move sets, and my instincts helped in predicting their movements to a degree.
However, traps had no will. They just lay there.
Quiet and motionless. Even if you are on your guard, they are still difficult to detect.
Ultimately, I got caught on all sorts of traps.
Sometimes it would be a net tripping up my feet, or a pitfall, and even a log dropped from behind me. It was terrible.
The worst one of all was when some little bird came and drank half of my water.
I was just at the last brief stretch before reaching the fountain with Charin, when a small bird came down for a drink.
Normally, you should drive it away so that you’d have as much water as you could. However, not only was the bird so cute, but I had more than enough holy water at that time.
And so I allowed the bird to drink.
However, in spite of its tiny size, the bird took half of my water with its first sip.
That amount of water should not have been able to fit inside of it...
And that’s when I realized that the cute bird was just another trap.
I quickly shooed it away and prayed with desperation while offering the remaining water to Charin.
But Charin shook her head mercilessly.
‘Toooo bad... You are just a little short of the passing line-nyon. AI do not make mistakes when measuring-nyon! Do your best and try again-nyon!’
And after filling the glass with water, I went back down, this time without being too cautious.
The unlevel ground, monsters and traps. I was used to it all now.
I made use of all of my experience up until now to make a calm descent. And so I was able to go back to Charin without any accidents.
That being said, it didn’t mean that I hadn’t spilled anything at all.
Water just spilled without you even realizing it.
Still, I was sure that it was enough to reach the passing line. I hope...
Glug-glug...the holy water was poured from one glass to the next.
It passed the red line in Charin’s glass. And then...it passed the gold line as well.
‘Oh! Amazing-nyon! You not only reached the passing line, but the reward line as well! Congratulations-nyon!’
Yes...!
While I didn’t shout with joy, a quiet, shaking feeling of happiness filled me.
Just like water...!
‘As for your special prize...here! ‘Sacred Mountain Water’-nyon!’
What she gave me wasn’t equipment or a healing item.
Was it...crafting material?
It seemed to be an item that could be combined with other items or simply sold for money.
So it shouldn’t have been an item where you could select ‘Use’ on the field, but I was able to do it here.
Not only that, but it was something I could use on Garbow.
“Gar! Gar!”
...And so I tested it.
I used Sacred Mountain Water on Garbow.
–Beep! Unison Garbow has acquired the new skill ‘Holy Splash.’
◆ Holy Splash
Unleashed bullets of holy water.
Effective against ghost and demon type monsters.
I see. Using the item allowed them to learn a new skill...!
These kinds of skills would always be useful in the future.
After all, there were plenty of ghost and demon type monsters out there.
And so Garbow had become even more reliable.
“Now, I’ve got my reward, so I suppose I can go to the next...”
‘Wait a minute-nyon! I still haven’t given you the all important proof that you beat the trial. The Aquarius medal-nyon!’
“Ah...!”
I can’t believe that I almost...well, no. It was very like me to forget.
And so I accepted the medal gratefully and inspected it.
There were small star-like jewels in the center that shone as they made up the constellation.
And on the back, there was an engraving of a goddess holding a pitcher.
This...looks so cool.
Regardless of the event, I wanted to collect all and put them on display.
Why don’t they sell these in the real world?
“Now... Time to think about which labyrinth I should go to next.”
The most obvious choice was to go to the one that was the closest to Sacred Mountain Kikuri.
It would mean less time taken traveling.
Though, this meant going out into an area where my map wasn’t filled in. But that wasn’t really a problem.
During the event, the locations of the labyrinths were indicated with glowing pins, even if they were in unfilled parts of your map. And you could see your current location, as well as an arrow that showed you where to go.
So even if you weren’t familiar with the terrain, you could still just travel to the labyrinth in a straight line.
“And the closest labyrinths are Pisces and Capricorn... I think I’ll go to Capricorn then.”
Pisces was sure to be a trial related to fish, and have water.
I just went to the sea recently, and had been dealing with water a moment ago. | {
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ふ〜どないしよ?
は越えてはいけない線を越えつつあるようだ。
が腕を庇うようにして店に入ってきたのだ。なんかうっすらと血が出ているようにも見えたのでどうしたのか訊いてみた。
は「お恥ずかしいかぎりです。キラー隊の残党にやられました」と言うのだ。
そう、この前ティムに抗議にきたキラーさん、彼とはケリをつけたらしい。ティムは「我と奴とは長いこと因縁がありましたが、とうとうケリをつけました。お姉様の修行のおかげです」と可愛いことを言ってきたのだ。
俺の修行のおかげ?
ちょっと悩んだが、すぐに理解した。ティムはお店を手伝う中で俺のお客に対する真摯な姿勢を学び、真心を込めることの重要性に気づいたのだ。それを理解したティムは誠心誠意謝ったのだろう、キラーさんも許してくれたという次第だ。
ふふ、さすが俺の自慢の妹である、理解が早い。
問題なのは
はキラー隊、つまりキラーさんとここ数日、話をつけに行っていたみたいだが、今朝は腕を怪我して戻ってきたのである。キラーさんがティムを許してくれたのだ、キラーさんの友達もその時点で許してくれていると思う。だが、
はとうとう自傷行為までやらかしたのだ。自作自演である。
俺は真相がわかっている。キラーさんの友達ともそうそうに話し合いで決着はついたと思う。だが、
案の定、ティムは「ニールゼン、大事ないか?」と言っていたし、
お前! 絶対にそれが言いたいが為だろ! まったく前世の俺も大概にしろって感じだったがお前には負けそうだよ。
こんな奴、やっぱりクビかな――俺の中での天秤がそちらに傾こうとする。
だが、この数週間でわかったことがある。ティムの
なぜだ? あんな中二病で初老ニートなろくでなしをなぜなんだ!
――はっ!? まさか!
なんかに大事な妹をやるわけにはいかない。
「ティレア様、いえ、お義姉様とお呼びしたほうが良いですか?」
をこの星ごと消してやる!
の中二病に引きずられてどうする。とりあえず、一人で悩んでいてもしょうがない。本人に訊いてみるのが一番、俺はティムがいる部屋へと向かった。
「ティ〜ム、ちょっといい? 訊きたいことがあるんだけど......」
「お姉様、なんでしょう?」
「変態じゃなくてニールをどう思っている?」
「ニールゼンですか。奴は我が最も信頼する部下です」
ふむ。どうやら恋愛感情は無さそうだな。ひとまずは安心。だが、やはり信頼感が半端ない。
まさか! 俺よりも信頼しているとかそんな訳ないよね?
この前はお仕置きしちゃったし、お姉ちゃんの事嫌いになったりしてないよね?
――負けん、負けんぞ。ティムの姉として
「そ、それじゃあ、お姉ちゃんをどう思っている?」
内心びくびくもので訊いてみる。もし、ティムに信頼されていなかったら俺は嫉妬で
「お姉様は至高にして偉大なる存在。我が身も心も捧げて忠義を尽くすお方です」
「......そ、そう、えへへ」
か、勝ったのかな?
え〜ティムは中二病だ。つまり訳すと「尊敬しているよ。お姉ちゃん♪」ってところか......。
とティムの関係はよくわかった。やはり以前も思ったとおり、犬と主人の関係が一番しっくりくるかな。恋愛関係ではない、ない。
さてさてそうなると、あの自傷犬はどうするべきか?
の中二病はMAXに近づきつつあると言ってもいい。これはまずい状況である。
前世、中二病がMAXだった俺は中二病をふりかざすことで辛いこと、苦しいことからすべて逃げてきた。家族に暴力をふるう。まともに働かず屑のような生活をする。要するに周囲に大迷惑をかけて生きてきたのである。
もそのうち同じ道を歩むと思う。普通はそんな危ない奴は身近にいさせたくはない。大切な家族がいれば猶更だ。
を見捨てていいのだろうか?
今はティムが懐いてくれているみたいだが、近い将来きっとティムも
は気づく。そして後悔するだろう。なぜ自分は辛いことから逃げてきたのか、どうして真面目に働き家族を大事にしなかったのかと、まさに前世の俺状態である。
これも贖罪か......。
前世、散々周囲に迷惑をかけて生きてきたのである。自分がまともに頑張るだけでは足りない。転生した理由は後悔しない人生を歩むためだけではない。きっと同じような境遇の人を助けろって意味もあるのだろう。
のため、ティムが可愛がっている犬のため頑張るとするか! 重度の中二病である
でも社会復帰できるように指導マニュアルを考えてみる。
まずは、社会常識を教える。次に言葉遣い――やることは山ほどある。
そうして、いろいろ模索していると、
「ティレア様! ティレア様!」
犬の声が聞こえてきた。
その切羽詰まった雰囲気、また何かやらかしたか......?
「今度はな〜に? 魔王軍が攻めてきたの?」
「はっ。その通りでございます」
その通りなんかい!
どうせキラーさん関係だろう。まったくどこまでも口調は変わらないね。
「ふ〜ん、またティムが抜けた件で?」
「御意。攻め込む将ガルム。どうやらヒドラーは人間を掃討するよりこちらを重要視しているようです。もともと魔王軍は裏切り者には容赦しませんので」
そっか。ティムに文句があるのはキラーさんだけじゃなかったんだね。いくらティムのせいだからって、またティムだけに謝らせるのはちょっと可哀そうかな。クレーム対応ってけっこう神経使っちゃうしね。
ここは愛する妹のため、ティムのサポートを決意する。
「ニール、わかったわ。次は私が出る!」 | Huu~ What do I do?
These last few weeks, I’ve been guiding Pervert (Nielsen). I had thought to just overlook it no matter what kind of Chuuni things Pervert (Nielsen) did, but it seems that Nielsen’s crossed a line that mustn’t be crossed.
It all happened this morning. I entered the kitchen, thinking to cover for Pervert (Nielsen)’s skill. It kind of looked like he was bleeding a little, so I asked him what was up.
When I did, Pervert (Nielsen) said, “There is no greater shame. I was done in by the remnants of the Kira Unit.”
Right. It seems that he settled things with Kira who came a while ago to voice his objections to Timu. “He and I have had a long grudge with each other, but I have finally settled things. It was thanks to your training, elder sister,” Timu said. How cute.
Thanks to my training?
I was a little lost, but I immediately understood. Through helping out in the kitchen, she learned my diligent attitude towards customers, and realized the gravity of sincerity. Having realized that, Timu probably gave an apology from the heart, and Kira forgave her as well.
Fufu, as expected of my little sister. She’s quick on the uptake.
The problem is Pervert (Nielsen)!
Over these last few days, apparently Pervert (Nielsen) had been having a talk with the Kira Unit —in other words, Kira’s group— but this morning Pervert (Nielsen) came back with an injured arm. Kira had forgiven Timu. Kira’s friends had forgiven her at the same time too, I think. But Pervert (Nielsen) was showing off injuries; I’m sure that is to say he had been fighting with them.
In other words, Pervert (Nielsen) has finally begun to injure himself. A one-man play.
I know the truth. I think that the talk with Kira and his friends went pretty well. But, Pervert (Nielsen) is a chuunibyou, and took chuunibyou actions. In Pervert (Nielsen)’s mind, he probably saw the simple discussion with the Kira Unit as extermination. And then he came back after injuring himself, as though to say that he definitely fought.
As expected, Timu asked “Nielsen, are you all right?” after all, and Pervert (Nielsen) answered the way Pervert (Nielsen) would, and spouted, “Hmph. ‘Tis but a scratch.”
You! You definitely did that because you wanted to say that line, didn’t you! Honestly, in my past life I was pretty extreme, but I think I’ve lost to you.
Maybe I really should fire him― the scales in my mind were tipping that way.
But, there’s something that I’ve realized over these last few weeks. Timu’s trust in Pervert (Nielsen) is no joke. It’s almost like they’re a master and servant who lived through long years of sufferings and joys together.
Why? He’s an elderly chuunibyou good for nothing, so why!
―Hah-!? It couldn’t be!
Is Timu in love with Pervert (Nielsen)? No way, no way! Big sis won’t allow it!
There’s no way I could give my precious sister to that Pervert (Nielsen).
“Lady Tilea, no, would it be better if I called you Esteemed Sister-in-Law?”
Hu hu, if that happens then I’ll destroy Pervert (Nielsen) along with this planet!
No good, no good, my thoughts have been chuuni-esque. What am I going to do by getting influenced by Pervert (Nielsen)’s chuunibyou. For now, there’s nothing I can do even if I agonize over it by myself. Since asking the person herself would be best, I headed to Timu’s room.
“Ti~mu, can we talk a little? There’s a little something I’d like to ask, but...”
“Elder sister, what is it?”
“What do you think of Pervert-, I mean Nielsen?”
“Nielsen? He is my most trusted subordinate.”
Hmm. It doesn’t seem to be romantic feelings. I guess I can relax for now. But as expected, her trust is no joke.
It couldn’t be! She wouldn’t happen to trust him more than me, right?
I did give her a spanking the other day after all, but she wouldn’t come to hate big sis right?
―I won’t lose. I won’t lose, dammit. As Timu’s older sister, I don’t want to lose to Pervert (Nielsen).
“T-, Then, what do you think of big sis?”
I tried asking her, completely timid inside. If Timu doesn’t trust me, I might just go kill Pervert (Nielsen) out of jealousy.
“Elder sister is the ultimate and greatest being. The person I offer my heart and loyalty to.”
“...I-, I see, ehehe.”
D-, Did I win?
Eh~ Timu is a chuunibyou. In other words, when you translate it you get “I respect you, sis ♪” I guess...
But well, Timu’s chuunibyou is another matter so, I’ll leave it aside. For now, I understand quite well the relationship between Pervert (Nielsen) and Timu. I thought this before, but as expected they fit the dog and owner relationship the most, I guess. It isn’t a romantic one. It isn’t.
Now then, in that case, what should I do about that self-harming dog?
Timu is fond of Pervert (Nielsen). But you could say that Pervert (Nielsen) is approaching MAX chuunibyou. It’s a dangerous situation.
In my previous life, when my chuunibyou hit MAX, I used my chuunibyou to run away from everything difficult and harsh. I was violent with my family. I never worked properly, and lived as scum. In other words, I lived causing great trouble to others.
I think Pervert (Nielsen) will also head down that path before long. Normally you wouldn’t let such a dangerous guy near you. All the more if you have a precious family with you.
But is it really fine to abandon Pervert (Nielsen) like this?
Right now Timu seems fond of him, but in the near future she’ll probably abandon him. That’s what happens when you’re too much of a chuunibyou.
When it happens, Pervert (Nielsen) would be hurt. And then he’d regret. Why did he run away from things that were harsh? Why didn’t he work properly and cherish his family? It would be exactly the situation I was in during my previous life.
Is this also atonement...?
In my previous life, I lived completely troubling others. It isn’t enough just to try my best by myself. I didn’t reincarnate just to live a life that I wouldn’t regret. I’m sure that I was also born here to help those in the same circumstances.
―Alright! Then I’ll try my best for the sake of Pervert (Nielsen), for the sake of Timu’s beloved dog! I’ll think of an instruction manual that’ll rehabilitate even a serious chuunibyou like Pervert (Nielsen).
First I need to teach the common sense needed in society. Next is how to word things― there’s a mountain of things to do.
Like that, while I was exploring various options,
“Lady Tilea! Lady Tilea!”
I heard the dog’s voice calling.
Seeing that panicked atmosphere, did he mess something up again?
“What is it thisss time? Did the Demon King Army come to attack?”
“Yes. Exactly as you say.”
Exactly as I say, huh!
I bet it’s just Kira’s friends anyway. Honestly, his way of wording things never changes, huh.
“Hmmm~ Is this about Timu’s withdrawal again?”
“It is as you say. The one attacking is Demon General Garm. It seems that Hidler has placed more importance on us than on cleaning up the humans. To begin with, the Demon King Army has never forgiven traitors after all.”
I see. So it wasn’t only Kira that had problems with Timu, huh. Even if this is Timu’s fault, it’d be pitiful for Timu to do all the apologizing, wouldn’t it. It’s quite emotionally draining having to deal with complaints after all.
For the sake of my beloved sister, I decided to take care of Timu’s support.
“Niel, I’ve got it. This time I’ll go!” | {
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風呂は良い。命がさっぱりする気分だ。
もはや毎日の習慣となった浴場で湯に浸りながら、ミトロフはぼうっと水蒸気を眺めていた。全身は疲労が重く、今になってトロルとの戦いの実感を身体が理解したかのようだった。右腕の筋を痛めたのか、肘を曲げると眉を顰めてしまうために、服を脱ぐのすら困難だった。
今日、僕は死線をくぐり抜けた。それは間違いない。
浴場には今日も大勢の男たちがいる。わいのわいのと笑い合い、自分たちの仕事についてや、家族のことを話題に言葉を交わしている。
賑やかな男たちの軽やかな声を遠くに聞きながら、ミトロフは気も入らずぼけっと口を半開きにしている。
「どうした。今日はやけに腑抜けているじゃないか」
ざぶんと隣に座ったのは、獣頭の男である。すっかり顔馴染みになったミトロフは、こうして出会うたびに世間話をしている。
「......ちょっと、疲れてさ」
「勝ったか、負けたか」
突然の質問に、ミトロフは顔を向けた。
「冒険者が腑抜けるのは、強敵と戦ったあとと相場が決まっているものだ。勝つにしろ、負けて逃げ帰ったにしろ、強い緊張と死と隣り合わせの戦闘ですり減った意思力はなかなか戻らんものよ」
この男、もしかするとかなり名の知れた冒険者ではないか、とミトロフは唸った。兎にも角にも先輩には変わりなく、ミトロフが遠慮なく話ができる数少ない相手である。
「状況的には、勝った。だが......気持ちは負けた気分だ」
「ほう」
「僕の力がまったく足りてない。運よく相手は逃げたけど、あのまま戦い続けていたら、僕も仲間も死んでいたと思う」
生命力。トロルに感じた分厚い差は、その命の厚みである。
どれだけ剣を刺そうと、自分の攻撃などどれほどの意味があったのだろう。あんな魔物が、これからも増えていくとしたら。自分は果たして生き残れるだろうか。
自由と未知への好奇心によって、迷宮に挑んでいた。運よく、魔物に勝って生き残ってきた。だが今日、ミトロフは死を前にした。その死は逃げたが、まだ生き残っている。
ミトロフが迷宮に行き続ける限り、トロルはミトロフを追い続けるのかもしれない。
じゃばり、と湯から腕をあげ、獣頭の男は浴場の男たちを指でざっと示した。
「この湯場にいる冒険者を選べと言われたら、簡単に当てられるか?」
奇妙な問いだった。
ミトロフはざっと浴場を見渡した。
「あそこでぼうっとしてる人と......たぶんあっちの人もそうだ。隣で壁にもたれてる人もかな」
「うむ。そうだろうな。なぜ分かった?」
「なぜって......雰囲気、かな」
顔に冒険者と書かれてはいないが、やはりどこか市民とは違う。
獣頭の男はぐる、と喉を鳴らす。
「そう、雰囲気だな。見た目は厳つく、目つきは鋭く、どこか陰気な顔をしている。ひとりでむっつりと黙り込んで、どこをぼうっと眺めている。そういう男は、まず間違いなく冒険者だ。自分の腕にも未来にも不安を抱えている男だ」
「......未来に希望を持ってる冒険者はいないのか? 明るい顔で楽しく笑ってるとかさ」
「そういう冒険者は死んでいく」
ひどく平坦な声だった。ミトロフは目を見開いた。
「酒場で冒険者が騒ぐのは、周囲の目があり、仲間がいるからだ。堂々と振る舞わねばいかん。気弱なところなどを見せては、臆病と馬鹿にされる。だから酒を水のように飲み、不安も恐怖も麻痺させ、下世話な冗談を言う。だがひとりで湯に浸かっているときには、みな矮小な自分を見つめ直すものよ」
ミトロフは改めて浴場を見直した。
暗い顔をしている男がちらほらといる。彼らはおそらく冒険者だろう。ぐっと俯き、額に手を当て、ずっと自分の腕を掴み、それぞれに何かに思い耽っている。
ミトロフが聞き齧りの話から思い描いていた冒険者の姿とは違う。
酒を飲み、女で遊び、自由と大金を求めて迷宮に挑み、死と名誉を求める物語の姿は、どこにもない。
彼らはひとりの人間だった。
毎日を一歩ずつ丁寧に生き、仲間と笑い合い、家族の近況を報告し合う人々の、その陰でひとり思い悩む孤独な人種なのだ。
「......みんな、怖いのか」
「そうだ。みんな怖い。お前も立派に冒険者の顔をしていたぞ」
「それが冒険者というものだろう。華やかな日など、死ぬまでに何度あるか。それでも迷宮に潜り続ける阿呆だけが残っていく。お前は、何のために迷宮に潜る?」
何のために?
生きるために?
日々の食事を得るために?
わからない。
今まで、自分の人生を自分の意思で選んだことがなかった。父に命じられ、飼い殺され、人生を保留にされ、そして使い道がなくなったからと、追い出された。
迷宮に来たのもまた、父の指示だ。
この場所で私の視界に入らぬように死ねと、そう決められた。
だから迷宮に潜っているのだろうか。父に言われたから。
己の死についてすら、自分の意思はないのだろうか。
自分のことですら、ミトロフには分からなかった。
グラシエはどうなのだろう、と思った。
彼女はまったく、冒険者らしくない。現に自分は狩人だったと言っていた。
どうして迷宮に潜っているのだろう。
それを訊いてみたい。以前は彼女を気遣ったが、今なら、教えてくれるだろうか?
ミトロフはお湯を手で掬い、バシャバシャと顔に叩きつけた。 | ‘The bath feels good—I feel refreshed.’
As Mitrof soaked in the bath, which had become a daily ritual, he absent-mindedly gazed at the steam. His entire body felt heavily fatigued, and only now did he begin to feel the reality of his battle with the trolls. Perhaps he had injured his right arm muscle, as he was having difficulty even taking off his clothes due to wincing with pain when he bent his elbow.
Today, he crossed the brink of death. There is no doubt about it.
There were many men in the bathhouse today, laughing and chatting with each other about their jobs and families. They were clearly citizens who had regular jobs and lived their lives solidly, cultivating their fields like sowing seeds.
As Mitrof listened to the lively and light-hearted voices of the men in the distance, he sat with his half-open mouth, feeling out of place.
“What’s wrong?—You seem unusually sluggish today.”
The lion-head-man sat down next to him with a splash. Mitrof had become quite familiar with him and exchanged small talk with him every time they met.
“...I’m a little tired.”
“Did you win or lose?”
At the sudden question, Mitrof turned his face towards the speaker.
“It’s common for adventurers to become listless after fighting a formidable enemy—whether they win or lose and run away, the mental exhaustion from fighting against death is exhausting and not easily recovered.”
Laughing in his throat, he had the demeanor of a seasoned veteran accustomed to fighting—this man might be a well-known adventurer, Mitrof thought. Regardless, he was still a senior and one of the few people Mitrof could talk to without hesitation.
“Situationally, I won—but I feel like I lost.”
“Oh?”
“My power is nowhere near enough—If my opponent hadn’t run away, my allies and I would have died.”
The thick delta of vitality that Mitrof felt from the troll was its life force.
‘If there were more monsters like that in the future, would I even survive?’
Mitrof challenged the labyrinth because he was seeking freedom and curiosity about the unknown. Luckily, he defeated monsters and survived. But today, Mitrof faced death. Though he managed to narrowly escape, he was still alive.
As long as Mitrof continues to explore the labyrinth, the troll may continue to chase after him.
With a splash, the lion-head-man raised his arm from the bath and roughly pointed his finger at the men in the bathhouse.
“If you were told to choose who the adventurers are in this bathhouse, could you easily point them out?”
It was a strange question.
Mitrof scanned the bathhouse.
“The person over there who looks dazed... and probably that person over there too—also, the person leaning against the wall next to them.”
“Hm, that’s right—how did you know?”
“Because of... The atmosphere, I guess.”
Although it was not written on their faces, they still looked different from ordinary citizens.
The lion-head-man let out a growl in his throat.
“That’s right, it’s the atmosphere—the appearance is stern, the glance sharp, and the face somewhat gloomy—a man like that is undoubtedly an adventurer. A man who carries anxieties and uncertainties about his own future.”
“...Aren’t there any adventurers who have hope for the future?—Who smiles with a bright face and enjoys themselves?”
“Those adventurers die off.”
It was a terribly flat voice. Mitrof opened his eyes wide.
“The reason adventurers make a fuss in the bar is because there are eyes around and comrades to rely on—they must act with confidence—If they show any signs of cowardice or weakness, they will be mocked as fools. So they drink the liquor like water, numb their anxieties and fears, and make vulgar jokes. However, when they are alone soaking in the bath, they all reflect upon their own smallness.”
Mitrof reevaluated the bathhouse again.
There were men with dark faces here and there. They were probably adventurers. They bowed their heads, placed their hands on their foreheads, held onto their own arms, and were engrossed in their own thoughts.
The image of the adventurer that Mitrof had imagined based on stories was different.
Nowhere is there a story of drinking, playing with women, and seeking freedom and wealth by challenging the labyrinth for death and honor.
They were simply people.
Human beings who lived each day carefully, laughed with their companions, and reported on the well-being of their families. They were a lonely race who suffered in solitude behind the scenes.
“...Is everyone afraid?”
“Yes, everyone is afraid; you also put on a brave face as an adventurer.”
“That’s what it means to be an adventurer—how many glamorous days do you have until you die?—Only foolish people who continue to dive into the labyrinth remain—what is your purpose for going into the labyrinth?”
‘For what?
‘To survive?
‘To obtain daily meals?
‘I don’t know.’
Until now, Mitrof had never chosen his own life with his own will. He was ordered by his father, kept captive, and his life was put on hold. Then, he was driven out because he had no use left.
Even coming to the labyrinth was also his father’s instruction.
‘I was decided to die in a place that was not within their sight.
‘That’s why I entered the labyrinth, because my father told me to.
‘Do I not even have a say in my own death?’
Even Mitrof didn’t understand herself.
‘I wonder what happened to Grace.
‘She didn’t seem like an adventurer at all. In fact, she said she was a hunter.
‘Why would she be exploring the labyrinth?
‘I want to ask her about that. Before, I was concerned about her, but now, would she tell me?’
Mitrof scooped up hot water and splashed it onto his face. | {
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5百社以上において 起こっています
これだけの 技術的進歩― コンピュータ、IT、コミュニケーション テレコミュニケーション そして インターネットが あるにもかかわらずです
2つ目の謎は なぜ仕事に やりがいが持てないのか?
なぜ 従業員は皆 みじめに感じ あえて関わらないように さえしているのか?
同僚からも 距離を取り
まるで会社の利益に 反するようなことをしています
これだけ 様々な親睦行事や 祝賀会 自主活動 チームの活性化方法を学ぶ 管理職向けの リーダー養成プログラムが 用意されているにもかかわらずです
当初 私は これは― 鶏が先か卵が先かの問題だ と思いました やりがいがないから 生産性が低いのか
それとも その逆で 生産性が低いから プレッシャーをかけられ やりがいが ないのか
でも 分析を進めるうちに この2つの問題に 共通する根本原因が あることに 気付きました その要因は 経営の基礎にも関わるものです
企業というものは 2つの柱で成り立っています
「ハード」―組織、プロセス、制度
「ソフト」― 感情、心情、人間関係、性格 です 「ソフト」― 感情、心情、人間関係、性格 です
会社が 組織再編や改革をし 風土改革プログラムを 行うときには 必ず これら2つの柱を 対象とするわけです
それらを 洗練したり 組み合わせようと するわけです
真の問題は― これが2つの謎の 答えにもなるのですが― これらの柱は 時代遅れということです
ビジネス書に 書いてあるのは すべて いずれかの柱 または両方を 元にしていて
時代遅れなんです
これらのアプローチを 複雑になった今の企業に 使ったとしたら どうなるでしょうか?
「ハード」のアプローチは たいてい 戦略 要件、組織構造、プロセス 制度、KPI、実績表 委員会、本社、ハブ、クラスター などから 始めるわけです
メトリクス、インセンティブ、委員会 調整組織、インターフェイスもありますね
この左側で 何が起こっているかと言えば ビジネスに さらに 新たな複雑さが加えられています
品質、コスト、信頼性、スピードも 必要になりますが
こうした新しい要件が 追加されるたび 同じアプローチを 使っています
それを専門に行う 組織や制度を作り その新しい複雑性に 対処させます
ハードのアプローチは 単に組織を 複雑にするだけです
例をあげてみましょう
ある自動車メーカーの 技術部門が 5次元マトリクス組織 だとしましょう
そのマトリクスの マスを1つ開けると さらに20次元マトリクスが 出てきます
騒音担当 燃費担当や― 衝突防止部材担当 がいます
新しい要件が 追加されるたび それ専門の機能を作り その新しい要件と 技術者とを 調整する役目を 担わせます
新しい要件が出てくると どうなるのでしょう?
数年前 ある新しい要件が 市場で求められるように なりました 保証期間の延長です
この新しい要件で求められるのは 「修復性」とも言え 修理しやすくする ことでした
ライトの不具合で 車を修理に出しても もしエンジンを 外さなければ ライトを 触れない状況だと 車の修理が 2時間ですむところを 1週間もかかり たちまち予算も膨れ上がります
ハードのアプローチによる 解決策は何だったかというと
修復性という 新しい要件に対して 新しい機能を 作ることでした つまり 修復性担当を 置くわけです
修復性担当は 修復性を担保するための工程を作り
修復性の評価指標や メトリクスが生まれ 修復性を推進する インセンティブまで定めます
他の25のKPIを抑え 修復性がトップに躍り出ます
変動報酬制で どれくらい影響を受けるかと言えば
最大で20%で それを26のKPIで割れば 修復性に相当するのは 0.8%です
それにより どう行動が変わるでしょう? 簡素化する選択は? 何も変わりません
でも 何の影響もないことに 修復性担当を置き プロセス 成績評価を作り 他の25指標の担当とも連携します 何の効果も ないことにです
企業環境の 複雑さを前に 組織図に箱を書き入れ 指揮命令系統を 描いたところで 何も解決しません
解決策は 相互作用にあります
どのようにして 協働するかです
どう つながり 交わり シナプス結合するかです
入れ物の骨格ではなく 神経系統の問題で どのように適応し 知性を働かせられるかです
これを「協力」と 呼ぶこともできますね
皆が協力をすれば リソースも少なくてすみます 全てにおいて
修復性の問題 というのは つまるところ 協力の問題なんです
車を設計するときに 考えないといけないのは アフターセールスにおける 修理担当者たちの ニーズです
協力しなければ 余計に時間もかかり 設備も システムも チームももっと必要になります
資材調達やサプライチェーン 製造が協力しなければ 在庫も 棚卸資産も 運営資金も多く必要になります
誰がその負担を するのでしょう?
株主ですか? 消費者ですか?
負担するわけがありません
では誰が残ったかといえば 従業員です 従業員が 超個人的な努力でもって 協力不足に対する 穴埋めをしないといけないんです
ストレス 燃え尽き 重圧 事故が起こって当然です
従業員が関わりたがらないのも 分かります
協力を高めるために ハード面、ソフト面から何ができるでしょう?
ハード面から行きましょう 例えば 銀行で 事務管理部門と顧客窓口部門との間で 問題がありますが お互い協力しません どうすればいいでしょう?
ミドル・オフィス を作ります
1年後 どうなっているでしょう
事務管理・顧客窓口部門間の 1つの問題が 今や2つに なっています
事務管理とミドル・オフィス 顧客窓口とミドル・オフィスで それぞれ問題ができ
さらにミドル・オフィスでも コストが発生しています
ハードのアプローチでは 協力は高められません
ハードでは 新しい入れ物を作るだけ 骨格に骨を増やすだけです
ソフトアプローチは どうでしょう 協力させるため お互いに仲良くなり
相手への感情を 良いものにします 互いに好きであれば 協力しやすいからです
でも これは 全くの間違いです
非生産的 でさえあります
うちにはテレビが2台あります なぜでしょう?
ずばり 妻と協力しなくて いいからです
妻とトレードオフ(取引)しなくて すむようにしているんです
なぜトレードオフしないように しているかと言えば まさに 妻を愛しているからです
妻を愛していなければ テレビは1台で十分です 「お前は 僕の好きな サッカーの試合を見るんだ 嫌なら 本を読むか 出て行きなさい」というんです
お互いに 好意を持っているほど 厳しいトレードオフで 関係を締め付けるような 真実の協力は 避けるようになります
テレビを 2台にしなければ エスカレートして 調停に行ってしまいますよ
当然 これらのアプローチは 時代遅れです
複雑さに対処し 神経系統の拡張を図るため 「スマート・シンプル・アプローチ」を 編み出しました シンプルなルールを使います
1つ目のルールは 「同僚の仕事を理解する」
同僚がやっていることは何か?
既成概念に とらわれず 職務記述書に 書いてあることや 表面的なことだけでなく 本当の中身を理解するのです
設計者であれば ここにワイヤーを付ければ ライトを触るには エンジンを外さないといけないと わかります
2つ目のルールは 「まとめ役を強化する」です
まとめ役にするのは ミドル・オフィスではなく マネージャです 今いるマネージャの 権限を強化し 自らの権限で 利害関係を持ち 他者に協力させられるように するのです
どうすれば マネージャを まとめ役にできるでしょうか?
間にある階層を 取り除くのです
階層が 多すぎる場合 現場から遠くなるため KPIやメトリクスなどを必要とし 現実に対して 権限移譲も弱いものになります
現実を 理解していませんから メトリクス KPIなど 複雑なものを導入するのです
ルールをなくすことです 組織が大きければ大きいほど より多くの まとめ役が必要になります ですから ルールは 少ない方が良いのです マネージャに 裁量権を与えるんです
でも 現実は 違います 組織が大きくなるにつれ ルールを量産し
ブリタニカ辞典並みの ルールを抱えるわけです
そして「権限を拡大する」 ことも必要です 皆に権限を 委譲して 彼らの判断力や知性を 活用します
皆に もっとカードを 与えないといけません 皆が リスクを取って 協力をし 絶縁状態から 抜け出すの必要な カードを持てるように するのです
そうでなければ 皆 引きこもり 関わろうとしません
こうしたルールは ゲーム理論や 組織社会学に もとづいています
「『将来の影』を感じさせる」 こともできます
フィードバック・ループを作り 社員に 自らの行動の結果を 感じさせるのです
先ほどの自動車メーカーも これを行いました 修復性担当は意味がない と悟ったからです
設計者に こう言ったのです 「3年後 この新車が 市場に出る頃 君はアフターセールスに 異動して 保証業務予算の 責任者となるんだ もし保証予算が オーバーすることになったら 君が責任を取るんだよ」と 報酬が 0.8%変動するよりも よっぽど効果的でしょう
「相互依存を高める」 ことも必要です 自己完結してしまうような 緩衝領域を取り上げます
こうした緩衝域を 取り上げれば あなたは私の鼻を 私はあなたの耳をつかむ状況になり
協力をせざるを 得ませんから
2台目のテレビを なくすのです
職場には 2台目のテレビがたくさんあって 価値を 生み出していません ただ 機能不全を起こす 自己充足性をもたらすだけです
次に必要なのはこれです 「協力した社員に報い 協力しない社員に その責めを負わせる」
レゴ社のCEOである ヨアン・ヴィー・クヌッドストープは それをうまく使っています
彼いわくは 責められるべきは失敗ではなく 協力しないことや 協力を求められないことにあります
これにより 全てが変わります
自らの弱さや 業績見通しを さらけだすことこそ 自分の利益 になるのです 失敗しても 責められることはなく 協力を怠り 協力を求められないことで 責められるのですから
これをすることで どんな組織設計をするか いろんな示唆を 得ることができます
組織図に箱や点線 実線を 描いていくのをやめ 相互作用に 目を向けるのです
財務政策も 見直す必要が 出てくるでしょう
人材管理においても そうです
これをすることで 複雑性を管理し 事業の新しい複雑さを 管理する一方 さらなる複雑化を 避けることができます
低コストで より高い価値を生み出せ
同時に 仕事のパフォーマンスと 満足度も高まります 両者に共通して 複雑さを招く原因を 取り除いたからです
ビジネスリーダーの皆さん 複雑性とは あなた自身の戦いです
真の戦いは 競合相手に対するものではないんです
そんなのは くだらない 抽象的なものです
いつ競合相手に会って 競争をするのですか?
真の戦いは 我々自身の中にあります 官僚主義や複雑さと 戦うのです
そして これをできるのは あなただけです
ありがとうございました | Despite all the technological advances -- computers, I.T., communications, telecommunications, the Internet.
Enigma number two: Why is there so little engagement at work?
Why do people feel so miserable, even actively disengaged?
Disengaging their colleagues.
Acting against the interest of their company.
Despite all the affiliation events, the celebration, the people initiatives, the leadership development programs to train managers on how to better motivate their teams.
At the beginning, I thought there was a chicken and egg issue: Because people are less engaged, they are less productive.
Or vice versa, because they are less productive, we put more pressure and they are less engaged.
But as we were doing our analysis we realized that there was a common root cause to these two issues that relates, in fact, to the basic pillars of management.
The way we organize is based on two pillars.
The hard -- structure, processes, systems.
The soft -- feelings, sentiments, interpersonal relationships, traits, personality.
And whenever a company reorganizes, restructures, reengineers, goes through a cultural transformation program, it chooses these two pillars.
Now, we try to refine them, we try to combine them.
The real issue is -- and this is the answer to the two enigmas -- these pillars are obsolete.
Everything you read in business books is based either on one or the other or their combination.
They are obsolete.
when you try to use these approaches in front of the new complexity of business?
The hard approach, basically is that you start from strategy, requirements, structures, processes, systems, KPIs, scorecards, committees, headquarters, hubs, clusters, you name it.
I forgot all the metrics, incentives, committees, middle offices and interfaces.
What happens basically on the left, you have more complexity, the new complexity of business.
We need quality, cost, reliability, speed.
And every time there is a new requirement, we use the same approach.
We create dedicated structure processed systems, basically to deal with the new complexity of business.
The hard approach creates just complicatedness in the organization.
Let's take an example.
An automotive company, the engineering division is a five-dimensional matrix.
If you open any cell of the matrix, you find another 20-dimensional matrix.
You have Mr. Noise, Mr. Petrol Consumption, Mr. Anti-Collision Properties.
For any new requirement, you have a dedicated function in charge of aligning engineers against the new requirement.
What happens when the new requirement emerges?
Some years ago, a new requirement appeared on the marketplace: the length of the warranty period.
So therefore the new requirement is repairability, making cars easy to repair.
Otherwise when you bring the car to the garage to fix the light, if you have to remove the engine to access the lights, the car will have to stay one week in the garage instead of two hours, and the warranty budget will explode.
So, what was the solution using the hard approach?
If repairability is the new requirement, the solution is to create a new function, Mr. Repairability.
And Mr. Repairability creates the repairability process.
With a repairability scorecard, with a repairability metric and eventually repairability incentive.
That came on top of 25 other KPIs.
What percentage of these people is variable compensation?
Twenty percent at most, divided by 26 KPIs, repairability makes a difference of 0.8 percent.
What difference did it make in their actions, their choices to simplify? Zero.
But what occurs for zero impact? Mr. Repairability, process, scorecard, evaluation, coordination with the 25 other coordinators to have zero impact.
Now, in front of the new complexity of business, the only solution is not drawing boxes with reporting lines.
It is basically the interplay.
How the parts work together.
The connections, the interactions, the synapses.
It is not the skeleton of boxes, it is the nervous system of adaptiveness and intelligence.
You know, you could call it cooperation, basically.
Whenever people cooperate, they use less resources. In everything.
You know, the repairability issue is a cooperation problem.
When you design cars, please take into account the needs of those who will repair the cars in the after sales garages.
When we don't cooperate we need more time, more equipment, more systems, more teams.
We need -- When procurement, supply chain, manufacturing don't cooperate we need more stock, more inventories, more working capital.
Who will pay for that?
Shareholders? Customers?
No, they will refuse.
So who is left? The employees, who have to compensate through their super individual efforts for the lack of cooperation.
Stress, burnout, they are overwhelmed, accidents.
No wonder they disengage.
How do the hard and the soft try to foster cooperation?
The hard: In banks, when there is a problem between the back office and the front office, they don't cooperate. What is the solution?
They create a middle office.
What happens one year later?
Instead of one problem between the back and the front, now I have two problems.
Between the back and the middle and between the middle and the front.
Plus I have to pay for the middle office.
The hard approach is unable to foster cooperation.
It can only add new boxes, new bones in the skeleton.
The soft approach: To make people cooperate, we need to make them like each other.
Improve interpersonal feelings, the more people like each other, the more they will cooperate.
It is totally wrong.
It is even counterproductive.
Look, at home I have two TVs. Why?
Precisely not to have to cooperate with my wife.
Not to have to impose tradeoffs to my wife.
And why I try not to impose tradeoffs to my wife is precisely because I love my wife.
If I didn't love my wife, one TV would be enough: You will watch my favorite football game, if you are not happy, how is the book or the door?
The more we like each other, the more we avoid the real cooperation that would strain our relationships by imposing tough tradeoffs.
And we go for a second TV or we escalate the decision above for arbitration.
Definitely, these approaches are obsolete.
To deal with complexity, to enhance the nervous system, we have created what we call the smart simplicity approach based on simple rules.
Simple rule number one: Understand what others do.
What is their real work?
We need to go beyond the boxes, the job descriptions, beyond the surface of the container, to understand the real content.
Me, designer, if I put a wire here, I know that it will mean that we will have to remove the engine to access the lights.
Second, you need to reenforce integrators.
Integrators are not middle offices, they are managers, existing managers that you reinforce so that they have power and interest to make others cooperate.
How can you reinforce your managers as integrators?
By removing layers.
When there are too many layers people are too far from the action, therefore they need KPIs, metrics, they need poor proxies for reality.
They don't understand reality and they add the complicatedness of metrics, KPIs.
By removing rules -- the bigger we are, the more we need integrators, therefore the less rules we must have, to give discretionary power to managers.
And we do the opposite -- the bigger we are, the more rules we create.
And we end up with the Encyclopedia Britannica of rules.
You need to increase the quanitity of power so that you can empower everybody to use their judgment, their intelligence.
You must give more cards to people so that they have the critical mass of cards to take the risk to cooperate, to move out of insulation.
Otherwise, they will withdraw. They will disengage.
These rules, they come from game theory and organizational sociology.
You can increase the shadow of the future.
Create feedback loops that expose people to the consequences of their actions.
This is what the automotive company did when they saw that Mr. Repairability had no impact.
They said to the design engineers: Now, in three years, when the new car is launched on the market, you will move to the after sales network, and become in charge of the warranty budget, and if the warranty budget explodes, it will explode in your face. Much more powerful than 0.8 percent variable compensation.
You need also to increase reciprocity, by removing the buffers that make us self-sufficient.
When you remove these buffers, you hold me by the nose, I hold you by the ear.
We will cooperate.
Remove the second TV.
There are many second TVs at work that don't create value, they just provide dysfunctional self-sufficiency.
You need to reward those who cooperate and blame those who don't cooperate.
The CEO of The Lego Group, Jorgen Vig Knudstorp, has a great way to use it.
He says, blame is not for failure, it is for failing to help or ask for help.
It changes everything.
Suddenly it becomes in my interest to be transparent on my real weaknesses, my real forecast, because I know I will not be blamed if I fail, but if I fail to help or ask for help.
When you do this, it has a lot of implications on organizational design.
You stop drawing boxes, dotted lines, full lines; you look at their interplay.
It has a lot of implications on financial policies that we use.
On human resource management practices.
When you do that, you can manage complexity, the new complexity of business, without getting complicated.
You create more value with lower cost.
You simultaneously improve performance and satisfaction at work because you have removed the common root cause that hinders both.
Complicatedness: This is your battle, business leaders.
The real battle is not against competitors.
This is rubbish, very abstract.
When do we meet competitors to fight them?
The real battle is against ourselves, against our bureaucracy, our complicatedness.
Only you can fight, can do it.
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女性報道写真家という仕事は この地方の慣習に対する 重大な侮辱とみなされ 私と家族に対して 消えることのない汚名が 着せられたのです
男性優位のこの分野では私の存在を あらゆる手段で封じようとしました
女は男の仕事をしてはならないと きつく言われました
ガザの報道写真業界からは 訓練を拒まれました 女だからという理由です
きっぱりと「ノー」と言われたのです
同僚の3人が 私を空爆の現場に連れて行きました そこで聞こえて来るのは 炸裂する爆音だけでした
粉塵が舞い上がり 足元がふらつく程 大地がぐらぐらと揺れていました
ここに仕事のために来たのではないと 気づいたのは 同僚の3人が装甲ジープに戻り 私を空爆のただ中に残して あざ笑いながら手を振って 走り去った時です
一瞬の間 恐怖と 惨めさと後悔に襲われました
同僚たちの行為と似たような 命に関わる脅迫はそれまでもありましたが この時の恐怖とは 比較になりませんでした
ガザにおける女性の立場は 弱いものです
最近まで多くの女性は 就業や教育を 許されませんでした
女性に課された社会的制約と パレスチナ問題という 二重の戦いのもとでは 女性の話は良いものも悪いものも 消え入ってしまいます
男にとって女の話は 取るに足らないものと見なされました 私はガザの女性達の生き方に
注目するようになりました 私は女性であることから 同僚たちが禁じられた場所にも行けました
目に見える苦痛と闘いを越えたところには 笑い声や達成感を得て 健やかに心晴れる ひとときもあります
ガザでの最初の戦闘中 警察署の前でのことです イスラエル側の空爆で建物が崩壊し 私は鼻を骨折しました
その瞬間目にしたのは 白く眩しい光だけでした ちょうどこの照明のようでした
心の中で 目が見えなくなったか 天国に行ったかと思いました
かろうじて目を開けることができた時 この瞬間を捕らえたのです
ムハンマド・カダールは パレスチナの労働者で 20年間イスラエルで働きました 退職の際 かねての計画通り 4階建ての家を建てることに決めました 自宅近くで行われた最初の戦闘で 彼の家は崩壊しました
残ったのは彼が育てた鳩と テル・アビブから買って帰った ジャグジー付きのバスタブだけでした
ムハンマドはバスタブを がれきの上に置いて 子どもたちに 毎朝バブルバスを楽しませました
私の仕事は戦争の傷を隠すことではなく 誰も知らないガザの住人たちの 日常を余すところなく知らせることです
パレスチナ生まれの女性写真家として 日々を闘い 生き抜くことから力を得て この社会の抱えるタブーを克服し 戦いとその余波の知られざる側面を 報じています
目撃者としての私は選ばねばなりません 逃げるのか 留まるのか
ありがとうございました | My work as a woman photographer was considered a serious insult to local traditions, and created a lasting stigma for me and my family.
The male-dominated field made my presence unwelcome by all possible means.
They made clear that a woman must not do a man's job.
Photo agencies in Gaza refused to train me because of my gender.
The "No" sign was pretty clear.
Three of my colleagues went as far as to drive me to an open air strike area where the explosion sounds were the only thing I could hear.
Dust was flying in the air, and the ground was shaking like a swing beneath me.
I only realized we weren't there to document the event when the three of them got back into the armored Jeep and drove away, waving and laughing, leaving me behind in the open air strike zone.
For a moment, I felt terrified, humiliated, and sorry for myself.
My colleagues' action was not the only death threat I have received, but it was the most dangerous one.
The perception of women's life in Gaza is passive.
Until a recent time, a lot of women were not allowed to work or pursue education.
At times of such doubled war including both social restrictions on women and the Israeli-Palestinian conflict, women's dark and bright stories were fading away.
To men, women's stories were seen as inconsequential. I started paying closer attention to women's lives in Gaza.
Because of my gender, I had access to worlds where my colleagues were forbidden.
Beyond the obvious pain and struggle, there was a healthy dose of laughter and accomplishments.
In front of a police compound in Gaza City during the first war in Gaza, an Israeli air raid managed to destroy the compound and break my nose.
For a moment, all I saw was white, bright white, like these lights.
I thought to myself I either got blind or I was in heaven.
By the time I managed to open my eyes, I had documented this moment.
Mohammed Khader, a Palestinian worker who spent two decades in Israel, as his retirement plan, he decided to build a four-floor house, only by the first field operation at his neighborhood, the house was flattened to the ground.
Nothing was left but the pigeons he raised and a jacuzzi, a bathtub that he got from Tel Aviv.
Mohammed got the bathtub on the top of the rubble and started giving his kids an every morning bubble bath.
My work is not meant to hide the scars of war, but to show the full frame of unseen stories of Gazans.
As a Palestinian female photographer, the journey of struggle, survival and everyday life has inspired me to overcome the community taboo and see a different side of war and its aftermath.
I became a witness with a choice: to run away or stand still.
Thank you. | {
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私には 大変興味深いトピックです
その理由は この依頼を受けた時に ある論文を読み終えたばかりでした 詳細は忘れたものの Facebook社の誰かが 「実名公開の義務化」を提案しました
そうすれば基本的に 全てが解決するそうです
しかし それは間違っています この本人確認に対する 保守的な見解のせいで あらゆるトラブルに 巻き込まれるのです
そういう訳で 4つの問題点を説明し その解決方法を提案したいと思います ご興味を持っていただければ幸いです
問題を捉えるためにはまず そもそも 本物とは何でしょうか?
これは私が絵を見ているところを 携帯カメラで 撮影したものです
[それで?] 実はこの絵は悪名高い 贋作家が描いた作品なのです ― 私はプレゼンが苦手なので カードにある 名前をすっかり忘れてしまいました ―
その画家はフランスの印象派といったような 名作を模倣したかどで ウェイクフィールド刑務所に入れられました
彼は腕が良かったので 刑務所にいる時に 刑務所の所長や誰もが 壁に飾る名画を 描いてもらいたがりました
これは名作ではありますが 名作の贋作であり キャンバスには 真正の贋作と表示されているわけです お分かりいただけたでしょうか?
私達が本物について語る時 見た目よりもフラクタルだとわかる 良い見本だと思います
4つの適切な例を示したいと 思います
最初の問題は チップとPINについてですね
[銀行とシステム崩壊を招くレガシー ] [オフライン解決策] 皆さん IC付きカードをお持ちですよね
なぜ 例として挙げるのでしょうか?
これは本人確認の従来の考え方が システム構築のセキュリティを いかに破壊しているかを示す好例だからです
お手元にある このIC付きカードには 何百万ポンドもかけて開発した 小さな IC が載っていて 安全そのものです 電子顕微鏡で調べたり バラバラにすることはできても
新聞で読む限り このチップは解読されたことがありません
これは冗談ですが 私達はこの非常に安全なチップを わざわざ偽造が容易な 磁力テープに貼り付け ナマケモノの犯罪者のために エンボス加工しています
つまり 犯罪者が大急ぎで 誰かのカードをコピーしようとする場合 カードに紙を乗せて 鉛筆でこすればいいのです そういった類のスピード技です
これは興味深いことに 私のデビットカードも同様です 名前やSALTコードなどが 表面に書かれています
なぜでしょうか?
IC 付きカードに名前を記すのに 現実的な理由はありません
そう考えてみると これは予想より はるかに根が深い問題です
カードの記名で得するのは 犯罪者だけだからです
だって自分の名はご存知ですよね?
出かけていって 買い物をした時に 重要なのはPINであって 名前ではないでしょう
カードの裏に名前が必須なのは 今のところアメリカだけです
私はアメリカに行って 磁気ストライプのカードで払う時は カルロス・テザーズとサインしています 単なるセキュリティ対策ですが デイブ・バーチというサインがあれば カードの不正使用になります 私はデイブ・バーチと サインしないので犯罪者だと分かります
もし カードを道に落としてしまい それを犯罪者が拾えば 読めるのです
名前が分かれば そこから住所を探して ウェブで買い物をできるわけです
ではなぜ カードに名前を入れるのでしょうか?
個人認証は名前と関係していると考えているからで IDカードの概念に捕らわれ 逃れられないからです
それは数年前におじゃんになりましたが もし あなたが政治家や個人事業主であり IDを考えるなら カードに書かれた名前だけで 個人認証を考えるのは
現在ではとても致命的です
2番目の例は チャットルームです
[チャットと子供] 自慢の息子の写真です 友達とバンドの最初のギグを 行っているところで お金を稼いでいるところです
この写真は気に入っています
これで医学部に 遥かに入りやすくなるでしょうからね さしあたり この写真は気に入っているのです
なぜそれを使うのか?
保護者の立場から この経験をみると興味深いからです
息子と友人達は集まって 教会のホールなどの部屋を予約して バンドを組んでいる友人を かき集めるといったことを facebookで行うのです チケットを売り 「メニュー」なるものに最初のバンドが載ります メニューは相応しい 言い回しではありませんが
最上位のバンドは 公の場所で演奏したこともあるようなバンドでしたが チケット20枚分の売上をもらえます 次のバンドは次の20枚の売上を 受けとるわけです
メニューの下位の5番目で 息子たちに機会はないと思いましたが
実際は20ポンド稼ぎました 凄いでしょう?
要するにウェプ以外は
うまくいったのです 子供達はFacebookで メッセージをやり取りして あれこれアレンジしましたが 相手は誰だかわからないわけですね?
これが解決したい問題なのです
誰もが本名を使うとすれば インターネットで心配する事は ありません
だから息子が私に 「ギターの話をチャットルームでしたいんだ」と 言ったときは 「だめだ チャットルームで ギターの話をするのはいかん メンバーは友達だけじゃないからな 変質者や教師や牧師も いるかもしれないんだからな
こういったことを新聞でよく 読みますよね?
私はチャットルームにいるのが 誰かを知りたい
チャットルームに行ってもいいのは 誰もが本名を使っていて 犯罪歴も公開した時だけだ
もちろん そこで息子が誰かに本名を聞かれたら 私はダメだと言います 本名なんて明かせません
もし 相手が変質者や 先生だったりしたら どうなるでしょうか
奇妙なパラドックスなのです その場にいるのが 誰かが分かっていれば 息子にチャットルームを利用させますが
子供に本名は明かしてほしくないのです 誰と話しているのかは知りたいのに 自分のことは伏せておく-
個人認証の限界なのです ここには進展はなく 行き詰ります
チャットルームはうまくいかないし 個人認証を考える上では 良くない方法です
RSSフィードについて 私は批判的なことを言いましたが
そういうことは止めるべきです
どういう訳だかわかりませんが 受信トレイにチアリーダーに関するものがあり
それで読んでみたわけです 実に興味深い話でした
2年前に米国で起こったことでした
米国の高校のチアリーダー達が チアリーディングコーチの 悪口を言いました 子供はよく先生の悪口を言いますよね 子供はよく先生の悪口を言いますよね コーチはそれを見つけて
非常に腹を立てました
そこで生徒の一人に 「Facebookの パスワードを 渡しなさい」と言ったのです
教育現場で- 大学でさえ起こります 教育現場で- 大学でさえ起こります facebookのパスワードを
子供達は渡すしかなかったのです
子供ですからね!
本当に言うべきだったのは 「朝一番で弁護士が
電話します これは修正案4条の 明らかな侵害です 私のプライバシーの権利の侵害です 賠償請求します」 賠償請求します」
こう言うべきでした
でも子供ですから パスワードを渡したのです
その先生は学校からはログインできません 学校はfacebookを ブロックしているからです
家に帰るまでは ログインできません
その少女は友達に呼びかけ どうしたか?
先生がログインする前に
自分たちの携帯でログインして プロファイルを削除したのです
先生がログインした時には 何も残っていませんでした
要するにIDに対する考え方の違いです
特に十代の子達にとって IDは流動的であり
幾つもあるものです
ひとつでは満足しません 気に入らなくなったり 危険だったり 不適切になれば 削除して新しいのを 手に入れればいいのです
お仕着せの政府などが発行したIDを どこでも使用するという考え方は 完全に間違っています
Facebookにいる人が 誰かなんて 嫌がらせをするわけでなければ どうでもいいことです
これではうまくいきません
4つめの事例は きっと皆さんが関心を持つでしょう 4つめの事例は きっと皆さんが関心を持つでしょう G20の抗議デモのときの私の写真です [スライド上]
実際はデモに参加したのではなく G20デモの日に銀行で 会議があったんです 銀行からメールが届きました デモ参加者を刺激しないよう スーツを着用しないでということでした
でも私はスーツ姿の方が映えます 何がデモ参加者を反資本主義の狂気に 駆り立てるのが分かります
そこで考えました
デモ参加者を刺激したくなければ すべきことは 周りと同じ服装をすることです
黒ずくめの服装- 黒の目出し帽に 手袋をしました 訪問者帳を書く時は外しますけど
黒いズボンとブーツで 完全に黒ずくめの格好です
10時に銀行に行って 「デイブ・バーチですが 3時に約束しています」
受付で記帳して
訪問者バッジをもらいました
Facebook で本名を 名乗らせようというナンセンスの先に こういったセキュリティがあるのです
見せかけのセキュリティであり 本物ではありません でもこういったことを セキュリティ面で演じているのです
セリフを覚えていれば 皆安泰です
でもこれは本当のセキュリティでは ありません
特に私は銀行側で働いているので G20デモ参加者よりも 銀行を嫌っています
実際 銀行側の考えている事の方が よっぽどひどいですよ
しかし 銀行で何かをしている人の隣で 働いているとします しかし 銀行で何かをしている人の隣で 働いているとます
悪いトレーダーの隣にいるとします 銀行の上司にそのことを 報告したいと思って
内部告発のためログオンして
こいつは悪いトレーダーだと メッセージを送信しても
私がこの銀行のトレーダーだと 分からなければ このメッセージは意味がありません
差出人不明のメッセージが届いても その情報価値はゼロですから
メッセージを送信する意味がありません
しかし自分が誰であるかを 証明しなければならないとしたら メッセージは送りませんね
病院の看護士が酔っぱらいの外科医を 告発するのと同じです
匿名であればメッセージを 送るでしょう
ですから システムが 匿名性を与えなくては 必要なことは得られないのです
これが4つの問題ですが どう対処したらよいのでしょうか?
ここでやりがちなことは オーウェルの世界を思い浮かべることです
1953年に廃止したIDカードの その電子版を試してみましょう
カードを持っていたとすると facebookログインで 身元を証明します それを常に携帯すれば 問題は解決です
もちろん私が今お話ししたこと全てを 解決するわけではなく 状況悪化も有り得ます
トランザクションで 自分のIDを使うよう 強制されることが多くなれば 個人情報を盗まれる 可能性は増します
トランザクションでは 本当は必要のない IDを使わなくするのが目的です トランザクションの大半はそうです
大半のトランザクションで 自分の個人情報を 明かすことはないのです
必要なときは 自動車の運転許可とか ビルへの入館許可とか 18才以上の証明 などの場合ですね
ここで私の提案は ジェームズのように R&Dへの興味の復活であり
解決できるのです
私達に可能なことです
この状況ですから 当然 ドクター・フーに頼ります
なぜなら この中では 様々な職業で ドクター・フーが既に答えを 教えてくれていますからね
そうですね 海外から来られた方のために言うと ドクター・フーは英国一の科学者です 真実と啓蒙の担い手でもあります
これがドクターフーと サイキックペーパーです
サイキックペーパーは ご存じでしょう
イエスでも おたくではありませんよ
サイキックペーパーを見たことある人は?
いつも図書館で勉強ばかり しているんだね
今から説明しますよ
サイキックペーパーは この紙を人にかざすと その人の脳に働きかけて 必要な物のように見せるのです
英国パスポートが必要な場合 サイキックペーパーが 君にはパスポートに見えるんだ
パーティに行きたければ サイキックペーパーを示せば それが招待状に見えるわけだ
見せたい物に見えるんだ
この電子版が必要だという訳です ほんの少し変更を加えて 本当に持っているなら 英国パスポートに見せればよい 実際に持っていれば
パーティの招待状に見せるだけ 私が18才以上ならば それを証明するだけです
それだけでいいんです
パブの警備員が 年齢が18才以上だと確認する場合 私が運転免許を見せると 運転ができることと 名前や住所などまで分かりますが サイキックペーパーならば 私が18才以上かどうかだけを 示すわけです
そういったことです
空想的な考えでしょうか?
いいえ だからお話ししたのです
それをうまく機能させるためには 詳しくは触れませんが これから挙げていきます あらゆる問題を解決する 皆が使えるインフラとして 構築していく計画が必要です 構築していく計画が必要です
私たちはユーティリティを作るつもりです 誰でも どこでも使用可能なものです 誰でも どこでも使用可能なものです ちょっとその一例を お見せしましょう
これは日本のATMで 携帯の内部に指紋の情報が 保存されています
お金を引き出す時は ATMに携帯をかざして 指で触れれば あなたの指紋が電話へ 取り込まれ 携帯が認証等を行い 誰でも ATMでお金を出せます
どこでも使える ユーティリティでなくてはなりません
たいへん便利で パブにも持って行けるものです
パブの入口で必要なのは 18才以上でパブに入れるかを 確認する装置です
アイディアとしては IDカードを戸口でタッチして 認証されれば 私の写真が示され だめなら 赤いバツ印が現れる
それ以外の情報は公開しません
特別なツールはいりません
私も賛同している ロスの発言に続けば 答えは一つです
特殊なツールは不要で 携帯上で機能させればいい
それが唯一の選択です 携帯で機能させればいい
66億台の携帯が 利用されています
私のお気に入りの統計によると 歯ブラシを使うのはたったの40億人です
これが意味する事は 何だかわかりませんが
私は未来主義者が 拡張型ユーティリティについて 教えてくれるのを頼りにしています
既存のユーティリティの上に
誰でも構築できるものです
誰でもこのインフラを使えて 許可やライセンス等は不要であり 誰でもそのコーディングができることです
対称性は有名ですから 図解は必要はありませんね
この方法をとりましょう
近接型ICカード代わりに 携帯を使って
実現するのです 実装すべきテクノロジーを ご提案しています サイキックペーパーは 既に現実です バークレイ銀行の新しい非接触型の デビットカードがあれば 既にこの技術を手にしています
大都市に行って オイスターカードを使うといえば ピンとくるでしょう?
技術はあります この技術を組み込んだ
最初の携帯は Google NexusやS2 サムスンWifi 7.9です この技術を組み込んだ 最初の携帯は既に
販売されています ガスの検査員が 私の母の家を訪問して 携帯を母に示して 母の携帯でタップした時 ブリティッシュガスの社員なら 青信号がともり 承認されますが 赤信号なら 終わりです
この技術は存在しています
それ以上に いくつかの例は直観に反して 聞こえますが 個人情報を明かすことなく 18才以上と証明することは 暗号技術として存在するだけでなく よく知られ 浸透しています
デジタル署名や公開鍵証明による 匿名化です 技術は普及していたものの それをまとめる方法がなかったのです
この技術は既に存在しています
実際に機能しています この技術が実験的に使われたことが 数例あります
これはハイド・パークの ワイヤレス・フェスティバルで Q2システム搭載したロンドン・ファッションウィークです ご覧のように人々が VIPバンドを着けて入場します ノキアの携帯で 読取り チェックします
お見せするためだけに 入れています 珍しいものではなく あらゆる環境で機能しています
特別なことではありません
これが実現可能なことがわかるのは ドクター・フーのエピソードですが イースター特番では 彼はバスで火星に行きました 留学生のために繰り返しますが いつもの事ではありません
これは特殊なケースです
ロンドンバスで火星に 行くエピソードですが このクリップはお見せできません BBCによるアン女王式の 厳しい著作権保護のためです ロンドンバスで火星に行く このエピソードでは ドクター・フーは明らかに オイスターカード対応バスで サイキックペーパーを使っています
これで MSEインターフェイスを 搭載していることが分かります
ありがとうございました | That's sort of an interesting enough topic to me.
And the reason was, because when I was asked to do this, I'd just read, in one of the papers, I can't remember, something from someone at Facebook saying, well, "we need to make everybody use their real names."
and then that's basically all the problems solved.
And that's so wrong, that's such a fundamentally, reactionary view of identity, and it's going to get us into all sorts of trouble.
And so what I thought I'd do is I'll explain four sort of problems about it, and then I'll suggest a solution, which hopefully you might find interesting.
So just to frame the problem, what does authenticity mean?
That's me, that's a camera phone picture of me looking at a painting.
[What's the Problem?] That's a painting that was painted by a very famous forger, and because I'm not very good at presentations, I already can't remember the name that I wrote on my card.
And he was incarcerated in, I think, Wakefield Prison for forging masterpieces by, I think, French Impressionists.
And he's so good at it, that when he was in prison, everybody in prison, the governor and whatever, wanted him to paint masterpieces to put on the walls, because they were so good.
And so that's a masterpiece, which is a fake of a masterpiece, and bonded into the canvas is a chip which identifies that as a real fake, if you see what I mean.
So when we're talking about authenticity, it's a little more fractal than it appears and that's a good example to show it.
I tried to pick four problems that will frame the issue properly.
So the first problem, I thought, Chip and PIN, right?
[Banks and legacies bringing down the system from within] [Offline solutions do not work online] I'm guessing everyone's got a chip and PIN card, right?
So why is that a good example?
That's the example of how legacy thinking about identity subverts the security of a well-constructed system.
That chip and PIN card that's in your pocket has a little chip on it that cost millions of pounds to develop, is extremely secure, you can put scanning electron microscopes on it, you can try and grind it down, blah blah blah.
Those chips have never been broken, whatever you read in the paper.
And for a joke, we take that super-secure chip and we bond it to a trivially counterfeitable magnetic stripe and for very lazy criminals, we still emboss the card.
So if you're a criminal in a hurry and you need to copy someone's card, you can just stick a piece of paper on it and rub a pencil over it just to sort of speed things up.
And even more amusingly, and on my debit card too, we print the name and the SALT code and everything else on the front too.
Why?
There is no earthly reason why your name is printed on a chip and PIN card.
And if you think about it, it's even more insidious and perverse than it seems at first.
Because the only people that benefit from having the name on the card are criminals.
You know what your name is, right?
And when you go into a shop and buy something, it's a PIN, he doesn't care what the name is.
The only place where you ever have to write your name on the back is in America at the moment.
And whenever I go to America, and I have to pay with a mag stripe on the back of the card, I always sign it Carlos Tethers anyway, just as a security mechanism, because if a transaction ever gets disputed, and it comes back and it says Dave Birch, I know it must have been a criminal, because I would never sign it Dave Birch.
So if you drop your card in the street, it means a criminal can pick it up and read it.
They know the name, from the name they can find the address, and then they can go off and buy stuff online.
Why do we put the name on the card?
Because we think identity is something to do with names, and because we're rooted in the idea of the identity card, which obsesses us.
And I know it crashed and burned a couple of years ago, but if you're someone in politics or the home office or whatever, and you think about identity, you can only think of identity in terms of cards with names on them.
And that's very subversive in a modern world.
So the second example I thought I'd use is chatrooms.
[Chatrooms and Children] I'm very proud of that picture, that's my son playing in his band with his friends for the first-ever gig, I believe you call it, where he got paid.
And I love that picture.
I like the picture of him getting into medical school a lot better, I like that picture for the moment.
Why do I use that picture?
Because that was very interesting, watching that experience as an old person.
So him and his friends, they get together, they booked a room, like a church hall, and they got all their friends who had bands, and they got them together, and they do it all on Facebook, and then they sell tickets, and the first band on the - I was going to say "menu," that's probably the wrong word for it, isn't it?
The first band on the list of bands that appears at some public music performance of some kind gets the sales from the first 20 tickets, then the next band gets the next 20, and so on.
They were at the bottom of the menu, they were like fifth, I thought they had no chance.
He actually got 20 quid. Fantastic, right?
except on the web.
So they're sitting on Facebook, and they're sending these messages and arranging things and they don't know who anybody is, right?
That's the big problem we're trying to solve.
If only they were using the real names, Then you wouldn't be worried about them on the Internet.
And so when he says to me, "Oh, I want to go to a chatroom to talk about guitars" or something, I'm like, "oh, well, I don't want you to go into a chatroom to talk about guitars, because they might not all be your friends, and some of the people that are in the chatroom might be perverts and teachers and vicars."
I mean, they generally are, when you look in the paper, right?
So I want to know who all the people in the chatroom are.
So okay, you can go in the chatroom, but only if everybody in the chatroom is using their real names, and they submit full copies of their police report.
But of course, if anybody in the chatroom asked for his real name, I'd say no. You can't give them your real name.
Because what happens if they turn out to be perverts, and teachers and whatever.
So you have this odd sort of paradox if I know who everybody else is, but I don't want anybody else to know who he is.
And so you get this sort of logjam around identity where you want full disclosure from everybody else, but not from yourself.
And there's no progress, we get stuck.
And so the chatroom thing doesn't work properly, and it's a very bad way of thinking about identity.
So on my RSS feed, I saw this thing about - I just said something bad about my RSS feed, didn't I?
I should stop saying it like that.
For some random reason, I can't imagine, something about cheerleaders turned up in my inbox.
And I read this story about cheerleaders, and it's a fascinating story.
This happened a couple of years ago in the U.S.
There were some cheerleaders in a team at a high school in the U.S., and they said mean things about their cheerleading coach, as I'm sure kids do about all of their teachers all of the time, and somehow the cheerleading coach found out about this.
She was very upset.
And so she went to one of the girls, and said, "you have to give me your Facebook password."
I read this all the time, where even at some universities and places of education, kids are forced to hand over their Facebook passwords.
So you've got to give them your Facebook password.
She was a kid!
What she should have said is, "my lawyer will be calling you first thing in the morning.
It's an outrageous imposition on my 4th Amendment right to privacy, and you're going to be sued for all the money you've got."
That's what she should have said.
But she's a kid, so she hands over the password.
The teacher can't log into Facebook, because the school has blocked access to Facebook.
So the teacher can't log into Facebook until she gets home.
So the girl tells her friends, guess what happened?
The teacher logged in, she knows.
So the girls just all logged into Facebook on their phones, and deleted their profiles.
And so when the teacher logged in, there was nothing there.
My point is, those identities, they don't think about them the same way.
Identity is, especially when you're a teenager, a fluid thing.
You have lots of identities.
And you can have an identity, you don't like it, because it's subverted in some way, or it's insecure, or it's inappropriate, you just delete it and get another one.
The idea that you have an identity that's given to you by someone, the government or whatever, and you have to stick with that identity and use it in all places, that's absolutely wrong.
Why would you want to really know who someone was on Facebook, unless you wanted to abuse them and harass them in some way?
And it just doesn't work properly.
And my fourth example is there are some cases where you really want to be - In case you're wondering, that's me at the G20 protest.
I wasn't actually at the G20 protest, but I had a meeting at a bank on the day of the G20 protest, and I got an email from the bank saying please don't wear a suit, because it'll inflame the protesters.
I look pretty good in a suit, frankly, so you can see why it would drive them into an anti-capitalist frenzy.
So I thought, well, look.
If I don't want to inflame the protesters, the obvious thing to do is go dressed as a protester.
So I went dressed completely in black, you know, with a black balaclava, I had black gloves on, but I've taken them off to sign the visitor's book.
I'm wearing black trousers, black boots, I'm dressed completely in black.
I go into the bank at 10 o'clock, go, "Hi, I'm Dave Birch, I've got a 3 o'clock with so and so there."
Sure. They sign me in.
There's my visitor's badge.
So this nonsense about you've got to have real names on Facebook and whatever, that gets you that kind of security.
That gets you security theater, where there's no actual security, but people are sort of playing parts in a play about security.
And as long as everybody learns their lines, everyone's happy.
But it's not real security.
Especially because I hate banks more than the G20 protesters do, because I work for them.
I know that things are actually worse than these guys think.
But suppose I worked next to somebody in a bank who was doing something.
Suppose I was sitting next to a rogue trader, and I want to report it to the boss of the bank.
So I log on to do a little bit of whistleblowing.
I send a message, this guy's a rogue trader.
That message is meaningless if you don't know that I'm a trader at the bank.
If that message just comes from anybody, it has zero information value.
There's no point in sending that message.
But if I have to prove who I am, I'll never send that message.
It's just like the nurse in the hospital reporting the drunk surgeon.
That message will only happen if I'm anonymous.
So the system has to have ways of providing anonymity there, otherwise we don't get where we want to get to.
So four issues. So what are we going to do about it?
Well, what we tend to do about it is we think about Orwell space.
And we try to make electronic versions of the identity card that we got rid of in 1953.
So we think if we had a card, call it a Facebook login, which proves who you are, and I make you carry it all the time, that solves the problem.
And of course, for all those reasons I've just outlined, it doesn't, and it might, actually, make some problems worse.
The more times you're forced to use your real identity, certainly in transactional terms, the more likely that identity is to get stolen and subverted.
The goal is to stop people from using identity in transactions which don't need identity, which is actually almost all transactions.
Almost all of the transactions you do are not, who are you?
They're, are you allowed to drive the car, are you allowed in the building, are you over 18, etcetera, etcetera.
So my suggestion-I, like James, think that there should be a resurgence of interest in R & D.
I think this is a solvable problem.
It's something we can do about.
Naturally, in these circumstances, I turn to Doctor Who.
Because in this, as in so many other walks of life, Doctor Who has already shown us the answer.
So I should say, for some of our foreign visitors, Doctor Who is the greatest living scientist in England, and a beacon of truth and enlightenment to all of us.
And this is Doctor Who with his psychic paper.
Come on, you guys must have seen Doctor Who's psychic paper.
You're not nerds if you say yes.
Who's seen Doctor Who's psychic paper?
Oh right, you were in the library the whole time studying I guess.
Is that what you're going to tell us?
Doctor Who's psychic paper is when you hold up the psychic paper, the person, in their brain, sees the thing that they need to see.
So I want to show you a British passport, I hold up the psychic paper, you see a British passport.
I want to get into a party, I hold up the psychic paper, I show you a party invitation.
You see what you want to see.
So what I'm saying is we need to make an electronic version of that, but with one tiny, tiny change, which is that it'll only show you the British passport if I've actually got one.
It'll only show you the party invitation It will only show you that I'm over 18 if I actually am over 18.
But nothing else.
So you're the bouncer at the pub, you need to know that I'm over 18, instead of showing you my driving license, which shows you I know how to drive, what my name is, my address, all these kind of things, I show you my psychic paper, and all it tells you is am I over 18 or not.
Right.
Is that just a pipe dream?
Of course not, otherwise I wouldn't be here talking to you.
So in order to build that and make it work, I'm only going to name these things, I'll not go into them, we need a plan, which is we're going to build this as an infrastructure for everybody to use, to solve all of these problems.
We're going to make a utility, the utility has to be universal, you can use it everywhere, I'm just giving you little flashes of the technology as we go along.
That's a Japanese ATM, the fingerprint template is stored inside the mobile phone.
So when you want to draw money out, you put the mobile phone on the ATM, and touch your finger, your fingerprint goes through to the phone, the phone says yes, that's whoever, and the ATM then gives you some money.
It has to be a utility that you can use everywhere.
It has to be absolutely convenient, that's me going into the pub.
All the device on the door of the pub is allowed is, is this person over 18 and not barred from the pub?
And so the idea is, you touch your ID card to the door, and if I am allowed in, it shows my picture, if I'm not allowed in, it shows a red cross.
It doesn't disclose any other information.
It has to have no special gadgets.
That can only mean one thing, following on from Ross's statement, which I agree with completely.
If it means no special gadgets, it has to run on a mobile phone.
That's the only choice we have, we have to make it work on mobile phones.
There are 6.6 billion mobile phone subscriptions.
My favorite statistic of all time, only 4 billion toothbrushes in the world.
That means something, I don't know what.
I rely on our futurologists to tell me.
It has to be a utility which is extensible.
that anybody could build on.
Anybody should be able to use this infrastructure, you don't need permissions, licenses, whatever, anyone should be able to write some code to do this.
You know what symmetry is, so you don't need a picture of it.
This is how we're going to do it.
We're going to do it using phones, using mobile proximity.
I'm going to suggest to you the technology to implement Doctor Who's psychic paper is already here, and if any of you have got one of the new Barclay's debit cards with the contactless interface on it, you've already got that technology.
If you've ever been up to the big city, and used an Oyster card at all, does that ring any bells to anybody?
The technology already exists.
The first phones the Google Nexus, the S2, the Samsung Wifi 7.9, the technology built into them are already in the shops.
So the idea that the gas man can turn up at my mom's door and he can show my mom his phone, and she can tap it with her phone, and it will come up with green if he really is from British Gas and allowed in, and it'll come up with red if he isn't, end of story.
We have the technology to do that.
And what's more, although some of those things sounded a bit counter-intuitive, like proving I'm over 18 without proving who I am, the cryptography to do that not only exists, it's extremely well-known and well-understood.
Digital signatures, the blinding of public key certificates, these technologies have been around for a while, we've just had no way of packaging them up.
So the technology already exists.
We know it works, There are a few examples of the technology being used in experimental places.
That's London Fashion Week, where we built a system with O2, that's for the Wireless Festival in Hyde Park, you can see the persons walking in with their VIP band, it's just being checked by the Nokia phone that's reading the band.
I'm only putting those up to show you these things are prosaic, this stuff works in these environments.
They don't need to be special.
So finally, I know that you can do this, because if you saw the episode of Doctor Who, the Easter special of Doctor Who, where he went to Mars in a bus, I should say again for our foreign students, that doesn't happen every episode.
This was a very special case.
So in the episode where he goes to Mars in a London bus, I can't show you the clip, due to the outrageous restrictions of Queen Anne-style copyright by the BBC, but in the episode where he goes to Mars in a London bus, Doctor Who is clearly shown getting on to the bus with the Oyster card reader using his psychic paper.
Which proves that psychic paper has an MSE interface.
Thank you very much. | {
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葡萄酒は空になり、途中まで談笑していたことまでは覚えているが、シェーナはいつの間にか眠ってしまった。
周囲を見渡すと、キシャナの姿はどこにもない。
シェーナは簡易ベッドから立ち上がると、テーブルにコッの水と手紙が添えられているのを見つけた。
『おはよう。昨晩は久々に楽しい酒が飲めたよ。仕事を片付けてくるから、シェーナはゆっくり休んでいてくれ』
どうやらキシャナは仕事に出かけたらしい。
騎士鎧は脱がされて簡易ベッドの横に置いてあり、鎖帷子の姿だった。
前世から面倒見がいい性格をしていたから、自然と友人の輪を広げることが上手だった。それだけに、女ダークエルフとして異世界転生した経緯を知ったときはショックだった。今後、キシャナには幸せな人生を歩んで欲しいし、シェーナができることは協力するつもりだ。
窓の外から陽が差し込んで景色を眺めると、雲一つない青空とそよ風が出迎えてくれた。
北方のハシェル王国やプライデンは気候に恵まれて、飢饉に見舞われることは滅多になかった。
異世界特有のモンスターによる襲撃の被害は報告されているが、ハシェル王国では地方領主が自警団を設立、本国から騎士団を派遣して柔軟な対策をしていた。
シェーナも以前は地方に派遣されることがあった。仲間内では地方に派遣されることは出世コースから外されると敬遠されがちだったが、シェーナにとっては力を振るう機会が用意されて有難かった。
新鮮な空気を吸って気分が良くなってきた時に、玄関の扉をノックする音が聞こえる。
キシャナの知り合いでも訪ねて来たのだろうと思って、シェーナは扉を開けて応対する。
扉の前に立っていたのは、恰幅のいい男だった。
「失礼します。あれ? キシャナさんはいらっしゃいませんか?」
「彼女は留守にしていますが、私で良ければ用件を伺いますよ」
「私はここの大家で彼女は家賃を半年分も滞納しているんですよ。そろそろ耳を揃えて払ってもらわないと困ります。ここの部屋は一人用として貸しているんですが、あなたまさか住み込んでいないでしょうね?」
シェーナは驚いて否定したが、大家は疑いの眼差しを向ける。
まさか家賃を滞納しているとは思わず、キシャナの生活基盤に不安を覚える。
「......少々お待ちください。半年分の家賃は私が払います」
シェーナは簡易ベッドの横に置かれた騎士鎧を大家に渡す。
「これは北方のハシェル王国が正式に採用している魔法付与された騎士鎧です。売れば金貨百枚はする代物です」
「ダメダメ! ちゃんと家賃はお金で支払うのが決まりです。払えないなら退去してもらうよ」
「では鎧を売って換金してきます。少々お時間を......」
「そう言って逃げるつもりだろ! 一人用として提供したのに契約違反は衛兵に通報させてもらいますからね」
騎士鎧が駄目だと、路銀で半年分の家賃は払えないし困った。
シェーナは説得を続けて試みるが、大家は聞く耳を持たないつもりで足早に詰め所へと駆け込もうとする。
「私でよければ金貨百枚と鎧を交換しよう」
の会話に割って入って来たのは、昨日キシャナの隣で装飾品の露店を開いていたエルフの娘だった。 | Schenna remembered all that happened, the wine bottle going empty, the conversation they had while they downed the bottle and then, she fell asleep.
She woke up to find herself in a bunk bed, covered with a blanket with quite a headache. On the bright side, however, she wasn’t feeling nauseous. While taking a look around in search of Kishana, she noticed that the person in question was nowhere to be seen.
Schenna got up from the bed to find a cup filled with water, along with a letter left right next to it.
“Good morning. I had a lot of fun yesterday drinking and talking to you once again. I need to finish up work so Schenna, just rest well until I come back”
It would seem like Kishana had left for work. Schenna felt slightly better as she drank the cup of water that Kishana had left for her, and then noticed something quite serious about her body.
She had been stripped off of her Knight armor, which was placed on top of the bed and changed into chainmail armor. Right next to her pillow, Kishana had left folded underwear with quite a good airflow.
Since their lives in the previous world, Kishana had always been good at taking care of people so she was naturally good at making friends. All of that just to die and be reborn in a different world. This time Schenna wanted to make sure she lived a good life, so she was willing to help her with whatever she could.
She enjoyed the view from the window as the sunshine shone brightly through along with a gentle breeze, without a single cloud in the sky.
The northern part of the kingdom of Hashel and Priden were blessed with an excellent climate, making it very rare for the crops to ever die out.
There were reports of damage caused by the attack of unique monsters from another world, which was dealt with fast after the feudal lord from the province reinforced the area and the knight corps were dispatched from the main country.
Schenna had also been dispatched to these provinces before. This was often a chance for her comrades to step away from the knight career but to Schenna, it was just a good opportunity to get stronger. Which, in the end, only brought her trouble since she gave away a very good impression to the leader of the knight corps, pretty much the reason why her life started going downhill... but then again, that’s how she got to meet Kishana so it might have not been that bad.
At the same time she took a deep breath of fresh air, someone seemed to be knocking on the door.
She thought it could be an acquaintance of Kishana coming over to visit so she went ahead to welcome the person.
Standing in front of the door was a muscular man.
“Excuse me. Oh? Is Kishana-san not around?”
“She is currently not home, however, if you wish so I could pass on a message”
“I’m the landlord of this house and she still has to pay for half a year of rent. It’s time we settle this out since it’s been dragging for too long. Also, I’m renting out this place for one person only so you’re not living here right?”
While in shock, Schenna denied living there but the man kept staring in doubt.
The unexpected debt of half a year of rent caught her by surprise and worried about her situation.
“Please wait a little bit. I’ll cover her debt.”
Schenna brought the knight armor that was on her bed and handed it over to the landlord.
“This knight armor is used officially in the northern part of Hashel, a unique kind of armor enchanted with magic. Selling this will get you a good few hundred gold coins”
“No, that’s not how it works here! I want the money in hand and that’s it, if there’s none then I’ll have both of you out of here!”
“Well then, at least give me a while to sell the armor and hand you the money.”
“You’re just saying that and planning to run away right!? In the contract, it’s well explicit that this room is for one person only, she already broke it so I’ll simply report this to the authorities!”
I can’t pay with my armor, and the money I brought for the trip is not anywhere near enough to pay for it.
Schenna kept trying to convince him but he wasn’t listening at all and began heading towards the guard’s station.
“If you’re okay with it, I would like to offer you a few hundred gold coins for that piece of armor.”
Said the Elf, who happened to overhear the conversation, as she broke her way into the dispute. She was the Elf with an ornament stall right next to where Kishana had her fortune-telling stall. | {
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なので、仕事もなく、食べ物もありません。
子どもたちの多くが このようにひどい栄養失調になりました。
ご存知のように、 民族紛争で一番影響を受けるのは いつも女性と子どもたちで
私たちの患者もほとんどがそうです。
私の家の裏庭で
みんなを受け入れています。
これが今のうちのキャンプです。 9万人の人がいて 75%が女性と子どもです。
これが診療所の内部ですね。 キャンプの人々が助けを必要としているので
帝王切開やその他の手術を行っています。 彼らを守るべき政府がないのです。
毎朝400人前後の 患者さんがやって来ます。
我々5人の医師と 16人の看護士では 全ての患者さんを診るには肉体的に疲れ果ててしまうこともあります。
そういうときは重症患者を診て ほかの人たちを翌日にまわしたりします。
そうするのはとても辛いです。
見ての通り、子どもの世話をするのは女性で 病院にやってくるのも女性で、 家を作るのもその女性なのです。
これが女性たちの家です。
キャンプには学校もあります。 これが2年前に始めた小学校です。 850人の生徒がいて、 過半数は女性と女の子です。
ハワ・アブディ診療所では、誰が診療を受けられるか 大事なルールがあるそうですが
説明していただけますか?
私たちのところへやって来る人たちは 誰でも歓迎です。
私たちは、自分たちが持っているものを 分かち合います。
でも、それには二つだけ決まりがあります。
最初のルールは ソマリア社会の部族による区別や 政治的な区別はナシということです。
区別をする人は追い出されます。
二つ目のルールは 妻への暴力の禁止です。
もしも暴力を振るったら その夫は牢屋に入れられ、 長老が呼ばれます。
長老が裁きを下すまでは 絶対に釈放しません。
これが私たちの二つの決まりです。
もうひとつ私が気がついたことは 女性は地球上で もっとも強い存在だということです。
なぜなら、過去20年間 ソマリアの女性は立ち上がってきました。
ソマリアの女性はリーダーでした。 私たち女性は 自分たちのコミュニティのリーダーであり、 次の世代の希望です。
私たち女性は内戦による ただの無力な被害者ではありません。
私たち女性は仲直りができます。
私たち女性には何だって可能なのです。
母が言うように、ソマリアでは女性が未来の希望で、 男たちはただ殺しあっています。
だから、このような二つのルールが出来たのです。
9万人もの人がいるキャンプでは 何かルールを作らねば争いごとがおこります。
だから、民族区別をなくし、 男は妻に暴力を振るってはなりません。
そして、私たちは小さな倉庫を 牢屋に作り変えました。
なので、もし妻に暴力を振るったら牢屋に入るのです。
私たちは女性の権限と機会向上のために活動しています。 女性たちは一人ぼっちではありません。
貴女がた母娘は診療所を運営していますね。
そのおかげで、本当なら診療を受けられない人々に とても必要とされている医療的ケアをもたらしました。
あなたたちはコミュニティも運営しています。
独自の決まりを作り、 女性と子どもたちが 今までとは異なる安心感を得られるようになりました。
アブディ先生、あなたの決断について聞かせてください。 そして、モハメド先生は 医師となり お母様と一緒に働く決心を
どのようにされたのかを聞かせてください。 1947年生まれの 私の世代には、 当時はまだ 政府があり、法と秩序がありました。
しかし、ある日 母が病気になり 私は病院へ行きました。 私は病院で医師が重要な仕事をし、 病人を助けることに いかに献身的に取り組んでいるのかを見ました。
私はお医者さんたちを尊敬し、 自分も医師になろうと決心したのです。
残念ながら母は 私が12歳の時に亡くなりました。
それから父が私が夢に向かって 進むのを許してくれました。
母は婦人科系疾患の合併症が もとで亡くなりました。 だから私は婦人科の 専門医になろうと決めました。
こうして私は医師になりました。
次はデコ先生の番ですね。
私の場合、私が小さなときから医師になるように 母が準備をしてくれていましたが、本当はなりたくありませんでした。
私は歴史家か、 記者になるはずでした。
大好きですが、うまくはいきませんでした。
内戦が始まったとき、 私は母がいかに人々の助けになっているか、 いかに母が本当に助けを必要としているか、 そしてソマリアでは女性や子どもを助けるためには 女医のケアを受けられることがいかに必要か ということを目の当たりにしました。
そこで私は、記者と婦人科医の両方になれるかもと考えました。
そして私は、母と同じように、 ビエト連邦時代のロシアへ行きました。
なので、私たち母娘の性格は ソビエトでの研修という強烈な経歴からきているかもしれません。
こういうわけで私は母と同じように医師になりました。
私の妹は違います。
妹も今日来ています。妹も医師です。
妹もロシアで卒業しました。
帰国して母と一緒に働くということは 内戦の中で私たち姉妹が見い出したことです。 私が16歳、妹が11歳のときに 内戦が勃発しました。
90年代の初めに目にした 人々の窮状が 私たち姉妹を帰国させ、 その人たちのために働こうと思わせたのです。 このように大変危険で、
時には恐ろしいよう状況で 母娘で働くときの 一番の問題はなんですか? そう、私はとても危険で、
大変な状況で働いていました。 私を必要とする人を見たときに、 私はその人たちを助けるために一緒にいることにしたのです。 なぜなら私はその人たちに何かをしてあげられたからです。
多くの人は海外へ脱出しました。
でも私は人々と残り、 私ができるどんなささいなことでも 何かをしようと努力しました。
私は自分のいる場所で成功しました。
今、私のところには お互いを尊重しあい、 争いごとをしない9万人もの人々がいます。
私たち母娘は自分の足で立って、 キャンプの人々のために小さくても何かをやろうとしています。
そして私は娘たちに感謝しています。
娘たちが私のところへ来てくれたとき、 娘たちは私が人々を治療して助けるのを 手伝ってくれました。
娘たちはキャンプの人々のために何でもしてくれます。
娘たちは私が人々にしてあげたいと願っていたことをやってくれました。
貴女にとってお母様と一緒に働くことで 一番良いことは何ですか? そして、一番困難なことは何ですか?
母はとても厳しいので、それが一番大変です。
母はいつも私たちがもっとやるよう期待しています。
そして本当にもう出来ないと思っても 母の押しで、出来るのです。
それが一番いい部分です。
母は私たちがどうやったらいいか、 どうしたらもっと良い人間になれるか、 どうしたら長時間手術をできるか...訓練するのです。 一日に300人の患者と 10~20件の手術をし、 さらにキャンプを世話しなくてはなりません。 母はそんな風に私たちを訓練するのです。
20人の患者で疲れたと言える ここのきれいなオフィスと違って
300人の患者を診て、20件の手術をして 9万人の人の世話をするのです。
でも、貴女たちはそれを素晴らしい理由でやっておられます。
待って、待って。
ありがとうございました。
ありがとうございます。
どうもありがとうございました。 | So there was no job, no food.
Children, most of them, became very malnourished, like this.
Deqo Mohamed: So as you know, always in a civil war, the ones affected most [are] the women and children.
So our patients are women and children.
And they are in our backyard.
It's our home. We welcome them.
That's the camp that we have in now 90,000 people, where 75 percent of them are women and children.
Pat Mitchell: And this is your hospital. This is the inside.
HA: We are doing C-sections and different operations There is no government to protect them.
DM: Every morning we have about 400 patients, maybe more or less.
But sometimes we are only five doctors and 16 nurses, and we are physically getting exhausted to see all of them.
But we take the severe ones, and we reschedule the other ones the next day.
It is very tough.
And as you can see, it's the women who are carrying the children; it's the women who come into the hospitals; it's the women [are] building the houses.
That's their house.
And we have a school. This is our bright -- we opened [in the] last two years [an] elementary school where we have 850 children, and the majority are women and girls.
PM: And the doctors have some very big rules about who can get treated at the clinic.
Would you explain the rules for admission?
HA: The people who are coming to us, we are welcoming.
We are sharing with them whatever we have.
But there are only two rules.
First rule: there is no clan distinguished and political division in Somali society.
[Whomever] makes those things we throw out.
The second: no man can beat his wife.
If he beat, we will put [him] in jail, and we will call the eldest people.
Until they identify this case, we'll never release him.
That's our two rules.
The other thing that I have realized, that the woman is the most strong person all over the world.
Because the last 20 years, the Somali woman has stood up.
They were the leaders, and we are the leaders of our community and the hope of our future generations.
We are not just the helpless and the victims of the civil war.
We can reconcile.
We can do everything.
DM: As my mother said, we are the future hope, and the men are only killing in Somalia.
So we came up with these two rules.
In a camp with 90,000 people, you have to come up with some rules or there is going to be some fights.
So there is no clan division, and no man can beat his wife.
And we have a little storage room where we converted a jail.
So if you beat your wife, you're going to be there.
So empowering the women and giving the opportunity -- we are there for them. They are not alone for this.
PM: You're running a medical clinic.
It brought much, much needed medical care to people who wouldn't get it.
You're also running a civil society.
You've created your own rules, in which women and children are getting a different sense of security.
Talk to me about your decision, Dr. Abdi, and your decision, Dr. Mohamed, for you to become a doctor and to work with your mother in these circumstances.
HA: My age -- because I was born in 1947 -- we were having, at that time, government, law and order.
But one day, I went to the hospital -- my mother was sick -- and I saw the hospital, how they [were] treating the doctors, how they [are] committed to help the sick people.
I admired them, and I decided to become a doctor.
My mother died, unfortunately, when I was 12 years [old].
Then my father allowed me to proceed [with] my hope.
My mother died in [a] gynecology complication, so I decided to become a gynecology specialist.
That's why I became a doctor.
So Dr. Deqo has to explain.
DM: For me, my mother was preparing [me] when I was a child to become a doctor, but I really didn't want to.
Maybe I should become an historian, or maybe a reporter.
I loved it, but it didn't work.
When the war broke out -- civil war -- I saw how my mother was helping and how she really needed the help, and how the care is essential to the woman to be a woman doctor in Somalia and help the women and children.
And I thought, maybe I can be a reporter and doctor gynecologist.
So I went to Russia, and my mother also, [during the] time of [the] Soviet Union.
So some of our character, maybe we will come with a strong Soviet background of training.
So that's how I decided [to do] the same.
My sister was different.
She's here. She's also a doctor.
She graduated in Russia also.
And to go back and to work with our mother is just what we saw in the civil war -- when I was 16, and my sister was 11, when the civil war broke out.
So it was the need and the people we saw in the early '90s -- that's what made us go back and work for them.
PM: So what is the biggest challenge working, mother and daughter, in such dangerous and sometimes scary situations?
HA: Yes, I was working in a tough situation, And when I saw the people who needed me, I was staying with them to help, because I [could] do something for them.
Most people fled abroad.
But I remained with those people, and I was trying to do something -- [any] little thing I [could] do.
I succeeded in my place.
Now my place is 90,000 people who are respecting each other, who are not fighting.
But we try to stand on our feet, to do something, little things, we can for our people.
And I'm thankful for my daughters.
When they come to me, they help me to treat the people, to help.
They do everything for them.
They have done what I desire to do for them.
PM: What's the best part of working with your mother, and the most challenging part for you?
DM: She's very tough; it's most challenging.
She always expects us to do more.
And really when you think [you] cannot do it, she will push you, and I can do it.
That's the best part.
She shows us, trains us how to do and how to be better [people] and how to do long hours in surgery -- 300 patients per day, 10, 20 surgeries, and still you have to manage the camp -- that's how she trains us.
It is not like beautiful offices here, 20 patients, you're tired.
You see 300 patients, 20 surgeries and 90,000 people to manage.
PM: But you do it for good reasons.
Wait. Wait.
HA: Thank you.
DM: Thank you.
HA: Thank you very much. DM: Thank you very much. | {
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セイヤたちの姿は、現在、ダクリで最も高級なホテルの、最上階であるスイートルームにあった。スイートルームにあり、眺めも素晴らしい。
ホテルの八階には、スイートルームが全部あったが、セイヤたちはそのうちに二つをとっている。部屋割りは当然、セイヤたと、生徒会三人だ。
「よし、全員揃ったな」
セイヤは部屋に全員が揃ったことを確認すると、制服の内ポケットに手を入れて、あるものを取り出し、全員に渡した。
「これは?」
セレナが不思議そうに渡されたものを見る。それはこの場にいるセイヤ以外の全員が同じだった。そんに対してセイヤは説明する。
「それはICゲータミニだ。俺の持っているICゲータと違い、制限はあるが、仮想グレラを使える3万グレラ入れといたから、何かあった際には使ってくれ。と言っても、できれば宿からは出ないように頼む」
セイヤの説明に、一同がICゲータミニを見る。セイヤの持っているICゲータは言ってしまえば、チャージ型のお財布である。
ものを売ったり、ものを買ったりする際にICゲータにチャージされている仮想グレラが変動し、物の取引が可能になる。青年によるとダクリア二区内と、一部の他区がこのICゲータに対応しているらしい。
一方、ユアたちが渡されたICゲータミニは、機能的にはICゲータと変わらないが、チャージできる仮想グレラに違いがあった。普通のICゲータはチャージできる限度額が存在しないのだが、ICゲータミニには種類によってに限度額が設定されている。
例えば、今回ユアたちに渡されたICゲータミニの限度額は5万グレラ。そしてチャージされている額が3万グレラ。つまりユアたちが頑張れば、5万グレラまで増やすこともできる。他にも、限度額が1万グレラの子供用から、100万グレラまでのものまで存在する。
通常はセイヤの持っているICゲータは全財産を入れているため、貸金庫などに入れて置き、必要な時にICゲータミニをチャージする、いわば銀行のようなものなのだ。
そのため、街中で普通のICゲータを持っている人は、他所から来たものか、よほど自分の力に自信のある物ぐらいしかいなかった。
「あと、それはさっきみたいに物を売れば仮想グレラを増やすことができる。と言っても限度額が5万グレラまでしかないから、超えるときは新しいICゲータミニを発行してもらえ。一つ2000グレラだそうだ」
セイヤの説明に沈黙する一同。どうやら仮想グレラの仕組みなどを理解できていないため、セイヤの言っていることを理解するのは難しいようだ。
なので、一同は絶対に外へ出るときはセイヤと一緒に出て、それ以外は何があっても部屋に籠っておこうと決心するのであった。
「ところでセイヤ......これからどうするの......?」
「そうよ、ここまで来たけど、お母さんがどこにいるのかわからないじゃん?」
ユアとセレナの質問はもっともだ。
セイヤたちの目的はモカ=フェニックスの救出であって、観光ではない。しかし救出しようにも、モカがどこにいるのかわからないのでは意味がない。けれども、モカの居場所を知るような手段など、セイヤたちにはなかった。
「それに関しては街での聞き込みしかないだろうな」
「聞き込み!?」
「そんなことをして大丈夫なのでしょうか?」
「早くしないと危険かも」
セイヤの何とも呑気な答えに驚く生徒会メンバー。
確かにセイヤたちには聞き込みぐらいしか手段がないが、そうすると、場合によっては長時間かかり、最悪の場合、救出しに来たことが犯人側に知られてしまうかもしれない。
それに、早くモカを救出しないと、何をされてしまうかわかったものではない。そんな焦りが生徒会メンバーに広がっていた。
「おそらくだが、すぐに殺されることはないだろう。もし仮に犯人側の目的がモカ暗殺なら、わざわざこんなところまで連れてこないでレイリア内で殺しているはずだ。
となると、犯人の目的は鳥女の言ったように『フェニックスの焔』になる。けれども犯人はおそらく『フェニックスの焔』のことを詳しく知らないはずだ。もし詳しく知っていたらこのタイミングで攫うこともないだろう。
よって、犯人は『フェニックスの焔』のことを大雑把に知っていて、手に入れようとしたってことだ」
「でもおそらくでしょ?」
少し不安そうな声できくセレナ。無理もない。なにせ自分の母親が攫われて、そのうえ殺される、殺されないという話になっているのだ。
「安心しろ。あと最低でも一週間は無事だ」
「なぜそんなころが言えるの?」
「それは今回の犯人が大きな組織だからさ。犯人はこんな大掛かりな犯行を起こしている。そんなのたくさんの準備とたくさんのリスクが伴う。その辺の盗賊なんかにできるわけもない。
レイリアでいうなら特級魔法師一族か教会レベル以上は必要だ。そんな組織がやっとの思いで確保した対象を、やすやす殺すようなことをするわけはない。最初の一週間は体調面に細心の注意を施すだろうな」
「なら、お母さんは一週間は無事と?」
「ああ。だが逆に言えば一週間を過ぎたら危ないという事だ」
「そんな......」
絶望の表情を浮かべるセレナ。自分たちがレイリア王国を出発してから二日が終わろうとしている。魔装馬を使っても追いつけなかったという事から、犯人はすでにこの地にたどり着いているのか、はたまた他の場所にいるのかもしれない。
もしこの地にいたとしても、モカの生存を安心できるのは、あだ。不安を通り越して絶望に飲まれるセレナ。そんな彼女を見てモーナとアイシィは手を握った。
「まあ、そのために今から情報収集に行ってくるから安心しろ」
「今から......?」
ユアが言いたいのは、こんな時間に出ても大丈夫なのかという事だ。時刻は午後八時に近い。部屋から見える街には、すでに太陽の姿はなく、建物の光が照らしていた。
そんな街にセイヤが一人で行くと言い出したのだ。不安になるのも無理はない。
「ああ、この時間なら酒を飲み始める奴らもいる。その中に酔った勢いで教えてくれる奴がいたらいいと思ってな」
「なら私も行く......」
セイヤを一人で危険な街に出すわけにはいかないと、ユアが名乗りを上げる。そうするとリリィも! と絶対リリィが言い出すので、セイヤはすぐに反対した。
「だめだ」
「どうして?」
「ここはダクリアだ。光属性を使うユアが何かの拍子に光属性を使ってしまったら騒ぎになることは必須だ」
「なら火属性と風属性だけで戦う......」
ユアの言葉に、セイヤは首を横に振る。
「それこそだめだ。いつも光属性を使っているのに慣れない属性を使って危ない目に合わせるわけにはいかない。今回は俺一人で行く。リリィもダメだぞ。見た目が子供だから、もしかしたら店に入れてもらえないかもしれない」
「む~」
セイヤに先を越されて、むくれるリリィ。一方、ユアは理解していたが、納得はできていない様子だった。
そんな三人を見てセレナは思う。この方法は時間がかかるかもしれない。一刻も早くモカを救出したいのだが、情報がないのでは何もできないのは確か。
しかしだからと言って、セレナは何もせず素直に待っていられるかと言われたら、答えはノーだ。
「なら私がついていくわ。私なら光属性じゃないから大丈夫だし、リリィちゃんよりも見た目は大人。それに私のために動いてくれるのに私が何もしないのは認められない」
「あのな、別に俺はお前のためじゃなくてナーリのために」
「わかってる。でも妹のために動いているのに、姉が何もしないのも認められない。だからお願い、ロリコン。私も情報収集に連れていって」
真剣なまなざしでセイヤのことを見るセレナ。そんなセレナの視線を見たセイヤはため息をつきながら言った。
「勝手にしろ」
「ありがと」
同行を許されたセレナは少し嬉しそうだ。しかしセイヤの隣で不満そうな目をしているユアがいたが、セイヤは気づくことはなかった。
「それじゃ、行ってくる。戻るのは遅くても四時間後には帰ってくる。今日中に帰ってこなかったら、一応は警戒しておいてくれ。もしもの時はリリィ、頼んだぞ」
セイヤはそう言い残し、部屋を出る。その後ろにはセレナが着いて行った。
「ねえ、まずはどこに向かうの?」
「まずはこの宿の三階にある服屋だ」
セレナに目的地を聞かれたセイヤはそう答えた。
この宿には宿泊用の部屋以外にもさまざまな施設が入っており、服屋などもあった。しかしセレナにはなぜ服屋に行くのか理解できず戸惑っている模様だ。
そんなセレナのことを見ながら、セイヤは三階へと向かう。移動にはセイヤたちが初めて見たエレベーターを使う。
「それにしてもこのエレベーターって凄いわね」
「これが作れるほど、この国の技術力は高いという事だ」
「そうね」
二人はエレベーターでそのような会話をしながら服屋へと入った。服屋の中はとても広く、子供用から大人用まで数々の種類の服があり、セレナは目を輝かしている。
「いらっしゃいませー」
店員であろう少女が、セイヤたちの方へとくる。年はセイヤたちよりも少し上であろうが、それでも若いと感じる。
セイヤはその店員に、この後行くところを伝えて、そこの場所にあった服を頼む。
店員の少女は、一瞬だけセイヤとセレナのことを見て、ニヤニヤしながら服を探しに行った。
数分後、服の準備ができたので試着室で試してみるようにと言われ、セイヤたちはそれぞれ試着室の中へと入った。
セイヤが試着室の中に入ると、壁にはタキシードのようなものが立て掛けてあり、セイヤは来ていた十三使徒の部下用の制服を脱ぎ、そのタキシードを着る。
「お似合いですね」
タキシードに着替えたセイヤが試着室から出ると、先ほどの店員が、褒めて来た。セイヤはあまり似合っていないと思っていたのだが、店員に褒められ、少しうれしがる。
「これから彼女さんと夜のバーに、ですか?」
店員の少女はセイヤにそう聞いた。セイヤとしては、違うと答えないと、後々セレナに怒られそうな気もしたのが、この時間帯に恋人ではない人とバーに行くと言うのもあれなので、肯定する。
「まあ、そんなところだ」
「そうですか。今晩はお楽しみなのですね?」
店員の少女はニヤニヤしながら、そんなことを聞いてくる。セイヤとしてはこの店員は客にそんなことを言って大丈夫なのか、と疑問に思ったが、言葉にする前にセレナの試着室が開いた。
シャァーーーー
そんな音とともに中から出てきたセレナ。
いつものツインテール姿ではなく髪を下ろし、赤いロングスカートのドレスを着て、黒いドレス用のロンググローブを肘の上までつけている。
カツカツとヒールの音を立て、セイヤの方へと寄ってくる。
「まあ、綺麗ですよ。これで今日の夜も彼氏さんはメロメロですね」
「えっ、かっかっ、彼氏?」
店員の少女の言葉に動揺するセレナ。いきなりセイヤを彼氏扱いされたことに驚いているようだ。セイヤはセレナが変なことを言わないうちに行動に出る。
「きれいだよ、セレナ」
「んっ、んっっっっ???????????????」
いきなりセイヤに名前を言われたことだけで驚きなのに、きれいと言われ言葉が出なくなってしまうセレナ。その顔はただ、ただ、真っ赤だった。
店員の少女が、あらあらと言ったまなざしでセイヤたちを見ている。セイヤは一刻も早くこの場から立ち去りたいと思い、会計を済まそうとする。
「それで、いくらだ?」
「これでいいのですか? ほかにもいろいろありますよ?」
「構わない」
「わかりました。合計で12000グレラですが、いいものを見せてもらったので、1万グレラでいいですよ」
セイヤはそういいながらICゲータで代金を払い、セレナを連れて、店から出る。
その際、店員の少女がニコニコしながら「今夜はごゆっくり~」などと言っていたが、セイヤはそれを無視した。セレナはというと、その言葉でさらに赤面している。
ちなみにセイヤたちの来ていた制服は、店員に頼んで、最上階のスイートルームに運んでおいて貰うことにして、セイヤはそのことをリリィに念話で伝えた。
こうして、セイヤたち二人は夜の街に繰り出すのであった。 | The team was currently in a suite room on the top floor of the most luxurious hotel in the second district. The suite room was on the th floor and provided a wonderful view.
There are four suite rooms on the th floor, but they took two of them. One for the student council and one for the rest.
「All right. Everyone is here」
When Seiya confirmed everyone’s presence, he inserted his hand in his pocket, took out something, and handed it to everyone.
「This is?」
Selena questioningly looked at this thing. The same was true for everyone present except Seiya. Seiya explained to the five.
「This is the IC Gater Mini. It has a few restrictions compared to my IC Gater but with this, you can use the virtual currency. I put thousand grela in each of them, use it as you see fit. That being said, don’t leave the inn too much」
Hearing his explanation, everyone looked at their IC Gater Mini. Seiya’s IC Gater was something like a charge-type wallet.
When selling or buying, you can use the IC Gater to pay, making an exchange possible. According to the youth, there are several companies dealing in support and maintenance of the IC Gater.
The girls’ IC Gater Mini didn’t differ that much from a normal one, it only worked with the different amounts of money. The normal IC Gater has no limit while the IC Gater Mini can only operate with a limited amount of money based on its type.
For example, these IC Gater Mini had a fixed maximum amount of thousand grela, and they currently had thousand on them. In other words, if they work hard they can increase it up to a maximum of 50 thousand. Besides those, there is a type for children with a maximum amount of 10 thousand and a type with a maximum amount of 1 million.
Normally the IC Gater of Seiya’s type is kept in a bank and used to charge the IC Gater Mini when necessary.
Therefore, the people with the normal IC Gater either came from other places or confident in their own power.
「Also, you can fill it by selling stuff like we did before. That being said, 50 thousand grela is the limit, if you exceed it you’d have to get a new one. It’s one for 2000 grela, it seems」
Seiya’s explanation was met with silence. Apparently, they had difficulties to comprehend the concept of virtual grela.
That’s why they decided to go out only with Seiya and stay in their room any other time.
「By the way, Seiya......what are we going to do from now on......? 」
「That’s right. We came all the way here, but we have no idea where my mother is」
Yua’s and Selena’s question was reasonable.
They came here to save Moka Fenix, not for sightseeing. But they had no way to save her since they didn’t know where she was hidden. Nevertheless, they didn’t have any way to figure out the location.
「Regarding that, we have no choice but to ask around」
「Ask around!?」
「Would this method work?」
「It may be dangerous if we don’t hurry」
The student council members were surprised by Seiya’s nonchalant answer.
True enough, they didn’t have any other mean but to ask around. However, it can take too much time or, in the worst case, can alert the criminal.
Besides, they couldn’t predict the consequences of being slow. The student council members were agitated.
「This is just a speculation, but they probably won’t kill her anytime soon. If they want to kill her, they could have done so in the Leiria Kingdom.
That means that their target is『Fenix Flames』. However, the criminal shouldn’t be knowledgeable about『Fenix Flames』.If he knew, he wouldn’t have kidnapped her at such a timing.
Therefore, the criminal only knew the general outline and decided to get it」
「But you aren’t certain, right? 」
Asked Selena in a slightly worried voice. That wasn’t surprising. After all, she had her mother kidnapped and they discussed the probability of her mother being killed or not.
「Relax, She should be safe for at least a week」
「Why can you say that?」
「Because this time’s criminal is a big organization. They committed this large-scale crime. It involved a lot of preparations and risks. Your normal bandits aren’t capable of something like that.
In Leiria’s case, it would have been on the level of a special magician’s clan or the church. There is no way for such an organization to kill the target that they spent so much effort to capture. They will probably treat her carefully for a while」
「Then, is my mother safe for a week? 」
「Yeah. But at the same time, it will turn dangerous after one week」
「It can’t be......」
Selena made a despairing expression. It was the end of the second day since they departed the Leiria Kingdom. Because they couldn’t catch up to the criminal even of the magic horses, he is either already here or in a completely different place.
Even if he was here, they only had a window of six days. Selena downed in her worries and despair. Seeing her like that, Mona and Aishi grasped her hands.
「Well, that’s why I’m going to gather intelligence right now, relax」
「Right now......?」
What Yua asked about was whether it is okay to go out so late. The time was about 8 PM. Looking outside the window, the sun couldn’t be seen leaving only the light from the buildings.
Seiya wanted to go out alone in such a city. Her worries were understandable.
「Yeah, the drunkards start appearing on the streets around this time. I think there is a chance of some of them leaking some secrets」
「Then I’ll go too」
I can’t let Seiya wander the dangerous city, thought Yua. 「Then Lily too!」 she would definitely say something like that. That’s why Seiya immediately disagreed.
「No」
「Why?」
「Because here is the Dakuria. If you somehow end up using your light attribute here, it would escalate into a great commotion」
「Then I’ll fight with only wind and fire attributes.......」
Hearing her words, Seiya swung his head sideways.
「That’s precisely why you can’t. I can’t let you face danger with the attributes you aren’t used to. This time I shall go alone. Lily too. You look like a kid, they won’t let you inside」
「Mu~」
Being a step too late, Lily puffed her cheeks. On the other hand, Yua understood but didn’t seem to be convinced.
Looking at the three, Selena thought. This method may take a lot of time. I want to save Moka as fast as possible but it’s true that there is nothing I can do without any information.
That being said, when someone asks her to obediently wait here the answer is no.
「Then I will go too. I’m not of the light attribute and I look much more adult than Lily. Besides, you are acting for my sake, I can’t just sit and do nothing」
「You know, it’s not like I’m doing it for your sake, it’s for Nari’s」
「I know. But you are here because of my little sister, I, as the older sister, can’t accept being left out. So please, lolicon. Take me with you for the information gathering」
Selena looked at him with serious eyes. Looking into their eyes, Seiya said with a sigh.
「Do what you want」
「Thanks」
Selena, who received the permission to accompany him, looked slightly happy. Next to Seiya, there was Yua with an uncomfortable look in her eyes but he didn’t notice.
「All right then, let’s go. I will come back in four hours at the latest. If I won’t come back today at all, stay on high alert. In the worst case, Lily, I’m counting on you」
Seiya said so and left the room. Selena followed after him.
「Hey, where are we going to go first?」
「First is the clothes store on the third floor of this inn」
Selena asked for a destination and Seiya answered as such.
There are various facilities in this inn besides the rooms, the clothes store is one of them. However, Selena’ didn’t seem to understand the need to visit the clothes store.
Seiya headed for the third floor as he eyed such Selena. To arrive, they used the elevator the saw in this inn for the first time.
「Still, this elevator thingy is amazing」
「That just means that this country’s technological level is this high」
「Right」
The two arrived at the store while having such a conversation in the elevator. The insides of the store were wide, many kinds of clothes ranging from children’s to adult’s could be seen here. Selena’s eyes sparkled.
「Welcome」
A girl, who appeared to be a store clerk, approached Seiya. She was slightly older that Seiya but felt young nevertheless.
Seiya told her the place they planned to visit and asked to pick a suitable outfit.
The girl grinned at Seiya and Selena for a moment and went to fetch the clothes.
After a few minutes, they were told to go to their respective cabins to try the clothes out.
When Seiya entered the fitting room, he saw tuxedo-like clothes on the wall. He took off his uniform of the thirteen apostles’ subordinate and wore the tuxedo.
「It suits you well」
The clerk girl complimented Seiya as he went out of the fitting room in the new tuxedo. Seiya himself didn’t think it suited him but became slightly happy at her compliment.
「Are you going in a night bar with your girlfriend?」
The girl asked Seiya. As for Seiya, he felt that is he says yes here Selena will get furious at him. However, going with someone who isn’t a girlfriend to a bar at this hour is something in itself, so he affirmed.
「Well, something like that」
「I see. Are you going to enjoy yourself tonight? 」
The grinning clerk girl asked such a thing. Seiya wondered whether it was okay for a store clerk to ask something like that from a customer when Selena’s fitting room’s door opened.
Shaa~
With such a sound Selena came out from the fitting room.
Different from her usual twin tails, she let her hair loose, she wore a red dress with long skirt together with long black gloves up until her elbows.
She approached Seiya on her high heels.
「How beautiful. With this, you boyfriend will be all over you this night」
「Eh, b-b-boyfriend? 」
The girl’s words shook Selena. She seemed surprised being treat as Seiya’s girlfriend. Seiya acted before Selena said something weird.
「You’re beautiful, Selena」
「Nn, nnnnnn???????」
Hearing Seiya saying her name was already surprising, but the compliment made her completely lose her words. Her face was red, as red as it could be.
The clerk girl looked at the two with an amused expression. Seiya wanted to finalize the purchase and leave this place as soon as possible.
「How much?」
「Are you fine with this? We have more to offer」
「I don’t mind」
「Understood. It’s 12 thousand grela, but since I saw something nice let it be 10 thousand」
Seiya said so, paid with the IC Gater, and left together with Selena.
At that time the girl said「Take your time this night~」but Seiya chose to ignore it. As for Selena, when she heard the girl’s words, she blushed once again.
As for the uniform, he asked the girl to deliver it to the suite room on the top floor as he informed Lily about it through the telepathy.
Like that, the two ventured into the dark city. | {
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俺は崩壊した壁の向こう側を慎重にうかがった。
特に危険を感じない。罠も無ければ、魔物も居なさそうだ。
ダンジョンの隠し部屋というよりも、人の住んでいる部屋に見える。
「というか......なんとなく見覚えがあるな。ここ」
俺は静かに向こう側へと移動する。
ルッチラとミルカもついてきた。
「ロックさん。ここって......」
「すげー金持ちの家っぽいな」
ミルカは少し興奮気味だ。
「ロックさんロックさん」
「なんだ?」
「ここって空き家かな。空き家なら寝床にしたいんだけど」
「空き家の訳ないだろ。というか、空き家でも勝手に入り込んだら違法だぞ」
「あ、そっか。そういえばそうだったな。ごめん」
そんなことを小声でささやきあっていると、部屋の向こう側に気配を感じた。
静かな足音が徐々に確実にこちらに近づいている。
「ロックさん、隠れましょう」
ルッチラとミルカがそういって近くの机の下に潜り込んだ。
「ロックさんも早く早く」
「わかったよ」
俺も仕方なく机の下に隠れる。
ゲルベルガは緊張しているのだろう。小刻みに震えている。
「ゲルベルガさま。大丈夫だぞ」
安心させるように、優しく羽を撫でた。
その後、すぐに扉が開かれる。
「なに奴だ」
「っ」
静かだが、張りのある誰何の声だ。ミルカがびびって、息をのむ。
だが俺にとっては知っている声だった。ほっとして、俺は机の下から出る。
「夜分遅くにすまない」
「ラ......ロックか。こんなところでどうしたのだ?」
やってきたのは、寝間着姿のエリックだった。右手に聖剣を携えている。
エリックは机の下に俺以外の人間がいることに気づいて、ロック呼びに変えてくれた。
「そのまえに、お前が自ら来るのか。まずは衛兵とかを派遣したほうがいいぞ」
「ロック。そうは言うがな。この隣は俺の寝室だ」
「そうだったのか。それは本当に夜分遅くすまない......」
見覚えがある気がしたのは、王宮だったからだ。
この部屋には来たことはないが、壁紙などが王宮のそれだから見覚えがあったのだろう。
「隣に侵入者の気配がしたんだ。衛兵を呼ぶより俺が向かった方が早いからな」
「そりゃ、早いだろうが、立場があるだろ」
「まあ、そういうな。それより連れを紹介してくれ」
「ルッチラ、ミルカも出てきてくれ」
机の下からルッチラとミルカが出てきた。
「おお、ルッチラであるか。また会えて嬉しいぞ」
「そういって頂けて光栄です。ありがとうございます」
「で、エリック。こちらはミルカだ。さっきそこで知り合ったところだ」
「俺はエリックだ。ロックの友人である。よろしく頼む」
「おう! ロックさんの友達なんだな! よろしくたのむぜ!」
ミルカは明らかにエリックが勇者だとも王様だとも気づいていない。
生きるのに精いっぱいで、常識を学ぶ機会がなかったのだろう。
「ところで、こんな時間に知り合うものなのか?」
「それは、なぜ、ここにいるのかという話にもつながるんだがな」
俺は今までの経緯を説明した。
「つまり、ロックの家からここまでつながっている通路があったということであるか?」
「まあ、簡単に言えばそうなる。厳重に封印はされていたけどな」
「最近、警備体制が緩くないか?」
「返す言葉もない」
先日、王宮へのヴァンパイア侵入を許したばかりだ。
下水道から、歩いて王の寝室の横まで来れるというのは由々しき事態だ。
、超一流の魔導士でなければ突破できない岩壁でふさがれてはいた。
だが、不用心なのは確かだ。
「とにかく、壁が崩壊して通路と下水道とつながっているのはまずいぞ。すぐに直した方がいい」
「そうだな」
「そもそも、なんで俺の家とここがつながってるんだ? 訳が分からんのだが」
「それについては......。心当たりはある」
「そうなのか?」
「ああ、恥ずかしい話ではあるのだがな」
そう言って、エリックは語り始める。
先々代の王、つまりエリックの祖父には愛人がいた。
夫の男爵を早くに亡くした美人の男爵夫人だったらしい。
俺の家は先々代の王が、その愛人のために用意した屋敷なのだという。
「祖父はその通路を通って男爵夫人の家に行ったり、男爵夫人を呼び寄せたりしていたのだろう」
「ああ、だから寝室の隣に通じていたのか」
ルッチラが尋ねる。
「なぜその男爵家は断絶になったのでありますか?」
「跡継ぎが絶えたからだぞ。男爵夫人には一人だけ子供はいたのだが、その子供は侯爵家に養子に入って跡を継いだからな」
「つまりその侯爵さまはエリックの叔父さんか」
「......その、可能性はとても高いと言わざるをえない」
庶子とは言え、王の子だ。気を使って侯爵にしたのだろう。
跡継ぎのいない侯爵家なら、王の力で養子を送り込むこともできるだろう。
「事情は分かった。それで、この通路どうする?」
「ロックの家とつながっているのは問題ない。だが、下水道とつながっているのは看過できぬな。ふさがねばなるまい」
「えっと、つまり下水道とつながっている部分を封鎖して、通路自体は維持するってことか?」
「そうだ。そのほうが心強い。迷惑か?」
「迷惑ではないがな。セキュリティ的な面から不安ではないのか?」
「ロックなら魔法で何とかできるであろう?」
「宮廷魔導士に頼むよりロックに頼む方が安心できるからな。もちろん、報酬は払う」
「じゃあ、大急ぎでふさぐことにするよ」
下水道との通路は、石の壁でふさいで魔法で強化すればいい。
崩れたところだけでなく、通路全体を魔法で防御したほうがよいかもしれない。
俺の魔法があれば、王宮の宝物庫以上に侵入しづらい通路にすることもできるだろう。
俺が通路補強の方法を考えていると、ミルカが俺の袖を引っ張った。
「ロックさん。おれの寝床の入り口ふさいじゃうのかい?」
「そんな......」
ミルカは悲しそうな顔をした。俺はとても可哀そうに思った。 | I looked carefully at the other side of the destroyed wall.
I didn’t feel that there was any danger. There were no traps and no monsters.
It looked more like a room for someone to live in than a dungeon or hidden room.
“Actually...this looks a little familiar. This room.”
I quietly moved towards it.
Luchila and Milka followed after me.
“Mister Locke. It seems like...”
“A really rich person’s house.”
Milka seemed quite excited now.
“Mister Locke, Mister Locke.”
“What?”
“Is this an abandoned house? If it is, I would like to sleep in it.”
“There is no way that it is abandoned. And even if it was, it is against the law to enter without permission.”
“Ah, yes. That is right. Sorry.”
As we whispered to each other like this, I felt a presence from beyond the room.
Quiet footsteps were slowly coming closer to us.
“Mister Locke. Let us hide.”
Luchila and Milka said as they hid underneath a desk.
“Mister Locke, hurry. Hurry.”
And so with little choice, I hid under the desk.
Gerberga seemed nervous. He was shivering.
“Lord Gerberga. Don’t worry.”
I petted his wings to calm him down.
After that, the door immediately opened.
“Who is it!”
“!”
It was a quiet but authoritative voice. Milka gulped.
But it was a voice that was familiar to me. With relief, I pulled myself out from under the desk.
“Sorry to disturb you so late.”
“Ru...Locke. What are you doing here?”
The person who had come in was Eric, in his pajamas. He was carrying his Holy Sword in his right hand.
Eric had realized that there were other people under the desk, and so he had decided to call me Locke instead.
“But really, why did you come first? You should send guards up ahead.”
“Locke. That’s easy for you to say, but this is right next to my bedroom.”
“Is that right. Well then, I am very sorry about disturbing you this late...”
I had thought it looked familiar. That was because it was the palace.
I had never seen this room before, but the wallpaper was the same as the other rooms.
“I detected the presence of intruders from the next room. And it would be faster to come here myself than to call the guards.”
“I suppose you are right, but think of your position.”
“Well, let’s not argue over that. Now, introduce me to your companions.”
“Luchila, Milka. You can come out.”
Luchila and Milka came out from under the desk.
“Ah, so it was Luchila. It’s good to see you again.”
“It is an honor. Thank you.”
“And Eric, this is Milka. We just met her a moment ago.”
“I am Eric. A friend of Locke. Nice to meet you.”
“Oh! A friend of Mister Locke! It’s nice to meet you too!”
Milka clearly did not realize that Eric was a hero and a king.
Survival was hard enough for her without having to learn things that were common knowledge.
“In any case, it seems rather unusual to meet new people at this hour.”
“That has to do with why we are here in the first place.”
And so I explained to him how we got here.
“So what you mean is, there is a passage that connects to here from your house, Locke?”
“Well, yes. Though, it was tightly sealed at first.”
“I see. I see.”
“Don’t you think that your security seems very lax recently?”
“I have no words.”
It was only the other day that vampires had invaded the palace.
But now people were able to get close to the king’s bedroom through walking in the sewers.
Of course, you would still have to be a very powerful Sorcerer to break the wall.
But it was unmistakably careless.
“In any case, it is bad that the passage and the sewers are connected, now that the wall is broken. That must be fixed at once.”
“But in the first place, why is my house connected to here? I don’t understand it.”
“As for that... I have an idea.”
“You do?”
“Yes. But it is an embarrassing story.”
So saying, Eric began to explain.
The last, last king, in other words, Eric’s grandfather, had a lover.
She was the beautiful wife of a baron but had been widowed.
And my house was in fact, a mansion that Eric’s grandfather had prepared for her.
“My grandfather likely used this passage to visit her house or to call her over to the palace.”
“Ah, so that is why it was right next to his bedroom.”
Luchila then asked,
“But why did the baron’s house die out?”
“Because they had no heirs. The baron’s wife did have one child, but that child was adopted by a marquis, and took on their name.”
“In other words, that Marquis is your uncle, Eric.”
“...I have to admit...there is a high possibility of that.”
Even if he was an illegitimate child, he was the king’s son. And so he was made a marquis.
The king had enough power to send in a child to be adopted by a childless marquis house.
“I understand. Well then, what should we do about this passage?”
“I do not mind that it is connected to your house, Locke. But I cannot allow it to be connected to the sewers. It must be sealed.”
“Uh, so you want to seal the part that connects to the sewers, but leave the passage itself open?”
“Indeed. I would feel better that way. Would that bother you?”
“It doesn’t bother me. But aren’t you worried in terms of security?”
“I am sure you could do something about it with magic?”
“I would feel more secure if you did it than if the palace sorcerers did it. And of course, I will pay you.”
“Alright then. I will have it sealed immediately.”
I would block the hole to the sewer with rocks and seal it with magic.
And it would probably be best to cover the entire tunnel in protective magic, not just the area around the hole.
With my magic, I could make it even harder to enter than the palace’s treasure room.
I was thinking of ways to reinforce the place when Milka began to pull at my sleeve.
“Mister Locke. You’re going to block the entrance to my sleeping area?”
“Yes.”
“But...”
Milka looked sad. I felt very sorry for her. | {
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朝になると、シェイラは自然と目が覚めた。
白い雲の浮かぶ青空には鳥の鳴き声が響いている。窓辺に燦々と差し込む、柔らかな白い光に目を細めた。起き抜けなのに頭がスッキリしていて、とてもいい目覚めだ。
今日からいよいよ特別コースの授業が始まる。
適度な緊張とやる気に満ちていて、シェイラはすぐに着替えだした。
少し早いが、食堂に下りていく。いつもより早い時間だというのに食堂は混雑していた。多くの生徒がシェイラと同じように起床の合図前に起きてしまったのかもしれない。
その中に、コディとゼクスを見つけた。
「おはようコディ、ゼクス」
「おはよう、シェイラ」
「おー、お前も早く起きたのか。お前みたいなヤツでも人並みに緊張とかするんだな」
普段は朝に弱いゼクスが、欠していない。彼のような人が緊張している方がシェイラには余程意外だった。
「ゼクスこそ。僕みたいな一般的な感覚とは無縁だと思ってたよ」
「お前が一般ならこの世は終わりだ。国が崩壊する未来しか見えねぇ」
「何それ、失礼だなぁ」
失礼だが言われたことはもっともだと思う。国の中枢を任されたところで、シェイラにはどうせ何もできない。
今日の朝食には、ジャガイモのポタージュが付いていた。皮がパリッとしたジューシーなウインナーも好物だ。何となく幸先がいい気がする。
「今日からどんな授業が始まるんだろうね」
フワフワの白パンをかじりながら呟く。上品にスープを飲んでいたコディが顔を上げた。
「今までは個人の技を練習してきたけど、これからは実践形式で試合をしたりするんだよ。クラスの全員で陣を組んで、戦闘時の役割分担を考えたりとかね。特別コースだったら他にも、魔術と剣術の融合技も習うよ。実際の現場に行って仕事を学ぶ機会もあるし」
融合技というものは学びようがないので残念だけれど、研修の話はセイリュウからも聞いて楽しそうだと思っていた。
「そっか、特別コースに入れたから、僕も研修に行けるんだ」
特別コースに進むことによって同じ特待生のゼクスやバートとは離れてしまったが、コディが一緒だから何とかやっていけるはずだ。
――そういえば、未だに子殿下に会ったことないんだよね。特別コースの授業には参加するだろうから、今日は顔を見れるかもしれないんだ。平民と一緒に授業を受けるなんて、殿下も嫌がるかもしれないけど。
シェイラを疎ましく思っている者達がいることは承知しているが、起こっていない衝突を気にしているのも馬鹿らしい。騎士という目標にまた一歩近付けたこの状況を楽しまないなんて損だ。
牛乳をグビリと一気飲みするシェイラの隣で、ゼクスがため息をついた。
「羨ましいなぁ。俺も研修に行ってみたかった。近衛騎士団への配属もあり得るんだろ?」
騎士を養成する学院に通うからには、やっぱり目標は兵士ではなく騎士になることだ。それも花形の近衛騎士団ならば、憧れて当然というもの。
「確生は、あんまり危険な現場に回されないって言ってたよ。それにレイディルーン先輩から、上級貴族は近衛以外に回されることが多いとも聞いたな」
「僕も、要人警護の現場では、ほとんど研修生を受け入れないって聞いたことある」
コディの話と総合してみると、近衛騎士団での研修は貴族であれ平民であれ、ほぼないに等しいと分かる。
ゼクスもその結論に行き着いたのか、つまらなそうに頬杖をついた。
「何だよ。研修に参加すれば城に上がれると思ってたぜ」
「お城かぁ。確かに平民の僕らからすれば未知の領域だよね」
フェリクスが暮らす屋敷でさえ、シェイラには勿体ないほどなのだ。王族が暮らす城とは一体どれほど絢爛豪華なのか、想像もつかない。
ゼクスが気を取り直したようにこぶしを握った。
「とにかく一般コースでも真剣に取り組んで、トップの成績を目指さなくちゃだな。特別コースに上がるにはそこからだ」
「うん、ゼクスならきっとできるよ」
シェイラに触発されて発奮している友人に、コディが微笑んで頷いた。ゼクスも特別コースに入れたなら、彼にとっても喜ばしいことなのだろう。
改めて目標を見据えの背後から、何やら不穏な気配が漂った。
「――――お前達、話は聞かせてもらった」
ぬっと大きな図体を現したのは、朝から元気な寮長のアックスだった。
「りょ、寮長............」
「普段は飄々としているお前に、そんな熱い一面があったなんて!俺は猛烈に感動しているぞ、ゼクス!この感動を筋肉で表現しようではないか!」
アックスは迷惑そうに顔をしかめるゼクスを捕まえて、ガッシリと肩を組んだ。
「やめてくださいよ、朝っぱらから!くどい!胸焼けがする!」
「胸が焼けるように熱い、だと!?いいぞゼクス、その身を焦がさんばかりの情熱、天晴れだ!」
「今日だけはあんたに絡まれたくなかった!授業前なのに消耗させるんじゃねー!」
ゼクスはジタバタと暴れたが、筋肉の檻の前には無力だった。少しずつ力尽き、ぐったりと屍のように動かなくなっていく。
もぐもぐと口を動かしながら、シェイラはコディを振り向いた。
「ゼクスって貴族相手には礼儀をわきまえてるけど、コディと寮長にだけは素で接してるよね。信頼してるからこそなんだろうね」
青ざめながらゼクスを見守っていたコディは、光を失った瞳で乾いた笑いを漏らす。
「寮長相手だと、真面目にしてるのが馬鹿馬鹿しくなるとは言ってたかな............。というか僕は、この混沌とした状況で平和な感想しか出てこない君がすごいと思うよ............」
広い食堂に、アックスの高らかな笑い声が轟く。のどかで騒々しい朝の光景に、コディは遠い目をした。
「ゼクスが言ってた通り、この世の終わりが見えるよ、うん」
◇ ◆ ◇
稽古場に集まったのは、特別コースに進んだ四年生か生までの生徒、総勢60人。
一般コースとは午前と午後で稽古場を使い分けることになっているらしい。
右から学年順に並んでいて、先頭には高位貴族。序列でいうと平民のシェイラはもちろん最後尾だった。コディの背中は少し前に見えるけれど、レイディルーンの姿は視認できない。王族であるヴィルフレヒトも同様だった。
皆の視線の先に、クローシェザードが現れた。
「クローシェザード⋅ノルシュタインだ。知っていると思うが、特別コースは私が指導することになっている。今年は平民が選ばれており、皆も戸惑うことがあるかもしれない。だが私は、強さに貴賤は関係ないと考えている。平民だからと特別扱いもしなければ、極めて貶めようとも思わない。それぞれが己の強さと真摯に向き合うことを願う」
全員を見回し、クローシェザードが軽く挨拶をする。授業以外のことで時間を割くつもりはないらしい。
「まずは二人一組になって、準備運動を始める。騎士とは体が資本だ。万が一にもただの訓練で怪我などしないよう、入念に体をほぐしておくように」
クローシェザードが手を打つと、それぞれが動き出した。コディが人のいい笑みを浮かべて近付いてくる。
「シェイラ、僕と組もう」
「ありがとうコディ。でも、僕と組んだら君に迷惑が............」
「いいんだよ。初めに言ったでしょう?僕は貴族にも平民にも馴染めないんだって。君のおかげで、今年はそこそこ上手くやれているくらいだよ。だから、僕も君の役に立ちたいんだ」
これまでに勝ち取ってきた信頼があるからか、同学年の生徒からの反発は少ない。けれど準備運動の時間になった途端、物珍しげな視線や攻撃的な視線、好奇の視線など、不躾なほどまじまじと観察され始めた。一緒にいることでコディにまでこの視線が刺さってしまうことを思うと、ただただ申し訳ない。
「シェイラは、平気?」
「うん。狼の群れに囲まれた時の方が、よっぽど怖かったから」
「ハハッ、シェイラらしいや。やっぱり君はすごい」
背中を合わせて後ろ手に腕を組み、お互いの体を持ち上げ合う。まずはシェイラが屈んだ彼の上で背中を伸ばした。
「......スゴいのは、コディの方だよ」
ハイデリオンなど、同期の貴族ならばそこそこ親しくなれてはいる。けれど矢面に立ってまでシェイラを庇ってくれるのは、やはりコディだけだと思うのだ。
彼はシェイラをすごいと言うが、自分のすごさを分かっているのだろうか。ゼクスもシェイラも、彼が困ったように笑いながらも見守っていてくれるから、怖れずに先を目指すことができるのだ。
コディの背中に乗り上げながら空を見上げ、シェイラは微笑んだ。
「僕、コディと友達になれてよかった。コディ大好き」
「.....................ありがとう。だけど大勢がいる場でそういう発言は控えた方がいいと思うな。何人か殺気を飛ばしてきそうな人に心当たりあるから」
「へ?」
彼の声が硬いようなのは、気のせいだろうか。
話しながらも柔軟体操は進んでいく。コディが前屈をする番になり、シェイラは彼の背中を軽く押しながら補助をした。体が柔らかいため、つま先にも余裕で届いている。
シェイラはふと、ある生徒に目が吸い寄せられた。
そこには、日の光を浴びてまるで金細工のように輝く髪の少年がいた。不意に振り向いた彼と目が合う。
陶器のように曇りのない肌。小造りの顔には形のよい鼻と薄い唇が完璧な配置で並んでいる。けれど一際印象的なのは、やはりその瞳だ。宝石のように鮮やかな碧眼がどこまでも澄んでいて、何もかも見通されているような心許ない気持ちになる。
柔軟体操の相手が公爵子息のレイディルーンだったから、という訳ではない。
一目で第二王子殿下、ヴィルフレヒトだと分かった。
簡素で無骨な胸当てや籠手、くたびれた稽古着。同じ物を身に付けているはずなのに、彼の醸し出す空気が、存在そのものが、最上位以外あり得ないほど圧倒的だった。
全てにおいて完璧で欠点のない人だと噂されている、貴族を束ねる存在。そんな人が、特別コースを受けるシェイラをどう思うか。
目が合ったのは一瞬のことだったが、体にピリッと緊張が走った。もしかしたら睨まれるかもしれない。そう思ったのに。
ヴィルフレヒトは、花が綻ぶような可憐な風情で、確かに微笑んだのだ。
面食らったシェイラは、コディに声をかけられるまで目を見開いたまま硬直していた。 | In the morning, Sheila woke up automatically.
The chirping of birds echoed in the blue sky with white clouds. She squinted her eyes at the soft white light shining brilliantly through the window. Even though she had just woken up, she was feeling very refreshed.
Today, the special courses finally began.
Filled with the appropriate amount of tension and enthusiasm, Sheila immediately started getting dressed.
It was a little early, but she went down to the cafeteria. Even though it was earlier than usual, the cafeteria was crowded. Many students might’ve woken up before the wake-up call, just like Sheila.
Among them, she found Cody and Zechs.
“Good morning, Cody and Zechs.”
“Good morning, Sheila.”
“Oh, you woke up early too. I guess even a guy like you gets nervous as much as anyone else.”
Zechs, who was usually sleepy in the morning, hadn’t yawned. It was more surprising to Sheila that someone like him would be nervous.
“Zechs is nervous too. I think it had nothing to do with common people like me.”
“If you’re a common man, the world will end. I can only see a future where the country collapses.”
“That’s rude.”
It was rude, but she thought that he had a point. If she was entrusted with the management of the country, Sheila couldn’t do anything anyway.
Today’s breakfast included a potato potage soup and also juicy wieners with crispy skin. Sheila felt like she was off to a good start.
“I wonder what kind of classes are going to start today.”
Sheila muttered as she nibbled on a piece of fluffy white bread. Cody, who had been elegantly sipping his soup, looked up.
“So far, we’ve been practicing individual techniques, but now we’re going to have practice matches. We’re going to form a team with everyone in the class and work out our roles and responsibilities in battle. In the special course, we’ll learn how to combine magic and swordsmanship. There are also opportunities to go to the actual site and learn about real-life work.”
It was a shame she couldn’t learn about the fusion techniques, but she had heard about the training from Seiryuu and thought it sounded like fun.
“I see. Now that I’ve been accepted into the special course, I can go to the training, too.”
By going to the special course, she got separated from her fellow special students like Zechs and Bert, but she should be able to manage somehow because Cody was with her.
Come to think of it, I still haven’t met His Highness the Second Prince. He will probably attend the special course class, so I might be able to see him today. His Highness might not like the idea of taking a class with a commoner, though.
She was aware that there were those who weren’t happy with her, but it was foolish to worry about a conflict that hadn’t happened. It would be a loss not to enjoy this situation that had brought her one step closer to her goal of becoming a knight.
Next to Sheila, who gulped down her milk, Zechs sighed.
“I’m jealous. I wish I could go to the training too. You could be assigned to the Imperial Knights, right?”
Since she was attending an academy that trained knights, her goal was to become a knight, not a soldier. It was only natural that she would be attracted to the Order of the Imperial Knights, the most prestigious of the knightly orders.
“If I remember right, Leidyrune-senpai said that fourth-year students won’t be sent to dangerous sites. Also, he said that aristocrats are often sent to places other than the Imperial Knights.”
“I’ve also heard that they rarely accept trainees for dignitary protection.”
Combining it together with Cody’s story, it was clear that training for the Order of the Imperial Knights was virtually non-existent, whether you were a noble or a commoner.
Zechs, too, had come to that conclusion, and he looked bored and turned his head on his cheek.
“What? I thought if I attended the training, I could go to the royal castle.”
“A castle, huh? For us commoners, it’s certainly uncharted territory.”
Even the mansion where Felix lived was too good for Sheila. She couldn’t even imagine how gorgeous and luxurious the castle where the royal family lived must be.
Zechs clenched his fists as if to regain his composure.
“Anyway, I’m going to have to work hard and get top grades in the general course if I want to move up to the special course.”
“Yes, I’m sure Zechs can do it.”
Cody smiled and nodded to his friend, who was inspired by Sheila. He would be pleased if Zechs could also join the special course.
As the three of them discussed their goal once again, a disturbing presence drifted up from behind them.
“――You guys, I heard your story.”
The large figure was revealed to be Axe, the dormitory leader, who had been in high spirits since this morning.
“D-dormitory leader....”
“I never knew there was such a passionate side to your normally aloof personality! I’m extremely impressed, Zechs! Let’s express this emotion with our muscles!”
Axe caught Zechs, who frowned annoyingly, and clung to his shoulders.
“Please stop, it’s early in the morning! You’re too loud! It’s giving me heartburn!”
“Your heart burns, you say? Good Zechs, your searing passion, it’s admirable!”
“Just for today, I don’t want you to get in my way! Don’t wear me out before class!”
Zechs jittered and flailed, but he was helpless before the muscular cage. Little by little, he ran out of strength and became limp and motionless like a corpse.
While munching on her breakfast, Sheila turned to Cody.
“Zechs is very polite to the nobles, but only to Cody and the dorm leader is he very straightforward. I guess it’s because he trusts you guys.”
Cody, who was watching Zechs turning pale, let out a dry laugh with eyes that had lost their light.
“Did I mention that it’s ridiculous to be serious when you’re dealing with the dorm leader....? Or perhaps I should say you’re amazing for being able to come up with nothing but peaceful impressions in this chaotic situation....”
Axe’s loud laughter roared through the spacious dining hall. Cody looked at the idyllic and boisterous morning scene with a dazed look.
“Just like Zechs said, I can see the end of the world, yeah.”
◇ ◆ ◇
Gathered in the training hall were a total of students from the fourth through sixth grades who had advanced to the special course.
It seemed that the general course was supposed to use separate training halls in the morning and afternoon.
They were lined up in order of grade from right to left, with the high-ranking nobles at the head of the line. In terms of rank, the commoner Sheila was of course the last. Cody’s back could be seen slightly in front of her, but Leidyrune’s figure wasn’t visible. The same was true for Wilfrecht, who was royalty.
Claushezade appeared before everyone’s eyes.
“I’m Claushezade Norstein. As you know, I will be teaching the special course. This year, a commoner has been chosen, which may confuse some of you. But I believe that strength has nothing to do with nobility. I will not give them special treatment just because they are commoners, nor will I try to demean them. I hope that each of you will show your own strength with sincerity.”
Looking around at everyone, Claushezade gave a light greeting. It seemed that he didn’t intend to prolong any matters not related to class.
“First of all, we will form a pair and start doing warm-up exercises. A knight’s body is his treasure. In order to avoid injury from mere training, you need to loosen up your body carefully.”
When Claushezade clapped his hands, each of them started to move. Cody approached her with a good-natured smile on his face.
“Sheila, let’s team up with me.”
“Thanks, Cody. But working with me will cause you trouble.....”
“It’s okay. I told you at the beginning. I don’t fit in with either the aristocrats or the commoners. Thanks to you, I’m doing pretty well this year. That’s why I want to help you too.”
Perhaps because of the trust Sheila had won so far, there was little resistance from students in the same grade. However, as soon as it was time for the warm-up exercises, she began to be observed by curious, aggressive, and nosy gazes that were as serious as they were impolite. She felt bad when she thought about how this gaze would stick even to Cody by being together.
“Sheila, are you okay?”
“Yeah. I was much more scared when I was surrounded by a pack of wolves.”
“Hahaha, that’s just like Sheila. You’re amazing.”
They lifted each other’s bodies with their backs to each other and their arms behind their backs. First, Sheila stretched her back on him as he bent over.
“.... Cody is the one who’s amazing.”
If he was an aristocrat like Hyderion, maybe they could still get along well enough. However, she still thought that Cody was the only one who would stand up for her.
He said Sheila was amazing, but did he know how amazing he was? Both Zechs and Sheila were able to go on boldyly because he carefully watched over them.
Looking up at the sky as she climbed onto Cody’s back, Sheila smiled.
“I’m glad I became friends with Cody. I like Cody.”
“...... Thank you. But I think you should refrain from saying such things in a public place. I know a few people who might try to kill me.”
“Eh?”
Was it just her imagination that his voice sounded stiff?
Even as they talked, the exercises continued. When it was Cody’s turn to bend forward, Sheila assisted him by lightly pushing on his back. Because of his flexible body, he was able to reach his toes with ease.
Sheila’s eyes were suddenly drawn to one of the students.
There was a boy there, his hair shone like gold in the sunlight. Suddenly, he turned around and their eyes met.
His skin was as clear as porcelain. His small face was perfectly aligned with a well-shaped nose and thin lips. What was most striking, however, were his eyes. The bright blue eyes, like jewels, were so clear that they made her feel as if she could see everything through them.
It wasn’t just because his partner was Leidyrune, the son of a duke.
At first glance, Sheila knew it was the Second Prince, Wilfrecht von Steitz.
His simple and rugged breastplate, gloves, and battered training clothes. Although he was wearing the same clothes, the air he exuded, and his very presence were so overwhelming that he couldn’t have been anything but the best.
He was rumored to be perfect and flawless in every way, the leader of the aristocracy. What would such a person think of Sheila joining the special course?
Their eyes met for a brief moment, and her body tensed up. Perhaps she would be glared at by him too.
However, Wilfrecht only smiled at her with a lovely atmosphere like a blooming flower.
Sheila, who was taken aback, remained wide-eyed and rigid until Cody called out to her. | {
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